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2019年冬季アニメの感想(その2):ケムリクサ/グリムノーツ The Animation/魔法少女特殊戦あすか

桜之宮公園の桜その2

 昨日は夕方から天気が崩れて、夜には春の嵐みたいになりましたが、今日は天気が回復したので良いので桜之宮公園に行ってきました。この公園は大川の東岸と西岸に沿ってありますが、西岸の方が桜の開花状況が早いみたいでした。大阪市民が盛大に花見に興じていましたが、今日も午後にはしばしば天気雨が降ってきて天候に落ち着きがありませんでした。酔ってごまかせ?

桜之宮公園の桜その1 桜之宮公園の桜その3

 昨年9月の台風21号のせいで、公園の木々も大被害を受けており、桜の木も枝が折れたり幹が折れたりしていましたが、それでも春がくれば花を咲かせるんですね。その不屈さを見習いたいものです。

ケムリクサ感想 

 さて、2019年冬季アニメの感想を続けていきましょう。「ブギーポップは笑わない」は全18話と変則的で、既に全話放映されましたが、「オーバードライブ 歪曲王」の視聴が追いついていないのでまた後日に。ではまず「ケムリクサ」。

みどりを持つりん 

 「ケムリクサ」はなんというか…説明が足らなくてよく判らない部分もありますが、一言で言えば「不穏なけものフレンズ」といった感じがします。たつき監督の「けものフレンズ」降板騒動のせいかもしれませんが、彼が描きたかったじゃぱりパークは本来こういう所だったのか、とか。じゃぱりパークはそこまで廃墟世界ではないぞと言われそうですが、けもフレ1期EDに延々登場した廃墟となった遊園地の映像、あれがケムリクサの世界に近い感じを受けました。

りなこの死 
あいつは風になった… 

 薄暗く赤い霧が立ち込め、廃墟が広がる世界で、赤虫と呼ばれる異形と戦いながら水を探して旅をする姉妹達の前に突如出現した記憶喪失の青年わかば。姉妹達はわかばを赤虫の仲間かと疑いますが、わかばは見た目完全に人間。むしろ不可思議な能力を持つ姉妹達の方が人間離れしているんですが…

六人いた仲間 

 断片的に判明したところによると、姉妹は「さいしょのひと」から分かたれた存在で、当初6人いたものが現在6人いるという。同じじゃねーかと突っ込まれそうですが、わかば出現前に3人(りく、りょう、りょく)が既に死亡していて、人手不足を解消するために姉妹のうちりなが能力を使って6人に分裂したが、既にそのうち2人が死亡しているということです。実はエンディングの映像はこの状況を説明したという。

りつとわかば 

 基本的には生存に必要な水を求めて島伝いに移動していく姉妹&わかばの旅と、その過程で遭遇する様々な形態の赤虫や未知の世界が描かれていましたが、11話で世界観とかそもそもの発端の物語が描かれました。しかしいきなり情報量が多すぎて…

ケムリクサいろいろ 

 そもそもこの世界、タイトルにある「ケムリクサ」で作られた3Dコピーのようなものらしいのです。異星人だか宇宙から戻った地球人だかのわかばはケムリクサの転写の力を使って、地球の文明の再現を行うという作業に取り組んでいました。この仕事には依頼者がいるらしく、わかばは研究者のような存在のようでした。そんなわかばが一緒に暮らしていたのが地球人らしい「りり」。

さいしょのひとりり 
わかばとりり 

 しかしこのりり、水中から突如出現したということで、わかばを驚かせたそうですが、ケムリクサの転写の力が事故により死者蘇生として作用したのか。とすると、1話で突然わかばが水の中から出現したのも同じ理屈なのでしょう。

赤虫誕生 

 りりはわかばに懐いていて、もっと一緒に過ごしたかったようですが、わかばな仕事に没頭してあまり相手をしてあげられなかった様子。わかばと一緒にいたいのと、わかばのオーバーワークを心配したりりは、数種のケムリクサを接合してケムリクサを抑制しようとしたところ、それは暴走を始めてしまい、赤霧を伴った赤虫になってしまいました。

赤虫対りん 

 ケムリクサは大人しか扱えないものがあり、子供のりりはわかばを救うために自身をケムリクサ化して分割するという計画を立案、実行します。その結果出現したのが6人姉妹でしたが、その前にわかばは既に死んでいることが判明してしまったため、りりは「記憶の葉」に書いておいた本来の分割の目的である「わかばを助ける」という文章を抹消し、わかばの願いであった「好きに生きて欲しい」だけを残しました。りん以外の5姉妹はそれに従って好きに生きていたようですが、唯一りんだけは自分自身の「好き」な事を見付けられずにいました。おそらくりんがりりの本来の気持ちを一番継承していて、「わかばと一緒にいる」が好きなことだったせいではないかと。

ななし 

 なおりりは同人版では7分割されていて、「記憶の葉」の代わりに記憶・情報担当がいたのですが、わかばが既に死んでいるという記憶まで継承してしまったからか、名無しの彼女は出現直後に赤霧に身を投げて自殺してしまいました。本作では6話で「7-74」(名無し)の記載が。ちょうどわかばが記憶の葉の「せかいのしくみについて」を読み始めたあたりなので、とっても意味深。

シロ 
船の外は 

 ケムリクサは自然のものではないらしく、機械のように操作や調整が可能です。おそらくは異星ないし未来のオーバーテクノロジー。それがこの世界のあちらこちらにあるということは、この世界自体が本当の世界ではなく、何らかの構造物の中ということを示唆しているようです。シロ(「けもフレ」のラッキーさんを彷彿とさせますね)をはじめとするしろむしと呼ばれるロボットはわかばを船長と呼び、その命令を実行することを至上命題としていますが、それはこの世界がわかばが地球の文明を復元・記録していた巨大な船の内部そのものであることを示しているのでは。

かつての姉妹
死んだはずの3人が 

 いずれ世の才子達がより詳しく考察してくれるでしょうが、りりとりんのCVが小松未可子だということは、まあそういうことでしょう(笑)。既に死んでいたはずのりく、りょう、りょくは実は死んでおらず、といって姉妹の元に戻ることもせずに独自行動を行っていましたが、なぜなのかは不明。3人で1枚のケムリクサを共有しているような描写もありましたが、最終回では3人同時に出現していましたし。あれが本当の別れのようにも見えましたが、実はケムリクサになってしまうと死は史ではない…ということもあるのかも。

最終回エンドカード
ケムリクサオールキャスト 

 諸悪の根源のようだった赤虫も、その由来を知ってしまうと、「悪意」ではなく、りりがわかばと一緒に過ごせる時間を作りたかったという「善意と純愛」が形を変えて暴走してるともいえ、そう考えるとちょっと切ないですね。もっとも赤虫自体にそういう記憶も意志もなかったでしょうけど。

グリムノーツ感想 

 続いて「グリムノーツ The Animation」。スマホゲームが原作です。ストーリーテラーによって生み出された無数の「想区」。そこに暮らす人々は、全員が「運命の書」を持ち、それに生き方を定められていますが、まれに「運命の書」が空白である人が出現するようです。彼らは何のために出現したのか?

タオファミリーご一行 

 各想区にはストーリーテラーが異常を起こした存在であるカオステラーが出現することがあり、それまでの運命に縛られることがなくなる代わりに、秩序を失った想区は破綻して崩壊する末路をたどることになります。それを防ぐことが出来る「調律の巫女」とその一行になって想区を巡って世界を守るというのが「空白の書」の所有者の生き方の一つ。

カーリー 

 もう一つは逆に「ストーリーテラーからの開放」を掲げ、積極的にカオステラーやヴィラン(「運命の書」を書き換えられた想区の住民が変身した怪物)を産み出していく「混沌の巫女」とそれを助けるフォルテム教団。つまりこの作品の騒動は「空白の書」の所有者同士の内ゲバのようなものではないか。

敵役のロキ 

 物語によっては救いのない展開のものも多いので、登場人物が「そんな運命まっぴらだ」と思うのも当然かという気がしますし、かと言って反逆すれば世界自体が崩壊してしまうので、他の運命に納得している人々を巻き添えにしていいのかという気もします。つまり主人公達とロキ達悪役達の言い分にはどちらも一理あるように感じます。故に最終的にはメガテンシリーズのLAWとCHAOSのように和解はありえず、対決して勝つしかないような。

ヴィラン達 

 「空白の書」の持ち主は「導きの栞」を使うことで一時的に様々な物語のヒーロー・ヒロインに変身してその能力を使用することが出来ますが、特に主人公のエクスは変身するヒーロー・ヒロインに制約のない「ワイルド」の紋章持ちで、使い勝手が良いようです。ですがなぜかアリスを中心にヒロインに変身することがほとんどで、もしや女体化が趣味なのかと(笑)。他のメンバーが自分の性別に即したキャラに変身しているだけにその異様さが目立ちました。まあ女性キャラが多い方が見ていて楽しいのは確かですが。

エクスがよく変身するアリス 

 結局12話では「内ゲバ」に決着は付かず、というか敵対するロキ達も「空白の書」の持ち主であることが判明してびっくりというところで終わっているのですが、エクスが最後に変身した「グリム」って。実は作品のタイトルが「グリムノーツ」ですが、エクスやレイナが加わっている旅人の一団こそ、ヒーローとして召喚されたグリム兄弟が中心となって結成したものなのだそうで、その名が「グリムノーツ」らしいです。つまり「内ゲバ」はグリムノーツとフォルテム教団の戦いであると。

種ちゃんの赤ずきん 
三月ウサギ 

 個人的にはごひいき声優種田梨沙が赤ずきん他いろんな兼役で登場していたのがうれしかったですね。好きなんですよ彼女の声質。病気療養から復帰したとは言ってもどうもまだ完全復帰ではないような感じなのが気になるのですが、可能であればぜひいろんな作品に参加して貰いたいものです。

両手拳銃あすか 

 最期に「魔法少女特殊戦あすか」。魔法少女ものも「魔法少女まどか☆マギカ」で枷が外れたせいか、本当になんでもありになりましたが、本作も「なんでもあり」の流れの作品です。

くるみ参上 

 異世界である地冥界の侵攻に遭い滅亡の危機にあった人間界は、別の異世界である精霊界から支援を受けて誕生した魔法少女達の活躍により、地冥界の撃退に成功しました。本来の魔法少女ものであれば地冥界との戦いそのものを描くのでしょうが、本作ではそれは過去の話。

マジカル・ファイブ 

 大戦から既に3年が経過しており、世界はすっかり平和になったのかと思いきや、さにあらず。異世界との接触により入手された様々な新技術は魔法少女以外にも魔女や魔術師を生み出しており、人間界はそれらを取り込んだ新たな軍事バランスが生じています。まさに冷戦終結後に訪れたのは平和ではなく、テロが横行する世界であるかのように。

あすかとくるみ 

 ということで、「その後の魔法少女」が描かれた異色作である本作ですが、テロリストが各種魔法や冥獣などの魔法生物を使用することでむしろ大戦以前よりも質が悪い状況になっている気がします。大戦を生き残った5人の魔法少女はマジカル・ファイブと呼ばれ、その戦力は別格扱いされていますが、主人公でマジカル・ファイブのリーダーであった大鳥居あすかはもともと精神面に脆さがあり、大戦の過程で両親を惨殺されていることもあり、引退して普通の女子高生として日常生活を過ごしていましたが、周辺で頻発するテロに身近な友人が巻き込まれるようになったことから、再び戦う決意をします。

魔法傭兵 

 しかし戦う相手はテロ組織とはいえ同じ人間。特に、魔法少女や魔術傭兵を多数抱えているバベル旅団は恐るべき戦力を持っています。後半の沖縄戦ではもはや「テロるってレベルじゃねぇぞ!」と言いたくなるほどの戦力を投入していました。何しろマジカル・ファイブ中4人を投入してやっと鎮圧したほどでしたから。それでもバベル旅団の本隊はまるまる温存されているようなので、どうすれば戦後3年でこれだけの組織が出来るんだと思います。密かに地冥界と繋がっているとか?

くるみの拷問 

 本作の特徴としては、描写のえぐさが上げられるでしょう。敵も味方も拷問上等。しかし味方の拷問は情報を引き出すとか、ちゃんと目的があるのに対し、敵の拷問はあまり意味もなくやっているというか、あすか達を煽るのが目的みたいになっています。

一般人を拷問 

 さらに高越事故で母を亡くし、自身は右足を失い、父から悲惨な虐待を受けていた少女を救い出したバベル旅団が魔法少女にして戦力化しますが、実は交通事故も魔法少女にすることも全てバベル旅団の当初からの筋書き通りだったという惨さ。

腕をズバーッ 

 ちなみに大戦後に出現した魔法少女は第二世代と呼ばれていますが、魔術傭兵との差違がよくわかりません。男や大人だったら傭兵、少女なら魔法少女なのかしらん。「まど☆マギ」では少女を魔法少女にする理由がしっかり説明されていましたが、本作ではよくわかりません。適正とか魔力の素質とかは関係するようですが、特に少女でなくてもいいようです。しかし大戦終盤には11人もの魔法少女が投入されていたので、やはり第二次性徴期の少女の魔力が強いとかなんとかいう理屈があるのかも知れません。単に魔法GGEとか魔法BBAを見たくないとかじゃないでしょうね(笑)。

仕組まれた事故 

 NEETやヒッキーに魔法力を付与して「最期のご奉公じゃ!」と地冥界に突撃させる魔法NEETとか魔法ヒキニートとか。しかし魔法力を使ってさらに引きこもったり働かなくなるだけでしょうか。ヒキニートが魔法を使えるようになったら、なんて「なろう系」の小説の題材になりそうな。

目つきの悪いあすか 

 なにしろ展開が陰惨なのと主人公以下登場人物の目つきが悪いのとで、円盤はあまり売れないんじゃないかという気がします。ということは二期はない、ということに。あっても見るかどうかは考えどころですね。現実世界は極めて世知辛いですが、アニメまで世知辛くしてリアリティを出そうとしなくてもいいんじゃないかという気もしますので。

冥獣たち 
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2019年冬季アニメの感想(その1):エガオノダイカ/転生したらスライムだった件/賭ケグルイ××/風が強く吹いている

大阪城と桜

 27日に大阪で桜が開花しました。東京では同日に満開ということですが、大阪でも今日でもまだ2~3分咲きといった感じでした。それでも公園に花見客は出るは屋台は並ぶはでごった返していました。賑やかなのは結構なんですが、通りも人出が多く、いつものように走ったり歩いたりしている人にとっては邪魔で仕方がなかったことでしょう。でも、ま、桜を見ながら運動するのは悪くないですね。

エガオノダイカ感想1 

 本日は続々終了中の冬季アニメの感想をば。子細あって先週休んでいるのでとっとと始めましょう。終わった順ということで、まずは「エガオノダイカ」。タツノコプロ創立55周年記念作品のオリジナル作品でした。舞台は地球ではなく数万光年彼方の植民先の惑星で、既に植民当時の科学技術やテラフォーミング事情などは失われてしまっている様です。政体が王国とか帝国になっているので、かなり退化している印象ですね。

笑顔の王女 

 ストーリー展開的には2クールは必要ではないかというボリュームを無理矢理1クールに納めてしまった印象があり、主要登場人物がバタバタ死にます。王国と帝国が戦争状態にある中、王国王女と帝国女兵士がダブル主人公となっていますが、地位も立場も違いすぎる二人がどうやって邂逅するのかと思ったら、最終回の土壇場ででした。

王女の涙 

 12歳でそれまで対外情勢とか内政事情などを何も知らされずに暮らしてきた王女ユウキと、底辺で過酷な半生を送ってきた女兵士ステラ。そもそも相互理解に時間がかかりそうなはずなのに数分で協力関係になるというのはさすがに苦しいですね。

ほほえみのステラ 

 無尽蔵のエネルギー源かと思われたクラルスという鉱石が、実は先祖がテラフォーミングのために惑星中にばらまいたナノマシンを消費することにつながり、ナノマシンがなくなると生存環境が悪化するという事実を知りながら、クラルスなしの生活など考えられずその事実を伏せていた帝国と、そもそもその事実を知らなかった王国(元老院は知っていたが握り潰して国王に伝えられなかった)。我々の世界に当てはめれば、クラルスを電気に置き換えるとわかりやすいかも知れません。実は過去にこの事実に気付いていた皇国という国があったのですが、国ごと滅ぼされてしまったという。

銃を向けるステラ 

 それほど生活に不可欠とされていたクラルスを、世界中から非難されることを覚悟して無効化したユウキとそれに強力したステラ。その後は原始時代レベルのテクノロジーになってなお戦争は続くという悲惨な現実が待っていそうですが、作中では戦争も終わって作物の生産量も増えて万々歳という状況に。それはいくらなんでも。国を一つ滅ぼしてまで守ろうとしていたクラルスを失っても特にデメリットがなかったというのはさすがにねえ。

王国側の皆さん(大半死亡) 

 OP「エガオノカナタ」、ED「この世界に花束を」はなかなか印象的で、タイトルもそうですが、笑顔と引き替えに失うものというのがテーマだったと思うのですが、実は特に代償はなかった(払う必要はなかった)といのではあんまりです。特に帝国の皇帝(CV速水奨)には、いつでもクラルスを止められる状況にありながら、捨てられなかった事情とかをきちんと主張して欲しかった。それと我々の世界である日突然電気が使えなくなったらどうなるかということを考えれば、デメリットもちきんと描写しなければアンフェアだと思います。

帝国側のみなさん(大半生存) 

 それもこれも尺が足りなかったせいなんでしょうかね。創立55周年記念作品ならなんとかならなかったのか。かつて角川文庫創刊65周年記念作品として制作された「RDGレッドデータガール」と同じ匂いを感じてしまいます。あ、どっちもはやみんが絡んでる(笑)。

リムルとミリム 

 続いて「転生したらスライムだった件」。こちらは2クールやってなお原作を大量に余しているようなので、二期制作は十分ありそうです。「人魔交流編」を最後までやらずに余った尺のラスト2話で外伝とか閑話をやったのは、二期制作をしない場合でも一応の完結性があるところで終わらせておこうとの意図を感じます。リムル敗死状態でのアニメ終了では釈然としないですからね。

リムル 

 日本人のリーマンが通り魔に殺されて異世界に転生したらスライムになってしまいました。ドラクエなどのRPG同様、異世界でもスライムは下等な魔物扱いをされていますが、転生の際に様々な特殊能力を身につけていたことと、異世界最強種の竜の一体である暴風竜ヴェルドラと知己になったことにより、唯一無二の強力なスライムになりました。

スライムとドラゴン 

 以後ゴブリン、牙狼族の主人となって街造りを行い、街のあるジュラの森全体に住む種族が相互に協力し助け合う「ジュラの森大同盟」を成立させ、さらに国家「ジュラ・テンペスト連邦国」としてその盟主になりました。オーク軍団の襲撃、魔王ミリムの襲来、魔物カリュブディスの攻撃などがありましたが、ことごとく退け、魔王ミリムとはマブダチ(親友)になったりして、その当たりはさすが「なろう系」。

リムルと仲間達 

 リムルは一時的に「ジュラ・テンペスト連邦国」を離れ、異世界に不完全な形で召喚されて短命を運命づけられた5人の子供達を助けることに成功し、意気揚々と帰国の途に就いたところで物語は一応終了しましたが、原作ではその直後に、異世界から呼び出された日本人で、西方世界最強剣士と呼ばれる坂口日向に倒されてしまうのですが、その直前で大団円のように終わらせるのはまるでアニメの「サスケ」みたいです。サスケもハッピーエンド風のアニメの結末の直後、原作では…

リムルモテモテ 
リムルモテモテその2

 日本人のアラフォー男性だったのが転生したら女声になったりと、視聴直後は結構違和感がありましたが、元の声に戻ることがなかったので段々と慣れてしまいました。スライムになってからはチートスキル山盛りですが、異世界には竜とか魔王とかいった強者がてんこ盛り状態なので、今のところは異世界最強には全然至っていないようです。でも「なろう系」だからいずれはなるんでしょうかね。特にスキル「大賢者」が便利すぎる。

エルフのみなさん 

 「30歳まで童貞だったら魔法使いになれる」というネットの俗説から、37歳まで童貞だった自分は大賢者も夢じゃないなどと考えていたことから習得したということですが、そもそもリムルに大賢者をはじめとする様々なスキルを与えたのは何者だったのかは全くの謎です。

犬にもモテモテ 
子供達にもモテモテ 

 スライムになってからは各種族の女性にモテモテで、しかもリムルが名付けを行うと進化して容姿が人間に近くなるということで、生前だったらさぞウハウハなんですが、スライムには性別はない…残念だが。それでも女性にチヤホヤされるのは好きというのは種族や性別を超えた“業”なのか。なお寿命を迎えつつあった同郷人である井沢静江を吸収したことで、シズの姿に似た中性風の容姿で人化しますが、しばしばスライムの姿に戻っているので、こっちの方が楽なのかも知れません。

人外魔境の強者達 
 
 どう考えても危機的な状況が押し寄せても全然危機的じゃなく解決してしまうので、ストレスは貯まりませんが安直ではという気もしないでもないですが、そういう「なろう系」がもてはやされるというのも「時代」なんでしょうかね。

ギャンブラー達 

 お次は二期である「賭ケグルイ××」。原作は連載中で、ほぼ二期目で使い尽くしており、アニメオリジナルキャラで男装の麗人「×喰 零(ばつばみ れい)」を登場させて締めくくっていました。×喰とは百喰一族でありながら敗残者として一族から追放された「はぐれ者」であり、奴隷のような扱いを受けていましたが、唯一自分に優しく接してくれた女性(主人公・蛇喰夢子の姉)がやはり百喰一族に破れて失墜したのを見て一族の頂点に立つことを決意したようです。

×喰零 

 登場当初は百花王学園に転校してきた百喰一族の執事のような役回りで、ギャンブルを嫌悪するような言動をしていましたが、自らギャンブルを行うとは。二期のラスボス的存在になりましたが、生徒会長・桃喰綺羅莉以外の百喰一族からは歯牙にもかけられていませんでした。

百喰一族 

 登場する数々のギャンブルは面白いっちゃあ面白いのですが、後には特に何にも残らないというか「オモシローイ」だけで終わってしまうと言うか。まあギャンブルなんてそんな刹那的なものなのかも知れませんが。

狂気の夢子 

 見てくれはお淑やかなお嬢様風の蛇喰夢子が、実は「リスクを負う極限のギャンブル」を異常なまでに好む、破滅的思考の狂ったギャンブル中毒者なのは1期も同じなのですが、その狂気ぶりに更に拍車がかかっているようで、いくらはやみんボイスであっても、ちょっとこの人とはつきあいたくないなという感じです。

百合グルイ 百合グルイその2

 1期の円盤の売り上げはさほどではなかったそうですが、それでも2期が制作されたのは、原作の売れ行きが好調であることのほか、テレビドラマ化や実写映画化されているということが大きいかと。ぜひ続編も制作して蛇喰夢子対桃喰綺羅莉の「怪物対決」を見せて貰いたいものです。

風が強く吹いている感想 

 最期に「風が強く吹いている」。こちらも2クールで終了しました。原作を読んでいたので展開もオチも知っていましたが、こちらは本番(箱根駅伝)よりもそれ以前の展開が長すぎた気がします。

夏合宿 
カケルの告白 
カケルの過去 

 蔵原走が背負っていた過去の鬱屈と、そこからの解放は描く必要がありますが、そこに至るまでが長すぎて、常に走の不機嫌な顔を見ていることにうんざいしていた時期が私にもありました。

悪役っぽい榊 

 それに走の“過去”を体現しているとも言えるかつての同級生榊がかなりうざいです。彼からすると走が暴力行為を起こしたことで高校最後の大会に出場できなかったという恨みがあるのはわかるのですが、走が暴力を振るう原因については、彼も知っていたはずで、事なかれ主義で見なかったことにしていたのが人として正しいのかと正面切って批判されたらかなり苦しいんじゃないかと。

いつも不機嫌なカケル 
ハイジとカケル 

 走が暴力を振るわなくても他の誰かがやったかも知れないし。原作ではそこまで絡んできませんが、アニメでは走だけでなく寛政大チームに対してもしばしば挑発的な態度を取っていますが、1年坊主が上級生もぞろぞろいる他大学チームに普通そんな真似できるかなとも。彼も彼でちょっと性格が異常な感じを受けてしまいました。

悔しいのう悔しいのう 

 あれだけ言いたいことを言って煽っていた寛政大に自分達が負けたのだから、ぜひ寛政大チームには「ねえ今どんな気持ち?どんな気持ち?」「悔しいのうwww悔しいのうwww」「『遊び半分』呼ばわりしていたチームに負けたキミたちは『まるっきり遊び』で参加してたの?」とか煽り返して欲しかったのですが、すがすがしさがなくなってしまうからNGですかね。

朝日を見るメンバー 
葉菜子さん

 箱根の本番は走るということを全面に出して各登場人物のモノローグを交えていい感じでした。ぜひうざい展開を大幅に省いて駅伝シーンをもっと充実させれ欲しかったですね。ラストにちらっと3年後(走達が4年生)が描かれていましたが、やはりその後連続でシード権を確保してきたんでしょうか。結成当初のメンバーは次々と抜けているでしょうが、その分活躍を知った有望なホープが入ってきているような気がするので、「今年は六道大を破って優勝する」ぐらいのセリフが欲しかったところですが。

カケルからハイジに 
ハイジゴール 

 素人集団が一年足らず練習して箱根駅伝でシード権(10位以内)を取るというのはやはりファンタジー以外の何物でもないのですが、まあそこはフィクションだから。一応運動部の経験があるメンバーが多いというフォローはありますし、ランニングは練習の基本になっているし。不思議に自分も走ってみようかなという気にさせる作品でしたが、膝をいわしてしまう気がひしひしとするので見るだけにしておきましょう。「膝に矢を受けてしまってな」(笑)。

寛政大新メンバー達 

デジタル・デビル物語 女神転生Ⅱ:RPGの衝撃的パラダイムシフト

桜の蕾

 今日は天気が安定しなくて困ります。晴れたり降ったり。冬が最後の抵抗を試みているのでしょうか。しかし時の移ろいを止めることは叶わないでしょう。ソメイヨシノの開花予想、大阪では3月24日ということで、あと一週間です。東京は21日ということで、大阪の方がやや遅いんですね。

メガテン2パケ絵 

 かつてプレイしたゲームを紹介する日曜日。本日は1990年4月6日にナムコ(現バンダイナムコエンターテインメント)から発売された「デジタル・デビル物語 女神転生Ⅱ」を紹介しましょう。この年は2月にドラクエⅣが出て、一週間後の4月20日にはファイアーエムブレム、そして2週間後の4月27日にはファイナルファンタジーⅢと立て続けに大作がリリースされています。ウハウハですがその後はぱっとしなくなるので、この4本で1年間を凌いでいたのでしょうかね。

旧約女神転生 

 後に「旧約・女神転生」(1995年)のタイトルでⅠと合わせてスーパーファミコン用ソフトとしてリメイクされました。なんで「旧約」なのかと言うと、スーファミ用に「真・女神転生」シリーズがリリースされていたからですが、「電脳悪魔絵師」金子一馬のデビュー作であり、その後のメガテンシリーズの流れを決めたという意味で画期的な作品でした。「Ⅰ」にも悪魔合体という背徳的な要素はあったんですが、個人的には「Ⅱ」で生まれて初めてアレと戦うという稀有な体験をしたことが未だに忘れられません。しかしアレを登場させたことに、どこからもクレームが来なかったんでしょうかね。

核の炎に包まれた 

 199X年、世界は核の炎に包まれた…という「北斗の拳」のような展開の後、2036年の荒廃しきった東京が舞台です。街は廃墟も同然で、さらに新型爆弾により生じた次元の裂け目から悪魔達が出現してきます。そんな現実に背を向けるように、とある地下シェルターで体感RPG「デビルバスター」(「メガテンⅠ」そっくり)に興じていた主人公とその親友は、ゲーム内に封印されていた「神の使い」パズスにより、「この世界の救世主」に選ばれることになりますが…

神の使者パズス 
胡散臭い説明 
ゴッドサイダーでのパズス 

 もうね、かつて「エクソシスト」に登場し、週刊少年ジャンプで連載されていた「ゴッドサイダー」で猛威を振るった“古代バビロニアの食人魔王”パズスですよ。こんなのが「神の使者」を名乗ってもキュゥべえ以上に胡散臭いことこの上ありません。パズスが言うには東京を支配する魔王バエルによってPC内に閉じ込められていたそうで、「悪魔召喚プログラム」を授けてくれますが、その後東京各地を移動していくことになります。

代わりに戦う魔女さん 
東京タワーの魔女 

 東京タワーには魔女がいますが、ゲーム開始時の名前設定で「ヒロイン」にした名前で登場。つまり魔女がヒロイン。彼女が言うには「パズスは敵対している魔王バエルを倒す為に主人公たちを利用しているに過ぎず、パズスとは手を切るべきだ」と。言われんでもパズスなんか信用できない訳ですが、なぜか親友はパズスを信じ、魔女が自分たちを騙そうとしていると主張します。魔女を信じた主人公に失望した親友は去って行ってしまい、以後は魔女がパートナーになります。

核戦争後の東京 

 東京各地を旅する中で、悪魔を倒したり仲魔にしたり、さらには主人公は腕を引きちぎられて義腕になったりと波瀾万丈。中ボスと化していたパズスも倒します。その後私が当時住んでいた場所に近い西新井大師も登場(核戦争に耐えるとは)し、試練を受けたりして。

魔王バエル 
カエルになるバエル 

 最終目的地は魔王バエルの城。なんと夢の島にあります。決戦直前、親友が登場し、自分が間違っていたことを認め、単身でバエルに立ち向かって行ってしまいます。バエルの下に向かってみると親友は既に瀕死の状態。このバエルを倒すとカエルに変身します(ダジャレかよ!)。このカエルについて「殺すor連れて行く」の二択が出てくるのですが、どちらを選んだかでエンディングが大きく変化します。まあ無力なカエルでも後で利用価値があるかもなと取っておいたのですが、これが大正解。

魔王モロク 

 爆心地から魔界に突入することになりますが、魔界だけあって魔王がゴロゴロ。「Ⅰ」で大いに関わりがあったイザナミとイザナギがさらわれてたり、魔女がされわれてしまったり。アスモダイ、ベリアル、モロク、エキドナ、アスタロートといった名だたる魔王達を撃破しつつようやく辿り着くのが魔王ベルゼブブの待つ「ハエ穴」です。

魔王ベルゼバブ 
わが分身よ 

 ベルゼブブとの会見で大きな分岐が発生します。バエルのカエルを殺していた場合は、ベルゼブブ、ルシファー、そしてサタンと倒していき、唯一神から労いの言葉を受けて「千年王国」へと迎えられることになります。「悪意のはびこる世界は消え去った…ぼくたちは神になるのか…」

ノーマルエンド? 

 カエルを持っていると、ベルゼブブは言います。元はバアルという神であったのを、唯一神によって「バエル」と「ベルゼブブ」という悪魔に引き裂かれたと。合体を承認すると魔神バアルが出現し、仲魔になります。一緒にルシファーの下に向かうことに。

ルシファー登場 
ルシファーの誘い 

 ルシファーは「かつて人間はさらなる知恵を求め、神よりも私を崇めた。それに怒った神は人間を滅ぼそうとした。私は最後まで闘ったが、ついには魔界へと堕とされた…。私とともに神を倒してくれるか?人の子よ…」と衝撃的な発言をします。ここまで来て拒否はないので承諾するとなんと「Ⅰ」のラスボス・ルシファーが仲間に。

サタン登場 

 途中邪神アシュラを魔神アフラマズダとして仲魔に加えつつサタンの下に向かいます。「おや、誰かと思えばルシファー陛下!人間の奴隷とは、堕ちるところまで堕ちましたな!もう、あんたでは俺に恐怖を与えることはできない…」なんて言って仲魔になる気配はないのでやっつけます。サタンとルシファーは同一説と別人説がありますが、本作では別人になっています。

神と対峙することに 
 
 そして真のラスボスY・H・V・Hと対峙する主人公。「呪われよ!地獄にて、世界の終わりまで!永遠の業火に焼かれるのだ!」と言われますが…おい!Y・H・V・Hって…!!ユダヤ教における唯一神の名を現すヘブライ語「יהוה」の4文字を、「י(ユッド)」をY、「ה(ヘイ)」をH、「ו(ワーウ)」をVとしてラテンアルファベットに転訳したものがY・H・V・Hです。子音ばかりなので本来の読み方は不明なのですが、通常ヤハウェとかエホバと呼ばれるあの唯一神ですね。最近の研究では古代ヘブライ語ではVよりWに近い発音をされていたとされ、YHWHと記載される場合の方が多いようですが。

メガテンⅡチラシ 

 え?戦っちゃっていいの?とドキドキしましたが、旧約聖書においては言っていることが前後で矛盾していたり、苛烈な思想・言動もあったりして、宗教学的には唯一神となる以前はかなり性質の異なる別系統の神々だったものが混同されるようなったのではないかとされています。以後女神転生シリーズでは「法の神」と呼ばれ「LAWの根本原理」として扱われます。メガテンで神や天使などもまとめて悪魔呼ばわりしているのは、法の神にあらず、人間にあらざる者を全て「悪魔」と呼称しているからで、ここでの「悪」とは「悪い」という意味よりは「強い」という意味合いが強く、「魔」も「唯一神ならず人間ならざる者」というニュアンスが強いと思われます。

メガテン2スタート画面 

 Y.H.V.H.を倒したときのエンディングは「人の運命は人自身が決める。困難は多いがあきらめずに力を合わせればきっと…」という前向きで希望に満ちたものになっており、まさに真のエンディングと言える内容です。「神が必ずしも正しいとは限らない」という提示や、「神の代行者になるか、己の意思を示すか」という流れはそれまでの光(善)と闇(悪)という縦軸に、LAW(秩序)とCHAOS(混沌)という横軸を足すことなり、どちらでもないNEUTRAL(中立)とともに、「真・女神転生」シリーズ以降に大きな影響を与えています。

悪魔の群れ 

 マッピングが辛くて攻略本必携であること(なしでクリアできたら本当に偉いと思います)、ゲームバランスの悪さ、使える仲魔とそうでない仲魔の激しい格差、COMP(ゲーム中で使用するコンピューター)の性能の悪さなど、欠点も多いのでマゾ向けとか言われもしましたが、マニアックかつストイックとも言え、ドラクエやFFとの差別化に成功したとも言えます。

恐怖のギリメカラ 

 「剣攻撃を跳ね返す」属性を持つ悪魔(鬼女ボルボ、タマモノマエ、ランダ、幽鬼ギリメカラ)が登場し、オート戦闘しているとあっという間に全滅することも。これがトラウマとなって以後の作品でこいつら(特にギリメカラ)が出てくると「うわぁ!」と思うようになりました。大っ嫌いだ一つ目のゾウ。「ギリメカラ=物理反射」はもはやメガテンプレイヤーの常識。ま、魔法攻撃であっさり倒せるんですが。

視聴予定の2019年春季アニメ:来季は“温故知新”というしかない

卒業式シーズン

 卒業式シーズン真っ盛りですね。季節の変わり目ということで天気もめまぐるしく変わってなかなか読めませんが、晴れの日が晴天になるといいですな。雨の卒業式というのも風情が…と傍目には思いますが、当事者達は面倒この上ないでしょう。大学に全部落ちてどうしよう…と思うだけで放心状態のまま高校を卒業したあの日の天気はどうだったんでしょう。記憶に全く残っていないや(笑)。

2019年春季アニメ一覧 

 さてうかうかしていたらそろそろ冬季アニメも終盤です。そろそろ春季アニメも見繕っていかなければ。ということで、視聴予定の春季アニメをピックアップしてみたいと思います。なお、この画像に「ちはやふる 3期」があります。放映するなら当然見るのですが、残念ながら秋季放映だそうです。なぜ一覧に入れたし。

異世界かるてっと 

 それではアイウエオ順に。まずは「異世界かるてっと」。「オーバーロード」「この素晴らしい世界に祝福を!」「Re:ゼロから始める異世界生活」「幼女戦記」。総シリーズ累計1600万部超え、BD&DVDシリーズ総売上枚数50万枚超えを誇る4作品が、ぷちキャラアニメになって大暴れ!ある日突如として現れた謎のボタン。ポチっと押すと、なんとさらなる異世界へ転移してしまう!! そこには他世界から転移したキャラクターたちも大集合していて…!?ということです。

異世界かるてっとその2 

 全作品視聴している(正確にはリゼロだけまだ半分)のですが、親和性高いのかこの作品群? まあぷちアニメキャラになっているので肩のこらないゆるーい展開のアニメになるんでしょうが。それより続編作れやと言いたくなる作品ばかりですが、こういうのが売れたら契機になるかも知れないですしね。

ウルトラマン 

 「ULTRAMAN」。オイオイ、今更ウルトラシリーズをアニメ化かよと思ってしまいますが、子供には新鮮なんでしょうかね。漫画雑誌「月刊ヒーローズ」に連載された漫画作品が原作で、ウルトラマンが使命を終えて地球を去ってからの物語です。

ULTRAMANその2 

 今、再び“光の巨人”の力が求められる時、光の因子を受け継いだ新たな英雄が現れる。だが、それは巨人にあらず。メタリックボディの強化スーツに身を包んだ等身大の悩み多き高校生だった…。彼の名は、早田進次郎。かつてウルトラマンであった男、早田進の息子が、新世代のウルトラマンとなるべく奮闘する新たなる物語が、ここに幕を開ける!!…とのことです。鋼鉄の強化スーツを身に纏って戦う「等身大ヒーロー」としてのウルトラマンということで、キャラ名に諸星弾とか北斗星司という名も。お前ら…もしやセブンやエースじゃ?

機動戦士ガンダム THE ORIGIN 前夜 赤い彗星 

 ウルトラマンが甦るならばガンダムも甦るぞということで、「機動戦士ガンダム THE ORIGIN 前夜 赤い彗星」。ファーストガンダム本放送視聴組としては外せませんな(ただし全話見たのは最初の再放送で)。なんとNHKが放映です。安彦良和が漫画で描いていた作品ですね。あれから40年が経過して、キャスティングが変わるのは致し方ないですが、シャアとアムロが健在なだけでも良かったです。あ、ギレンやカイも健在。その他は大幅に変わりましたが、時代の流れなので仕方がないでしょう。ガンダム好きな声優って多いそうなので、出演を熱望した人も多かったんじゃ。

機動戦士ガンダム THE ORIGIN 前夜 赤い彗星その2 

 “赤い彗星”と呼ばれるジオン公国軍のエースパイロット・シャア・アズナブルと、彼の妹セイラ・マスの運命を決定づけた悲劇の始まりと過去~2人の兄妹の流転の物語~を背景に、サイド3の実権を掌握しジオン公国を統率するザビ家、ランバ・ラルや黒い三連星など「一年戦争」で活躍した数々のジオン軍の名高きエースパイロットたちの若き日の勇姿、戦況を劇的に変えることとなった人型機動兵器「モビルスーツ」の開発秘話、地球連邦軍との軋轢や開戦への道程など、「一年戦争」以前の過去の物語が、映像として初めて描かれていきます …とのことです。

賢者の孫 

 毎回必ず入る「なろう系」。今回は「また俺何かやっちゃいました?」でおなじみ、「賢者の孫」です。「小説家になろう」に連載され、ファミ通文庫から書籍化され、WebコミックサイトのヤングエースUPで漫画化もされ、文庫とコミックス合わせシリーズ累計260万部を突破しているそうです。

賢者の孫その2 

 現代日本で働いていた青年は交通事故にあったことをきっかけに、赤ん坊として異世界へ転生!!賢者と呼ばれる男に拾われ、魔法を教わりながら「賢者の孫」シンとして育っていく。シンは前世の記憶と賢者から教わった魔法で誰もが驚く「規格外」な強さを身に付けていく。魔法も剣術も知識も型破り過ぎる強さに周りがドン引きするほどの異色な主人公がおくる異世界ファンタジーライフがここに開幕!!…ということです。主人公チートは「なろう系」のお約束。

この世の果てで恋を唄う少女YU-NO 

 「この世の果てで恋を唄う少女YU-NO」。ゲェーッ!と思わずキン肉マン驚きをしてしまいましたよ。今は亡きエロゲーの老舗メーカーエルフが放った渾身のSFアドベンチャーゲームです。サターン版は私も20年以上前にプレイしましたが、今更アニメ化とは…

この世の果てで恋を唄う少女YU-NOその2 

 主人公・有馬たくやは幼少期に母を亡くし、歴史学者である父も二ヶ月前に事故で亡くしてしまった。 全てにおいて活力を失ってしまった高校生最後の夏休み。 ある日、用途不明の丸い鏡とガラス玉のはまった妙な物体が入った小包が届けられる。 同梱されていた手紙には父親が生きていると思わせる内容が…?! 「今夜10時に、この物体を持って剣ノ岬(三角山)へ行け」 指示に従いその場へ向かうと、謎の女性が倒れていた。 そこには学園長と謎の転校生の姿も。瞬間、地響きとともに光に包まれる…。並列世界を駆け巡る旅が、今、始まる…とのことですが、知ってらあ!注目は、エロいシーンはどれくらいやってくれるのか(爆)。キャストがサターン版と全然違うのはいいのですが、有馬亜由美だけはお姉ちゃんでやって欲しかった。この調子で行くと「Ever17 -the out of infinity-」とかもそのうちアニメ化されるのかしらん。 

7SEEDS.jpg 

 「7SEEDS」。「別冊少女コミック」→「月刊フラワーズ」で連載された田村由美の漫画が原作です。少女漫画なので知りませんでしたが、2007年に平成18年度(第52回)小学館漫画賞を少女向け部門で受賞しています。

7SEEDSその2 

 少女ナツが目を覚ますと、辺りは海。突然荒れ狂う海に放り出された彼女は、嵐と蟬丸、牡丹と共に島へと辿り着く。その島には未開のジャングルが広がり、巨大化した植物や、凶暴化した動物や昆虫に次々と襲われ、死と隣り合わせのサバイバル生活へと放り込まれる。そんな中、ガイドだと名乗る人物より信じられない計画の話を聞かされる。それは、人類絶滅を回避するため、若く健康な人間を冷凍保存し、災厄が過ぎ去った後の世界に人類の種を残そうという壮大な計画「7SEEDS計画」の話だった。彼女らはその計画に選ばれた人間なのだと初めて知り愕然とするのであった。若者たちは変わり果てた世界で、過酷な環境にさらされながらも懸命に生きてゆく…ということです。田中光二の「エデンの戦士」を彷彿とさせますね。 

続・終物語 

 まだやるのか「《物語》シリーズ」!と突っ込まずにはいられない「続・終物語」。ストリッパーのさよなら公演並に延々続きますな。ここまで視聴したらもう最後まで見るしかないというこちらの気持ちを見極めているな。まあ6話で終わるらしいんで。

続・終物語その2 

 阿良々木暦の物語は終わった。地獄のような春休みから始まり、いくつものめぐり合わせを経て、阿良々木暦の高校生活最後の一年間は終わった--かに思えた。だが卒業式を終えた翌朝、思いがけない事態が起こる。暦は、鏡の世界に迷い込んでしまっていた。これは、高校生でもない、大学生でもない、そんな時期に阿良々木暦が体験した、終わりの、続きの物語…とのことです。 

文豪ストレイドッグス(第3シーズン) 

 「文豪ストレイドッグス(第3シーズン)」。1期2期は2015年中に放映されたのですが、3期はずいぶん飛びましたね。一応あそこで終わっても綺麗に終わった感がありましたが…今なお人気が継続しているんでしょうかね。

文豪ストレイドッグス(第3シーズン)その2 

 白虎と黒獣――中島敦と芥川龍之介の共闘がフランシス・Fとの決戦を制し、大国より襲来した「組合(ギルド)」との巨大異能戦争は終結を迎えた。その戦いの中で結ばれた「武装探偵社」と「ポート・マフィア」の休戦協定も継続する中、彼らによって壊滅の危機から守られたヨコハマの街は、今日も路辺に日常という物語を紡ぐ。だが、そこには、流入する海外犯罪組織の噂や、「組合(ギルド)」残党の影も見え隠れし……。一方で、太宰治は案じていた。〝魔人〟の目覚め、新たなる災厄の始まりを。暗渠にうごめくは、盗賊団「死の家の鼠」の頭目、フョードル・D。その恐るべき謀略が、ついに牙をむく!…とのことです。アメリカ作家軍に続いてはロシア作家軍が攻めてくるのか。

ワンパンマン(第2期) 

  「ワンパンマン(第2期)」。おお、これは待ってました!1期が2015年だったので、2017年頃にはやってくれるかと思っていましたが、ずいぶん待たされました。でもやってくれるなら許しましょう。

ワンパンマン(第2期)その2 

 趣味でヒーローを始めた男、サイタマ。3年間の特訓により無敵のパワーを手に入れ、あらゆる敵を一撃(ワンパン)で倒すヒーローである。ひょんなことから弟子となったジェノスと共にヒーロー協会で正式なヒーロー活動を開始する。怪人発生率が異常に高くなる中、大預言者シババワが遺した「地球がヤバい」災害の可能性があると対策に乗り出そうとするヒーロー協会。そこに怪人に憧れるガロウが現れる…ということです。 

春も継続の盾の勇者 

 以上9作品に、冬季から継続するであろう「盾の勇者の成り上がり」を合わせて10本。続編とか無茶古い作品のリメイクとかが多いのでまさに温故知新と言わざるを得ません。なお、打ち切りが出た場合の補充要員としては…

消滅都市 

 ある日、ひとつの都市が消滅した―― 一匹狼の運び屋の男タクヤと、消滅から唯一生還したと言われる少女ユキ。 ふたりは、消息を絶ったと思われていたユキの父親からのメッセージを頼りに消滅都市(ロスト)へと向かうことになる。しかし、そんなふたりの前に思わぬ障害が立ちはだかる。それはユキにとって、あまりに衝撃的な現実で―― 残された人の想い、暗躍する謎の組織、そして隠された陰謀。タクヤとユキ、全くの他人だったふたりは、旅の中で絆を深めつつ、消滅都市の謎へと迫ってゆく…という花澤香菜&杉田智和の「消滅都市」。

Fairy gone フェアリーゴーン 

 かつて妖精は、“兵器”だった―。この世界には、動物に憑依することで不思議な力を宿す、妖精が存在していた。 妖精が憑依した動物の臓器を摘出し人間に移植することで、妖精を分身として出現させ、兵器として扱えるようになる。妖精を戦争の道具として自在に操る兵士たち、彼らは『妖精兵』と呼ばれた。長きにわたる戦争が終結すると、彼らはその役目を終え、行き場を失う。あるものは政府に、あるものはマフィアに、あるものはテロリストに。それぞれの生きる道を選択する。戦争から9年の歳月が経つ。主人公のマーリヤは、妖精に関連する事件を捜査・鎮圧する、違法妖精取締機関『ドロテア』に配属されたばかりの女の子。未だ不安定な政治情勢の中、戦争によって受けた傷や過去を持つ犯罪者が現れ、復讐のためテロを起こす。これは、無秩序な戦後に抗い、それぞれの正義を求め戦う『妖精兵』たちの物語―という「Fairy gone フェアリーゴーン」。

みだらな青ちゃんは勉強ができない 

 名前の由来は――官能小説家の父に悩まされる女子高生・青ちゃんは、念願の一人暮らしを実現させるため、難関大学合格を目指して猛勉強中。「青春?男女交際?そんなの知るかッ!」……だけどそんな青ちゃんに、クラスの人気者で「リア充王」の木嶋がまさかの愛の告白。空気を読まない木嶋のアプローチに、勉強そっちのけで青ちゃんのエロ妄想が暴走する!…という「みだらな青ちゃんは勉強ができない」なんかを考えています。

ドラゴンクエストⅣ 導かれし者たち:「天空シリーズ」第一弾は悲しみがいっぱい

インドカレー屋のカレー

 前にも書きましたが、これまで外食でカレーというとCoCo壱番屋一辺倒だったんですが、最近インドカレー屋に行くことを覚えまして。別にココイチが嫌いになった訳ではないんですが、ナンやタンドリーチキン、ラッシーと一緒に食するカレーというのもなかなかいいですね。デフォルトのカレーはココイチの普通より辛くない位ですが、ナンは大きくて熱くて、口も指もアツゥイ!ということに。ナンはおかわりもくれるので、トータルではココイチより安上がりでお腹いっぱいになります。

DQ4パッケージ 

 昔、“ギャルゲーの日曜日”“懐ゲーの日曜日”と銘打って、大昔にプレイしたゲームソフトを紹介していたんですが、いつしか途絶えてしまいました。それをこの2月から急に復活させた(思い出したとも言う)訳ですが、昭和から平成に変わったあたりからプレイのペースが落ちていることが判明しました。まあ理由もわかってるのですが、要するに金も暇も無尽蔵ではないということですよね。ということで(どういうことだ)、本日紹介しますは大作「ドラゴンクエストⅣ 導かれし者たち」です。

DQ4ロゴ 

 「ドラゴンクエストⅣ 導かれし者たち」(以下「DQⅣ」)は」1990年2月11日にエニックス(現スクウェア・エニックス)が発売したファミコン用RPGです。「ファミコン探偵倶楽部 うしろに立つ少女(後編)」から半年以上もゲームを買っていなかったんですね。「蒼き狼と白き牝鹿」でも繰り返しプレイしたりしていたんでしょうか。どうも30年前の話なので記憶が…

DQ4取説 

 DQⅢが発売日に大騒ぎを引き起こしたことを教訓に、DQⅣは日曜日に発売されました。そうでなくても「建国記念の日」なので休みですが、ということは翌日の月曜日も振替休日になっていた訳ですね。これは発売日にゲットできたら腰を据えてプレイできたことでしょう。ファミコンでのDQシリーズはこれが最後で、DQⅤからはハードをスーファミに移すわけですが、DQⅠ~DQⅢのいわゆる「ロトシリーズ」と離れて、新たに「天空シリーズ」が開始されることになります。終わりにして始まり…なかなか複雑な特徴を持っていますね。PS版やDS版でリメイクされていますが、実は私、ファミコン版しかプレイしていません。DQⅤなんかスーファミ版から始まってPS2版も3DS版もやっているんですけどねえ。

勇者ご一行 

 DQⅣは5章立てとなっており、勇者と一緒に旅をする7人については1章~4章でそれぞれの経緯が描かれ、5章で勇者の旅立ちと仲間との出会い、そして冒険という展開になっています。AIによる戦闘システムや、パーティーメンバーが以外が待機している馬車システムは本作で初めて導入されました。馬車で仲間の戦いを見ているだけでEXPが貯まるというのはなんかズルい気がしなくもないですが、そうしないと育成が面倒なんでこれはこれで良い発想だったんではないかと。きっと勇者の仲間たる者、みんな北斗神拳奥義「水影心」か虚刀流奥義「見稽古」を習得しているんですよ。
 
天空の勇者 

 また本作では、これまでプレイヤーが漠然と抱いていた疑問「どうして魔族たちは勇者が魔王を倒しに来るのを座視していたのだろう?」に対する回答を示したことでも知られています。5章冒頭、まだ勇者として覚醒していない主人公を魔族の軍勢が殺しにやって来ます。人間側もそれを阻止すべく勇者を隠れ里のような山奥の村で隠蔽しながら育成していたのですが、情報が漏洩してしまったのですね。しかし危機管理術は人間側は一歩上を行っていて、囮を出すことで多大な犠牲を払いながらも勇者だけは守り抜きます。

 シンシアのイメージ

シンシアのはねぼうし

 その囮になるのが勇者の幼なじみのシンシア。勇者のことは恋人(勇者が男の場合)ないし姉妹(勇者が女の場合)のように思っており、魔物軍団の襲撃の際は勇者を隠してモシャスの呪文で勇者に化け、身代わりとなって殺害されてしまうのです。魔物軍団が引き揚げて静まりかえった山奥の村の廃墟にぽつんと取り残される勇者。シンシアのものと思われる羽帽子が落ちているのを見つけた時の気持ちは…そりゃあもう復讐の鬼と化して魔物退治にいそしみましたよ。

最後に現れるシンシア 

 実はシンシア、エンディングのラスト、全てが終わって廃墟となった山奥の村に帰ってきた勇者の前に姿を現すのですが、このシーンについては「マスタードラゴンが生き返らせた」「実は死んでいなかった」「勇者が見たただの幻だった」など幾つかの解釈に分かれています。ハッピーエンド希求派だとやはり生き返ったないし生きていたがいいんでしょうが、現実はシビア派だと幻ということになるんでしょうかね。私も現実はシビア派に近いんですが、散々苦労した挙げ句なんで、勇者にも少しぐらいご褒美があってもいいんじゃないかとも思います。「プレイヤー各自の想像にお任せします」はDQシリーズの十八番なので、それぞれが好きなように解釈していいのでしょう。

ライアンとホイミン アリーナ姫一行

 1章「王宮の戦士たち」は戦士ライアン一人+NPC(ホイミスライム)でDQⅠっぽく。なおこれが以後のシリーズでお約束になる「仲間になるモンスター」の嚆矢のようです。2章「おてんば姫の冒険」は武闘家、僧侶、魔法使いの3人パーティーでDQⅡっぽく。可愛くて強くて「会心の一撃」を連発するアリーナは人気キャラになりました。3章「武器屋トルネコ」 はDQⅢっぽいのかと思いきやお金儲けが主軸の異色編でした。一人で行動するもよし、NPCを雇うもよし。戦闘をNPCに任せるとレベル1でもクリアできますが、後々のことを考えるとちゃんと育成しておいた方がいいでしょう。なおトルネコは旅する商人というキャラクター性を見込まれ、スピンオフ作品「トルネコの大冒険 不思議のダンジョン」シリーズの主役を張ることになります。 

 武器屋トルネコモンバーバラの姉妹

 4章「モンバーバラの姉妹」はNPCを加えると3人パーティーになりますが、それまでの2人旅は魔法使い系の踊り子と僧侶系の占い師なのでバランスが悪くて戦闘が難しかった記憶があります。戦闘では強いマーニャですが、妹ミネアに稼がせておいて自分はひたすらカジノにハマっていたあたりのダメさ加減はその後よくネタにされることに。失意のラスト、旅の吟遊詩人の「人々の色々な思いを乗せて、船は出てゆきます。娘さん。この国で何があったのかは知らないが、元気をお出しなさい。生きてさえいれば、きっといい事もあるでしょうから……」というセリフが胸を打ちます。

冒険の裏での出来事 

 この4章ラストと5章冒頭の打ちのめされ感で、DQⅣにはそれまでになかった「暗さ」があったように思います。そりゃあDQⅡだってムーンブルクの王女は王国を滅ぼされてたり、DQⅢだってパパン行方不明とかありましたが、事件の過程をはっきり描いているだけにDQⅣの暗さは格別です。この暗さはDQⅤの「奴隷10年石10年」という苦行に続く流れではないかと思います。

ピサロ 

 まあ魔族側にもですね、人間を憎む理由は描かれているんですよ。有名な魔族の長ピサロとロザリーの一件です。愛するロザリーが人間に殺されたことがピサロを狂気に走らせるのですが、救われないのは、それが魔族側の幹部であるエビルプリーストの策略だったという点です。これはピサロを真に魔族の王たらしめようとするためで、ピサロに対する忠誠心ゆえの行動であったようですが、リメイク版では自身が王者となるためにピサロには面従腹背していたということで、完全に裏切り者となっています。

ロザリー虐待 
ロザリーとピサロ 

 なおリメイク版ではロザリーを復活させることが可能で、これによりデスピサロと化したピサロに理性を取り戻させることができ、ピサロを仲間にできるようです。ロザリーを生き返らせることが出来るならシンシアだって…と思うので、リメイク版ではシンシアが本当に生き返ると解釈していいと思いますね。逆にロザリーが生き返らないファミコン版ではシンシアも…(涙)。

エビルプリースト 
エビルプリーストの謀略

 AI戦闘はDQⅣで導入され、以後シリーズに踏襲されていきますが、第一弾だけあって問題も山積していました。一番有名なのは「クリフトが通用しない相手にザラキを連発」でしょう。AIは戦闘を重ねるごとに敵の弱点や行動パターンなどを学習するように設定されているはずなんですが…まだまだ生まれたてのせいかおマヌケでした。この反省を踏まえて、以後のシリーズでは「めいれいさせろ」が追加されるようになりました。アリーナやライアンといった呪文や余計な特殊行動を持たない戦闘バカキャラの場合は、倒した敵への二重攻撃を回避するなどAIならではの有利な特徴が活用され、また余計な補助呪文を持っていない攻撃魔法バカマーニャも比較的有利な行動をとってくれるのですが。

言うことを聞かないクリフト 

 実は「戦うたびに賢くなるAI」との触れ込みでしたが、これは正確ではなく、段階が4つあり、一定確率で上の段階に移行するといった学習をするのだそうです。つまり運が悪いといつまでも段階が上がらずおバカなままだという。しかもラスボスなど何段階かに形態変化する敵の場合、AIは各形態ごとに別モンスターと認識してしまい、それぞれ1戦しないと学習しなかったんだそうです。そうか、だからクリフトは馬鹿の一つ覚えでザラキを。 

ザラキ連発 

 AIはザキ系を「味方の被害を減らすためにもっとも効果的な行動」として選択するのですが、プレイヤー側はクリフトを回復役の要と考えているため、ボス戦でザキ系を唱えてターンを無駄にする、道中でザコに連発しすぎてMPが足りなくなるなど、回復役であることを放棄したかのようなクリフトの行動はありがた迷惑以外の何物でもありませんでした。「じゅもんを使うな」で封印可能ですが、それをすると今度は回復魔法まで使わなくなってしまいます。あまりのザラキ魔ぶりは半公式設定になってしまい、リメイク版でも優先してザラキを唱えるようにわざわざ調整されていたり、外伝作品でも得意呪文がザキ系になっているそうです。突き抜けるとギャグになる訳ですね。 

クリフトへのおちょくり 

 あと7人いる仲間ですが、役割がかぶっているキャラがいて、レギュラーが固定されがちになります。勇者は別格として、もう一人の前衛はアリーナとなりがちです。ライアンは加入が遅く、その頃にはアリーナの装備が充実しているせいです。僧侶系のミネアとクリフトでは、キアリー、ザオリク、ベホマラーを覚えないミネアは辛いです。しかもステータスの伸びが悪く特にHPの成長が極端に悪いのも大きな弱点でしょう。まあクリフトがレギュラー化するので「ザラキ馬鹿クリフト」の定評が確固たるものになっているという面もありますが。

クリフトへのおちょくりその2 

 魔法使い系ではブライとマーニャがかぶります。一応ブライが補助呪文重視型、マーニャが攻撃呪文重視型という棲み分けがあるのですが、ブライは補助呪文を的確に使ってくれないことが多かったように思います。ステータス・装備品でマーニャが上回り、またマーニャのほうが仲間になるのが先なため、こちらはマーニャ一択となりがちです。そもそも色っぽいお姉さんとむさい爺では考える余地もない気がしますが。

勇者出生の秘密 

 主人公は人間の男(木こり)と、天空から舞い降りた天空人の娘との間に恋が芽生え、その間に生まれた混血児という設定になっています。しかし、天空人と人間は夫婦になれぬのが定めで、そのため父は裁きの雷に打たれて死に、母は天空に連れ戻されたとされています。天空シリーズには世界を統治する竜の神マスタードラゴンが登場しますが、もしや裁きの雷は彼が撃ったのでは?小説版では、主人公の父親を殺したのは故意ではなく、地上にふと向けた視線が雷となって父親を打ってしまったからだとされています。ただの視線が雷撃と化すとは…「今のはライデインではない…視線だ」ってか(笑)。

この天空人がママン? 

 なお天空城でただ一人主人公の事を知っている女性が主人公の母親ではないかと思われ、EDでは世界に平和が訪れた事を喜ぶ天空人達の中で、この女性だけが主人公の仲間達に主人公といつまでも仲良くしてくれるように願い、まるで主人公との別れを惜しむかのように泣いています。さらにDQ6の「ゼニスの城」(後の天空城)には、DQ4で彼女がいる場所と同じ所で下界に興味を抱いている女性がいますが…後の彼女なのかも知れません。DQⅥはDQⅣの数百年前の物語ですが、天空人は人間より遙かに長命らしいです。
 
天空人ルーシア 

 世界に平和を取り戻したあと、その血筋は遥か未来である続編「V」の「天空の花嫁」(ビアンカ、フローラないしデボラ)とその子どもたちに受け継がれようです。それじゃあ天空人としての血がちょっと薄いような気もしますが。なおDQⅥはロトシリーズと同じくシリーズの発端であり、一番過去の物語となっています。ちなみにロトシリーズは三部作で完結していますが、天空シリーズは三部作とはアナウンスされておらず、今後続編が登場する可能性もあります。

人気の高いアリーナ 

 カジノの登場、「小さなメダル」とメダル王の登場など、以後定番となる要素もDQⅣから始まっており、いろいろ画期的要素に満ちていた本作ですが、どうも「AIが死ぬほどバカ」「抱き合わせ販売」といった負の部分に目がいきがちになってしまいます。「ファミコン通信」の読者投票による「1990年ベストヒットゲーム大賞」では「ファイナルファンタジーⅢ」を僅差で抑えて1位に輝いているのですが。

マスタードラゴン 

好きなアニメキャラ(その101):メーテル(銀河鉄道999)

啓蟄を過ぎて 

 啓蟄も過ぎて本格的に春らしくなってきましたね。今日のように天気が良いと日差しの強さを感じます。淀川の堤防では土筆を探す人の姿も。洗濯物が乾きやすいのはいいのですが、虫も出てきましたね。我が社宅、昨年は“G”ことゴキブリが出現しなかったのですが、今年はどうか。そういえば札幌でも出ませんでしたね。札幌の場合は気候と高さ(13階)のせいだと思いますが、大阪の場合は餌になりそうなものがないからではないかと。茶殻で良かったら食べに来いや(笑)

メーテルその1 

 本日は好きなアニメキャラ。今回はなぜ100回記念でやらなかったかと後から臍を噛んだメーテルです。こんな大物を取り上げずに来てしまったとはなんたる不覚。少年たるもの、年上の女性に憧れる時期が必ずあると思うのですが、その“少年の憧れ”を体現したかのようなキャラがメーテルだと思います。「銀河鉄道999」は原作、テレビアニメ版、劇場版で多少の差違があるのですが、主として劇場版に準拠して語りたいと思います。

メーテル全身図 

 とにかく美人で、落ち着いた大人で、理知的で物静かでありながら妖艶さとミステリアスさを併せ持つ女性で、主人公星野鉄郎を銀河超特急999で銀河の旅に導きます。機械の身体をタダでくれる星へ連れて行くという話でしたが、実はママンである機会帝国の女王プロメシュームの命により、機械化惑星の部品となる意思強固な青少年を集めるという役目を担っていました。ネジやビス、ナットといった部品であっても機械の身体と言えば言えるのでしょうか。

メーテルと銀河鉄道999 

 しかし実はパパンは反機械化世界を目指しているドクター・バンで、既に肉体は失ってメーテルのペンダントヘッド(黒いカプセル)になっていますが、重傷を負ったメーテルを治癒させるといった特殊な力を持っています。自分は機械の身体になっているとも言えますが、それでも反機械化を目指すという。パパンは「機械化惑星を破壊すべく、多数の同志をその中心部へ送り込む」という作戦をメーテルに課しており、すなわちメーテルが連れて行く青少年は機械化惑星の部品にされるけど、それは将来機械化惑星を破壊するための「埋伏の毒」であるということになります。

車窓から身を乗り出すメーテル 

 ルックスとは今更言うまでもないのですが、いわゆる典型的「松本美人」です。細身の長身、長い睫毛に切れ長の目、腰まで伸びた金髪、そして憂いを帯びた微笑み。少年漫画ではファッションに注意を払わないので、いつも一張羅なわけですが、メーテルの場合は首周り・袖口・裾にファーをあしらったケープ付きコート、ロングブーツ、パパーハ姿で有名です。

メーテル帽で画像検索したら 

 パパーハはアストラハン・ハットとも呼ばれるコーカサス地方の帽子ですが、もはや日本では「メーテル帽」で通っているのではないかと。黒一色で統一しているのは、「喪服」としての意味合いがあるためだそうです。「メーテル帽」で検索したらご覧の有様だよ!

黒づくめの久我重明 下着も黒いメーテル

 ちなみに上着の下は黒のワンピース、黒い下着を着用してる模様で、やはり黒一色で統一。女版久我重明というべきか、久我重明が男版メーテルなのか。

剥かれるメーテル 

 実はメーテルの身体は本物の身体ではないらしく、本物の身体は冥王星に眠っているようです。鉄郎は自分のママン(星野加奈江)に似ていると思っていましたが、それもそのはず、プロメシュームから「宇宙一美しい体」として星野加奈江の若い頃の身体を与えられたのだとか。劇場版2作目「さよなら銀河鉄道999」では「機械化人を含めたあらゆる機械が持つ機械エネルギー」に対して吸引力が作用するという「大暗黒彗星サイレンの魔女」の影響を受けていないので、単純に機械の身体という訳ではないようですが、本体とは別にバイオボディとでも言うべきものを使っているということなんでしょうか。老いたら別の身体に交換して。

物憂げなメーテル 

 劇場版1作目ラストでは、元の身体に戻ったら、たとえ再会して鉄郎の傍にいても気づくことはないだろうと言っていましたが、この発言には重大な疑義があります。仮にメーテルの身体は星野加奈江のクローンだとしても、元のメーテルもさして違わない姿であろうと思われます(理由は後述)。

殺された加奈江さん 
加奈江さんの剥製 

 余談ですが、原作及びテレビ版の鉄郎は、ママンがあれほどの美人(何しろそれなりに年を取ってからでも剥製にして飾られるくらい)なのになんであんなに不細工なんだろうと思いますよね。劇場版2作目でパパンが黒騎士ファウストとして登場し、仮面で本来の姿はわからないものの、それなりの男前なんじゃないかと想像されるからなおさら。劇場版の徹郎は年齢もアップしてルックスのかなり向上しましたが、やはりあれくらいはないと整合性が取れないということでしょうか。

青春の幻影メーテル 

 分身として「かよいあう同じひとつの心をもったふたつの存在」とされる惑星メーテルがありましたが、劇場版1作目ラストで崩壊してしまいます。惑星メーテルがなくなっても、生身のメーテルには特にダメージがあったような描写はなかったので、単に機械化帝国の母星としての意味合いしかなかったのか。ではここから「銀河鉄道999」では語られることがなかった衝撃の展開を。

なんだってーその1 

 衝撃その①:メーテルのママンのプロメシュームは「1000年女王」雪野弥生だったんだよ!

1000年女王 

 1000年周期で地球に接近する惑星ラーメタルから派遣され、1000年間人知れず地球を統治する役目を持つ1000年女王。その最後の一人が雪野弥生で、地球で生活していくうちに次第に地球人への愛情が芽生え、地球を奪い取ろうとするラーメタルと対立するようになります。1000年間の任期終了に伴い、後任として新たに派遣された新女王から交代を迫られますが、これを拒否して金星で決闘を行って新女王を倒し、引き続き1000年女王でいることを選びました。そしてラーメタルの侵略から地球を守り、自らも母星であるラーメタルに帰還したのでした。


雪野弥生と雨森始 
プロメシューム 

 その後ドクター・バンと結婚して子供を儲けますが、ラーメタルの寒冷化により飢餓で苦しむ民衆を救うには自ら進んで機械化人間になる以外に道はないと考えた末に機械化人となり、機械帝国の女王へと変貌していったのだとか。そしてドクター・バンの正体は、「1000年女王」の主人公雨森始なんだとか。雨森始は学生服を着た鉄郎といった雰囲気のキャラでしたが、そういう顔に惹かれる血筋なんでしょうか。

変わりすぎぃ! 

 それにしても、地球人のことを「宇宙で一番優れた人々」とまで言い切っていた雪野弥生が狂信的なまでの機械の信奉者になってしまうとは。メーテルによれば、かつては「鉄郎のお母さんにも負けないくらい優しい母」だったそうですが、機械の体による永遠の命の実現を目指すようになってから変わってしまったのだそうです。心は変わるものだ…でも変わり過ぎィ!

なんだってーその3 

 衝撃その②:エメラルダスはメーテルの双子の姉だったんだよ!

目つきの悪いメーテル?なエメラルダス 
メーテルとエメラルダス 

 キャプテン・ハーロックと並び称される宇宙海賊クイーン・エメラルダス。原作やテレビ版の「銀河鉄道999」ではメーテルのライバル的存在として描かれていましたが、言われてみりゃごもっともと言わざるを得ないほど似ているこの二人。メーテルの髪を栗毛にして頬に傷を入れればエメラルダスのできあがりですから。

幼い頃のメーテルとエメラルダス 

 劇場版第1作ではプロメシュームはメーテルのことを「一人娘」と言っていましたが、その後松本センセの中で設定が変わったらしく、双子の姉妹となりました。エメラルダスは当初設定が固まっていなかったのと、この宇宙で只一人愛する大山トチローがいろんな松本作品にいろんな役で登場しているせいで、パラレル化した設定となっていることもあります。

シヌノラさん 

 ハーロックとトチローは性行為表現が頻出する「ガンフロンティア」以来の黄金コンビですが、ガンフロンティアではシヌノラという美女がエロス担当で登場し、ラストではトチローの子を身籠もっていました。ということはシヌノラはエメラルダスの前身ということか。結構お色気シーンがあるメーテルに対してエメラルダスにはそういうシーンがほとんどみられませんが、それは“昔散々やった”から?

プロメシューム親娘 

 ママンの若かりし頃の雪野弥生にして双子のも姉のエメラルダスにしても、典型的な松本美人なので、メーテルの本来の身体が別にあったとしても、それほど変わらないのではないかと思ってしまいますが、いかがでしょうか。

楠本高子 ヴィヴィアン・リー
マリアンヌ・ホルト 

 メーテルのモデルは、シーボルトの孫娘である楠本高子説、八千草薫説、加藤登紀子説など諸説ありますが、いずれも松本センセが語っているというところが…(笑)。このほか「風と共に去りぬ」のスカーレット・オハラ(ヴィヴィアン・リー)や「我が青春のマリアンヌ」のヒロインであるマリアンヌ(マリアンヌ・ホルト)のイメージも入っているそうなので、色んな女性を重ね合わせたハイ・サーヴァントのような存在なのかも知れませんね。また古くから松本センセの妻で漫画家の牧美也子がモデルではないかという説がありましたが、これはセンセ自身が明確に否定しているそうです。

若い頃の池田昌子 

 CVは池田昌子。画像は若い頃のを選ばせていただきました。当ブログでは2013年5月12日の記事で取り上げていますので詳しくはそちらを参照願います(https://nocturnetsukubane.blog.fc2.com/blog-entry-367.html)。他にもメーテルを演じた声優はいますがなんと言っても池田昌子でしょう。もう80歳ですが、なおも現役で活躍中。鉄郎を演じた野沢雅子も82歳でなお元気に活躍しているので、「銀河鉄道999」コンビは実に息が長い。

お蝶夫人 

 また「エースをねらえ!」のお蝶夫人こと竜崎麗香もインパクトがありました。とても高校生とは思えない。彼女をもじったダイドーの「お腸夫人」はどこに行った?

青い体験のラウラ 

 洋画の吹き替えではオードリー・ヘップバーンやメリル・ストリープを受け持っており、典型的美人声というやつなんでしょうね。あと個人的には「青い体験」「続・青い体験」の主演であるラウラ・アントネッリの吹き替えも大好きです。 

ファミコン探偵倶楽部PartⅡうしろに立つ少女:ホラーテイスト満載のミステリーアドベンチャー

雛祭り

 本日は全国的に雛祭りな訳ですが、昨今はきちんと年中行事としてやっているんでしょうかね。カラフルなひなあられはともかく、ちらし寿司とか蛤のお吸い物というのはちと地味な感じがしますね。菱餅はそのままでは食べないし、白酒はアルコールが入っているから女の子に飲ませる訳にはいかないし。それでひなケーキなんてものが登場してきたのか。

ひなケーキ 

 ケーキはいつ食べてもおいしいですからね。こどもの日とかにも出したらいいんじゃないでしょうか。…と思ったら、なんと!

こどもの日ケーキ 

 ちゃんとあるんですね、こどもの日ケーキ。兜や鯉のぼりをかたどったりして努力賞ものです。それならいっそお彼岸にもケーキを出したらどうでしょう。正月には鏡餅の代わりに三段ケーキとか。

うしろに立つ少女前編 

 本日のゲーム昔語りは名作「ファミコン探偵倶楽部PartⅡ うしろに立つ少女」です。ファミコンのディスクシステム用アドベンチャーゲームとして、1989年5月23日に前編が、同年6月30日に後編が発売されました。前年に発売された「ファミコン探偵倶楽部 消えた後継者」が好評を博しての続編ということになりますが、時系列的には「消えた後継者」の3年前の物語ということになっています。

うしろに立つ少女後編

 主人公が空木探偵事務所で助手として働くことになったいきさつや、同じく助手の橘あゆみとの出会いなどが描かれています。ファミコン探偵倶楽部は事件と怪談が結びつけられているのが特徴で、「消えた後継者」でも死人の蘇り伝説が登場しましたが、今回は女子高生殺人事件に、古くから学校で噂されてきた怪談「血染めの少女の霊」の話が結びつけられています。

うしろに立つ少女のトップ画面 

 個人的には横溝正史的なホラーミステリーは大好物でしたし、「消えた後継者」も「うしろに立つ少女」の出来が良かったので続編を大いに期待していたのですが、サテラビューというスーパーファミコン周辺機器(BSアナログ放送で実施されたスーパーファミコン向け衛星データ放送サービスを受信するためのデータ放送受信端末)用に第三弾となる「BS探偵倶楽部 雪に消えた過去」が発売されて以降は途絶えてしまいました。サテラビューなんて誰も手を出していないもので発売してしまったのが運の尽きだったんでしょうか。「雪に消えた過去」では橘あゆみはCV皆口裕子、空木俊介はCV速水奨という豪華なキャスティングがされていたので、ぜひプレイしてみたいんですが…

雪に消えた過去 

 「うしろに立つ少女」はシリーズ10周年を記念して、1998年4月1日にスーパーファミコンのニンテンドウパワー専用ソフトとしてリメイクされ、書き換え専用ソフトとして発売されました。当然とはいえ、スーファミなのでグラフィックが大幅に強化されていますが、女の子が可愛くなったのが何よりですね。実はこちらは未プレイなんですが、98年だとさすがにメイン機がプレステやサターンに変わっていて、スーファミはお蔵入りしていました。その後はゲームボーイ、wii、3DSなどにも移植されています。

うしろに立つ少女トップ画面 

 殺害された女子高生の遺体が河原で発見され、空木探偵事務所にも調査の依頼が来ましたが、空木探偵は手がけていた時効寸前の「金田源治郎殺害事件」の捜査に専念するため、主人公に事件調査を託すことに。警察が私立探偵に調査の依頼をするとか現実にはちょっと考えられませんが、そこは金田一シリーズとか少年探偵団のノリで多目に見ましょう。

空木探偵との出会い 
恐怖の幕開け 

 殺された小島洋子の親友が橘あゆみで、二人は丑美津学校で「探偵クラブ」というサークルを起ち上げていて、高校に古くから伝わる怪談話「うしろの少女」の噂を調べていたのでした。丑美津高校では15年前に浅川しのぶという女生徒が行方不明になるという事件が起きており、怪談の噂はその頃から語り始められたようですが…

女生徒の死体 
リメイク版の死体 

 あゆみは以前、洋子から丑美津高校の廊下の突き当たりにある大鏡の前で「うしろの少女は、本当にあなたのうしろに立っているかもしれない」と言われたことがあり、また丑美津高校OBでもある葉山教諭からは「うしろの少女」を初めて目撃したのが葉山自身であることを知らされます。葉山は、「金田源治郎殺害事件」の発生した15年前の11月10日に学校で「うしろの少女」を目撃したのです。

オリジナルのあゆみちゃん 
リメイクのあゆみちゃん 

 そこで空木が手がける「金田源治郎殺害事件」がクローズアップされてくる訳ですが、殺害された金田はスナック経営の傍らで違法な高利貸しや詐欺行為を行っており、恨む人間は数知れず。最有力容疑者とされた内田輝彦は事件発生直後に自殺体として発見され、その後も容疑者は特定できず、凶器も発見されていませんでした。金田には一人息子の五郎がおり、地元の不良仲間とスナックに入り浸っていましたが、その時に金田の自宅で五郎の帰りを待っていたのが浅川しのぶであったといいます。

学校の怪談 
あゆみ登場 

 金田五郎は源治郎の遺産を食いつぶしている遊び人でしたが、最近なぜか金回りが良くなったとされますが、主人公が彼に話を聞こうとした矢先、何者かに刺殺されてしまいます。源治郎から多額の借金をしていた用務員の田崎、なぜか主人公に睡眠薬入りのコーヒーを飲ませるあゆみ、そして犯行を自供する遺書を残して突如自殺する校長の浦辺など、謎は謎を呼ぶ展開の末、真犯人が判明します。

真犯人登場 
殺してやる 

 もう古い作品なのでネタバレしても差し支えないと思いますが、犯人は小島洋子の担任の日比野でした。日比野は本当は内田輝彦の息子で、15年前に自殺直前に最期の電話をしてきたことで源治郎に恨みを抱きいて彼を殺害し、犯行を目撃したしのぶは逃げようとした矢先に駆けつけた浦部の車に轢かれてしまいました。

しのぶの肖像画 
浅川しのぶ

 浦部はまだ息のあったしのぶと日比野を車に乗せ学校へと向かいましたが、しのぶは息を吹き返し、窓の外にいた葉山に助けを求めようとしたため、日比野は教室にあった花瓶でしのぶの頭部を殴打し殺害しました。また、最近になって事件の真相を知った洋子から問い詰められた日比野は洋子の首を絞め絞殺、さらに浦部が事件に関与していた事を知った五郎が脅迫していることを知って、五郎をも刺殺したのでした。

恐怖シーン 
リメイク版だとこうなる 

 すべてを告白した日比野は主人公とあゆみを廊下の行き止まり、大鏡の前に追い詰める。二人に襲い掛かった日比野のナイフが大鏡に突き刺さると、鏡にヒビが入り砕け散り、中からセーラー服を着た白骨死体のしのぶが飛び出し、日比野に覆い被さりました。錯乱した日比野は駆けつけた警察官に取り押さえられ、事件は解決します。

後ろに立っているかも 
洋子の思わせぶりなセリフ 

 しかし後日談として、しのぶの白骨死体の頭部には殴打された痕跡がなく、車ではねられた際にすでに死亡していた事が判明します。それでは、葉山が見た血染めの少女は一体…?またあゆみによれば、洋子はまるでしのぶに取り憑かれたかのように事件について知りすぎていたそうです。美術室に残されたしのぶの肖像画を見ると、洋子によく似ていますが、実は洋子としのぶは親戚だったとか。この辺はファミコンではどうにもなりませんが、リメイク版だと説得力があるような。

モブまで可愛い 
綺麗になったあゆみちゃん 

 それにしても描写力の貧弱さに定評があるファミコンであっても、真犯人登場から白骨ドサーまでの怒濤の展開の怖かったことといったらなかったですね。しかしリメイク版の画像はそれはそれは美しい。想像力で補っていたといはえ、やはり画像はいい方がいいに違いありません。

アドベンチャーゲーム総選挙の4位から20位 

 なお、2017年にファミ通.com上で行われたゲームのジャンル別ランキング作成企画の際、アドベンチャーゲーム総選挙では18位に本作が入っていました。ちなみに1位は「シュタインズ・ゲート」。私のプレイした作品では、「かまいたちの夜」が6位、「Ever17 -the out of infinity-」が9位、「この世の果てで恋を唄う少女 YU-NO」が12位、「スナッチャー」が13位、「ポートピア連続殺人事件」が15位、「イヴ・バーストエラー」が17位に入っていました。

あなたのうしろに恐怖が立っている 

 うーむ、いずれも名作ですね。今から思えばかなりしょぼい「ポートピア」にはコンシューマー機におけるアドベンチャーゲームの嚆矢という記念碑的な位置付けがありますが、ランキングにおいてはそれに次いで古いのが本作です。やはりおどろおどろしいホラーは雰囲気とラストの衝撃的展開が記憶に残っているのでしょう。

恐怖直撃 

記憶に残る一言(その101):薬痴寺先輩のセリフ(嗚呼!!花の応援団)

3月のイメージ

 あっという間に3月が来ました。日差しも力強さを増してきました。早春の2月は春とは言いがたい雰囲気がありましたが、仲春の3月ともなればこれはどうあがいても春。花粉さえ飛ばなければいい季節なんですが…

花の応援団 

 本日はせっかく大阪に住んでいるので、大阪らしいネタをということで、「嗚呼!!花の応援団」から記憶に残る一言を紹介したいと思います。「嗚呼!!花の応援団」はどおくまんのギャグ漫画で、1975年から79年にかけて「週刊漫画アクション」で連載されました。

どおくまん 

 どおくまんはCLAMPのように集団のペンネームかと思っていましたが、実は一人で本名は鈴木和明。「孤独な漫画家」の意の「独漫」が由来となっています。その後1人での漫画製作は厳しいということで弟など仲間に声をかけて4人組となった際に「独漫」に「お」を足して「どおくまん」とし、4人組の名前を「独立大阪漫人集団」の略から「どおくまんプロ」としたそうです。

花沢高校 暴力大将

 同時期に「月刊少年チャンピオン」で連載されていた「暴力大将」とか、「嗚呼!!花の応援団」の連載終了後に「週刊少年チャンピオン」で連載された「熱笑!!花沢高校」とかは読んだ記憶があるんですが、「嗚呼!!花の応援団」は青年誌連載ということもあって直接読んだ記憶はほとんどありません。が、過激な暴力や下ネタのほか、「クェックェックェッ」「ちょんわちょんわ」などの独特のセリフが人気を博していたのは知っています。

花の応援団 映画 

 連載当時映画も3本制作され、1作目の「嗚呼!!花の応援団」(1976年8月公開)は配給収入6億4千万円で同年の邦画配給収入ランキングの8位に入りました。なんとそれから20年経って1996年にも平成版が制作されています。

映画版花の応援団 

 大阪南部の架空の大学・南河内大学の応援団が舞台となっており、主人公は3回生(近畿の大学では1年生2年生と言わずに1回生2回生と言うようです)の南河内大学応援団親衛隊長(応援団の親衛隊って何がなんだかという感じですが)の青田赤道。「ちょんわちょんわ」 「クェックェックェッ」 「シビアー」など、作中の名(迷)セリフの大半はこの人が放っています。

クエックエックエッ 

 応援団幹部には理不尽なしごきやパワハラ、合宿費用のピンハネなど団内で横暴を振るっている4回生の3人組がいて、後輩の肩を持つことが多い青田のことを目の敵にしていますが、喧嘩の腕前と悪知恵で勝る青田には頭が上がりません。また、団のOBにはゴマをすりまくっています。

ちょんわちょんわ 

 その団のOBの一人が薬痴寺先輩。薬師寺ではなく薬痴寺です。河童のような禿頭がトレードマークで、現役団員時代には「団始まって以来のしごきの鬼」と呼ばれていました。

役者やのう 

 この薬痴寺先輩の口癖が今回の記憶に残る一言です。しごきに音を上げた団員に対し「(バテたりする等の)演技が上手い」という意味が込められています。OBになってからも時折練習に姿を見せては、「役者やのう」と言いながら拷問に近いしごきを行っています。応援団幹部の4回生3人も例外ではないため、団員からは非常に恐れられています。

役者やのうその2 

 2作目の映画のタイトルはそのものズバリ「嗚呼!!花の応援団 役者やのォ-」でした。演じたのはなぎら健壱で、それまではフォークシンガーだったなぎらが役者として注目を浴びる契機となりました。

花の応援団役者やのう 

 「そうか、お前、お腹痛いんか。役者やのォ~!」と言いながら後輩の腹にキツい蹴りを入れたり、「おぉ~こりゃあ、久しぶりに横綱級の役者やのォ~!!だが、これは受けきれまい!」と青田赤道をヘッドロックして膝蹴りを連発したり。しかし青田は「クェクェッ。こちょばい、こちょばい!」「こんなの屁の河童のちゃんちゃこりんよ」と受け流した上、「……わし、最近、妙な病気にかかっとりますねん。手が、自分の意志に逆ろうて、勝手に動きよりますねん」と言いつつ鉄拳を炸裂させ、返り討ちにしてしまいました。

なぎら薬痴寺その1 なぎら薬痴寺その2

 なおなぎら健壱は原作を愛読していたそうで、「薬痴寺役に似合うのがいるらしい」ことを聞きつけて監督がなぎらのコンサートに来た際に、たまたま洒落で「役者やのう」と言っているたのを見て「あんなに苦労して探すことなかった、薬痴寺はここにいるじゃねえか。これで映画が撮れる」ってことになったとか。なぎらも出演を快諾し、メイクや衣装をみずから考案発注して薬痴寺役に入れ込んだそうです。

なぎら健壱演じる薬痴寺先輩 

 1970年代頃(つまり昭和真っ盛りの頃)の大学応援団の本質を忠実に表現しているという評価もあるという本作ですが、ここまでお下品な大学応援団はそうそうないだろうと思われるのですが。南河内大学のモデルについては諸説があって、連載当時に応援団の活動が盛んでバンカラなイメージが定着していた近畿大学、あるいは「大阪南部の田舎」という立地条件が符合する阪南大学、さらにはどおくまんの出身大学である大阪芸術大学といった説があるそうです。また、応援団による不祥事が絶えなかった大阪経済法科大学ではないかという説も囁かれているとか。さすがにこの作風だとどこも「ウチです」とは言いかねるか(笑)。

青田赤道 

 ちなみに歌もありました。なんだこれは…たまげたなぁ。歌っているのは「異邦人」。久保田早紀の歌ではなく、バンド名です。



 BOKETEにあった「役者やのぉ」。その1「キャプ翼」編。

BOKETEの役者やのう 

 確かにサッカーの試合では多いですね、「役者やのぉ」と言いたくなる場面。審判にスルーされるとすぐに立ち上がったりして。しかし敵チームの選手に言うならともかく、味方選手に言うな石崎(笑)。

ドラえもん編役者やのう 

 その2「ドラえもん」編。自分が出した「ひみつ道具」の効果なのにお前は何を言っているんだ。

まどマギ役者やのぉ 

 その3「まどマギ」編。迫真の演技に感心するマミとほむら。しかしこの人は誰?
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