2018年春季アニメの感想(その2):こみっくがーるず

ワールドカップ、日本がまさかのコロンビア撃破で決勝トーナメント出場に向け意気が上がっていますね。本日夜セネガル戦ということで夢が正夢になるかどうか正念場というところです。にわかも含めて多くのサッカーファンがテレビを見るんでしょうけど…私は明日の朝のニュースで知ることになるでしょう。ほら、果報は寝て待てというじゃないですか。ぜひ頑張って欲しいものですが、GKは代えておいた方がいいような気がしますけど。

さて本格的に春季アニメが終了しています。本日は「こみっくがーるず」の感想をば。「こみっくがーるず」は芳文社の四コマ誌「まんがタイムきららMAX」連載中の漫画が原作です。昔は堅実なファミリー四コマ誌を発行していた芳文社ですが、21世紀に入ってからはいわゆる「萌え四コマ」を積極的に扱いだして、ライバル竹書房に大きく水を開けた感があります。「萌え四コマ」を中心に掲載する「きらら」系は今や「まんがタイムきらら」「まんがタイムきららMAX」「まんがタイムきららフォワード」「まんがタイムきららミラク」と大繁栄。それは結構なんですが、さすがにおっさんが買うには敷居が高いですね。竹書房の同傾向(とはいえかなり抑え気味)の「まんがライフMOMO」さえ買わなくなりましたから。

「けいおん!」「きんいろもざいく」「ご注文はうさぎですか?」「ゆるキャン△」などアニメ化タイトルを多数抱える「きらら」系だけあって、「こみっくがーるず」も「ごちうさ」難民の避難所となったであろうかわいい女の子ばかりが登場するゆるふわ系作品でしたが、若干毛色が違ったのは、主要キャラが全員漫画家志望というかプロデビューしているというところでしょうか。

独特のセンスや将来性を見込まれ、現役女子高校生で出版社「文芳社」の漫画雑誌からプロデビューを果たした萌田薫子ですが、画力やストーリーは拙く、キャラクターの魅力やリアリティにも乏しいため、アンケートでは最下位に。自虐的な性格でメンタルが弱く、才能を独力で伸ばせるタイプではない薫子を心配した担当編集者は、同社の女子漫画家寮への入寮を勧めます。

そこで薫子は、ルームメイトの恋塚小夢や、同い年の先輩漫画家の色川琉姫、勝木翼らと同じ寮で、同じ女子高校に通いながら漫画家として研鑽を積むことになります。4人は、学生時代はやはり漫画家を目指していた編集の編沢まゆ、寮母の花園莉々香、学校教師の虹野美晴らに見守られつつ、互いの仕事を手伝ったり、ネタ出しや取材に付き合ったりしながら、漫画家としての日常を過ごしてゆきます。

萌田薫子(CV赤尾ひかる)はPN「かおす」で、現役女子高生のくせにやたら視点がおっさんくさく、全般的に絵柄もネタもしょぼくてよくプロデビューできたなというレベルです。口癖は「あばばばば」。人見知りが激しく、ネガティブで落ち込みやすい性格ですが、ダメ出しやボツが続いて泣いて帰っても、数日後には新作を持ってくるなど、芯は強いようです。

幼少期からはことある事に泣いてばかりいる子だったが、絵を描いているときだけは泣き止んでいたということで、絵を描くのが好きなのは生まれついての様子。実家は和菓子屋でママンはやたら若くて大らかでCVが能登麻美子という素晴らしさ。

ルームメイトの恋塚小夢(CV本渡楓)は、PNはあまり本名と変わらない「恋スル小夢」。少女漫画家で仕事は早いですが、男キャラを描くのを苦手としていました。明るく社交家でマイペースな性格で、いつも何かお菓子を食べているせいかややぽっちゃり体型ですが、体重は気にしている様子。彼女だけクラスが違うのですが、漫画家じゃない友達もたくさん作っていてリア充気質です。

同学年ながら先輩漫画家の色川琉姫(CV大西沙織)はPN「爆乳❤姫子」。このペンネームは(笑)。ほのぼのとした動物漫画を描きたいのですが、画風がやたら大人っぽいせいで、ティーンズラブ漫画を執筆しています。仲間内では一番常識人で、成績優秀でルックスも良く憧れる人も多そうな長身スレンダーなのですが、唯一といっていい欠点が貧乳。小夢曰く「がんばってAくらい」だそうです。なのにPNが「爆乳❤姫子」(笑)。まあ作風から担当編集者が付けた名前だそうですが、徹夜明けなど疲れている時、本人の意志とは関係なく妙に色っぽい雰囲気になるので、かえすがえすも普通に胸さえあればパーフェクトだったのに。

琉姫と同室の勝木翼(CV高橋李依)は少年漫画家。ボーイッシュな外見でPNは「ウィング・V」。「暗黒勇者」という中二病患者が大好きそうな漫画を連載していますが、本人も中二病。仲間内では一番の売れっ子作家ですが、ウィング・Vの正体が女であることを知られてはいけないと担当編集者から言われているため、最も正体を秘匿しなければならない立場です。実家は豪邸でお嬢様育ちですが、母親を嫌っており、陰で「ヤツ」と呼んだり自分の作品で敵役や悪役のモデルにしたりしています。しかしママンのCVは川澄綾子なので、中二病対決的には絶対に勝てそうにありません。なにしろあっちには「約束された勝利の剣」がありますからね。

本作では、この4人が高校の先輩で漫画研究部に所属していた若い寮母の花園莉々香に見守られながら過ごす1年が描かれました。薫子の担当編集者である編沢まゆは莉々香の後輩でやはり漫画研究部に所属しており、薫子達の担任の虹野美晴も莉々香の元同級生で漫画研究部所属でした。


基本的にはのほほんとした日常系作品なんですが、薫子は連載が始まるどころか毎回のようにネームを没にされており、見ている方は日常茶飯事のように思っても、本人的には心が折れますよねこれは。他の三人とは大きく水を開けられていて「そんな画力で大丈夫か?」と思っていたところ、終盤で雑誌掲載が決まり、光明が射したところで寮の建て替えという事態に。いや前から決まっていたことではあったんですが、古民家みたいな古い寮は味があって良さそうでしたから残念です。

最終話、他の三人が帰省して誰もいなくなった寮で独りぼっち(莉々香はいるけど)になった薫子のSAN値ピンチぶりは痛ましいものがありましたが、それでも原稿を仕上げるまではと寮に残り続けたところに成長ぶりがあったような。

もちろん今生の別れでもなんでもなく、新学期の頃、やたら急ピッチで建て替えられた新しい寮で全員再会するのですが、「自分を受け入れてくれる友達が周りにいること…当たり前じゃないんです!」「みんな一緒に漫画を描ける日々は1日1日奇跡なんです!」ということを認識できたあたりに薫子の成長がうかがえます。

ラストは一話の繰り返しのような展開で、新しくなった寮で皆で漫画を描こうというところで終わります。私達はようやくのぼりはじめたばかりだからな。このはてしなく遠い漫画坂をよ…と言うべきか、私たちの漫画はこれからだ!かおす先生の次回作にご期待下さいと言うべきか。

主要キャラの声優陣の仲がとても良く、人気もあったし実際面白かったので二期早うと言いたいところなんですが、多分原作のストックがないので当面は無理かと。主役の赤尾ひかるは本渡楓と同期だそうですが、早々にブレイクした本渡楓に対して主演作がありませんでしたが、今回ようやくチャンスを掴んだような。まだ23歳なので別に遅咲きという訳ではありませんが。最近右腕を骨折したそうで過労のせいではないか心配ですが、漫画家だと大ピンチでも声優なら何とかなりそうですね。


私のお気に入りはるっきーこと色川琉姫。ですがこの人については別途「好きなアニメキャラ」をやる予定なので、もう一人好きだったホラー漫画家怖浦すず(CV上田麗奈)を紹介しておきます。青森県出身で、他人を脅かすのが好きで、親しまれるより怖がられたいという変人ですが、実はとんでもなく美人で、漫画やイラストのことを教えるのが上手いという。

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