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鰊御殿とモエレ沼公園:2年ぶりに札幌に行ってきました。

野菜の日

 8月つごもり。今年も三分の二が終了してしまったということに愕然としますね。昔なら夏休み最後の日ということで、子供達は月曜日を前にした日曜日の夕方の10倍くらいの憂鬱さに身もだえしていたものなのですが、最近は8月中に学校が始まっていることも多いようですね。暑くて勉強どことじゃないだろうと思いきや、冷房が入っている学校も結構あるようで、それなら長期休む必然性もないですね。8月31日の「831」が「やさい」と読めることから「野菜の日」とされているそうで、ヘルシーに野菜をたくさん食べるといいかも知れません。

ティアラホテル札幌すすきの

 さて先日、札幌に二泊三日で遊びに行ってきました。二年住んだ思い出の地ということもありますが、私は札幌と北海道を愛して止まないので、年に一回くらいは無性に行きたくなるんです。昨年は道東を旅したので、今回は気楽に札幌ステイ。今回の宿はティアラホテル札幌すすきの。まっすぐ北に歩くとすすきの交差点。さらに行くと札幌駅という好立地でした。

鰊御殿その2

 センチメンタルジャーニーもいいのですが、二年住んでもまだまだ行ったことのないところがたくさんあるので、今回はまず小樽に向かいました。小樽は何度も行きましたが、今回目指すはまだ見ぬ鰊御殿です。鰊御殿とは、戦前まで北海道の日本海沿岸で隆盛を極めたニシン漁で財を成した網元達が、競って造った木造建築物のことです。小樽にはいくつか鰊御殿があるのですが、今回は旧田中福松邸に行きました。

鰊御殿

 小樽駅前から小樽水族館に向かうバスに乗って終点まで行くと、大半の乗客は当然水族館に向かうのですが、ひねくれた私は反対側に歩きます。岬の上に立っているのが鰊御殿。料金は300円。

鰊曇りの海

 裏手には豊漁祈願の神社と崖前の見張り所があり、鰊曇りの空の下、海を見渡すことができます。あれから鰊はどこへ行ったやら…とか言いたくなります。いかにも100年くらいここに建ってますが何か?といった雰囲気ですが、実は積丹半島を挟んで逆側、つまり西南部の泊村に明治30(1987)年に建てられた鰊御殿を、昭和33(1958)年に移築したものなのです。

一階の展示

 御殿の向かって右側が主人家族の住居と客間、左側が台所とか漁夫達(ヤン衆)の住居となっています。内部は鰊漁とか加工に使われた道具類や生活用具がたくさん。漁夫達は筵を3枚支給されて板の間に寝たそうですが、ベッドとまでは言わないけど布団くらいあてがって貰ってもいいんじゃ。もしやブラック企業?

二階の客間

 二階は客間。木材とか良いものを使っているのかも知れませんが、素人目にはただの古い家。なぜか忍者屋敷のような隠し部屋がありますが、用途は不明。借金取りが来たときに隠れるとか、不良漁夫が暴れたときに逃げ込むとか仮説はいくつかるようですが。建造当時の主人が忍者好きで、忍者屋敷に男のロマンを感じたとかだったりして。

ら~めん共和国
炙りチャーシュー麺

 せっかくだから水族館も見たかったのですが、時間がなかったので札幌に戻ります。昼食は駅ビルエスタの10階にあるら~めん共和国。いろんな名店があるんか、まっしぐらに白樺山荘に向かってしまいました。いつもは味噌ラーメンを注文するのですが、共和国限定の炙りチャーシュー麺がお勧めとのことなので、旅で緩くなった財布のひもをほどいて注文してしまいました。やはり白樺山荘はいいですね。汗だくになりながらスープを飲み干してしまいました。

モエレ沼公園

 そして向かうはモエレ沼公園。札幌に住んでいたころ、何度も行ってみようと思ったのですが、地下鉄とバスを乗り継ぐのが面倒臭く感じて結局行きませんでした。いざ行ってみたら別にそんなに面倒でもなかったので、単に気持ちの問題だったんでしょう。モエレ沼公園は北海道らしく非常に広大な敷地の公園ですが、彫刻家のイサム・ノグチが基本設計を手がけ、「全体をひとつの彫刻作品とする」というコンセプトのもと造成され、幾何学的形態を多用した施設が整然と配置されています。

プレイマウンテン頂上からみたモエレ沼

 モエレ沼は石狩川の河跡湖(いわゆる三日月湖)で、ゴミの埋め立て地とされて危機的な状況にあったものを、保全を兼ねた大規模な水郷公園とする計画が生まれ、イサム・ノグチに公園設計を委託して完成したのがモエレ沼公園です。ノグチは2000分の1の模型(マスタープラン)を完成させた後に急死してしまいましたが、マスタープランが完成済であったことで公園造成の継続が決定されました。完成は2005(平成15)年。

ガラスのピラミッド
ピラミッド内部

 まず目に付くのはガラスのピラミッド。「HIDAMARI」と名付けられており、公園を象徴するモニュメントです。ピラミッドと呼ばれますが、見る方向からは違う形にも見えます。中にはレストラン、ギャラリー、ショップ、公園管理事務所などが入っています。

モエレ山のなだらかな道

 そしてバスからでも目に入ったのが公園内最大の造形物であるモエレ山。これを見た瞬間、うんざりした気持ちになりました。「ああ、登らなきゃならないな」と思ったので。別に登ることを義務とされているわけでもなんでもないのですが、なんとかと煙は高いところに昇りたがるというアレです。山とか階段があると登らずにはいられないというのは「山のススメ」病とでも言うべき何でしょうか?

モエレ山の直線路

 標高62メートルで札幌市で最も低い山だそうですが、周囲が平地なので高く見えます。登り口は3方向5ルートあり、いずれも10分ほどで登り切ることができますが、私が登ったのは緩やかに山裾を巡る比較的楽なコースでした。一直線に山頂を目指す階段もあり、もしこっちを見ていたら、見上げただけでめげそうでした。幸い降りるだけに使わせて貰いましたが、運動部の諸君はここでダッシュ登りをすると鍛えられそう。

プレイマウンテン

 ピラミッドを思わせるプレイマウンテン。ノグチが1933(昭和8)年に発案したセントラル・パークに遊園地をつくるプランの「遊び山」の構想が初めて実現したものだそうで、石段は99段ありました。高さは30メートルと大したことないのですが、石段の一段一段の高さが何気に辛い。

頂上からの風景

 ピラミッドの裏側はなだらかな斜面となっていて、上り下りは至極楽ちん。つまりモエレ山で楽した分、プレイマウンテンで苦労したということですね。人生楽ありゃ苦もあるさ。

ミュージックシェルとテトラマウンド

 横目で見ただけのテトラマウンドとミュージックシェル。テトラマウンドは直径2mのステンレス鋼の円柱を三角に組み上げて、真下に芝生の円いマウンドを盛り上げたモニュメントです。ミュージックシェルはコンサートや舞踊などの舞台で、白い半球形の建物は職人が研磨して作り上げたもので反響板にもなっています。

モエレ山頂上

 公園が広すぎるのと、夕方に約束があったので全てを見尽くすことはできませんでした。レンタサイクルもあり、本気で見たければこれを使った方がいいでしょう。公園なので無料というのが嬉しいです。
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好きなアニメキャラ(その107):ラフタリア(盾の勇者の成り上がり)

夏の終わりに

 昨日も今日もエアコンを使っていません。昨日より湿度が下がってさらに夏の終わりを感じる大阪。頼む、この寂しい気持ちと共に安らかに往生して欲しいと願うのですが、まあ残暑ってヤツはそう簡単には逝かないんでしょうね。三ヶ月予報でも気温の高い日が多いみたいですし。

油淋鶏定食

 本日は「松のや」で油淋鶏定食を食べてきました。カラッと揚げた鶏モモ肉に長ネギ、ニンニク、生姜などの香味タレが掛かってスパイシー。肉1.5倍のラージ定食を頼んでも780円とリーズナブルな値段でお腹いっぱいになりました。コスパの高い松屋系列にはついつい行ってしまいますね。

ラフタリア全身図

 本日は「好きなアニメキャラ」。本年冬季~春季と2クール放映していた「なろう系」の「盾の勇者の成り上がり」からメインヒロインのラフタリアを紹介しましょう。世界を破滅へと導くとされる「厄災の波」(通称「波」)の襲来に苦しむ異世界の住人で、人間に似た外見をしていますが、動物的な部位をもつ人種である亜人です。

ラフタリアの奴隷紋

 亜人には様々な種類があり、さらに獣の度合いが高い獣人という種族もいますが、ラフタリアはラクーン種の亜人と言われています。タヌキ系と言われますが、タヌキは英語でラクーン・ドッグ(raccoon dog)で、単にラクーン(raccoon)と言うとアライグマになるのでアライグマ系と呼ぶ方が良いのかも知れません。タヌキとアライグマは似ているといえば似ていますが、同じネコ目(食肉目)イヌ亜目とはいえ片やアライグマ科、片やイヌ科なのでそんなに近縁とも言えません。

ロリタリアその1

 かつては両親とメルロマルク王国のルロロナ村で生活していましたが、「波」による魔物の襲来で両親を亡くして奴隷に身をやつることに。両親がいなくなったら即奴隷に墜ちるというのも乱暴過ぎる話ですが、そこにはメルロマルク王国における亜人に対する強い蔑視がある模様です。亜人嫌いで拷問を趣味とする変態貴族に買われたラフタリアは幼なじみの亜人達と拷問された挙げ句、病気にも掛かって廃人同然となって奴隷商人に払い下げられていました。

ロリタリアその2

 10歳位のラフタリアを買ったのは、異世界に召喚されながら相次ぐ不当な扱いで孤立していた盾の勇者・岩谷尚文でした。盾の勇者は防御力こそ極めて高いのですが、攻撃力がほとんどないので仲間がいないとレベルアップが困難です。なので、仲間を欲して奴隷を物色するというところまでは判らないでもないのですが、いくら持ち合わせが少ないとはいえ、捨て値で売られていた心身共に弱った幼女を戦力化しようと思うかね、普通。

奴隷ご指名を受けて

 書籍版では、女(マルティ)に一方的に嵌められて酷い目に遭ったので「女を奴隷として支配下に置く事で自分を陥れたマルティを支配した気分に浸れ、ラフタリアが怯えたり、最悪死んだりするとそれだけで気が晴れる」という最低な購入理由が明らかにされていますが、流石にアニメではそこまでの描写はありませんでした。

ラフタリアとフィーロ

 ラフタリアのお買い上げ費用は値引きもあって銀貨30枚。後に仲間にするフィーロを「魔物の卵くじ」で引き当てますが、その際の初期費用が銀貨100枚だったことを考えると、お買い得感が際立ちます。まあフィーロも鳥のくせに天使みたいな姿になったり、魔物と戦ったり、馬車を牽いたりと銀貨100枚ではおつりが来るほどの活躍ぶりを見せることになるので、尚文は異様に買い物上手なのかも知れません。貧乏という事情があるとはいえ、これは私も欲しい能力ですね。

スイーツとラフタリア

 ラフタリアは「波」やその後の奴隷生活のトラウマで夜泣きが激しく、尚文にも怯えていましたが、まともな食事を与えられて薬も投与され、夜泣きの際も一晩中抱き抱えてあやし続けるといった尚文の不器用な優しさによって心を開いていきます。当初は戦いも嫌がっていましたが、盾の勇者が亜人達から強く崇拝されていたこともあって、一緒に戦う事決意をします。

ラフタリアその2

 なお、この辺が「なろう系」だなと思うのですが、亜人はレベルアップに合わせて成長するという特性があるらしく、戦いの連続で急速にレベルアップしたラフタリアは外見年齢は18歳くらいに育ちました。精神は幼女のままかと言えば精神的にもそれなりに成長しているようで、尚文に異性として好意を持つようになりますが、尚文は異世界転移の際の諸々の事件のせいで女性不信になっており、成長したラフタリアを見ても幼い頃のままのようにしか見られないらしく、全く進展がありませんでした。

ママタリア

 尚文虐待の一環として一度は奴隷紋を消されて「自由の身」という名の下に引き離されましたが、自らの意思で尚文の下に戻って改めて奴隷紋を記して貰い、「盾の勇者の剣」となることを誓いました。このことが異世界転移後ずっと人間不信に苦しんでいた尚文の心を救うことになりました。幼女姿のラフタリアを「ロリタリア」と呼ぶ一方、尚文に母のような愛を降り注ぐラフタリアは「ママタリア」と呼ばれたり。世話焼きだったり、包容力や庇護力があるなど、年下でありながら母性を見出せる相手に対して「バブみがある」なんて言い方がありますが、ラフタリアはまさにバブみがあるキャラということになりますね。

バブみを感じてオギャるシャア

 余談ですが「赤い彗星」のシャアは年下のララァに関し、後年アムロに「ララァ・スンは私の母になってくれたかもしれない女性だ!」と叫んでいますが、これは要するに「ララァにバブみを感じてオギャりたかった」ということですね。だからオマエはロリコン扱いされるんだ。なお、年上のそういった雰囲気がある女性に萌えるのは単なる「姉萌え」とか「マザコン」なんだそうです。シャアは生い立ちからしてマザコンになってもおかしくないところがありましたが、そこでさらにロリに走っているところが彼のこじらせ感を際立たせています。

サイコパスみたいに見えるラフタリア

 外見はすっかり乙女のラフタリアですが、貧乏な尚文に従って厳しい環境での生活を続けてきたせいか、効率性を重視する性格になってしまっており、尚文にアクセサリーを作ってもらった際にもデザインより効果を気にするなど、年頃の女の子としては質実剛健過ぎる性格になっています。

りりしいラフタリア

 アニメ本編ではまだ描かれていませんが、実は単なる従者などではなく、正体はいろいろ大変なものを持っているのですが、アニメ終了時点で本人もまだ知らないことなのでここでは伏せておきましょう。

瀬戸麻沙美近影その1

 CVは瀬戸麻沙美。ヒロインも演じますがやや年上キャラでキャスティングされることも多い瀬戸ちゃんがロリタリアを演じたのはなかなかに新鮮でした。

瀬戸麻沙美近影その2

 なぜか「瀬戸」とか「瀬戸ちゃん」と呼ばれる事が多いので愛称らしい愛称がありません。せめて下の名で呼んでやれよと思いますが、「麻沙美ちゃん」と呼んだのは私が知る限り早見沙織のみ。そのせいかはやみんには至極懐いているようです。フィーロ役の日高里菜とも仲がいいですが、それもはやみんファンつながりがきっかけだとか。なお杉田智和は「セットン」と呼びましたが、そんな宇宙恐竜みたいなあだ名は流布しない方がいいような(笑)。

水着のラフタリア

高山に行ってきました:「哀愁の高山」で納涼したかった

処暑を過ぎて

 処暑を過ぎたせいか若干涼しくなってきたような気がします。昨夜は雷雨もあって涼風が吹いてきたので、久しぶりにエアコンを切って窓を開けて寝ました。気がつけばずいぶん日暮れも早くなってきたような。猛暑は大嫌いなんですが、夏の終わりを感じると寂しくなるのはなぜなんでしょうね。

 さて本日は先日行った旅行の話です。7月には高知に行ってきましたが、「高」つながりという訳でもないのですが、今回は飛騨・高山に行ってきました。高地なので若干は涼しいかなと期待もしたんですが…別にそんなことはなかったZE! 

哀愁の高山

 高山というと思い出すのは「哀愁の高山」。おそらく若い人は全然知らないでしょうけど、盲目の演歌歌手・竜鉄也の歌です。大ヒットしたデビュー曲「奥飛騨慕情」は有名ですが、私はあんまり売れなかったらしい「哀愁の高山」もなぜか覚えています。地元高山を中心に飛騨地方を舞台にした歌が多いようですが、若い頃は高山でアコーディオンを抱えて流しをしていたそうです。「哀愁の高山」の歌詞には竜鉄也の若い頃の体験が反映されているようです。彼が流しをしていた60年代は流しは人気があったそうですが、カラオケの登場により急速に駆逐されてしまいました。北島三郎や五木ひろしといった大御所も、若い頃は流しをやっていたそうです。

ワイドビューひだ

 なんちゃって乗り鉄なら今回も高山本線に乗るのが目的だろうと言われるかも知れませんが…まさにその通りです。が、前回の特急南風と違い、高山本線のワイドビューひだにはこれまで4回ほど乗ったことがあるので初めてという訳ではありません。が、季節的には冬と春だったので盛夏は初めてでした。飛騨川に沿って飛騨の山間部を走る高山本線、どの季節も趣があっていいですね。秋もきっと素晴らしいんでしょう。以下、余った鍾乳洞の画像を意味なくちりばめていますがどうか気になさらずに。

七福神宝船外の石碑

 高山本線は岐阜から富山までの区間ですが、ワイドビューひだには名古屋から乗りました。岐阜で進行方向が変わるため、バックの状態で発車するのが面白いです。実は大阪発もあってこれに乗ると乗り換えの手間がないのですが、ちょっと時間が早かったのでパスしました。一人旅はのんびり行きたい派なんです。その名の通り窓が大きく、通路と座席に段差があって眺望を楽しめるようになっています。これに比べると新幹線の窓のなんと小さいことでしょう。風景よりスピードなのでしょうがないんでしょうが。

赤の鍾乳洞

 最近のトレンドなのかワイドビューひだにも車内販売はありません。しょっちゅう買うのかと言われれば実際そんなに買わないのですが、全然ないというのも寂しいですね。駅のコンビニとかキオスクで買う余裕があれば問題ないのですが、時間ギリギリに乗車した時などは飲まず喰わずの旅になってしまいます。飲み物の自販機はありますが、品目は少ないし酒は売っていません。

高山駅

 高山は「飛騨の小京都」と呼ばれ、中心部では江戸時代以来の城下町・商家町の姿が残されています。海外でも「日本の原風景を残す街」として紹介されているらしく、外国人観光客が非常に多いです。ミシュランの実用旅行ガイド「ボワイヤジェ・プラティック・ジャポン」や「ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン」では必見の観光地として3ツ星を獲得しています。これは日本人としても負けずに観光せねばと思いますが、何しろ暑かったので、市内観光はまだしも凌ぎやす予報の翌日として、一日目は避暑に専念したいと思いました。

新穂高ロープウェイ

 そう思った人の多くは新穂高ロープウェイに乗りに行くと思います。2基のロープウェイを乗り継いで標高2000メートル以上の展望台で北アルプスの山並みを見渡せばきっと爽快に違いありません。が、高山駅前からは結構遠い。バスはあるんですが、片道で2時間近くかかります。行って帰ってくるともう暗くなってそう。夜は例によってホテルの部屋で「カイジ豪遊ごっこ」をやりたいので、あんまり遅くなると買い出しに支障を来しそうだということで、飛騨大鍾乳洞に行くことにしました。

鍾乳洞入り口の石碑

 飛騨大鍾乳洞は新穂高ロープウェイに行くのと同じバスに乗って途中下車します。大橋外吉という人が1965年に発見し、1968年から観光鍾乳洞として一般公開されています。標高900mに位置し、日本では一番標高が高い場所にある観光鍾乳洞だそうです。

王冠
夢の宮殿

 鍾乳洞内部の気温は12度。しばし外界の暑さを忘れます。観光化のために洞内は積極的に掘削が行われているほか、やたらライトアップされているので、内部の歩行は楽なのですが、本来の環境はかなり損なわれているようで、なんとなく遊園地のアトラクションのような感じもします。

ストロー鍾乳石
竜宮の夜景

 鍾乳洞は第1洞から第3洞までありますが、鍾乳洞らしい見所は第1洞に集中しています。第2洞は上り坂や階段が多く、第3洞は急坂、急階段となっています。このため第1洞終了地点と第2洞終了地点には出口が設けられていて、足弱の人はリタイヤ可能となっています。ケチな私は1100円払ったモトを取らねばと最後まで攻略しましたが、確かに第3洞は結構疲れました。高知城天守閣の急階段もそうでしたが、最近調子の悪い膝に響きます。鍾乳洞を進むうちにかなり登っていたらしく、帰りは下りの道を結構歩きました。

大橋コレクション館

 併設の大橋コレクション館では大橋外吉が集めた中国など外国の壺などの美術品、装飾品などが展示されています。目玉は意外にも金塊。

金塊レプリカ
変換された金塊

 これは鍾乳洞発見25周年を記念して2億円をかけて製作されましたが、2007年に強奪されたものです。犯人逮捕後に返還されたましたが、一部は既に売却されいたそうで、100キロあった金塊は72キロ弱になってしまいました。また犯人にバーナーなどで手荒に処分されたため、分解されて複数の塊や粉末になっていました。それが奪われる前の金塊のレプリカと共に展示されています。

飛騨牛の串焼き

 鍾乳洞周辺の売店ではかき氷、ソフトクリーム、五平餅など様々な飲食物が販売されていましたが、私が買ったのは飛騨牛の串焼き。受注後に焼くので焼きたてで美味しかったですが、500円もするのに量は物足りなかったです。これはリベンジが必要ですな。

ホテル呉竹荘高山駅前

 高山市中心部に戻ってホテルにチェックイン。今回の宿はホテル呉竹荘高山駅前。本年3月にオープンした新しいホテルです。新しいだけに設備はことごとく新品で気分がいいです。駅前なので付近にはコンビニもスーパーもあって買い出しにも便利です。

2回続けて豪遊

 「カイジの豪遊」は焼き鳥をメインディッシュにポテチや肉じゃが、チーズ竹輪などでビールを飲むものでした。焼き鳥もいいのですが、私は唐揚げの方が好きなので、鶏唐揚げ、ポテチ、ゴボウサラダ、ジャイアントコーングリコのアイスではない)などでチューハイを飲むという豪遊をしました。別途カツ重も買ったのでお腹いっぱい。ジャイアントコーンは翌日のワイドビューひだでのつまみに温存されました。スーパーで買うとコンビニより安くていいですね。

高山陣屋入り口

 さて二日目。今度こそ伝統的市街地を見なければと、まず向かったのは高山陣屋。江戸時代前期までは飛騨高山藩があって高山城がありましたが、飛騨全域が天領とされたために高山城は破却され、跡地には高山陣屋が置かれ、飛騨代官(後に飛騨郡代)が支配することになりました。代官にしても郡代にしても地元ではそりゃあ偉いのでしょうが、旗本としてはそんなに偉い方ではありませんでした。身分の割に支配地域が広く、権限は大きかったのですが、反面下僚の数が限られていたため、非常に多忙だったそうです。時代劇では悪代官がはびこっていて、水戸黄門が何度諸国を漫遊しても絶滅できなかったかのようなイメージがありますが、実際には少しでも評判の悪い代官はすぐに罷免される政治体制になっていたのでそんなに悪代官が多かったという訳ではないようです。

高山陣屋

 高山陣屋は江戸時代の建物が唯一現存する天領陣屋で、国の史跡に指定されています。もちろん内部も見学できますが、あんまり豪華な感じはなく、実用的というか質素な感じがします。個人的にはお城に住むよりもこっちの方が落ち着くような気もします。

旧高山町役場

 高山市政記念館。明治28年から昭和43年まで使用された町役場・市役所の建物です。建築材は総檜で、ガラスも当時初めて導入され、硝子障子という名称で使われています。昔のものなので歪みがあるのもレトロ感がありますね。

吉島家住宅

 吉島家住宅。明治40年に建築され、国の重要文化財に指定されています。代々酒造をしていた豪商の家です。玄関を入ってすぐの吹き抜けが見事でした。二階は座敷と座敷の境に段差があって、見物するには面白いのですが、住むにはどうかなあと。バリアフリーの逆を行っています。

日下部民藝館

 そのお隣にある日下部民藝館。御用商人を務めた両替商の家で、明治12年に建築され、こちらも国の重要文化財です。蔵には飛騨の古陶磁など収蔵している工芸品を常時展示しているほか、麦茶の接待もありました。

高山の伝統的町並み 

 さんまち通り。城下の古い商人町で、上三之町・上二之町・上一之町を併せて“さんまち通り”と呼んでいます。ノスタルジックで落ち着いた雰囲気を求めて観光客がわんさか。

原田酒造場

 上三之町にある飛騨乃酒「山車」(原田酒造場)で地酒を試飲しました。300円でお猪口を買って10種類の地酒を一杯ずつ試飲できるのですが、5種類飲んだら昼前だったせいかけっこう効いてしまい、それ以上飲むのを断念しました。

純米吟醸花酵母無濾過上澄

 しかしいいなと思える酒は見つかったので、純米吟醸花酵母造りと無ろ過純米酒純米上澄を買いました。

飛騨国分寺

 飛騨国分寺。国分寺とは聖武天皇が741(天平13)年に仏教による国家鎮護のため、日本各国に建立を命じた寺院です。飛騨国分寺は戦国時代に焼失したもののその後再建されたほか、高山城が取り壊された際に一部が移築されて鐘楼門などに利用されています。立派な三重塔が建っていますがこれは江戸後期の再建で、奈良時代には七重の大塔が建っていたようです。樹齢1200年を超えるという大銀杏もあります。

七色食堂 

 昼食は七色食堂という店で飛騨牛定食を。基本安くておいしいお店なのですが、こればっかりは1880円の高価でした。やはり飛騨牛は高い。でも旅先で気が大きくなっていたのと、昨日の昼食はバスに乗るのに時間がなくてコンビニのパンだったため、思い切って奮発しました。

飛騨牛定食

 確かに美味い。しかし他のメニューとの価格差が気になります。鶏の唐揚げ定食(850円)と肉厚カツ定食(1050円)を頼んで同じ値段ですからね。が、まあ昨夜カツ重と鶏の唐揚げを食べているのでここは飛騨牛の選択でよしとしましょう。で、帰りのスーパービューひだではチューハイを飲みながらジャイアントコーンをボリボリかみ砕いていたのでした。飛騨では天気は保ちましたが、名古屋から先は雨模様になっていました。

ジャイアントコーン

記憶に残る一言(その107):若松市政のセリフ(新日本プロレス)

超大型台風10号

 凄い凄いと噂されていた台風10号ですが、幸い大阪は大した被害もなく、やや拍子抜けでした。お前は前評判だけのミスターXかと突っ込んだりして。知ってますかミスターX?

ミスターX

 格闘技世界一を名乗って異種格闘技路線を進んでいた猪木と戦った謎の覆面空手家ですが、当時少年マガジンで連載されていた梶原一騎先生原作の「四角いジャングル」ではさんざんに凄い凄いと煽りまくっていたのでワクワクしてテレビを見たのですが、いざ戦ってみたらとんでもないスットコドッコイで「猪木の格闘技戦史上最低の相手」とまで酷評されました。前評判とのあまりの落差に、対戦後の「四角いジャングル」では「あのミスターXは替え玉で、本物はウィリー・ウィリアムスにKOされていたのだ!」なんて言い訳していましたが、さすがにどうにもなりませんでしたね。

劇画のミスターX

 真相はまず「四角いジャングル」でミスターXのキャラを作り、その後実在のミスターXとなりえる候補を探したのですが、ドタキャンを食らってしまったのでやむを得ずアルバイトの黒人を雇ったのだとか。

ミスターXその2

 なんて40年も前のエピソードを思い出していたら、ふと思い出した迷言があるので本日はそれを紹介しましょう。ミスターXがしゃべってくれたら良かったのですが、本物は全くしゃべらないまま消え去ってしまったので別のキャラです。

暴れる若松

 “世紀の珍戦”であったミスターX戦から5年後の1984年。前年に空前のブームを巻き起こしていた初代タイガーマスクが電撃引退し、前田日明らUWF勢、そして長州力ら維新軍が離脱して危機的状況にあった新日本プロレスに突如現れたのが謎の覆面レスラーストロング・マシン。その後、同じ覆面・コスチュームに身を包んだ2号、3号、4号が「増殖」し、マシーン軍団を結成し、猪木藤波以下の新日正規軍と抗争を繰り広げました。このマシーン軍団を操る悪のマネージャーが将軍KY若松こと若松市政でした。

現役時代の若松市政

 若松市政、私が初めて見た段階ですっかり悪徳マネージャーだったんですが、実は以前は国際プロレスのプロレスラーでした。しかも一般社員として入社後に自主トレに励んで31歳でデビューしたという苦労人。その後国際プロレス崩壊によりカナダのカルガリーに渡り、悪役マネージャーのショーグン・KY・ワカマツとして活躍していたのでした。ヒールレスラーのマネージメンとの傍らで自らも試合に出ていたそうです。

マシーン軍団を率いる若松

 山高帽子にグラサン、アラブ風の白い衣装にムチと拡声器を持って登場し、会場の「帰れ!」コールに対し「お前らこそ帰れ!」と喚いて暴れ回るなど、悪役マネージャーとしてブレイクした若松ですが、それこそ梶原先生が作中で「ヒールレスラーはリングを降りると紳士」「むしろベビーフェイスの方が性格が悪い」と主張していたのに違わず、プライベートでは非常に真面目な人物だそうです。国際プロレス時代は妻子を北海道に残して単身赴任状態で合宿所に住み込んで巡業に参加したり、経営難を察して海外修行を断ったり。

将軍KY若松

 またトラックでプロレスの資材運搬中、台風による土砂崩れのため家財道具を持ち出している家族に遭遇したので、トラックを停めて作業を手伝ったところ、偶然取材に来ていたNHKスタッフが見つけて「プロレスの選手も地元民を応援して、必死の作業を続けております」と現場中継されたこともあったそうです。本人は夢中で作業を手伝っていたため、後日関係者から聞かされるまで、放映されたことを知らなかったそうですが。

俺はKY若松だ

 1985年には「俺はKYワカマツだ 檄!」というレコードを出しましたが、内容はラップに近く、歌詞は「お前ら! 親孝行しろ」など真面目な内容だったそうです。そもそも当時はまだラップが日本に浸透していなかったので“早すぎたJ-RAP”なのかも知れません。ところで“KY”ってどういう意味なんでしょうか。空気が読めない?いやいやそんな未来先取りは…

こういうレコードもある

 登場するや観衆から毎回「帰れ!」コールを受けるのが常でしたが、それを逆手にとってコスチュームの背中に「K A E R E」の五文字を刺繍するなど、悪役ではありましたがコミカルな面もあり、試合中は拡声器で悪役然としたセリフをがなり続けるも、観客に「ハゲ」と野次られると「お前もいつかハゲるんだ!」と切り返すなどトークにも軽妙さがありました。

マシン軍団に囲まれて

 悪役マネージャーなので試合にもしばしば介入し、当時レフェリーだった山本小鉄とも乱闘を演じたりもしましたが、元々プロレスラーなのでそういうのは得意中の得意だったんでしょう。なおマシーン軍団については、かつてアメリカマットで活動していた“アサシンズ”などを手本に「同じデザインの覆面・コスチュームによるレスラー軍団」を構想したのだそうで、マシン(機械)ゆえに大量生産も可能という意味合いもあったそうです。

プロレス黄金時代

 当時プロレス実況で名を馳せていた古舘伊知郎は、マシーン軍団を「戦慄の殺戮マシーン」「暗黒増殖集団」「戦う金太郎飴軍団」などと形容し、若松については「悪の羊飼い」「地獄のお茶の水博士」「悪の正太郎君」などと形容していました。あの頃の古舘伊知郎はホントに凄かった…

地獄のお茶の水博士

 おっとオールドプロレスを語り出すと止まらなくなってしまうので、さっさと記憶に残る一言に行きましょう。ストロングマシーンを操る若松、ついに猪木と対戦ということになりましたが、ストロング・マシンの強さを煽ってこの一言です。「おい~猪木~!お前を倒すのに3分もいらねぇ!5分で十分だぁ~!!」…それはひょっとしてギャグで言っているのか!? 

テンコジタッグ

 「俺達は1+1=2じゃねえ、1+1=200だ! 10倍だぞ10倍!!」と言い放った小島聡など、新日レスラーには計算能力がヤバイのではないかとの疑いたくなる迷言が多いのですが、その先駆けが若松なのかも知れません。若松にはこの他にも「延長だ、延長!5分延長させろーっ!!テン・ミニッツだー!!!」という迷言があります。何気に伸ばすのが好きな若松さん。もしや外国では日常茶飯事と言われるふっかけとか値切りとかが影響しているんでしょうか?

オマエ平田だろう

 ストロング・マシンを巡っては、マッチョドラゴン藤波辰巳の「お前、平田だろう!平田だろオマエ!!」というモロに正体をばらしてしまうインパクトの強い迷言もあり、新日本プロレスとしては経営的に苦難の時代(その後もありますが)でしたが、面白いエピソードには事欠かなかったなあと思います。

アンドレを操る若松
アンドレと組んで戦う若松

 マシン軍団は1年くらいで消滅してしまいましたが、その後も若松市政はアンドレ・ザ・ジャイアントのマネージャーを務めたり共闘したりしていました。アンドレと組んでアントニオ猪木&上田馬之助とタッグマッチで対戦した際には両国国技館でメインを張っており、実況をしていた古舘伊知郎に「シンデレラ中年」と呼ばれました。しかし猪木と馬之助が組むというのも異色ですね。

最近のワカマツ市政

 なお若松市政は1999年に北海道芦別市の市議会議員に当選し、4期務めたものの2015年に落選してしまいました。しかし本年4月の選挙で当選し、再び市議に返り咲いています。名前が市政だけに市政に向いてそうな気が。現在77歳ですが本年2月にもリングで戦っているという矍鑠とした若松さん。格闘家は短命の人が多いので、ぜひご自愛の上長生きして下さい。

境界の彼方:京アニ放火事件追悼と激励の意を込めて一気見しました

ごろごろチキンのバターチキンカレー

 本日の昼食は松屋で「ごろごろチキンのバターチキンカレー」。チキンが二回も出てくるあたり洗練されてない感じですが、美味しかったです。7月に一部店舗にて限定販売をしていたところ、販売店舗拡大の強い要望を受けて8月に全国の店舗での発売が実現したそうです。辛いもの好きの人は「夏こそカレー」と言いますが、正直私は辛いものが苦手で、ただでさえ猛暑で汗をかくのに辛さで体の中からも発汗するのは御免こうむりたいのですが、これは辛くありません。風味豊かなバターの香りとトマトの旨味が広がってご飯がすすむので、夏バテ気味の人こそ食べた方がいいと思います。

境界の彼方感想

 京アニ放火事件から4週間近くが経過しましたが、現場近くの献花台には今なお追悼に訪れるファンが後を絶たないとか。私にできることなど何もありませんが、山の日で休日の今日、せめて京アニ作品でも見ようかと思い立ちました。これまでに視聴した京アニ作品としては「涼宮ハルヒの憂鬱シリーズ」「らき☆すた」「けいおん!シリーズ」「氷菓」「中二病でも恋がしたい!シリーズ」「響け!ユーフォニアムシリーズ」「無彩限のファントム・ワールド」「小林さんちのメイドラゴン」「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」があり、我ながら結構見ているなあと思いましたが、今回選んだのは未視聴だった「境界の彼方」です。

先輩と栗山さん

 「境界の彼方」は第2回京都アニメーション大賞奨励賞受賞作である鳥居なごむのライトノベルを原作とした作品で、2013年秋季アニメとして放映されました。同賞受賞作からは本作のほか、「中二病でも恋がしたい!」「Free!」「無彩限のファントム・ワールド」「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」「ツルネ -風舞高校弓道部-」がアニメ化されています。「妖夢」と呼ばれる異形の存在と「異界士」と呼ばれる特殊能力者の戦いが描かれるダークファンタジーです。

神原秋人

 主人公神原秋人は人間と妖夢のハーフで、見かけは人間そのものですが、不死身という特性を持っています。一方ヒロイン栗山未来は小柄で貧乳ながら眼鏡が似合い、変態クラスの眼鏡フェチである秋人のドストライクですが、実は妖夢を狩る異界士の一人で、自分の血を武器にしています。

栗山未来

 二人は出会って即、未来が秋人を妖夢と看破して血液の剣で刺しまくりますが、何しろ秋人は不死身なので痛いだけで全然死にません。異界士は妖夢を倒すことで得られる妖夢石を換金することで生計を立てているので、妖夢を倒せないと干上がってしまいます。秋人は他の妖夢を倒して生計を立て直すよう諭しますが、まだろくに妖夢を倒した経験がないという未来。惚れた弱みで妖夢退治に協力する秋人は、徐々に未来と親しくなっていきます。

未来の秋人襲撃

 秋人には半妖夢という普通の人には言えない秘密があり、また過去に暴走したこともあるため、異界士の名門である名瀬家の監視下に置かれることで見かけ上平穏な生活を送ってきました。一方、未来も血を使うことで他の異界士から「呪われた一族」として忌避されてきた過去があり、また妖夢に憑依された親友を殺してしまったという悔恨を持っています。

妖夢と戦う未来

 前半は未来の親友の仇である強大な妖夢「虚ろな影」の襲来、また未来を姉の仇と付け狙う親友の妹・桜の襲撃、さらには「虚ろな影」に憑依された秋人の暴走といった事件が頻発し、これを乗り越えることで一旦は小康状態となってコメディ回などを挟みつつ、後半は実は秋人の妖夢としての側面は、世界に壊滅的被害をもたらす恐れがあるとされる「境界の彼方」であることや、未来の本当の目的は「境界の彼方」である秋人を討伐することだったことが明らかになり、未来は自分の命と引き換えに秋人の体内から「境界の彼方」を取り除き、消滅してしまいます。

血刀を振るう栗山さん

 「境界の彼方」を失って普通の人間になった秋人ですが、実は未来はなお隔絶した空間で「境界の彼方」と戦い続けていることを知り、未来を助けに行くことを決意します。未来を倒して現世に戻ろうとして、各地の妖夢を取り込み続けて強化を続ける「境界の彼方」に、未来と秋人は勝利できるのか?

秋人を刺す未来

 0話も含め13話を見た感想を一言でいうなら…尺が足らなくて説明不足、ということに尽きるでしょう。妖夢というのはいわば妖怪なんですが、必ずしも人に危害を加えるものばかりではなく、人間と共存する妖夢に言わせれば「哺乳類」というくくりに近いのだとか。なので人間のように高度な知性を持ったものもいれば倒すしかない凶暴なものもいると。にしては登場する大半の妖夢は人間に危害を加えようとしているし、異界士達も妖夢と見れば積極的に殺そうとしているようにしか見えません。

雷禅

 秋人が半妖夢という話も、父が妖夢で母は異界士なんだそうですが、極めてレアなケースなんだそうで、どうしてそうなったのかについては全く語られていません。あれか、「幽遊白書」の雷禅のエピソードみたいな感じか。とするとハーフの息子を不死身にさせてしまうくらいなので、パパンも妖夢として相当凄い存在なのではないかと思われますが、言及が一切ないのでどこでどうしているのかも一切不明。絶体絶命のシチュエーションになってもパパンを呼んだら一気に解決できたりして。

メイド姿の未来

 また、未来についても、ろくに妖夢を討伐したことがなく、戦闘の際もためらいがちでなかなか止めをさせないでいましたが、それにしては秋人には毎日のように襲撃して刺突していたらしく、お前はなぜ化け物然とした妖夢は殺せないのに見た目普通人の秋人は殺せるんだとツッコミを入れたくなりました。まあこの理由は後半明らかになるのですが、後の未来の強さを見ると前半のへなちょこぶりは何だったんだと思います。秋人の前だからカマトトぶっていたのか?

藤真弥勒

 それと黒幕である藤真弥勒。異界士協会から派遣されてきたという触れ込みでしたら、桜をそそのかして未来を襲撃させたり、名門名瀬一族の頭領である泉と互角以上に戦ったりと、一体何者なのだと聞きたくなるのですが、正体は明かさないまま消息不明に。体内に妖夢を宿しているとか、「境界の彼方」による世界滅亡を目指しているかのような言動を取っていましたが、ラスボス感ばかり漂わせないで、もっとはっきりその正体についての示唆が欲しかったです。結局のところこいつがいなければ大事にはならなかったような。

種ちゃん近影

 ヒロイン未来のCVは私の好きな種田梨沙。ぶっちゃけ種ちゃんがヒロインなので本作を選びました(笑)。2012年に「新世界より」の渡辺早季でアニメ初主演してブレイクした翌年ということで、「きんいろモザイク」「ストライク・ザ・ブラッド」など多数の作品に出演してのりまくっている頃です。未来の声は地声とはかなり雰囲気が違いますが、はかなさとか天然ぶりとかをよく演じています。

頭をなでて
涙の別れ

 特に未来には「死ぬ前のさよなら」的演技が二回もあるのですが、「四月は君の嘘」の宮園かをりばりの名演技が聞けます。種ちゃんはこういう時の涙ぐみながらの演技が非常に上手いです。最終回、ドラクエⅣラストのシンシアのように唐突に復活することには物議がありそうですが、生きていて欲しかった宮園かをりが帰らぬ人になったことは非常にもの悲しかったので、これはこれでありかと思います。個人的にはあの未来は秋人の見た幻で、直後に消えて秋人がOrzになるという展開がいいのですが。

美月とヤキイモ
名瀬博臣
名瀬泉

 物語にしばしば絡む名瀬一族でも、同じ学校に通う博臣・美月兄妹はかなり重要な役回りなんですが、博臣の変態じみたシスコン以外はさほど目立たなかったように思えます。美月が飼っているヤキイモという小型妖夢は可愛いですが。眼鏡フェチ秋人とシスコン博臣の会話は結構面白いんですが、その変態ぶりってそこまで描く必要があったんでしょうかね。二期前提ならともかく。日常感を出そうという試みなのかも知れませんが、かつて殺し合った仲ということが判明してからは、お前らよくもまあ…と思ってしまいます。

二ノ宮雫
彩華と愛

 学校教師にして異界士の二ノ宮雫、正体は妖夢なのに姿は完璧人間で店を経営したり学校に通ったりしている新堂彩華と新堂愛(もっと活躍させて欲しかった)など、もっとキャラ立てして欲しいキャラもいたのですが、やはり尺が…。後に劇場版が制作されたということは、本当は二期をやりたかったけど円盤が予想より売れずにやむを得ずとうことなんでしょうか。

6話のオペラシーン

 なんか文句ばかりになってますが、最後まで一気見できたくらいなんで、全体としては悪くはないんです。ただ惜しい部分が目立ってしまい…。5話の日常回とか6話の完全コメディ回(「このすば!」かと思った)も、二クールやるならもっと入れて欲しかった。あと秋人は最後まで未来のことを「栗山さん」と呼んでいるんですが、それが恋愛に慣れていない非モテ系男子らしくて非常に好感が持てました。「栗山さん」「先輩」の初々しいやりとりがイイです。

新堂愛

好きなアニメキャラ(その106):ザラ(荒野のコトブキ飛行隊)

お盆といえば灯籠流し

 お盆ということで本日は帰省ラッシュのピークだそうです。大阪もいつもより人気は少ないようですが、折しも猛暑直撃で最高気温はなんと37度。ご先祖様達もあの世から戻ってくるのをためらいそうな暑さです。夏とはいえ通常時の体温より高い気温というのはいかがなものか。一日中冷房を切れなくて困ってしまいます。

ザラ全身図

 本日は好きなアニメキャラ。2019年冬アニメ「荒野のコトブキ飛行隊」からコトブキ飛行隊副隊長のザラを紹介しましょう。

コトブキ飛行隊のメンバー

 「荒野のコトブキ飛行隊」は、西部劇の舞台のような荒野の世界「イジツ」で、なぜか旧日本軍の各種レシプロ戦闘機が飛び交う異世界での、女だけの用心棒集団「コトブキ飛行隊」の活躍を描いたオリジナル作品でした。監督は“少女×戦車”の「ガールズ&パンツァー」をヒットさせた水島努ということで、今度は“少女×戦闘機”の組み合わせですかという感じです。なお“少女×軍艦”ということだと、「艦これ」とか「蒼き鋼のアルペジオ」が既にアニメ化されています。え?「はいふり」?…あいつは風になった…(遠い目)。

第三少女飛行隊

 なお同じく水島努監督作品で、現代版「なつぞら」とでも言うべきアニメ業界作品「SHIROBAKO」では、作中で制作される劇中劇「第三飛行少女隊」が登場しており、ここでは“少女×ジェット戦闘機”の組み合わせでした。そのせいか今回は“少女×レシプロ戦闘機”となっています。実際水島監督は「SHIROBAKO」完成直後に次はレシプロ戦闘機ものをやりたいと旨Twitterで発言していました。ヒットメーカーと言っても過言ではない水島監督をしても、あの「グラスリップ」に匹敵する怪作「迷家-マヨイガ-」を作っちゃったりするのだから、名作だけを作り続けるのって難しいことなんですね。もっとも両作とも一応最後まで見てますから、視聴を打ち切った作品の中にはもっと凄まじいレベルの作品もあるはずなんですが、見てないと評価もできないもので。

ザラ仕様の隼一型丙

 戦闘機を駆る“空賊”が跋扈する中、飛行船で物資輸送を行う「オウニ商会」は「コトブキ飛行隊」を雇って自衛しています。コトブキ飛行隊の6人は、全員一式戦闘機隼の中でも初期生産型の一型を使用していますが、メンバーの卓越した技術により隊として200機以上を撃墜しているそうです。隼一型も武装により甲~丙の三タイプに分かれますが、12.7mm機関砲2門を装備しているということなので一型丙だと思われます。一型は眼鏡式の照準器を使用しているのが特徴で、現代でも使用されるヘッドアップディスプレイ(HUD)のご先祖である光像式の照準器に比べて旧式の感は拭えませんが、「光像式より眼鏡式のほうが正確な印象があった」という証言もあります。

コクピットのザラ

 コトブキ飛行隊は隊として一体何年活動しているのかという問題や、現メンバー以外の旧メンバーがいるのかといったことも興味深い問題です。初期はレオナとザラの2人だけだったそうですが、隊長であるレオナがまだ25歳であること、コトブキ結成前からパイロットをしていたことなどを勘案すると、結成後そんなに年数は経ていないのではないかと思われます。

ザラ

 ザラはレオナと同じく25歳で、ウェーブの掛かった茶髪と黄色系のへそ出し飛行服を着用するお色気担当的な副隊長です。酒をこよなく愛し、余暇は酒浸りになっていたりしますが、スタイルはやたら良かったりします。誰も見ていないところで「♪お願いマッスル~」と筋トレでもしているんでしょうか。

お弁当を出すザラ
ザラの弁当

 まだ25歳なのに「昔、ちょっとね」が口癖で、実際様々な経験をしてきたようです。過去に「空の駅」(「道の駅」のような飛行機の休憩所)で勤務して、いろいろな「空の駅」を知っていたり、料理が得意で見事なお弁当を作ったりしています。

舞踏団に加わるザラ
良いものをお持ちのザラ

 またザラの当番回とも言える4話では、エリート興業潜入ミッションのため、慰問団に紛れて踊り子に扮しましたが、即興でチームプレーをこなしていました。おそらく何らかの形で踊り子の経験もあるのでしょう。また絵画の知識もそれなりにあるようです。謎の多芸ぶりが峰不二子を思わせてミステリアスな魅力を感じます。

踊り子の衣装のまま操縦

 隊長なので自制しているとはいえ実際は猪突猛進タイプのレオナに対し、戦闘時は視野を広げて状況を把握して的確な指示を出すタイプで、俯瞰的視点から仲間たちを見守ります。旧知の仲のレオナとはタイプ的にも性格的にも相互補完的な良きパートナーとなっています。

レオナと同室のザラ
下着姿で就寝?

 3話を見ると、飛行船内の部屋もレオナと同室のようです。筋トレをしているのはレオナの方なので、ザラは「♪お願いマッスル~」はしていないような気がします。飲んだくれていてそれでそのプロポーションなら結構な事ですが。なお就寝時はセクシーランジェリー姿の模様。

ウワバミザラ
屍累々

 酒好きですが好きなだけでなくウワバミでもあり、エリート興業潜入ミッションの際にはボスのトリヘイ以下多数の社員と飲み比べをして全員酔い潰しましたが、本人は平然としていました。「ウォッカジン」という聞くからに強そうな異世界の酒をストレートで飲んでいました。

艦これのザラ

 なお、「イジツ」では使用機体はほぼ全て日本機なんですが、登場キャラの名前は日本っぽいのもあったりそうでもないのもあったり雑多です。ザラという名前を聞くと「艦これ」の艦娘であるザラを真っ先に想起するのですが、「艦これ」のザラはイタリア重巡なのでザラという名前はイタリア系なんでしょうか。

ザダル

 「艦これ」のザラ(というか史実上のイタリア重巡ザラもそうですが)の名は、現クロアチアのザダルのイタリア語名であるザーラ (Zara) から取られています。この地は第一次大戦でイタリア領になっていたんですね。それ以前も長い期間ヴェネチア共和国領だったので、イタリア側からするとなじみの深い都市なんでしょう。

艦これのザラ改二

 ちなみに「艦これ」のザラも最初はちょっとイモっぽいとも言える純朴そうな感じの女の子なんですが、レベル88で改二にすると一皮剥けたかのように美人で大人っぽくなります。ということは、「コトブキ」のザラも昔は案外イモっぽい純朴娘だったりするのかも知れません。

山村響その1

 CVは山村響。「響」で「ひびき」と読みたくなりますが、「ひびく」と読みます。「綺麗に響く音」という意味から付けたそうです。1988年2月10日生まれで福岡県出身。「ポケモン」シリーズの「サトシ」に憧れたことをきっかけに声優を目指したそうで、2008年に声優デビューしています。

キュアトゥインクル

 2015年に「Go!プリンセスプリキュア」で天ノ川きらら/キュアトゥインクルを演じて以降はメインキャラを演じる機会が増えているようです。

山村響その2 

 2010年以降は音楽活動も行っており、シングル4枚、アルバム(ミニアルバムを含む)4枚をリリースしています。アーティストとしては“hibiku”名義で活動していましたが、2019年3月以降は山村響名義で統一しています。

Tridentの山村響

 個人的には「蒼き鋼のアルペジオ -アルス・ノヴァ-」の大戦艦ハルナ役が印象に残っています。渕上舞、沼倉愛美と組んだ声優ユニット「Trident」としても活動していましたが、2016年4月3日をもって惜しまれつつ解散しました。ED「ブルー・フィールド」は大好きです。

望月あざみ役の山村響

 今冬発売予定の「新サクラ大戦」では佐倉綾音、内田真礼、福原綾香、早見沙織と共に新生・帝国華撃団花組の一員になるそうです。富沢美智恵演じる神崎すみれが総司令とは…劇中でもそうなんでしょうが、現実世界でも時の流れを感じずにはいられません。やはりテーマ曲は「檄・帝国華撃団」なのでしょうか。

高知に行ってきました:特急「南風」に乗りたかったので

猛暑で液状化するネコ

 8月最初の更新です。冷夏という噂もありましたが、梅雨が明けたら昨年並みの猛暑となっていますね。今が一番暑い盛りなのでそれも仕方がないですが、問題はその期間。去年に比べてまだ耐えられてる気がするのは、ユニクロで買ったドライEXの部屋着のおかげもあるんですが、猛暑の期間がまだ2週間くらいだかだと思われます。お盆明けくらいで収まってくれたらとはかない望みを持っているのですが、台風10号が過ぎたら秋の気配が…なんて訳にはいかないでしょうかね。

九州新幹線

 本日は先日行ってきた高知旅行の話などを。夏は旅の季節。行楽には春秋がいいのはよくわかっているのですが、実際問題休暇を取りやすいのは夏休み期間中しかないというのはリーマンの宿命。なのでくそ暑い季節にわざわざ旅に出るはめになるんですね。昨年は鹿児島と石川・和倉温泉に行ってきたのですが、なぜか記事にしていませんでした。今回はネタ不足なので小旅行もしっかり記事にするのでした。

特急サンダーバード

 実はなんちゃって鉄オタの気がある私。一口に鉄オタと言ってもいろんな種類があるのですが、私の場合は「乗り鉄」というやつですね。とりあえず乗ったことのない列車に乗りたいという。でも全線制覇とか全駅下車といったことを目指す気はさらさらなく、乗ったことのない列車に乗って喜ぶ程度です。昨年の場合は鹿児島に行ったのは九州新幹線を終点まで乗りたかったという理由で、和倉温泉に行ったのは特急サンダーバードに乗りたかったからです。なのでせっかく和倉温泉に行ったのに安いビジホに泊まりました(笑)。加賀屋?なにそれ美味しいの?

特急南風

 で、今回の高知旅行もはやり本命は鉄道。新大阪から岡山までは新幹線で、岡山から高知には特急「南風」に乗りました。岡山というところは、山陰とか四国に行くのに重要な駅ですよね。東海道・山陽新幹線は今更語ることもないビジネス専用列車という感じですが、岡山からは島根方面に行く特急「やくも」、鳥取方面に行く特急「スーパーいなば」、愛媛方面に向かう特急「しおかぜ」などが出発しています。そして「南風」も。「やくも」「しおかぜ」には以前乗ったことがあるので、今回は「南風」を選択。「みなみかぜ」ではなく「なんぷう」と読みます。“南国土佐”というイメージからの命名なんでしょうか

アンパンマン列車

 やなせたかしが高知で育ったということで、「南風」にも「アンパンマン列車」があり、行きは運悪く(運良く?)そのアンパンマン列車にぶち当たってしまいました。まあ乗ってしまえば関係ないのですが、岡山駅出発時と高知駅到着時にアンパンマン(CV戸田恵子)の声で車内放送が流れます。どちらかと言えばマチルダ中尉でやってくれた方が嬉しいですが。

大歩危峡

 主に土讃線を走る南風ですが、四国を袈裟切りにするかのように、讃岐山脈および吉野川に沿って四国山地を越えていくということで、山の中をうねうねと走るのでカーブは多い反面、トンネルはさほど多くないので車窓から風景が楽しめます。特に大歩危、小歩危は絶景ポイントで、わざわざアナウンスが流れます。

小歩危峡 

 全国の売れない芸人が行きたくなりそうな地名ですが、「ほき、ほけ」は古語で、渓流に臨んだ断崖を意味し、奇岩や怪石の多い土地を示しているのだそうです。国の天然記念物・名勝に指定されていて、特に小歩危峡の水流は日本一の激流と言われ、夏季には多くのラフティング・カヤック愛好者を集めているとか。確かに車窓からもラフティングをしている様子が見えました。

高知駅

 岡山駅から2時間半強で高知駅着。「南風」乗車が目的ならとっとと上りに乗って帰れよと言われそうですが、そこはなんちゃって乗り鉄なので、初めて来た高知を無視する訳にはいきません。それにここには「日本三大○○」と謳われる名所があるのです。

桂浜
桂浜と龍王宮

 まずは名所として名高い桂浜へ。高知駅からすぐそばという勝手なイメージを持っていましたが、MY遊バスという観光スポットを回る周遊バスを使ったので、1時間近くかかりました。長宗我部氏時代は桂浜付近に浦戸城を築いていましたが、関ヶ原の戦い後に土佐藩主となった山内一豊はこの地は手狭と感じ、高知城を築いて移りました。月見の名所として知られていますが、月が出るまではいられませんでした。

桂浜の坂本龍馬像

 坂本龍馬の銅像が建っていますが、台座がやたら高くて、しかも午後には逆光になるという。砂浜に立っているというイメージを勝手に持っていたのですが、階段を上る高台にありました。

竜王宮

 桂浜は、北東の上竜頭岬と南西の下竜頭岬の間に弓形に砂浜が延びています。下竜頭岬には竜王宮がありました。大した階段ではなかったので上って行ってみましたが、大したところでもありませんでした。桂浜水族館や坂本龍馬記念館もありますが、やはり高知は坂本龍馬を徹底的に推してきますね。教科書から消えたら怒るんでしょうなあ。

はりまや橋

 市内に戻って早速訪れたのが、「日本三大○○」。○○に入るのは「がっかり」。そう、はりまや橋です。三大○○という場合、3つの中で2つは鉄板で残り1つは諸説があるというケースがありますが、がっかり名所もそんな感じで、札幌の時計台、高知のはりまや橋は鉄板であと一つは諸説ありとなっています。長崎のオランダ坂や沖縄の守礼門、京都タワーや名古屋テレビ塔などが候補になっているそうです。はりまや橋は高知市内でももっとも交通量の多い、路面電車のはりまや橋交差点にあります。堀で隔てられていた高知の豪商・播磨屋と櫃屋(ひつや)が、互いの往来の為に架けた私設の橋だったそうで、「よさこい節」では“土佐の高知の はりまや橋で 坊さんかんざし買うを見た”と歌われています。

最古の路面電車

 札幌の時計台もそうですが、今時これを見るために訪れるという事はまずないでしょうから、過度の期待を持って来て、実物を見てがっかりするという人もいないと思いますが、なにしろがっかり名所として有名なので、観光客は来た人はやはり写真を撮ったり渡ったりするわけです。路面電車が交差する市内中心部にあるので、普通に観光していると嫌でも目に入るという地の利もあります。

高知のダイヤモンドクロス

 高知の路面電車は、1904(明治37)年開業で、今年で115年という歴史を持っています。現存する路面電車では日本最古だとか。駅と駅の間隔が非常に短く、3~4駅先といっても大した距離じゃなかったりしますが、足弱の人には便利かも知れませんね。鉄道の線路同士が斜めや直角に交わることをダイヤモンドクロス(平面交差)と言いますが、路面電車同士がほぼ直角に交わっているのはここだけだそうです。

ザクラウンパレス新阪急高知

 はりまや橋から3つ先の駅だったのでうっかり乗ったらあっという間に着いた高知城前にあるのが我が宿。ザ クラウンパレス新阪急高知。以前は高知新阪急ホテルという名前だったそうです。一人旅なんでもっと安いビジホがいくらでもあったんですが、うっかりややお高めなこのホテルを予約してしまいました。高知城に近いというところに惹かれちゃったんですよね。

カイジ豪遊セット

 夜に「カイジ豪遊ごっこ」を楽しんだことはさておき、翌日さっそく高知城に行きました。鷹城とも呼ばれ、江戸時代に建造された天守や本丸御殿、追手門等が現存し、城跡は国の史跡に指定されており、日本100名城に選定されています。なお天守と追手門が両方現存している城は全国でも高知城のほか弘前城・丸亀城の3ヶ所だけで、天守と本丸御殿が両方現存しているのは高知城のみだそうです。

高知城天守

 G20サミットの時に、再建された大阪所にエレベーターが云々ということが話題になっていましたが、高知城はガチで江戸時代のままの作りなので天守に上るには階段しかありません。6階建てになりますが、なにしろ階段が急です。ちょっと慌てたら転がり落ちてしまいそう。慎重に上り下りしましたが、この階段のせいで膝を痛めてしまいました。膝に矢を受けてしまってな。

三志士像

 その後旧山内上下屋敷長屋、山内神社、鏡川などを訪れて高知駅前に。駅前広場には土佐三志士の像が建っています。坂本龍馬を中心に向かって左に武市半平太、右に中岡慎太郎。2011年設置ということで新しいものですが、内部が発泡スチロールで表面を強化ウレタンで覆っているという関係で、大型の台風が来ると一時避難することがあるという珍しい像だそうです。高知の人はこの三人を「先生」と呼ぶんですね。

幕末志士社中

 また駅前には「『龍馬伝』幕末志士社中」というパビリオンがあり、NHK大河ドラマ「龍馬伝」で使用された坂本龍馬の生家のセットが再現されています。大河ドラマを見ていた人にとっては「聖地巡礼」の場所となると思われますが…例によって私は見ていませんでした。でもさすがにしっかりと作られていた印象。

特急南風2

 で、帰りはアンパンマン列車ではない「南風」に乗り、岡山で新幹線に乗り換えて大阪に帰った訳でした。鹿児島でも思いましたが地方といっても県庁所在地はなかなかに立派ですよね。それとも薩長土肥といった明治維新の“勝ち組”のせいなんでしょうか?高知は近畿じゃないのに今回の記事を“京の夢大阪の夢”カテに入れてしまいましたが、大阪発ということでどうか一つ(笑)。
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