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福井旅行記①:一乗谷朝倉氏遺跡

晩秋の京都

 霜月つごもり。ここのところ大阪も急に冷え込んできて、着る毛布を出したりしています。早くもコートを着込んでいる人を見て、そろそろ冬物のスーツを出さなきゃなんてようやく思い始める暑がりな私ですが、そこからコートを引っ張り出すまではあっという間だったりして。

ほくりくちほー

 さて本日は先日行ってきた福井旅行の話です。かつて北陸地方というのは東京からだと意外と遠い場所でした。もちろん飛行機を使えばあっという間なんですが、鉄道だと新幹線から在来線を乗り継がなければならなかくて。北陸新幹線が開通したので金沢までは便利になりましたが、福井はなお未開通なのでやはり乗り換え必須。

サンダーバード

 ところが大阪からだと新幹線はなくとも特急サンダーバード一本で2時間足らずで到着します。というか地図を見ると福井の西半分(旧若狭国)は近畿の一部のように思えます。近畿地方の範囲は法律上の明確に定義されていませんが、通例大阪府・京都府・兵庫県・奈良県・三重県・滋賀県・和歌山県の7府県を指すようです。

福井駅

 三重県については東海地方に含まれる場合もありますが、その逆で福井県が近畿地方に含まれる場合もあるようです。でも若狭国はともかく、福井の東半分である旧越前国は、越中・越後・能登・加賀と合わせてかつては越国(こしのくに)の一部だったので、やはり北陸地方にカテゴライズするのが適当だと思います。

恐竜モニュメント

 福井といえばサスペンスドラマのラストシーンでおなじみの東尋坊とか恐竜とかが名高く、駅前には動く恐竜のモニュメントがどーんとあったりします。しかし、今回の私のお目当ては一乗谷朝倉氏遺跡と永平寺です。東尋坊は以前訪問したことがあり、恐竜は小学生時代は好きだったのですが今は特に…という感じなので。

朝倉氏遺跡フリーきっぷ

 まずは一乗谷へ。駅前から京福バスで行きますが、朝倉氏遺跡フリーきっぷ(900円)がお得です。フリー区間で乗り降りしなくても、単に往復するだけでも680円×2なので。

姉川の戦い

 一乗谷朝倉氏遺跡は、福井市内にある戦国時代の遺跡です。戦国好きなら「姉川の戦い」で知っている人も多い朝倉義景の本拠地です。朝倉氏は戦国時代に一乗谷城を中心に5代100年に亘って越前国を支配していました。遺跡は山城だった一乗谷城と山麓の朝倉氏および家臣の居館、商工人などの町からなる城下町で構成されています。

一乗谷川

 遺跡全体が国の特別史跡で、うち4つの日本庭園は一乗谷朝倉氏庭園の名称で国の特別名勝に指定されており、遺跡の出土品は重要文化財となっています。パンフレットではこれを受けて“国の三重指定”なんて記載されています。

朝倉館跡庭園

 朝倉氏の支配する越前国は、畿内から近いこともあって、応仁の乱により荒廃した京から、多くの公家や高僧、文人、学者たちの避難先となったため、一乗谷では華やかな京文化が開花し、「北ノ京」なんて呼ばれたりもしました。全盛期には人口1万人を超え、越前の中心地として栄えていました。

朝倉義景の墓

 室町幕府10代将軍足利義稙や将軍になる前の足利義昭が来訪するなど、足利将軍家に頼りにされていた朝倉氏ですが、結局時流に乗り損ねてしまい、1573年(天正元)年に織田信長に大敗した朝倉義景は、一乗谷を放棄して逃走、一乗谷は信長の軍勢に火を放たれて灰燼に帰してしまいました。時代的に略奪とかはやむを得ないかも知れませんが、焼かずに残して占領するというわけにはいかなかったんでしょうかね。

復原町並裏

 その後信長から越前を任された柴田勝家は北ノ庄を拠点としたため、一乗谷は辺境となって土砂や田畑の下に埋もれてしまいましたが、それが却って幸いし、当主館や侍屋敷、寺院、職人や商人の町屋、庭園から道路に至るまで、戦国時代の町並みをほぼ完全な姿で発掘することができました。遺跡からは約5,000基の遺構が検出され、160万点を超える遺物が出土しており、“日本のポンペイ”なんて呼ばれたりもしています。

復原町並

 城下町の一部は、1995(平成7)年に200メートルにわたって当時の町並みが復元され、復原町並として公開されています。バス停の名前も「復原町並」。原寸大の立体模型は日本初だそうです。遺跡はだいたい無料なのですが、復原町並と朝倉資料館だけは有料です。といってもセット料金で250円なのでごく安いものですが。

武家屋敷

 当時の武家屋敷や庶民の町屋が、映画のセットのように再現されています。家の中も見学でき、台所や井戸、中庭、厠、店舗など、当時の暮らしの様子がリアルに感られます。一部人形も置かれており、特に武家屋敷では将棋(現在とは駒の種類が違う)を指していたり料理をしたりしています。

唐門

 全て復原町並になっていると非常に楽しいのですが、残念ながら大半は平面復原。想像力豊かな人ならこれを見て在りし日の姿を脳裏に浮かべることができるのでしょうが。ま、無料なので文句は言えませんね。城跡は高いところにあって谷底からでは疲れるのでパスして、朝倉館跡に向かいます。そばに立派な唐門が建っていますが、これは朝倉氏の遺構ではなく、朝倉義景の菩提を弔うために建てられた松雲院の寺門で、江戸時代中期に再建されたものだそうです。

朝倉館跡

 高いところから見た朝倉館跡。平時の居館ですが、土塁や櫓があったようです。日本最古の花壇の跡や朝倉義景の墓もあります。また庭園跡もほぼ完全な姿で残っていますが、発掘前から庭石の一部は露出していたそうです。

一乗谷レストラント

 食事は一乗谷レストラントで。“料理のジャンルや食材にとらわれずに一乗谷レストラントでしか味わえない「美味しいもの」 をお出しする”ことをコンセプトにしているそうですが、付近に他に食べられそうなとこらがないという罠。

ソースカツ丼と越前おそしそばセット

 せっかく福井に来たので、名物のソースカツ丼とおろし蕎麦のセット(1400円)と、グランドキリンIPA(700円)。近畿では禁酒しているんですが、北陸地方に来たのでアルコール解禁。しかしメニューも高いけどグラスビール700円もめちゃ高い
です。普通の生ビールで良かったんですが、他のアルコール類が見当たりませんでした。ま、旅先くら贅沢してもいいですよね。福井の景気は私が回す!

福井県立一乗谷朝倉氏遺跡資料館

 食後朝倉資料館へ。正式名称は福井県立一乗谷朝倉氏遺跡資料館。フリーきっぷを使えば無料でバスに乗れますが、歩くのが好きなので歩きました。歩くのは苦ではないのですが、歩道が整備されていないのがちょっと残念でした。資料館の入館料は100円ですが、セットの切符を買ったので実質30円で入れました。地形の模型や朝倉義景館の復元模型、一乗谷の発掘調査で出土した陶磁器、石製品、木製品、金属製品などを展示したごくごく真面目な資料館です。

ドーミーイン福井

 資料館からはバスに乗って福井駅に戻りました。今宵の宿はドーミーイン福井。大浴場がある代わりに部屋にはシャワーしかありませんが、部屋のバスタブはそもそも使わないのでこれで充分。ビジネスホテルに泊まると、部屋で一人「カイジ豪遊ごっこ」をやりたくなるので、酒と肴を求めに外に出たのですが、どうも近所にはスーパーもコンビニもなくて。仕方なく西武百貨店の地下で唐揚げと餃子を調達しましたが、豪遊と言ってもデパ地下では私には豪華過ぎです。確かに美味かったけど高かった…。さてお酒も入ってしまったので、二日目の永平寺は明日にしたいと思います。

カイジの豪遊
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