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2017年夏季アニメの感想(その2):セントールの悩み/賭ケグルイ/メイドインアビス

都民の日だった

 10月1日は都民の日。もう20年以上前に都民は卒業してしまったんですが、本日のように日曜日が都民の日の場合、明日は振り替え休日になるんでしょうかね。公立学校はともかく、会社なんかはそもそも休みじゃないかも知れませんが。

セントールの悩みのメインキャラ 

 それでは昨日に引き続いて夏季アニメの感想です。まずは「セントールの悩み」。JKののんびりした日常をまったりと描いたアニメ…ではあるんですが、その世界がただ事じゃありませんでした。脊椎動物に六肢の生物が誕生し、四肢の生物を駆逐して進化した結果、人類は様々な形態に分化しています。中肢が翼になった翼人(イメージは天使)と竜人(イメージは悪魔)、中肢が退化して四肢に見える長耳人(耳が頭上から生えて尻尾がある)、角人(頭に角がある)、牧神人(角と尻尾があって足が蹄状)。そして下半身が馬状になった人馬、ヒレ状になった人魚。形状は大きく異なっていますが、人類なので各形態同士で交配は可能で、生まれる子は両親いずれかの形態になります(まれに混合してしまう場合あり)。

各種形態の人類 

 さらには人類とは非哺乳類型の知的生命体として蛇のような外見の南極人、カエルに似ている両棲類人も存在しています。外見および形態が大きく異なる人種が混在しているため、過去の歴史では強烈な差別があったため、積極的な格差是正政策が推進されており、人権や生命を超えて平等が最優先されています。差別的言動を行うと、形態差別罪に問われて思想矯正所送りになってしまい、JK達の会話でもしょっちゅう形態差別になるならないという話題が出てきます。

南極人 
両棲類人 

 そんな中でも人馬(=セントール)であるヒロイン君原姫乃は、竜人の希や角人の羌子とまったりした日常を送っているのですが、形態の差によるアクシデントやハプニングが何かと取り上げられているほか、たまに過去の戦争中の形態差別とかいう重い話がぶっこまれてきます。彼らでさえ差別を克服しようとしているのにあれほどの形態差がないお前らときたら…という世界を風刺する作品なのかなとも思いましたが、実はそうでもないような。 

御魂真奈美 

 裏ヒロインである翼人の御魂真奈美が好きでしたね。翼人だったママンは既に故人のようで、長耳人の父や、やはり長耳人の三つ子の妹、さらに長耳人と翼人双方の特徴が混合した末の妹の面倒を見ています。パパンはサラリーマンですが兼業で画家をやっており、本当は画家になりたいのに世間から全く評価されていません。サラリーマンも適当にやっているせいで収入は多くありませんが、末っ子が混合形態で病弱なため、政府から相当な補助金が出ているせいで中途半端な状況を続けていられるのですが、真奈美からは子供を見捨ててでも芸術家として生きるのか、夢を捨てて良き父親として生きるのかどちらかを選ばないとまるで子供のヒモだと批判されています。

三姉妹とすえちゃん 

 異世界ぶりがはなはだしいので彼女らの日常生活とのギャップが埋まらなくて評価しにくいのですが、一つだけ言えるのは、翼人、竜人、長耳人、角人はまあなんとかなるけど異種姦好きであっても人馬と人魚はいかんともしがたいなあという(笑)。

雌牛の模型に入るパーシパエー 

 いやそりゃあ遠野物語には馬と夫婦になる娘の話(オシラサマの由来)があり、ギリシャ神話には雄牛と王妃の間にミノタウロスが生まれるとかの話がありますけど、共通するのは男(雄)側が異種であること。異種が女(雌)の場合というのはちょっと想像が及びませんな。そのせいか人馬は両親とも人馬であるケースが多いようです。まあこの話題はちょっとアレなんでこの辺で。

左から深川芹亜、桑原由気、白石晴香 

 声優はセントールの姫乃が「グラスリップ」ヒロイン深水透子役の深川芹亜。可愛い声で演じています。竜人の獄楽希が「小林さんちのメイドラゴン」のヒロイントール役の桑原由気。角人の名楽羌子役は「好きなアニメキャラ」で紹介した「あんハピ♪」の雲雀丘瑠璃役の白石晴香。役を演じる以上仕方ないのですが、桑原由気と白石晴香はもっと素敵な声なのにとちょっと残念でした。

賭ケグルイ感想 

 「賭ケグルイ」。上流階級・政財界の子女が数多く通う名門校の私立百花王学園は、生徒同士のギャンブルによる徹底した階級制度によって支配されていました。そこに転校してきた蛇喰夢子は、一見おっとりした才媛に見えましたが、実は生粋のギャンブルでした。

蛇喰夢子 
桃喰キラリ 

 夢子は生徒会長・桃喰綺羅莉と生徒会が支配する百花王学園の歪んだ構造を破壊しに来た…訳ではなく、純粋に賭けに狂う(賭ケグルイ)ためにやってきたようですが、ギャンブルに熱中している時に人間の素の姿が出るというかこれが本来の姿だというか。とにかく夢子をはじめ各キャラの“顔芸”の凄まじさにぶっ飛びます。その時の声の演技もまた凄いのですが。

顔芸その2 

 ヒロイン夢子を演じる早見沙織は、賭ケグルイモードでの演技の際に、ラジオ「早見沙織のふり~すたいる♪」で時々繰り出す濃厚キャラ“マダム沙織”を繰り出しているような気がします。共演していた早乙女芽亜里役の田中美海も人格が変わっちゃったんじゃないかとビビり、演技が終わって戻ってきたはやみんを見て「いつもの早見さんだ」と安堵したほどの熱演でした。芽亜里も芽亜里でなかなか凄かったですけどね。

顔芸その1 顔芸その3

 原作が終わっていないので、アニメはオリジナルエンドでしたが、続編は普通に作れる終わり方だったので、ぜひ第二期を期待したいです。なお、はやみん好きで知られる杉田智和が珍しくギャンブル対決という形ではやみんと絡む演技をしていたので、勝負は敗れましたが本人的には本望だったんじゃないかと思いました。

メイドインアビス感想 

 最後に「メイドインアビス」。まず言っておくと旅は途中なのでこれはもう二期制作待ったなしでしょう。というかこの出来で続編がないとか考えられません。

レグとリコ 

 人類最後の秘境と呼ばれる、底知れぬ巨大な縦穴「アビス」。直系は1000メートルほどですが、特殊な力場があって穴の奥を観測することは困難なため深さは不明です。なぜか各所に「遺物」と呼ばれる超常の人工物が存在しています。アビスの探検を担う「探窟家」達は、命がけの危険と引き換えに、不可思議な性質を持つ「遺物」、そして未知へのロマンを求めて奈落に挑み続けています。

殲滅卿ライザ 

 ママンが探窟家の最高峰である白笛だったヒロインのリコは孤児院で暮らす探窟家見習いで、異様に強いアビスへの憧れを持っていましたが。ある日の探窟で少年そっくりのロボット・レグと出会い、共にアビスの深層を目指して旅立つことになります。

 アビスの原生生物

 アビスは特異な生態系を持ち、様々な異様な怪物達が棲息しています。さらにアビスを降下するのはいいのですが、上昇しようとすると、上昇負荷(アビスの呪い)というバッドステータスに陥ることになります。浅いところでは眩暈や吐き気程度で済みますが、深いところではより激しく重い負荷がかかるようになり、深界七層では確実に死ぬとされています。

深界四層巨人の杯

 ジブリ作品ですかといいたくなるようなキャラデザインやアビスの淵にある大穴の町・オースの様子。知識はそれなりにあるけれど、案外不注意で憧れだけが先行してホイホイ潜っていくリコと基本真面目だけど判断が甘くて突発事態に対応できないレグの凸凹コンビが、大した苦労も無く深界四層「巨人の杯」までやって来たあたりは案外ご都合主義だなあとも思ったりしましたが。

四層の上昇負荷 

 終盤いきなりリコ生命の危機。原生生物の毒針に指されて大ピンチになります。命を救うために左腕切断ということになり、麻酔もなしでレグに骨を折られて切断されかかりますが、リコ役のJK声優富田美優はこの回の演技で全精力を使い果たし、帰宅しても食事出来ないほど憔悴したそうですが、確かにエグイ描写でした。

腕を折られるリコ 

 その後「成れ果て」(深界六層からの上昇負荷によって異形と化した人間)のナナチに救われ、適切な治療を受けて回復しましたが、最終回で語られたナナチの過去のエピソードがまたえぐい。ジブリでは出来んなこれは。これからナナチも加えて3人でさらに深界を目指していきますが、さらなる脅威が待ってそうでゾクゾクしますね。

成れ果てナナチ 

 探窟家の頂点である「白笛」はリコのママンである「殲滅卿」ライザの他に4人おり、うち二人が画面に登場しました。深界二層にいる「不動卿」オーゼンはどうして綺麗な声の大原さやかにこんな声を出させるんだという妙な声と辛辣な態度でしたが、実はライザの師匠だった人で、変人だけど面倒見の良い人物であることが判りました。

不動卿オーゼン 

 そのオーゼンにして「筋金入りのろくでなし」と評したのが「黎明卿」ボンドルド。リコとレグはまだ直接出会っていませんが、紳士的な声と態度でありながらアビスの謎の解明のためには非人道的な実験を平然と行う異常者で、ナナチを「成れ果て」にしたのも彼でした。ナナチを仲間にした以上、リコとレグもボンドルドとの対決は不可避かと思われますが、オーゼンでも来てくれないと分が悪そうです。

火葬砲を構えるレグ 

 あとレグはロボットとされていますが、実際にはサイボーグなんじゃないかと思います。AIにしては性能が悪い(笑)のと、あまりに感情表現が人間くさいので。レグは上昇負荷を受けず、また原生生物達も受けている様子はないので、外部から来た人間などにしか上昇負荷は発生しないようですが、だとしたらリコのようにアビスで生まれた子供も上昇負荷を受けなくていい気もしますが…。原生生物は上昇負荷の原因である謎の力場を見てうまく回避しているのかも知れません。

六層の上昇負荷 

 で、奈落の底には何があるのかですが、「遺物」が明らかに人工物であること、不自然な力場の存在などからして、何らかの知性体が存在すると思うのですが、人間かどうかは不明です。宇宙人とかの可能性もあるかと思いますが、それだと和製「ストーカー」(つきまとう人ではなく、ストルガツキー兄弟の小説)的なものになるかも知れません。

ストルガツキー兄弟のストーカー 

 「ストーカー」には世界各地に謎の知性体が短時間滞在したらしい「ゾーン」という場所があり、様々な謎の現象が起きて極めて危険な反面、奇妙な遺物が八景されるという。なお原題は「路傍のピクニック」で、ゾーンを、マナーの悪いキャンパーが一泊して後片付けもせずに旅立った跡は、その辺に住む虫などにとってどういうものになるかということに比定しています。餌になる食べかすもあるでしょうけど、液体の残った瓶に落ちたら死んでしまうという。

黎明卿ボンドルド 
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