
梅雨が去り、いきなりやって来た夏。暑いことは暑いのですが、しかしまだまだ夏が本気を出していないような気がするのは気のせいなんでしょうか。それとも大阪の夏の厳しさに比べたら筑波嶺の夏はまだしもなんでしょうか。
昨日に続いて2020年夏季アニメ序盤の感想です。今季は視聴作品が少ないので「その2」で終了してしまいます。まず「ド級編隊エグゼロス」。5話まで視聴。今季のお色気三作品のうちの一つです。「月刊少年ジャンプ」の後身である「ジャンプスクエア」連載作品。そういえば少年誌でも月刊誌って、昔はやたらお色気路線に走っていた頃がありました。
特に「月刊少年マガジン」は凄かった。「いけない!ルナ先生」とか「Oh!透明人間」とか。これに対抗して「月刊少年ジャンプ」にも「やるっきゃ騎士」とか「瞳ダイアリー」なんかが連載されていましたが、そもそもは永井豪の「けっこう仮面」(「月光仮面」のパロディ)とか「まぼろしパンティ」(まぼろし探偵」のパロディ)を連載していた「月刊少年ジャンプ」の方が先鞭を付けていたのかも知れません。
そういう月刊誌のDNAを引き継いだのか、人々のエロスの源“ H(エ)ネルギー”を吸い取り人間の生きる活力を奪おうとしている侵略者・キセイ蟲と、これと戦うヒーロー集団「エグゼロス」の活躍を描いています。キセイ蟲の「キセイ」は「寄生」ではなくおそらく「規制」で、人類から性欲を消滅させて緩慢に滅亡させることを狙っているようです。
エグゼロスとはどういう意味かと言えば、“HERO(ヒーロー)は「H(エッチ)」と「ERO(エロ)」でできている”ということで、H×エロ、つまりH×EROS→HXEROSでエグゼロス。Hネルギーを増幅させ、使用者の肉体を強化する人体強化装置の名前で、これを使用することでキセイ蟲と同等以上に戦うことができます。
基本キセイ蟲は人を殺戮したりはしないのですが、キセイ蟲にHネルギーを吸収されると生きる活力を失ってしまいます。主人公炎城烈人(えんじょう れっと)は、幼少期にキセイ蟲に襲撃され、一緒にいた星乃雲母(ほしの きらら)がHネルギーを吸収されて男性嫌悪症になってしまったという過去がありました。本来子供にはHネルギーは少ないので襲撃するメリットは少ないはずですが、やたらませていた雲母が呼び寄せてしまったような気がします。
雲母はHネルギーを蓄えられる量が常人の数十倍という恵まれた素質(?)を持っているということで、既に烈人が所属していたエグゼロスに加入することになりますが、烈人以外は全員女の子というハーレム展開はお約束。なにしろエグゼロスを使うたびに着衣が破けて全裸になるので、男はいらないと言うほかありません(笑)。
感想は…加隈さん、作品選ぼうよ(笑)。他の女性声優はいいのかとツッコまれそうですが、加隈亜衣演じる雲母がなんというか、凄いキャラなもんで。何しろ彼女のHネルギーを吸い取ろうとしたキセイ蟲が、あまりのHネルギー量のせいで吸収しきれずに爆死したりしますから。その前に吸収をストップ出来んのかい。
あとキセイ蟲の面々がやたらに豪華なキャスティングです。女王が井上喜久子であるほか、ほぼ一回限り登場の怪人格のキセイ蟲に伊藤静、名塚佳織、中原麻衣、川澄綾子、豊口めぐみなどなど。なんだこの面子は…たまげたなぁ。現在まで登場しているエグゼロスはサイタマ支部の5人だけですが、他にも支部はあるのでエグゼロスは沢山いるようです。やはり作品のコンセプト上、基本女性隊員が多いだろうと思います。キセイ蟲も雌型しか存在しないそうなので、収録スタジオは華やかで良い匂いがしてそうです。
続いて「ピーター・グリルと賢者の時間」。4話まで視聴。賢者の時間って、賢者タイムか?と思ったらまさにそうでした。15分アニメで、お色気三作品の一角にして内容的に一番ハードコア(?)。通常版の他、性表現の規制を緩和した「大賢者ver.」、年齢制限付きの「超賢者ver.」があります。「異種族レビュアーズ」の影響の大きさたるや。
様々な亜人が存在する異世界で、ピーター・グリルは武闘祭を勝ち抜き、ついに最強の称号を手に入れました。これで意中の相手であるルヴェリア・サンクトゥスと結婚できると歓喜したピーターですが、「地上最強の男」の子種を求めて異種族の女達が積極的すぎるアプローチをしてくることになろうとは…。
女騎士ルヴェリアとはいい感じなのですが、娘を溺愛するパパン(ギルドマスター)のせいで性の知識がほぼ欠如しています。なにしろ赤ちゃんはコウノトリが運んでくるものだと本気で思いこんでいます。そのため、交際して2年が経過しているにも関わらず、手をつなぐより先に進めていないという。
その間隙を突いて迫ってくるオーガ娘やエルフ娘。そして欲求不満のせいなのか、結局やっちゃうピーター(笑)。押しに弱いというか何というか。ただ亜人娘達は結婚とか恋愛を求めている訳ではなく、要は強い子供を産むために子種が欲しいだけなので、セフレと割り切ればそれはそれでとも。まあルヴェリアにばれたらどうなるかは別問題ですけど。
「異種族レビュアーズ」と違ってエッチシーンはほぼ描かれず、“事後”に終始。だから「賢者の時間」なのか。しかしピーターはオーガ姉妹と3Pとかやっているので、途中で賢者タイムが来そうなものなんですが…しっかり両方満足させてから朝チュンとは流石は地上最強の男。なお亜人とはいっても人間基準で見てかなりの美人ばかり来ているので、だからピーターもやっちゃうのかも知れません。
この先ビックリするぐらいの醜女でも登場すればピーターも賢者にならない気がしますが、次回登場のオークは、オーク族の基準ではとんでもない醜女とされているものの、人間基準では十分美少女なので、やはりピーターは朝チュン賢者タイムを迎えることでしょう。
お次は「魔王学院の不適合者」。5話まで視聴。今季唯一の「なろう系」ですが、通常の異世界転生ものではありません。異世界の話ではありますが、異世界の魔王が2000年後の世界に転生するという話です。なので現世のパンピーがチート能力を授かって異世界でヒャッハーするというとは毛色が違います。
2000年前、絶えることのない争いに嫌気がさした魔王アノス・ヴォルディゴードは、自らの命を贄にすることで人間界、魔界、精霊界、神界の4つを1千年は消えない壁で隔て、自らは2千年後に転生することにします。記憶の能力も保持したまま2000年後に人間の夫婦の元に生まれたアノスは、かつて魔王城デルゾゲードであった魔王学院に入学しますが、そこで何者かが色々と過去改竄を行っていることに気づきます。
アノスの転生後の体は人間のものですが、記憶以外にも知能、魔力、魔法技術、身体能力などは転生前と同様です。しかし入学試験での魔力測定において、規格外の魔力で魔力水晶が砕け散ったことで測定値が「0」になったことで、「不適合者」の烙印 を押されてしまいます。それでも入学できるというが何とも「?」なんですが、誰がどうみても強そうなアノスを見ても、学院首脳部が誰も魔王の転生と信じないあたりがもっと「?」です。ゼロと測定不能は同じではないぞ。スカウターの爆発を見て相手の戦闘力をゼロだと思うバカがいるかってことですよ。
「なろう系」らしくアノスは傲岸不遜にオレTSUEEEをやりまくっていますが、不快感がないのは実際に魔王だからでしょう。むしろ「暴虐の魔王」らしくもっと暴れてもいいくらいですが、かなり抑え気味。両親も大事にしているので、あんまり魔王らしくありませんが、元々そんなに乱暴な性格ではなかったようです。今後ニセ魔王との対決とかがあるんでしょうかね。原作は既刊8巻で連載継続中なので、“第一部・完”的フィニッシュになるんでしょうが。
最後に「モンスター娘のお医者さん」。3話まで視聴。今季のお色気三作品の最後の一本ですが、内容的にお色気度は一番低いと思います。なにしろ主人公がエロくないので。
長きに亘って人間と魔族が戦争をしていた世界。なお遺恨が残る世界の中、人間と魔族が共存できる街リンド・ヴルムで、魔族専門の医師として活躍する人間族のグレン。助手であるラミア族のサーフェと共に診療所を営む彼の下には連日異種族の患者がやって来て…。
そもそも魔族専門の医師なので、「モンスター娘のお医者さん」というタイトルはちょっと題名詐欺ではないかと思います。基本女の子だけ診療するとかではないので。多分視聴者のニーズ的にモンスター娘ばかりが登場する訳ですが、仕事中毒で診察や治療に没頭するので、セクハラ的シチュになることはあっても、グレン本人は全くラッキースケベを認識していません。なのでむしろモンスター娘にはモテたりして。
一緒に診療所を営む幼なじみのサーフェはラミアで薬剤師。ラミアなので下半身は蛇ですが、なぜか尻尾を触手のように使っています。タコやイカ系モンスターならともかく、トカゲや蛇が尻尾で何かするというシーンは見たことがないので、違和感を感じますね。触手と尻尾は別モノ!
この世界がそうなのか、リンド・ヴルムという街が特別なのか判りませんが、異種姦というか異種婚があまり問題になっていないようなので、「異種族レビュアーズ」の世界に近いのかも知れません。異種婚があるなら混血もありそうですが、どんなのが生まれてくるんでしょうか。例えばラミア×人間だとどうなるのか興味津々(もっといえば夜の営みをどうやるのかも)なんですが、見た目はどっちかで、性格や特性などに一方の種族の色が出るとか、無難な感じになるんでしょうかね。
しかしそれよりも問題は魔族間の交流の方かも知れません。やはりケンタウロスはケンタウロスと結婚しているみたいなので、異種婚が頻繁といった様子は見られないのですが、それにしては人間であるグレンはやけに狙われているみたいなのは一体どういうことなのか。やはりモンスター娘に囲まれるハーレム展開が待っているのか。