2017年秋季アニメ序盤の感想(その2):Code:Realize/宝石の国/アニメガタリズ

週末ごとに台風がやって来るという、実に迷惑な秋ですね。ようやく秋晴れを満喫できると思ったのにまた雨か。降らなきゃ降らないで困りますが、過ぎたるはなお及ばざるが如しとはまさにこのこと。

ほぼ一週間空いてしまいましたが、秋季アニメ序盤の感想パート2です。まずは今季の早見沙織枠「Code:Realize ~創世の姫君~」。「十二大戦」や「宝石の国」、「Fate/Apocrypha」にも出演していますが、やはり主演作は格別ということで。

女性向け恋愛アドベンチャーゲームが原作ということで、野郎、ましてやおっさんはお呼びではない気がしないでもありませんが、以前やはりはやみんがヒロインを務めた乙女ゲーム原作のアニメ「神々の悪戯」はなかなか面白かったので、今回も期待して。

猛毒を全身に宿した少女・カルディアは、怪物として恐れられ、周囲と隔絶した日々を送っていましたが、ある夜、英国軍に捕らわれる寸前、泥棒紳士と名乗る男、アルセーヌ・ルパンと出会い、彼の手引きで「機鋼都市ロンドン」へ赴くことになります。そこで様々な人物たちと出会い、冒険しながら、自らの身体と失われた記憶の謎に迫っていく――という展開です。

乙女ゲーが原作だけに、登場人物が二枚目ばかりなのは当然として、やたらにベタなビッグネームが登場しまくります。アルセーヌ・ルパンは説明不要として、ヴィクター・フランケンシュタイン(メアリ・シェリー原作「のフランケンシュタイン」に登場。フランケンシュタインというと人造人間の怪物の方が連想されますが、本来は創造者の博士の名前です。あの怪物は正確には「フランケンシュタインの怪物」と呼ばれます)、インピー・バービケーン(ジュール・ベルヌ原作「月世界旅行」に登場する、巨大な大砲で月旅行に向かう技術者)、サン・ジェルマン(オカルト好きには超有名な不老不死と噂された怪人物)、そしてエイブラハム・ヴァン・ヘルシング(ブラム・ストーカー原作「ドラキュラ」に登場する吸血鬼ハンター)など。

ルパンはともかく、その他のキャラは原作では特別二枚目という設定ではないんですが…まあ平然と男キャラを女性化することが流行る昨今、この程度は大したことないのかも知れません。インビーのCVが森久保祥太郎なんですが、杉田智和が「アニゲラ」で散々真似していたので、改めて本人の「しょうなの~?」を聞いて思わず笑ってしまいました。

カルディアは美人なんですが、頭髪以外の全身が触れたものを腐敗・溶解させる猛毒に満ちていて、特殊な衣服と手袋ごしでないと触れることもできません。2年前より前の記憶がなく、これまでぼっち&隔離生活のせいでほぼ無表情でしたが、ルパン達と接することで徐々に人間らしい感情&表情を見せるようになってきています。野郎視聴者としてはカルディアを見ることだけが楽しみ。まあくっつくのはルパンなんでしょうけど。

「宝石の国」。金剛先生役の中田穰治以外の20数人の声優は全て若い女性というとんでもないハーレムアニメですが、中田穰治的には全然嬉しくないような気が。その中田穰治が毎回女性声優をゲストに迎えて番宣ラジオをやっていて、何と単独でメインパーソナリティーというのは初めてとかのことで、とっても異色の番組です。ジョージさんの人柄の良さがにじみ出ているので、年齢的は大幅にギャップがある若手女性声優も懐きそう。

遠い未来、不死身の身体を持つ「宝石」が、月から飛来する謎の敵「月人」と戦うファンタジーです。宝石達は一見女性的ですが、よくみると胸はぺったんこで、そもそも性別がない模様。ダイヤモンド(CV茅野愛衣)だけはやたら女性的で恋愛トークが大好きなようですが、いわゆる百合なんでしょうか。

主人公のフォスフォフィライトは宝石たち中で最年少の三百歳ですが、硬度3.5とひときわ脆く、靭性も弱いため戦闘に向かず、その他に何をさせても不器用で役立たずでしたが、金剛先生から博物誌編纂という仕事を与えられることになります。フォスよりさらに柔らかい硬度2のシンシャは、体から無尽蔵に毒液が出る特異体質のため、他の宝石たちから距離を置き、孤独に月人の現れない夜の見回りを担当していますが、彼女をなんとか救いたいと思うフォスは積極的にシンシャに接近していきます。


フォスは月人の新兵器(?)、巨大カタツムリに吸収されてしまいましたが、ダイヤモンドの尽力とシンシャの知識により無事復活。今後カタツムリとコミュニケーションを図って月人の謎に迫っていくのだと思われます。

宝石は割れたり砕けたりしても破片が揃えば元に戻ることが可能で、死の概念がなく光を栄養とするため食事も必要としないという不思議な生命体です。地上の生物が海中でインクルージョンという微小生物に食われて無機物となり、長い年月を経て人型の宝石となったそうです。

さらに謎なのは月人で、月から大群で襲来し、弓矢や槍で攻撃してきます。宝石達を装飾品にする目的で捕らえようとしているとされており、何人かの宝石は既に捕らえられていますが、中には捕らえた宝石を改造して武器としている者もいます。

金剛先生だけは異色な存在で、宝石とも月人とも違うような感じがしますが、そもそも宝石と月人はどういう関係性なのかとか、これから判明してくると思います。

「アニメガタリズ」。オリジナル作品です。私立咲鐘湖(さかねこ)学園高校に入学した阿佐ヶ谷未乃愛は、楽しい高校生活を謳歌するはずが、同級生の上井草有栖に強引に誘われアニメ研究部を設立することになります。集まったメンバーは一癖も二癖もあるアニメ好きばかりで、アニメ初心者の未乃愛は振り回されっぱなしですが、次第にアニメの世界にのめり込んでいくことに。

アニメ好きが集まっての日常系なのかと思っていましたが、しゃべる猫「ネコ先輩」が既に非日常。竹書房系の4コマ誌で連載している4コママンガ「さかな&ねこ」で知っていた森井ケンシロウが監督を務めています。それで咲鐘湖(さかねこ)学園高校か(笑)。

主人公阿佐ヶ谷未乃愛と相方の超お金持ちお嬢様上井草有栖はCVがそれぞれ本渡楓と千本木彩花。このコンビは立ち位置は逆転したものの「ガーリッシュナンバー」の再来ではないか。未乃愛には姉・麻耶がいるので、これが本当の阿佐ヶ谷姉妹。ただしアニメ版は美少女姉妹。

ちなみに阿佐ヶ谷姉妹のママンは何気にCV加隈亜衣なんですね。見た目も声も綺麗すぎる。「アホガール」の花畑よしえ(CV日笠陽子)も見た目と声は良かったものの行動がケイオスケイオス過ぎましたが、こちらのママンは多分常識人のままでいてくれるでしょう。

2話で部活設立に必要な6人の部員が揃ってアニメ研究部スタートかと思いきや、いきなり生徒会が廃部決議案を提出してきたりと、毎回波瀾万丈なので、多分日常系ではないようです。

前作ともいえる「アニメガタリ」は、都内の大学のアニメ研究会の部員がアニメについて語る内容となっていたそうですが、こちらはその一年前の物語となっています。「アニメガタリ」では大学一年生のアニメに詳しくない新入部員マヤが主人公となっていましたが、きっとこれが阿佐ヶ谷麻耶なんでしょう。未乃愛に触発されてアニメに興味を持って大学に進学したということか。

そういえば未乃愛達の部長になってくれたコスプレ好きな青山絵里香は、「アニメガタリ」でも登場しています。高校では妹を、大学では姉を毒牙にかけるというのか(笑)。ある意味姉妹丼…

ストーリーよりも、折に触れ挿入されてる各種アニメのネタに笑えます。新入部員勧誘はバニーガール姿で、というのは「涼宮ハルヒの憂鬱」ですし、アニメ研究部存続を賭けて未乃愛が読まされた原稿は「機動戦士ガンダム」でのガルマの葬儀におけるギレンの演説。全部が全部はわからないと思いますが、判ったネタには思わず笑ってしまいます。古いヤツならバッチコイなんですけど。

やたら良い感じのEDではラノベオタクの高円寺美子も加えて3人でアイドルのように踊っています。美子は一見地味な眼鏡女子ですが、何気に巨乳でスタイルがいいので化けるタイプのようです。そういえばCV東城日沙子は「ひなこのーと」でもやたらスタイルのいい大家さん(萩野千秋)をやっていたっけ。

色んな所にアニメネタをぶっ込んでくるので目が離せませんが、未乃愛が子供のことに見ていたというぶっ飛んだアニメは一体何という作品なのかが、気になります。「トップを狙え!」と「フランダースの犬」と何かの魔法少女モノが混ざってような。今回全部やるつもりでしたが、疲れたので「妹さえいればいい。」と「クジラの子らは砂上に歌う」はまた明日。


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