記憶に残る一言(その33):聖騎士ガラハドのセリフ(ロマンシング・サ・ガ)

雨模様の札幌からこんばんは。東京や名古屋は最高気温30度を超えたようですが、札幌は21度。釧路にいたっては14度。天候が勝手にクールビズしてくれていてありがたいというかなんというか。

本日は記憶に残る一言です。今日は20年以上前のRPG、「ロマンシング・サ・ガ」からのセリフを紹介します。

「ロマンシング・サ・ガ」(略称ロマサガ)は、1992(平成4)年1月28日いスクゥエア(現スクゥエア・エニックス)から発売されたスーパーファミコン用RPGです。ゲームボーイの「魔界塔士Sa・Ga」から始まったサガシリーズの第4作目にして、スーパーファミコンでのシリーズ第1作目ですが、ゲームボーイ版はあまメジャーではなかったのと、ストーリー的に関連もないのでで、「ロマサガ」シリーズの1作目と考えてもいいのではないか。

2005(平成17)年4月21日にはリメイクされた「ロマンシング サガ-ミンストレルソング-」がPS2用に発売されています。

まだ人間が、この世に生まれて間もないころ
悪しき三柱の兄弟神がおりました
長兄のデス 弟のサルーイン 末妹のシェラハ
彼らは、恐ろしいモンスター達を率いて
神々の王エロールと人間達に戦いを挑みました

激しい戦いでした
デスとシェラハはエロールと神々の力に屈し
最後には降参しました
しかし、サルーインだけは戦いをやめませんでした

エロールは、サルーインを封じ込めるため
10種の力の宝石を作り
人間達の選んだ一人の英雄に与えました
その戦士ミルザは見事に役目を果たしサルーインを封じました
彼も命を失いましたが
その名前と宝石の物語は伝説として世に残りました

ゲーム中の架空世界「マルディアス」ではそれから1000年が経過し、今やこの歴史はおとぎ話のような伝説として残るのみとなっています。しかし、封印されたはずのサルーインは、刻一刻と復活の気配を濃くしているのでした……

ロマサガは、一本道のシナリオが多かった当時のRPGの中で、行き先やイベントをプレイヤーが自由に選択するフリーシナリオシステムを採用したことで画期的でした。8人の主人公の中からひとりを選び、シナリオが進む中で他の主人公やキャラクターを仲間に加えていきます。

また「経験値」が無く、敵との戦闘を繰り返すことで各種のステータスがアップしていくというのも、当時としては珍しいシステムでした。

マップ上で敵の姿が見える、シンボルエンカウントを採用していました。なので理論的には敵を回避することが可能なのですが、狭いマップではしばしば敵で溢れかえる状態になっていて、回避不可能どころか次々とエンカウントするのでした。

画期的システムの最初の試みである代償として、バグが非常に多く、最悪ROMが壊れる危険性を持つバグ(例レイディバグ)までありました。それ以外にも致命的なバグは多く、プレイを断念して積みゲーにしてしまうプレイヤーも後を絶たなかったとか。バランスもやたら大味で、雑魚の敵がボスより強かったり、雑魚が全体攻撃をしかけてきて、その攻撃で味方が全滅したりしました。

私も最初見てくれで遊牧民の少女アイシャ(お風呂は水がデフォルト)を選択したのですが、この人は戦闘力が8人の主人公中最低で、油断するとすぐ死ぬ上に、最初は仲間もおらず、漸く手に入る仲間も弱いので、途中で断念した記憶があります。後から調べたらアイシャの難易度は8人中最上位だということでした。改めて貴族の息子アルベルトでやったらさくさく進みました。アイシャも頑張れば強くなるんですが、FSSのアイシャのようにはいきませんでした。

さて本日の主役ガラハドは、8人の主人公の一人、グレイの相棒で、元ローザリア王国の聖騎士です。この世界には四天王と呼ばれる巨大な怪物がいます。タイニィフェザー、アディリス、フレイムタイラント、水竜で、元々はサルーインら邪神に生み出された魔物の長でしたが、魔物を道具としか見ないサルーインを見限って神々の側についたという経緯があります。

それぞれが貴重なアイテムを持っており、手に入れるには戦って勝つか交渉をする必要があります。そして中盤頃、死天王の一人フレイムタイラントがアイスソードを求めているというイベントが発生します。アイスソードは最強クラスの両手剣なのですが、ある武器屋では普通に売られています。でも非常に高値。

ようやく買えるだけの金を集めた主人公達ですが、なんと一足遅くガラハドが買ってしまった現場に遭遇します。そのセリフがこれ。

こちらとしてもアイスソードはなんとしてもぜひ手に入れたいので、ガラハドに話しかけます。すると出てくる選択肢がこれです。このうち上の「そう かんけいないね」を選ぶと何も起こりません。また下の「ゆずってくれ たのむ!!」を選ぶと穏便に済み、アイスソードを持ったガラハドを仲間にすることができ、フレイムタイラントのイベントを進められるのですが…物騒なのは中央ですね。

私もちょっとなめてました。ほら、ドラクエだと大事なアイテムなどを捨てようとしてもこういうコメントが出て捨てられないですよね。

または懐かしのローラ姫。ドラゴンから救い出した後、ラダトーム城に連れ帰ってくれという姫の頼みをいくら断ってもこのセリフで押しまくられます。君がッ 連れ帰ってくれるまで言うのをやめないッ!まあシチュエーション的に断るなんてありえないですけどね。そもそも「いいえ」なんて選択肢作るなっちゅーの。

そんな訳で「殺してでもうばいとる」なんて選択肢を選んでも「そんなことはできない!」みたいな流れになるのだろうと思っていた訳ですよ。が、これを選ぶや否や、ガラハドがいきなりこう叫ぶわけです。あっさりすぎてシュールです。
「殺してでも うばいとる」って、最悪の場合は殺すかもしれないくらいに強引に奪い取るっていう意味であって、絶対に殺すという意味ではないと思うのですが、なぜかガラハド瞬殺。アイスソードは無事手に入りますが、こういう悪事を働いていると神々から見捨てられてしまいます。

まあ死の神デスなら助けてくれるかもなんてアドバイスをいただいて、のこのこ冥府に出かけて行くのですが、やっぱりデスも倒して強い武具を奪ってしまうのですがね。「神に逢うては神を斬り、仏に逢うては仏を斬り」を地で行くってステキ(笑)。

なおあまりに過激な選択肢だったせいか、ワンダースワン版では「力ずくで うばいとる」に変更されました。やっていることはあまり変わらないのと、その後登場しなくなるのでよくわかりませんが、多分ガラハドは半殺しくらいで済んだのでしょう。
PS2のリメイク版では「手っ取り早く奪い取る」に変更されたほか、ガラハドも抵抗するようになり、戦闘が追加されます。でもそれほど強くないのでフルボッコにされた挙げ句にアイスソードは奪い取られてしまうのでした。

ちなみにガラハド、スーファミ版だと下図のように結構イケメンなのですが…

リメイク版ではこうなってしまいました。な、何があったッ!?故にガラハゲなんて嬉しくない仇名で呼ばれてしまったりします。

ちなみに名前の由来はアーサー王の円卓の騎士の一人ガラハッド。円卓の騎士最強と謳われるランスロットの息子で、大人になってアーサー王に引き合わされ、様々な試験を受けることになりますが、ガラハッドは容易に達成し、アーサー王から「世界で最も偉大な騎士」と称され、円卓の騎士に加えられます。

後に聖杯探索の任務を与えられ、遂に聖杯を見つけるのですが、最も穢れの無い騎士として昇天して神のもとに召されることになります。

ランスロットの息子だから強さは折り紙付きで、そのうちFateシリーズにでも出てきてもおかしくありませんが、念願成就しているからサーヴァンとにはならないかな?

例によって女性化もされていますが、やはりカッコイイし強そうです。

とにかくこんなに立派な騎士の名をいただいておきながらロマサガのガラハドは情けないとしか言いようがありません。故にイケメンでなくされてしまったのか?

「ねんがんの○○をてにいれたぞ」
「殺してでも うばいとる」
「な なにをする きさまらー」
というやりとりは、ネットのお約束みたいになっています。上記のようなAAも面白いですね。

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