LOVE14:「電脳戦機バーチャロン」フェイ・イェンのテーマ

札幌にも夏の暑さが押し寄せて参りました。ウォーキングは今年初半袖で行いました。といっても最高気温25度程度なんですけどね。

今日はお懐かしの対戦格闘ゲーム「電脳戦機バーチャロン」から、少女型バーチャロイド・フェイ・イェンのBGMをキャラソンにした「LOVE 14」を紹介しましょう。

「電脳戦機バーチャロン」(CYBER TROOPERS VIRTUAL-ON)は、セガが1995年12月に発売したアーケードゲームで、後にコンシューマー機に移植されました。私がプレイしたのは1996年11月29日に発売されたセガサターン版です。

バーチャロンは3次元コンピュータグラフィックスで描かれた空間の中で「バーチャロイド」と呼ばれる戦闘用の巨大ロボットを操縦し、敵プレイヤーと対戦する対戦アクションゲームで、プレイヤーは自機の後方の視点から3Dの戦闘フィールドを見て、前後左右空中と自由な機動をしながら射撃戦・近接格闘戦などを行います。メカニックデザインはカトキハジメが手掛けています。

従来ゲーム業界では「ロボットものはヒットしない」と言われていました。にもかかわらず、毎年セガに入社してくる新人の多くがロボットゲームの企画書を上げてくるので、ロボットものはダメだということを分からせるために、「あえて失敗させるためのプロジェクト」として企画に許可したところ、「バーチャロン」は会社の想定を大きく裏切って大ヒットし、ロボットゲームの代表作と見なされるようになりました。

電脳空間を自由に動く爽快さと、遠距離では射撃武器、近距離では格闘武器を自動的に使い分ける便利さが楽しく、ガンダムなんかのパイロット気分を手軽に味わえるところが良かったですね。普通のコントローラーでも遊べますが、操縦桿2本が付いた「ツインスティック」でプレイすると気分が出て良かったようです。お金がなくてね…

巨大企業群が国家を凌駕して行政まで行うようになっている未来、社会活動の全てが商業ベースで運行されるようになり、お互いを潰しあう従来型の戦争は放棄されましたが、闘争の欲求・需要が放棄されるには至らず、代替的に「見世物」「戦争ゴッコ」たる「限定戦争」という概念が社会に組み込まれていきました。そこに登場したのが
巨大人型戦闘兵器「バーチャロイド(Virtuaroid)」です。

月で発見された謎の遺跡(ムーンゲート)から得られたオーバーテクノロジーによって人型ロボット兵器「バーチャロイド」が開発され、平行してビデオゲーム「バーチャロン」で優秀な成績を収めたプレイヤーがパイロットとしてスカウトされている中、月の遺跡が突如暴走を開始します。これを排除するため、バーチャロイドを大量に投入し月遺跡破壊作戦「オペレーション・ムーンゲート(O・M・G)」が開始されます。

O.M.G.に参戦するにはビデオゲーム「バーチャロン」をプレイしなくてはならないという設定であり、前半のステージはシミュレーションによる適性検査とされ、これをクリアすると遠隔操作用バーチャロイドが割り当てられ後半の実戦参加という面白い設定になっていました。「ビデオゲーム」戦士をスカウトするというと、米映画「スター・ファイター」(日本公開1985年)みたいですね。え?知らない!?

ああ、そういえば「エンダーのゲーム」では終盤、大人達にシミュレーションゲームと偽られてエンダー達が艦隊の実戦指揮を執る場面がありました。

フェイ・イェンは「ストリートファイターⅡ」でいえば春麗にあたる女性キャラ的バーチャロイドで、見た目ツインテールのミニスカートを着た少女をモチーフとしているバーチャロイドです。なんでこんな非戦闘的なバーチャロイドが存在するのかというと、ある博士が非公式に(勝手に、とも言う)人格を持ち、実空間と電脳虚数空間を自由に行き来できる「ファイユーヴ」というバーチャロイドを開発していたことが発端で、ファイユーヴと博士は逃亡してしまいましたが、残されたデータを解析することで作り上げたレプリカがフェイ・イェンです。

フェイ・イェンは外見こそオリジナルのファイユーヴと同一ですが、所詮はレプリカ、性能は遠く及ばないそうですが、それでも既存のバーチャロイドより高い機動力を発揮することが評価され、特殊偵察バーチャロイド(SRV)として制式配備されました。右腕にビーム射出機を内蔵、左腕に近接戦時はブレードに変形するビームボウガンを装備し、胸部にはホーミングビームを搭載しています。また危機に陥った際には全身が金色に輝く「ハイパーモード」も限定的に再現しています。構造を理解しないままデッドコピーしたため、ホーミングビームがなぜハート型になるのか不明なのですが、兵器としての性能に支障なかったので放置されました。

このフェイ・イェンが敵として登場するステージのBGM「The Wind is Blowing」に歌詞を付けたのが「LOVE14」です。なぜ14なのかと言えば、ファイユーブ(オリジナルフェイ・イェンが自称14歳だからです。歌手は樋口智恵子。ドラマCDでフェイ・イェンを演じた人です。

私が知っているところでは、「To Heart」の長岡志保役とかを演じていますね。

まばたきしてたら 置いてかれるわよ
チャンスの女神は 逃げ足はやい
キュートな ただ可愛いだけの
夢見る少女じゃ いられないわ

あざやかに 七変化
時空さえ そう 超えるは ワタシ

LOVE 気まぐれな LOVE14
ちょっと 背伸びも 魅力的でしょ
たいくつは イヤよ したくない
私 Fourteen ひとすじなわじゃいかないの

ドキドキ 毎日していたいのよ
それがそう 私のエネルギーなの
スリルとサスペンスがなくっちゃ
はじまったばかりのプロローグ

本当は 少しだけ
怖いけど 思いっきり ワタシ

LOVE 飛び出すわ LOVE14
夢も 未来も 恋も あなたも
たいくつは イヤよ したくない
だから Fourteen ひと足お先に失礼

あざやかに 七変化
時空さえ そう 超えるは ワタシ

LOVE 気まぐれな LOVE14
ちょっと 背伸びも 魅力的でしょ
たいくつは イヤよ したくない
私 Fourteen ひとすじなわじゃいかないの

LOVE 飛び出すわ LOVE14
夢も 未来も 恋も あなたも
たいくつは イヤよ したくない
だから Fourteen ひと足お先に失礼

それでは聴いてみて下さい。まずは本家の樋口智恵子歌唱版です。
フェイイェン化した初音ミクが歌います。
こちらはBGM版。
フェイ・イェンはシリーズが進む毎に女子化が進行していきました。次作「オラトリオ・タングラム」では「高機動型可憐機体」の異名を持つフェイ・イェン・ザ・ナイト。ビームボウガンの代わりにレイピアのような細身の実剣「愚者の慈愛」を装備し、ビームカッターだけでなく、相手を麻痺させるハート型ビームも撃つことも可能です。

三作目「バーチャロン・フォース」ではアンナミラーズ風のウェイトレスのコスチュームをモチーフとした奇抜で扇情的なデザインになりました。4種のバリエーションがあり、基本形態がビビッド・ハート。先代機種と同じレイピア「愚者の慈愛」を装備しています。レイピアと短射程の射撃で攻める高機動前戦型。

パニック・ハートは剣にも変形させることが可能なクロスボウ「亡者の懺悔」を装備する支援型で、機動性と命中率に優れますが、攻撃力と装甲は脆弱になっています。状態異常を起こす武器を多く持ち、ボウガンによる狙撃もあいまって後衛型ですね。

ブルー・ハートはまるで「竜殺し」のような大剣「強者の盲信」を装備する近接戦特化型で、近接戦時にはエネルギーを収束した身の丈以上の黒い刃で敵に斬撃を与えますが、ジャンプした時の自動ロック速度が遅く、すぐに相手の方向を向かないと言う欠点があります。フェイ・イェン系列では珍しい鈍足&一撃必殺タイプです。

シンデレラ・ハートはお盆型の武装「ペイシェント・トレー」を装備した、見た目完全にウェイトレス化した機体です。射撃はビビッド・ハートとパニック・ハート、近接はブルー・ハート特徴を掛け合わせた性能を持っています。

なお、フェイ・イェンとは系列が異なりますが、「オラトリオ・タングラム」から「氷雪魔法系神聖機体」エンジェランが登場します。こいつ、いやこのお方は見かけが完全に魔法少女です。

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