2020年春季アニメ序盤の感想(その3):本好きの下剋上 司書になるためには手段を選んでいられません 第二部/乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…

本日からゴールデンウィーク突入!というところなんですが、今年は新型コロナウイルスのせいで史上最も盛り上がりに欠けるGWではないでしょうか。まあ私はいつも引きこもり気味なんで個人的にはそんなに変わらないという気もしないでもないのですが、毎年恒例の飲み会→カラオケが出来ないのは残念です。

少しでもぱっとさせようと、「昭和の日」にちなんで「艦これ」唯一のガチャ要素である大型艦建造をやってみました。なんで「艦これ」が「昭和の日」と関係あるんだとツッコまれそうですが、登場する艦娘が大体昭和時代に就役・活躍・戦没している(一部に大正就役のお婆ちゃん艦娘もいますが)もので。で、まだ邂逅していない武蔵を狙って4スロット全部使って、出ると言われるレシピ(燃料4000・弾薬7000・鋼材7000・ボーキ2000に開発資材20)を回したところ、3スロ目で遂に武蔵登場。「フッ…随分待たせたようだな……」って、判ってるなあ。

これで戦艦はコンプリート。空母は葛城が残っていますが、この人は建造不可だし通常海域でドロップもしないので、次のイベントで出会うことを祈るばかりです。大和型戦艦はとにかく資源を大食らいするので、大和がいればもういいや…そんなふうに考えていた時期が俺にもありました。


しかーし、武蔵は改二にすると試製51㎝連装砲という「艦これ」最強クラスの大砲が入手できるので、やはり所持したいなと思うようになりました。更に強い51㎝連装砲もありますが、過去のイベントクリア報酬なので現状入手不可です。

ということで、個人的にちょっとだけアゲアゲな気持ちになったので、勢いで春季アニメ序盤の感想を終わらせてしまいましょう。まずは「本好きの下剋上 司書になるためには手段を選んでいられません 第二部」です。4話(通算18話)まで視聴しました。第一期は2019年秋アニメだったので、事実上分割2クールというやつですね。原作は五部構成で、今回は原作の第二部(神殿の巫女見習い)を描きます。ということは順調にいくと五部制作することになるんですね。原作は完結しているので後は円盤の売れ行き次第でしょうか。

タイトルの長さと、現世の日本人が死んで異世界に転生するという出だしはまさに「なろう系」そのものですが、チート要素はあまりありません。異世界転生といっても厳密には死んだ直後の異世界の幼女の身体に入り込んだ形なので、異世界での記憶は全くありません。普通にしゃべれる辺りはチートといえばチートかも知れませんが、何しろ幼女だったので文字などは全く知らず。前世は二十歳過ぎの日本人女性なので、精神年齢的には異常に成熟した幼女になったはずなのですが、実際にはかなり素っ頓狂な性格になっています。身体年齢に引きずられているのでしょうか。

「なろう系」お約束の強い魔力を持っていますが、この世界では平民が魔力を持ってしまうのはハンデでしかなく、多くは短命に終わってしまうのですが、マインは魔力の高さが評価され、魔力を放出できる神殿の巫女に貴族待遇でなることが出来ました。今回は神殿での生活が描かれます。

平民ながら貴族待遇の青色巫女見習いとなったマインは、神殿内部や貴族から敵意を受けることになりますが、まずは3人の側仕えの灰色神官と和解し、窮乏状態にある孤児院を救うために孤児院長に就任することに。第一部から次回予告で登場していた神官長フェルディナンドとは本作から本格的に絡んでいくようです。

フェルディナンドはまだ20代なのに実年齢より遥かに上に見えるというキャラですが、それはCV速水奨のせいではないでしょうか(笑)。もう40年近く前から美形主人公やライバルキャラを演じているベテラン声優ですが、今なお20代の役を演じるとは。流石「ホスト声」。

主人公マインには次から次へと困難が押し寄せており、まるで「おしん」(古い!)のようなのですが、悲壮さとかをあんまり感じないのは、マインがかなり図々しい性格であることと、なんだかんだ周囲に必ず助力者がいるからでしょうか。魔力さえなければ、前世の記憶による菓子レシピや髪飾りなどファンシーグッズの制作でかなりの成功を収めて裕福な平民として暮らせたのではないかと思います。異世界では非常に稀少かつ貴重な本とはいえ、金さえあればなんとかなるでしょう。そういう意味では、通常「なろう系」ではチート能力を保障する高い魔力が却って本人の足かせになっているという異色作ですね。私は大阪での2年間の徒歩通勤のせいで、本を読まなくなってしまいましたが…本当の本好きではなかったんでしょうかね?もっとも現状では図書館も休館中ですが。

最後に、今季最も楽しみにしている「乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…」です。4話まで視聴しました。やはりタイトルの長さで判るとおり「なろう系」ですが、本作は「なろう系」というハンディキャップ(笑)をものともしない良作です。新型コロナウイルス禍で閉塞する現在、本作を心の癒やしにしているという人は私だけではないはずです。

「なろう系」では「悪役令嬢もの」は人気ジャンルになっていて、玉石混淆で様々な作品が乱立しているそうですが、本作は「悪役転生もの」のお勧め作品として必ずといっていいほど挙げられています。我が儘な放題な公爵令嬢カタリナは、8歳で頭を石畳に打ったことで前世の記憶を取り戻しますが、その時判明したのは
①前世では子供時代は野猿と言われ、思春期に乙女ゲームにはまり、女子高生で交通事故で死亡
②この世界は死亡直前にはまっていた乙女ゲーム(「FORTUNE LOVER」)の世界そのもの
③自分はそのゲームに登場した悪役令嬢で、将来的には破滅しかない(良くて国外追放、悪くすると死亡)
ということでした。前世で果たせなかった穏やかな人生を全うしたいという願いを叶えるため、カタリナは破滅エンド回避に奔走することに。

ということで、覚醒後は顔つき以外は全く悪役令嬢ではなくなったカタリナですが、同時期放映の「なろう系」作品「八男って、それはないでしょう!」と比較すると、王都の名家で裕福な公爵家に一人娘として生まれているという点では比較にならないほど恵まれていますが、反面貴族の多くが持っているらしい魔力の方はからっきしです。


公爵令嬢にして王子の婚約者であるカタリナには、冒険者にならなければならない要素はひとかけらもありませんが、魔力を持つ者は15歳になると魔法学園に入らなければならないそうで、まさに魔法学園での日々がゲームの内容ということになります。カタリナは完全に前世のJKの性格になっており、精神年齢も高くなった(肉体年齢8歳時点で精神年齢は17歳)ので、我が儘はすっかり消滅し、年齢不相応な気づかいや思いやりができるようになりましたが、反面、貴族社会の慣習や作法から外れた、貴族令嬢としては破天荒な態度・行動を取るようになります。

そしてカタリナとしては破滅エンドを回避するために自分なりに色々考えて行動するのですが、どれもこれも素っ頓狂です。そう、前世もひっくるめてカタリナは結構おバカなのです。しかし、彼女の行動は周囲の人間、つまり「FORTUNE・LOVER」に登場する主要キャラに大きな影響を与えていきます。それは端的に言えば、本来ヒロインキャラが行うべき言動を先取りしてしまうものなのですが、それによってヒロインの攻略対象キャラ(♂)やライバルキャラ(♀)は、全員カタリナに好意を抱いてしまうことに。

転生者だからか、天性の人たらしになってしまったカタリナ。豊臣秀吉もびっくりですが、本人は破滅フラグ回避に必死なのと、ゲームの悪役であるカタリナが好かれるはずがないと思い込んでいるので、周囲からの男女を問わないラブラブ熱視線に全く気付いていません。

3話までは幼少編ということで、8歳頃のカタリナの、ヒロインの攻略対象キャラやライバルキャラとの絡みが描かれますが、カタリナと触れあった誰も彼もが、それまでに抱えていた鬱屈とかコンプレックスから解放され、魂が救済される結果になります。その様子が見ていて気持ち良く、主人公が転生した甲斐があったなあという気になります。特に女性陣との絡みがいいですね。女性キャラはそれまで結構可哀想な境遇だったので、それを救うカタリナマジ天使という気持ちになります。百合展開も大好物ですし。

4話では遂に魔法学園に入学し、いよいよ「FORTUNE LOVER」本編スタートとなる訳ですが、早速ゲームの主人公にしてヒロインであるマリア・キャンベルまでたらし込みに掛かるカタリナ(笑)。マリアは平民出身ということで貴族の学生からいじめを受けているようですが、攻略対象キャラに代わって颯爽と救ってみせるカタリナの姿にはもはや悪役令嬢の片鱗すらありません。こんなん誰でも好きになってしまうわ。本来であれば率先してマリアをいじめ倒すキャラだったのですが。

なお前世のカタリナは「FORTUNE LOVER」を全クリする前に死んでしまっているので、全てのルートを知っているわけではなく、隠しキャラも知らないようです。度々脳内ではカタリナ・ファイブ(議長カタリナ、強気カタリナ、弱気カタリナ、真面目カタリナ、ハッピーカタリナ)が会議を開いて今後の方針を決定するのですが、全員カタリナのCV内田真礼が演じているのが凄い。「慎重勇者」でのツッコミキャラぶりに豊崎愛生の新境地だと感じたのと同様、本作も内田真礼の新境地ではないかと思います。

マリア役の早見沙織も、とびきりのお澄ましボイスで真ヒロインを演じています。登場する♂キャラに好かれまくるのが宿命である乙女ゲームの主人公らしく、美少女で、穏やかで謙虚な性格をしており、カタリナさえ惚れてしまう可愛さですが、こういうキャラを演じさせるとはやみんは実にはまりますね。しかし、そんな彼女にも密かなトラウマがあるらしく、きっとこれからカタリナが期せずして解消していくことになるのでしょう。

もうカタリナ逆ハーレムエンドしか想像できない展開なんですが、今後どういう展開をするのか楽しみです。「なろう系」にはハーレムエンドになる作品は多数あると思いますが、チート能力以外はなんでそんなにモテモテになるのか理解不能な場合が多いのすが、カタリナの場合はモテモテになる理由が万人に納得できるように描かれており、知らぬは本人ばかりということになっています。願わくば、カタリナを含めて主要キャラ全員が幸せであり続けんことを。

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