夏…本当に手加減なく戻ってきましたね。旅先の関西方面も暑かったのですが、戻った筑波嶺も暑い!8月も終わりなんですからいい加減にして欲しいです。そのせいかどうか、久々に昨日は300アクセスを割ってしまいました。努力が足りないせいかも知れませんが、ちょっと寂しいです。

さてさて、私は昨日から勝手に夏休みですが、金曜日恒例中国美女列伝はいつもの如くやりますよ。水滸伝にちょっと寄り道したのですが、再び四大妓女に戻りましょう。

と言うと、どこからともなく「潘金蓮はどうしたんだ?ゴルァ!」という声が聞こえてきそうです。はい、潘金蓮は水滸伝でもその妖艶さと悪女振りではピカイチの妖女であり、スピンオフ作品「金瓶梅」でもヒロインを務めているほどの人なのですが、今後登場するであろう四大淫女(すごい響きですね)の一人としてエントリーされているので、当ブログ降臨は後日ということでご勘弁下さい。

また、四大技女のうち、賽金花と董小苑は日本ではあまりポピュラーではないみたいなので、パスしようかと思っています。よって妓女は四大にもかかわらず、李師師と今日紹介する陳円円の二人だけということに。

陳円円は明末から清初の頃の美妓で、生年1623年没年1695年ということで17世紀の人です。これはこれまで取り上げてきた中国美女では最も現代に近い人と言うことになります。近世の人なのに傾国の美女とされ、数多くの伝説で包まれた生涯を送った人です。

常州武進(現江蘇省)の出身で、宮女だったという母親を早く亡くし、妓院に売られて妓女になったそうです。歌謡に長じた絶世の美女であったといわれ、その美貌は「江南八艶」の1人と称えられるほどでした。

明末の皇帝崇禎(すうてい)帝の外戚・周奎が皇帝のために金で集めた美女の中に選ばれたとも、田秀英(崇禎帝の妃の1人)の父である田弘遇が南京に遊んだ際に八百金で買われたとも言われています。

帝の後宮に入ったということになると皇帝以外の男の目に留まることは困難だと思われるのですが、経緯諸説あって真相は不明ながら、明末の混乱期に呉三桂という軍閥武将の寵愛を受けてその側室となりました。一説には当時の明王朝は、内憂外患の困難に直面して戦乱が相継ぎ、崇禎帝は後宮でのんびり遊ぶどころではなかったので、陳円円を見いだしてきた田弘遇が引き取っていたのだとか。

崇禎帝という人は暗君ではなく、政治に熱心で倹約を心がけ、色事にふけるような事もありませんでしたが、猜疑心が強く、臣下を信用できないという悪癖を持っていました。そのため即位直後から重臣を次々と誅殺し、当時侵攻凄まじかった満州族からの防衛を一手に引き受けていた名将袁崇煥まで誅殺してしまいました。明滅亡の原因としては、必ず崇禎帝の猜疑心が挙げられるのですが、在位17年の間に総督7名、巡撫(省長)11名を誅殺し、その他罷免された者も多数に上り、重臣達の著しい士気の低下を招くこととなったといわれます。

そんな中で李自成が農民を率いて反乱を起こます。崇禎帝は討伐軍を送りますが、討伐軍組織のために増税を行った事により窮迫した民衆が次々に李自成軍に加わることになり、まったく効果がありませんでした。やがて1644年に「大順皇帝」を名乗った李自成が北京を陥落させると、陳円円も李自成軍に捕らえられてしまいました。このとき呉三桂は北方から侵入しつつあった満洲(清)軍への防備の要である山海関の守将として満州軍と対峙していましたが、北京防衛の命を受けて移動中でしたが、北京陥落を聞いが呉三桂は進軍を停止します。

李自成は呉三桂に再三降伏を勧めましたが、陳円円が捕虜となったという報に呉三桂は激怒し、軍を戻して山海関を開いて満州軍に降り、清軍と共に李自成軍への攻撃を開始しました。これは李自成ないしその部下の劉宗敏が陳円円を略奪して妾にしてしまったからだとも言われます。ダメだろう、仲間にしようという人の大事な宝物を奪っては。降伏を勧めながらNTRとは、特殊な性癖の人以外はとても受け付けられる話ではありません。そして呉三桂はその方面ではノンケだったようです。

満州軍の先鋒として李自成軍を破り北京を陥落させた呉三桂は、父や家族は李自成軍に殺害されていましたが、なんとか陳円円を取り戻すことに成功したそうです。満州軍への投降と北京攻略の功績により、呉三桂は清朝から平西王に叙爵され、雲南に封ぜられました。呉三桂は陳円円を正妃にしようとしましたが、陳円円は固辞して受けなかったため、呉三桂は別の女性を正妃にしましたが、その嫉妬を怖れて陳円円は王府の外の別院で独居したそうです。

実は呉三桂が異民族である清軍に降った経緯に関しては、諸説があり確かな結論は無いようですが、宋代以降、異民族と戦った将軍を英雄視する風潮のあった中国社会の中で、結果として異民族に中国を売り渡したと評せられる呉三桂の行為に対し、陳円円という美女のせいであるという傾国美女伝説は早くから流布していたそうです。

呉三桂に限らず、清は中国侵入にあたり尚可喜、耿仲明ら漢人武将を重用しています。彼らの軍事力は清にとって大きな価値があり、また脅威でもありました。呉三桂、尚可喜、耿仲明の三人は三藩と称され、強大な軍閥として清の従属国というよりはほぼ独立国として君臨していました。

特に呉三桂は清から毎年莫大な軍事費を支給され、チベットとの貿易や鉱山開発、銅銭の私鋳などにより巨利を得ていました。こうした三藩の隆盛を苦々しく思っていた清朝第四代皇帝康熙(こうき)帝は三藩を抑えた中国全土の直接支配を目論みました。

1673年、藩の世襲を認めないとする康熙帝に対し、呉三桂は尚之信(尚可喜の息子)、耿精忠(耿仲明の孫)とともに反乱を起こします(三藩の乱)。すると、陳円円は呉三桂の下を辞去して女道士となり、寂静と改名して余生を過ごしたと言われます。

呉三桂は「満州族を追い出し漢民族の国を建てる」という大義を立てましたが、陳円円のために清軍に寝返ったという上記風説はすでに広く流布しており、民衆の支持は得られませんでした。

一時は長江以南を制圧したものの、漢人が主力となった清軍の反撃に遭います。起死回生を狙って1678年に呉周を建国して初代皇帝となりますが、すぐに急死し二代目皇帝となった孫の呉世璠も1681年に滅ぼされてしまいました。

ここまで見たとおり、陳円円自身は特に何をしたということもないのですが、結果的に明朝を滅亡させた傾国の美女とされてしまった不幸な女性です。呉三桂は漢民族の李自成や明を滅ぼし、後には清朝にも反乱を起こしたため、満漢双方から評判が悪く、陳円円のために寝返ったとする説も呉三桂を貶めようとする後世の粉飾である可能性があります。

また北京落城の際に陳円円は行方不明となり、死亡したとする説があるほか、落城前に死んでいたとか、自殺したとの説もありますが真相は不明です。

愛された相手が悪かったとしか言いようがありませんが、17世紀にもなって傾国の美女と言われるというのも稀有な存在といえるかも知れません。やはり美はそれ自体力なのでしょうか?

朝の更新で恐縮です。本日ちょっと小旅行に旅立つものですから。
新聞に載るほど悪いこともなく
賞状を貰うほど偉いこともなく
そしてゆっくりと一年はすぎてゆく
やっと3日貰えるのが夏休み
(中島みゆき「あたいの夏休み」より)

本日は真梨幸子の「みんな邪魔」です。真梨幸子といえばイヤミス。別段イヤミスが好きなわけではないのですが、この人の作品はとにかく読ませるのでふらふらと手にとってしまいました。そして内容は……やっぱりとびきりのイヤミスでした。
「みんな邪魔」は「更年期少女」というタイトルで2010年3月に幻冬舎から刊行されていましたが、2011年12月に幻冬舎文庫から文庫版が刊行されるにあたって「みんな邪魔」に改題されました。内容といい雰囲気といい、原題の「更年期少女」の方がふさわしい気もしますが…洒落にならないかな

例によって文庫本裏表紙の内容紹介です。
少女漫画「青い瞳のジャンヌ」をこよなく愛する“青い六人会”。噂話と妄想を楽しむ中年女性たちだったが、あるメンバーの失踪を機に正体を露にし始める。飛び交う嘘、姑息な罠、そして起こった惨殺事件―。辛い現実から目を背け、ヒロインを夢見る彼女たち。その熱狂が加速する時、新たな犠牲者が…。殺人鬼より怖い平凡な女たちの暴走ミステリ。

真梨幸子は売れっ子らしく、Webマガジン幻冬舎に特設サイトがありました。ここでのあらすじはこんな具合です。
夫も子どもも……みんな邪魔!!殺人鬼より怖い平凡な女たちの暴走ミステリ。
池袋のフレンチレストランに集まったのは、往年の少女漫画「青い瞳のジャンヌ」をこよなく愛する“青い六人会”。噂話と妄想を楽しむ中年女性たちの会だったはずが、あるメンバーの失踪を機に正体を露にし始める。飛び交う嘘、姑息な罠、そして起こった惨殺事件——。辛い現実から目を背け、ヒロインを夢見る彼女たち。その熱狂が加速する時、また新たな犠牲者が……。
「殺人鬼フジコの衝動」の著者、最高傑作にして、怪作!(『更年期少女』改題)
読んだらきっと騙されます。何に騙されるかは……読んでからのお楽しみ。

1976(昭和51)年から1977(昭和52)年頃に「少女ジュリエット」で連載されていた秋月美有里の漫画「青い瞳のジャンヌ」。18世紀のフランスを舞台に、伯爵令嬢ジャンヌの波乱に満ちた半生を描いた歴史大河ロマンで、連載当時日本中の少女を熱狂させましたが、物語は未完のまま打ち切られ、作者は姿を消してしまったという曰く付きの作品です。

しかし当時「青い瞳のジャンヌ」にはまった少女達はファンクラブを結成。その内の一つである“青い伝説”は著名なウェブサイトを持つ古参にして有力なサークルで、幹事グループ“青い六人会”が運営を担っています。エミリー、シルビア、ミレーユ、マルグリット、ガブリエル、ジゼル…まるで貴婦人のようなハンドルネームを持つ6人は、高級フレンチレストランで食事をしたり、紅茶一杯1500円のティールームでお茶をしたり優雅に過ごしていますが…その実態はまさに更年期少女。50近いおばさん達が年甲斐もないコスプレのようなファッションで池袋の乙女ロードをキャリーバックを転がしながら闊歩しているのです。
この“青い六人会”のメンバー達一人一人の、サークルから離れた実にシビアな現実の姿と、次々に巻き起こされる惨劇がこれでもかとリアルに描かれていきます。最初は「確かにイヤだけど、ミステリーなの?」と思っていましたが、やはりミステリー、イヤミスでした。

更年期のBBAの話なんか…と思うでしょう?しかし、この作品が恐ろしいのは、女性ならずとも男性にしても身につまされる部分が多分にあるところでしょう。というか、ミレーユの章が鬼気迫っていて本当に怖いです。ドラクエⅥのパーティーキャラであるミレーユは陰のある神秘的な美女でしたが、こちらのミレーユはメンバーの中でも一番どうしようもない女です。このミレーユが怖いのは、もしかしたら自分もこういう風になってしまうのではないかという気持ちを抱かされるから。私がミレーユの章が本当に“ぼっけえ、きょうてえ”。
次々と巻き起こる殺人、失踪…そして“青い六人会”は次々とメンバーを減らしていきます。そして各章末に登場する情報誌「月刊アングラカングラ」での「青い瞳のジャンヌ」とその作者の秋月美有里の追跡記事。幻の「青い瞳のジャンヌ」最終回の凄惨さ(単行本では差し替えられていて掲載誌を手に入れないと見られません)といい、呪われた作品なのか?

ちなみに前述の幻冬舎の特設サイトに真梨幸子のインタビューがありました。一部を抜粋しますと…
Q この本は、どこにでもいそうな、普通のおばさんたちのその姿がとても印象的ですが、親本である『更年期少女』のタイトルにもあるように、どうして、この世代の女性たちを描こうと思ったのですか。
A まさに、私自身が更年期に片足をつっこんでいるからです。このモヤモヤ感イライラ感を文字にするのは今しかない! ……と思いまして(笑)
Q そういう女性の人間関係を適確に描かれるので、それがあまりにも辛辣で、真梨作品は、嫌汁たっぷりのミステリー(=イヤミス)と呼ばれますが、それについてはどう思われますか?
A 私自身は、「イヤミス」を書いているつもりはないんですが(笑)。ただ、後味が悪い作品になるのは、私が学童期を過ごした昭和40年代の雰囲気が影響していると思います。
当時、映画でも漫画でもドラマでも、どういゆうわけかバッド設定、バッドエンドのものが多かったんです。子供番組であるはずのヒーローものでさえも。その中でも、最も影響を受けたのが「人造人間キカイダー」です。不完全な良心回路のせいで正義と悪の心をもつジローが、その狭間で悩み、時には狂わされます。そして、完全な悪の心を持つことで人間に近づくことができるのですが、このラストが、私の作風の根底にあるのかもしれません。
あと、忘れてならないのが、「デビルマン」。これはもう、言わずもがなですね。
Q ずばり、それぞれの女性たちの中で、真梨さんがいちばん怖いと思っている女性は誰でしょうか。その理由も聞かせてください。
A 怖いのは、「青い瞳のジャンヌ」の原作者ですね。この人には、まだまだ謎がありそうです(笑)
なるほど「デビルマン」…。これはテレビアニメ版だけを見たという人にはわからないかも知れませんが、永井豪の原作版はそれはそれは凄まじい内容です。名作・傑作であることは間違いありませんが、その救いのなさ、価値観の逆転、人間の本性、絶望と怨念…こういったものに充ち満ちていました。ヒロイン美樹ちゃんの結末はテレビアニメでは想像すらできませんでした。

「外道!貴様らこそ悪魔だ!俺はからだは悪魔になった、だが人間の心は失わなかった!貴様らは人間の心を持ちながら悪魔に、悪魔になったんだぞ!これが!これが!俺が身を捨てて守ろうとした人間の正体か!地獄へ堕ちろ!人間ども!」

昔の永井豪は実に凄かった。この作品に影響を受けたというのなら、真梨幸子が“イヤミス街道”をひた走るのもむべなるかな。よく少年漫画を読んでましたな。「デビルマン」は1972年から73年にかけて「少年マガジン」に連載されましたが、私が実際に読んだのは1980年頃でした。正直小学生ではこのインパクトは受け止められないと思いますので、それはそれで良かったのですが、荒削りながら迫力に満ちたこの漫画、読んでない人は幸いです。だってこれから読む楽しみを持っているのだから。

おっと話がそれました。事実上崩壊した“青い6人会”ですが、滅んでしまったわけではなく、ラストで新生“青い6人会”が立ち上がります。再び同様の惨劇が起きる可能性を孕みながら…。後半、主人公視点なので現実と幻が錯綜して何が現実なのかわかりにくくなる部分もありますが、本当に悲惨なのは“青い6人会”メンバーよりもその周辺の人達だなあ。
中年のおばさんが怖いのではない。人間の存在そのものが怖ろしいのだ。そういう気持ちになってしまう「みんな邪魔」。イヤミスが嫌いでなければぜひ読んでいただきたい一冊です。機会があれば「デビルマン」も読ん下さい。

今日は暑さがぶり返したような。しかし空が高くなったような気がしましたね。秋は天にあり、でしょうか。今後2,3日はまた夏の逆襲状態のようですが、夜だけでも涼しくなってくれればと思います。
さてさて本日は東野圭吾の「あの頃の誰か」です。
「あの頃の誰か」は2011年1月に光文社文庫から最初から文庫版で発売された短編集です。東野圭吾曰く「訳あり物件」の短編8編で構成されており、様々な理由でこれまで短編集に収められてこなかった短編で構成されています。1989年から1997年にかけての作品群ですが、半分がいわゆる「バブル期」の作品のせいか、表紙デザインがバブル風になっています。

それでは例によって文庫本裏表紙の内容紹介です。
メッシー、アッシー、ミツグ君、長方形の箱のような携帯電話、クリスマスイブのホテル争奪戦。あの頃、誰もが騒がしくも華やかな好景気に躍っていました。時が経ち、歳を取った今こそ振り返ってみませんか。東野圭吾が多彩な技巧を駆使して描く、あなただったかもしれれない誰かの物語。名作『秘密』の原型となった「さよなら『お父さん』」ほか全8篇収録。
① シャレードがいっぱい

特に濃厚なバブル感を漂わせているといるか、表紙のイメージはこの作品から来ているのだと思います。大金持ちの残した遺言書をめぐっての殺人事件です。主人公の弥生は英語と仏語を操るトリリンガルの優秀な通訳ですが、それ以上にバブルの波に乗っています。殺されたボーイフレンドはプロゴルファー崩れで、出入りしていた富豪の家に絡んでなにやら儲け話をつかんでいたようですが…
好景気でみんな金回りがいい中、相対的に薄給の刑事達が貧乏くさく描かれています。ほとんど風俗(性風俗じゃないですよ)小説というか時代小説のような感じで、若い人にはよくわからない部分も多いかも知れません。バブル期のいわゆる“いい女”は、「メッシー」「アッシー」「ミツグ君」という三つの僕を操っていたのです。バビル二世か。ちなみに「メッシー」は高級フレンチなどに連れて行って食事をおごってくれる係、「アッシー」はベンツやBMWといった高級外車を持っていて送迎してくれる係、「ミツグ君」はブランド品や宝飾品をプレゼントしてくれる係です。これらとは別に本命の彼氏や滑り止めの彼氏もいたりするので恐ろしい時代でした。この時代にちょっと可愛い女子大生でもやっていたら、かなりいい目を見たのだろうと思いますが、当時の栄光を忘れられないBBAが今なお徘徊しているとかいないとか。

② レイコと玲子
解離性同一性障害、いわゆる多重人格を扱った作品です。主人公が女弁護士で婚約者は外科医という、ステータスがバブりまくっている作品です。過去の不幸な事件により極端な男嫌いな人格「レイコ」が、隣の優しいお姉さんに執着するあまりに、その恋人を殺害しようとしますが…
本当に怖いのは、多重人格すら計画に組み込もうとする犯罪者の心理だったりして。ラストの、ある人格が別の人格のふりをしているのではないかという推測はぞくっとします。多重人格者の各パーソナリティーがそんなことをし始めたら収拾が付かなくなりそうです。
③ 再生魔術の女
富裕層の養子縁組を手掛ける女性。しかし婚期を逸しつつあったお嬢様の入り婿になった男には恐るべき過去がありました。彼女の復讐方法は……
復讐に人間の命を利用するとは…と思いましたが、ラストで納得。要は相手が信じるか信じないかですよね。主人公も行っているけど、男の精神力弱すぎ。弱いが故の犯罪だったとも言えますが。
④ さよなら『お父さん』

NTRの超名作「秘密」のひな形となった短編です。出来が不満だったので長編を書いたということですが、ダニエル・キイスの名作「アルジャーノンに花束を」にも短編と長編があるのだからと編集者に説得されて短編集に入れたそうです。

プロットは完全に「秘密」と同じですが、主人公の心理描写などはやはり長編の方が優れていますね。というか、コメディチックに終わるので、感動作ではなくちょっと笑ってしまうオチになっています。でも案外「秘密」も作者からすると笑って貰うべきところで泣いているのかも…
⑤ 名探偵退場
20年前に「魔王館殺人事件」という超難解な事件を解決した名探偵。今はすっかり老いて回想録執筆が生きがいになっていますが、そんな彼の元に「天使館」に住む富豪殺害計画阻止の依頼がやって来ます。老骨に鞭打って出かける老探偵ですが、見せ場の容疑者を一同に集めての推理の場面で倒れてしまい…
探偵が倒れた後の容疑者達の勝手な推理が面白いです。しかも誰も探偵の推理した犯人を名指ししないという。それどころかようやく子供が探偵と同じ犯人を推理したら、一同で否定にかかってしまいます。
事件の真相はまた意外なものでしたが、それとは別に東野圭吾は思いっきりレトロな本格推理「魔王館殺人事件」を大長編で書いてみるべきではないでしょうか。
⑥ 女も虎も
領主の女に手を出した男の前には虎の入った箱と美女の入った箱。どちらを選ぶかで運命は両極端。さあどっちを選ぶ?しかし、主人公の場合はなぜか箱が三つも。三つ目の箱には一体何が?
運命を選択させるというのは余興としては面白いと思いますが、美女の箱を選んだ場合は全然刑罰にならないというか、むしろ盗人に追銭であるところがおかしいですね。私が領主だったら箱を十個暗い容易して、虎9、美女1位の配置で選択させますが。というより、この領主、実は余興のために美人局のようなことをやっているんでは。

⑦ 眠りたくない死にたくない
究極の状況下にいる男がなぜ自分がこういうはめになったかを回想する物語。眠ると死ぬけど起きていると犯罪の隠蔽を確固たるものにしてしまうというジレンマ状態です。散々粘ったあげくに眠ると、まさに犯人の思う壺なんですが、おのずとそうなりそうです。それにしても主人公がのんびりしているのでシリアス感がなくて逆にいいです。
⑧ 二十年目の約束
男からの「絶対に子供を作らない」という約束で結婚した二人。しかし海外赴任で妻は心を病み、自殺を図るに至ってしまいます。子供がいればまた心の持ちようは違いのではないか。なぜ男は頑なに子供を持つことを拒絶するのか。そのカギは過去の事件に…という話です。
過去に起きたある事件に、道義的責任を感じてそのけじめを自らつけようとする男。誰が強制しているわけでもなく、自発的にということで誰も文句は言えないのですが、それならそもそも結婚するなよと言うツッコミはありですよね。それは結婚したら必ず子供できるというわけでもなく、結婚しなくても子供はできたりするけど、よりストイックな生き様を選択するべきだったんじゃないですかね?それができないなら、いっちょまえに贖罪とか考えるんじゃあないよと冷たく突き放してみたり。
ラストでもう贖罪の必要がなくなったことを本人は知るわけですが、だからすぐに子供ができるかどうかはまた別の話です。なお個人的経験から言うと、海外生活は女性の方が適応力が高いみたいですが、適応できない場合は男以上に苦しいようですね。もちろん赴任先の国がどこかという点も大きいでしょうが、「在留邦人コミュニティ」というのがまたクセ者だったりして。
こんばんわ。今日も比較的過ごしやすかったですね。いい傾向です。巷じゃそろそろ新学期が開始されていたりするので、暑さもいい加減にして欲しいです。

さて本日は爽やか青春合唱アニメ「TARI TARI」の最終回ということで、一気に三話紹介します。いつもよりボリュームがあるので無駄話はそこそこに早速行きましょう。

まず第11話。

文化祭(通称白祭)で音楽劇をやることになった合唱部。全員3年生というのになんなんでしょうかこの文化祭への燃えっぷりは。来夏の作ったは「美女と蛙」という突飛なものですが。

なにしろ5人しかいないので皆役割を振られています。作曲は和奏、振り付けは紗羽、そして大道具大智、小道具ウィーン。衣装には手が回っていませんがいいのか?

ママン・まひるとの合作となる曲の作曲に励む和奏。朝食の準備をしながら楽しそうにメロディーを口ずさんでは書き留めたりと、すっかり明るい女子高生になりました。パパンも一安心です。振り付けの必要から、未完成のまま紗羽にCDを渡しましたが、好感触のメールが来ました。頑張れ和奏!

そして皆がそれぞれの役割を果たそうと頑張りまして。小道具のウィーンが意外な才能を見せます。小道具のミニチュアの出来映えの良さに驚く一同。もしかしたらホビージャパンとかに投稿してきた経歴があるのかも知れません。

一方大道具の大智は背景がのスケッチを描いてきましたが、全員別の意味で驚き、もう書くなと冷たい宣告。やむなく美術部の力を借りようとしますが、白祭出展作品で忙しいと部長さんにけんもほろろに断られます(大智の頼み方もダメダメでしたが)。すると美術部員で大智の友達の浜田(通称はまち)が交換条件を持ちかけます。背景を描く代わりに紗羽の画像をくれと。まあルックスだけなら和奏も負けていませんが、プロポーションの良さではやはり紗羽でしょうかね。わかっているなあはまち。さすが美術部員だ。

ということで紗羽の所に向かった大智ですが、紗羽は振り付けの考案&練習中。しかしこれはもはや体操部とか新体操部レベルじゃないでしょうか。5話で見せたダンスといい、乗馬とか弓道とかだけでは惜しい逸材なのでは。しかしそんな振り付け来夏や和奏にはどう考えても無理でしょう。後述する理由により一旦退却する大智でした。

一方、理事長は校長に対し、人類補完計画学園再開発計画を急ぎ進めるよう命じます。まだ生徒はおろか保護者や教職員にも告げていないという校長の怠慢を責めます。

再開発後のミニチュアと共に残される校長。どうやら計画は白浜坂高校そのものの存亡に関わっているようです。

遂に臨時の職員会議を開催して教職員に新入生募集中止と校舎の取り壊しを告知する校長。教頭は既に知っていたのでとっとと退出してしまいました。全員卒業するまでプレハブの仮校舎で授業を続けるとか。せめて全員卒業するまで待てないのでしょうか。しかし学校がなくなるということは、先生達も下手をするとニートとか自宅警備員とかヒッキーに?

そうとは知らず、声楽部の良心・上野さんにピアノの伴奏を依頼する来夏。上野さんは天使だ。しかしボーイッシュな声楽部の広畑部長が拒絶します。本当に生真面目さんタイプに敵が多いな来夏は(笑)。ちなみに広畑部長のCVは今私が注目している赤崎千夏です。丹生谷森夏とか真木夏緒みたいに愉快なギャグを繰り出しまくる主演級キャラをやる前のお仕事ですね。

職員室を出た教頭は子飼いの声楽部員達に文化祭の中止を告げます。別に今年の文化祭くらいやらせても差し支えなさそうですが、理事長の命のようです。声楽部を退部した来夏ですが、どさくさにまぎれて一緒に聞いてしまいました。

準備の進行してた文化祭ですが、一気に中止となって合唱部の音楽劇も画餅に帰しました。紗羽は弓道部に、大智は一人バドミントンに戻りました。しかし、たまたま4人がかち合った夕方、和奏が走り寄ってきます。

曲が完成したの!私たちの力では廃校はどうにもできないけど、せめて文化祭はやろうよ!あの和奏がこんなに積極的になるとは…おぢさんも嬉しいよ。

続いて第12話です。

和奏のやる気が感染して、合唱部(時々バドミントン部)復活です。

再び音楽劇に向けて活動を開始します。決行までもう17日しかありません。熱く決意表明する面々でした。

この前は紗羽に頼み損ねた大智、改めて紗羽に写メを撮らせてとま正面から頼みます。駄目なら駄目でもと思っていた大智ですが、紗羽はあっさり承諾したばかりか、素晴らしいアングルからの画像を提供。

紗羽可愛いよ紗羽。本人も納得の写真となりました。モデルがいいんだから一眼レフ持って来い大智!これならはまちも感涙でしょう。「絵のクオリティ低かったら馬で踏む」そうですが。

一方学校では途中まで行われていた文化祭りの撤収作業中。なんとウィーンの会心作である小道具達も廃品としてトラックで持って行かれてしまいます。慌てて追いかける合唱部一同。

一応部長の来夏は別行動で、生徒会で文化祭中止の中止を提言。しかし例によって交渉力のない来夏、正面から言いたいことを言いますがその青臭さには賛同は得られず、多数決の結果否決されてしまいました。学校側に中止の中止を提案することすら叶わないとは。来夏は重大な会議とか交渉の場には絶対に出してはいけないタイプですね。

小道具を回収したものの、既にぼろぼろに。また作ると言うウィーンですが、もはや完全再現の時間はありません。

翌日、曲の完成をママンに知らせようとお墓参りに向かう和奏は、意外な人と出会います。まひるの墓前で涙ぐんでいたのは教頭でした。もはや少佐の面影がありません。

そこで教頭にも完成した曲を聞いて貰います。まひるとの合作という和奏の曲に確かにまひるの面影を感じる教頭。一気にデレます。これまでの鉄仮面はどうなったのでしょう。明るくなった和奏がまひるによく似ているということも影響しているのかも知れません。

徹夜で小道具再現に挑むウィーン。やるときはやる男です。ショウテンジャーをやったことで何かが変わったような。

大道具ははまちに任せたのでやることのなくなった大智は、衣装に手を出します。手芸部に頼んでミシンの使い方を教えて貰おうとしますが、針に糸すら通せないダメっぷり。バドミントン以外は能がないのかお前は。しかし見かねた手芸部長が部員を集めてやってくれることに。まあ文化祭中止で暇になったということもあるんでしょうが、来夏と違って(結果的に)人を使えるタイプですね。アンパンの人数分調達で懐は寒いかも知れませんが、結果は出す男。

生徒会での来夏の演説に感化された校長、文化祭くらいは開催させてあげてもとおそるおそる理事長にお伺いを立ててみますが、却下。それどころか17時以降強制下校&土日祝日立ち入り禁止を命じます。生徒&保護者からすると、学費は徴収するくせにサービスを一方的に低下させている訳だから文句の一つも言いたくなるというものです。文化祭くらいやらせてやっは方が不満のガス抜きになると思うんですがねえ。理事長は人情というものを解さない金持ちのボンボン上がりなのかも知れません。本作唯一の悪役決定です。

いよいよ音楽劇を明日に控えて、心配なのは雨。明日は止むといいのですが。「僕は信じてるよ、止まない雨はないよ!」と叫ぶウィーン。この人、やはりすっかりヒーローとなっています。

さあいよいよ最終回です。

校門前に集結した合唱部ですが、何とロックアウトを食らっています。

無理矢理入ろうと画策する面々の前に、遂にラスボス登場。相変わらず美人秘書を伴っていますが、もう秋なんだからネクタイ位しろ。

処分を食らいたくなければ帰れという理事長の前に、老後の安泰を投げ打った校長登場。校長権限で文化祭の開催を許可します。理事長に逆らったカドでクビを宣告されますが、いくら理事長でも手続きには時間がかかります。

どうせ誰も来やしないと嘯く理事長の言葉の終わらぬ間にやってくる観客達。仕方なく撤収するのでした。まあチミには美人秘書がいるからいいじゃないか。紹介してくれたら私がチミの側についてやらんでもないぞ。

教頭が警備員も撤収させたそうです。いい具合に雨も上がり、開催環境が整いました。

すっかりツンが消えてデレモードになった教頭の計らいで、吹奏楽部と声楽部も協力してくれることになり、意気上がる合唱部。

広畑部長の尻馬に乗る形で合唱部をディスってきた大谷政美(右)も案内に立ってくれました。左は初登場の声楽部の新田果南。多分登場ここだけなのにちゃんと氏名が設定されているんですね。声楽部が誇る美人受付嬢コンビ。

そしていよいよ音楽劇が開催されます。背景気合い入ってます。小道具も衣装も最低限雰囲気は出しています。

そして吹奏楽部の生演奏。指揮は教頭。こんなに楽しげに指揮する姿は初めて見ます。やはり音楽は楽しくなければ。

合唱部全員で歌うまひると和奏の合作「radiant melody」。直訳すれば「きらめきの旋律」といったところでしょうか。まひるの「心の旋律」と対になっているのかも知れません。

友達とでかけると言っていた来夏の弟も見ています。なんだかんだと姉想いな弟です。

校長と生徒会長も見ています。校長が持っているのはまひるや教頭と一緒に移っている合唱部全盛期の記念写真です。こうして最後の白祭は成功裏に終わったのでした。

それぞれの生活に戻る合唱部の面々。ウィーンのもとにはヤンから便りが。これで文通が可能になりました。よかったなショウテンジャーレッド!

大智は推薦で大学が決まり、紗羽は留学して海外で騎手を目指すことを告げます。卒業前に旅立ちますが、学校側は卒業扱いにしてくれるそうです。よくパパンが納得したものです。


空港で別れを惜しむ中、大智と紗羽になにやら恋愛フラグが。このシーン、アニメでは声がないのですが、アフレコではセリフを入れていて、その言葉通りの唇の動きなんだそうです。それはさておき、もうね、10年位あっちで頑張ってこい紗羽。そして外人とラブラブになっ大智はてNTRだ。

そして卒業式。異郷の紗羽に記念写真を送ります。

そして動画も。4人で歌う「心の旋律」。

遠い空を見つめて一緒に歌う紗羽。

ラストです。大学でもバドミントンに打ち込む大智。

音楽の道に戻る決意の和奏。何と教頭が家庭教師に。さすがに現役では音大は無理でしょうが、一年経ったらきっと…

ウィーンはオーストリアに戻り、ヤンと再会。それは良かったけど進路は?

そして来夏は何気に現役合格で女子大生。いろいろ足りない彼女ですが、学業は良かったようです。ちょっとは大人っぽくなったかな?サークルは合唱なんだろうなと思いますが、中の人つながりでまさかの競技かるたということも。

そしておそらく数年後。自宅に戻ってきた和奏は大人びて一層まひるに似てきました。表情が明るくて実にいいですね。
それでは最後に最後の「笑うTARI TARI」です。



来夏のイメージの世界での「美女達と蛙」。多分来夏は中二病患者だったのではないかと。禁呪「バニッシュメント・ディスワールド」を使えるかもしれません。コナッチーネ、ワカナリヤ、サワーニャという名前も来夏命名に違いありません。サワーニャの露出が妙に高いですね。

ウィーンの小道具の才能に驚き喜ぶ女性陣に、俺も俺もとスケッチブックを見せる大智。期待に目を輝かせる来夏と紗羽とウィーンですが…

……お判りいただけただろうか……この表情の変わりっぷり。

そして二度と絵を描くなと大智に宣告する三人。

ちなみに大智画伯によるとみられるスケッチの一端がこれです。うーん…まあ…女性トリオの雰囲気はあるような気もしないでも……

音楽劇をやろうと決意表明をする面々。ラストに大智がギレン総帥の如く右拳を振り上げますが。

女性陣の「かぁっこいぃ~」という冷やかしの声。大智はいじられ役がすっかり板についてしまって。お姉さんが泣いているぞ。

しかし悪いことばかりでは内!図らずも紗羽のパンモロを拝むことになった大智。タイツ越しとはいえこいつは……。まさか…まさか、これで紗羽に惚れたとか言うなよ大智?

ちゃんと紗羽にポーズを撮って貰っていい写真を撮ったはずなのに、はまちに渡したのはこの画像。大智の野郎、自分専用にガメやがった!

まあこの画像でもはまちは喜んでいるので笑って許してやりましょうか。はまちが真相を知ったら絶対許さないと思いますがね。

理事長が入手した白祭ポスター。微妙に似ている合唱部メンバー。誰が描いたんでしょう?まさか大智画伯が…!

そしてそのポスターを張りまくる紗羽パパン。どんだけ娘ラブやねん。

なぜかイルカに喰われている来夏。弟びっくり。この状態で歌うと声が響かなくてご近所迷惑にならないらしいですが…自力では脱出できないという欠点が。

最後まで爽やかだった「TARI TARI」もこれにて終了です。素敵な作品を、そして感動をありがとう!!
久々に猛暑から逃れられた日曜日。涼しいって素敵。明日はまた30度を超えるでしょうが、息をつけるというか安らげるというか。

日曜恒例好きなキャラシリーズ、5回目は「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」の沙織・バジーナです。

沙織・バジーナは、「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」(略称「俺妹」)のメインヒロインである高坂桐乃のオタク友達です。身長180cm、体重61Kgで、スリーサイズはB88/W60/H89です。このスリーサイズは藤原紀香と同じなのだとか。「俺妹」の女性キャラは全般に大柄で、小柄に見える黒猫でさえ160センチあって決して小さくはないのですが、沙織の身長は群を抜いてます。

初登場時から長身に加えてぐるぐる眼鏡にバンダナ、大きなリュックにそこから飛び出したポスター(通称ビームサーベル)という、所謂アキバ系キモオタファッションであり、一人称が拙者で相手には「~氏」、さらに語尾には「~でござるよ」と強烈なインパクトを与えるキャラでした。

京介の提案で桐乃が参加する事となったオフ会の主催者であり、SNSコミュニティ「オタクっ娘あつまれー」の管理人です。オフ会に参加していた桐乃と黒猫が、場や他のメンバーと馴染んでいないのを把握し、オフ会終了後に二人と同伴の京介を二次会へ誘い、この作品自体の要とも言える桐乃達の交友関係を築いた重要人物です。

見かけは故意にオタ風にしていましたが、気さくで明るく面倒見が良い性格で、友人達の悩み相談にも嫌な顔一つせず快く引き受けるなど、懐が深く気配りのできる人物です。主人公の高坂京介は桐乃や黒猫の事だけでなく、自分自身の相談相手としても頼りにしており、深く信頼しています。身長や大人びた性格から京介より年上と思われていましたが、実際は黒猫と同年齢で、初登場時15歳でした。

当然「沙織・バジーナ」はハンドルネームで、本名は槇島沙織です。バジーナの由来は上の画像のサングラスの人です。正体はいまさらですよね。

作品中ではずっとオタク風キャラを作っていましたが、その正体は、親元を離れ千葉県外(アニメでは横浜市内)の高級住宅街にあるマンション(なんと一棟全て個人で使用)に住む正真正銘本物の大富豪のお嬢様でした。


部屋にはガンプラやレトロゲーム、昭和の食玩や玩具、美少女フィギュアなどといったコレクションが陳列されています。アニメでは執事やメイドを伴っている描写がありました。作中2年目からは高校に進学していますが、有名なお嬢様学校だそうです。

素の沙織は大人しい性格で、眼鏡がない素顔を京介達に見られただけで叫び声を上げ半泣きになってしまう程でした。普段の格好や喋り方は、自分が中心になって盛り上げなくては、という意識からのものであり、同時にオタクのコスプレをすることにより、別のキャラクターを演じて素の自分を隠す為のものでした。

三年程前、姉の香織が作ったサークル(プリティーガーデン)に所属していましたが、香織の結婚を契機に仲の良かったサークルメンバーが離散していくのを見て、自分が憧れていた居場所を簡単に捨て去った姉を見返したい(「自分自身のサークルを作れ」とも言われました)と考え、またサークルメンバーにして貰った事を友達にしてあげたいという想いから、自分自身のサークルを作るに至りました。

彼女のキャラ作りの基となった人物は、姉のサークルメンバーだった来栖彼方です。彼女は桐乃のクラスメイトである来栖加奈子の姉ですが、見た目瓜二つのそっくりぶりです。ぐるぐる眼鏡も彼方から継承したアイテムでした。

これまでの画像を見ておわかりの通り、アニメや漫画に良くある「眼鏡を取ると美人」というお約束キャラクターですが、予想の斜め上を行く美人っぷりで、その展開を予期していた京介達を驚愕させました。

原作で沙織の素顔を見た京介の心情描写は次のようになっています。

「やべえぇぇえ!沙織ヤバイ。まじでヤバイよ、マジヤバイ。まず美人、超美人!」

「深窓の令嬢みたいなオーラ出てる!スゲェ!髪の毛サラサラでスーパーモデルみたいな尻乳太もも!」

「声まで違う。ヤバすぎ。とにかくおまえら、俺の目の前に突然現れた超絶美貌のお嬢様のヤバさをもっと知るべきだと思います。」

姉や両親のつてによる豊富な人脈を持ち、出版業界にもコネを持っていますが、家族の縁故に頼らず独力で結成したコミュニティに対して強い愛着を抱いています。

アニメではその美貌を明らかにして京介をメロメロにしたものの、恋愛感情の発生には至りませんでした。しかしPSPのゲーム版(「俺の妹がこんなに可愛いわけがないポータブル」)ではちゃんと専用ルートが作られています。実は今プレイしているのですが、一番のお気に入りの新垣あやせ、不遇にめげない一途ぶりに全米が泣いた麻奈美の次には沙織を攻略したいと思います。

CVは生天目(なばため)仁美です。1976年8月4日生まれで、佐渡市生まれの横浜育ちで、劇団東京乾電池で女優をした後に声優養成所に入った遅咲きの人で、2003年に「真月譚 月姫」のメインヒロインであるアルクェイド・ブリュンスタッド役を射止めたことで一気にブレイクしました。

なお生天目仁美は「百合声優」として有名で、本妻(伊藤静)、愛人一号(能登麻美子)、同二号(清水香里)、同三号(小清水亜美)がいるとか。特に伊藤静とは親しいらしく、ホテルに一緒に泊まり同じベッドで寝たことがあるとか。画像検索でも二人で移っている画像が目立ちます。


暑い日が続きます。今日もなかなかの暑さですね。しかし2週間前の狂おしいほどの暑さに較べればウォーキングも耐えられないこともありません。ただ…あと何日続くのか。

そうはいっても季節は移ろいゆきます。それが判るのは例えば田んぼの色。もう稲穂が色づいてきて、収穫も間近という漢字ですね。

それから葛の花も咲いています。葛の蔦は太ましくて気味悪いくらいやたらに伸びてくるので好きではありませんが、花はなかなかにいい色合いです。茂りまくる葉っぱの裏で目立たなかったりしますが、香りも良かったりします。

さてギャルゲーの土曜日ということで、今日も今日とて大番長の続きを始めましょう。PGG、ナイトメア・アイズを制圧したことで東日本を統一した狼牙一党。次は西日本を支配する護国院が相手となります。

PGGが4地域、ナイトメア・アイズが5地域を支配していたのに対し、護国院は本拠地である京のほか、関ヶ原、名児耶、伊我、七良、王阪、香辺の7地域を支配する最大勢力です。西の秋葉原と言われる日本橋(にっぽんばし)がモデルとみられる日奔橋はなぜか中立地域になっています。

護国院は古くから日本の呪的守護を生業にしてきた集団です。近代化の波に押されて近年は権力も薄れ、もっぱら政治家の運勢を占ったり、成功祈願を行っていましたが、魔界孔が開いた学聖歴元年以降は再び表舞台に戻ってきました。

護国院には「封印の巫女」と呼ばれる存在がいます。彼女は魔界孔の拡大を抑え、日本が更なる異変に襲われるのを防いでいます。巫女を守り、ひいては日本を守るのが現在の護国院の目的です。

護国院の行動は基本的には大義に乗っ取ったものですが、自らの正当性を尊重しすぎて高圧的であったり、強行手段に出たりと、独善的な部分も目立ちます。

最近は肝心の巫女も病に伏せって人前に姿を現さず、護国院のあり方に非難の声も聞かれるようになっています。

3年前にPGGは関ヶ原で護国院と大規模な戦闘を行っており、今でも関ヶ原は死霊怨霊の気配に満ちたやばい場所になっているようです。

実は「封印の巫女」である雪菜は8年前に既に死亡しており、現在の巫女は雪菜の力を移植された「傀儡」が勤めています。傀儡は錬金術師の竹田出雲の手によって人工的に作り出された肉体で、感情をほとんど持っていません。水槽の中にそれこそ綾波レイ状態で養殖されています。

巫女に選ばれた傀儡は魔界孔の封印の影響で2年程度で力尽き死亡し、巫女としての適性の不足した傀儡は処分されるか、鬼堂衆と呼ばれる鬼の面を被った戦闘部隊として活動します。

実は県内編で登場したヒロイン候補の一人である京堂扇奈は護国院の学生であり、鬼堂衆一番隊隊長にして今代の護国の巫女でした。他の傀儡に比べ人間性も力も比べ物にならないほど優れていた反面、感情的で不安定であったため、それを危険視した護国院に殺されそうになったところを狼牙の元に運ばれてきたのです。狼牙の許嫁である天楼久那妓と二者択一型のヒロインであるため、久那妓がいる場合は扇奈はすでに…。逆に生きていれば久那妓にナイトメア・アイズでイベントがあったように、扇奈は護国院でイベントがあります。

それでは護国院の主要キャラです。
弐乃 静(にだい しずか)

護国院総長で盲目の美女です。いつも穏やかだが護国と封印の巫女を守る為なら非情の鬼になります。人間の代謝能力を低下させるB能力を持っています。
弐乃 義経(にだい よしつね)

静の弟で、護国院の本拠地である「清瑞学園」の執行部長です。ショタ風ですがかなりの合理主義者で、必要なら冷徹な判断を下します。
ベンケイ

清瑞学園の番長。義経と仲が良く、「ケイ」と愛称で呼ばれています。いつも巨大な鎧を身に纏っている進撃の巨人。

しかし実際は中身は小柄な少女で、結奈沢 慶(ゆなざわ けい)という名前です。ただし怪力は本人のもので、力をセーブするために鎧を纏っているのだそうです。
五十嵐 紅美(いがらし こうみ)

香辺を支配する幹部で、関西弁で喋ります。静の方針に不満を抱き、香辺独立の機会を伺っています。護国院のキャラとは完全にそぐわない雰囲気を醸し出しています。
渡 半蔵(わたり はんぞう)

護国院が誇る忍者部隊である伊我忍軍の頭領です。見た目のとおり暑苦しい性格ですが、部下には公平な評価をしているため、信望は厚いです。
葵 我門(あおい がもん)

半蔵の部下で、任務に失敗した忍を裁く「罰組」の頭領です。ゲーム中では性的な虐待をしているだけのようにも見えます。半蔵とは対照的に、身内に優しく、他の忍者には厳しいため信頼はいまひとつですが、仲間にすればそこそこ使えます。
竹田 出雲(たけだ いずも)

錬金術師で、シオンを作った月臣遥やその弟の月臣鬼人の師匠であった月臣友禅の元弟子です。魔界孔を抑えるための傀儡の開発者ですが、現実と理想の狭間で揺れ動いています。仲間にもならない野郎キャラなんて、この程度の画像でいいですよね?
北条 深雪(ほうじょう みゆき)

出雲の助手で出雲に好意を抱いています。
小次郎(こじろう)

護国院幹部ですが、実際は老人の姿をした怨霊です。生前は剣士であり、人を斬ることに対する執着によって怨霊と化しました。叢雲静梨や、各地の学生達に狂気を植え付け、操っています。
伊織(いおり)

深雪に付き従う、扇奈と同じ顔つきの少女です。実は両性具有。
高羽沙枝

旧甲賀忍者学校の女生徒で、甲賀が廃校になったので伊賀に編入させられた下忍です。そのせいで甲賀忍者は伊賀忍者からは格下扱いされています。半蔵により狼牙の動向監視兼刺客として放たれ、暗殺しようとしたところを返り討ちにされます。捕虜というにはかなり寛大な処遇で狼牙軍団に身を置くうちに狼牙のことを主と見込み、狼牙軍団に志願してきます。

トランジスタグラマーで童顔ですが、実は狼牙より2つ年上だったりします。正確は几帳面。罰組の仕置き(どう見てもただの陵辱)を受けていたりする可哀想な子です。


その他、護国院との抗争中に仲間になるキャラです。
叢雲 静梨(むらくも しずり)

小次郎に操られている最強の女剣士です。中西剣道とは面識があり、剣道の目標になっています。狼牙と剣道が打ち倒したことで正気を取り戻し、狼牙軍団に加わります。必殺技の「緋空閃」は叢雲流居合術の剣技で、攻撃力が通常攻撃の5割増になり絶対回避と絶対命中の効果も持つ、中距離以下の射程の敵には無敵の技です。

とにかくグラマーで、仲間にすると頼りになりますが、中西姉妹を仲間にしていないと仲間になりません。

アバオ・亜空(アバオ あくう)

宇宙(そら)から来たと自称する、仮面をつけたアフロヘアーの男です。根岸なななが仲間にいる場合のみ登場し、王阪で野球対決をしていたなななの特大ホームランによって落ちてきます。

「僕のサーベルは伊達じゃない!」
「落ちろ!!」
「見える…そこか!」
「また…僕はこんなことをして…」
「なんだこの感じは…?」
「これが…進化だとでも言うのか!?」
「宇宙はいつでも僕の胸にある…」
などなど、どう考えてもガンダムというかアムロ・レイ的なセリフのオンパレードで笑わせてくれます。一見思いっきりネタキャラですが、実はかなり使い勝手の良いキャラです。
忍者キャプターざくろ

通称「NCざくろ」。大の忍者好きで、グッズでは飽き足らず本物の忍者から「忍拓」を取っている謎の少女です。口癖は「破忍ゃ~ん」。謎のマスコット・シノビブクロの「ケムまる」を連れています。

忍者限定で百発百中の必殺技「めるめる弾」を使います。これは忍者を捕獲してコレクションの忍拓を取るためのスキルで、敵忍者の体力を一方的に1にしてしまいます。忍者にしか効果はないうえ、「めるめる弾」が使用できる頃には忍者が大勢いる「護国院」自体がなくなっていたりしますが、可愛いので仲間にしてはいかがでしょう?

元ネタは言わずと知れたこれしかありません。
真田 なむ

両親の経営する焼き鳥屋が潰れてしまったためアルバイトをしている関西弁の少女です。しかし失敗続きで幾度となくクビになって各地を転々としています。県内編の中王区、全国編の横濱、アオモリ、伊我、七良の全てのイベントを見ないといけないという厄介キャラです。
有明 はらみ

同人誌の収集と執筆に並々ならぬ情熱を注ぐオタク少女です。王阪で捕獲でき、同人誌で仲間になります(笑)。
大まおー

関ヶ原制圧後、イベント「富士子湖の冒険」で大魔王の瓶をゲットすると仲間になる謎の魔王です。アリスソフトのゲームには度々登場しています。緋皇宮神那と合体することで神那が「大まおー召喚」という必殺技を使えるようになりますが、大まおーを失うことになります。「大まおー召喚」より大まおーの直接攻撃の方が強いというのもまた…

護国院を制圧すると、残す有力勢力はキュウシュウで内戦状態のホーリーフレイムとスカルサーペントだけです。しかし難攻不落の「万里の長城」で囲まれた中立勢力の三国も残っているほか、岡耶麻の学生連合はどうするのかといった問題も残っています。それはまた次回で…
本日は雨模様。広範囲で大気が不安定だそうです。水不足が少しは解消されるといいですね。夏から秋へのターニングポイントということなら雷だって我慢するのですが、明日はまた猛然と暑いという予報が。猛暑は…猛暑はもう…

と、柄にもなくみさくら語(知らない人はググってみましょう)を炸裂させてみたところで金曜恒例中国美女列伝行ってみましょう。

先週はお休みしてしまいましたが、今回は15回目ということで、水滸伝に登場する美少女武将として瓊英を紹介します。

瓊英(けいえい)は実は108星には含まれていないのですが、これは登場時期が遅くて既に108星が揃って以降の登場となったからで、現代風にリメイクするならば、誰か適当な好漢を殺して後釜に据えるとか、登場時期を早くするなどして絶対108星に加えたくなる美少女です。

瓊英は梁山泊と戦った田虎配下の女武将で、花の如きと形容された芳紀16歳のまごうかたなく美少女です。日本では「鬼も18」と言って18歳を美しさの盛りとしていますが、欧米では“Sweet Sixteen”と言って16歳を美の頂点としているようです。この2歳の違いはあちらが早熟なのか、我が方が奥手なのか?

ちなみに水滸伝当時の宋は、外に遼という外患を、内に四大叛徒という内憂を抱えた国家でした。四大叛徒というのは梁山泊の宋江のほか、華北の田虎、淮西の王慶、そして江南の方臘(ほうろう)で、宋江はよせばいいのに朝廷に帰順し官職を授かって国の為に尽くしたいと望み、第13回に登場した名芸妓の李師師を通じて時の皇帝徽宗(きそう)に帰順の意を伝えます。

梁山泊は晴れて官軍となりましたが、何度も煮え湯を飲まされた高俅、蔡京、童貫らの奸臣はこれを苦々しく思い、毒を以て毒を制するの言葉通り、宋国の内憂外患を梁山泊に一掃させることとします。梁山泊軍は精強でかつ士気も高く、外患である遼を手始めに、田虎、王慶と次々と打ち破っていきますが、奸臣たちはこの戦功を揉み消してしまいます。

また梁山泊の切り札である道士の天間星の入雲竜公孫勝や、どんな重病・重症の患者も治療する地霊星の神医安道全ら4人が梁山泊軍から引き抜かれた状態でことで最大最強の敵・方臘と戦うこととなり、苦戦の末に制圧するものの、好漢の三分の二を失う大打撃を受け、破局へと向かうことになるのです。

瓊英は資産家の娘でしたが、10歳の時に母方の祖父が亡くなり、両親が瓊英を番頭の葉清夫妻に預けて葬儀に赴いた際、当時盗賊であった田虎に襲撃され両親を失ってしまいます。さらに1年後、田虎が本格的に反乱を起こすと、襲撃してきた田虎の部下の鄔梨(うり)に瓊英は葉清夫妻共々掠われてしまいます。

瓊英の美貌が気に入った鄔梨は瓊英を自らの養女とし、葉清も瓊英の身の安全を守るため鄔梨に従いました。その後、両親を殺害した賊の正体が田虎である事を知った瓊英は、田虎に従いながら密かに復讐の機会を伺います。

その後、夜ごと瓊英は夢の中で神から武術を伝授されるようになり、特に神が連れて来た張清からは百発百中の石礫を習いました。瓊英はその鍛えた武芸の腕前を鄔梨に披露し、その腕前はすぐに評判となり、瓊矢鏃(けいしぞく)と称されるようになりました。鄔梨は瓊英に相応しい婿探しを始めようとしますが、瓊英は自分と同等に石礫を扱える人物でなければと言って諦めさせます。

やがて宋江率いる梁山泊軍が田虎討伐に乗りだしてきます。このとき瓊英は鄔梨から5千の兵を与えられ、先鋒として出陣します。女と見ると発情する矮脚虎の王英(扈三娘の夫・序列58位の地微星)が飛び出してきますが、瓊英は王英の太股を槍で突き刺して落馬させます。さらに扈三娘(59位・地慧星)、孫新(100位・地数星)、林冲(6位・天雄星)、李逵(22位・天殺星)、解珍(34位・天暴星)らを石礫で撃退します。上位36星である天罡星の3人も、特に梁山泊屈指の武芸を誇る豹子頭林冲を撃退している点は絶賛に値します。

瓊英にとっては敵は梁山泊ではなく、親の仇の田虎なのですが、復讐の機会を得られずに困っていました。瓊英の気持ちを知った葉清は、梁山泊軍と接触し、瓊英と自分の身の上を説明し、田虎に復讐するために協力したいと申し出ます。

その話を聞いて驚いたのが神医安道全でした。瓊英が夢を見始めた頃に、没羽箭(羽のない矢=石礫)の異名を持つ張清(16位・天捷星)も同じ夢を見ており、お互いに宿世の縁で結ばれていると告げられており、張清は病気を看病してくれた安道全にだけ夢のことを話していたのでした。

安道全の話を聞いた宋江は天与の好機と考え、張清、安道全、葉清の三名を田虎軍に送り込みます。張清と安道全は葉清が見つけた医者という名目で城内に入り込み、安道全は矢傷を負った鄔梨の傷を治して信用を得て、張清を自分の弟で武芸の達人だと紹介します。閲兵所で張清が武芸の腕を見せることになった際に、瓊英は張清を見て、夢の中に出てきた男とそっくりなのに驚きます。

瓊英は張清の腕を試すために自ら対戦相手となり石礫を飛ばしてみると、張清は瓊英の投げた石を簡単に掴み取り、瓊英が二発目の石礫を投げると同時に石を投げ返すと、二つの石が空中でぶつかり合いました。瓊英は自分と同等の石礫の使い手がいればその者と結婚すると公言していたので、すぐに張清と結婚しました。

張清は瓊英に自分が梁山泊軍の武将であることを明かし、共闘を誓います。その後鄔梨を毒殺してその事実を伏せたままにし、梁山泊軍に押された田虎が逃れて来たところで、何食わぬ顔で城内へ引き入れ、生け捕りにしました。瓊英は田虎の二人の弟・田豹と田彪も生け捕りにし、瓊英は梁山泊軍に寝返ることで見事に両親の敵をとったのでした。

田虎討伐戦の最中に梁山泊軍に寝返った瓊英は、張清の妻としてその後の王慶討伐戦にも出征し、張清と並んで王慶の后・段三娘を捕らえるなどの手柄を挙げます。しかし張清の子を妊娠したため方臘戦には出征せず、都に残りました。やがて出産した瓊英は子を張節と名付けたます。

張清は方臘戦中に戦死してしまい、瓊英は未亡人となってしまいますが、一粒種の張節を立派な武人に育て上げ、張節は長じて金国との戦争で大活躍して官爵を授けられ、瓊英が天寿を全うするまで大切にしたということです。

李師師から水滸伝に寄り道しましたが、次回からはまた四大技女編に戻りたいと思います。
こんばんは。昨夜は雷と雨で大騒ぎでした。二度も小規模な停電が起きて、電気機器が騒ぐ騒ぐ。雨はともかく雷はPCの天敵なのでいかんですね。さて暑さはあまり変わり映えしない気もしますが、虫の音が次第に大きくなってきたようです。虫の音は秋を思わせていいのですが、アオマツムシのばかでかい金属音のような音だけは好きになれません。

あの風情の欠片もない音は、昔は全然聞いたことがないのですが、90年代以降やたら出没するようになったなあという印象があります。温暖化の影響なのでしょうか?形が平たく、素早い動きをするため「アオゴキブリ」の異名もあるそうですが、そういえば騒々しい音を聞くばかりで実物を見たことがありませんよ。
本日は奥右筆秘帳シリーズ第11弾「天下」です。第10弾「墨痕」を紹介したのが1月8日のブログ記事で、ずいぶんと時間が経過してしまいました。「天下」は昨年12月には発売されていたのですが、そこは図書館、なかなか入手が難しくて。
前回「墨痕」で朝廷勢力の上野寛永寺の覚蟬が死に、彼らと結んでいた松平定信も再起不能となりましたが、まだまだ将軍位を狙う者は残っています。薩摩の島津重豪、そして覚蟬に代わって朝廷勢力の指揮を執る深園。寛永寺の公澄法親王から実権を奪ってしまいました。そして将軍家斉の実父である一橋治済も健在です。

例によって文庫本裏表紙の内容紹介です。
将軍家斉が襲撃されたばかりの大奥に不審な二人のお末が入った。立花併右衛門は衛悟と瑞紀に素性を探らせる。大奥の主は初の外様出身の御台所茂姫。実家の藩主島津重豪は親藩入りを画策する。お末たちは死をもおそれぬ薩摩の忍・捨てかまりか。権をめぐる暗闘はいよいよ最高潮に。第十一巻。
ということで、本巻では朝廷勢力に唆された薩摩が家斉を狙います。これとは別に、前回までで一橋治済と松平定信を両天秤に掛けた上で結果的に両方とも裏切って将軍についた伊賀組が相変わらず右往左往しています。
一橋治済を裏切ったことへの制裁は、治済の寵愛を受ける甲賀の女忍・絹の手によってなされ、組頭藤林が殺害されます。そういうこともあってか組織の統制が効かない伊賀組は、奥右筆には手を出さないことを約したにも関わらず跳ね上がり分子が娘婿となる柊衛悟と瑞紀を襲ったので奥右筆組頭立花併右衛門の怒りを買い、連名での詫び状を書かされる羽目に。
甲賀組が200俵の与力格なのに対して、伊賀組は30俵の同心格という格差(これは江戸初期に反乱めいた事件を起こしたせいでもありますが)は確かに哀れで、しかも忍者の本道ともいうべき探索方もお庭番に奪われているなど、優秀な忍ほど鬱屈したものを抱えていることでしょうが…忍者は戦乱の世の徒花なので、平和が長く続くと仕方ないのかもしれません。

一方、大奥に潜入した薩摩の女捨てかまり2人は、爆弾を抱えて将軍爆殺を試みますが…
捨てかまりは、「捨て奸」と書き、“すてがまり”とも呼ぶそうですが、戦国時代に九州の大名島津氏により用いられた戦法の一つです。関ヶ原の戦の退却時に、敵中突破の手段として島津義弘が用いたことで有名になりました。
戦法は、本隊が撤退する際に、殿(しんがり)から小部隊を留まらせ、死ぬまで追ってくる敵軍を足止めさせ、全滅したらまた新しい足止め隊を退路に残します。これを繰り返して追撃の足を止めて時間を稼いでいる間に本隊を逃げ切らせようとするものです。足止め隊は置き捨てなので生還は期しがたく、トカゲの尻尾切りに近い戦法です。

関ヶ原の戦では、島津軍は退路に点々と数人ずつ銃を持った兵達を伏せておき、追ってくる敵部隊の指揮官を狙撃してから槍で突撃させました。これにより追撃してきた徳川方の松平忠吉、井伊直政、本多忠勝らの部隊に対して、松平忠吉と井伊直政が重傷を負い、忠勝が落馬するという打撃を与え、島津義弘は追っ手を振りきって落ちのびることに成功しました。
井伊直政はこのときの傷がもとで病死に至ったと言われています。 高い銃の装備率と射撃の腕、さらに勇猛果敢な島津勢だからこその戦法でしたが、生きて薩摩に戻ったのは僅かに80余名だったと言われています。

本書においては、薩摩藩内においては捨てかまり要員があらかじめ決められており、命が下れば即座に生命を捨てるよう訓練されていることになっています。そして忍者にくのいちという女忍がいるように、捨てかまりにも女捨てかまりがいるのだということになっています。ただそんなに沢山いるわけではなく、江戸の藩邸には2人しかいませんでした。
その首尾の方は…といっても、家斉が暗殺されたという史実はないので、結果はそもそも明らかと言えば明らかなのですが、その過程の面白さを楽しむのが本書ということになるでしょう。

もう一つ興味深いのは、現代の官僚に等しい旗本御家人達の幕府における勤務ぶりですが、主人公である立花併右衛門の奥右筆組頭は格はさほど高くはありませんが、現代でいえば首相の政策秘書とでも言うべき要職であり、奥右筆の手加減次第で家督相続の承認などはいくらでも遅くすることができ、何となればお家断絶も容易というほどの権限を持っていました。
その奥右筆の組頭である立花併右衛門が今回助力を願ったのが江戸城留守居でした。江戸城留守居は大奥の取り締まりや通行手形の管理、将軍不在時には江戸城の留守を守る役割を果たし、旗本が任じられる職としては大目付や御三卿家老と並ぶ最高位の役職で、役高は5,000石でした。
城主大名と同格の待遇を受け、下屋敷が与えられたり、次男までの御目見えが許されたり、城内に家臣を連れて入る(老中でも家臣は連れてこれない)ことができたりの特権が与えられていましたが、時代が下がるとともにその地位は低下し、元禄年間前後には長年忠勤を尽くした旗本に対する名誉職と化していました。
家斉の文化文政時代にはさらに形骸化が進んでいたとみられる江戸城留守居ですが、そこはそれ、ちゃんと凄みを見せてくれるあたりはさすがです。いつの時代でもぼんくらでは要職に就けないということでしょうね。ただ本書では老中達がさほど立派な人格・能力を示していないのが気に掛かりますが(笑)。

実は奥右筆秘帳シリーズは次巻「決戦」で完結するようです。既に発売されているようですが、やはり図書館に登場するのを待つこととしましょう。いつも貴重な濡れ場シーンを提供してくれる絹が、今巻では忍者としての凄腕を発揮しているのはいいのですが、いつものそっち方面のお楽しみシーンがなかったのは残念でした。
今日は比較的(あくまで比較的)気温は低めかなとも思われましたが、その分湿気が高くて蒸しましたね。汗だらだらです。汗だく→冷房というのは夏風邪の鉄板パターンなんですが。

春季にくらべて全然数を見ていない夏季アニメですが、そろそろ中盤なので、今日はここまでの感想などを言ってみたいと思います。

① ローゼンメイデン

昨日の記事でもちらりと触れましたが、原作が中断して掲載誌を変えて再開してからの作品です。2004年の第一期、2005年の第二期(トロイメント)、2006年の特別編(オーベルチュール)と見てきたので、ここまで見た以上久々の新作も見届けねばという意地で見始めました。

登場キャラは旧作を引き継いでいますが、旧作が引きこもりのクズ中学生桜田ジュンが、「まきますか まきませんか」という奇妙なダイレクトメールに対し、「まきます」に○を付けたことから巻き込まれた薔薇乙女達の戦いが描かれていたのに対し、新作は「まきません」に○を付けた平行世界の話です。


旧作のジュンが真紅達と出会ったことで人間的に成長して引きこもりから脱したのに対し、こちらのジュンは引きこもりを続け、自らの意志でそこから脱しました。しかし引きこもりの影響で高校には行かずに大検を受け、三流大学に進学しています。また大学でもぼっちで、バイト先の本屋でも店長から嫌がらせを受け続けているという冴えない日々を送っています。

そんなある日、なぜか毎号届くようになる『週刊 少女のつくり方』という奇妙な雑誌。付属のパーツを集めて組み立てると、「ローゼンメイデン 真紅」が完成されるということで、いつしか人形作りに夢中になっていくジュンでしたが、ある日突然雑誌は休刊となり、自分の力で未完成パーツを発見して真紅を完成させなければならないという、「まいた世界」のジュン(中学時代の自分)からのメールが届きます。「まいた世界」では何が起きているのか? そして、「まかなかった世界」に現れたローゼンメイデンとの出会いを機に、こちらのジュンにどんな変化が起きるのか?

第一話で旧作ダイジェストを一気に行うという力業を見せてくれたのには驚きました。よく「一分でわかる○○」なんて動画がありますが、それに近い感じがしました。話は変わりますが、「1分で振り返るアニメ『風立ちぬ』」は凄まじいですね。身も蓋もないというか。
http://www.youtube.com/watch?v=R911W66OJdk

第7ドールとして旧作ではラストにちらりと出ただけの雪華綺晶(きらきしょう)が「まいた世界」を席巻しているようで、あちらのジュンや真紅は雪華綺晶の影響力が及んでいない「まかなかった世界」の助けを必要としているようです。時間はあまりありませんが、どうやら雪華綺晶も「まかなかった世界」の存在に気付いたようで…という展開です。

雪華綺晶は、「物質世界に存在を縛られること自体がアリスへなることへの枷なのか?」というローゼンの発想から創られた体が無いアストラル体のドールなのだそうで、これまで実体がないため現実世界に出現することやアリスゲームに参加することが出来なかったようです。

「まいた世界」では同じ時代に全てのローゼンメイデンが揃ったことで、アリスゲームに参加しようと雛苺の体を奪い、実体を得るとともに、その後の暗躍で薔薇乙女の大半をnのフィールド(現実世界と表裏一体をなす空間で、無数の世界で構成され、多数の扉がそれを繋いでいる)に閉じ込め、壊滅状態に至らせているようです。

一方、「まかなかった世界」では大人ジュンに組み立てられた仮初めの身体を持つ真紅と、独力でnのフィールドを抜けてきたらしい水銀燈と二体のドールだけが存在し、犬猿の仲の二人が、雪華綺晶を倒すために共闘する動きを見せているというとこです。

「まかなかった世界」ではアルバイトの書店の店長と店員がジュンと接触のある新キャラクターとして登場します。店長(山口)は雇われ店長で、基本的に根拠もなく他人を見下しているのですが、同じように全て他人のせいにし周囲を見下してきたジュンの本質がわかるらしく、近親憎悪ゆえかジュンを激しく軽蔑し、露骨に侮辱的な態度で接しています。

店員の斉藤さん(名前は現在まで不明。仮に支靜加とでもしておきましょう)は、小さな劇団に所属する役者の卵で明るく社交的な性格です。優れた服飾デザインの素質を持つジュンに興味を示し、劇団の活動へ彼を勧誘します。また寡黙で強面な兄が居り、同じ劇団の裏方を務めています。

店長の山口の斉藤さんが「店内放送」という名称で次回予告のナレーションをつとめており、次回内容とは全く関係ない漫才のようなやりとりをしてます。この場での斉藤さんは相変わらず明るいですが、山口店長に対してはやたらと毒舌になっていておかしいです。

旧作は一期二期ともに12話構成でしたが、本作は監督以下スタッフ一新なのでどうなるのでしょうか。個人的には一番好きなドールである翠星石が登場しないのが極めて残念です。

② 〈物語〉シリーズセカンドシーズン

原作ではファーストシーズンが「化物語」「傷物語」「偽物語」「猫物語(黒)」、セカンドシーズンが「猫物語(白)」「傾物語」「花物語」「囮物語」「鬼物語」「恋物語」となっています。ということは2クールはやると思われるので夏季アニメとも言い難いのですね。それにしても全ての発端を描く「傷物語」は一体いつ映像化させるのやら。

現在ファイナルシーズンが刊行中らしいので、アニメで物語が完結するのはまだ先のようです。現在「猫物語(白)」が終わって、「傾物語」に入ったところです。

原作ファーストシーズンは、2009年に「化物語」(12話+インターネット配信の3話)、2012年に「傷物語」(11話)、同年大晦日に「猫物語(黒)」(4話)がアニメ化されています。

アニメの〈物語〉シリーズセカンドシーズンは、セカンドシーズン全6作品のうち、時系列の異なる「花物語」(暦やひたぎ達が高校を卒業しており、時系列的に一番未来)以外の5作品を放映するのだそうです。

「猫物語(白)」は従来と異なり、いつもナレーションを務める阿良々木暦は不在で、代わって羽川翼が主役及びナレーションを務めています。堀江由衣しゃべりまくりです。また羽川翼がシーンが飛んでいることになぜか気付き、それによって猫(障り猫という怪異)が再出現していることを自覚するというメタな展開をしています。

障り猫はエナジードレイン能力を持つ厄介な怪異ですが、今回は比べものにならない大物の怪異「苛虎」が登場します。夏休みが終わって二学期に入って早々に苛虎に出会ってしまった羽川翼は、自宅が全焼し、住まいを失います。もっとも完全な他人である仮初めの両親との生活は、それまでも全く血の通ったものではなく、翼は自分の部屋すらない状態で暮らしていましたが(それを知った暦はほとんど正気を失う程のショックを受けていました)。

行くあての無くなった翼は忍野メメの住んでいた学習塾跡や戦場ヶ原ひたぎの家、阿良々木家、と転々としていくのですが、原因不明の記憶の欠落(これをシーンの飛躍として把握しているのが翼の凄いところです)に悩まされまする。さらに困ったことには、事件解決に何かと奔走してくれる暦が新学期から行方不明になっているのでした。

今回の話で、真面目で品行方正で自己犠牲的で博識な、どこから見ても優等生である翼の本性というものが明らかになります。なにかと厄介な正確の戦場ヶ原ひたぎより、絶対羽川翼の方がいいだろうという大方の予想を覆すほどの恐ろしさを翼は持っていましたね。

この分でいくと可愛い可愛い千石撫子(CV花澤香菜)にも恐ろしい顔が出現してくるのでしょうか。原作見ていないので断言できませんが。

反面、良く登場するようになり、良くしゃべるようになった忍野忍(キスショット)が可愛いですね。頑張れCVの坂本真綾。始まったばかりの「傾物語」にも登場しています。また斧乃木余接(おののき よつぎ)も「傷物語り」以来の再登場。CVは私のお気に入り声優・早見沙織です。それほどのこのキャラは好きではないのですが。


③ 恋愛ラボ

「ラブラボ」と読むそうです。上記2作と「TARI TARI」でお腹いっぱいとか言っていた私ですが、さる人(猿人じゃないですよ)の勧めで見始めた作品です。4コマ漫画が原作となっています。

世間からは「お嬢様学校」の誉れも高い名門「私立藤崎女子中学」(略称藤女)。その生徒会は、会長の意向により「恋愛を研究する」場でもありました。後に「恋愛ラボ」(ラボ=laboratry:研究所)と呼ばれるようになる「恋に恋する乙女たち」である生徒会メンバーの恋愛研究とその実践ぶりをコミカルに描いています。

「らき☆すた」とか「けいおん!」みたいに女の子がキャッキャウフフしている平和な作品が見たいと言ったところ勧められたものですが、まさか中学生とは思いませんでした。アニメだと見た目中学生と高校生の区別が全くつきませんね。

上記2作とは違い完全な新作なので主要登場人物を紹介しておきましょう。
倉橋 莉子(CV沼倉愛美)

通称「リコ」といっても名前そのままですが。2年生。公立小学校出身で運動神経は抜群です。性格は男勝りで、意地っ張りで見栄っ張りで負けず嫌いに加え、人の期待を裏切れない性格です。他の女生徒からは、「ワイルドの君」と呼ばれて憧れの的となっていますが、本人は自分のワイルドな性格を気に入っている訳ではありません。

わざわざ受験して藤女に入学したわりに勉強は苦手で、特に数学は絶望的です。生徒会長のマキが「恋愛の練習」と称し、抱き枕を抱えてキスの練習をしていた所を目撃したことがきっかけでマキと知り合い、「会長補佐」という名目だけの役職で生徒会役員に加入します。

マキたちからは「モテモテで恋愛経験豊富」と思われていますが、実際には男勝りな性格が災いしてか、失恋の連続で恋愛経験はありません。しかしそれを隠して想像で恋愛指南をする見栄っ張りな所があり、それで自分の首を絞める展開になるのがお約束です。
真木 夏緒(CV赤﨑千夏)

通称「マキ」といっても姓そのままですが。2年生。生徒会会長。もともと副会長でしたが、会長だったエノが職務放棄したため昇格しました。藤女幼稚舎から持ち上がりのお嬢様で、学業優秀で教師からの信頼も厚く、清楚な容姿と立ち振る舞いから「藤姫様」と呼ばれて女生徒達の尊敬を受けています。

実際はかなりの天然ボケキャラで、本人もそれを自覚しています。恋愛経験がないことから、恋愛に対する妄想が激しく、生徒会活動は彼女の意向により通常の業務に加え、「恋愛の研究」および「恋愛の練習」を行なう場となっていますが、校則で「異性との交際は禁止」となっていることもあり、教師や他の生徒にはひた隠しにしています。

密かに行っている「恋愛研究」は、「漫画やドラマでありがちな男性との出会い方の研究」「不意の気絶時に男性に『お姫様だっこ』される練習」、「生徒会の権限を利用して、裏庭を他生徒の出入りを禁止にした上で『ハンカチを落として、それを拾ってもらった男子と知り合う』シミュレーション」など突っ込みどころ満載のものばかりです。

恋愛以外のことに関しては常に冷静・的確で、「人の頼り方を知らない」ため、なんでも一人でやってしまう性格で、リコ加入以前の生徒会活動は事実上彼女一人で行なっていたほか、友人関係を構築することも得意ではありませんでした。

有名下着メーカー「トゥルーツリー(「真木」の直訳)社」の令嬢であるが、社長である父親がテレビ番組でランジェリーがテーマの自作の歌(♪寝ても覚めてもランジェリ~)を歌ったり、マキが年頃になった際に開発したファーストブラに「夏緒」の直訳である「サマーリボン」と命名するなどしていたことを「黒歴史」としており、彼女の前でランジェリーの話題をすることはタブーとなっています。

個人的に赤﨑千夏は注目している声優さんで、マキも非常に面白いキャラになっています。え?黒髪ロングの女性キャラが好きなんだろう?

棚橋 鈴音(CV水瀬いのり)

通称「スズ」。1年生。生徒会書記。天然ドジっ娘でもともと生徒会では存在感が薄く、姿を見せずに仕事をこなしており、リコからは「妖精」と呼ばれていました。性格は純粋で一途ですが、極度の人見知りかつ恥ずかしがり屋で、男子は苦手です。

ハリセン作りが得意で、それをリコがマキへのツッコミの道具として使っています。学業優秀で1年生首席ですが、体育は苦手です。
榎本 結子(CV佐倉綾音)

通称「エノ」。3年生。藤女幼稚舎からの持ち上がりで、美貌・学力・人当たりなど全てにおいて「まずまず」といわれる人物です。もともと生徒会長でしたが、当時副会長だったマキが仕事を一人で終わらせてしまうため、マキの能力や人気に嫉妬して、職務放棄しました。元会計のサヨと組み「マキ失脚計画」を企てましたが、作戦ミスで窮地に陥ったところをリコに助けられて和解し、改めて副会長として生徒会に復帰しました。

努力家で責任感も強く、面倒見も良いのだが、反面思い込みも強く、すぐに感情的になって泣いたりします。裕福な家庭で育ったためか、典型的なお嬢様気質です。

エノも結構お気に入り。眉の太い子が好きなんですよ、実は。
水嶋 沙依理(CV大地葉)

通称「サヨ」。3年生。生徒会会計。常に冷静沈着だがお金に目がなく、そのことでマキに目を付けられ生徒会への出入禁止処分を受けました。幼馴染みであるエノに付き合わされる形で生徒会の秘密を暴こうとしましたが、エノが復職したついでに自らも会計に復帰しました。

メンバー中ただ一人の彼氏持ちでありながら、恋愛には極めて淡白で、誕生日やイベントを全てスルーし、彼氏と半年間一度も会わなかったと言っています。洞察力が高く、リコが恋愛初心者であることを早い段階で見抜き、たびたびツッコミを入れていました。

「恋愛」に恋い焦がれるというシチュのため、「らき☆すた」とか「けいおん!」のように女の子ばかりという訳にはいかないようで、既に男キャラが登場しています。そのうち研究から実践に移っていくのかも知れません。

今日も暑かったですね。野宿は冬より夏なんていいますが、ここまで暑いと野良な方々も大変なことでしょう。

せめてこういう場所にいって一週間くらい静養してみたものです。

さて月曜はTARI TARIの日。いよいよ後半に入ってまいりまして、本日は9話と10話のご紹介です。ここまで天然な雰囲気をまき散らすギャグ要員だったウィーンがいよいよそのベールを脱ぎます。

まずは第9話。

白浜坂高校文化祭(略して白祭)では音楽劇をやろうという来夏。例によってその後の算段は全くなし。メインテーマだけ決めてあとは丸投げするタイプです。優秀なスタッフが揃っていれば案外いいプロデューサーになれるのかも知れませんが…。脚本とか音楽とか衣装とか大道具小道具など、5人でできるのか?肝心のお足もないぞ。

一方、西之端商店街も紗羽のお寺でイベントの企画会議中。各自が商売に頑張るだけだみたいな流れになってますが、それはイベントじゃない。結局例によって紗羽のママン、志保がご当地ヒーローというアイディアを出します。しかし基本おっさんおばさんばかりでなり手がいないという。

そこへ電話してくる紗羽。作曲が上手くいかない和奏が、まひるがどうやって作曲していたか訊きたいと告げると、志保の頭に閃くものが。合唱部5人全員連れてきなさい!とケーキで釣ります。

そこで志保から合唱部に持ちかけられたのがご当地ヒーローのアルバイト。確かに音楽劇をやるにはお金が必要です。提唱者の来夏はお金欲しさにやる気ですが、和奏と紗羽は引き気味。大智も美味しい話とジェットコースターには乗るなとばあちゃんが言っていたと。

しかし阿部高和さんのごとく「ところでこの衣装を見てくれこいつをどう思う?」と物置から引っ張り出してきたのが、かつて使ったというヒーロースーツ。それを見てウィーンの態度が一変します。

「それはとても崇高な任務です…!」いつになく燃えるウィーン。特撮戦隊物ガンバライジャーの熱狂的な愛好者のようです。そして決めぜりふを唱和する大智。お前もかい(笑)。

これがガンバライジャー。レッド、イエロー、グリーン、ピンク、ホワイトの5人組です。昔はブルーがいて、ブラックがいたりもしましたが、最近はホワイトなんでしょうか?ピンクとイエローは女性枠のようです。昔はイエローはちょっとふとっちょの力持ちで、ドジでカレー好きだったんですがね。すっかりリーダーのレッドになってしまったウィーンの主導の下、ウィーン豪邸で決めぜりふに決めポーズの練習です。戦隊名は、西之端ヒーロー・ショウテンジャー。そのココロは西之端商店街のヒーローだからとひねりもなにもありませんがな。

空回り気味に気合いが入るウィーンに、大智が「何かあったのか?」と一言。かしまし三人娘が気付かないところに気付く大智が素晴らしい。

ウィーンはウィーン在住時代、ヤンという年下の少年とガンバライジャーを通じて仲良しになりました。ウィーンが日本に帰ることになり、ヤンにはガンバレッドを渡して日本の事を色々と手紙で教える約束をしていました。しかしヤンの一家はいつの間にか引っ越しており、移転先は不明。ウィーンが送った手紙は後の入居者によって全部返送されてきてしまったこと…。ウィーンのメモはヤンへ伝えるためのものだったんですね。それを嘘情報ばかり言っていた女性陣…。まあウィーンは優しいから許してくれるでしょう。ただし来夏、テメーはダメだ。それにしてもヤンはとんでもないショタ美少年ですね。腐女子とか貴腐人方がウィーン×ヤンという薄い本を作りそうです。

一方話は変わって白浜坂高校校長室。校長から計画書を見せられて表情を変える少佐教頭。この前の理事長の話や、教頭の散り乱し方からして、音楽科の存亡に関わる話のような気がしますが、きっとこちらはラストまで引っ張るのではないかと。校長は所詮雇われの身とすっかり全面降伏モードですが。

アルバイトをするためには学校側の許可がいるということで、おそるおそる教頭に申請書を提出する合唱部の面々。しかし物思いに沈む教頭はろくに見もせずに判子を押します。拍子抜けだけど喜ぶ一同。

そしてショウテンジャー出動の第10話です。

商店街の路上で一人ヒーローを熱演するウィーン。何かが取り憑いたようにキャラが一変しています。

尻込みする他のメンバー。やっぱり初回は恥ずかしいですよね。でもお金もかかっているしやらないわけにはいかないと、来夏が引っ張り出します。

とりあえず全員で決めポーズ。商店街を歩く人々もあっけにとられていますが、きっと回を重ねればお互い慣れていくでしょう。

そこへ敵が登場。商店街のおっさん達です。やはりヒーローは悪役を倒さねばさまになりませんからね。

まずは子供達に受けて、次第に人々が輪を作って見物するようになっていくショウテンジャー。しかし、中には招かざる客もいたりして。合唱部の天敵・声楽部の子達です。


さっそく彼女らがチクッったらしく、翌日教頭に呼び出される来夏。一人では危ないと紗羽と和奏も同行します。さっさとやめんかいという教頭に対し、文化祭参加のためにお金が必要だし、そもそもあんた判子押したじゃんと対抗する来夏達。一度承認したものを駄目というのは教育者としてどうよ的発言で珍しくやり込めます。

教頭も計画書のせいでいつものキレがないみたいでやられっぱなしです。頭痛でもするのか眉間に指を当てています。



そんな教頭の心に去来するのは和奏ママン・まひるとの思い出。教頭若い!そして田中敦子に女子高生ボイスを出させるという暴挙(笑)。

そこへ引き返してきた和奏。まひるが甦ったかのように驚く教頭。和奏はまひるがどうやって作曲していたのかと聞きます。またもや教頭回想モード。


海岸を歩きながら楽しそうに作曲しているまひる。あなたみたいにはできないとこぼす教頭。

そんなことないよ、ナオ(教頭の本名は高倉直子です)や合唱部のみんながいるからできるんだよと笑うまひる。たまりませんな、大原ボイスは。

そしていつになく優しい表情で、やらなきゃやらなきゃと思っている状態では音楽は作れない。楽しめなきゃと異例のセリフを。はっとする和奏。そして思い出します。教頭がまひるの病室に見舞いに来ていたことを。

最後に会えて良かったというまひる。やややつれていますが女子高生時代とあまり変わらない若さです。まひるの方から来てくれるよう頼んだようです。そして笑いながら今度はだめみたいなのと。教頭涙の回想です。しかし死してなお印象の大きい存在ですね、まひるさんは。

一方好評につき続行するヒーローショー。みんなすっかり板についてきましたが…

来夏のバッグを置き引きというかひったくりする暴漢。自転車で奪取。来夏のバッグじゃあまり金目の物は期待できない気がしますが。

おいかけるレッド・ウィーン。自転車に追いつくところが恐ろしい。やはりガンバレッドが取り憑いているのか。

そして奪還して新聞に掲載され、一躍本当のヒーローになるのでした。

一方白浜坂高校では謎の測量が開始されます。詳細はおそらく次回判明することでしょう。
最後に「笑うTARI TARI」です。

マンゴーピンクになった和奏。マンゴービームは新体操風のリボンです。すっかり明るくなった和奏、ノリノリです。やはり女の子は明るく笑っている方がいいですね。

悪役のおっさんがぎっくり腰になってしまい、自ら悪役を買って出る志保。40過ぎのはずですが、いつもサーフィンをやっているせいか見事なプロポーション。流石は紗羽のママン。

まさかの紗羽VS志保。娘と母が正義と悪に別れて戦うなんてトンデモ設定はかつて戦隊モノにあったでしょうか?次回の戦隊モノでやってはいかがでしょうか。

ひったくり犯を捕まえたウィーン。殴られてしまいますが、なぜか夕日を背景に立ち上がります。

ガンバライジャーの主題歌を歌いながら犯人に迫るウィーン。犯人仰天。

と思ったとか思わなかったとか。

するといつのまにか傍らには、声を合わせて歌唱する大智の姿が。

さらに女性陣も歌いながらやってきます。戦隊ヒーローものの主題歌を合唱って凄いです。

犯人包囲網が完成。歌にびびりまくる犯人。

歌に驚くとはお前はゼントラーディー人か。ヤックデカルチャーとか言ったりして(笑)。
狂おしいほどに暑いですね。早く涼しくなればいいなあと思う反面、いざ涼しくなると去りゆく夏に寂しさを感じるものなのでしょうか。

さて「好きな声優さん」シリーズで紹介できなかったキャラを紹介していく「好きなアニメキャラ」、4回目の今日はアンリエット・ミステールです。


アンリエットは、身長164cm、体重51kg、スリーサイズは不明ながら抜群のプロポーションをしています。血液型はB型で、2月27日生まれの17歳です。


私がこれまで見たアニメの中で一番狂っていた(褒め言葉です)「探偵オペラ ミルキィホームズ」の登場人物で、偵都ヨコハマにある、ミルキィホームズの4人が通うホームズ探偵学院の生徒会長です。生徒はもちろん、教職員からも信頼されているお嬢様で、実質的に学院の全ての権力を掌握しており、学院長すら彼女には逆らえません。

しかしそれは表の顔、裏の顔はなんと怪盗アルセーヌなのでした。「ミルキィホームズ」の世界ではトイズという先天的な特殊能力があるという設定で、この能力を正しく活用するのが探偵、悪用するのが怪盗となっています。


「ミルキィホームズ」のOPでは「トイズ、それは選ばれし者の心に膨らむ奇跡のつぼみ。ある者は清浄の花を咲かせ、ある者は毒の花を咲かせる。大探偵時代、美しさを競いあう二つの花その名を探偵と怪盗といった」というナレーションがされています。


アルセーヌは「幻惑」のトイズを持ち、当初は無名の怪盗でしたが、三人の部下(スリーカード)を得て「怪盗帝国」を結成したことで一躍有名な怪盗となりました。世界を謎で包むことを理想としており、怪盗は探偵と共に謎を彩る者であるとしています。


アルセーヌの名前は当然アルセーヌ・ルパンに由来しており、怪盗紳士と言われたルパンの名に恥じず、無闇に人を傷つけることを望まず、強盗のような怪盗のことは人間としても認めないとしています。


アンリエットの名前はルパンの母であるアンリエット・ダンドレジーに由来しているようです。アルセーヌは目元を隠す黒いマスクをしているだけなのですぐに判りそうなものですが、ミルキィホームズは誰も全く気付かず、アンリエットの部屋からアルセーヌのコスチュームを発見した際にも


「私たちもびっくりです。アンリエットさんは、コスプレ好きだったんです!」
「なーんだぁ」
「コスプレかぁー。一瞬本物のアルセーヌかと思っちゃったー」
「ハイクオリティ」
「驚きましたねー」


というお馬鹿な会話をしてスルーしています。まあキチガイアニメ(繰り返しますが褒め言葉です)なので…


探偵学院の生徒会長と怪盗帝国のリーダーの二つの顔を持つ理由は劇中明らかにされていませんが、生徒会長としてミルキィホームズを厳しく扱うことが多いものの、基本的には彼女たちを暖かく見守っており、時には裏から手助けすることもあります。


私はプレイしたことがないのですが、ゲーム版のミルキィホームズはかなりちゃんと探偵をしているそうなのですが、アニメ版では全員トイズを失ってまともな探偵活動ができなくなっており、トイズの力に頼りきっていた面々はダメダメな探偵に成り下がってしまっています。


アンリエットは、生徒会長から退学勧告を言い渡し、3ヶ月以内の猶予の間にトイズの能力を復活させるべく奮闘するのですが、回を追う毎にぶっ飛んだ内容となっていくのでした。


第一期最終回ではトイズを取り戻して大活躍を見せたのですが、またなぜかすぐに失ってしまい、第二期第1話では探偵であることすら忘れ去って農家になるという狂気の展開(しつこいですが褒め言葉です)を見せてくれました。


アンリエットは、自分のライバルであって欲しいと切望するミルキィホームズに何かと助け船を出すのですが、その甲斐もなくますますダメダメになっていく姿に次第に苛立ちを強めていき、第7話では遂に完全にキレてミルキィホームズを見限り、ホームズ探偵学院を廃校として、怪盗帝国も解散して学園を去ってしまいました。キレてはいても、ホームズ学院の一般生徒に対しては他の探偵学校への転校などしっかりフォローはしていました。


作中トップクラスの巨乳であり、怪盗アルセーヌとして登場する時はそのプロポーションを惜しげもなく晒していました。生徒会長をしている時も無論胸の大きさは変わりませんが、露出度は控えめにしていたのでその落差がまた強力なインパクトを与える形になっていました。

CVは明坂聡美。1988年1月2日生の25歳で、中学生時代に芸能活動を開始し、2004年から声優として活動しています。芸能活動を先行していただけあってご覧のとおりの美形なのですが、彼女の出演作品とはどうも縁がなくて、主演級他のキャラは残念ながらあまり知りません。

かつては東京MXテレビで「明坂聡美の明けテレ」という冠番組(2011年4月~同年12月)を持っていた稀有な声優の一人だそうです。

2011年に所属事務所を移籍し、歌手活動も開始しています。

本日も暑いですね。暑いですが、ウォーキングに出かけた結果は先週の土曜日よりはるかにましでした。先週土曜日よりは気温が少しは低いせいなのか、風がかなり吹いていたせいか、身体が猛暑になれてきたためか。お盆の帰省を終えた人はお疲れ様でした。今日明日休んで来週に備えて下さい。

ちょっと奥様聞きまして?北海道でも30度を超える場所がある中、釧路は23度ですってよ!最低気温じゃありませんよ、最高気温ですからね。これからは別荘作るなら軽井沢より釧路で、7~8月は釧路で過ごすべきではないでしょうか。

さてギャルゲーの土曜日、引き続きアリスソフトの超大作地域制圧シミュレーション「大番長」です。

カントウを支配するPGGを打倒した狼牙一党の次の敵は、東北・北海道地方の変わり果てた姿であるホッカイドウを支配する恐るべき吸血鬼の帝国・ナイトメア・アイズです。

ホッカイドウ地方は現在の東北の一部を含まれており、本拠地トランシルバニアの他、サッポロ、エゾ、アバシリ、アオモリで構成されています。

ナイトメア・アイズは学聖歴9年、学連総長暗殺事件直後に北の地に現れた勢力です。それまで北の地を治めていたホッカイドウ連合はヴァンパイア『カミラ・バトリー』率いる吸血鬼軍団の手によってわずか二週間で陥落、消滅しました。

カミラ・バトリーを頂点に、その組織体制は絶対的な王制となっています。ヴァンパイアに血を吸われ吸血鬼になったもの達がさらに血を吸い、手駒である隷(シモベ)を増やしていきます。
人間がいる限り、吸血鬼の数は延々と増え続けていきます。北の地に住む人々は、いつ彼らに襲われるかと怯えて暮らしています。

ホッカイドウに侵攻するには、中立地帯の新型(にいがた)を取る必要があります。そこからは必然性はないもののMoo!にも行くことができます。ナイトメア・アイズと接続すると向こうからも侵攻してくる可能性があるのでさっさとこちらから仕掛けましょう。

それではナイトメア・アイズのキャラです。

カミラ・バトリー

ナイトメア・アイズ総長。人間を見下し、恐怖で支配する恐るべき吸血鬼です。弟のプラムを溺愛しているかなりのブラコンですが、実際には真祖の吸血鬼であるプラムによって記憶を操作され、ヴァンパイアとして仕立て上げられた本来は人間の吸血鬼です。条件を満たせば人間に戻り仲間になります(本ゲームにおいては吸血鬼化しても人間に戻ることが可能という設定になっています)。

本来の性格であるカミラ・ハウラは心優しくおしとやかな女性です。人間に戻ったカミラは、大番長でも屈指の私の好きなキャラです。

梶山 章門(かじやま しょうもん)

サッポロ地区支配を担当しています。かつてはホッカイドウ連合総長であり、人格者として周囲から尊敬された人物でしたが、カミラに大量の血を吸われて吸血鬼化史、現在ではほとんど理性を失くしてしまっています。
ウルルカ

エゾ地区を支配する「摩周学園」の番長です。かつての盟友である梶山を変わり果てた姿にしたカミラを憎みながらも、エゾの人々を守るためにカミラに従っています。

モデルはサムライスピリッツのナコルルではないかと思われますが、2Pキャラの紫ナコルルやその派生キャラであるレラの方に近いかも知れません。激情を冷たく凍らせた心の中に押し込めています。


ホッカイドウ攻略に時間がかかりすぎるとウルルカは吸血鬼化させられてしまい、仲間にできなくなってしまいます。

月臣 鬼人(つきおみ きびと)

アオモリ地区の支配を担当する錬金術師で、シオンの生みの親、月臣遥の弟弟子であり、遥を殺害した張本人でもあります。カミラによる暗示の結果、研究のためには手段を選ばない狂人と化しており、紅飛沫大門を狂戦士に改造しました。仲間にすることは可能で、狼牙軍団に捕獲されたあとは過去の行いを悔やみ、シオンに説得されて狼牙軍団に加わりますが、私は面倒なのであまり仲間にせずに抹殺していました。
紅飛沫 大門(べにしぶき だいもん)

鬼人に改造された巨漢の特体生で、破壊と殺戮の衝動に駆られています。仲間にすることは可能で、仲間になってからも暴れん坊でぶっきらぼうな態度を取りますが、行動そのものは善行ばかりです。このキャラも面倒なので仲間にしたことがありません。野郎キャラにはとことん冷淡なのでした(笑)。
ねこ番長

黒の学ランを着た、二足歩行で喋る謎の猫です。トランシルバニアに忍び込むがあっさり見つかり、殺されないために自分を売り込みました。仲間にできますが使えるキャラかといえば……ネタ担当といったところでしょうか。
プラム・バトリー

カミラの弟で、普段はあどけない表情をした少年です。しかしその正体は、300年以上の時を生きるヴァンパイアの王であり、ナイトメア・アイズの真の支配者です。狼牙の許嫁である久那妓の持つ力を自分のものにすべく狙っています。
ミレル・バトリー

トランシルバニアの人間牧場の管理を担当するドジッ娘吸血鬼です。カミラに吸血され、暗示によって自分を「カミラの妹であるヴァンパイア」と思い込まされている元人間の吸血鬼です。カミラを強く慕っているが、当のカミラには軽蔑されて冷酷な仕打ちを受けています。カミラの前では本来の大人しい性格になるが、離れると吸血鬼らしい残虐さが露になります。カミラ同様本来のヴァンパイアではありませんが、暗示ではなく本当にカミラの妹なのでした。

この人がエスカレイヤーの変身前の姿である高円寺沙由香に似ていると思うのは私だけでしょうか?

続いてナイトメア・アイズ攻略に際して仲間にしうるキャラです。

緋皇宮 神耶(ひおうぐう かぐや)

魔族を狩ることに固執する寡黙な少女で、猫耳らしきものが生えています。何らかの研究によって作り出された、魔物と同質の存在のようです。背中の棺に入っているのはパートナーのルヴァウルで、神耶のパートナーであり、異形の怪物であるとともに、神耶の名付け親でもあります。言動は陽気で、神耶をからかうような発言も多くします。その真の姿はイベントで見ることが可能です。
森沢 毬音(もりさわ まりね)

「バレーボーリング」という、文字通りボーリング球でバレーボールをするというすさまじく危ない競技に打ち込むスポーツ少女です。狼牙とは一時期対立し、感情的になった毬音はナイトメア・アイズに走りますが、捕獲し謝って和解すれば仲間にすることが可能です。
シオン

狼牙のヒロイン候補の一人で、錬金術師・月臣遥によって作られた魔導人形です。製作過程で感情が芽生えており、肉体的に成長しないことを除けば人間と変わりありません。

生みの親である遥の死後も「死」というものを理解できずに死体となった遥の世話をし続けていましたが、狼牙によって事実を知らされ、遥の遺言に従って同行することになります。返事は「あい」。

ムー大帝

ブラックオニキス、ムーンストーン、ファイアクリスタルを所持の上、Moo!をムーの民(ムーのたみ→ムーミンということでちょっと不気味なカバの姿をしています。住んでいるのは「むー民谷」)を一匹も殺さずに制圧すると選択できる地域イベント「大帝の復活」で仲間になります。ムーの民を一匹も殺さずに制圧するには非常に手間がかかるのでお目に掛かることは少ないキャラです。元ネタはGガンダムに登場する東方不敗のような気がします。

ナイトメア・アイズを攻略すると東日本は制圧完了で、今後狼牙一党の矛先は西に向かうことになるのですが、残るのはカンサを支配する最大勢力の護国院、キュウシュウで抗争を続けるホーリーフレイムとスカルサーペントという二大勢力、そして学生連合本部がある岡耶麻や、万里の長城に守られて難攻不落な三国といった中立地帯です。

お盆も終わって8月16日。例年通り各地の河川では灯籠流し(或いは精霊ながし)が行われ、京都では五山の送り火が行われたことでしょう。大阪時代、京都テレビ(だったと思いますが)が1時間に亘って五山の送り火の模様を放映していましたが、実に静かでいい番組だと思いました。関東地方でも放映してくれればいいのに。

お盆が過ぎると空には秋の気配…だったらいいのですが、秋の気配は鬼太郎の妖怪アンテナでも感度ゼロだろうとほどに全く感じられません。ただ日暮れの時間だけは早くなったという気がしますが。

中国美女列伝の金曜日ですが、誠に勝手ながら一身上の都合で予定を変更させていただき、本日は野沢尚の「魔笛」です。野沢尚の著作はかつて「破線のマリス」を読んだことがありますが、当ブログでは初めての紹介となります。

野沢 尚(1960年5月7日~2004年6月28日)は愛知県名古屋市出身の脚本家・推理小説家です。父は京都大学名誉教授の野沢謙、叔父はフランス文学者で元都立大教授の野沢協、祖父の兄弟(大叔父)に京都学派の哲学者の田辺元がいます。日本大学芸術学部映画学科を卒業していますで、テレビドラマの脚本で高い評価を受ける一方、ミステリー小説にも幅を広げました。
中学時代から映画監督志望で、8ミリカメラで自主映画を作っていましたが「映画はまずシナリオありき」と思い立って、独学で勉強を始めたのが脚本家になったきっかけだそうです。北野武の映画監督デビュー作「その男、凶狂暴につき」(1989年)の脚本を手掛けたことでも知られています。1998年には連続ドラマの「眠れる森」「結婚前夜」の脚本で第17回向田邦子賞を受賞しています。これは当時最年少での受賞でした。

小説では1997年に「破線のマリス」で第43回江戸川乱歩賞を、同年「恋愛時代」で第4回島清恋愛文学賞を受賞しています。2001年には「深紅」で第22回吉川英治文学新人賞を、2002年には「反乱のボヤージュ」で芸術選奨文部科学大臣賞を受賞しています。
しかし2004年6月、事務所で首吊り自殺をしているのが発見されることになります。発見は28日ですが、死後数日が経過していたそうです。自殺の2か月前に放送されたテレビドラマ「砦なき者」は、野沢尚の小説を自ら脚本を手掛けていますが、テレビの作り手と視聴者の関係悪化に警鐘を鳴らす内容で、自殺を仄めかすテレビへの絶望が描かれていたそうです。 なお、知人宛に、
「夢はいっぱいあるけど、失礼します」との遺書が残されていたそうです。詩を選択したことについては軽々に論じることはできませんが、早世は惜しまれます。

なお、自身が手掛けた脚本が現場で大きく変えられたことが2回あるそうで、北野武に直された「その男、凶暴につき」は、完成された映画が傑作だったので許したそうですが、村上龍に直された「ラッフルズホテル」は、“日本映画史上の汚点のような大駄作”にされたと嘆いていたそうです。

「魔笛」は2002年に講談社から刊行され、2004年に講談社文庫から文庫版が刊行されています。例によって文庫版裏表紙の内容紹介です。

白昼、渋谷のスクランブル交差点で爆弾テロ!二千個の鋼鉄球が一瞬のうちに多くの人生を奪った。新興宗教の教祖に死刑判決が下された直後だった。妻が獄中にいる複雑な事情を抱えた刑事鳴尾良輔は実行犯の照屋礼子を突きとめるが、彼女はかつて公安が教団に送り込んだ人物だった。迫真の野沢サスペンス。
「魔笛」の特徴は、上記爆弾テロの実行犯である照屋礼子が書き上げたという体裁を取っていることで、冒頭に「辞」として照屋礼子による前書きが記されています。実はサスペンスとして楽しむ場合、これを読まない方が特に終盤ハラハラドキドキできるので、冒頭に持ってきたことの是非は議論があるところかと思われます。
照屋礼子は沖縄県警の公安刑事として実績を上げて警察庁警備局公安課の目に留まってに引き上げられ、過激派組織に潜入した後は「オウム真理教」をモデルとしたとみられる新興宗教「メシア神道」に出家信者として潜入します。このメシア神道、霞ヶ関で連続爆弾テロを引き起こしたり、富士山麓で巨大な教団施設を建設したりと、あまりにもオウム真理教に似ているため、「この作品はフィクションであり…」という例の断り書きはあるものの、江戸川乱歩賞に推されながらも受賞は逃したとか。
脚本家だけあって、描写は極めて映像的というか、情景が目に浮かぶような表現が多いのですが、それだけに冒頭の爆弾テロのシーンの惨状は目を覆うばかりです。
本書はサスペンスだけどミステリーではありません。何しろ犯人自らが語り手となっていますから。そして公安刑事がいかにして教団信者に堕ちてしまったかを描く作品でもありません。実は照屋礼子は「殺人鬼フジコの衝動」が描くフジコ並か、それ以上のシリアルキラーなのです。小学生時代に友達と担任の先生の2人を殺害しており、それが発覚しないままに警察官になったという恐ろしい人物です。つまり、警察官が狂信者になってしまったことが恐怖なのではなく、精神異常者が警察官になったことの方が恐ろしい事態だといえるでしょう。
そういう狂人というか凶人を狂信的な宗教団体に送り込んだらどうなるのか、その回答がこの作品ということもできるのでしょうが、それだけに、犯人自身の記述でありながら、“どうして自分はこういう人間になったのか”という根源的な疑問には一切回答していないので、謎は深まるばかりです。
本書では公安警察という深い闇のような組織の一端が描かれていますが、こういう作品を読むときにいつも思い浮かぶのは「講釈師見てきたような嘘をつき」という狂句なのですが、本当なのかね?という疑問です。フィクションだと銘打っている以上、深刻に考える必要はないのかも知れませんが、滅茶苦茶巨大な組織とか結社の存在を前提にして、「○○はCIAの陰謀だ」「いやユダヤ人の陰謀だ」「いやいやフリーメーソンの…」とやってしまえば確かに何でも解釈は可能なのですが、参考文献は読んでるにせよ、やはり一作家に真実を究明するだけの力はないのではないかと。
公安警察が故意に事件を引き起こさせて自分の組織の強大化を図る…といえばもっともらしいのですが、本当にそんなに一枚岩の組織なのかな?とか、本書でも刑事警察と公安警察の確執が描かれていますが、警察の中にあっても忌避する勢力がある以上、警察の最高幹部にだって公安とは無縁な人だっているんじゃなかろうか、そういう人達を相手に公安警察はそんなに強権を発揮できるんだろうかなんて考えたりして。
照屋礼子を追う刑事警察の鳴尾良輔は、殺人犯である籐子(フジコではなく、トウコです。「藤」じゃなく「籐」)と獄中結婚したために巡査部長から先出世の見込みはありませんが、籐子が殺した元夫が警察幹部と癒着していたこともあって、警察組織内で「飼い殺し」状態になっています。鳴尾が獄中の籐子の手助けで事件の核心に迫っていくのですが、その様子は照屋礼子が公安組織に持つ協力者(愛人?)によって逐一報告され、照屋礼子は鳴尾が自分と対決できるだけの人物かを探って様々な挑戦をしてくるのでした。
肉体派というか行動派の鳴尾をサポートする籐子が獄中にありながら安楽椅子探偵の如く推理を働かせるのですが、なぜ籐子がそんなにも推理力に優れているのかは実は謎です。彼女の半生にそんな推理力を養うような経験はなかったし、素質があったのだとしか言えないのですがそれなら夫殺害に至るまでになんとかならなかったのかという気もします。
終盤、照屋礼子が放った刺客は獄中の籐子にも迫るのですが、この刺客がまるで照屋礼子が乗り移ったかのように籐子殺害に執念を燃やすのですが、どうしてそこまでコントロールできるのかも謎です。教団の洗脳手法とか薬物とかを応用したものか。しかし、獄中に送り込むところまではともかく、その後の行動は本人の資質次第なので、この点についても刺客にそれだけの能力があったとは思えず、行動に疑問が残るところです。

この作品は、「よく考えると…」という場面がかなり多いので、スピーディーな展開とか手に汗握る爆弾処理シーンなど、映像化して見るべき作品なのかも知れません。ただし、メシア神道がオウムに似すぎている点が映像化の際のネックとなるでしょう。照屋礼子を演じきれば、その女優さんの新境地になるのではないかと思うのですが。個人的には篠原涼子あたりにやってもらいたいですが、ご本人がやりたがらないかも知れませんね。

すでに16日の精霊流しとか盆踊りを待たずしてUターンラッシュも始まっているそうですね。今年は曜日の関係で18日位までいられそうな人も多いのではないかと思いますが、居られるということと居たいということ、または居てもらいたいということはイコールではない。その通りですね。ま、なんだかんだ自宅・自室が一番落ち着いたりしますよね。

本日はサラリーマン・OL部門で41位に上がっています。あざーす。これからもオナシャス。さてそんなことはさておき終戦記念日です。この日はいろいろと政治的な言動も多いと思いますし、私自身も思うところが一切ない訳でもないのですが、当ブログは極力ノンポリ路線で進む所存ですので諸々はさておきます。とはいっても全く無視というわけにもいかないので、本日の記事は横山秀夫の「出口のない海」です。横山秀夫はこれまでに何冊も読んでいるのですが、当ブログで紹介するのは初めてです。

横山秀夫は1957年1月17日生。東京都出身で、大学卒業後の1979年に上毛新聞社に入社し、12年間新聞記者として勤務しました。1991年に「ルパンの消息」が第9回サントリーミステリー大賞佳作を受賞したことを契機に退社し、以後フリーランス・ライターの傍ら警備のアルバイトなどをし、1998年に「陰の季節」で第5回松本清張賞を受賞して小説家としてデビューしました。

その他の主な受賞歴は、2000年に「動機」で第53回日本推理作家協会賞(短編部門)受賞。2004年に「クライマーズ・ハイ」で第1回本屋大賞第2位。2013年に「64」で第10回本屋大賞第2位となっています。
文春ミステリーベスト10(2002年)の1位となり、また「このミステリーがすごい!」(2003年)の1位になっている「半落ち」という作品は、直木賞候補となったものの、選考委員の事実誤認により落選してしまっています。特に林真理子の因縁の付け方はただ事ではないのですが、詳しくはhttp://www5a.biglobe.ne.jp/~katsuaki/sesou49.htmをご覧下さい。林真理子の小説とかエッセイはこれまでほとんど読んだことがないのですが、今後も読むことはないでしょう。

これまで私は、D県警シリーズの「陰の季節」と「動機」、「ルパンの消息」「半落ち」「クライマーズ・ハイ」「深追い」「臨場」などを読んで来ました。どの作品も面白く、特に「ルパンの消息」は1991年のデビュー作でありながら、刊行は2005年5月という異色作で、その間に十分な改稿作業を行ったせいかよく練られていて印象的な作品でした。日高先生カワイソス。

さて「出口のない海」ですが、1996年に「出口のない海-人間魚雷回天特攻作戦の悲劇」として講談社マガジン・ノベルス・ドキュメントから刊行された作品を前面改稿し、2004年8月に講談社から単行本が刊行され、2006年7月に講談社文庫から文庫版が刊行されています。警察小説を中心としたミステリー作品を中心にしている横山秀夫としては、異色ともいうべき特攻と野球青年を描いた作品です。
例によって文庫本裏表紙の内容紹介です。

人間魚雷「回天」。発射と同時に死を約束される極秘作戦が、第二次世界大戦の終戦前に展開されていた。ヒジの故障のために、期待された大学野球を棒に振った甲子園優勝投手・並木浩二は、なぜ、みずから回天への搭乗を決意したのか。命の重みとは、青春の哀しみとは―。ベストセラー作家が描く戦争青春小説。
甲子園の優勝投手だった並木は弱小A大学野球部の救世主と期待されましたが、肘の故障により何年も棒に振っています。投球はできるようになりましたが、かつての剛速球は戻ってきません。そこで新しい変化球、二回の変化を見せる「魔球」の開発に取り憑かれていきますが、折しも太平洋戦争が勃発し、次第に野球をやりずらい情勢になっていきます。ついには学徒出陣という状況になり、魔球は生み出せないままに並木も海軍に入営していくことになります。

文中、昭和18年10月21日に明治神宮外苑競技場で開催された文部省学校報国団本部主催の出陣学徒壮行会の描写があります。この壮行会についてはYouTubeに動画があります。

http://www.youtube.com/watch?v=cGDN8LBawoM

9人のレギュラーとマネージャーの10人しかいないA大野球部の有様や、並木と並木の妹・幸代の友人美奈子との淡い恋愛模様など、青春小説部分だけでも面白いのですが、海軍では戦局を挽回すべく人間魚雷・回天の開発・配備を決定します。回天搭乗員となった並木は潜水艦に乗って出撃していきますが…

ちなみに回天は初の特攻兵器で、終戦までに420機が生産されました。九三式三型魚雷(酸素魚雷)を改造し、人間が乗り込んで操縦できるようにしたもので、炸薬量は1.55トンあり、一撃で戦艦でも撃沈できるとされていました。別称は的(てき)、〇六(マルロク)など。
酸素魚雷は無航跡、高速、長い航続力を特徴とする日本独自の魚雷でしたが、誘導装置がないためロングレンジからでは命中率が非常に悪く、また米海軍が優勢になると接近すらも困難になって使用機会がなくなっていきました。そこで長距離から発射しても必中を期すべく、人間が操縦するというのが回天のコンセプトなのですが、脱出装置はなく、一度出撃すれば攻撃の成否にかかわらず乗員の命はないという恐るべき兵器でもありました。

当初は港に停泊している艦船への攻撃(泊地攻撃)が行われましたが、米軍が防御を固めて泊地攻撃が困難になると、水上航行中の船を目標とする作戦に変更されていきますた。つまり搭乗員には動いている標的を狙うこととなり、潜望鏡測定による困難な計算と操艇が要求されることになります。
回天は故障が多く、潜水艦に搭載して出撃しても発進することができないままに生還することが多々あったようです。本書で切ないのは、生還を喜ぶどころか、何故他の者のように死ねなかったかと罵倒し、手でスクリューを回してでも死んでこいという理不尽な周囲の連中による虐待です。そのため回天搭乗員は精神的に追い詰められ、即座に次の出撃を志願していくことになります。時代の罪なのか国家の罪なのか……。日本人の国民性とかじゃなければいいのですが。

入営前のA大野球部と新宿ガラクターズの早朝の壮行試合のシーンはとてもいいです。戦争後、A大野球部員は次々と復員していきますが、並木とマネージャーだった小畑だけは戻ることがありませんでした。並木の回天は訓練中の事故で沈んでしまったのですが、敵兵を殺傷することがなかったことは並木にとっては慰めだったかも知れません。戦後に並木の執念のよってか浮上した回天からは、遺書が発見されました。そこに書かれていたのは…。
ラストは、80歳を過ぎたかつての野球部員が昔の美奈子そっくりの孫娘にせがまれて昔話を始めようとするところで終わっています。美奈子は並木の遺志を継いでくれたんですね。結ばれることはなかったけれど、並木の魂も浮かばれるというものです。

2006年には映画化されています。主演は市川海老蔵。映画ではA大学は明治大学ということになっています。明治なら弱小とは思えないのですが、戦前は弱かったのでしょうか?

お盆と言うことでお休みの方も多いせいか、アクセスが増えております。本日のランキングは日記ジャンルで447533人中212位、サブジャンルの会社員・OLで46468人中43位。上位0.1%ですなあ。ありがたいことです。

もう十数年前ですが、お盆の時期に出勤してショートカットのために大きな公園を横切っていた朝、私やその他のリーマンの群れを見て「休め!盆だ!」と叫んでいた自主的公園不法居住者のおっさんがいたのを思い出しました。むろん皆無視してすたこらと歩いていたのですが、リーマン達の「あんたはいつも休んでるだろが」というツッコミの雰囲気が瞬間見えたような気がしました。私はむしろそういうおっさんにもお盆の時期という認識があったことに感心したものですが。
本日はちはやふる名言集の第二弾です。早速行ってみましょう。

① 「きっと最初は誰かに言ってもらったんだ。“才能がある”。宝物にしてきたんだ。簡単に触れないで」(綾瀬千早)

第21話より。名人とクイーンへの挑戦者を選出する東日本予選(東西の優勝者が戦って挑戦者を決定します)が開始され、千早は小学生ながらA級になって話題をさらっている立川梨理華(CVはピカチュウ声優大谷育江)と対戦します。「感じ」の良さを武器に、詩暢と同じく小学4年生でA級に昇級した梨理華は、詩暢に続く才能の持ち主と期待され「天才梨理華」と呼ばれています。


かつてママンと同じく耳が大きいせいでいじめられていた梨理華は、髪で耳を隠していましたが、かるたと出会って先生に耳の良さを褒められたことで自信をつけ、むしろ耳を出すようになりました。

年齢離れしたスピードを持つ梨理華に対し、千早は原田先生から早く取るのをやめるように指導されており、遅くても着実に札を取っています。

千早が自分と同じようにスピードタイプだと聞いていた梨理華は、実際の千早のスタイルが違うのが不満なようです。そんな梨理華が自分に似ていると感じる千早は、彼女の心が手に取るようにわかります。

「大人の中で勝負できるのが嬉しくて…。「早い」って言われるのが楽しくて…」

そして原田先生から早く取っていいよのGOサインが。見違えるように早い千早のスピードに圧倒される梨理華。子供相手に全力というのも大人げない気がしますが、常に全力勝負が千早のモットーですから。

敗勢に涙ぐみ、しゃくり上げながらも戦い続ける梨理華。ここでの梨理華ママンの

「かるただってなんだっていい。何かを大好きになって欲しい。自分を大好きになって欲しい。」という言葉も泣かせます。

試合後、会場を出ようとする梨理華に、観衆の「若宮詩暢の再来って言われてたけど、あれほどの才能じゃないね」といった声が聞こえてきます。思わず扉を閉じてしまう梨理華。後ろから来た千早が扉を開けて「チョコレート!」と叫び、周囲の観衆も選手がいることに気付いて口を閉じます。

その後に冒頭の千早のモノローグが来ます。梨理華も誰かに才能があると言って貰ったように、千早もかつて新に「かるたの才能あると思うわ」と言われ、それを宝物のように大事にしてきたのです。才能があるとかないとか、無責任に(しかも本人に聞こえるように)言うなという千早の怒りが伝わってきます。

② 「ああ…ダメだ俺。千早が好きだ」(真島太一)

第23話より。元クイーン山本由美の経験と執念のモメ戦法に惨敗した千早。控え室のクローゼットに立て籠もってしまいます。天岩戸?

番人は一人でするという太一。他の部員は観戦に向かわせます。流石は部長。太一は千早の悔しさを思いやります。そこへ新からのメール。内容を教えると千早は中から扉をドンドンと叩きます。ポルターガイストか!

「判るよ。必死にやって負ける悔しさも。誰にも会いたくない気持ちも。判るけど、俺の言葉じゃ何にも届かない気がする。新じゃなきゃ駄目な気がする。」

基本的にリア充属性でそんな気持ち理解できなさそうな太一ですが、幸か不幸か競技かるたにはまってしまったのが運の尽きで、いらん苦労を島倉千代子です。まあそこで精神的に成長している訳ですし、我々が太一に好感を持つわけですが。かなちゃんが原田先生とドS須藤が戦うから見に行こうと呼びに来ます。

すると突如クローゼットの扉が開き、涙目の千早が「なにやってるの!」と。お前…(笑)。扉に寄りかかっていた太一、思わず倒れ込みます。

涙を浮かべたままの千早が言うには、「太一こそ見なきゃ!原田先生と須藤さんの試合。来年はA級でみんなライバルでしょ!」太一の顔に落ちる千早の涙。千早に腕をつかまれて起き上がろうとした瞬間に冒頭の台詞です。

③ 「悔しい…悔しい…!あの日悔しくて良かったって、いつか笑っていいたい!」(綾瀬千早)

同じく23話より。東西の予選を勝ち抜いた4人が名人戦とクイーン戦の挑戦者の地位をかけて激突します。3本勝負のようです。同じ相手と3回戦うのはきつそうですね。

クイーン挑戦者決定戦はモメ由美対逢坂恵夢。翌年千早が団体戦準決勝で激戦を戦う恵夢の初登場でした。

府中白波会から名人戦挑戦者決定戦に出場した坪口広史。会で一番の実力者で、原田先生の悲願「白波会から名人を」の夢に挑みますが、西日本代表に敗れてしまいます。最初は明るく振る舞っていた坪口ですが…

原田先生を見るやしがみついて慟哭。全力で戦った結果ですから原田先生も何も言わずに抱きしめます。その様子を見ての千早の冒頭のモノローグでした。

④ 「『ここにいたらいいのに』って思う人は、もう“家族”なんだって。付き合いの長さも深さも関係なく」(駒野勉)

またまた23話より。名人・クイーン戦挑戦者も決まり、期末テストも終わって一段落の千早達。クラスメートにかるたばっかりやり過ぎだと心配されます。クリスマスイブにクラスの打ち上げ会に参加することになります。「予定ないんでしょう?」「あるよ。かるたの練習」「はーい!綾瀬さん参加!駒野君も!」の会話が笑えます。


各クラスで打ち上げ会があるようで、かるた部はお休みになります。普通のコーディネートで現れた千早にどよめくクラスメート。黙ってればこれほどの美少女もなかなかいません。

クラスメートとの会話で、他のマイナー部活(登山部とか茶道部とか)の活動を聞いたり、かるた部はがんばっているなんて言われたり、外部との接触を楽しく思う千早でした。



かなちゃんは鍋奉行、肉まん君はボーリングと打ち上げを楽しむ中、クラスの打ち上げと称しながらなぜか自分以外女子しかいないカラオケボックスに焦る太一。このクラス美人ばっかだ。

興奮気味の机君が千早のところにやって来て、「女の子といっぱい話せたよ!」。太一のことばっかり聞かれたそうですが、嬉しそうだからまあいいでしょう。かるた部に入る前はクラスメートから気持ち悪がられていたことを思えば長足の進化です。机君自体大きく成長してますからね。

千早も結構楽しんでいますが、「部のみんながここにいたらもっといいなあ」と一言。これに対して冒頭の机君のセリフです。これを聞いて千早の胸に去来するのは新の姿。

二次会に向かう途中、新に電話する千早。福井南雲会も打ち上げをしているところでしたが、すぐに出る新。声を聞いただけですぐ切ってしまう千早でしたが、初々しいやりとりがいいですね。千早の心は完全に新に向いていることが判ります。

太一…太一には新を突破する能力はない…気の毒だが…

近日第三弾もやる予定です。
お盆ですね。月遅れのお盆というのでしょうが、7月よりこっちを正規のお盆とみなしていいのはほぼ日本全国共通のような気がします。故郷でお過ごしの皆さんは命の洗濯にいそしんで下さい。

それにしても暑いですね。消防庁によると、熱中症で今月5~11日の1週間に救急搬送された人が全国で9815人、うち搬送時に死亡が確認されたのは17人(速報値)だそうですが、またチベット高気圧と太平洋高気圧でダブル高気圧とかいうふざけた気象状況になっているとか。
本日は歌で妄想する「秒速5センチメートル」行ってみましょう。夏って、というかお盆の時期って何やら思い出が近くなってくるような気がしませんか?ということで第三話の貴樹にとっては「昔の女」である種子島の少女・澄田花苗の第二弾です。花苗が告白に成功して貴樹と付き合っていたらという妄想は先週と同じですが、前回はまさに曇りのち晴れなハッピーな展開でしたが、今日はややビターに行きましょう。

妄想の題材はCoCoの「なぜ?」です。ああ「強く儚い者たち」のって、節子それCoCoと違う、Coccoや!CoCoについてはおよそ1年前の2012年8月15日の記事
http://nocturnetsukubane.blog.fc2.com/blog-date-20120815.html
で取り上げているので詳しくはそちらを参照していただければと思います。その記事ではCoCoの好きな曲ベスト5の一曲として「なぜ?」を取り上げています。

「なぜ?」はシングル曲ではなく、1991年3月21日にリリースされたCoCoの3rdアルバム「STARAIGHT」の一曲目の曲です。2008年7月にはシングル曲8曲をプラスした復刻企画版「Myこれ!チョイス 22 STRAIGHT+シングルコレクション」も発売されています。Amazonでは1450円ですってよ奥様!
オリコンでは最高位9位と健闘していますが、CoCoはアルバムを出す度に順位が下がっているのが寂しいです。「なぜ?」はシングル曲ではないにも関わらず、CoCoのコンサートでは必ずと言っていいほど歌われた名曲で、恋する女の子の切なさが良く表されていると想います。

前回同様、思い切って貴樹に告白した花苗。「ん…いいよ」みたいなちょっと気の抜けた返事でしたが、首尾良く貴樹と交際することに成功しました。しかしその返事同様、貴樹は目は花苗に焦点が合っていないというか、どこか遠くを見ているようでした。貴樹の心を何とか自分に惹きつけたいとあれこれ奮闘する花苗ですが、どうも空回り気味。ふとした弾みで口論になっても、貴樹の表情は変わりません。つい「もういい!」なんて言って一人駆けだしてしまう花苗でした。

もう知らない 点滅するシグナルに
振り向くきっかけも くれないのね
肩を寄せ すれちがう恋人たち
今すぐ戻りたい 私の負け
ポロシャツがまぎれていく
ひとごみ 果てしない海

横断歩道の途中で信号が点滅しました。追いかけてくるとか、せめて後から声をかけてくれれば振り向くきっかけになるのに、貴樹はノーリアクション。つい横断歩道を渡りきってしまう花苗でした。周囲には仲むつまじそうなカップルの群れ。ほんの少し離れただけなのにすぐに貴樹のそばに行きたくなる花苗。思い切って振り向きますが、貴樹の姿は交差点の向こうの信号待ちの人の群れに紛れてしまってどこにいるのか判りません。

なぜ 普通に歩いているの
なぜ 何もなかったみたいに
なぜ 恋する歩幅が違うあなた
なぜ 私だけがじれているの
なぜ 私が気にならないの
ねぇ つぎの角で見失う いいの?

このまま私が歩いて行ったら次の角で完全に見失ってしまうというのに、なぜ貴樹くんは平気でいつもの調子で歩いていられるの?私が心配じゃないの?
貴樹の平常心ぶりは今に始まったことではなく、花苗に会うときはいつもそうでした。そして会うたびに胸ときめかせているのも花苗一人。

好きですと 打ち明けたのは私ね
それでも 聞きたい言葉はあるの
三度目のデイトなら
手をつなぐはずだった

確かに貴樹くんに告白したのは私だよ。でもOKしてくれたってことは、貴樹くんも私のこと好きでいてくれるんでしょう?私も貴樹くんに「好きだよ、花苗」と言って貰いたいの。
でも貴樹くんは、それどころか今でも私を「澄田」って呼ぶの。付き合う前と同じに。もう三度目のデートだよ?今日こそは手ぐらい…その…繋ぐかなあなんて、思っていたのに……

なぜ 私の方が好きなの
なぜ 私だけがせつないの
もう ふいに浮かぶ笑顔なら消して
なぜ 涙を止められないの
なぜ あなたを探しているの
ただ 優しさを信じている だって…
ああ ヒーローじゃなく そばではにかむ
あなたに恋したの 恋してるの

貴樹くん、貴樹くんは私のことなんか好きじゃないのかなあ。私はこんなにも貴樹くんのことが好きなのに。貴樹くんを見るたびときめいて、貴樹くんが「好き」って言ってくれるのを期待して、その度に失望している私はまるで独り相撲。
私のことが好きじゃないなら、そんなに優しく微笑まないで。誰にでも同じ微笑みを向けないで。その微笑みは私にだけ見せて。
想いが募って泣き出す花苗。涙をぽろぽろとこぼしながら貴樹の姿を探します。それでも貴樹の優しさを、貴樹の微笑みを信じようとする花苗でした。

なぜ 私の方が好きなの
なぜ 私だけがせつないの
もう ふいに浮かぶ笑顔なら消して
なぜ 心を止められないの
なぜ あなたを追いかけているの
ただ 優しさを信じている いつも
なぜ 心を止められないの
なぜ あなたを探しているの
ねぇ 追いかけなきゃ 見えないね 恋は

つれない態度の貴樹に恋の終わりの怖れを抱きつつも、貴樹の優しさを信じて、追いかけ続けようとする花苗。明らかに恋の温度差は違うままですが、おそらく諦めたらそこで試合終了です。貴樹のホントの心は判らない。判らないけど貴樹が好きな花苗の気持ちには嘘偽りはありません。貴樹が欲しければ追い続けなければいけないと心に誓う花苗なのでした。

それでは聞いてみて下さい。いわゆるアイドルソングですが、いい曲ですよ。
1991年の「春はCoCoからファイナル」よりライブ映像です。フルHDですが、冒頭MCが入っています。

http://www.youtube.com/watch?v=d96hCiGlXeU
瀬能あずさが抜けて4人になってからのバージョン。フルHDですがやはり冒頭メンバーの会話が。ちなみに92~93年頃の映像だと思いますが、この頃の三浦理恵子はたまらなく可愛いです。

http://www.youtube.com/watch?v=xibWzbyd38Y
5人で歌ったオリジナルバージョンと4人になってからのバージョンを併せた豪華版。HDではありませんが。

http://www.youtube.com/watch?v=v_RJnTl6LVE
ちょっと寂しい音源のみです。

http://www.youtube.com/watch?v=PrmADhS0MKg
連日の猛暑ですね。41度とかもう人間の居住環境じゃない気がします。そこまでいかなくても、体温より高い気温というのはどうかしてますね。日本の夏はサウナか。雨が降るとミストサウナだったりして。

暑い日は会社に行くまでが大変だけど、到着してしまえばオフィスの方が自宅より涼しかったりします。今年は電力不足云々という話があまり聞こえてきませんが…大丈夫なんでしょうね?

さあ月曜日恒例アニメ紹介行ってみましょう。本日は「TARI TARI」の7話と8話です。

まずは7話。

前回音楽と再び関わることを決めた和奏、すっかり元気になって合唱部を主導し出します。変わり身が早い!

白浜坂高校の文化祭、通称「白祭(しろさい)」で合唱を発表しようと意気込む面々ですが、声楽部とのバッティングとか合唱部を(というか来夏を?)目の敵にする教頭など懸念材料もあったりして。それとは別にここまで皆を引っ張ってた紗羽にも密かな悩みが。騎手になりたいという夢を住職のパパンに反対されているのでした。

勝手に開封された入学案内に怒る紗羽ですが、パパンは乗馬は趣味だけにしてもっと堅実な将来を選べと言います。言っていることは間違ってはいないのですが、頭ごなしで娘の言い分を聞かないあたりは反感を買うばかり。坊主なんだからもうちょっと上手く立ち回れないものでしょうか。

遂には誰が稼いだお金で…と言ってはいけないセリフまで吐いてしまうパパン。子供にそれを言っちゃあおしまいでしょう。売り言葉に買い言葉で激昂した紗羽、ネクタイを投げ捨ててブラウスも脱ぎ出します。おお、セクシーシーン到来か?

しかし深夜アニメとはいえ健全な番組なのですかさずママンが調停にはいりました。ちっ。来夏は紗羽は志保似みたいに思っているようですが、志保からすれば紗羽は性格的にはパパンに似ているのかも知れません。

入学案内には体重制限があった模様。JRAの騎手を見ると軒並み小さいですからね。女性は男性より比較的小柄だから有利なような気もしますが、そこは個人差。紗羽は大きくてグラマラスなのですが、そのチャームポイントは、こと騎手となるという場合には極めて不利に働くようです。来夏の体格だったら騎手に向いているのに。

昼食時、紗羽はなんとおにぎり一個。しかも結局食べないで食堂を出てしまいます。無茶なダイエットは身体に悪いのですが…

ギニュー隊長の「チェンジ!」ができれば来夏の身体を奪い取って騎手余裕なんですがね。外見が紗羽になったら来夏の弟・誠もウハウハだったりして。

一方校長の所にはちょい悪風の理事長が訪問。例の計画を前倒しでなどと言っています。人類補完計画?この時点ではよくわからない話ですが、きっと今後浮上してくる話題の伏線でしょう。

横柄な態度の理事長にひたすら低姿勢の校長。理事長の秘書が美人で素敵です。こういう秘書を一度持ってみたいものですなあ。あ、妙な妄想はしてませんけどね。

家でもろくすっぽ食事をせずにトイレで吐く紗羽。拒食症みたいです。あんまり吐くと胃酸で歯がやばいことになりますよ。


翌日の合唱部の練習では貧血でふらつく紗羽。体調が悪いと早退してしまいます。紗羽の様子がおかしいということで和奏と来夏が追いかけますが、紗羽は携帯でなにやら重要な会話中。それを目撃した来夏、何と恋愛がこじれていると誤解してしまいます。翌日ミュージカルを見にでかけて女性トリオですが、紗羽だけ流鏑馬の練習があると寄り道せずに帰ってしまいます。

ED。ついに和奏も合流して全員で潮風のハーモニーを合唱します。

流鏑馬の練習に来た紗羽。しかし空腹のせいか様子がおかしいです。

矢をつがえようとして鐙から足が外れる紗羽。走っている馬から落馬。一人バックドロップ状態でこれは危険です。

馬場に倒れる紗羽。折れて散らばる弓矢。せっかく合唱部が一つになったのに今度は紗羽が欠けてしまうのでしょうか。病院が来い!

続いて第8話。引き続き紗羽編です。

病院に運び込まれた紗羽。顔にちょっと怪我をしてますが、MRIとか精密診断を受けた結果、大事には至らなかった模様です。しかしこういうとき、娘に付き添うのはママンが適任が気がしますが…なぜにパパン?

タクシーでの帰り道。流鏑馬出場は諦めろと坊主だけに引導を渡すパパン。これはパパンの独断ではなく、流鏑馬の行事役員からの要請のようです。何かあったら責任問題でしょうから仕方ないでしょう。

紗羽の自室にて。ママン志保が訳を尋ねます。体重制限があることを聞いて絶句する志保。身長とか体格とか、持って生まれたものは如何ともし難い…

翌日。提出していた進路調査票を返してもらって書き直そうとする紗羽。競馬学校以外はアウトオブ眼中だったのですが…

進路票に消しゴムをかける紗羽の表情が切ないです。夢を自ら断念しなければならないのか。

放課後の合唱部の練習は、声楽部が占拠してしまってピアノが使えません。後輩のくせに、声楽部はやたら香ばしい性格の子が多いですね。さすが教頭の愛弟子。“虚偽の安寧 家畜の繁栄”と罵る紗羽の餓狼のような迫力にたじたじとしてましたが。自宅にピアノがあるというウィーン。それでは一同電車で向かいます。紗羽は乗ってきた自転車を学校に置いていきます(ここ伏線です)。

ウィーンの自宅の豪邸っぷりに驚く一行。元は祖父の屋敷でしたが今では会社のもので、一時的に借りているだけとか。

残念ながらピアノは全然調律されておらず使えませんでした。じゃあと帰ろうとする紗羽を来夏が引き留めます。この前から要すがおかしいことを皆心配しているんだと。

来夏の推測は大外れでしたが、苦悩の理由を説明する紗羽。しかしこればっかりはどうすることもできません。

騎手という夢からちょっと離れてみたらと言う和奏に激昂する紗羽。CVが新垣あやせを演じる早見沙織だけに罵りはツボにはまっています。しかし和奏は冷静に応答します。

一度音楽から離れて戻ってきた和奏、それでもママンにもう一度逢えるなら音楽は諦めると言い切ります。これまでの苦悩が嘘のように吹っ切れている和奏。紗羽と立場が入れ替わっています。

さらに翌日。紗羽はお休み。来夏と和奏は教頭に呼び出され、文化差出場を辞退しろと迫られます。




「だが断る」の来夏。和奏の、教育者としてその態度はどうよ(要旨)と反論する姿に、かつての親友・まひるの姿が重なって見える教頭でした。

じゃあ「見せて貰おうか、合唱部の実力とやらを!」(要旨)と言われ、即日体育館で歌うことになります。しかし今日は紗羽がいません。その頃紗羽は自宅でレイプ目で横たわっているのでした。

ただ来て来てと自分たちの都合だけ押しつける来夏の留守電(来夏はいつもそうですが)に対し、和奏のメールはかつての紗羽を彷彿とするような。

一方、パパンはパパンで競馬学校に文句を付けています。なんだかんだ娘の受ける理不尽な仕打ちには怒り心頭のご様子。しかし地獄に堕ちるぞ、とか坊主舐めんな、とかこの人のクレームは何というかまあ…

学校も嫌がらせでルールを作っている訳でもないのだからもっと冷静かつロジカルに話をすべきなのですが、こういう姿の方が紗羽や視聴者の心を打つのかも知れません。演出というヤツですな。ママンもさりげなくフォローしたりして。

さらに合唱部一同が歌で励まします。それで元気付けられる紗羽。それにしても紗羽は髪を下ろしている方が素敵なんですが。なぜ縛る?

押っ取り刀で学校に向かおうとする紗羽。しかし自転車は学校に置きっぱなしでした。なんと馬で登校する紗羽。道路交通法を守れば馬でも公道を走ることが可能なようです。

まるで暴れん坊将軍のように疾走する紗羽。和奏の妨害工作もあって、ギリギリ間に合いました。5人揃って舞台に立つ合唱部。合唱は次回ですね。

6話まで一番まともなで頼れる女の子として来夏や和奏をフォローしてきた紗羽ですが、彼女もやはり一人の女子高生であって完璧超人などではなかったというエピソードですね。等身大のハイティーンを描いていていいんじゃないでしょうか。男女の距離感とかもリアルな気がします。

最後に「笑うTARI TARI」コーナー。来夏と和奏が大智をボロカスに罵る場面も面白いのですが、残念ながら音声がないと全然面白くないので今回はパスしました。

白浜坂高校の文化祭の略称「白祭」の意味を尋ねるウィーンに対し、地下で飼っている白犀を年に一度地上に出してやるのだと大嘘をつく来夏。そして平然とそれに乗っかる紗羽と和奏。女ってコワイ。ウィーンの頭の中にはこんな妄想が生まれました。なぜにみんな露出多めなのか。夏の海でのハワイアン・イベントの余波でしょうかね。

格好良く流鏑馬に挑む紗羽。実に凜々しいですが……

現実はこっち。馬に乗っての練習はそうそうできないのでした。

寝坊して朝食作りをサボった和奏に対するパパンの愛情弁当。こういう意趣返しはイカしてますね。和奏が元気になったからパパンも嬉しいんじゃないでしょうか。

紗羽が駆けつけるまで時間を引き延ばしたい合唱部。ウィーンは今が非常時じゃなくていつが非常時だと非常ベルを押そうとします。これにはさすがの来夏も止めに入ります。その傍らで職員室に電話して教頭を呼び出させる和奏。その度に切って何回か繰り返していました。オヌシもワルよのう。

学校の駐輪場に「停車」している紗羽の愛馬・サブレ。シュールな光景に生徒達も唖然。

今日も暑いですね。猛暑はもういいっしょ?35度超えたら活動的な行動は抑制した方が吉だと思います。戸外では蟬だけが元気に鳴いていますが、昆虫なんかは暑さとか感じるんでしょうかね。犬や猫の「暑いんじゃあ!」アピールは超わかりやすいですが、雀なんかも嘴を開いているのを見るとやはり暑いんだなということが判ります。

本日は好きなアニメキャラその3です。今回は「涼宮ハルヒの憂鬱」の長門有希を取り上げます。

主人公であるキョンや涼宮ハルヒの隣のクラス(1年6組)の女子生徒で、元は唯一の文芸部員でした。ハルヒが文芸部室を乗っ取った際に、特に抵抗することもなくSOS団団員その2として組み入れられました。ハルヒ曰く「SOS団に不可欠な無口キャラ」だそうです。

身長は154センチとやや小柄ですが、ハルヒがヒロイン黄金身長の158センチ、朝比奈みくるが152センチなのであまり目立ちません。というかみくるの小ささに改めて驚きですね。画面上では小さく見えないので。

「無口キャラ」と言われるだけあって極めて口数が少なく、表情も殆ど変化が見られない、いわゆる綾波キャラです。珍しく口を開いても、極めて淡々としかも必要最小限の言葉しか話しません。しかし世の中に興味がない訳ではなく、知識欲は旺盛で、いつも何かしらの本を読んでいます。

当初は眼鏡を着用していましたが、朝倉涼子との戦闘中に壊してしまい、再生するのを忘れ、キョンから「眼鏡がないほうが可愛い」と言われたため、それ以降は眼鏡をかけなくなりました。なくても支障はないようです。

ハルヒが望んでいた「宇宙人、未来人、超能力者」は実はSOS団に全部揃っていたわけですが、長門有希の正体は宇宙人です。正確に言えば、情報統合思念体によって造られた対有機生命体コンタクト用ヒューマノイド・インターフェースなのだそうです。

情報統合思念体とは何かといえば、本作においては、全宇宙に広がる情報系の海から発生した、非常に高度な知性を持つ情報生命体だとしています。実体がなく言語を持たないため、有機生命体(つまり人間)と直接コミュニケーションすることができないため、人間世界に派遣した対人間用インターフェースが長門有希や朝倉涼子。喜緑江美里などです。統合思念体といってもその意志は一つではなく、「主流派(中道派)」「急進派」「穏健派」「革新派」「折衷派」などの派閥が存在し、時に対立しているようで、長門有希は主流派で、朝倉涼子は急進派に所属していたようです。喜緑江美里はよくわかりませんが穏健派かも知れません。


実際の年齢はハルヒ達が高校1年生の時点で3歳で、涼宮ハルヒが中学一年生の時に起こした情報爆発(「笹の葉ラプソディ」のエピソード)の際には既に現住所のマンションに現在と同じ姿で住んでいました。

情報操作を得意とし、環境を改変したり再構成したりすることが可能で、通常の人間なら即死するほどの重傷を負っても、情報操作能力により自力で再生させることができますが、無制限ではないようで、能力を超えれば機能停止に至るようです。



超能力者である古泉一樹は閉鎖空間でしか能力を発揮できず、未来人であるみくるは見習いレベルで権限も能力もほとんどない中にあって、宇宙人である長門有希は飛び抜けて万能です。メンバーからの信頼も厚く、キョンは「SOS団の影の実力者」と呼んでいます。

キョンは何か問題が起こるとしばしば長門に助けを求めています。長門もキョンを信頼しているようで、キョン相手には言葉数が多くなり、基本的にはキョンの依頼や要求には素直に従っています。また、行動の最終的な判断をキョンに委ねることもあり、「射手座の日」におけるコンピュータ研究部とのゲーム対決では、キョンの言葉に従って情報操作能力を封印した状態であったにも関わらず超人的な活躍を見せ、キョンの判断を仰いだ上でSOS団を勝利に導きました。

もともとは「無口・無表情・無感情・無感動」でしたが、SOS団とともに日々を過ごすうちに僅かずつ変わっていくようになり、キョンはいつか長門が普通の女子高生になるのではないかと推測しており、またそうなることを願っています。しかし長門有希がインターフェイスであることを逸脱していくことで、長門自身がハルヒを取り巻く各組織から重要人物と見なされるようになり、接触したがる組織も多数存在しているようです。

基本的に「長門(さん)」と呼ばれますが、ハルヒからは「有希」、キョンの妹からは「有希ちゃん」、鶴屋さんからは「長門っち」「有希っこ」などと呼ばれています。

CVは茅原実里。美人声優として知られています。1980年11月18日生まれで栃木県出身です2004年に声優及び歌手としてデビューし、2006年の「涼宮ハルヒの憂鬱」での長門有希役で大ブレークし、人気声優の仲間入りを果たしました。

長門有希のイメージから、クールで清楚な女性と思われがちですが、実際には「残念な子」と呼ばれるなど、天然ボケっぷりを遺憾なく発揮しているエピソードが多くあるようです。しかしながらその独特のキャラクターと、声質、歌唱力は多くのファンを惹きつけているようです。

実は「好きな声優さん」で取り上げたかった人なのですが、茅原実里の出演作と私の見ている作品がマッチせず、「ハルヒ」以外ではせいぜい「咲-saki-」の龍門渕透華位しか知らなかったので断念しました。今後キャラが揃えば紹介する可能性は高いです。

そういえば長門有希は読書好きということで、「ザ・スニーカー」という角川書店のライトノベル雑誌(2011年2月で休刊となってしまいました)が2004年12月号で長門有希がお勧めするという「長門有希の100冊」を紹介していました。以下がそのリストです。

☆•『ギリシア棺の謎』エラリー・クイーン
•『エンディミオン』ダン・シモンズ
•『ウロボロスの偽書』竹本健治
•『双頭の悪魔』有栖川有栖
•『魍魎の匣』京極夏彦
•『ぬかるんでから』佐藤哲也
☆•『クレープを二度食えば。』とり・みき
☆•『誰彼』法月綸太郎
•『夏と冬の奏鳴曲』麻耶雄嵩
•『猶予の月』神林長平
•『世界SF全集12』R・A・ハインライン
☆•『バブリング創世記』筒井康隆
•『(完本)黒衣伝説』朝松健
☆•『パスカルの鼻は長かった』小峰元
•『時間衝突』バリントン・J・ベイリー
•『三つの棺』J・D・カー
•『エイリアン妖山記』菊地秀行
•『順列都市』グレッグ・イーガン
•『ターミナル・エクスペリメント』ロバート・J・ソウヤー
•『復活祭のためのレクイエム』新井千裕
•『精神現象学』G・W・F・ヘーゲル
•『伯母殺し』リチャード・ハル
•『ゲーデルの哲学 不完全性定理と神の存在論』高橋昌一郎
•『赤い館の秘密』A・A・ミルン
☆•『十角館の殺人』綾辻行人
•『ヴィーナスの命題』真木武志
•『五百光年』草上仁(単行本未収録)
•『暗号解読 ロゼッタストーンから量子暗号まで』サイモン・シン
•『デュマレスト・サーガ』E・C・タブ
•『名探偵の掟』東野圭吾(講談社文庫)
•『有限と微小のパン』森博嗣
•『魔術の歴史』エリファス・レヴィ
•『オイディプス症候群』笠井潔

•『ダンス・ダンス・ダンス』村上春樹
•『ジョーカー』清涼院流水
•『抱朴子』葛洪(岩波書店)
•『殺人喜劇の13人』芦辺拓
•『世界魔法大全(英国篇)4』ダイアン・フォーチュン
•『妄想自然科学入門』菊川涼音
☆•『鋼鉄都市』アイザック・アシモフ
•『法の書』アレイスター・クロウリー
•『イーリアス』ホメーロス(平凡社ライブラリー)
☆•『真ク・リトル・リトル神話大系』H・P・ラヴクラフト(国書刊行会)
☆•『僧正殺人事件』ヴァン・ダイン
•『衣装戸棚の女』ピーター・アントニイ
•『殺意』フランシス・アイルズ
☆•『トンデモ本の世界』と学会
•『ガダラの豚』中島らも
☆•『悪霊の館』二階堂黎人
☆•『知性化戦争』ディヴィッド・ブリン
•『タウ・ゼロ』ポール・アンダースン
•『月に呼ばれて海より如来る』夢枕獏
•『イメージシンボル辞典』アト・ド・フリース
•『椿姫を見ませんか』森雅裕
•『呪われし者の書』チャールズ・フォート
☆•『トリフィド時代 食人植物の恐怖』ジョン・ウィンダム
☆•『盗まれた街』ジャック・フィニィ
•『デッドソルジャーズ・ライヴ』山田正紀
•『暗闇の中で子供 The Childish Darkness』舞城王太郎
•『失われた時を求めて』マルセル・プルースト
•『カラマーゾフの兄弟』ドストエフスキー
•『吉里吉里人』井上ひさし
•『火星にて大地を想う』T・フロゥイング
•『吸血鬼伝承「生ける死体」の民俗学』平賀英一郎
•『エイリアン刑事』大原まり子
•『落ち着かぬ赤毛』E・S・ガードナー

•『ブラウン神父の童心』G・K・チェスタトン
•『昭和歌謡大全集』村上龍
☆•『地球の長い午後』ブライアン・W・オールディス
☆•『リングワールド』ラリィ・ニーヴン
☆•『エンダーのゲーム』オースン・スコット・カード
☆•『たったひとつの冴えたやり方』ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア
•『奇想、天を動かす』島田荘司
•『最上階の殺人 Shinjusha Mystery』アントニイ・バークリー
•『夢の樹が接げたなら』森岡浩之
•『スターダスト・シティ』笹本祐一
•『陸橋殺人事件』ロナルド・A・ノックス
•『金なら返せん!』大川豊
•『海を見る人』小林泰三
•『ホッグ連続殺人』ウィリアム・L・デアンドリア
•『思考する物語 SFの原理・歴史・主題』森下一仁
•『ドグラ・マグラ』夢野久作
•『たそがれに還る』光瀬龍
•『ダーコーヴァ年代記』M・Z・ブラッドリー
☆•『少年エスパー戦隊』豊田有恒
•『ECCENTRICS』吉野朔実
•『太陽の簒奪者』野尻抱介
•『悪魔の系譜』J・B・ラッセル
•『底抜け超大作』映画秘宝編集部編
•『猫たちの聖夜』アキフ・ピリンチ
☆•『虎よ、虎よ!』アルフレッド・ベスター
•『サード・コンタクト』小林一夫
☆•『五番目のサリー』ダニエル・キイス
☆•『赤と黒』スタンダール
•『百舌の叫ぶ夜』逢坂剛
•『星を継ぐもの』J・P・ホーガン
•『できるかなリターンズ』西原理恵子
•『海がきこえる』氷室冴子

あれ?98冊しかないぞ。実は残り2冊は未知の言語で記述されているので解読不能なのだそうです(笑)。長門はミステリーとSFが好きなのでしょうか。☆は私が読んでいた作品です。まだまだ修行が足りませんね。

いや今日の暑さは殺人的でした。毎週土曜日はウォーキングに行っているのですが、久々に死ぬかと思いました。昔と違って水に濡らして使うクールスカーフやバンダナ、シャツクールなどもありますが、それでも辛かったです。35度超えたら運動していけませんね。やっちゃいましたけど。
ではかなり疲れてますがギャルゲーの土曜日行ってみましょう。大番長の4回目ですね。前回県内編を終了して闘京を制圧した狼牙一派ですが、闘京はカントウの一エリアに過ぎず、カントウを支配しているのはPGGという組織です。全国編ではまず必然的に狼牙一派はPGGと闘うことになります。

PGGはPanzergruppe Gynjouの略称です。勢力傘下学園数1024校、総学生数78563名を誇り、勢力自体は最大級となります。
PGGは学聖歴5年、シズオカに興った勢力です。もともとシズオカは「ダイトウ共栄圏」と言う自治体連合内組織のひとつでしたが、当時の執行部長、「五代真」が、戦車の開発成功をきっかけに、トットリ以外のエリアに武力侵攻を開始、制圧下に治め「PGG(Panzergruppe Godai)」勢力を宣言しました。その時、五代総長が所属していた富慈宮(ふじのみや)学園という学園名も戦車の名からとって、「一号学園」と改名されました。
五代総長は二年前に暗殺され、今は「銀城智香(ぎんじょう ともか)」が二代目総長に就任しています。
五代時代は、規律が厳しくこそあれ善政が敷かれていましたが、銀城総長に移り変わってからは、護国院への宣戦布告や無茶なBストーン徴収などで、悪評が囁かれるようになりました。また、人体ではなく戦車という兵器を主力とするPGGでは、その性質上、非戦闘系能力を保持した特体生を多く見いだし、多方面で有用してきました。一部の特体生に対しては、拉致、監禁によって協力を強いているとの噂もあります。

ちなみにカントウは闘京のほか、横濱、真宿、夢の島、HAWAII、樹界、秋波原、塔鳥、志津岡といったエリアから構成されています。字が違うのはもとより、全然関東地方とは関係のない場所もありますが、まあ全日本的異変が起きた後なのであまり気にしないで下さい。
PGGが支配しているのは本拠地の志津岡の他、樹界、秋波原、塔鳥です。横濱、真宿、夢の島、HAWAIIは独立勢力となっており、それぞれ自警団組織が存在しています。このうち真宿は魔界孔の所在地であり、最終決戦地ともなりますが、普通の土地は一度制圧するとイベントなどが起きない限りとりあえず平和になるのですが、真宿だけは制圧しても魔界孔から怪物が現れ続けて攻撃を仕掛けてくる鬱陶しい場所です。レベルアップの訓練地と発想を転換すればいいトレーニング場とも言えないこともありませんが。

PGG支配地に攻め込む前に、独立勢力を制圧して支配下におき、勢力を増強しましょう。まずは収益力の高い横濱は必須です。さらに魔界孔がある真宿、夢の島、HAWAIIと制圧すれば、PGGと同等の勢力となります。
それからいよいよPGGと激突します。PGGは戦車を投入してきます。遠距離攻撃で装甲を持つ強敵で、普通なら生身の人間が対抗できるわけもないのですが、そこはこちらも特体生揃い、生身で戦車を破壊したりできるのですが、それにしても近距離や中距離タイプは分が悪いです。

秋波原には朝狗羅由真がいます。PGGの連中に慰み者になっていたりする可哀想な子ですが、彼女を仲間にするとジャミングにより戦車の砲撃が当たらなくなります。そうなれば後は押せ押せです。

そして明らかになるPGGの真実。二代目総長の銀城智香は優秀で心優しい性格の女性ですが、総長としての重圧に耐えられず、副長ムラタにつけこまれて弱みを握られて性奴隷にされ、傀儡になっていたのでした。上手く進めないとムラタに責任を押しつけられて殺害されてしまうのですが、仲間にすると非常に優秀なので、ぜひ仲間にしましょう。
というか、基本的に敵対勢力や独立勢力のメンバーはなるべく仲間にするのが吉です。

それではPGG編で登場するキャラを紹介しましょう。まずは狼牙の盟友。
久我 匡一郎(くが きょういちろう)

狼牙の親友。影を自在に操るB能力を持ちますが、能力を手に入れたときに片目を失っています。旅修行に出ていましたが、全国編の序盤で狼牙のもとに現れ、仲間になります。

この人の元ネタは夢枕獏原作・板垣恵介作画「餓狼伝」に登場する闇の空手家・久我重明ではないかと思われます。元々は夢枕獏の作品「獅子の門」に登場するキャラクターで、引き締まった体と浅黒く焼けた肌、そして全身真っ黒の衣装に身を包んでいるファッションが特徴です。漫画キャラとしてのモデルは松井秀喜だとか。
次にPGGのメンバーです。
銀城 智香(ぎんじょう ともか)

PGGの二代目総長。優秀で心優しい性格の女性ですが、総長の重責に堪えられずニンフォマニア気味になっています。そこを副長のムラタにつけ込まれて弱みを握られ、組織全体を狂わせてしまいました。

PGG壊滅時に条件を満たしていれば仲間になりますが、満たしていない場合は責任を押しつけられてムラタに殺害されてしまいます。
ムラタ

PGG副長で実質的な支配者です。狡猾で、自己中の性格故に部下からの信頼は皆無ですが、智香の弱みを握り、傀儡にして裏で操っています。
桐原 武士(きりはら たけし)

戦車隊隊長。PGGの現状を苦々しく思っていますが、自分の持ち場の堅持に徹しています。彼も仲間にすると戦車が手に入ってお得です。
朝狗羅 由真(あさくら ゆま)

PGGに利用されている足が不自由な少女です。B能力によって電脳世界を自在に操り、戦車隊のサポートをしていますが、その傍らで性的虐待も受けている可哀想な子です。仲間にすれば、その能力によって戦車隊を無力化できるようになります。

篠田 勘助(しのだ かんすけ)

PGGの兵器開発主任ですが、ムラタの横暴に我慢できず、新型戦車の設計図を持って逃亡します。仲間になったあとは、軍資金と引き換えに戦車を製造して戦力に加えることができます。
クレオ・アリパ

PGG傘下にある塔鳥自治区を治めているアリパ家の3代当主で、中東系の格好をした幼い少女です。非常に我侭で、いつもお菓子を食べていまする。魔法のランプを所持しており、ハイテンションなランプの魔神を呼び出すことができます。
最後に独立勢力で仲間になるキャラです。まずは真宿。
冬摩 彼方(とうま かなた)

魔界孔の発生によって無秩序状態になった真宿で煎餅屋を営む青年です。かなりの実力者であり、真宿のならず者たちを牽制して治安を保っています。真宿を離れることをよしとしていませんが、狼牙の再三の説得によって狼牙軍団に加わります。

この人の元ネタは菊地秀行の魔界都市ブルースシリーズに登場する秋せつらでしょう。
魂塚 妖姫(みたまづか ようき)

真宿の支配者である妖術使いの美女です。彼方に惚れ込んでおり、あの手この手で彼方を自分のものにしようとしています。
この人の元ネタはやはり秋せつらが登場する夜叉姫伝の美姫だと思われます。
横濱:亜門 砕斗(あもん さいと)

「バトルジャイロ」という玩具に熱中している少年です。狼牙にジャイロの勝負で負けたことをきっかけにして仲間になります。「ベイブレード」とか「遊戯王」といったゲームが元ネタでしょうか。
続いて夢の島。
美杉 良太郎(みすぎ りょうたろう)

耽美系のルックスをした自他ともに認める美男子です。世界の危機に備えてバラ園の中で長い眠りについていたところを狼牙に発見され、狼牙軍団に加わります。歌が上手く、各地でコンサートを開いて民衆を魅了します。
元ネタは言わずと知れた杉サマこと杉良太郎でしょう。
凱場マック

ダンジョン制覇を生きがいにする冒険野郎です。ネコ科を思わせる顔をしている。すべてのダンジョンを制覇したことで目標を見失ってしまうが、狼牙の言葉で意気を取り戻して狼牙軍団に加わります。
元ネタは冒険野郎マクガイバーでしょう。使用する鞭は「インディジョーンズ」から、さらに1機減ったり段差に弱かったりするのは「スペランカー」に由来していると思われます。
お次は樹界です。
二十六木 遊(とどろき ゆう)

エルフの住まう樹界で暮らしている少年です。本来エルフの掟で男は奴隷にするか殺すかのどちらかだが、ソネットの懇願によってそのどちらでもない扱いを受けています。精霊を見ることができます。
ソネット

樹界の奥に住まうエルフで遊とは相思相愛の仲です。樹界でエルフの里を発見したまま仲間にしないでいるとスパーンに拉致されてしまいます。また、エルフは森の中でしか生きられないので森から離れるのは危険で、ゲーム中でも樹界もしくは魔界孔のある真宿以外に配置すると信頼度が急激に低下し、すぐに死亡してしまいます。ちょっと連れ出すくらいならいいですが、戻してやるのを忘れてはいけません。
ヴァンダイン

B能力によって機械と融合した特体生です。右手と両脚を奪われて巨大な磁石に貼り付けられており、奪われた四肢の発見を狼牙に求めるてきます。見つけて渡すと仲間になります。
元ネタはオーラバトラー・ダンバインかもしれませんが、推理小説家のヴァン・ダインも入っているでしょう。
砂漠の国・塔鳥です。
マミー・シルアビルVIII世

全身に包帯を巻きつけただけの格好をしたミイラの女性です。水分が不足すると干物のようになってしまいます。塔鳥のピラミッド周辺にある地下遺跡の中で狼牙が用を足したことで水分を得て復活し、狼牙を命の恩人と慕って仲間に加わります。「王族だった」と自称していますが…

金竜(きんりゅう)

満月の時のみ現れるダンジョン「混沌天使の塔」の最上階に眠っていた少女。マックが食べようとしていたカップラーメンに釣られて仲間に加わります。機嫌を損なうとなぜかキムチを顔面に投げつけてきます。
元ネタは昔アスキーが作った「カオスエンジェル」というゲームに登場したゴールド・ドラゴンだという話です。また、大阪のラーメン屋「金竜」という説も。この店はキムチが取り放題なんだとか。
闘京:天王寺ミオ

動物と会話できるB能力を持つ少女です。動物を使って各地で食料強奪事件を起こしており、学連にマークされており、狼牙に捕縛要請が出されます。
元ネタは大阪のショッピングモール「天王寺ミオ」でしょう。
HAWAII:スパーン
油田を掘り当ててハワイを丸ごと買い取った男です。大のエルフ好きであり、樹界で本物のエルフが発見されたと報じられるや否やハワイのホテルを焼き払って旅立ります(曰く「炎の出発(たびだち)」)。粗暴で高慢な性格の悪人だが、仲間にすることはできます。でもこいつを仲間にするとソネットや二十六木遊が仲間になりません。絵が見つかりませんでした。野郎なので勘弁して下さい(笑)。
元ネタは「炎の出発」からして「ロードス島戦記」のパーンでしょう。性格は全然違いますが。弟はスパパーンという名前で、兄に似ていますが顔つきや言動は好青年風です。
秋波原:丹沢丹奈(たんざわ にな)

通称たんたん。秋波原にある「たんたん本店」の店長です。一見可愛いですが、無表情で寡黙で、万引きから指を切り取って集めるなど奇行や猟奇的な言動が目立つ恐ろしい人です。仲間にするにはたんたん本店で販売しているアイテムをすべて購入する必要があるのでかなり後半になります。
たんたんは実在する有名なネットショップです。
志津岡:コメートさん

宮里絵梨花が仲間になっていないと仲間にできません。イベントで飛んでくる隕石を避けると絵梨花が死ぬ代わりにコメートさんが仲間になります。隕石と闘うと絵梨花は死にませんがコメートさんは仲間になりません。
元ネタはコメットさんですが、仲間になる経緯はウルトラマンも入っているようです。
今日は夜になっても暑い!こう暑いと散々使い回してますがこの画像を張らずにはいられません。

犬猫と言ったケダモノ達もさぞや辛いことでしょう。日中のアスファルトは焼けた砂浜も同じ。みなさんペットはいたわっておくんなさい。でも死んだように腹を出してひっくり返れるというのもペットの安寧ゆえ。こっちは社畜の安寧。

さあ束の間社畜の立場を忘れるフライデーナイトは金曜恒例中国美女列伝です。もう14回目なんですね。今週はこのままお盆休みに突入という人も多いのではないでしょうか。私は特にやることもないので(ううっ)空いた電車を堪能したいと思いますが、暑いから一日くらいはずる休みしたりもしようと思ってます。

前回、水滸伝にも登場する四大技女の一人李師師を取り上げましたが、今回は水滸伝つながりで扈三娘(こさんじょう)を紹介したいと思います。戦闘美少女ってカッコイイですよね。

扈三娘は梁山泊で序列第59位の好漢です。好漢とは“好ましい男。気性のさっぱりしたよい男。快男子”という意味なので、女性に使っていいのか微妙ではありますが。水滸伝108の魔星のうち、上位36星が天罡星(てんこうせい)、下位72星が地煞星(ちさつせい)と呼ばれますが、扈三娘は地慧星(地急星と表記される場合もあります)の生まれ変わりとされます。

108星の中で女性はたった3人だけです。その中では扈三娘が一番序列が高い…とはいっても59位。昔の中国の話とはいえ、男尊女卑極まれりと言われても仕方ないですね。それでも残る二人は101位の地陰星の顧大嫂(こだいそう)と103位の地壮星の孫二娘(そんじじょう)なので、扈三娘の序列は他の二人に較べれば大変高いことが判ると思います。

ちなみに扈三娘とは「扈家の三女」といった意味でしかなく、顧大嫂は「顧家のおばさん」、孫二娘も「孫家の二女」といった意味なので、こういう国のこういう時代の話だからもう仕方がないんだとしか言いようがありません。別途素敵な名前が伝わっていると良かったんですが。

扈三娘の渾名は一丈青(いちじょうせい)です。意味は諸説ありますが、Wikipediaに挙げられているのは、

① 美少女または美少年という意味を持つとする説(余嘉錫)。

② 扈三娘は類稀な長身の持ち主で、それを形容したものとする説(王利器)。

③ 「一丈」は身長、「青」は刺青の事であるという説(厳敦易)。

一丈は約3メートルです。いくら長身といっても3メートルはないと思いますが、白髪三千丈のお国柄なのでちょっと背が高いと大袈裟に表現した可能性はあります。しかし刺青はなあ…名家の令嬢だし水滸伝屈指の美少女なのでそれはどうか思います。というか、女傑すぎてイヤなので①がいいんじゃないでしょうか。

ちなみに顧大嫂の渾名な母大虫(雌虎)、孫二娘は母夜叉と極めて物騒なので、これらに比べて一丈青はすっきりさわやかな感じがしないでもありません。

「海棠の花」と謳われるほどの佳人であり、その一方で武芸も一流です。また捕縛術にも長けています。元は独竜岡三家の一つである扈家の令嬢で、女の身でありながら鎧をまとい、日月の双刀を操り、葦毛の馬にまたがって戦場を駆ける女武将でした。同じ独竜岡三家の一つ、祝家の三男・祝彪の許嫁となっていました。

梁山泊と独竜岡の祝家が支配する祝家荘との間で紛争が勃発したことで、扈三娘は祝彪の許嫁ということもあって援軍として参戦し、その武勇で地微星(58位)の矮脚虎(短足の虎)・王英を生け捕り、地闢星(48位)の摩雲金翅(天を行く黄金の大鷲)・欧鵬や地明星(67位)の鉄笛仙(笛の名手)・馬麟を全く寄せ付けず、味方の士気を大いに鼓舞します。

その後、偵察をしていた梁山泊の頭領である天魁星(1位)の呼保義(小役人)・宋江を捕らえようとしますが、深追いしたところで天雄星(6位)の豹子頭(豹のような顔)・林冲と遭遇してしまいます。これは相手が悪すぎます。さすがの扈三娘も、かつて八十万禁軍の武芸師範を務め、梁山泊でも屈指の強さを誇る林冲には敵わず、捕らえられてしまいます。

扈三娘の兄・扈成は梁山泊と秘密裏に交渉し、扈三娘の無事と引き換えに祝家に加担しない事と祝家の人間が逃げてきたら捕らえて引き渡す事を約束します。その後、祝家荘は壊滅しますが、例の殺人マシーンである天殺星(22位)の黒旋風・李逵が暴走し、不戦協定を結んだ扈家荘にまで切り込んでしまったために扈家も壊滅していまいます。まさに黒い死の旋風。

家族も婚約者も帰る家も失ってしまった扈三娘は、宋江に説得され、以前宋江が「女性を世話する」と約束していた矮脚虎・王英と結婚することとなり、梁山泊の一員となります。当時は女性の地位が低かったとかいろいろあるとは思いますが、私や他の多くの水滸伝ファンが納得いかないのがここです。

王英は「短足の虎」が渾名の小柄な男で、しかも無類の女好き。敵が女武将とみるとヒャッハーと真っ先に挑みかかりますが、一騎打ちの最中に発情して敗れてしまいます。扈三娘と結婚後も田虎の美少女武将・瓊英(けいえい)に対して悪癖をぶり返し、挑みかかっては敗れています。

現代の感覚で水滸伝の好漢の序列を再編集するとすれば、扈三娘は絶対上位36人の天罡星に入ることは間違いなく、私なら上位10位~15位くらいに入れてもいいと思います。夫唱婦随ということで王英の下に位置しているのですが、あんまりな処遇です。

時代のせい…と言ってしまえばそれまででしょうが、家とか礼教に縛られていた当時の良家の女子の悲哀を体現している人だと言えるでしょうね。私が宋江なら林冲にこそ嫁がせたいと思います。扈三娘だってそれなら不満はないのではないかと思うのですが。

梁山泊入山直後は王英と共に馬匹監督という職につきます。これは扈三娘の武勇からすればかなりショボい職ですが、王英の身分と力量に合わせさせられたのだろうと思われます。だから扈三娘は林教頭とだな…。

しかし、梁山泊に攻めてきた天威星(8位)の双鞭・呼延灼軍との戦いでは、扈三娘は第四軍を率いて戦い、緒戦で敵の副将・地英星(43位)の天目将・彭玘を生け捕り、総大将の呼延灼とも互角に渡り合います。また第一次北京城攻略戦では、同じ女性頭目の顧大嫂や孫二娘と組んで一千の部隊を率い、天勇星(5位)の大刀・関勝との戦いでは副将の地雄星(41位)の井木犴・郝思文を生け捕るという手柄を立てています。

扈三娘は108星集結後は三軍の内務をつかさどる騎兵頭領に任命されます。王英も同じ職に就きますが、この場合はむしろ扈三娘に引っ張り上げて貰った感が強いですね。その後は主に宋江軍に従軍し、夫・王英と共に遼国軍の将・答里孛や方臘軍の笵疇と温克譲、また顧大嫂や孫二娘と共に方臘軍の将・張道原を生け捕るなどして活躍しました。

しかし梁山泊最大の敵となった方臘討伐においては、まず敵の鄭彪に挑んだ王英が、鄭彪の幻術に怯んだところを槍で喉を突き抜かれて戦死してしまいます。夫の救出に駆けつけた扈三娘も、仇を討とうと逃げ出す鄭彪を深追いしたところで、鄭彪が放った金磚(れんが)を顔に受け、落馬して死亡してしまいます。宋江追跡の時といい、深追いで身を誤るタイプですね。

もっとも方臘戦は、天猛星(7位)の霹靂火・秦明以下多数の好漢が戦死しており、林冲や天孤星(13位)の花和尚・魯智深など戦後すぐに死亡してしまう好漢もいて、実に108星中70星が失われてしまうという大激戦でしたからね。仕方ないかも知れません。

水滸伝で、梁山泊滅亡までを描いたものが百二十回本と呼ばれますが、物語が面白い部分は梁山泊に108人が集うまでだとの判断から、そこまでを描いた七十回本も作られました。清代には七十回本が流行し、中国では20世紀に入るまで水滸伝と言えば七十回本を指していたそうです。

次回も水滸伝の美少女武将を紹介したいのですが、水滸伝については好漢を全員女性にしてしまうという乙女絵巻「水滸伝」なんていう萌えイラスト集もあるものの、さすがにこれを紹介する訳にもいかず、かといって顧大嫂や孫二娘を美少女とは言い難いので、108の魔星ではありませんが、美少女武将の誉れの高い瓊英(けいえい)を紹介したいと思います。

最後に中国女優が演じたリアル扈三娘をどうぞ。



いや~暑いですね。暑いのに甲子園では夏の高校野球大会が始まりましたね。早朝やるとか夜間にやるとかできなんでしょうかね。このところの夏の暑さは鍛えているから大丈夫といかいうレベルじゃない気がするのですが。なによりも強烈な陽射しの中で応援する人が心配です。ドーム球場ならいいんですが。

さて本日は、今さらですが名言の宝庫「ちはやふる」の名言集を紹介してみましょう。野球とは違うけど、競技かるたもまた熱いのです。

① 「青春ぜんぶ懸けたって強くなれない?まつげ君、懸けてから言いなさい」(原田秀雄)

ちはやふる第4首より、府中白波会会長原田先生のお言葉です。高校で再会した千早と太一。太一はA級になったら瑞沢高校にかるた部を作る協力をしてと頼まれ、千早の試合を見に行きます。そこで久しぶりに出会った原田先生にかるたを勧められた太一が、「青春全部賭けたって、新より強くなれない。」と言うのに対しての返しです。

そして試合が終わる度に白目を剥いて寝る千早は、チョコ(ゴディバを買ってくる太一はリッチマン)をむさぼり食う千早、そして勝利のために全力を尽くす千早を見て感動する太一。

激戦を勝利してA級に昇格した千早は太一に抱きつきます。千早的には色恋沙汰とは全く無縁にやってるんですが、これほどの美人に抱きつかれたら男はたまらんですね。

ここで意気に感じて動かなければ“漢”じゃない!実はなんだかんだと太一も中学時代で同好会でかるたを続けていたらしいです。イケメンで勉強もできる太一が、リア充高校生生活から逸脱して特に才能もないのに辛く苦しいかるた選手人生に踏み出した瞬間でした。

② 「仲間にするなら、畳の上で努力し続けられるやつがいい」(真島太一)

ちはやふる第7話より。同じクラスの机君に秀才だからというだけの理由で白羽の矢を立てた千早。過去に経験があるとか興味持ってそうとか一切なしでいきなり勧誘。そりゃ普通断りますよ。

誰がジャムパンの賄賂なんかでよろめくものか。

しかし「やらない理由なんかどーでもいい!つべこべ言わずに一回やれっ」と机毎部室に連行する千早。節子それ勧誘と違う、拉致や!

机君の言うがままに札をひっくり返してまで変則かるたをやる千早と太一。フィーリングの千早に対し、暗記の鬼の太一が優勢に。表で闘うと歯が立たない太一も裏返したら千早を圧倒します。負けて本気で悔しがる千早と、勝って本気で嬉しい太一。

黙って帰って行く机君を太一が追います。イケメンで成績も上でリア充の太一にマジに嫉妬しています。太一の勧誘に、勉強しかない、お前とは違うと叫ぶ机君。太一だって別に才能があるわけではないのですが。

思わず机君の机を強奪して放り投げる太一。「かるたの才能なんてオレだって持ってねえ!キツイけどやってんだ!負けるけどやってんだ!だって、勝てたときどんだけ嬉しいか…ッ!」←これも名言!

この後に上記のセリフを言う太一なのでした。珍しい太一の熱いセリフにかるた部入りを決意する机君。

その後東京都予選では一悶着起こす机君ですが、以後誰よりも強く大きく成長し、瑞沢高校かるた部の作戦参謀として団体戦優勝の陰の立て役者となったのでした。そういえば机君もC級で優勝したので「ちはやふる3」ではB級ですね。A級3人(千早、肉まん君、太一)にB級1人、C級2人(かなちゃん、筑波)とはなかなか強力な布陣です。

③ 「やりたいことを思いっきりやるためには、やりたくないことも思いっきりやんなきゃいけなんだ」(駒野勉)…ちはやふる第20話より。駒野なんて改めて書くと「誰?」と思ってしまいますが、机君です。

女帝・宮内先生から学年末試験を頑張らないと留年の可能性があると告げられる千早。かるた馬鹿なだけでなく、本当に馬鹿だったのか?

ようやく将来というものを考えなきゃならないことを自覚した千早。瑞沢高校は太一が入学する位なので進学校だと思うのですが、良くは入れたな千早。今では下から5番だとか。


女帝がつけてくれた家庭教師は机君。肉まん君と一緒に勉強三昧。肉まん君、なにげに君もか(笑)。

一方太一は勉強はともかく早くA級に上がりたいと大会に出場します。

そしてそんな太一を応援せずにはいられない千早。勉強会を抜け出してしまいます。

電車の中で千早が受けた机君のメール。びびりながらも会場に行く千早、しかし太一は既に負けていました。まあ新が見られて千早的には良かったのですが(そして太一はNTR気分でジェラシーストーム)。


かなちゃんに連れ戻される千早。なぜにガニ股なのか千早?この人は本当に美人への幻想を破壊し尽くす人だなあ。「幻想殺し(イマジンブレイカー)」の能力でも持っているのでしょうか。

そして机君の下に出頭した千早に上記のセリフを静かに言う机先生でした。

太一なんか学年一位でなきゃかるた辞めさせられるという話も凄いです。机先生のセリフが心に突き刺さった千早。真面目に勉強を再開します。この素直さが千早のいいところです。

④ 「オレはA級になるより、逃げないやつになりたい」(真島太一)

上記エピソードの後、太一が原田先生達と帰路につきます。努力しても結果が伴わない太一。夏の高校選手権個人戦でも準優勝止まりでした。準優勝でもA級に昇格させるかるた会もあるようですが、白波会は厳しいようです。

昇級してA級になって東日本予選に出るかい?と言う原田先生。「悔しさの賞味期限は長くない。時々はちゃんと報われることがないと…続けられない」結果を伴わない努力はむなしさを人の心にもたらします。太一がかるたをイヤになりはしないかという原田先生の心遣いです。この人は教育者としても立派な人です。

それに対して太一は破顔一笑。「やめてくださいよ先生…らしくない。先生…」の後、上記のセリフを言うのです。カッケー!カッケーですよ太一!太一△!!

大抵の女はこれで陥ちますよ惚れますよ。ほら、原田先生も陥ちたぞ。「ウホッいい男!」アッー!ただし、千早だけは陥ちるかどうかわからないけれど。

今日の所はこの辺で。名言はまだまだありますからまたやります。
立秋だというのに猛暑の逆襲が始まりましたよ。立春もそうですが、暑さ寒さは次の季節になってからの方が厳しかったりしますね、この日本という国では。
本日は暑さを忘れるべく、意識を妄想の世界に飛ばしたいと思います。そう、恒例「妄想秒速」です。

秒速5センチメートルのヒロイン達の季節って何でしょうね?明里は桜の花びらのイメージで春かな。例の「雪の一夜」から冬もカバーしている雰囲気がありますが、あれは3月中旬の季節外れの大雪なので、やはり春で間違いではないと思います。

じゃあ冬はといえば、映像版ではごくわずかな出番しかありませんが、クリスマスの頃の電話とかメールということから、これは水野理紗と言わざるを得ません。

それでは夏女は誰?と言ったら誰がどう考えても花苗しかいないでしょう。ロケットが打ち上がった頃は既に季節は秋に入っているので、秋もカバーしているかも知れませんが、種子島が南国のせいか、どうしても夏という印象がしてしまいます。
当ブログでの妄想では花苗はこれまであまり登場しておらず、登場しても彼氏の貴樹を親友の明里に奪われていたりと貧乏くじを引いています。私は花苗が嫌いということは決してないのですが、コミック版で優遇されているのを見て(最終的には貴樹とくっつくのは花苗なのかという終わり方をしています)特別なケアはいらないかなと思っていたのでした。水野理紗はコミック版を読むとむしろ色々と構いたくなるのと逆ですね。
しかし映像版では何と言っても明里に次ぐ準ヒロインですし、第二話「コスモナウト」の主役でもあるのでもっと登場させねばならないという気持ちになってきました。折しも季節は夏!
ということで、貴樹に告白して付き合うことになった花苗を妄想してみたいと思います。楽曲は尾崎亜美の「曇りのち晴れ」です。

この曲は元々志村香というアイドルのデビュー曲して提供された作品で、1985年4月21日にリリースされています。志村香は今もタレントとして活躍する菊池桃子の妹分的存在でした。というのも、菊池桃子は1984年3月公開の映画「パンツの穴」でヒロインを演じ、翌4月に「青春のいじわる」で歌手デビューを果たしたのですが、その後すぐにブレイクして清純派アイドルとしての地位を確立しました。

一方「パンツの穴」は第二弾を作成することとなりましたが、流石にこのタイトルは清純派アイドルにとっては黒歴史以外の何者でもないということもあってか新たなヒロインをオーディションで募集し、そこで選ばれたのが志村香でした。ちなみに第二弾のタイトルは「パンツの穴 花柄畑でインプット」です。しかし何というタイトルだ。第一弾の「パンツの穴」については劇場で見てしまったことが私の黒歴史ですよ(笑)。

アイドルというのも最初は大変なんです。菊池桃子は売れたからまあいいとして(謎のロックバンド「ラ・ムー」での活動もも黒歴史でしょうか?)、志村香の方は5枚ほどシングルを出したものの思うように売れず、1988年頃まで活動していたものの、女優としても大成することなく、所属事務所との契約が満了したことを機に引退ということになってしまいました。

なお「曇り、のち晴れ」は、デビュー前の酒井法子がオーディションの際に歌い、また楽曲を提供した尾崎亜美が1986年にセルフカバーアルバム「POINTS-2」の1曲目に収録しています。私が持っているのは「POINTS-2」の方で、尾崎亜美の歌という印象の方が強いです。なお、尾崎亜美のセルフカバーでは「曇りのち晴れ」となっており、「曇り」の後の「、」がなくなっているのが特徴です。
Cloudy,I miss you 曇りのち晴れ
Fineday,I love you 曇りのち晴れ
出だしのこの部分は志村香版ではコーラスですが、尾崎亜美版では自身で歌っています。

映像版よりも早くサーフボードの上に立つことのできた花苗、思い切って告白します。ロケットは飛ばず、案外にあっさりと「そう、嬉しいよ。じゃあ、付き合おうか」という貴樹の返事を貰ったりしてしまった花苗でした。でもやっていることはそれまでとあんまり変わらなかったりして。でも日曜なんかに街でデートらしきことをしたりするんですね。

ブックショップの前で
やっと追いついた
だけどあなたの視線
誰かを見つめてた
駅前の花を買い
駆けてきたせいね
しおれて見れるバラが
なんだか私に似ているみたい

種子島で駅は厳しいですが、ここはバスストップ程度で解釈させて下さい。花屋で綺麗なバラを見かけた花苗、「貴樹くん、ちょっと先に行ってて。私、花を買っていく」なんて言ったのでしょう。バラを買って、それこそ子犬のように貴樹を追いかけてきた花苗ですが、貴樹に声を掛けようとして立ちすくみます。いつも遠くを見ているような貴樹の視線が、通りすがりの女性をじっと見つめていたからです。その視線の強さと熱さはこれまで花苗が見たことのないものでした。

不意に過ぎた恋の
話してくれた日
あんな眩しそうな顔を
見たことがなかった

そう、付き合うことになって最初のデートの日、貴樹は花苗に告げたのでした。花苗が好意を持ってくれているのは知っていた。気付かないふりをしていたのは好きな人がいたから。でも今はもう遠い人だと踏ん切りがついたけど、あの人との思い出は忘れられないんだ……
それはもちろん明里との記憶です。文通も長いこと途切れ、勇気を出して必死に告白してくれた花苗を見て、過去にこだわらず現在を生きようと思ったという貴樹ですが、通りすがりの髪の長い女性は明里の記憶を呼び起こしたのでしょう。
見上げれば曇り空
このまま帰るわ
泣き出しそうな肩を
見つけてくれら
曇りのち晴れ

花苗も気付いていました。貴樹の遠い視線の先には今でも明里がいるのではないかということに。でも尋ねるのが怖かった。今の貴樹との交際を壊してしまうことが恐ろしかった。でも、でも…貴樹が明里を忘れられないでいるのなら、つきまとうことは貴樹を苦しめることになるのかも…
そう思うと花苗の足は前に動きません。くるりと踵を返す花苗でした。
ボールと恋の痛み
いっしょに蹴ってた
グラウンドのあなたが
涙でにじんだの あの日から

この世界での貴樹は中学からずっとサッカーを続けていたようです。花苗がいつも憧れのまなざしで見つめていた貴樹の練習風景。しかし、貴樹の告白を聞いて、貴樹のシュートが失った恋を忘れようとするものであることを理解してしまったのでした。運命に翻弄されて東京から種子島という遙か彼方に来ることになってしまった貴樹の心情を思うと花苗の目に涙が浮かんでくるのでした。花苗は人の心の痛みが理解できる子なんです。
あなたの不器用な
優しさが好きです
さよなら言わずに行くわ
信号が変われば
いつも私に優しい貴樹くん。あなたは誰にでも優しいね。私にだけ優しければいいのになんて勝手なことを思っていたのは、あなたの優しさが怖かったから。私はあなたにとって特別ではないのかも知れない。告白してきた女の子を無碍にできなかっただけなのかも。
明里さんのことが忘れられないのなら、私と付き合うことがあなたを苦しめるのなら、私は身を引きます。でも、それでも私は優しいあなたが好きです。
赤信号の交差点で立ち止まっている花苗。このまま貴樹が花苗に気付かなければお別れです。
交差点の途中で
私を呼ぶ声
泣き顔じゃ振り向けない
早く追いついて
曇りのち晴れ
追いついて
曇りのち晴れ
大好きよ
曇りのち晴れ

「おおーい、花苗!」貴樹くんが私を見つけてくれた!しかも「澄田」ではなく「花苗」と名前を呼んでくれた!貴樹くんはちゃんと私を見てくれている。人混みの中から見つけ出してくれる。
花苗の瞳から涙が溢れます。交差点の真ん中で立ち止まって泣き続ける花苗。しかしそれは喜びの涙なのでした。追いついてきた貴樹に思い切り抱きつこうと決心した花苗でした。
おおー。花苗ハッピーエンドおめでどう!次回も花苗で妄想したいと思いますが、もう少しビターにしてやろうっと。それでは曲を聞いてみて下さい。
尾崎亜美版の「曇りのち晴れ」。なぜかUP主のドライブ映像です。が、結構マッチしてます。
http://www.youtube.com/watch?v=4GJPi_BMbn4
志村香版の「曇り、のち晴れ」。可愛かったけど、歌唱力の差は如何ともし難いですね。

http://www.youtube.com/watch?v=YDkqwJ8c81o
こんばんは、暑いですね。昨日管理者(つまり私)しか閲覧できないコメントが来て、何事かと見てみたら、営業関係でした。つまりブログで小遣い稼ぎせんかねというヤツです。以前も別の会社から同様のコメントが来ていたので、その際は丁重にお断りしたのですが、今回はもう面倒くさくなったのでレスも返さずコメントを削除しました。どうせ再び注目するのはメールが返ってきた場合だけでしょうから。純然たるコメントには決してこんなことはしませんし、必ずレスしますから。嘘だと思ったらコメントしてみて下さい(見え透いたことを…)。
さて戯れ言はこの辺にして今日の本題に。本日は真梨幸子の「インタビュー・イン・セル 殺人鬼フジコの真実」です。先日紹介した「殺人鬼フジコの衝動」の続編になります。
実は「殺人鬼フジコの衝動」(長いので以後「衝動」とします)と「殺人鬼フジコの真実」(同じく以後「真実」)の間には「私は、フジコ」という短編があります。64ページの短編ですが、「衝動」の限定版にセットとなっています。図書館で借りたのは通常版だったので未読なのですが、Amazonの内容紹介は以下のようになっています。

元アイドルの小川ルミに、初めて主役の話が舞い込んだ。高視聴率の再現ドラマ番組で「殺人鬼フジコ」を演じることになったのだ。フジコは十五人も殺害した平成の鬼女として、世間で大きく騒がれた犯罪者だった。大きなチャンスに、ルミは全霊を賭けてフジコを演じようと試みるが……。ベストセラーとなった戦慄のミステリー「殺人鬼フジコの衝動」。その続編につながる短篇が、いちはやく電子書籍で登場です!
これを読んでいなくてももちろん「真実」は楽しめますが、主要登場人物の一人である構成作家の吉永サツキが上記ドラマ制作に深く関与しており、しかも茂子の所属する宗教団体の圧力でお蔵入りになったという経緯があります。また上記小川ルミは本名藤原留美子で「真実」の事件に関与しています。
それでは例によって文庫版裏表紙の内容紹介です。
一本の電話に月刊グローブ編集部は騒然となった。男女数名を凄絶なリンチの末に殺した罪で起訴されるも無罪判決を勝ち取った下田健太。その母・茂子が独占取材に応じるという。茂子は稀代の殺人鬼として死刑になっ たフジコの育ての親でもあった。
茂子のもとに向かう取材者たちを待ち受けていたものは。50万部突破のベストセラー『殺人鬼フジコの衝動』を超える衝撃と戦慄のラストシーン !

「衝動」のフジコは既に死刑執行されており、「真実」に登場することはありませんが、登場人物達によって言及されることで相変わらず存在感があります。
下田健太というのは殺人鬼フジコの叔母である茂子の息子です。「真実」にも登場しており、フジコの3歳年下ですが、「真実」ではほとんど言及されることはありませんでした。フジコの従兄弟であるにも関わらず、フジコの眼中にはなかったようで、寝苦しい真夏の夜、唯一冷房のある6畳間(茂子の夫が寝ている)に行って寝ているようだが、自分は流石にそれはできないといったモノローグがあった程度です。
その健太もまた第二の殺人鬼となっていたことは、流石に血は争えないということなのでしょうか。虚言癖があってクラス中からシカトされていた少年だった健太が、フジコが家を出た(高校中退して出来婚して玉の輿に乗ったと思ったら一層ひどい状況になったあの時)後に急に変身し、学級委員や生徒会役員になってカリスマ性を身につけていき、新任女教師を自殺に追い込み、その後はまさしくサイコパスとして近づく人々を犠牲にしながら生きているようです。
健太は男女数名を殺害したとして起訴されるも、物証が少なくて一審では無罪を勝ち取り、検察が控訴しなければ確定という状況にあります。健太の事件は2002年3月に起きた「北九州監禁殺人事件」をモデルにしており、健太自身がこの事件に範を取っているようです。この事件の加害者はWikipediaによると

“病的な嘘吐きで自意識が強く目立ちたがり屋。饒舌でいくつもの顔を持ち、エリートを演じる傾向がある。礼儀正しく愛想が良いが、猜疑心・嫉妬心が強い(アフェクションレスキャラクターの傾向) 。異常なまでに執念深く嗜虐的。神経質で臆病な面もあるが虚勢を張る。”
と記されており、健太の性格とほぼ一致していることから、健太自身がこの加害者をモデルにしているのだろうと思われます。「北九州監禁殺人事件」では加害者への死刑判決が2011年12月に最高裁で確定しています。詳細はWikipediaをご覧頂きたいのですが、概要を淡々と記述した文章を読んでいるだけで気持ち悪くなってしまいました。この事件そのものがイヤミスですが、大きく異なるのは実際に起きた事件であるということですね。まさに事実は小説より奇なり、です。
「真実」の健太は残念ながら無罪判決となっていますが、前述の構成作家吉永サツキは何とか物証を得て健太を控訴、そして死刑に持ち込みたいと思っています。そこで雑誌編集者の井崎智彦と村上里佳子とともに健太の母・茂子の住むSヶ丘団地に向かいます。
インタビューは1日で終わる予定でしたが、茂子の異様な対応により、何と6日に亘ってしまうことになります。
以下はまたもやネタバレですので、読まれる方はドラッグしてどうぞ。
やはり私が思っていたとおり、「衝動」の1章は早季子の物語で、フジコではありませんでした。そして2章からがフジコの物語だった訳です。15人殺害の殺人鬼として知られるフジコですが、実際には両親と妹を殺害したのも当時11歳のフジコであり、なんと18人もの人間を殺していたことになります。そして事件をフジコからそらす役割を果たしていたのが茂子と小坂初代でした。
この点は「真実」を読めばはっきり判明しますが、読む前に気付いたことは我ながら「よくやった」と言いたいです。伊達にミステリーは読んでいない(まだまだビギナーですが)。
そして明らかになった真実は、フジコは実際は茂子の娘であり、母親だと思われていた慶子(茂子の姉)は伯母だったのです。ここでフジコが「衝動」で散々行っていた「お母さんのようにはならない」という言葉の意味が大きく変わっていくことになります。慶子が近所で評判の美人だったにも関わらず、フジコが全く似ていなかった理由も、やはい不美人だった茂子の娘と言うことで納得です。
そして今回のシリアルキラー・健太は、フジコの従弟ではなく、異父弟ということになります。つまり茂子の子供達はいずれも殺人鬼となっている訳です。これだけでも茂子の血筋の恐ろしさが凄まじいことが判ります。茂子自身は殺人は犯していないようですが、彼女の精神の異常さはサイコパスそのものといえましょう。
雑誌記者の村上里佳子は茂子と健太の術中にまんまとはまり、見事に地獄送りとなってしまうのですが、サイコパスという連中は本当に被害者になりやすいタイプを見いだすのが上手いですね。「どうして逃げない!?」と突っ込みたく場面もしばしばですが、「北九州監禁殺人事件」を知ると、加害者の様々な手口によるマインドコントロールの深刻さが判るので、村上里佳子も取り込まれてしまったのでしょう。健太のみならず、茂子と遭遇した時点でそれは始まっていると言って良いでしょう。
それから意表を突かれたのは、「衝動」に登場してフジコの半生を書いた後に死んだ早季子の妹、美也子は生きていたことです。健太の事件の生存者ですが、てっきり茂子と初代に殺されたのかと思っていました。実際に拉致したのは健太だったのでした。健太とフジコは茂子の子供であり異父姉弟なので、フジコの娘である美也子は茂子の孫にして健太の姪なのですが、それを餌食にしてしまうと言う…
事件は検察が控訴を断念したことにより急転直下します。吉永サツキが健太と茂子を殺害してしまうのです。正直この二人は生きていて良いことは一つもないような人間の皮を被った鬼なので、死んで当然ですが、自分自身は直接被害を受けていない吉永サツキがなぜ犯行を決意するのかという点で、恐ろしい疑惑が湧いてきます。
吉永サツキは美也子と接触して彼女のあまりの不幸ぶりにひどく同情していましたが、美也子はフジコの娘、茂子の孫、そして健太の姪なのです。彼女自身にもサイコパス、或いはシリアルキラーの血は流れていて、吉永サツキをマインドコントロールすることによって、自身にとっての障害(茂子と健太)を排除したのではないか……
茂子の血統はほぼ死滅しましたが、唯一の生き残りが美也子です。今後彼女がどのように生きていくのかを想像すると、怖い考えになってしまうのは私だけでしょうか。
真梨雪子の小説は面白いのですが、「衝動」「真実」を連続して読んだせいか、イヤミスはもうお腹いっぱいという感じです。心が温かくなる読後感の小説が読みたくなってきました。
いよいよ夏の逆襲が開始されたような気配ですね。まさしく

といったところでしょうか。きっと焦熱地獄か大焦熱地獄なんでしょう。八大地獄の中でもかなり下の方(6番目と7番目)なので厳しいこと請け合いです。

本日8万ヒットを超えました。7万人突破が7月1日でしたので36日で1万アクセスという計算です。これは前回と同じですね。

0(8/31) →1万(11/3) 64日間 (平均156アクセス)
1万(11/3) →2万(12/15) 43日間 (平均233アクセス)
2万(12/15)→3万(1/13) 30日間 (平均333アクセス)
3万(1/13) →4万(2/19) 37日間 (平均270アクセス)
4万(2/19) →5万(4/10) 50日間 (平均200アクセス)
5万(4/10) →6万(5/26) 46日間 (平均217アクセス)
6万(5/26) →7万(7/1) 36日間 (平均278アクセス)
7万(7/1) →8万(8/5)36日間 (平均278アクセス)

さあ、アクセスカウンターが起動した8/31日までにどれだけ伸びるのでしょうか。今の状況だと、9万アクセスには届かず、8万7千位かななんて推測しますが。

さて暑さしのぎの涼風となればいいなという想いを込めて爽やか青春合唱アニメ「TARI TARI」を紹介しましょう。本日は5話と6話。これまでになく鬱展開というか涙展開が待ってます。

まずは第5話。

大智のバドミントン大会出場から話は始まります。将来の夢はバドミントンの選手である大智に紗羽は好感を持っているようです。紗羽自身、騎手になりたいという夢があるからみたいです。

一緒に応援しようと和奏を誘う来夏ですが、いつもにまして暗い表情の和奏は途中で帰ってしまいます。和奏が音楽から離れた理由が明らかになる回になるに違いないと誰もが思うところでしょう。

大智は惜しくもベスト8止まりでした。ベスト4に入れば全国大会に出場できたらしいので非常に悔しいところです。さりげなく寄り添う紗羽が良い感じ。夢を追いかける同士ということで、共感し合っていますね、この二人。しかし…小柄スレンダーな来夏ならともかく、長身でグラマーな紗羽に騎手は向いているのでしょうか?

海辺で黄昏れている和奏、足に怪我をした紗羽のママン、志保に遭遇します。そのまま徴発されて壊れたサーフボードを運ばされます。押しには弱い和奏なのでした。

しかし悪いことばかりではありません。志保もかつて合唱部に所属していて、和奏ママンのまひるや教頭の一学年下の後輩だったそうです。優勝時の集合写真を見せてくれました。左端には若い校長もいます。志保はどこ?

これがまひると教頭の若い頃です。教頭は面影ありますね。和奏に似ている似ていると言われるまひるですが、やたら明るい表情のせいかあまり似てないような。コピーしてくれるということで、ここで一気に和奏の回想モードに。

中学生時代の和奏。今とそんなに違いませんがセーラー服ですね。入院しているまひるを見舞っています。会話からすると以前も入院したことがあるみたいです。楽観的な表情の和奏に対し、動揺してコーヒーをこぼすパパン。症状はかなり深刻なようですが、和奏には伝えていないようです。

思春期で反抗期に入っている和奏。生真面目な性格もあってか、自由人のまひるに反発しています。症状を知っていたらもっと仲良くできたかも知れない。もっと優しくできたかも知れないというのが和奏の後悔です。

さらに小さい頃の記憶。まひるがクジラのマスコットを作ってくれました。しかしキンギョだという和奏に、間をとってイルカということにしました。このマスコットはずっと和奏の鞄につけられていました。しかし、音楽とは手を切ったからピアノを引き取って貰おうと言う和奏。パパンもあえて拒否はしません。それどころかイルカのマスコットまで捨てようとする和奏。

翌日、補習が終わると大智の残念会に誘われる和奏ですが、天気が悪くなりそうなのとパパンが手伝いで不在になっているので断って帰ってしまいます。雨が降る前に家に帰り着いた和奏ですが、ブサネコ・ドラがいません。降り出した雨の中探しに出かける和奏はまた回想に…

高校受験当日。カッパを出しておいてと頼んだのに忘れていたまひるにおかんむりの和奏。しかしまひるが家にいるのは、元気になったからではなく、もう助からないからせめて自宅で想い出を…という感じだったのでは?まひるは顔に出してはいませんが。

出かけた和奏を傘も差さずに追いかけてお守りを渡すまひる。「こんなのいいのに。濡れるから早く帰って」と言った和奏。どうしてありがとうと言えなかったのだろう…

ずぶ濡れになって探したのにドラはいません。今度はコンドルクインズから渡されたまひるの手紙を思い出す和奏。和奏と過ごすことに専念したい、二人で曲をつくりたいと記していたまひる。大原さやかのボイスはこういうとき凶悪です。志保を演じている能登麻美子がかなりBBA声を作っているのに対し、さあやはいつもの素敵ボイス全開ですからね。

そして教頭らを前に面接中、血相を変えて駆け込んできた高橋先生。凶報が…

別れは突然でした。どうして?朝はあんなに元気だったのに…

そんなに深刻な症状だなんて夢にも思わなかった和奏。受験のために病状を伏せていたまひるに対し、自分はどうしてあんなに邪険にしたり反発したりしたのか。どうして優しくできなかったのか。どうして素直な気持ちを伝えられなかったのか。和奏の号泣は悔恨に満ちています。

空っぽな部屋で立ちすくむ和奏。自分で言いだしたことですが、ピアノもイルカのアクセサリーも運び出されていました。壁が白いのはアップライトのピアノがあったせいです。本当にそれで良かったのか、和奏?

続いて第6話。第5話はびっくりの鬱回でしたが、爽やかさが売りの「TARITARI」です。きっと今回はやってくれるでしょう。

和奏誕生時のまひる。思えば子供が和奏一人だけというのも、もしかするとまひるの身体の問題からだったのかも知れませんね。パパンは変わらないなあ。


ドラを探して雨に濡れたせいか、ママンの想い出の品を失ったせいか、夏風邪を引いてしまった和奏。パパンも慌てて帰ってきました。二階で倒れていた和奏、一階に敷いて貰った布団で寝るために階段を降りていきます。何食わぬ顔で帰ってきたドラを見て一安心。

始業式だというのに学校を休んだ和奏を心配する来夏。メールすれば?という紗羽ですが、和奏にうざいと思われるのが怖い来夏なのでした。天真爛漫に育ってきた来夏もそういうことを考えられるようになったか(笑)。


直接和奏の家を訪ねる来夏。ケーキを買って(でも代金の半分は紗羽が出したらしい)、パパンの土産物屋前で挙動不審な動き。海岸に行くと和奏を発見。海に飛び込むのではないかと誤解した来夏(まあ元気ないことは知ってましたからね)、必死に止めに走りますが、自分が潮だまりに飛び込むことに。

広くなった和奏の部屋に通された来夏、自分と祖父の思い出を語ります。コンドルクインズの大ファンだったグランパとコンサートに行く約束をしていましたが、果たされないままにグランパは亡くなったそうです。でもそれで良かったという来夏。約束は果たしてしまえばそれで終わりだけど、果たされなかった約束はずっと残るから、と。


またもや和奏回想モード。「心の旋律」を口ずさむまひるは、これは私の歌といいます。和奏の歌は?というチビ和奏に、じゃあ一緒に作ろうかというまひる。まひると和奏の約束。それは二人の果たされなかった約束です。


次は紗羽のターン。写真を取りにおいでという志保の伝言を伝えるメールを貰ってお寺にでかける和奏。一緒にテープも受け取ります。カセットテープって私の若い頃は非常にポピュラーでしたが、今では再生機を見つけるのも困難になってきましたね。

和奏を馬に乗せる紗羽。人当たりも良く気配りもできる完璧超人的な紗羽ですが、実は住職のパパンとは不仲のようで、口も聞いていないという意外な話を聞きます。騎手になるという夢を反対され、「寺を継がないなら公務員になれ」と言われたせいだそうです。寺を継がないと出て行かなきゃいけないのでしょうが、“尼僧紗羽”というのもちょっとギャップが激しすぎますね。皆それぞれ悩みを抱えた中で生きているんだなあと改めて思う和奏なのでした。

翌日、音楽室のラジカセでテープを聞こうと早出した和奏。大智とウィーンの秘密特訓を見て思わず噴き出してしまいます。合唱部員全員が頑なだった和奏の心を解きほぐすのに一役買っています。発声練習の時に、愛する人に伝えるようにとまひるに言われたことを想い出す和奏。

高橋先生無事出産と聞いて放課後にメールを出す和奏。すると即行で電話が。スイーツを買ってきてとパシリをおおせつかる和奏。押しに弱い和奏その2です。

赤ちゃんを見せられる和奏。出産直後とは思えない発育ぶりですが。元気に育ってくれればそれでいいという高橋先生。まひるも同じ気持ちを和奏に持っていたのでしょうか。

実は本日は結婚記念日ということでパパンがごちそうを作っていました。夕食の席でなぜまひるは病状を伏せていたのかと尋ねる和奏。それは全て和奏を思いやってのことだったのでした。パパンも良く今まで伏せていたと思います。

和奏が音楽科から普通科に転籍するのにも文句を言わなかったみたいだし。和奏の心の傷が癒え、哀しみに耐えられるようになるまで我慢していたということでしょうか。もっともパパンも愛妻を失った哀しみを薄れさせるのに2年以上かかったとも解釈できますね。この父子にはそれだけの時間が必要だったのでしょう。愛に時間を。

そんなにも愛されていたことに気づかなかった自分に席を立って暗い自室に立ちすくむ和奏。それなのにどうしてピアノを捨ててしまったのか…。

追いかけてきたパパン、書きかけの楽譜を渡します。それは病床でまひるが持っていた楽譜ですね!?作りかけて未完成だった和奏とまひるの二人の曲。これをお前が完成させることはできないのか?とパパン。そしてピアノもアクセサリーも捨てていなかったことを打ち明けます。愛妻まひるの遺品を捨てられるはずもありませんよね。

そんなパパンに心から感謝する和奏。そしてまひるを思って2年半の歳月を超えて再び号泣です。パパン株ストップ高を記録です。

翌朝、ラジカセにテープをセット。聞こえてくるまひるの声。そして「心の旋律」。一緒に歌い出す和奏。そして早出練習に来ていた合唱部一同と合唱。初めて5人で歌いながら、エンディングに。この終わり方が素晴らしいです。

今回わりと重い話が多かったのですが、笑いのシーンもちゃんとありました。「ちはやふる」の千早顔芸特集に倣って、最後に「笑うTARI TARI」コーナーです。


大智の応援に踊りまくる来夏と紗羽。君たちは一体何部なのかと言いたくなる完璧なユニゾン。なんだこれは…たまげたなあ。ダンス甲子園に出場した方がいいのでは(もうないか?)。

夏風邪を引いた後、なぜか幼児番組を見ている和奏。もしや「できるかな?」ですか?小学生時代に風邪引いた時の記憶なのかも知れませんが。まあワイドショーで芸能ゴシップを見ているというのも確かにちょっと。

早出のため朝食は電子レンジに入れてあるという和奏のメッセージ。イラストは高垣彩陽の直筆とか。

そしてレンジに入っていたのは食パン一斤!レンジの意味が全くありません。和奏はシリアスにボケをかますタイプのようです。


音楽室のラジカセを使わせてもらおうとやって来たら、大智とウィーンが奇天烈なポーズを。新しいマッスルドッキングの完成か?

俺たちに必要なものは何だろうと問われて、思わず「常識かな…」と答える和奏。図らずも笑いを取ったことは和奏の再起に良い影響を及ぼしました。

パパンの飾るまひるの遺影。遺影でイエーイ!

今日は8月4日。語呂合わせで「箸の日」とか「橋の日」だったりします。意外なところでは「ビアホールの日」でもあったりします。1899年のこの日、銀座に、現存最古のビアホール「ヱビスビヤホール」が開店したことを記念してのことだそうです。今は「銀座ライオン」という名前になってますが。声優の高橋美佳子は「ぱよの日」と言っていますが、「ぱよ」って一体何?

さてちょっと飛びましたが好きなアニメキャラの第二回を行ってみましょう。本日は「中二病でも恋がしたい!」の丹生谷森夏です。

丹生谷森夏(にぶたに しんか)は「中二病でも恋がしたい!」ヒロインの一人で、主人公富樫勇太のクラスメイトでクラス委員長をしています。

クラスでも屈指の美少女で、男子の人気を集めています。大きなピンクのクリップで前髪を整えているのが特徴的です。入学式で新入生総代を務め、成績も良く、落ち着いた性格の優等生ですが、それはあくまで猫を被って演じている表の顔であり、高飛車で自己中心的という裏の顔も持っています。

富樫勇太の中二病の過去を抉り、当時の科白を突きつけて悶えさせるドSな性格で、中二病を毛嫌いしていますが、実は森夏自身がかつては中二病患者であり、魔術師もしくは精霊巫女になりきり「森夏」をもじった「モリサマー」の二つ名でネットを中心に活動していた他、蜥蜴を集めていました。

高校に進学する際に中二病を卒業すると共に猛勉強して知り合いの居ない進学校に進み、中二病の黒歴史そのものであるWEBページへの痛い書き込みを完全に削除し、忌まわしい記録を抹消したはずでしたが、凸守早苗が自分の書き込みをコピーして保管していることを知り、彼女に接触してこれを処分するために六花の同好会「極東魔術昼寝結社」に入りました。森夏が入ったので「極東魔術昼寝結社の夏」に名称変更したりしています。

なお凸守早苗は1年前にネットで質問した「異世界への行き方」に答えてくれたモリサマーを六花の次に敬い、その言葉をコピペして「マビノギオン(闇聖典)」としてまとめて愛読しています。森夏は自分がモリサマー本人であると明かしますが、凸守には信じてもらえず「偽・モリサマー」呼ばわりされ続けています。

口では悪態をつきつつもなんだかんだで世話焼きで面倒見が良く、電車に酔った凸守を介抱したり、中二病を止めた六花に落胆する凸守を優しく慰めたりしています。高校生なのに現役中二病の小鳥遊六花には、当初は良い感情は持っていませんでしたが、後には恋のアドバイスや中二病卒業の手助けをするなど情に篤い一面も見せていました。

同好会メンバーには素の自分を見せますが、他のクラスメイトには物腰の柔らかい優等生マドンナの態度を崩しません。森夏に好意を寄せるオノコ達は数多いますが、彼女の素を知った野郎共は例外なく恋愛対象から外してしまうという(笑)。

OPの映像にもあるとおり、当初はリア充高校生活を目指してチアリーディング部に所属しますが、部内の人間関係に嫌気が差して秋までに退部してしまいました。その後も演劇部に誘われていますが、あまり気が進まない様子です。

モリサマー時代のありがたいお言葉の一端です。

① 私は記憶は失われてますが、500年に渡り生きてきたこの世界に現存する本物の魔術師。その私が記す精霊に導かれし物語。そう我が名はモリサマー。この世界には白い世界と黒い世界があることは、みなさんもご存知だと思いますが… (以降不明)

② 愛こそすべてです。精霊を見るには正しき心が必要です。現代まで生き延びた現代で唯一の魔術師、その悲しさ、虚しさ。すべてを背負って私は生きて…(以降不明)

③ 闇聖典(マビノギオン) 七色の写本 第三章 一節
精霊の囁きと光と水の想いが私達に届く時、白い世界は開かれるのです。400年にわたって世界を見続けてきた私には理解(わか)ります。この世界に一番必要なのは…愛。

④ 天と地に宿りし精霊たちよ、その祝福を持って我に力を与え給え。凸守早苗に不幸が訪れますように。凸守早苗に不幸が訪れますように。(これは高校入学後。色々あってつい中二病がぶり返した時のものです)

⑤ ネット掲示板でのやりとり(これで凸森は中二病患者になりました)

質問者:SANASANA(凸森早苗)
平行世界に行きたいです。友達はみんな、「そんなゲームみたいな世界は存在しない」とか言って相手にしてくれません。

回答(1)回答者:邪王心眼さん(小鳥遊六花)
平行世界は存在する。だが機関によってその存在は隠蔽されている、それを突破するための方法がこの世のどこかにあるはず。

回答(2)回答者:モリサマーさん(丹生谷森夏)
あなたのお気持ち、凄くよく解ります。一般市民の多くは、この世にあらざるもの、世界への感度が大変鈍く、あなたのように霊力の高い人にとっては、とても考えられないようなことも…(以下不明)

CVは赤﨑千夏。1987年8月10日生で、2010年頃から声優活動を開始している若手声優です。メインキャラを獲得できるようになったのは2012年からで、今後の活躍が期待されます。東京学芸大学教育学部卒ということでインテリですね。

2012年12月26日に発売されたCD「TVアニメ 中二病でも恋がしたい! ボーカルミニアルバム 『暗黒虹彩楽典』」に収録されている森夏のキャラソン「でいなばよって☆マサリモ」(ひっくり返して読んでみて下さい)は面白い曲です。出だしはチアリーダー風かけ声が入ったりして、一番の歌詞はリア充的な展開をしていますが、途中で凸守早苗が乱入してからは一転して暗い声で中二病患者だった過去に苦悩しています。作詞・作曲はZAQですが…すごいなこの人の才能は。赤崎千夏の演技力も必聴です。

http://www.youtube.com/watch?v=mznBMxE3TzY

「中二病でも恋がしたい!」では京都アニメーションによるやけに力の入った中二病的視点でのバトルシーンが傑作でしたが、森夏も凸森と闘った時には超絶バトルとなっていました。森夏も禁呪「バニッシュメント・ディス・ワールド」(※)が使えたんですね。


※ 「中二病でも恋がしたい!」で妄想バトルを開始するときの呪文。中二病的に解説すると、「術者がイデアに直接アクセスすることにより現実境界線を歪ませ、過剰活動をさせたシナプスより自らの心象風景を外界へ投影、世界そのものを一瞬にして塗り替える窮極の禁呪。固有結界と呼称されることもある」ということです。出典は民明書房の書籍かも知れません。

しかし戦闘中の凸森による「モリサマ-」の言葉の引用により羞恥の虜になってしまい、戦闘放棄。まさに言葉責めというか精神攻撃でした。元患者では現役には敵わないのでしょう。

アニメ第4話「痛恨の…闇聖典(マビノギオン)」で森夏の本性が明らかになり、そのキャラの面白さにやられました。勇太も最初はちょっと恋ゴコロを持っていたようなのですが、4話以降は完全に眼中になくなっていたのがちょっと哀しいですけど。

また10話で文化祭に中学時代の森夏の仲間(当然中二病仲間)がやってきて、色々と香ばしいエピソードを開陳する羞恥プレイに苦悶する姿も面白かったです。中二病エピソード返しもしてましたが。

二期を作るならこの人にもうちょっと色恋沙汰的なエピソードを作ってやって欲しいと思います。

今日明日は涼しいと聞いていたのですがね…。昨日の夜はとても涼しくて寝やすかったのですが、今日は結構暑いじゃないですか。猛暑とは言わないけど予想より暑いと余計に暑く感じますね。来週は猛暑復活らしいので今のうちに休養したかったのですが。
さてギャルゲーの土曜日、今日は大番長の第三回目・県内編です。前回で学園編が終わり、聖城学園を制圧した狼牙一行ですが、聖城学園も闘京というエリアの一傘下校に過ぎません。闘京エリアを統括しているのは戦争寺学園です。太刀区(たいとうく)にあるので浅草寺のパロでしょう。

聖城学園があるのは闘京(闘京エリアの闘京)。その他には中央区(まんまだ)、勝飾区(かつしかく)、皆斗区(みなとく)、千夜堕区(ちよだく)、過浪区(すぎなみく)、江怒川区(えどがわく)があります。なんだこの名前は……たまげたなぁ。このうち中央区と皆斗区は中立地帯となていますが、他は戦争寺学園の勢力圏です。
各地区ともに制圧地点(学校や観光名所など)やイベントを持っています。例えば闘京には「サンシャインⅥ」(低ッ!)があり、攻略ダンジョンとなっています。仲間のレベルアップやBP獲得に役立ちます。
戦争寺とまともにぶつかると、数の差で圧倒されてしまいますが、実は県内編冒頭で江怒川区に拠点を置く750学園(ナナハンがくえん)が独立します。750学園はカントウ獄煉という暴走族集団が牛耳っているのですが、応援団風の戦争寺学園とはもともと反りが合わなかったようです。

ということで三つどもえの戦いになるので、戦争寺とカントウ獄煉、両方を相手にせず片方とだけ闘うようにすれば比較的有利に闘えるでしょう。25ターンまでに戦争寺学園の番長金剛丸三蔵かカントウ獄煉の番長韋駄川煉(いだがわ れん)のどちらかを倒せば県内編クリアとなりますが、注意しなければならないのは、戦争寺を制圧すると天楼久那妓が、カントウ獄煉を制圧すると京堂扇奈が離脱してしまうということです。この二人のヒロインのいずれかを狙っている場合は注意です。他のヒロインを狙っている場合は特に気にしなくてもいいのですが、戦力としてどちらか好みがあればそちらを残した方が吉でしょう。戦力的にはどちらもいてくれるのが一番いいのですが。

それでは県内編で仲間になるキャラです。まずは戦争寺学園系。
金剛丸三蔵

戦争寺学園の番長で、応援団団長です。「鉄壁の金剛丸」の通り名を持つ進撃の巨人です。腰にチャンピオンベルトの形状をした、特注品の携帯電話を巻いていますが、これは普通サイズの携帯電話では小さすぎるため、妹の彩からプレゼントされたものだそうです。
仁義を重んじる性格で部下の人望も厚い人物です。カントウ獄煉を先に攻め落とすと殺害されてしまいます。戦争寺を先に攻め落とすと仲間になりますが、その前に堀田大悟を仲間にしていると仲間になりません。大悟を仲間にする場合が多かったので三蔵を仲間にした記憶はあまりありません。
金剛丸彩

三蔵の妹で戦争寺学園の執行部長です。冷静沈着な性格で「鉄血の金剛丸」と呼ばれています。子供の頃、同名の焼肉屋が近所にあったことからイジメられたというトラウマがあるので、名字で呼ぶことはタブーとなっており、周囲は「彩さん」と呼んでいます。

戦闘もこなせますが、どちらかというと内政が得意です。狼牙は面倒な事務は全て彩に押しつけている気配です。
加倉井潤

戦争寺応援団の一人で、色黒で生真面目そうな顔立ちをしています。「ぴーちゃん」と呼ぶ雀(右肩に止まっています)とよく戯れていて、前世の恋人だと称してしますが、ことあるごとに踊り食いしているという、見かけと裏腹のド変態です。
二階堂光弘

戦争寺応援団の一人で三蔵に憧れて応援団に入りました。見たとおり気弱な性格で、応援団の気迫に怖気づいてしまうことが多い新米です。
堀田大悟

戦争寺学園の統治下にある「鋼学園」の学生で、彩に惚れています。戦争寺に協力しているのも彩にいい所を見せたいという気持ちからです。暑苦しく、すぐ周りが見えなくなる一直線な性格で、インパクトのある登場をしたがります。

全国編である条件を満たすと、デビル大悟にパワーアップします。ブルー3に憧れてジークンドーを独学で学び、いつもジャージ姿です。元ネタは当然デビルマン(ただしアニメ版)です。
続いてカントウ獄煉系キャラです。
韋駄川煉(いだがわ れん)

獄煉を取り纏めている「750学園」の番長です。かつて親友の北斗を死なせたことを今でも悔やみながら、戦争寺から独立を宣言して全国制覇を目指します。戦争寺を先に攻め落とすと殺害されるほか、獄煉を先に攻め落としても先に旋風寺京子を仲間にしていると京子に殺害されてしまいます。
さらに仲間にしたあとも特定の条件を満たすと死亡イベントが発生するという厄介なキャラです。
飛谷摩利夫(ひたに まりお)

獄煉に協力しているカウボーイ姿をした「嵐野学園」の学生です。常にギターを持ち歩いており、恋人であった「明日香」の仇を探しているようです。人間椅子が得意。見た目に昔の特撮作品「快傑ズバット」の早川健です。「残念だがお前は世界で二番目だ」

旋風寺京子

旧姓は「レディース日置嶋」で、闘京で獄煉のメンバーとして活躍していた伝説のスケバンです。北斗の妻となりましたが、北斗の死後は煉と疎遠となり一人でゆうなを育てていました。躾に厳しく、悪いことは悪いと叱れる良き母親でもありますが、韋駄川煉と一緒に仲間にすることはできません。どちらかと言えば遠距離攻撃タイプの京子の方が便利かな…。
旋風寺ゆうな

京子と北斗の子供で、北斗が亡くなった後に産まれたので父親の顔を知りません。条件を満たせばユニットとして仲間に加わります。まだ子供なので戦闘力は皆無ですが、有用なスキルを持っています。
旋風寺北斗

京子の夫で、ゆうなの父親です。3年前に抗争によって帰らぬ人となってしまいました。故に名前はよく出てきますが当人は登場しません。
崎村竜二

獄煉の幹部であんパンが好物の甘党です。愛読書は暴走族漫画らしく、狼牙から「アンパンマン」の称号(?)を貰いました。元ネタは「特攻の拓」に登場する通称「デブ崎」藤崎貢でしょう。デブ崎もアンパン好きですが、こっちはシンナーの隠語です
その他
桜だもん千紗

狼牙の兄・豪が連れてきます。先祖代々看守の仕事を受け持ってきた桜だもん家の一人娘で、捕らえた敵を仲間にするか解放するまで看守を担当します。なお今回は捕虜の拷問とか娼館送りはありません。番長は人道的なのでした。
こうして闘京エリアを制圧するといよいよ全国編に移行します。本編はむしろここからスタートするという形です。闘京エリアもカントウ地方の一部に過ぎず、カントウを支配しているのはPGGという大勢力なのです。

やあやあ学生諸君、夏休みを満喫していますか?たまにはこういう僻地のブログにも遊びに来ておくんなさいよ。それはそうと、7月の上旬頃に夏風邪を引きましてね、ようやく今週中に完治したところです。夏風邪は治りにくいといいますが、三週間もかかるとはまさにそのとおり。症状は重くはないのですが、鬱陶しくて参りました。もう冬まで風邪引かないぞと誓いつつ、金曜恒例の中国美女列伝に行ってみましょう。

ここのところ四大才女シリーズで、3人まで紹介してきましたが、1人を残して別のシリーズに行ってしまいます。最後に残った上官婉児についてもいずれはやりますが、とりあえず四大妓女に移ろうかと。あ、四大才女の他に四小才女というのもいるのですが、「小」まではやってられないなあという気持ちと、そもそも日本人があまり知らない人達のような気がするのでとりあえずパスします。

妓女というのは日本でいえば芸者に近い人達のようです。Wikipediaによりますと
妓女(ぎじょ)は、中国における遊女もしくは芸妓のこと。娼妓、娼女という呼称もある。歌や舞、数々の技芸で人々を喜ばせ、時には宴席の接待を取り持つこともあった。娼婦を指すこともある。

と説明されています。文献によれば妓女の存在は春秋時代から確認することができるそうで、初期は国家による強制的な徴発と戦時獲得奴隷が主な供給源だったと考えられるそうですが、秦による統一以降は、罪人の一族を籍没(身分を落とし、官の所有とする制度)する方法が加わったそうです。また民間では人身売買による供給が一般的になされていたそうです。これは現代にあってもよく聞く話ではあります。

妓女には、皇帝の後宮に置かれた宮妓、貴族は富豪の家に置かれた家妓、軍隊に置かれた営妓、中央政府や地方政府の運営する官製の色町に置かれた官妓、民営の妓楼に置かれた民妓などに分類されたそうです。宮妓には既に紹介した趙飛燕のように后妃にまで上った人もいます。家妓は妾も兼ねていたようです。営妓は唐代に盛んでしたが軍隊の弱かった宋代以降は衰退し、官妓は唐代から明代まで大いに栄えたようです。民妓は官妓が衰退した明代以降に栄え、清代の上海では特に繁栄したそうです。また、民妓には売春だけを目的として女性も含まれていたようです。

本日四大妓女の一番手として紹介する李師師(りしし)は水滸伝にも登場する妓女ですが、上記分類からすると民妓に該当します。「ああ、アマガミの美也のことか。CVは阿澄佳奈だよな」と思った方、節子それ李師師と違う、にししや!

李師師は生没年不詳ながら、12世紀初頭頃にかけて活躍したとみられる宋(北宋)時代の妓女です。王寅という官人の娘だったそうですが、四歳の時に父が罪を犯して獄死してしまいました。扶養する人がいないので、李姥という妓楼の経営者が引き取って育てたそうです。当然妓女にしようという目的があったことが間違いないでしょうが、四歳では李師師に選択の余地はなかったことでしょう。さて李師師は成長するとその美貌と芸が宋の都である開封でも一番と称えられるほどの名妓となりました。

時に1100年、宋は8代目皇帝徽宗(きそう)が即位します。この人は芸術家としての資質が豊かだったようで、文人、画人としての徽宗はその才能が高く評価され、宋代を代表する人物の1人とされています。現在でも徽宗の真筆は極めて貴重な文化財となっており、日本にある『桃鳩図』は国宝に指定されているほどです。

徽宗は蔡京という後の宰相に唆され、芸術・美術品をかき集めることに熱中しました。珍しい形の木や奇石を集めるために運河で都・開封まで輸送させたのですが、珍木奇石が多い江南地方は、同時に重要な穀倉地帯なのですが、運河が皇帝の趣味の珍木奇石を積んだ船で塞がれ、民衆に必要な食料が届かないという事態になってしまったのでした。

また芸術活動の資金源として重税を課したため、民衆の恨みは高まり、方臘の乱を初めとした民衆反乱が続発することとなりました。こうした反乱指導者の中には、山東で活動した宋江と言う者がおり、これをモデルにした講談から発展して誕生したのが『水滸伝』です。

さて久しく離宮で遊んでいた芸術活動にいそしんでいた徽宗は、そのうちにこれに飽きてしまい、お忍びで街を散策することを楽しみにするようになりました。そこで出会ったのが李師師でした。その李師師、講談風に記述するならば、
“淡く妝い、脂粉を施さず、絹素を衣、艶服無し。新に浴してまさに罷む、嬌艶水を出た芙蓉の如し”

ということで、素顔のままのような薄化粧で、簡素な衣装を纏っていたのにまるで瑞々しい芙蓉の花のように美しかったそうです。きっと「エロ可愛い」ではなく「清楚可愛い」とでもいう様子だったのでしょう。

以来李師師がすっかり気に入った徽宗、宮殿から李師師のいる妓楼まで地下道を掘らせてしきりに逢瀬を重ねたとか。地方じゃ反乱でえらいことになっているというのに暢気なものです。まあ水滸伝ではこの辺り、蔡京とか童貫とか高俅といった“君側の奸”が全部悪くて、徽宗自身はすこぶる英明で一点の曇りもない人物として描かれているのですが……

キュゥべえ風に言えば「まさか、そんなの不可能に決まってるじゃないか(笑)」。

それはともかく、水滸伝における梁山泊を率いる宋江は、国に忠誠を尽くす忠義の士で、彼の反乱も君側の奸を排除することが目的であり、徽宗に対して反乱するつもりはないのでした。それどころか、罪さえ許されれば徽宗のために粉骨するつもりなのです。しかしこの真情を徽宗に伝える術がありません。皆邪な側近達が遮ってしまいますのでね。

そこで宋江、開封の祭りの日に潜入し、徽宗がお忍びで逢いにくるという妓女のところへ行き、話をする場を得ようと考えます。それこそが開封一の名妓といわれる美女・李師師です。宋江の命を受けた燕青(えんせい)は、単身、李師師の勤めている妓楼に行き、李師師に会って事情を説明して徽宗との面会の取り計らいを依頼します。

ちなみにこの燕青、全身に刺青を家rた絶世の美少年で、仇名は「伊達者」を意味する浪子(ろうし)。天罡星三十六星のうちの天巧星の生まれ変わりです。「巧」の字が表す如く多芸多才な人物で、武芸のみならず遊びや音楽、舞踊等の芸事、商売人の隠語や各地の方言にまで精通し、頭の回転も非常に速くしばしば機転を利かるという一家に一人欲しい人材です。また、粗暴なことで知られる天殺星の殺人マシーン・李逵を力で制圧する事ができる稀有な人物でした。

李師師は燕青の偉丈夫ぶりに感心してその言葉を信用しますが、その一方で一目惚れして燕青に言い寄りました。しかし燕青は誘惑には乗らず、姉弟の契りを交わして事なきを得ます。まあ皇帝の愛妾を寝取るようなことをしては計画は全ておじゃんでしょうからね。

その晩、李師師のもとに徽宗が訪れると、李師師は燕青を紹介し、燕青は自分の正体は隠しつつ、梁山泊の賊が実は帰順したがっているが、ただ蔡京・童貫らによって阻まれているということを話しました。それを聞いた徽宗は驚き、早速翌日に文武百官の前で宋江以下の者たちの罪を免じ帰順を許すことを宣言する……というのが水滸伝での展開です。

こうして宋江は晴れて国家の臣となり、梁山泊の軍勢を率いて宋の内憂外患と干戈を交えることになるのですが、またそれは梁山泊の“終わりの始まり”でもあったのでした。詳しいことは水滸伝をご覧下さい。

このエピソード自体はかなり眉唾ものですが、李師師は正史にこそ登場しないものの、野史や伝記には多く登場しているので、実在した人物である可能性が高いと言われています。

1126年に北宋は金の侵攻により滅亡(靖康の変)し、徽宗以下皇族・官僚など数千人は満州に連行されて悲惨な虜囚生活の果てに異郷に骨を埋めることとなりました。また皇女達は全員が金の皇帝・皇族らの妾にされるか、官営の妓楼「洗衣院」に入れられて娼婦とさせられたそうです。そんな、ひどい……

李師師の消息もそこで消えてしまいます。その後の彼女の生涯には死亡説、逃亡説、捕虜説など諸説があり定かではありませんが、今のところ逃亡説が有力とされ、南方に逃れて一民間人として余生を送ったされています。

なお中国中央電視台(CCTV)のテレビドラマ「水滸伝」では、多数の仲間を失ったあげく方臘を鎮圧して凱旋した梁山泊軍の中に燕青がおり、彼は恩賞を辞退して一人舟で都落ちをしようとするのですが、そこへ横付けしたのが李師師の乗った舟で、二人は駆け落ちしていずこともなく去って行くということになっています。この終わり方はカッコイイですね。

なんか李師師というよりは水滸伝の話になってしまった感もありますね(汗)。しかしせっかく水滸伝に触れたので、次回は水滸伝の女性を。といっても野郎ばかり続々登場のこの物語では女性は本当に少ないのですが。それでは最後にリアル李師師をどうぞ。



明日明後日はちょっと凌ぎやすいとか。しかし来週は暑さが戻ってきそうです。もうダブル高気圧なんてふざけたことはやめて欲しいのですが…来週にはもう立秋(という名の“オレ達の暑さとの戦いはこれからだ!”)なんですね。
本日は真梨幸子の「殺人鬼フジコの衝動」です。真梨幸子の小説は初めて読みました。

真梨幸子(まり ゆきこ)は1964年生で宮崎県出身。多摩芸術学園映画科(現:多摩美術大学映像演劇学科)を卒業し、2005年に「孤虫症」で、講談社発行の小説雑誌「メフィスト」の新人賞である第32回メフィスト賞を受賞しています。
グループサウンズのファンで、ペンネームの“真梨”は沢田研二がいたザ・タイガースのデビュー曲「僕のマリー」から取ったそうです。
「殺人鬼フジコの衝動」は2008年12月に徳間書店から刊行され、2011年5月に徳間文庫から文庫版が刊行されています。文庫化により50万部を超えるベストセラーになりました。

「イヤミス」というジャンルがあるそうです。これは「後味が悪い」「イヤな気分になる」ミステリー作品のことで、“イヤな気分のミステリー”の略称のようです。わざわざイヤな気分になるものを読むことはないような気もしますが、つまらない作品ということは決してないわけで、イヤな気分になる以上にクセになりそうな魅力があるせいでついつい読んでしまうことになるわけです。

私が読んだ本でいえば、湊かなえの「告白」とか、貫井徳郎の「慟哭」なんかがイヤミスに該当すると思います。「告白」は昨年7月21日の当ブログ記事で取り上げています。「慟哭」は残念ながらブログ開設前に読了していました。
現在イヤミス作家としては湊かなえ、沼田まほかる、そして真梨幸子が御三家といった感じで君臨しており、イヤミスは女性坂の独擅場かという感じすらします。そして読書メーターの「イヤミス本おすすめランキング(25)」
http://book.akahoshitakuya.com/cat/124306?p=1で堂々第一位となっているのが「殺人鬼フジコの衝動」です。ちなみにここで挙げられている25冊中なんと17冊がイヤミス御三家の著書です。これほどの…これほどのものかッ!

例によって文庫本裏表紙の内容紹介です。
一家惨殺事件のただひとりの生き残りとして、新たな人生を歩み始めた十一歳の少女。だが、彼女の人生は、いつしか狂い始めた。人生は、薔薇色のお菓子のよう…。またひとり、彼女は人を殺す。何が少女を伝説の殺人鬼・フジコにしてしまったのか?あとがきに至るまで、精緻に組み立てられた謎のタペストリ。 最後の一行を読んだ時、あなたは著者の仕掛けたたくらみに戦慄し、その哀しみに慟哭する……!
ついでといっては何ですが、徳間書店の特設サイトでの内容紹介です。

一家惨殺事件のただひとりの生き残りとして新たな人生を歩み始めた十一歳の少女は、なぜ伝説の殺人鬼になってしまったのか?
「人生は、薔薇色のお菓子のよう」。呟きながら、また一人フジコは殺す。最後のページがもたらす衝撃と戦慄に、口コミで50万部突破の異色ミステリ!
「殺人鬼フジコの衝動」は、奇妙な構造を取っていて、「はしがき」と「あとがき」が付いています。これは本編を書いた女性とは別人が書いており、遺稿として預かっていたものを世に出そうとしているという体裁を取っています。本編は当然ながら殺人鬼フジコの半生が描かれているのですが、それでは著者は誰なのか、そして遺稿を預かったのが誰なのかはラストまで読むことで驚愕とともに明らかになっていきます。

本編の原題は「蝋人形、おがくず人形」で、これはフランス・ギャルが1965年に歌ったポピュラーソング「夢見るシャンソン人形」原題“Poupée de cire, poupée de son”を訳したものです。直訳すると「蝋人形、音の出る人形」になるそうなので、「音の出る人形」から日本題の「夢見るシャンソン人形」という可愛いタイトルのイメージが出来たようなのです。
しかし「音」を意味する“son”には、「糠、麦かす、おがくず」の意味もあり、語呂合わせで「おがくず人形」という意味も持つことになります。作詞したゲンスブールの歌詞は、人生経験も浅く、年も若いアイドル(フランス・ギャル)に、自分自身のことを「演奏に従って歌い踊ることはできるが、中身はからっぽな存在」だと歌わせているという、非常に底意地の悪い歌となっています。

フランス・ギャル自身は当時歌詞やタイトルに込められていた二重の意味に気付かなかったそうで、気付いてからは歌うこともなくなったそうです。
この曲は本作のモチーフとなっているので、訳詞を上げておきます。本来は「音の出る人形」とするべきなのかも知れませんが、小説の内容的に「おがくず人形」の方を採用しました。

私はロウ人形。
おがくず人形。
自分の歌の中で 心は踊っていない,
私はロウ人形,おがくず人形。
私の方がいい? 悪い?
サロンにいる人形よりも。
人生は薔薇色のボンボンだと思ってる,
私はロウ人形,おがくず人形。
私のレコードは鏡。
みんな私の姿を見ることができるわ。
一度にいろいろなところに行ける。
割れて 声が粉々になるわ。
私の周りで笑い声がする。
ぬいぐるみ人形たちの声。
私の歌で踊っているのね。
私はロウ人形,おがくず人形。
あのコたちは誘惑に身を任せてしまう。
「ウイ」とか「ノン」のために。
恋は歌の中にだけあるわけではないのに。
私はロウ人形,おばくず人形。
ときにはひとり,ため息ついて
こんなこと言うの。
「それでどうなるの。こんな風に訳もなく恋の歌を歌って。男の子を知りもしないで歌を歌って。」
私はただのロウ人形。
ただのおがくず人形。
私のブロンドの髪のような色の太陽のもとにいる,
私はロウ人形,おがくず人形。
でもいつの日か 私が歌っている歌みたいに生きる,
私はロウ人形,おがくず人形。
怖がらずに 男のコの情熱を受けとめる,
私はロウ人形,おがくず人形。

孤立を怖れ、幸せに憧れ、大人はちょろいとあざ笑いながら、周囲のダメ人間にひっかかりまくるフジコ。11歳にして一家惨殺事件の只一人の生き残りとなって叔母夫妻に引き取られるフジコ(本当は藤子)。
フジコの小学生時代は実に陰惨かつ悲惨で、読むのが辛いです。環境を選べない子供をどうしてここまで虐待できるのか。そして壮絶なイジメというか性的虐待まで。女性が女性を描くと本当にキツイです。一家惨殺なんてこれ以上ないほどの悲惨な境遇に思えますが、フジコにとってはむしろ救いだったりします。
その後の中学生時代は優等生で先生の受けも良く、これからは未来が開けていくのかとも思われましたが……。実はフジコ、最初の殺人は小学生時代なんですよね。その後、中学生にして既に大学生の彼氏を作り、肉体関係まで結んでいます。フジコとしては将来有望な男を捕まえたつもりになっているのですが、男の言うことを額面通り受け取っているという未熟さ、短絡的に目の前にぶら下がっている“幸せ”に、良く確認もせずに飛びつく軽はずみさにより、高校時代からのフジコの人生はやたら面白いことになっていきます。

彼氏の大学生はただのダメ男で、親友だと思っていたフジコの友達(ろくな人間が出てこない本作においては彼女は実はそんなに悪い子じゃないのですが)とできちゃったりして修羅場を迎えたりします。
妊娠したフジコは玉の輿に乗るとタンカを切って叔母の家を出て行きますが、彼氏の発言はもちろんウソばかりで、玉の輿どころか叔母の家の居候時代よりも辛い境遇に陥ります。
その後も今より幸せな暮らしを求める度に一層転落していくフジコ。そして重ねていく殺人。ある端役のセリフ「バレなきゃ、いいのよ。バレなきゃ」をそのまま実践していくフジコ。見習うべき相手すらまともに見つけることができない愚か振りにはこちらがいたたまれなくなるほどです。

娘を殺し、夫を殺し、幸せになりたいがために足掻く過程で殺人を犯して手に入れた金で整形につぐ整形を行い…7章ではついに青年実業家をゲットして幸せを手に入れたかに見えましたが。もちろん運命の神はそんな幸せをフジコにやったりはしませんから。「お母さんのようにはならない、お母さんとは違う」とことある度に繰り返しながら、どんどん母親そっくりになっていくフジコ。
惨劇の果て、フジコの娘、早季子もまたフジコと同じ道を行くことになるのかと思いきや、最後の最後に違うラストを迎えることに……
しかし、ここでネタバレになるかもしれないことを書かせていただきたいと思います。色は変えるので見たい人はドラッグしてご覧下さい。
ごくごく短い9章は、フジコの1章とは違う展開となり、早季子はフジコと違う人生を送ることに成功するのかに見えるのですが、実は9章は偽造のエンディングであり、早季子の真実は1章なのではないでしょうか?
実は1章とそれに続く一家惨殺シーンの2章にはフジコという名前が一切登場しません。3章でようやく「森沢藤子」という名前が登場してフジコの物語であることが判明するのですが、連続的に記述されているのでこれは全てフジコの話なのかと誤解してしまいそうですが、1章の名前が記述されない主人公のキャラと3章のフジコとはかなり性格が違う気がするのです。全ての感情を殺した“人形”となって虐待に耐える1章と、3章以降の他人からどう見られるかばかりを気にしてするフジコには大きな断絶が感じられ、読んでいる時にも違和感を感じたのですが、それは1章が早季子であると解釈すれば理解しやすいと思います。
つまり、2章から8章までは早季子が書いたフジコの物語なのですが、9章は何者かが改竄したか偽造した偽りのエンディングであり、そこには本来1章が入るはずなのに、故意に冒頭に移動させられており、早季子の話があたかもフジコの話のようにすり替えられているのです。
そしてそれを行ったのは当然叔母と、叔母とグルの小坂さんのお母さん(初代)ということになるでしょう。早季子が傀儡として踊り、最後の最後に命を賭けて書き、妹の美也子に託した遺稿ですが、美也子の手に渡る前に既に改竄は行われており、「はしがき」と「あとがき」まで書いた美也子はこの辺りの不審な部分に気付いており、「あとがき」の末尾に「明日、茂子(フジコの叔母)と初代(コサカさんの母)に会おうと思っている」と記しているのですが、その結果どうなったのかと言えば、真実に気付いた美也子は消され、本書は日の目をみることなく闇に葬られてしまったのでした。最後の最後の小さな新聞記事がそれを物語っています。
この二人は、お為ごかしにフジコに折に触れ接近しては、彼女の人生を歪める行動を取っており、フジコの殺人鬼としての生涯は、二人によってマニュピレートされていたといっても良いでしょう。フジコは気付きませんでしたが、「お母さんのようになっていはいけない」とことあるごとに繰り替えす茂子と「娘が生きていれば」と言う初代は、これらの言葉によってフジコを呪縛し続けています。たしかに小坂エミを殺したのはフジコですが、それ以前に既に彼女の人生も母である初代の虐待によって相当に歪められており、フジコは引き金を引いただけとも言えます。そして茂子がお為ごかしに「お母さんに…」言う度に狂っていくフジコ。
本当に恐ろしい事件の黒幕は、フジコではなく、茂子だったのです。そして「お母さんのようにはならない」の「お母さん」の意味が判明するのは次作ということになります。