2015年秋季アニメの感想(その2):ワンパンマン/北斗の拳イチゴ味/櫻子さん

ホワイトクリスマスにこんばんは。今年の札幌は暖冬の影響か、例年に比べて雪が少ないのですが、積雪ゼロかというタイミングでドカンと雪が降る傾向があります。今日も大雪で吹雪いていました。うん、これは雪風ではなく吹雪だ。

さて今年最期のブログ更新を始めましょう。続々終了する2015年秋季アニメの感想は、まだ終わっていない一部作品については来年に持ち越しますが、終了済みのものは本日やります。

まずワンパンマン。久々に単純かつ爽快かつ痛快なアニメで気楽に見られました。といっても作画で手を抜いているとかではなく、バトルシーンは非常に熱く、戦いそうで戦わない「終物語」で貯まったフラストレーションを一気に解消してくれました。

ま、ワンパンマン(サイタマ)自身はほぼすべての敵を文字通りワンパンチで倒してしまうので、戦っている相手が非常に頑張るシーンや、他のヒーローの戦いぶりが熱いのですが、10話~最終回に登場した暗黒盗賊団ダークマターの頭目である異星人ボロスだけは頑張りました。


ボロスは初めてサイタマの攻撃を受けても倒れなかった怪人で、決着は長引きましたし、サイタマも「強いよお前は」と言っていましたが、「普通のパンチ」「連続普通のパンチ」は凌いだものの、サイタマが本気を出す「マジシリーズ」の「マジ殴り」一発で沈んでしまい、ワンパンマンの名に傷を付けることはできませんでした。じゃあ今までの怪人は本気でないパンチ一発で沈んでいたのか(笑)。

ボロスの災害レベルは「竜以上」で、これまでの最強が第一話冒頭に登場したワクチンマン(声は中尾隆聖で、見た目完全にシリアスタッチで巨大化したバイキンマン)と、「進化の家」最強の改造生物・阿修羅カブトの災害レベル「竜」でしたので、今回アニメの最強の敵といって良いでしょう。


サイタマは強すぎるので、ボロスの部下メルザルガルド(災害レベル「竜」)と戦ったS級ヒーロー達(3位のシルバーファング、4位のアトミック侍、15位の金属バット、17位のぷりぷり☆プリズナー)の戦いが熱くて良かったですね。S級は17人中15人が集まっていたわりに、真面目に戦っていたのはこの4人と、ボロスの巨大宇宙船を迎撃していたS級2位の戦慄のタツマキだけでした。ジェノスを始め、他の連中は何をやっていたんだ。

そうそう、ヒーローといえばS級からC級まで4階級に別れており、おそらく単体ではS級は災害レベル「鬼」、A級は同「虎」、B級は同「狼」を倒せるのだろうと思いますが、C級は街の保安官レベルで一般犯罪者の相手がせいぜいでしょう。

S級は災害レベル「竜」と五分で戦って欲しいところですが、災害レベル「鬼以上」(つまり「竜」以下)の深海王にS級17位のぷりぷり☆プリズナーや16位のジェノスが完敗してました。一方、2位のタツマキは災害レベル「竜」の怪人を雑魚呼ばわりするいたので、S級といっても順位による格差は結構大きいようです。まあファイトスタイルによる相性とかもあるんでしょうけど。

私が好きなヒーローはC級1位の「正義の自転車乗り」無免ライダー。C級だけに弱いし、それを自覚していますが、勝ち目の無い強敵に対しても逃げずに挑む「不屈の正義」の持ち主で、心意気はサイタマも感心するほどでした。声が中村悠一で、強いヒーローを演じることが多い人なので、声や態度と戦闘力のギャップがいいです。弱くても大衆の支持が高いのはよく判ります。

一方、A級1位のイケメン仮面アマイマスク(名前と裏腹に仮面はしていない)は、タレント・俳優・歌手を兼業しており、非常事態にも芸能活動を優先していて間に合わないくせに態度だけはでかいといういけ好かないヒーローですね。なぜかヒーローのランク昇格の承認に関する権限を持っていたり、本当はS級レベルなのにあえてA級に留まっている風のことを言っていたので、色々秘密を持っているのかも知れませんが。


戦慄のタツマキはサイタマを除けば作中最強のヒーローで、ジェノスですら鎧袖一触でしたが、あの妙に小物じみた言動が面白いですね。悠木碧はタツマキといい鹿目まどかといい、本当は滅茶苦茶強いのに一見そうは見えないヒロインを演じるのが上手いです。

これはもう2期制作は決まりでしょう。このクオリティで制作してくれたら絶対見ます。そして今回はほんのちょっとした登場する機会がなかったB級1位の地獄のフブキ(CV早見沙織)を活躍させて欲しいです。あとS級も他に色々いるのでそいつらの活躍も是非。

続いて「北斗の拳 イチゴ味」。こちらも原作は続いているので二期制作カモンです。基本原作のエピソードを踏襲しており、シリアスタッチでお馬鹿なことをやる「北斗」キャラが大変愉快でした。

ただ…正味2分程度しかない本編に対し、あまり関連のない「DD北斗の拳」という名のOPが20分もあるというのが非常に残念でした。正直30分尺でやれとは言いません。「ハッカドール」並みの10分アニメでいいので、オリジナルのOPEDを付けて独立して放映して欲しいです。

サウザーが銀河万丈、ユリアが皆口裕子などとキャスティングは最高なので、ぜひぜひもっといい環境で制作・放映して欲しいものです。あと原作者の姉による「Heart of Meet ~あの日の約束~」とか「南斗 of Meet」とかの単行本に掲載されているシリアスタッチなエピソードもアニメ化して欲しいですね。


最後に「櫻子さんの足下には死体が埋まっている」。一話完結型や前後編の推理物かと思いきや、終盤にいたってラスボス的な花房という正体不明の猟奇殺人鬼が登場してきました。正確には花房本人が猟奇殺人鬼なのではなく、様々な暗示や教唆により猟奇殺人を引き起こさせ、犠牲者の遺骸から蝶形骨を採取する非常にキモイ奴です。

実は花房は物語当初から関わっていたらしく、2話で妻を殺した「いいちゃん」のパパンらしい薬中のオッサンとか、4~5話で「呪われた男」藤岡に巧みに自殺を教唆し、道を塞いで救急車の到着を妨害していたのはコイツのようです。


CVが石田彰なのでもしやラスボスではないかと思った磯崎先生が、実は過去の担任クラスで起きた事件によるトラウマであんな風になっていたというのは意外でした。むしろヘタレだったとは(笑)。

最終回は櫻子さんと正太郎のなれそめを描き、一度は決別したものの、やはり共に花房と対峙しようというところで終了。まさに「オレ達の戦いはこれからだ!」的エンドで、2期がなくても一応の完結という形にはなっているようです。

これは2期制作となるでしょうかね…推理物の良作というと「氷菓」を思い出すのですが、「氷菓」に比べるとキャラが立っているのが櫻子さんだけというのが難点でしょう。正太郎は前にも指摘しましたがひたすらウザイので、もっと奇人櫻子と警察とか一般人の仲介者的に動くといいのですが、櫻子さんを窘めるだけなら正直いらないような。

むしろ鴻上さんもっと登場させて、花房に捕まったりとピンチを演出して欲しいですね。原作はまだ結構残っているので内容的には2期制作は充分可能だと思いますが、問題は人気なんでしょうね。

ちなみに櫻子が終盤よく言う「深淵を覗けば深淵もまたこちらを覗いている」「覗いてはいけない深淵」云々の元ネタはニーチェの「善悪の彼岸」の146節「怪物と戦う者は、その過程で自分自身も怪物になることのないように気をつけなくてはならない。深淵をのぞく時、深淵もまたこちらをのぞいているのだ」"Wer mit Ungeheuern kämpft, mag zusehn, dass er nicht dabei zum Ungeheuer wird. Und wenn du lange in einen Abgrund blickst, blickt der Abgrund auch in dich hinein."ですね。ということは、櫻子さんも今後怪物化したりするのかな?

ということで、今年のブログ記事が今日が最後です。まだ残っている秋季アニメ「終わりのセラフ」「ハッカドール」「ご注文はうさぎですか??」の感想については来年改めて書きたいと思います。来年は他に「トップをねらえ!」のレビューや秋季アニメのOPED紹介などもあり、当面はネタに困らないかなと思いますが、年末年始のお休み中にも何か思いついたらメモっておくことにしましょう。

今年も「筑波嶺夜想曲」をご愛顧いただき誠にありがとうございました。来年も宜しくお願いします。皆さん良いお年を。

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