藤田麻衣子の歌で妄想する「秒速5センチメートル」:今明かされる明里の気持ち

こんばんは。長らく不在にしまして失礼しました。銀鉄はベタですが、本日いよいよ999回目となりましたもので。1000回にリーチがかかりましたよ。麻雀と違ってこのリーチは必中ですが、実は明日明後日はちょっと都合があってまたお休みします。記念すべき1000回目はギャルゲーの土曜日になるでしょう。ネタはあれでいいのか今も躊躇いがなくはないですが…

ところで、私が不在の間も当ブログは元気だったようで、本日のアクセスランキングはサブジャンルの「会社員・OL」で久々の一桁台です。6位って久々ですな……今年の1月9日の史上最高の記録である4位に続く順位です。

前回はアクセス解析したら、ネットで高岡早紀が話題になったせいでアクセスが集中したことが明らかになりましたが、今回は特に集中しているワードはありませんでした。多分GWも終盤でやることやって疲れて家でネットサーフィンという人が多かったのでしょう。息抜きになったのであれば幸いというものです。

さて本日の本題ですが、妄想秒速です。先日コメントをいただきましたうさぎもちさんから御推挙いただきました、藤田麻衣子の「横顔~私の知らない桜」で妄想を展開してみたいと思います。うさぎもちさん、とても良い楽曲を教えて下さりありがとうございます。

藤田麻衣子は1984年1月16日生で名古屋市出身のシンガーソングライターです。歯科衛生専門学校生時代にミュージカルオーディションに合格し、卒業後は上京して歯科衛生士と音楽活動の二足の草鞋を履いていました。

2006年9月に「恋に落ちて」でデビューして音楽活動に専念するようになり、現在までにシングル11枚、アルバム5枚などを発表しています。9thシングルまではインディーズでしたが、2014年3月26日に「涙が止まらないのは」でメジャーデビューを果たしました。

全楽曲の作詞作曲を手掛け、恋愛ソングや応援ソングには定評があり、タイアップで起用されることも多いようです。インディーズ時代の2013年10月11日には異例の武道館弾き語りワンマンライブを行っているのか、NHKホールや渋谷公会堂などでもライブを行っています。ライブに訪れる7割が女性ファンということで、同性から高い支持を得ているのが特徴のようです。

「横顔~わたしの知らない桜」は、2008年2月13日にリリースされたインディーズ時代の3rdシングルで、C/Wの「今でもあなたが」と両A面となっています。ちなみにこの曲は、DS用ゲーム「緋色の欠片 DS」に使用されており、「今でもあなたが」がOP、「横顔~わたしの知らない桜」がEDで使用されています。

ちなみに「緋色の欠片」はアイディアファクトリーが発売する女性向け恋愛アドベンチャーゲームで、シリーズはこれまでに5本が作られており、PS2、PS3、PSP、DSといった各種ゲーム機で発売されています。人気作のようですが、女性向けということで野郎ばかり登場するので男がプレイして面白いかどうか…

また2012年にはテレビアニメも制作されており、二期26話が放映されました。藤田麻衣子の楽曲はこの「緋色の欠片」と深く関わっており、ゲームシリーズの大半のOPとEDを担当し、アニメについても二期ともOPを担当しています。これによりゲームファンやアニメファンの人気も獲得したようです。

さて、「横顔~わたしの知らない桜」で妄想するのは、「秒速5センチメートル」ラストシーン後の貴樹と明里の情景です。ただし、岩船と種子島に引き裂かれた二人ではなく、これまで何度か語ってきましたが、一緒の時間を過ごしたにも関わらずに別れるに至った二人のその後ですね。この歌詞だと念願の明里視点ということになります。

大学時代に別れた二人。その後どれだけ時が過ぎたでしょうか。桜の舞い散る季節に再び二人は再会したのでした。

もう何度 季節を見送り
来ない連絡を待つこともやめて
何気ない毎日が少し
速度を上げ始めて 流れていく

一面に美しく咲いた
薄紅色の花びら
あのときの景色が月日を超えても

目を閉じれば浮かんでくる
幸せの日々とあの頃の笑顔
雲間から優しく照らす日差しの中でふたり
決して指先は 離れることは無かった

まるで誰かが 作り上げたような
風に散った満開の桜

言葉を失う未来を知らないふたり
どうして明里は貴樹と別れることになってしまったのでしょうか?明里は貴樹に未練たっぷりだったようなので、貴樹が振ったものでしょうかね。小中高とずっと一緒に過ごした二人。まさか別れる未来があろうとは知るよしもなく、幸福な時間を過ごしてきたのに…

いつから二人の間に
すれ違いが起こり始めたのだろう
あのとき何かが少し変わり始めていたけど
ふたりの気持ちはきっとまだ繋がってた

まるで誰かが作り上げたような
風に散った満開の桜

思い出の中に今も咲き続けている

懐かしそうにそう話す彼の
横顔を見る度 切なく痛い

私は隣でただ微笑み掛けるだけ

……そうか、明里にも理由はよく判らないんですね。趣味嗜好が鏡を見ているかのように一緒だった二人ですが、大人になっていくにつれて差違が次第に大きくなり、やがてはすれ違いになっていったものか。成長してから出会っていればその差違が魅力になることもあるのでしょうが、同質性が強く惹きつけ合っていた二人の場合は仇となったのかも知れません。

ちなみに本編では貴樹のナレーションのみで断片的にしか描かれなかった二人の出会いですが、清家雪子のコミックではもう少し詳しく描かれていましたのでここで紹介しておきます。このシーンは本編の雰囲気を全く損なっていないので、私はこれで「定説」でいいと思います。


そして「友だち」として再開した二人。貴樹は既に明里との恋愛を「過去形」にしてしまったようです。しかし明里はまだ貴樹への想いを強く胸に抱いていたのでした。懐かしい思い出として語る貴樹の側で微笑む明里。傍目には明里も淡々としているかのように見えるでしょうが、しかし明里の心はひどく傷ついて痛んでいます。

君看双眼色 不語似無憂(「禅林句集」白隠禅師)
君看よ 双眼の色 語らざれば 憂いなきに似たり……

貴樹くん、私の目を見て。何も言わなければ、何の憂いもないように見えるでしょう?でも、本当は語ることができないほどの深い悲しみが私の心を満たしているの。悲しみにじっと堪えて、無理に微笑む私の瞳は、どうしてこんなにも澄んでいるのかしら。

そう思って見るせいか、この画像の明里の瞳は悲しみに満ち満ちているようにも見受けられますね。それでは聴いてみて下さい。まずはフルバージョン。ジャケ絵静止画ですが、歌を聴くには何ら支障ありません。
藤田麻衣子弾き語りバージョン。解像度が低いのが残念ですが、実に切なさそうに歌っています。
こちらは「緋色の欠片」の画像を使ったMADです。「秒速」とはかけ離れますが、こちらが本家です。
いや~実に沁みる歌声ですね。

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