記憶に残る一言(その125):大魔王バーンのセリフ(DRAGON QUEST -ダイの大冒険-)

処暑も過ぎたら残暑も多少は和らぐのではないかという儚い希望は脆くも崩れ去り、来ましたね猛暑。夏将軍のアルデンヌ攻勢…ならいいのですが。こういう日は運動を避けるべきと言われますが、避けて通れないならなるべく暑くない時間にということで、今日は9時過ぎにウォーキングに出発しました。後は冷房の効いた部屋で流すぞ。

本日は記憶に残る一言です。懐かしの「DRAGON QUEST -ダイの大冒険-」から大魔王バーンのセリフを紹介しましょう。「DRAGON QUEST -ダイの大冒険-」は1989年から1996年まで週刊少年ジャンプで連載された、ジャンプの平成初期を代表する作品の一つです。単行本の累計発行部数は4700万部以上。

人気RPG「ドラゴンクエスト」シリーズの世界観・設定を元にしていますが、ストーリー自体は完全オリジナルで、ゲーム作品との接点はありません。当時のジャンプはドラクエシリーズを常にバックアップしており、漫画でのメディアミックス企画として本作が登場しました。予想以上の成功を収め、テレビアニメや劇場版アニメも制作されました。

連載初期時は「宿屋に泊まって体力・魔法力を回復」「魔法使いは力が弱く、打撃・武器による格闘は不得手」「冒険の最中での転職」など、ゲームを踏襲する設定や台詞が随所に現れていましたが、後には作品独自のストーリー展開やキャラクターの技・魔法、台詞回しに重きを置くようになっていきました。


主人公は勇者ダイですが、魔法使いのポップが事実上ダブル主人公となっています。弱虫で臆病、ダメダメキャラだったポップが冒険の中で雄々しく成長していく物語とも言えるのですが、連載初期には編集から「いらないから早く殺せ」と言われたこともあったとか。残しておいて大正解。

物語中盤、大魔宮バーンパレスの中へと向かおうとするダイ一行の前に登場する魔王軍総帥・大魔王バーン。ダイたちを舐めまくり、自分一人で全員を相手してやると告げます。

ダイはバーンに突撃していくが一瞬で返り討ちにされます。ダイに火の玉を放つバーンに対し、ポップは火炎系最強呪文メラゾーマで抑え込もうとします。しかしバーンの小さな火の玉は、ポップの放つメラゾーマの炎の激流をあっさり掻き消してしまいます。

それどころかポップに着弾するや火柱がポップを飲み込みます。かろうじてダメージを抑えたポップですが…

「あっ…あんな小さな火の粉なのに…大魔王のメラゾーマはおれの何倍の威力もあるってのかよ…!!!」大魔王の底知れぬ魔力に震えるポップでしたが、バーンの答えは意外なものでした。

「…今のはメラゾーマではない…メラだ…」。
これが今回の記憶に残る一言です。フリーザの「私の戦闘力は530000です」に匹敵する、敵に絶望感を受けるセリフだと思います。ドラクエシリーズの火炎系魔法はメラ系と呼ばれ、メラ、メラミ、メラゾーマと強くなっていきます。今ではメラガイアーなんてのもありますが、当時のメラ系最強魔法はメラゾーマでした。しかもポップもこの頃には大魔法使いとなっており、その最強火炎呪文を弱小呪文で打ち破るという、圧倒的な実力差を端的に示した名シーンですね。

大魔王様によると、「同じメラでも魔力の絶対量によりその威力ははるかに異なる」ということですが、これは当時のゲームのドラクエでは考えられないものでした。というのは当時のドラクエの呪文は唱える者が誰であるかに関わらず、同じ呪文はほぼ一定のダメージしか与えられなかったのです。

2004年に発売された「ドラクエ8」では、賢さや魔力量によって攻撃呪文の威力が変わるようになり、以後のシリーズはそのシステムを継承するようになりました。さすが大魔王、ゲームシステムを先取りしたのか、或いは製作陣に大きな影響を与えたのか(人それを逆輸入という)。

今日の暑さを「…今のは猛暑ではない…残暑だ…」なんて言われたら夏将軍に勝てる気がしなくなってしまいますね。
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