記憶に残る一言(その78):ジオンMSパイロットのセリフ(機動戦士ガンダム)

本日は成人の日ですが、昨日のうちに式典を行った自治体も多いようですね。例によってバカが暴れたりしているようです。昨日今日始まったことではないのですが、世にバカの種は尽きまじということか。特に沖縄や北九州市では風物詩みたいになっているようですが、きっとバカ成人はその他の地域にも出没していることでしょう。犯罪を犯せばもう実名報道待ったなしなんですがねえ…

などと日本の未来を憂慮するふりをしつつ本題へ。本日は記憶に残る一言です。今回は名もなき一兵士をセリフを紹介したいと思います。

もはやアニオタの中では史実同然となっている機動戦士ガンダムの「一年戦争」ですが、その終盤に実施された作戦に「ジャブロー降下作戦」があります。この作戦前の宇宙世紀0079年11月上旬には連邦軍はオデッサ作戦を成功させています。オデッサ作戦は、ジオン軍の生命線である、中部アジアと東ヨーロッパ間の鉱山地帯を奪還するためのものでした。ここはジオンが第一次地球降下作戦で真っ先に占領した地域であり、資源の乏しいジオンからこの地域を取り戻し、地上のミリタリーバランスを一変させることが目的でした。


オデッサ作戦後、連邦軍は各地で反抗作戦を発動し、その殆どを成功させ、対するジオン地上軍は各地で敗退を重ねることになりました。もはやジオン地上軍の命運は風前の灯という中、11月30日にジオン軍が起死回生を賭けて実行した反撃作戦がジャブロー降下作戦です。

ジャブローは、南米アマゾン川流域の地下巨大鍾乳洞を利用して構築された連邦軍総司令部です。防衛火器類は万全で、大量の物資を蓄えて自給能力を備え、強固な地盤の深地下にあるため通常兵器はもちろん核攻撃にも耐えうるなど、文字通り難攻不落の要塞として完璧に近い防御力を誇っていました。

このため、ジオンは一年戦層冒頭にジャブローを目標としたコロニー落とし(ブリティッシュ作戦)を実施しましたが失敗に終わり、再度コロニー落としを実行しようとして発生したのが人類史上初となる宇宙大会戦であるルウム戦役です。戦闘はMSの投入によりジオン軍の大勝利に終わり、連邦宇宙軍は事実上壊滅しましたが、ジオン軍の損害も甚大で、本来の目的であった再度のコロニー落としを実行することは出来ませんでした。

以前からジオン軍はジャブロー空爆などを実施しており、「定期便」などと呼ばれていましたが、ほとんど効果はなかったようです。その理由は、重要施設の場所を把握できていなかったからで、連邦軍のジャブロー守備部隊の方も、火砲の位置などを秘匿するために積極的な迎撃は控えていたようです。

しかし、満身創痍となったホワイトベースがジャブローに入港した際、これを追跡していたシャア大佐率いるマッドアングラー隊によって、宇宙船用のドックが発見されてしまいました。これにより、ジオン軍は、オデッサ作戦以降の劣勢を覆すべく、北米方面軍のほぼ全戦力といってよい大部隊を投入し、宇宙船ドックを主要な攻撃目標としたジャブロー攻撃を敢行します。これが29話「ジャブローに散る!」で描かれたジャブロー降下作戦です。




ジャブロー上空に到達したジオン軍航空部隊は、連邦軍の対空陣地に猛烈な制圧射撃を行いながらMS降下を実施。これに呼応してアマゾン川からはマッドアングラー隊の水陸両用MSが上陸を開始しました。しかし、今回のジオン軍の攻撃が本格的なものであると判断した連邦軍は、秘匿体制を解除して全力迎撃に切り替えます。そしてジオン軍MSはジャブローの堅牢さを身を以て味わうことになったのです。


この作戦にジオン軍が投入した戦力は、ガウ攻撃空母が18機、MSが50~60機、それに護衛のドップ戦闘機でしたが、地上に到達できたMSはおよそ半数の28機に過ぎませんでした。ガウ攻撃空母も8機が撃墜され、ドップ戦闘機も大きな損害を出したようです。

この時、初めて本気を見せたジャブロー対空砲火網を見たジオンのMSパイロットのセリフ「お、降りられるのかよ!」が今回の記憶に残る一言です。実はテレビ本編ではなく、劇場版第二作「哀・戦士編」でのものなのですが。



ザク・グフはもとより重MSであるドムさえも一撃で撃ち抜かれる対空砲火の凄まじさから思わず洩れたセリフですが、彼は無事に降下できたのでしょうか?しかし、仮に降下に成功していたとしても、その前途は決して明るいものではありませんでした。



地上に辿り着いたジオンMS部隊は、制圧目標である宇宙港を目指したものの、深いジャングルに行く手を阻まれ、友軍同士の連携もままなりませんでした。しかも地上では既に量産が開始されていたMSジムを始めとする大量の連邦軍防衛部隊が待ち受けていたのです。このため、降下部隊の大半は宇宙港に辿り着く事すら出来ずに撃破され、僅かに施設への突入に成功したMSも防衛部隊によって即座に制圧されてしまったのでした。

作戦に参加したジオン軍MS部隊はほぼ壊滅し、生還したMSはシャアのズゴックなどほんの数機に過ぎませんでした。作戦は大失敗に終わったのです。


シャアが不敵に笑っていたり、ジムを一撃で葬ったりしていたのでつい見過ごしがちですが、シャアなどが搭乗する水陸両用MSズゴックをなぜか空中から降下するという意味不明な行動が見られるなど、ジオン軍の作戦計画や指揮系統、編成には大きな欠陥が見受けられます。もはやオデッサ作戦以降のジオン軍地上部隊は末期的状況だったのかも知れません。
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