ヒトイチ 内部告発 警視庁人事一課監察係:警察内部の“闇”を暴くシリーズ第三弾

いよいよ年末という雰囲気が高まっていく中、なぜか「俺得」でしかない「艦これ」情報。いや、マップは進展しないし冬イベントもE2までしか参加しないという体たらくなんですがね。まず連合艦隊旗艦・長門が来ました。既に改に改良済み。これで長門・陸奥と第一戦隊が完成しました。

それから工作艦明石も遂に来ました。これも改にしてあります。なかなか出てこないレアな艦娘ですが、1-5のボスを倒したらドロップしました。確率は0.5%とか。久々に種田梨沙の声を聞いて、改めて症状が快癒して復帰してくれることを強く願いました。もう休業から3か月以上ですよ。それにしても前線に出しちゃいけない艦をレベルアップさせるのは大変です。

さらにドイツ駆逐艦Z1を旗艦にして、“資源の浪費”とも言われる大型艦建造をしてみたら、Bismarckが登場しました。金剛型四姉妹以外の高速戦艦は我が艦隊初登場です。初これも改にしてありますが、改二どころか改三まであるという優遇ぶりの反面、勲章を4つも消費する改装設計図が必要という。勲章はなかなか手に入らないし、他にも改装設計図を必要としている艦があるしで、いつ改造できるかわかりません。

それでは本題です。本日は圧倒的なリアリティの警察小説でおなじみ、濱嘉之の「ヒトイチ 内部告発 警視庁人事一課監察係」を紹介します。シリーズ第三弾ですね。文庫版書き下ろしで、本年5月13日に刊行ということで、流行廃りを全く考慮しない当ブログの読書感想文としては異様なほどの新刊紹介になります。例によって文庫版裏表紙の内容紹介です。
人身事故を起こしたと出頭してきた女。どこか他人事のような供述を繰り返す間に、事故車は修理に出され、痕跡を残すタイヤは転売されようとしていた。女の自宅からは大金が。事故は事件となり、エリート警察官や芸能界との関係が炙り出される中、意外すぎる真犯人像が浮上。警察が警察を追う、迫真のリアリティ!

「第一章 身代わり出頭」。ひき逃げ事件が発生し、その車両は警視庁交通部長の息子の警部補のものであることが判明。警官のひき逃げとは許せない、と思いきや出頭してきたのはケバいお水の女性。しかも事故車は別に物損事故を起こしたとして修理に出し、タイヤまで交換するという用意周到ぶり。
さすが現役警察官、証拠隠滅のテクはプロだなと思いましたが、捜査側もさるもので、監視カメラの映像やらから様々な事実を浮き彫りにしていきます。今回、轢かれた被害者は極左系、通報者も極左系ということで全く協力的でなく、身代わり出頭の女性に面会しに来た弁護士まで極左系。これは警察に浸透した極左の策動なのかと思いきや、事実は意外な方向に動いていきます。

またまた公安部の山下警部が活躍。純粋に内部の問題だと監察だけで何とかなるのですが、外部勢力の介入となるとどうしても公安部が出てこざるを得ません。そしてただのケバいキャバ嬢だと思われていた女性の意外すぎる正体。そうか、そっちか~!と唸ってしまいました。
「第二話 公安の裏金」。ヒトイチシリーズで主人公の榎本以上に活躍している感がある山下警部の上司である警視庁公安部公安総務課長が人事異動で変わり、まともだった前任者に代わってやってきたのは問題キャリア。年次によって当たり外れがあるとかで、外れ組の中でかろうじて生き残ってるものの、クズだともっぱらの噂と言うことです。そんな奴をなぜ重職に充てるんだ警視庁。

公安部に詳しいわけでもなく、やたら金の流れに関心を示す新課長。やたらに情報源を持ち、多額の工作資金を使う山下警部に目を付け、なんと監察に動向監視を命じます。榎本は旧知の間柄だしお互い一目置いているにも関わらず、命令とあらば拒むこともできず、部下に山下警部の監視をさせますが、返す刀で新課長の動向監視も行います。
一方、定年を目前に控えてもう出世の芽もなくなった管理官は、監視アジトが巻き込まれた火事をきっかけに公金横領の味を覚えてしまい、新課長を籠絡しつつ、弱点を探ろうと監視も付けます。さらには山下警部も部下に新課長の監視を行わせたことで、なんと新課長を三組が監視するという珍妙な事態に。

どうも新課長にはさんざん悪いことをしながら処分されずに逃げ切った悪い先輩がいて、これを見習おうとしたようですが、妻用のベンツを公安部の金で買ったことも発覚して、悪い管理官ともども一網打尽(結託していたわけではないですが)となってしまいます。天網恢々…と言いたいところですが、榎本に言わせれば公安部の活動費のような不可解な資金は本来警察にはそぐわず、専用の情報機関が必要なんだそうです。CIAとかの業務を警察がやっていればそりゃあ変なことになるでしょうね。
「第三話 内部告発」。このままでは青山望シリーズに続く公安部ものになってしまいそうな勢いのヒトイチでしたが、ここに来て純然たる監察ネタに。舞台はなんと小笠原諸島の父島。伊豆と小笠原は東京都なんですよね。つまり都庁に勤めると伊豆とか小笠原勤務もあり得ると言うことに。

のどかそうな小笠原の警察署でまさかのパワハラ事案発生。何と署長が巡査部長をいじめまくっているという。見かねた係長の警部補がヒトイチにある「職員相談110番」に相談しますが、なんと担当がクズであっという間に署長にばれ、いじめのターゲットにされてしまうことに。
自分のみならず上司にまで迷惑を掛けてしまった自責の念から、巡査部長は自殺を図り、監察の出番と相成ります。「職員相談110番」はヒトイチでも制度調査係で、榎本の所属する監察係とは別ですが、不味い対応により監察の対象になってしまいます。ヒトイチ同士の内ゲバな様相。そっちは上司の監察官に任せ榎本は署長の相手をする首席監察官と共に父島に飛びます。

監察なんてどこにいっても「招かざる客」状態ですが、そこは榎本のへりくだった態度と公明正大な姿勢(それと島民との連夜の飲み会)が受け入れられ、必要な情報はどんどん集積することができました。結局署長や中間管理職の署の課長、「職員相談110番」担当の制度調査係の職員など6人が処分を受けることに。榎本の処分案は上司であるヒトイチ課長(兼参事官で警視長)も唸る厳しさでしたが、その理由を上司も怖れずにきっちり説明できるのが榎本の強さです。やはり人事は公明正大かつ厳粛でないといけませんね。

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