人類は衰退しました 5(その1):妖精さんの、ひみつのおちゃかい

朝から結構激しい雨でマイッチングでした。水不足らしいからありがたいことではあるんですが。その後雨は止んだのですが…とにかく湿度が高くて。最高気温24度くらいだったのですが、とてもそうは思えない蒸し暑さです。いかにも梅雨時。明日は気温が上がって晴れるみたいなのでやばそうです。

さて「人類は衰退しました」も5巻目です。相変わらず面白いですね、このラノベは。シリーズは9巻+短編集で、アニメでは6巻までしかやっていないので、第二期をぜひやって欲しいです。6巻まででもアニメ化されていないエピソードがあるので、一話を2回くらいかけてじっくりやれば十分行けるんじゃないでしょうか。今回は前半の「妖精さんの、ひみつのおちゃかい」とです。例によって文庫版裏表紙の内容紹介です。

わたしたち人類がゆるやかな衰退を迎えて、はや数世紀。すでに地球は“妖精さん”のものだったりします。そんな妖精さんと人間との間を取り持つのが、国際公務員の“調停官”であるわたしのお仕事。そしてこの仕事に就く前、多くの時間を過ごしたのが“学舎”と呼ばれる人類最後の教育機関です。寄宿舎で出会った友人たち。RYOBO230r。秘密の倶楽部・のばら会。感傷に浸るにはまだ早いのに、なぜ思い出すの…?里に現れた侵略者。奪還チームを組んで地下に潜ったわたしたち―死亡!?ピロリロリンでCONTINUE?―。

まずは「妖精さんの、ひみつのおちゃかい」。アニメでは最後のエピソードとなった11話~12話です。これはマイちゃんがクスノキの里に赴任する前、「学舎」に居た頃の物語です。

早くに両親を亡くし、祖父に引き取られたものの関係は上手くいかず(もっぱら祖父がどう扱っていいのか困惑していた模様)、全寮制の「学舎」にやられます。そう言うと放逐したみたいですし、実際当時のチビマイちゃんはそう思ってたりするのですが、学校はもう世界に二つしかないので、教育を受けさせたければ行かせるしかないのですよね。

「学舎」は100年以上前に出来た統合的教育機関ですが、要するに少子化が進行しすぎて小学校~大学の機能が全て収まってしまった機関です。クスノキの里から時速8キロの太陽発電稼動式トレーラーで3日かかる距離にあり、周囲には街があったのですが既に廃墟化しています。

生徒は一級生から六級生までに分かれています。それじゃ小学校じゃないかと思えますね。実際小学校に入学する頃の年齢から入れますし。しかし、級が上がる毎に内容は非常に高度化していき、一級につき一回や二回の留年は当たり前になるので、卒業する頃には20歳を超えたりするようです。

年4回ある試験を2回パスすれば飛び級で進級できるシステムになっています。マイちゃん入学時点では88名の生徒が在学していましたが、約10年後の卒業時には、「人類最後の教育機関」として閉校してしまいました。つまり人類の高等教育機関は消滅してしまったのです。クスノキの里には若いお嬢さん方も結構いましたし、そこまで子供の数が減ったわけではないと思うのですが、おそらく高等教育を受ける・受けさせるというモチベーションが「種」として衰退してしまったのでしょう。なにしろ絶賛衰退中ですからして。

マイちゃんの「学舎」入学は9歳の終り頃。一級生からやらなければならないので周囲はみんなちびっこばかり。さっそく寄宿舎の鍵が掛けられるというイジメに遭遇します。イジメ、カッコワルイ。

変な謎かけをされて、これが解けたら鍵が開くみたいな挑戦を受けますが、そんな謎解きをする気のないマイちゃんは扉のまえでずっと体育座りしていました。そこにやってきたRYOBO230rという寮母ロボットに開錠してもらいましたが。

変な挑戦をしてきたのはこいつ、Yです。アニメでは一足先に3~4話に登場していたマイちゃんの悪友ですが、最初はとにかくやな奴ですね。多分中二病をこじらしている。女の子はおませなので、中二病を小六で発症するので小六病とも言うそうですが。


年下ばかりのクラスにもなじめず、早く飛び級で進級したいと思うマイちゃんに、積極的に近づいてくるのは巻き毛ちゃん。クラスの人気者で友達たくさん。成績優秀。おまけにCVは金元寿子。せっかく声をかけてくれるのにガン無視するマイちゃん。コミュ障のマイちゃんは心を閉ざしっぱなしです。


その後もなにかと孤立するマイちゃんに接近する巻き毛ちゃんですが、とにかく冷たくあしらい続けるマイちゃん。それどころか、周囲にマイちゃんをいじめさせておいて手を差し伸べて支配しようとしているんじゃないかという疑惑を持つマイちゃん。さすが腹黒ピンク。真相はわからないけどそこまで腹黒じゃないんじゃないかな、巻き毛ちゃんは。私は可愛い子には甘いのでしょうか。しかし…彼女の本性はもっと恐ろしい…

ひたすら孤独に生きるマイちゃんですが、男子生徒に追っかけられていた妖精さんと初遭遇。解剖とか言っていたけど、できるんですかね。そもそも本当に捕まえられるのか。

相変わらず巻き毛ちゃんを拒否してボッチ生活を続けるマイちゃんですが、そこはまだ子供。一人でかまわないと強がりながら、本当はひとりぼっちは淋しいのです。いろいろあってストレスMAXになり、パニクって寮内を走るマイちゃん。アニメではいつもより幼い声を出す中原麻衣の演技が素晴らしいです。

「ひとりは……いや……です」と、とうとう口に出してしまうマイちゃん。すると「それはたやすいねがいです?おともにー」と出てくる妖精さん。相変わらず神出鬼没ですな。そこで一端記憶が途切れるマイちゃん。

その後、三級生に進級。いじめ回避スキルも身につき、クラスメイトも同年代になったので穏やかに過ごすマイちゃん。そこへ飛び級で上がってきたのは巻き毛ちゃん。この子は本当に優秀なんでしょうね。今まではクラスのアイドルでしたが…

年下なのに飛び級をことさら強調してしまった巻き毛ちゃん、やらかして孤立。優秀さを前面に押し出してくる年下なんてそりゃあ可愛がられないでしょう。いや、相撲部屋的な意味で可愛がられるかも。

スカートを隠されて下着姿の巻き毛ちゃん。そこまでやるか。「学舎」のイジメはパネえっすねえ。見かねたマイちゃん、スカートを見つけてきてくれます。

これで一気に懐く巻き毛ちゃん。「わたしのお姉さんになってください!」ときたもんだ。勝手に同室になるはやりたい放題です。百合か、百合なのか!?マイちゃん×巻き毛はなかなかに見目麗しい百合ップルになりそうですが。

押しに弱いことが判明したマイちゃん。とにかく押しの一手の巻き毛ちゃんによって、秘密結社(笑)「のばら会」に参加することになりました。「マリア様がみてる」の「山百合会」みたいですね。

趣味のお菓子作りのおかげで「お菓子ちゃん」と呼ばれて「のばら会」に居場所ができたマイちゃん。前半のぼっち生活が嘘のようだ。


「のばら会」は本来、「妖精のお茶会」を見つけ出すために組織されたサークルらしく、かつては探索も行っていたようですが、今ではもっぱらお茶飲んでだべるだけになっています。探索も推理もし尽くしたと言うことなんでしょう。Yも一時所属していたようですが、今では袂を分かっています。

一年後、四級生に進級したマイちゃん。RYOBIO320rの挙動から隠し部屋の通路を発見します。そこでYの腐女子ライフを発見します。図書館からBL風の蔵書を片っ端から盗んで溜め込んでいた模様。弱みを完全把握です。ど、同性愛図書館…だと…

マイちゃんのカウンターアタックが爽快です。Yざまあ!マイちゃんの実力を思い知ったか。しかしマイちゃんが自分と同等以上の相手をわかったY、取引を持ちかけます。

「のばら会」メンバーの正体を教えるというY。秘密の通路を通ってメンバーの部屋を盗み見ます。ほぼ「屋根裏の散歩者」ですな。

優しくおっとりしたリーダー格の「花先輩」はデスノートをつけていました。人から掛けられた危害・迷惑は絶対に忘れず、日常の些細な恨み辛みをノートに克明に記録していたのです。こ、こわい。

「魔女先輩」は髪の毛フェチで、他人の髪の毛を蒐集して溜め込んでいました。書いてある内容は…“名前:ふたつゆめこちゃん 誕生:3級生 色:ブラック 長さ:ミディアム 髪質:ストレート 匂い:真夏の夜の海に光る月明かり 味:磨かれた黒曜石 日付:○月×日 採取場所:更衣室 備考:髪留めは無造作なゴムバンド。3級生のクリケット授業後、5級生の使用時に採取。周囲の皆に気付かれかかったが何とかごまかした。この髪のつやは抜群である。地がブラックな分、つやが際だっている。離れた所からでも分かるくらいの際立ちだ。一見ほったらかしのように見えるが、果たしてそうだろうか。それとも若きゆえの艶か。惜しむらくは年齢故かいまひとつ髪の見せ方がつたない点である嗚呼勿体無い!!もう少しアピールしても良いと思うのだが、一言アドバイスすべきだろうか?いや、危険か。……”と延々書かれています。


当然マイちゃんの髪もありました。“匂い:月光の蔭で跳ねる子リス 味:砂漠に忽然と現れたオアシス”詩人だな魔女先輩ってオイ!!さすがのマイちゃんもドン引きです。

「のばら会」のうなずきコンビである「AB先輩」は、普段はおしとやかにしていますが、二人きりになると、だらしない格好で酒を回し飲みしつつ、下品な言葉遣いで低俗な会話をしていました。ま、まあ前の二人よりはましですかね。

最後はマイちゃんの部屋。いるのは巻き毛ちゃん。マイちゃんが帰ってこないのでひとりぼっちで人形相手にままごとをしています。それくらいは許容範囲では…

人形はマイちゃん役みたいです。それはまだいいのですが、情緒不安定な巻き毛ちゃんはいきなりお茶をぶっかけたり顔をなめたり



しまいにゃ人形をナイフでザッシュザッシュ。巻き毛ちゃんは…巻き毛ちゃんは…ヤンデレだーッッ!!これを知って部屋に帰るのは超恐いですな。金元寿子の演技が光ります。

以後、「信頼できる同族」ということで、マイちゃんとYは仲良くなりました。BL好きなら「やらないか」と言いたいところでしょうが、「組まないか」でした。ウホッ、いい銀髪!


そしてYも「のばら会」に加わり、楽しく学生生活を送っている間に「花先輩」と「魔女先輩」は卒業、AB先輩は家の都合で中退していきました。

巻き毛も成長とともに落ち着いたようです。ヤンデレ気質はなかなか治らないみたいですが。

「学舎」の廃校が決まって在校生強制卒業。マイちゃんやYは六級生だからいいとして、巻き毛ちゃんはどこまで行ってたのか。別れを惜しんで泣く巻き毛ちゃん。この子は本当にマイちゃんが好きだったんですね。

あの妖精さんはRYOBO320rの中にいました。そして常にマイちゃんのそばにいたんですね。妖精密度0は現実そのものですが、1fは現実に似て非なる世界。文字通りお一人様じゃなくし、スムーズな人間関係が築けるようにしてくれてたんですね。もちろんマイちゃんの努力や周囲の人たちの優しさもあったのでしょうが。

長くなっちゃったから後半はまた明日!
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