記憶に残る一言(その111):ショウ・タッカーのセリフ(鋼の錬金術師)

明日は節分、明後日は立春ということで、俳句の季語的には“冬尽く”という時候でしょうか。今日はいい天気で布団を干したり敷物を洗ったりと活用させていただきました。あの梅雨が来たかのような先週の予報は何だったんでしょうかね。とはいえまだまだ寒い日もあるでしょうから、新型コロナウィルスやインフルエンザへの警戒を緩めずに行きましょう。案外立春以降寒かったりして。

本日は久々に「記憶に残る一言」です。今回は「鋼の錬金術師」からショウ・タッカーのセリフを紹介しましょう。有名作品ですが、実は読んだことがないので作品の紹介がてらで。

「鋼の錬金術師」(略称ハガレン)は、荒川弘が「月刊少年ガンガン」(スクウェア・エニックス)で2001年8月号から2010年7月号まで連載した漫画作品です。全27巻の累計売上部数は全世界で7000万部を突破しており、スクウェア・エニックス発行のコミックスとしては最高記録となっています。

2003~2004年及び2009~2010年の二回に亘ってアニメ化されているほか、2017年12月には実写映画が公開されています。19世紀の産業革命期のヨーロッパ的世界にも関わらず、錬金術が存在するという架空の世界が舞台となったダーク・ファンタジーです。アメストリスの高名な錬金術師の息子であるエドワード(エド)とアルフォンス(アル)が、最愛の母の死を受け入れられず、錬金術で最大の禁忌とされる人体錬成で母を蘇らせようとしますが、失敗してエドは左脚を、アルは身体全てを失ってしまいます。エドは自身の右腕を代価に甲冑にアルの魂を定着させることに何とか成功します。エドは元の身体を取り戻すため、国家錬金術師の資格を取得し、「鋼」の二つ名を得て、絶大な力を持つという賢者の石に肉体を取り戻す可能性を求めて旅立ちます。そこで明らかになっていく真実は…

今回のセリフの発言者であるショウ・タッカーはアメストリスの国家錬金術師であり、生体系錬金術の研究者です。二つ名は「綴命」。2年前に人語を話す合成獣(キメラ)の錬成で国家錬金術師の資格を得ており、巷では「合成獣の権威」と呼ばれています。エドとアルは、賢者の石の情報を集めるために彼を訪ねます。

妻は2年前に逃げたとされ、一人娘のニーナと飼い犬・アレキサンダーと暮らしていました。しかし実際は、妻を2年前に制作した人語を話す合成獣の材料としており、その合成獣はたった一言「死にたい」と話し、その後餌も食べずに死んだそうです。

以後、研究成果が出ず、国家錬金術師の資格を失うことへの焦りから、今度はニーナとアレキサンダーを使って第2の「人語を話す合成獣」を錬成してしまいます。


この時、エドを見た合成獣が「おにいちゃ」と発言したことで、エドはタッカーと以下のような問答をします。
エド「タッカーさん…人語を理解するキメラの研究が認められて資格をとったのはいつだったっけ?」
タッカー「ええと、2年前だね」
エド「奥さんがいなくなったのは?」
タッカー「…2年前だね」

そして最後に「「もうひとつ質問いいかな……ニーナとアレキサンダー どこに行った?」と質問したエドへのタッカーの回答が今回の記憶に残る一言です。2年前は妻、今度は娘と愛犬を使って合成獣を錬成したんですね…

タッカーはエドにしばき倒されますが、笑いながらエドとアルが母親を人体錬成したことと同じだと指摘します。ショウ・タッカーは、それまでヒーローのように描かれていた錬金術師という存在の負の側面を読者に見せつける役割を担い、この一件はエルとアルにとって、自分たちの罪科と錬金術師の重責を再確認させる契機となりました。

実写映画版では大泉洋がショウ・タッカーを演じました。大泉洋は、自身が出演する人気ローカル番組「水曜どうでしょう」で、以前から何度も「君のような勘のいいガキは嫌いだよ」を披露していたそうです。「ぼかぁねえ、君のようなねぇ勘のいいガキは嫌いつってんでしょー」ってな感じで言っていたんですかね。

ただ外見が似ているかどうかと言えば…。ネットでは外見的には矢柴俊博がショウ・タッカー似ているともっぱらの噂です。確かに激似ですね。なぜ起用しなかったし。
アニメでのショウ・タッカーのCVは一期二期共に永井誠。鬱になると評判のシーンをどうぞ。
こちらは実写映画版。直接このシーンではなく、それ以前の場面ですが、ニーナ役の女の子が可愛すぎる。この娘を生け贄に出来るタッカーさんマジパナイ。

それではこのシーンのパロディをいくつか紹介しておきましょう。まず「赤ずきん」版。赤ずきんちゃんがおばあさんに化けた狼に迫りますがその表情が恐すぎる。質問以前におばあさんを一目見ればもう丸わかりじゃないか(笑)。

続いて「艦これ」版。これはプレイヤー以外の人には若干説明が必要だろうと思います。軽巡五十鈴はレベル12まで育成して改装すると「21号対空電探」という装備を持ってきます。電探は装備すると命中・索敵を上昇させるのですが、対空電探はそれに加えて対空能力と優秀な全体防空ボーナスを持つ万能型の装備なのです。しかし、開発は結構困難なので、わりと簡単に入手できる五十鈴を育てて改装し、持って来た電探を引っ剥がす方が楽だということで、五十鈴を「育てて」「剥いで」「食べさせる」という一連の行動は「五十鈴牧場」と呼ばれました。

最後の「食べさせる」というのは、他の艦娘の近代化改修の素材として利用することを指しており、改装した五十鈴は一番上げにくい対空値を+5も上げうる非常に優秀な素材なのです。ブラック鎮守府では日常的な光景と言われてきましたが…最近は21号対空電探より性能の良い電探の入手が容易になったことで、レベル12まで育てる労力が実益に見合わなくなってきたこともあり、五十鈴をかき集めてまで大規模酪農を行うメリットは減っているようです。

なお五十鈴はその名のとおりレベル50まで育てると改二に出来、無条件で対潜先制爆雷攻撃が行える他、対空も高性能になるので、初心者にとっては即戦力として非常に魅力的な軽巡になります。胸まで育ってたりして…

最後に「ケロッグ版」。トニー・ザ・タイガーに迫るココ。これも説明が必要になりますね。


現在ケロッグのシリアル「チョコワ」のキャラはココとなっていますが、以前は長らく象のメルビンだったのです。

2004年にメルビンに加えてジャングルの仲間達と一緒にココがパッケージに登場し、2010年代には遂にココだけになって、商品名も「ココくんのチョコワ」になってしまったという。

こういう経緯からすると、むしろトニー・ザ・タイガーがココに迫る方が正しいような気がします。チョコワを乗っ取ったのはお前やんけ(笑)。ちなみにケロッグの子供向けシリアル、今はコーンフロスティとチョコワ、チョコクリスピーの3種類しかないんですね。昔はシュガーポンとかコンボとか色々あったのに。でも実はそんなに食べたことないんですよね…あっ、それが理由なのか!
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