冬が戻ってきたのか!という寒さ。もはや肌寒いじゃなく本気で寒いですね。日は射さないから薄暗いし。冬のアルデンヌ攻勢なのかも知れません。
さてギャルゲーの土曜日、本日は公約(?)通り、「銀河お嬢様伝説ユナ2 永遠のプリンセス」です。ユナ・シリーズのゲームソフトははその後も「銀河お嬢様伝説ユナFX 哀しみのセイレーン」や「銀河お嬢様伝説ユナ3 LIGHTNING ANGEL」及びそのリメイク・リニューアル版が出ていますが、私がプレイしたのはここまでです。

「銀河お嬢様伝説ユナ2 永遠のプリンセス」は1995年6月に発売されたPCエンジン用ソフトです。前作から2年半も経過してからの登場となりました。前作同様、2008年7月発売のPSPソフト「銀河お嬢様伝説コレクション」に収録されています。

本作はPCエンジンのアドベンチャーゲームの最高峰の一つとも言われ、よく喋り、よく動きます。シナリオは、「サクラ大戦」のシナリオを描いたあかほりさとるが担当しており、テンポ感のある楽しい物語になっています。戦闘はカードバトル方式となっていますが、難易度は結構高めで何度もゲームオーバーになることがあります。
OP曲「Funny Funny Little Girl」の映像がYouTubeにありました。ユナ(横山智佐)が歌っています。

http://www.youtube.com/watch?v=u5lDtqaOv6A
オープニングもありました。いきなり宇宙戦争です。前作での「暗黒お嬢様13人衆の一人、「古代文明のリューディア」が登場。前作ではマーニアス海上国家の王族の末裔として、残存艦隊を率いて新天地を目指して旅立ったのですが、いきなり敵と遭遇してしまったようです。まるでデスラーですね。

http://www.youtube.com/watch?v=1FCTNfbxsOw
銀英伝かガルフォースかと思わせるような宇宙戦の末、あっさり新天地の緑の惑星ごと破壊されてしまいます。「永遠のプリンセスに刃向かう物は全て悪」だそうですよ。

前作から3ヶ月後の話だそうです。ユナは社会科見学で付きに向かいます。なんと引率は教育実習生の「六本木の舞」。この人、大学4年生なのに「暗黒お嬢様13人衆」だったんですね。「中二病でも恋がしたい!」で高校生の中二病患者は見ましたが、大学生で中二病はちょっと痛すぎです。

月でユナは香坂エリカとその親衛隊「エリカ7」と遭遇し、エリカと喧嘩になってしまいます。今回はカードバトルとなっていて、負けるとゲームオーバーとなり、「CONTINUE(リトライ)」か「GAME END(セーブ)」のどちらかを選択することになります。

その後ユナは月の地下の謎の遺跡に迷い込みますが、そこでユーリィ・キューブというアンドロイドに遭遇します。彼女は、巨大戦艦「永遠のプリンセス」号の誘導をする「ビーコン」を護るガーディアンユニットでしたが、暴走を始めた「永遠のプリンセス」号を止めるべくユナに協力を依頼してきます。そうか、冒頭の宇宙戦争は暴走故のものだったのですね。

戦争を感知すると、ビーコンが「永遠のプリンセス号」に知らせ、「永遠のプリセンス号」は戦争を悪と判断してその文明を破壊するために宇宙の果てからやってくるのだそうです。ユナとエリカの喧嘩がビーコンに探知され、戦争と誤解されてしまったということです。

エリカとエリカ7は「永遠のプリンセス号」の僕となってしまったようです。ということで最初はエリカ7と香坂エリカと闘い、さらには永遠のプリンセスと戦うことになっていきます。
それでは登場人物紹介。ユナとリアは前回紹介したので省略します。
ユーリィ(CV高橋美紀)

本名は「ユーリィ・キューブ」。社会科見学で月へ来ていた優奈が迷い込んだ遺跡に眠っていたアンドロイドで、巨大戦艦「永遠のプリンセス」号の誘導をする「ビーコン」を護るガーディアンユニットでした。見た目は赤いショートヘアの普通の女の子ですが、額や耳などにアンドロイドらしさが出ています。

性格はお人よしで素直ですが、凄い怪力を持ち、とてつもない食いしん坊です。本体の膨大なエネルギー消費を維持するために、端末であるユーリィも大量のエネルギーを必要とするせいだそうですが、いつもどこかに炊飯ジャーを隠し持っていたりします。ご飯だけあればおかずはなくてもいいようです。まるでJAの手先(笑)。身長157cm・体重46kg・スリーサイズは82cm/58cm/85cmです。

ちなみに高橋美紀といえば忘れられないのが「聖戦士ダンバイン」のシーラ・ラパーナ役ですね。シーラ様(劇中でみんながシーラ様と呼んでいたので自然に「様」を着けたくなるのは「ハート様」と同じ)はうら若い乙女ですが、王女ではなく女王なので、容姿端麗にして凛とした佇まいの美少女でした。女王としての使命感からか、非常にストイックな人でしたが、だがそれがいい。

制作者側でも彼女の作画を担当したがるアニメーターが続出するなど人気キャラだったそうです。もちろん私も「聖戦士ダンバイン」で一番好きなキャラです。美しく気高い女王のために戦ってこそ男ってもんです。

香坂エリカとエリカ7
エリカを中心に、彼女を慕う各部活動のエースばかりで構成された取り巻き集団(香坂親衛隊)で、当初は「永遠のプリンセス」号とは無関係でしたが、プリンセス・ミラージュによって操られ、その進路を護るガーディアンとして利用されました。実在の人物などをパロディにしていると思われるキャラが含まれています。
香坂エリカ(CV矢島晶子)

本名は「香坂絵璃香」で、銀河一と言われる「香坂財閥」の令嬢です。かつてユナがグランプリを取った「銀河お嬢様コンテスト」の決勝に出る予定でしたが、腹痛により不戦敗を喫し、優勝者であるユナを逆恨みしていました。

月で社会科見学に来ていたユナと再会して喧嘩になったことで、月のビーコンを作動させてしまい、永遠のプリンセス号を呼び寄せることになってしまいます。

大変負けず嫌いな性格で、故にいったん根に持つと嫌がらせに走ったりする一方、親分肌で面倒見が良いので取り巻きも多く従えています。ユナ、リアと並ぶ本シリーズ最強キャラの1人でもあります。身長164cm・体重48kg・スリーサイズは83cm/59cm/85cmです。年齢は16歳で、血液型はO型。

ちなみに矢島晶子といえば「クレヨンしんちゃん」の野原しんのすけのイメージが強いですが、「新機動戦記ガンダムW」のリリーナ・ドーリアンとか、「ガラスの仮面」の姫川亜弓など、女性キャラも多数演じています。


闘魂のマミ(CV藤野かほる)

本名は「星山麻美」。ソフトボール部のキャプテンですが、本当は野球が好きで、巨人のファンです。バトルスーツは赤を基調としてサンバイザーを模したヘルメットに胸当て、下半身は短パン状。武器は背中に2本刺してある「ビーム・バット」と右腕に装備されたボール射出器「大リーグシューター」。

身長163cm・体重49.5kg・スリーサイズ79cm/62cm/82cmです。年齢は16歳で、血液型はA型。「まどマギ」以降、マミというと非常に不吉な名前のような気がしますが、幸いこの子はマミったりはしません。

ハイスピード・セリカ(CV武政弘子)

本名は「挙母瀬里加」(ころも せりか)。元レディースの自動車部部長で、天才的なドライビングテクニックを持っているにも関わらず、勝つためには手段を選びません。カートに変形する可変バトルスーツを着用しており、彼女のバトルスーツは通常時でもタイヤやハンドル、マフラーなどが露出しています。 武器はこれらを活用するほか、胸から「パッシングビーム」を発射します。なお、名前はトヨタ・セリカに由来するのでしょう。なお、苗字の「挙母」は豊田市の旧名です。

身長171cm・体重48kg・スリーサイズ85cm/59cm/86cmです。年齢は15歳で、血液型はAB型。
銀幕のミキ(CV西村ちなみ)

本名は「白鳥美紀」。演劇部部長で、高校生ながらに銀河アカデミー賞にノミネートされるほどの実力派です。ユナを食い逃げ犯にして評判を落とすために彼女に化け、商店街で食い逃げを繰り返していました。気分屋で計算高い面もあり、少しタレ目なことを気にしています。緑と白を基調とするドレス状のバトルスーツを着用し、武器は両肩に装備された青・赤2門ずつのレーザー砲「パラスポキャノン」から放たれる「イルミネーションレーザー」と「スポットガン」。

身長158cm・体重46kg・スリーサイズ80cm/56cm/84cmです。年齢は16歳で、血液型はA型。
閃光のアコ(CV佐久間純子)
疾風のマコ(CV麻見順子)

本名は「緋川亜子・真子」。双子の卓球部部長・副部長です。2人とも天才卓球少女で、無敵のコンビネーションを誇ります。性格は共にとても明るく幼い話し方をしますが、勝負に対しては真剣に取り組みます。見分け方は髪の色とリボンの位置で、アコはピンク髪で向かって左にリボン、マコは紫髪に向かって右にリボンであるほか、マコには左頬にホクロがあります。

バトルスーツもそれぞれの髪の色・リボンに応じて違いがありますが、性能には差がありません。アコはサーブ攻撃が得意で、マコはクイックカットが得意なテクニック派である。武器は共通の「パワーラケット」で「素振り地獄」や「ツインスマッシュ」を繰り出します。
二人ともに身長151cm・体重43kg・スリーサイズ76cm/57cm/82cmです。年齢は15歳で、血液型はB型。
ストライカー・ルイ(CV岩男潤子)

本名は「留衣・マリア・ルーシー」。香坂財閥のプロサッカークラブ「香坂ハイ・テクノス」のスタープレイヤーでもあるサッカー部部長です。ブラジル出身の日系5世で、とても明るく陽気ですが、エリカの敵に対しては容赦しません。彼女のバトルスーツは青を基調としているが、他のエリカ7ほど部活コスチュームのイメージに近くなく、大き目の肩当てと背中に羽状突起物が付いています。武器は「サッカーボール」で、これに炎をまとわせる「ダイナマイトスローイン」、嵐を巻き起こす「ハリケーンシュート」などの技を使います。

身長162cm・体重47.6kg・スリーサイズ80cm/62cm/83cmです。年齢は16歳で、血液型はB型。
氷のミドリ(CV根谷美智子)

本名は「佐々木緑」。「フィギュアスケート界の女王」を自認するフィギュアスケート部部長で、次期オリンピック優勝を期待されるほどの実力者です。プライドが高く、自分にも他人にも厳しい。エリカへの忠誠心や戦闘力も誰よりも強く、「エリカ親衛隊長」的立場でもあります。 バトルスーツは純白を基調としたドレス状のもので、大きく開いた両肩に7基ずつ計14基装備された「オーロラファンネル」、両腕に装備されたひも状の部分を氷柱に変えて撃ち出す「アイスニードル」、高速回転によって竜巻を起こす「トリプルアクセル」などの武器・技を使います。モデルは明らかに伊藤みどりでしょう。

なお、エリカ7のデザインは明貴美加ですが、氷のミドリに限っては菊池通隆がデザインしています。身長171cm・体重49kg・スリーサイズ87cm/61cm/86cmです。年齢は16歳で、血液型はO型。
最後にラスボスです。

プリンセス・ミラージュ(CV水谷優子)

本名は「カルチャー・コンピュータ第3号」。巨大戦艦「永遠のプリンセス」号のメインコンピュータであり、プリンセス・ミラージュは質量のあるホログラムとして姿を具現化した同艦の艦長です。かつて隆盛を誇った銀河文明によって人々の争いを抑止すべく生み出されたものの、当の文明は醜い争いによって滅亡してしまい、目的を失った彼女は艦隊と共に銀河をさまよいながら「悪」を見つけては惑星ごと破壊して回っていました。

ユナとエリカが誤って作動させた月のビーコンによってその矛先を地球へと向けますが、ユナとユーリィらの活躍によって阻止され、ユナの心に触れたミラージュもユナの友達となります。

プリンセス・ミラージュは藤島康介がデザインしており、「ああっ女神さまっ」のベルダンディに似た面影をしています。身長163cm・体重45kg・スリーサイズ83cm/61cm/86cmです。
永遠のプリンセス号

プリンセス・ミラージュの意思によって動く、全長12kmにもおよぶ超巨大宇宙戦艦。数km級艦多数からなる艦隊の旗艦でもあります。装甲は「エル・ライン」の攻撃すら通用しないものであり、搭載する「スタークラッシャーボム」は惑星をいとも容易く破壊してしまう恐るべき威力を持っています。「古代文明のリューディア」率いるマリアーナ艦隊をあっさりと撃破し、彼女らが新国家を建設しようとしていた惑星をも消滅させてしまいました。

本作は、PCエンジン末期(既にプレステやサターンは登場しています)の作品でもあり、完成度は高く、キャラクタの動きと読み込みの早さは特筆するものがあります。登場するのは敵も味方も女の子ばかりの、正真正銘ギャルゲーですが、恋愛要素は全く無いのでギャルゲーが苦手な人でも楽しめるのではないでしょうか。

今日はまた一転して暖かかったですね。明日はまた肌寒いみたですけど。都心では桜の花びらがはらはらと秒速5センチメートルで散りつつあります。

「来年も一緒に桜…見れるといいね。」
うん、そうだね。私の明里。僕も一緒に観られるものだと思っていたよ。でもそうはいかなかったんだよ。
愛し合うことには 不器用なまま
ほどけてくと知らないで 熱い指を繋いだね
(南野陽子「リバイバルシネマに気をつけて」3rdアルバム「BlOOM」より)
さて金曜日の本日は不人気企画「コミック版ほしのこえ精読会」のはずなのですが、本日は予定を変更して久々に身辺雑記を。
久々に高い買い物をしてしまいました。腕時計です。まあこの世界、高い物は際限ないので、個人的には高い物だと思っていても、世間的には全然大したことないのかもしれません。
今時は携帯やスマホでも時間は分かるので、腕時計も実用品からアクセサリーに移行しつつあるのかも知れません。そうだとすると、私はアクセサリー類が好きではない(似合わないということもありますが)ので、腕時計が唯一のアクセサリー的なアイテムということになるかも知れません。
別に故障した訳でもないのですが、前に腕時計を買ったのが8年前で、そろそろ新しいのが欲しいなと思っていたところ、気になる一品を発見したこと、年度末というサラリーマンにとっては一つの節目であるということ、そして個人的には一つ大きな仕事が終わった直後であるということ、これらの要素が重なって、今日の仕事帰りに衝動的に買ってしまいました。

これです。CASIOのOCEANUS Manta OCW-S2400-1AJF。オシアナス・シリーズのフラッグシップともいうべき腕時計です。
実は2chで「彼氏の時計がカシオのオシアナスだった(´;ω;`)」というスレがありまして…(http://awabi.2ch.net/test/read.cgi/watch/1324017879/)
・死にたい(´;ω;`)
・社会人にもなって恥ずかしいからやめてって言っても聞き入れてくれない(´;ω;`)
・私女だけど彼氏の時計がカシオのオシアナスだった。。。
∧_∧
( ゚ω゚ ) オシアナス最強!!
バリバリC□l丶l丶
/ ( ) やめて!
(ノ ̄と、 i
しーJ
なんて書き込まれていたり。

また「オシアナスはなんでこんなにダサいのか」なんてタイトルのスレもあったりして。(http://awabi.2ch.net/test/read.cgi/watch/1326970046/l50)
・ドレスなのかダイバーなのかレーサーなのかパイロットなのかわからないデザイン
・機械式でもないのに何故か竜頭がついてる
・ギラギラ品がない光沢
・アキバ系オタに大人気
・世界に誇る日本のCASIO(笑)
・ブランド力0のクォーツなのに10万円とボッタ値
なんてディスられているのですが、それでも買ってしまいました。だって格好いいんだもん。私はそう思うんだもん。愚地克巳風に言えば「ここで買っちまったらアキバ系キモオタと言われる。そして俺は…アキバ系キモオタでいい」とでも言うところでしょうか。

CASIOのブランドが時計の中ではさして高くないことは知っています。日本でだけ見ても、SEIKOやCITIZENよりもブランドイメージの高級感は低いのかも知れませんね。これは企業名「カシオ計算機」の名の如く、かつて電卓(カシオミニ)において、大胆な価格設定と割り切ったスペックでどこでも簡単に使える、といった新しい切り口の製品を発売し続けたことから由来しているのでしょう。
しかし、♪デジタルーはカッシオーと山口百恵が歌って以来、デジタル時計方面ではG-shockとかPROTREKとかでは大きな評価を得てきたのです。ここで満を持してアナログでも勝負を仕掛けてきたのが2004年から発売されたOCEANUSと言えるでしょう。
Wikipediaによると、
耐久性向上のために特別な表面処理が施されたフルメタルチタンケースとサファイア風防を採用した電波ソーラー時計で、クロノグラフを主軸にしている。デザイン面では、スポーティーかつ上質感があり、海をイメージしたブルーのイメージカラーが特徴である(すべての製品に必ずしも青色が採用されているわけではない)。

ということです。特に今回購入したOCW-S2400-1AJFは、2007年から販売されている、オシアナスのプレミアムラインであるマンタ(Manta)なのです。オシアナスの他のラインに較べると薄型化・軽量化されていて、外装やバンド・文字盤などの仕上げに拘り、上質感を追求しています。
定価は150,000円(税別)ということで、これまでで私の買った一番高い腕時計ということになります。もちろんビックカメラで3割引ですけど、それでもやっぱり一番高いです。
じゃあ8年使ってきた前の時計は何なのかといえばですね……

やっぱりオシアナスでした(笑)。
こいつはOCW-600-1AJFというモデルでして、いわゆる第一世代なんです。2004年冬に出た初のオシアナス(OCW-500)は世界初のフルメタルクロノグラフ電波ソーラー腕時計でしたが、デジタルを組み込んでいました。

中高生の頃は完全デジタル派だった私ですが、その後は次第にアナログ派に移行していって、社会人になってからは海外旅行用に買ったPROTREKを除いてはアナログ一辺倒になっていました。アナログでクロノグラフ付き、つまり多針式が“お気に”なんです。この辺、まだ青いのでしょうかね…

で、翌2005年冬に待望の完全アナログ・アラームクロノグラフのOCW-600が登場して、カッとなって買ってしまった訳です。後悔はしていませんが、確か定価は8万円して、それまでで一番高い腕時計でした。もちろん3割引で買ったのは言うまでありませんが、それでも、です。
現在のオシアナスは第三世代となっており、今年の冬辺りはもしかすると第四世代が登場するのではないかというちょっと寒い予感もするのですが、「買いたい時が買い換え時!」という名言(byチュートリアルの徳井義実)もあるので、「じゃあいつ買うか?今でしょ!」ということにしてしまいましたよ。

正直ワールドタイムもクロノグラフもそんなに(というか滅多に)使いません。日付と曜日が判って、正確で電池交換が不要ならもう十分なんですが…針がいっぱいついていると嬉しいんです。今回の機種は小さいのも入れると8つも針が付いているので個人的にゴージャス感を感じます。これはあれです、子供の頃に松本零士の描くメーター類に脳をやられてしまった名残でしょう。

古いオシアナスもまだ元気なので、ウィークデーはマンタ、休日は旧式で行こうかと思ってます。

今日は生暖かい春の宵という感じですね。こういう日は、「春宵情歌」なんかがぴったりな気がします。劇場版の「カードキャプターさくら」で使われた歌ですね。中国語版もあるのですが、ここはやはりさくらの中の人、丹下桜バージョンで。

http://www.youtube.com/watch?v=bN1fIhspZY4
さくらが歌うにはやたら大人びた「待ち人」来たらぬを嘆く歌ですが、日本人が想像する中華風春の歌という感じが良く出ていると思います。水蒸気分が多そう。
さて話はがらりと変わりまして、今日の話題を。本日は新津きよみの「ひとり」です。本書は2009年1月に角川ホラー文庫から出版されました。新津きよみの作品を読むのは「同窓生」に続いて2冊目です。
例によって文庫本裏表紙の内容紹介です。
中学2年の夏、桃子は親友のすみれとバス旅行をしていた。ところがそのバスが事故を起こし、ふたりは崖下に転落してしまう。大怪我をしたすみれとともに救助を待った桃子だが、すみれは「わたしの分まで生きてね」と言い残して桃子の目の前で息を引き取った。その日以来、桃子は「すみれが自分の中で生きているような」不思議な経験をしながら成長した―。生と死で別たれても続くふたりの友情を描く、長編ホラー小説。

角川ホラー文庫から出版されていますし、内容紹介でも「長編ホラー小説」と銘打っていますが、はっきりいってホラー小説ではありません。
主人公の桃子は楽器も弾けず、成績もぱっとしない女の子でしたが、すみれはピアノやフルートを操り、成績も優秀な子でした。事故に遭った際、すみれの帽子を被っていたこと、そして事故現場ですみれを下敷きにしていたことから、桃子はすみれに罪悪感を感じています。それどころか、事故で生き残ったのが自分一人であったことにも申し訳ない気持ちを持ったまま生きています。
桃子はその後成長して30歳を過ぎ、都市防災の研究所で働いています。内容紹介で記されている「すみれが自分の中で生きているような」経験とは、すみれの存在を自分の内側にはっきり感じている訳ではなく、事故後急に頭が冴えて成績が上がったことや、ピアノが弾けるようになったことから間接的に桃子が感じていることです。しかし、仕事や男性の好みについても、自分が選んでいるのかすみれの好みなのかはっきりしなくなっており、付き合っていた男性が海外赴任を機に結婚を申し込んできても、はっきりした返事ができずに破局したりしています。
そんなおり、29歳の女性が連続して殺害される事件が発生し、現場には「ひとり」と書かれた短冊という謎のメッセージが残されていました。マンションの隣に住んでいた、桃子が親しくなった年配の女性も殺害され、桃子は第一発見者となります。そして現場に残された「ひとり」の紙を見て、本当は自分が殺害されるべきだったのではないかと思いますが…
すみれは桃子の前に姿を見せることはなく、終盤まで何かのメッセージを伝えてくることもありません。すみれが桃子を恨んでいるとかいうこともないので、心霊ホラーの要素はないのですが、連続殺人事件に巻き込まれるのでサスペンスであるとは言えるかも知れません。
ただし、すみれの存在を感じているのは桃子だけではないようで、すみれの母もすみれの遺品のフルートを持ってきたりして、桃子の中にすみれを感じている様子です。そして予想通りフルートが吹けてしまう桃子。
本書のテーマは、現在まで尾を引いている過去の事件からの解放ということになるでしょうか。バスの事故については、被害者の遺族の一人が連続殺人事件を捜査する刑事であり、彼を通して遺族の気持ちが桃子に伝えられることになります。桃子は罪悪感など抱く必要はなく、遺族達にとっては生存者がいたことは救いであったこと、彼女が立派が仕事に就いていることは希望でもあること―など。
それから、桃子の両親は事故のずっと前に離婚しており、母は行方不明、郷里の父は別の女性と親しくしています。その状況が嫌で桃子は郷里に帰らずにいましたが、父が倒れたことで「愛人」と逢ったり、その気持ちを聞いたりすることで精神的に大きく成長していきます。
そして行方不明だった母の住所を知ることになり、思わず尋ねてしまう桃子。事故で重傷を負って入院したときも会いに来なかった母は、どうやら妖しげな宗教にはまりまくって家族を捨てたようなのですが、それから20年以上経った今は……。しかしそこには残酷な事実が待っていたのでした。全てが上手くはいかないというところは妙にリアリティーがあります。
連続殺人事件の方も、犯人の動機は過去の事件にあり、「ひとり」にされたことを深く恨む犯人は桃子にも刃を向けてくることになるのですが、「ひとり」を恐れない桃子は冷静に対峙します。桃子が孤独を恐れないのは、すみれがいつも傍にいたからなのかも知れません。そしてあわやという時、遂にすみれが現れることなりますが、その時でも桃子の目にはすみれは映りません。
事件後、すみれは桃子の元を去ってしまいますが、最後に事故の真相を桃子に夢の形で伝え、しかも復讐を果たしていきます。なぜ18年も経ってからの復讐なのか?と思いましたが、すみれが桃子の境遇その他を全て把握していたとするならば、時機を待っていたということなのかも知れません。桃子が父やその愛人を受容し、母と完全に決別できるタイミングを計っていたという。
すみれが去って、桃子はフルートを吹けなくなりましたが、仕事は大丈夫なのでしょうか。すみれの力で進学や就職をしてきたとすると、能力がた落ちになったりして。何よりもすみれの嗜好で仕事を選んでいたとしたら、仕事への情熱を失ってしまう気もします。バツイチの姉や甥を抱える刑事よりも、元カレとよりを戻したほうがいいような気もしますが、元カレもすみれの嗜好だったとしたらやっぱり無理でしょうね。刑事への好意は桃子自身の本当の気持ちに間違いないですが、結ばれても苦労しそうです。

今日も肌寒かったですね。ここに来て春が足踏みか。もう桜は咲いているというのに。雨のせいで散ってしまいますよ。
さて本日は三浦しをんの「しおんのしおり」です。これはエッセイ集ということになるのだと思いますが、この人はエッセイも沢山書いていますね。16冊が確認できます。「しをんのしおり」は三作目のようで、2002年5月に出版されています。
例によって文庫本裏表紙の内容紹介です。
「漫画の王国」に生れた小説家の乙女な日常生活。バンドを追っかけ上方へ、愉快な仲間と朝まで語り、わきあがる妄想の楽園に遊ぶ……色恋だけじゃ、ものたりない! なぜだかおかしな日常はドラマチックに展開――日本の政局も、家族の事件も、人気のTVドラマも、考え始めたらいつのまにかヒートアップ! 「読んで楽しく希望が持てる」、笑い出したら止まらない、抱腹微苦笑ミラクルエッセイ。
元々はインターネットサイトで毎週連載していたエッセイを単行本化したもののようです。すでに出版から10年が経過しており、BUCK-TICKだのムネオハウスだの懐かしい名称が登場します(BUCK-TICKはまだ現役で活動中でした、正直スマンカッタ)。
肩の凝らないというか、深刻な話題が一切出てこない気楽なエッセイなのですが、これを読んでわかることは、三浦しをんは本当にマンガが好きなんだなということです。それも少年・少女マンガを問わずに造詣が深いようです。
処女作「格闘する者に○」はやはり自身の体験から生まれた作品で、主人公は三浦しをん自身の投影だったんですね。マンガの話題がしょっちゅう登場します。当時は古本屋でアルバイトをしていたみたいですね。直木賞作家であり、昨年の本屋大賞受賞者とは思えませんが、当時はまだ20代半ばだったんでしょうから当然といえば当然です。
春夏秋冬、四季のエッセイが収められていますが、特に面白かったのは銀閣寺から南禅寺までの「哲学の道」を友人とある気ながら、「超戦隊ボンサイダー」という妄想を膨らませているあたりです。梅レッド、松グリーン、菊イエロー、ブルーローズ、牡丹ピンク。そして彼らの人間関係や出自、敵組織や真の敵など次々と構想を広げながら、腐女子テイストも入り込んだりして。いいなあ、こういう妄想。私もぜひ加わってくだらない設定を増やしたいです。

もう一つ面白かったのは、次元五右衛門チェックシートという話。女の子同士での恋の相談は、好みが同じだと危険だという話から、男のタイプを判別するべく、三浦しをんと友人が漫画作品ごとに好きなキャラを挙げていきます。次元五右衛門というのはもちろん次元大介と石川五右衛門で、これはまあ二つに分かれるのも自然かなと思うのですが、「キャプテン翼」では日向小次郎と若島津健、「キン肉マン」ではジェロニモないしウォーズマンとブロッケンJr.、「聖闘士星矢」ならフェニックス一輝とドラゴン紫龍、「スラムダンク」なら流川と三井、「ドラゴンボール」ならベジータとヤムチャと挙げていって、好みが重ならないと喜んでいます。次元五右衛門はともかく、後の作品はキャラが多いからそりゃ重ならないだろうさ(笑)。

それにしてもジェロニモとかブロッケンJr.て。男子読者の好みからは完全に外れていますね。女子ってこういうものなの?あとベジータはともかく、ヤムチャはないでしょう。こういう人がダメ男を引くんでしょうかね。うわゆるダメンズ・ウォーカーなのか。
ということで、ひたすらくだらない(だけど面白い)話の連続で、凝っていた肩もほぐれるような脱力系エッセイ、疲れたあなたも一度いかがですか。ただしオタクっ気がかなり必要かも知れませんけど。

今日は良い天気でしたが、やはり肌寒い一日でした。3月はこれ位でないと、先が思いやられます。スギ花粉はピークを越えたようですが、今度はヒノキ花粉が。次から次にまあ。免疫機構に言って聞かせることができるといいのですが。
さて、本日は上田早夕里の「リリエンタールの末裔」です。
私の小中学校時代の読書傾向はSF一辺倒でした。SFこそわが血肉の一部。「キリスト者」という言い方にならうのであれば、さしずめ私は「SF者」だと思っていました。
その後成長と共に様々なジャンルの本も読むようになり、またSFというジャンル自体がかつては一部の人々のものであったのが、次第に広く普及するようになり(この点についてはアニメやマンガの貢献は計り知れません)、今ではSF的要素が含まれる作品というのは珍しい物ではなくなり、SF作家ではない作家達もSFマインドを含んだ作品を普通に執筆しています。
そうした状況下で自然とSFのメインストリームからは離れたところで読書を続けてきたのですが、たまにはガツンとしたSFを読みたいなと思っていたところ、図書館で本書をみつけました。ええ、ガツンとやられましたとも。
上田早夕里の作品は今回初めて読みました。1964年生まれで兵庫県神戸市出身です。2003年に「火星ダーク・バラード」で第4回小松左京賞を受賞してプロ作家活動に入っています。アマチュアとしては90年代半ば頃から活動していたようです。パティシエが主人公となった「洋菓子シリーズ」など、SF以外のジャンルも執筆しています。

この人の存在を、最近まで全く知らないで来てしまいました。何がSF者だ、恥を知れ。私が上田早夕里の存在を知ったのは、2011年に「華竜の宮」が第32回日本SF大賞を受賞したことによります。本作については、選者の貴志祐介が「一歩抜け出ていて、”貫録勝ち”という感じ」と言っており、また同じく選者の宮部みゆきは大賞候補作に上がっていた「魔法少女まどか☆マギカ」を絶賛した上で、「小説の方に桁違いの傑作があった」ことで受賞を逃したと言っており、「『華竜の宮』は受賞すべき作品」と評しています。
当ブログを見て既にご承知のとおり、私も「魔法少女まどか☆マギカ」は絶賛しているのですが、まどマギに圧勝する作品とは凄いな、是非読みたいなと思っておりました。未だ読んでいないのですが(早く読め!)。
「リリエンタールの末裔」は短編集で、4編が収録されています。例によって文庫裏表紙の内容紹介を。
彼は空への憧れを決して忘れなかった―長篇『華竜の宮』の世界の片隅で夢を叶えようとした少年の信念と勇気を描く表題作ほか、人の心の動きを装置で可視化する「マグネフィオ」、海洋無人探査機にまつわる逸話を語る「ナイト・ブルーの記録」、18世紀ロンドンにて航海用時計の開発に挑むジョン・ハリソンの周囲に起きた不思議を描く書き下ろし中篇「幻のクロノメーター」など、人間と技術の関係を問い直す傑作SF4篇

表題作「リリエンタールの末裔」は、空を飛ぶことを愛して止まないチャムの物語です。大規模海面上昇(リ・クリティシャス)の発生。この時代、人間は遺伝子操作をして環境の変化に対応しており、人類は陸上民と魚船と呼ばれる巨大な生物船と共生する海上民に二分されています。陸上民もさらに分化しており、チャム達は背中に鉤爪のついた副腕を持っています。チャムが出稼ぎに行く巨大な海上都市ノトゥン・フルには、副脳を持ち、ネットワークと常時接続している人々が暮らしています。

本作は「華竜の宮」と同じ世界を背景とした作品だそうです。差別と偏見、そしてハングライダーを手に入れるための高額な費用。立ちはだかる様々な障害、それでも空への憧れ未だ止まず、チャムは大都会の片隅で理解者を得て、ついに飛ぶ日がやって来ます。

「マグネフィオ」は、磁性流体で人の心を可視化するという技術に関する作品です。主人公は会社に大好きな女性がいるのですが、彼女は同期入社の同僚と結婚してしまいます。社員旅行で落石事故に遭遇し、主人公は図形や顔の認識ができなくなる脳機能障害を負い、同僚は植物人間となってしまいます。人工神経細胞の移植により、主人公は障害を解消し、同僚も実は意識があってそれが表現できないという事が判明、マグネフィオによって思考を文章で表現することが可能となった時、同僚が主人公に伝えた言葉は…
この作品は、科学技術云々ではなく、主人公の立場がとても切ない。主人公を貴樹、女性を明里、同僚を祐一(明里の結婚相手。コミック版「秒速5センチメートル」で名前が出てきます)とすると、明里と祐一は相思相愛で、貴樹がどんなに明里を愛していても入り込む余地がないのです。貴樹が機能障害を治療するまでには10年以上かかっており、その間に美しかった明里の顔も大きく損なわれていました。祐一の治療費をまかなうために夜の仕事を続けてきたことによる様々な疲労の故ですが、それでも貴樹の心は明里に向いたままです。
ラストの祐一死後の明里と貴樹の選択がまた切ない。実らない愛は悲しくも美しいですね…
「ナイト・ブルーの記録」は、海洋無人探査機を操縦するオペレーターの物語です。無人機は突発事態への対応が未熟なので、熟練オペレーターの操作を学ぶ必要があるのですが、遠隔操縦であるにも関わらず、無人機が海中で受けているであろう感覚がオペレーターにも感じられるようになっていくという不思議な現象が発生します。
オペーレーターはMMAS(ヒト機械同化症候群)だと診断されます。機械との神経接続の程度が深い場合に発生する感覚の変容なのですが、機械側の受けた衝撃などが人間側にもフィードバックされてしまうというトラブルをもたらすことになります。知っているヒトは、ファイブスター物語のモーターヘッドとそれを操縦する騎士の関係を思い出して貰えば判りやすいと思います。モーターヘッドが受ける衝撃はクラッチを切ることで騎士にフィードバックされないようになっていますが、それでも中和しきれない場合はバックラッシュとなって騎士にダメージを与えてしまうという、あれです。
本作では、オペレーターの死後に記者が同僚だった女性にインタビューするという構成になっており、MMASが周囲に与えた影響や、その後に与えた影響についても描かれています。

「幻のクロノメーター」は書き下ろしで、中編といっていいボリュームの作品です。18世紀のイギリス。本名エリザベス、通称エリーは大工の父の死により、母と共にロンドンに赴き、父の知人だったジョン・ハリソンの家で家政婦(というかハウスメイドというか)を務めることになります。ハリソンは大工から時計職人になった変わり種で、現在では息子のウィリアムと共にマリン・クロノメーターの製作に勤しんでいます。

マリン・クロノメーターとは帆船に乗せる高精度の時計で、海上の船舶の正確な経度を測定するのに不可欠な機械でした。緯度の測定は、地平線からの北極星の角度が緯度とほぼ同じであることが知られていたため容易でしたが、海上の経度を正確に測定する方法はそれまで知られていませんでした。イギリス議会はアイザック・ニュートンやエドモンド・ハレーをメンバーとする委員会(経度評議員会)を設立し、測定法につき研究させたところ、同委員会は海上の揺れの中でも秒単位の精度が確保される時計があれば正しい経度が測定できることを明らかにしました。これは、船舶が出港時に母港の時間に時計を合わせ、その時計が正午を指したときの太陽の角度を測定することで経度が測定できるというものでした。

1714年、議会はイギリス-西インド諸島間の航海で経度誤差が1度以内の測定方法を発見したものに懸賞金を与える「経度法」(海上経度測定問題解決のための懸賞案)を制定しました。これに挑んだのがジョン・ハリソンです。

実は経度測定法としては、月の運行表による測定法(月距法)というものもあって、高名な天文学者達はこちらを推していました。彼らの有形無形の妨害などもある中、ハリソンはH1から始まるマリンクロノメーターを次々に開発し、1759年にはH4という高精度な懐中時計を完成させ、正確な時計による測定に貢献しました。

1764年にはH5が完成し、バルバドスへの5ヶ月間の航海で誤差15秒と優秀な成績を収めたが、月距派の策動のためか、賞金が全額払われることがなく、ハリソンの直訴を受けた国王ジョージ3世は「懸賞金は経度の正確な測定法を開発した者に授けられるもので、開発者の身分に対して授けられるものではない」と激怒し、H5を国王臨席の実験に付すように命じました。1773年に行われた実験で、ハリソンの時計の誤差は1日あたり1/14秒に過ぎないことが立証され、賞金全額が授与されることになりました。

とまあ、これは史実なんですが、本書ではそこに異星から飛来した「黒い石」が登場します。自身も時計職人になりたいと願うエリーと「黒い石」の関わり具合は本書を読んで頂くとして、上記の史実部分だけでも十分面白いです。
「黒い石」のため、19世紀のロンドンは全く違う世界になっています。石炭を使っても煙は出ない装置が誕生し、街を隅々まで掃除する自動機械が登場し、そして事故で瀕死の重傷を負ったエリーを救うために、黒い石が…
「私たちはいろんなものを作り続けることをやめないでしょう。安全なものも危険なものも、見境なしに作り続ける。それは人間の罪であり、同時に素晴らしさでもあると思うわ」というエリーの言葉に、技術者・職人達の誇りと熱意に満ちた生き様が感じられれます。
上田早夕里は日本SF界の超新星ですね。SF的発想とともに、文章が非常に読みやすく、また詩情にあふれています。SF初心者にとっても良い作家だと思います。もっともっと作品を読みたいです。
桜が咲いたらなぜか少し肌寒い気候が続いています。花が長持ちしていいのかも知れませんが、今日の雨はどんなものでしょうか。
さて「ちはやふる2」の月曜日、今日も早速行ってみましょう。30分アニメと言っても、正味24分程度、OPとEDを除いたら20分ちょいの本編ですが、「ちはやふる」を見ていると10分程度に感じてしまいます。それだけ視聴者を引き込む魅力があるということでしょう。

ではまず第三首 「つくばねの」。筑波嶺夜想曲としては座視できないタイトルですとも。

冒頭、福井の新の闘いのシーン。福井県大会では村尾先輩に惜しくも及ばず準優勝。悔しくて青い炎というかオーラに包まれています。

復活振りを喜ぶ関係者が名人戦を目指すのかと問うと、いつもの穏やかな新に戻って「目標は高校選手権です!」。そう、再び団体戦の季節がやってきたということですね。第1期では10~11話で描かれていたので、2年生になってからは時の流れが速いですね。

もっとも1期では小学生編とかメンバー集めの苦労がありましたらね。今回は部員が7人になって余裕です。お洒落番長の菫ちゃんも和服の魅力にはメロメロに。

和服好きにはとっても優しいかなちゃん。前回のお局顔はどこへやら、すっかり仲の良い嫁姑状態です。その頃かなちゃんのお母さん(利恵子さん)は太一に色目(?)を使っていたりしますが。

瑞沢高校のライバルはやはり今年も強豪校・北央学園でしょう。ヒョロ君(本名は木梨浩)が太一をディスりにやってきました。あちこちの大会に出ては勝ちきれない太一を「万年B級」呼ばわり。しかしそれを知っている自分もはやりB級止まりという。こういう妙な脇役が楽しいんですよね

そうこうしているうちにエントリーですが、なんと筑波君、応援に来た弟たちにいいところを見せようと、勝手にメンバーを差し替えています。しかもばれているし。

太一が部長として制裁!ただし鉄拳ではなく軽く叩いた程度ですが。そして差し替えられた机君、激怒するかと思いきや、冷静にメンバー変更を進言。

一期10話を思い出します。机君は自分がただの数あわせだとごねて試合をボイコットしたんですよね。4人で3勝という闘いを千早達に強いたことを深く反省していた机君、ずいぶんと大人になったものです。メンバー変更の理由も論理的で、あえて筑波君の面子を傷つけたりしないところがカッコイイ!

「ウホッ、いい男!」という目で見る筑波君。いやここ、「くそみそテクニック」じゃないから(汗)。公衆便所もないぞ。しかし、惚れるというより憧れるのも分かりますよ。机君、勉強で太一を破って千早を奪い取れ!(NTR好き)


リーグ戦一回戦開始。見てるだけのはずだった菫ちゃんはいきないの初陣にビビってます。しかも相手選手は女の子相手で舐めきっているし。しかし、横で千早が男子選手を相手に完封勝利(25枚差)をしているのを見て、覚醒します。本気になった菫ちゃん、素敵です。

まあ結局は負けてしまったのですが、「ちはやふる」は負けて成長する物語。その真摯さがあればきっと強くなれるよ菫ちゃん。「強くなれるさ…絶対に強くなる…こんなふうに!!」(愚地克巳)

そして二回戦。天罰が当たったのか筑波君の相手はA級選手。その横では千早が悔しそう。高校選手権の団体戦ではA級選手と当たると言うことは滅多にないようです。「オレより強い奴に会いに行く」が千早のモットーか。筑波君は大敗しますが、千早はまたもやパーフェクトゲーム。団体戦の千早は強いです。


筑波三兄弟も千早にぞっこんLove。ちゃっかり府中白波会に勧誘する千早。原田先生、門下生ゲットです。


本編終わりには若宮詩暢登場。もうダイエットに成功したみたいです。綿谷新が出場すると聞いて表情が変わります。原作読んでないのでよく分かりませんが、過去に因縁でもあった様子。多分新に破れた経験があるのではないでしょうか。

続いて第四首「ひとにはつげよあまのつりぶね」。またもや福井の新のシーンからスタート。三回忌なんでしょうか、元名人のおじいさんのお墓参りです。

お参りの表情が怖いぞ、新。一方お父さんはかるたをやらず、そのせいでおじいさんと仲が悪かった様子。お供えをつまんだり、自由人みたいですね。

一方東京では原田先生が千早達の応援に向かっています。両手に花でうらやましい…と言いたいところですが、彼女らのお目当ては太一のようです。府中白波会でもモテモテなのか、太一。まあイケメンで礼儀正しくて真面目だからそりゃお姉様の好感度もばっちりでしょう。しかも金持ちの倅だし。

菫ちゃんも手作りクッキーで太一にアタックしますが、試合中は固形物を取らないという太一。脇から肉まん君が片っ端から平らげてしまいます。

会場にやってきた原田先生、太一が気になる様子。実力はあるのに運に恵まれない太一というのは府中白波会でも有名みたいです。太一の場合はそればかりでなく、周囲を気にして自分の闘いに集中仕切れないところがあるんですよね。「団体戦は個人戦で、個人戦は団体戦だ」と意味深な言葉を残す原田先生。

リーグ戦を突破して準決勝戦。相手はノーマークの朋鳴高校。顧問は府中白波会のエース、坪口さんです。名人戦では東日本代表になりましたが、西日本代表に負けて名人位挑戦はなりませんでした。今度は指導者として登場です。

いかにも高校生らしい熱血感動なシーンに萌える千早。この人には恋愛よりこっちですね。だがそこがいい。千早も太一も、坪口さんには昔からお世話になっています。

太一にはお姉様方が激励。開運のお守りを二つも貰ったりして。

朋鳴高校は坪口さん直伝の心理攻撃開始。千早をナンパしてみたり。しかしこれは千早ではなく太一への精神攻撃なのでした。他の部員の動向に気を取られて勝負に集中できなくさせると言う高度な戦術です。さすがに知り尽くされてますね。


その後も新米読手の下手さ加減や、冷房の不調に悩まされる瑞沢高校かるた部一堂。和装がさらに仇になっていますが、これは勝手にしているので仕方ないでしょう。あまりの運のなさにお姉様も貰い泣きです。そこがまたモテるポイントなのでしょうか。

しかも太一の相手は不気味な佐々選手。きっと下の名前は貞子か伽耶子でしょう。努力を嘲笑う才能という悪魔に心が折られそうになる太一。あまりの暑さに「どなたかタオルを!」と叫びます。

すると即座に女性陣からタオルの雨あられが。面制圧でも図ってるの?MLRSなの?これだからイケメンって奴は……

そして横からも差し出されるダディタオル。千早です。そして太一が使うのはやっぱり千早のタオルなのでした。

この千早の思いがけないアクションのせいか、すっかり自分を取り戻す太一。辛くも貞子を撃退します。しかし当然のことながらいずれも相手校も真剣にかるたに取り組んでいるんですよね。勝っても青春、負けても青春。一所懸命は美しいですね。

次回はいよいよ決勝戦。因縁の北央学園再びですね。
最後に恒例顔芸特集。しかし今回は千早の顔芸はあまりありませんでした。

第三首。筑波三兄弟登場。みんな同じ顔でびっくりする千早。目が飛び出ててちょっとどおくまんのマンガみたいですが、いつもに較べれば地味な顔芸ですね。

第四首。対戦相手にナンパされて驚く千早。しかし試合が始まるとアウトオブ眼中なのでした。

同じく。新米読手の間の悪さにいらつくかなちゃん。しかし条件は対等なのでここは我慢でしょう。誰でも最初は新米です。

同じく。モテモテの太一に面白くない男子一同。筆頭が肉まん君と机君というのが…(笑)。なにしろ記号みたいな描かれ方してるもんな、君たちは。痩せたらイケメンとか眼鏡外すとイケメンとかないんでしょうかね。

最後に綺麗な千早を。第四首で、太一にタオルを差し出す際の千早。太一に対してのこの表情は珍しいですね。いつもならこれは確実に新向けの顔なんですが。たまには太一にも優しくしてやっかという感じですか、千早?
今日は結構“肌寒”な気温でした。これで平年並みなのかも知れませんが、このところの暖春で体がヤワになってしまってる感じがします。今日も川の土手に桜の視察に行ってきたのですが、五分咲きの木もあれば蕾だけの木もあるというまちまちな感じでした。気温があまり高くならなければ来週の日曜日まで持つかな?
さて声優の日曜日、本日は自虐ギャグの女王とでも言うべき松来未祐です。

松来未祐は1977年9月生まれで出身は広島県呉市。本名は松木美愛子(まつき みえこ)で、声優を始めてからも初期は本名でした。なんと慶應義塾大学環境情報学部卒ということで、大卒声優は数有れど、屈指の名門出身声優ではないでしょうか。そういえば東大声優とかって聞きませんね。東大卒ならそれだけでネームバリューがある気がするので、前面に出さずにはいられないでしょうから、有名声優にはいないってことでしょうか。
「大学受験 大学偏差値情報」というサイト(http://daigakujyuken.boy.jp/)によると、同大環境情報学部の偏差値は68です。これは高い!声優の勉強をするために上京しようとしたら、両親から猛反対されたため、大学に進学することを条件に上京を認めて貰ったそうですが、それにしても元々成績優秀だったんでしょうね。大学に通う傍らで声優養成所に通って演技の勉強をしたようです。

1998年にプレイステーション用ゲームの「御神楽少女探偵団」(1月19日の当ブログ記事で取り上げています)で、本名で声優デビューしました。その後もしばらくは本名で活動しましたが、芸能人としては画数が良くないからと言う理由で現在の芸名に変えたそうです。
2013年3月1日に、阿澄佳奈、大坪由佳とトリオを組んだ「後ろから這いより隊G」の一員として第7回声優アワード歌唱賞を受賞しています。これは何といっても「太陽曰く燃えよカオス」(昨年5月14日の当ブログ記事で取り上げています)でですね。そして2月24日に取り上げましたあすみんこと阿澄佳奈はなんと主演女優賞を受賞。やはりニャル子さんの熱演が効いたのでしょうか。他人事とはいえ、私の好きな声優さんが高く評価されると嬉しいですね。

かつてはWikipediaの本人の記事に「百合声優」という項目が立っていました。これは松来未祐がやたらに同性を好むような発言をしていたためで、「総誘い受け声優」だという説するすら(笑)。Wikipediaの記事には実家のお父さんも心配したというエピソードを本人がラジオで話していました。
ところが最近は、百合を払拭するためというか、それにもましてネタとして取り上げられているのが、「結婚できない声優」という話題です。可愛らしい容姿、料理上手、高学歴という勝ち組スキルを三つも所持しており、本来モテモテでも不思議がないはずなのですが、理想の高さか、芸人気質のせいか、36歳になる今年まで浮いた話がないそうで、声優仲間の間でも「いつも結婚結婚騒いでいる人」という認識のされ方をしている模様です。もっとも半分はご本人のネタなんでしょうけど。

ラジオ番組には定評がありますが、とにかく松来未祐は芸人的気質を炸裂させることが多く、笑いを取るためには自らを傷つけてはばからないという自虐ギャグを繰り出してきます。ここんところ、私は阿澄佳奈と共演する2009年以降の「にゃるラジ」各シリーズと、その派生番組である「寝起きにポテトチップス」(2011年~)を楽しく聴いているのですが、あすみんとのジェネレーションギャップを感じたりしたときや結婚関連の話題となった時に繰り出してくる「あ”~!!」とか「いや~!!」とかいう悲鳴ギャグは、凄い破壊力を持っています。自分から振って自分で叫んだりするので、相方のあすみんもタジタジとなることがあります。「率先して事故るタイプのラジオパーソナリティとしても定評がある」とも言われてたりして。
昨年、つまり2012年は女性声優業界に結婚のビッグウェーブが到来した年で、当ブログで紹介した声優さんでも静御前こと伊藤静が結婚していますが、他に田中理恵とか白石良子とか門脇舞以といった有名どころも続々と結婚しました。しかし人一倍強い願望とは裏腹にかすりもしなかった松来未祐は、ひたすら自虐ギャグにいそしんでいました。なにしろ高橋美佳子の「美佳子@ぱよぱよ」という長寿番組の公開録音で放った「お嫁に行けないんじゃない、行かないだけだ」という魂の叫びは、2012年のぱよぱよ流行語大賞に選ばれていましたから。他人の番組にゲストに出て、何をやってんですかアンタは。

既に8年もレギュラーを務める番組「(有)チェリーベル」で作られた「あなたのハートにはきゅん!どきゅん!」という電波ソングを歌っています。YouTubeでアイマスの天海春香が踊っている素敵な動画がありましたのでどうぞ。

http://www.youtube.com/watch?v=pCgYfHnisUg
そういえばブログもやっています。「松来未祐日記」というモロなタイトルです。食べ物とネコの話題が中心だそうです。

http://blog.excite.co.jp/matsukimiyu/
それでは私の知っている松来未祐の演じた役ですが…。御神楽少女探偵団の檜垣千鶴とか、Strawberry Panicの此花光莉はもう紹介しちゃいましたからねえ…。他を当たってみましょう。例によって原則古い順です。
アングラス(シムーン)

通称百合アニメのシムーンには、相争う三つの国が登場します。主人公達が所属するのシムラークルム宮国(略称「宮国」)、随一の科学力を誇るものの、深刻な大気汚染を抱えるアルゲントゥム礁国(略称「礁国」)、そして挙国一致体勢の宗教国家プルンブム嶺国(略称「嶺国」)。礁国と嶺国は中盤以降同盟を結び、宮国を敗北へと追い込んでいきます。

アングラスは嶺国の巫女で、宮国語も話します。嶺国の和平使節の一員として主人公達の空中母艦アルクス・プリーマに乗艦し、主人公達コール・テンペストのメンバーとも仲良くなりますが、隙を見て人質に取って格納庫に向かい、爆弾で自爆テロを決行します。


これによってロストテクノロジーの飛行艇であり、圧倒的な性能差で宮国のアドバンテージを保証していた1シムーン12機が破壊され、アルクス・プリーマにも深刻な損傷を与えました。

自爆により遺体はバラバラになったはずですが、18話でなぜか「禁断の遺跡」の中にあった古代シムーンのコクピット内で傷一つない綺麗な遺体が発見されます。


吉野屋先生(ひだまりスケッチシリーズ)

主人公達の通うやまぶき高校で美術の授業を担当する女性教師です。身長158cmはヒロイン黄金身長ですね。

ゆのと宮子の1年と2年の時の学級担任で、ヒロと沙英が1年の時の学級担任です。やまぶき高校のOGでゆのたちの先輩でもあります。 美人だが年齢は不詳で、本人曰く「永遠の17歳」だそうです。井上喜久子か!実はアニメ第1期収録時の松来未祐と同じ年齢という設定があるため、ゆのと宮子が1年の時に29歳なんだそうです。

おっとりした雰囲気ながら子供のような性格で、暴走してはその度に校長から説教を受けています。また授業に対する姿勢はかなりいい加減で、生徒からもやまぶき高校の名物教師として認定されていますが、生徒のことを真摯に考えており、また「教師」という職業に対する意識も高いようで、周りの教師からは「(たまにだけど)いい先生」と評されています。

フリルなどが付いたひらひらした服、あるいは露出度の高い服を好み、授業の際はコスプレをして行うことが多く、衣装はすべて自分で作っています。とても教師とは思えないようなかなり際どいセクハラ的発言をすることもあり、あまりのセクハラ発言の多さからゆのを諭したつもりが、いつものセクハラと受け取られたこともあります。この辺りは中の人の影響かも知れませんね。

クー子(這いよれ!ニャル子さん)

クトゥルー神話に登場するクトゥグアの元となったクトゥグア星人の一個体です。抑揚のない小声で話すことが多く、器量良しだが無愛想で無表情です。

ニャル子の幼馴染みで、彼女に深い愛情を抱いています。またニャル子からの攻撃ダメージの8割が快感に変換されるほどのマゾで、いつもニャル子と「検閲に引っ掛かる様なことをしたい」と思っています。完全なる百合ですね。

幼稚園の頃に虐められていたところをニャル子に助けられて以来、ニャル子の気を惹くために絶えず喧嘩してきた間柄でした。ニャル子の地球来訪を知って犯罪組織のノーデンスを脅して用心棒に収まり、ニャル子を拉致監禁しようとしましたが、ニャル子が愛する八坂真尋を殺そうとしたことでニャル子の逆鱗に触れ、本気を出したニャル子に半殺しにされました。

その後はコネで、ニャル子の務める惑星保護機構に就職し、八坂家にやってきました。学校では「八坂クトゥグア」と名乗り、ニャル子の「妻」を宣言して物議を醸しました。このキャラもやはり中の人の影響が強いような気がします。

ちなみに本来のクトゥグアはニャルラトホテプの天敵的存在で、旧支配者の中でも最強クラスとニャルラトホテプが恐れる唯一と言っていい存在ですが、ラブクラフトの創作した存在ではなく、クトゥルー神話を体系化したオーガスト・ダーレスが、旧支配者を四大元素に分類した際、火の属性が欠けていることを指摘されたことから作り上げたものです。そのせいか、旧支配者を四大元素に分類すると、火の属性は他の属性に較べて数が少なくなっています。

クトゥグアとクー子のイメージはこんなにも違います。どっちがいいかと問われれば、ド変態だろうがガチ百合だろうがクー子の方が一億倍いいですね。

身を削ったギャグはとても楽しいのですが、自身の心を傷つけてないといいと思います。丸顔が「先生のお時間」の鈴木みか(みかセンセ)に似ていると思っているのは私だけでしょうか。

アニメでは南央美が演じていましたが、松来未祐という手もあったのではないかと思います。しかしそうするとみかセンセが百合一直線になってしまうか(笑)。そういえば今年は年女ですね。おめでとうございます?

花は咲き乱れ、小鳥は空に歌う。そんな穏やかな土曜日。平和はいいですね。ちょっと肌寒い気もしますが、この季節はこんなもんでしょう。日差しは日に日に強くなってきて、もう紫外線対策も必要ですよ、お嬢様方。え?一年中対策しているんですか?さすが美白を守る努力に余念はありませんね(誰に言っているんだろう…)。

さて、ギャルゲーの土曜日、今日は20年以上も前の作品、「銀河お嬢様伝説ユナ」です。3月10日に冬馬由美を取り上げた際にやると言っていたので、16日にもやると思ったでしょう?意味もなくフェイントをかましてしまうのがユースフクオリティー。取りあえず意表を突くのが好きなんです。

「銀河お嬢様伝説ユナ」(英語では“Galaxy Fraulein Yuna”しかしFrauleinってドイツ語……) は、レッドカンパニーが制作し、1992年10月にハドソンよりPCエンジンSUPER CD-ROM²用ゲームとして発売されました。後にセガサターンでリメイクされ、1996年12月に「銀河お嬢様伝説ユナREMIX」として発売されました。そこからカウントしてももう17年ですか…やはり古さは否めませんね。

「銀河英雄伝説」を「銀英伝」と略しますが、これをもじって「銀河お嬢様伝説ユナ」は「銀嬢伝」と略します。やたら美しく品格がありそうといういうか、吟醸酒っぽいというか。

本作は、元々PCエンジンの年間製造タイトル数を確保するために開発されたという経緯があって、企画が特定のファン層(あえて言おう、オタク層であると!)に偏っていたこともあって、極めて低予算(1000万)、短期間のスケジュール(半年)、外注というヘレン・ケラーの如く三重苦の恵まれない状況での制作でした。

しかし、期待されていなかったということは、一面で制約の無い自由な制作を可能としました。それまでの美少女ヒロインは、強い、可愛い、頭が良いと三拍子揃ったものが大半だった中、本来のシリアス路線はギャグ路線に変更され、ヒロイン以下登場キャラクターの性格は大幅に変更されることになりました。ディレクターが従来型のヒロインに辟易していたそうです。

そうして出来た本作は、タイトルが示す壮大な舞台設定に反比例した軽妙な世界観、美少女による笑いあり(たくさん)涙あり(ちょっぴり)のストーリーとなり、またアニメファンから人気のあるスタッフ・声優を起用したことにより一躍人気シリーズとなり、リメイクを含めて6作が作成されました。またOVAをはじめ、幅広いメディア展開が行われました。

第1作目の本作は、原作や他メディアとの同時展開を伴わない、完全オリジナル作品でした。形式としてはデジタルコミックアドベンチャーであり、ゲームをアニメ・漫画と同じく純粋に「物語」を描くためのメディアとして捉えた本格的な作品の先駆けでもありました。

また「MS少女」等で知られる明貴美加のデザインによるバトルスーツ姿のキャラクターデザインは、第1作登場の美少女15人(ユナ、リア及び13人衆)の全てのガレージキットが海洋堂から発売されるなど、現在の美少女作品における本格的かつ大々的なフィギュア展開の先鞭を着けました。そういう言い方をすると画期的な作品ですね。内容はかなりお気楽極楽なのに。

シリーズの人気はかなり根強かったのですが、最終作である1998年の「FINAL EDITION」以降は、若干のグッズ展開が行われたのみとなっています。これは、ハドソンの美少女ゲームの主軸が「サクラ大戦」シリーズに移行した事などが影響していると思わ年れます。スタッフも一部重複していますし。ただし、2008年7月にPSPから発売された「銀河お嬢様コレクション」には、「銀河お嬢様伝説ユナ」(本作)、「銀河お嬢様伝説ユナ2」、「銀河婦警伝説サファイア」が収録されています。最後のはユナとは直接関係はなく、私もプレイしたことはありませんが、明貴美加がキャラデザインをしているそうです。

ちなみにバトルシステムはオーソドックスなコマンド入力方式で、ユナが戦闘不能などといった敗北条件を満たしても、自動的に再バトルすることになっています。この辺りはまだ「サクラ大戦」のような戦術シミュレーションに至っていないとも言えますが、デジタルコミックであればそういうものかという気もします。

それでは登場キャラ紹介。女の子ばかりで大変良いですね。ギャルゲーはこうでなくちゃ。
神楽坂優奈(CV横山智佐)

本作というか、シリーズの主人公にしてヒロインです。通称ユナ。本名は「ゆうな」なのになぜユナなのか、竜宮礼奈がレナと名乗っているような深い理由があるのか…多分ただの音便である気がします。

両親と3人で横浜市に在住。両親は高収入高身分なので、まさにの「お嬢様」ではあるのですが、「深窓の令嬢」ではありません。私立白丘台女子高校に通う普通(?)の女の子でしたが、友人の応募で出場した「銀河お嬢様コンテスト」でグランプリを取ってしまい、一躍人気アイドル歌手となります。その一方で、突如現れた「光のマトリクス」英知のエルナーに「光の救世主」であることを告げられ、「闇」の侵攻から宇宙を守る戦いに身を投じる羽目になりました。そういうと大変そうですが、本人は全然大変そうじゃないところがユナのいいところ。

性格は、明朗・お気楽・天然です。アイドル歌手なのに歌唱力は無く(昔は珍しいことではありませんでしたね)、勉強も運動もからっきしですが、敵ですら友人にしてしまう不思議な才能を持っています。

戦闘時には純白と青を基調としたバトルスーツ(ライトスーツ)を着用し、剣にも銃にもなる武器・マトリクスディバイダーを使って戦います。ちなみにユナのデザインは、明貴美加がデザインしたMS少女のガンダムF91が原型になっているそうです。なるほど、確かに似ていますね。

身長158cm・体重45kg・スリーサイズは78cm/56cm/82cm、2283年4月17日生まれの16歳(つまり物語は2299年)で、血液型はAB型です。身長158センチは私がかねて提唱しているヒロイン黄金身長ですね。スリーサイズはCVである横山智佐の第1作当時のものと同じなのだそうです。

リア(CV冬馬由美)

既に冬馬由美の記事(3月10日)で既に描きましたが、後述する。「暗黒お嬢様13人衆」の上に立つ「闇の女王親衛隊長」としてユナの前に立ちはだかるライバルキャラです。ユナ同様、「光の救世主」の素質を持っており、超能力を使うことができますが、それ故に「闇の女王」に目を付けられ、闇の呪縛に囚われてユナと敵対しました。

2作目以降はユナと親友になり、「お嬢様仮面ポリリーナ」として活躍します。

光のマトリクス
「光の救世主」であるユナの分身で、合体すると巨大ロボ「エル・ライン」となります。
英知のエルナー(CV山本百合子)

ユナの手のひらに乗るほどの大きさの、ロボット妖精風の姿で、常に宙に浮いています。性格は生真面目で、ユナのお気楽ぶりにいつも気を揉んでいます。
大地のジーナ(CV中村尚子)

大地を司る能力を持ち、ユナと合体することで彼女のライトスーツに地上滑走能力とビーム砲に拠る強力な攻撃力を付与するパワードフォームへと変化させます。性格は大人しく控えめで、無口です。
海のマリナ(CV鈴木砂織)

水の安定を保つ能力を持ち、ユナと合体することで彼女のライトスーツをマリンフォームへと変化させ、ほぼ泳げないユナでも水中戦を可能にし、速射小型魚雷での攻撃能力を付与します。優しい性格で、細やかな感性を持っているはずだが時たまきつい一言が。
空のエリナ(CV萩森侚子)

風を起こす能力を持ち、ユナと合体することで彼女のライトスーツを空・宇宙での活動を可能にし、バルカン砲での攻撃能力を付与するフライトフォームへと変化させます。性格は軽く、行動的でおしゃべりです。
エル・ライン

光のマトリクス達が合体した、全長21mの「マトリクス・フィギュア」(巨大ロボット)。核となる「光の救世主」無しでも動くことはできますが、太古の戦いでは「闇の女王」との戦いで手傷を負わせながらも敗れ、そのために分割・封印されていました。再戦時にはユナが乗り込むことにより本来の力を発揮し、闇の女王を倒すことに成功します。
暗黒お嬢様13人衆
「闇のお嬢様13人衆」或いは単に“13人衆”とも呼ばれます。「闇の女王」の洗脳を受け、ユナに敵対した13人の少女たちで、彼女らの上には「闇の女王親衛隊長」リアがいました。「闇の女王」戦が終わった後は、リアを含めて全員がユナと友達となり、後の作品では味方として活躍します。
水野葉子(CV冬馬由美)

ユナの初陣の相手。コンテスト荒らしが趣味で、「銀河お嬢様コンテスト」にも参加していましたが、ユナに負けたことを逆恨みし、そこを闇に利用されてしまいます。通り名は「オーディションのヨーコ」。光の剣「ライトセーバー」や腕から発する100万ボルトの雷電球「プラズマリッガー」で戦います。

声がリアと同じであるせいか、後の作品ではあまり目立たず、演じた当の本人もすっかり忘れていたという可哀想なエピソードが(笑)。身長160cm・体重48kg・スリーサイズ78cm/57cm/85cm、2283年1月5日生まれの16歳で、血液型はA型です。
弓岡かえで(CV鈴木砂織)

ユナの先輩アイドルで、元々はユナより人気がありましたが、ユナの方が人気が上がるにつれ、それを妬む心を闇に利用されてしまいます。通り名は「アイドルのかえで」。敵を気絶させる剣「スタンソード」と、腕部装甲を剣に変える「アーマーソード」を武器とする、白兵戦向きの暗黒お嬢様です。

声がマリナと同じであるせいか、やはり後の作品では目立ちません。全部低予算がいけんのじゃ。身長159cm・体重47kg・スリーサイズ78cm/57cm/83cm、2282年12月3日生まれの16歳で、血液型はAB型です。
勅使河原マリ(CV南場千絵子)

勅使瓦流と称する華道の18代目師範。花をこよなく愛し作法も良いのですが、自己中心的な性格です。通り名は「お花のマリ」。手にしたバラを武器として使い、「ローズチップ」や「フラワーミスト」といった技を使います。

彼女も後の作品では目立たない扱いを受けています。 身長161cm・体重47kg・スリーサイズ82cm/58cm/85cm、2283年6月9日生まれの15歳で、血液型はO型です。
茶恵原佳華(CV中村尚子)

「さえはら よしか」と読みます。「銀渓流」という茶道作法を会得する名門子女で、普段は白地に桜模様をあしらった振袖を着ているなど、見た目はお淑やかに見えますが、ユナに腐ったお菓子を食べさせたり洗剤入りのお茶を飲ませたりと実は凄まじく意地悪な性格です。通り名は「お茶の佳華」。武器は「レーザーウォーター」を撃ち出す柄杓や、茶せんミサイルなど。

身長157cm・体重45kg・スリーサイズ80cm/58cm/83cm、2283年10月21日生まれの15歳で、血液型はO型です。
徳大寺舞(CV原亜弥)

ユナや他の主要登場人物よりもお姉さんで、唯一の女子大生ですが、いわゆる「イケイケギャル」です。常にボディコンを着て「ネオ・ジュリアナ」で踊ることを楽しみとしています。また夜遊びとドライブも好き。通り名は「六本木の舞」。

ユナとは3度も対戦し、そのぶっ飛んだ性格と合わせて強烈なインパクトを与えてくれます。 高飛車で他人の話を聞かない性格なのに、2作目では教育実習生として、それ以降の作品ではユナの担任教師として登場します。暗黒お嬢様13人衆では、年齢のことも合わせ、事実上のリーダー格となっています。

身長171cm・体重53kg・スリーサイズ86cm/61cm/89cm、2280年8月27日生まれの19歳で、血液型はB型です。
綾川姫子(CV鳥海喜美子)

ロックンローラーを自称するものの、楽器演奏も歌も下手で、20世紀のパンクを思わせるファッションセンスや粗野な言動などツッパって見せているが、ユナに「今時パンクなんてださーい」と言われると、思わず「そ、そうかな…」と返してしまうなど、実はとっても素直な性格です。通り名は「ロックの姫」。

手首から打ち出すチェーンによる攻撃と、マイクで歌うことによって相手に超絶音波(ジャイアン同様)で鼓膜と精神の両方からダメージを与える攻撃をします。身長160cm・体重47kg・スリーサイズ78cm/58cm/84cm、2284年7月18日生まれの14歳で、血液型はA型です。
神宮寺詩織(CV國府田マリ子)

ポリリーナを除くとユナから最も尊敬される人物で、ユナを凌ぐトロさとニブさを併せ持ります。語り口調はとてもスローモーで、文字通りおっとりした性格ですが、車のハンドルを握らせると性格が一変してスピード狂になります。通り名は「おっとりの詩織」。

「暗黒お嬢様13人衆」では、舞・麗美らと共に後の作品でも目立つ存在です。本作はセリフをカットすることができなかったため、誤って同じ選択肢を選んでしまうと、まったく同じセリフをスローテンポで延々と聞かされることになるという、別な意味で非常に厄介なキャラでもありました。
演じた國府田マリ子でさえ「やっててイライラしました(笑)」とコメントしています。 身長156cm・体重42kg・スリーサイズ77cm/56cm/82cm、2283年9月4日生まれの16歳で、血液型はB型です。
アレフチーナ・ミハルコフ(CV萩森侚子 )

モスクワ交響楽団のヴァイオリニストを祖母に持つロシア名家の子女で、彼女自身もヴァイオリンでは右に出る者がいないと言われる実力者です。音楽への思い入れが深い反面、ユナのように音楽に関心の薄い人間には人容赦ありません。通り名は「ヴァイオリンのアレフチーナ」。

ヴァイオリンを武器とし、ヴァイオリンボウを剣の様に振るう近接攻撃の他、「子守唄」「レクイエム」などの曲を演奏することによって音波攻撃を行います。実はゲーム中の音はかなり名のある楽団の奏者の人に演じてもらった生録で、「ヘタクソに」「メチャクチャに」など、失礼な注文をした上で収録されたそうです。 身長163cm・体重49kg・スリーサイズ81cm/60cm/86cm、2282年3月26日生まれの17歳で、血液型はAB型です。
ルミナーエフ・ド・クロソウスキー(CV山田真木)

旧ロシア帝国貴族の末裔でとても気位が高く、高貴な素顔を平民に晒さぬ様に、普段着でも「バタフライマスク」を着けています。またサディスティックな面もあり、その風貌や性向から「女王様」または「女王様のルミナーエフ」とも呼ばれ、しかもそれが定着してしまいました。通り名は「家柄と血筋のルミナーエフ」。

「クレッセント・ビュウ」と称する鞭や、鉄扇などを武器とします。CVは広報室員で声優ではなく、以後は別の声優が演じています。身長163cm・体重52kg・スリーサイズ84cm/61cm/86cm、2281年2月8日生まれの18歳で、血液型はO型です。
紅麗美(ほあん りーみん)(CV原亜弥)

「麗美」は「れみ」「れいみ」とも読まれます。上海出身で拳法を学ぶ中国上流家庭の子女で、性格はおっちょこちょいで喧嘩っ早く、飲茶が好き。通り名は「チャイナの麗美」。

武器は、手に持つ「閃空槍」と称する槍、及びその身につけた「ファイブアニマルカンフー」「浄気拳(じょうきけん)」「集気拳(しゅうきけん)」といった拳法です。身長162cm・体重48kg・スリーサイズ78cm/56cm/84cm、2283年7月16日生まれの15歳で、血液型はA型です。
リューディア・フレイルド・ルイーズ・マーニアス 3世(CV南場千絵子)。

地球暦で紀元前のころ、遥か離れたプランター星系第4惑星「水の惑星・マリアーナ」で過去栄えていたマーニアス海上国家の王族の末裔です。彼女もユナやリアと同じく「光の救世主」となり得る存在でしたが、それを察した「闇の女王」に捕らえられ、マーニアスは滅ぼされてしまいました。「闇の女王」に王国再建と引き換えにユナ抹殺の使命を与えられています。通り名は「古代文明のリューディア」。

両肩に装備された「マトリクス・キャンセラー」で、ユナと光のマトリクスとの合体を強制解除し、剣一本で真正面から戦う正統派の戦士で、亡国の姫として戦いますが、一つの国の存亡という少女が背負うには重すぎる十字架に押しつぶされるようにユナに敗北します。
ユナに心を救われ、以来、先代「光の救世主」としてユナの協力者となります。身長163cm・体重46kg・スリーサイズ84cm/58cm/88cm、6月3日(地球暦換算)生まれの推定2500歳前後(コールドスリープにより、肉体年齢は16-17歳)で、血液型はA型です。
エミリア・フェアチャイルド(CV鈴木砂織)

数多くの博士号を持つインテリお嬢様ですが、学問を美徳とするあまり、他人を見下す傾向があります。 アメリカ人のはずですが、「縦横無尽」「満場一致」「一網打尽」などの四字熟語攻撃を得意とします。通り名は「教養のエミリー」。

シリーズ通して唯一の眼鏡っ娘です。 身長163cm・体重49kg・スリーサイズ81cm/60cm/87cm、2283年5月10日生まれの16歳で、血液型はAB型です。
綾小路沙雪華(CV國府田マリ子)

日本の旧華族の子女で、華族の礼法を学んでおり礼儀は13人衆で最も正しい一方で、他人に対しては冷徹です。ユナに心を開いたリアをバトルスーツを着用することなく倒すほどの実力を持っています。通り名は「高貴な沙雪華」。

金色を基調とした彼女のバトルスーツは、闇の女王が直々に彼女に与えたもので、13人衆ではリアと同等クラス実力を持っていますが、後の作品ではCVが同じ「おっとりの詩織」に食われ影が薄い存在になってしまいます。身長162cm・体重49kg・スリーサイズ80cm/57cm/86cm、2283年3月3日生まれの16歳で、血液型はAB型です。
闇の女王(CV山本百合子)

本作のラスボスです。普段は美しい女の姿で、触れる者を闇の心で支配して服従させることができます。太古の時代に光の象徴である「エル・ライン」を破り、マトリクス単位に分割の上封印したものの、自らも深い傷を負い、長らく動けない状態でした。新たな動きを始めるに辺り、障害となる「光の救世主」ユナの存在を察し、それを排除すべく「闇のお嬢様13人衆」を操ってユナに対峙させました。

13人衆がことごとく倒された時、ユナさえも闇に取り込もうと画策するが失敗、ユナの眼前でリアを倒したことにより、かえってユナを「光の救世主」として覚醒させてしまいました。巨大で醜悪な正体を現して戦いを挑むも、最後はユナ搭乗のエル・ラインによって撃破されます。
そんな訳で次回は「ユナ2」を。ああ連邦軍の宇宙基地?と思った人へ。

「節子それユナ2と違う、ルナツーや!」
東京では桜が満開になったそうで、やっぱり十日は早いなあと驚くばかりです。我が筑波嶺でも満開の日は近いことでしょう。辛夷や木蓮も咲いていています。白梅は、白梅だけだとちょっと寂しくて、紅梅が欲しくなりますが、辛夷や木蓮は白だけで十分綺麗ですね。特に辛夷が満開になると、夜でも満天の星のように輝いて見える気がします。流石は「北国の春」の代名詞。
おかげさまで拍手が100を突破しました。拍手を貰うとこう、なんか元気になりますね。ブログやってて良かったていう。もちろんコメントをいただけるとそれはそれは嬉しいのですが、それはちょっと恥ずかしいとか面倒だという方は、一つポチッとなと押していただければ幸いです。
さてハナキン(タノキンと並んでもはや死語ですな)なので、もはや恒例の不人気企画・コミック版「ほしのこえ」精読会を始めたいと思います。終わったら何をやるか?実はもうアイディアはあるんですよ、ふっふっふ。それは終わってのお楽しみです。
さて本日はChapter.6。もはや後半戦に突入です。扉絵は背中を向けるミカコ。裸足で何かに腰掛けてます。その向こうに広がっているのは他の惑星の光景なのでしょうか。
ミカコの乗るリシテア艦内では、48時間後にワープするとの放送が。行き先は8.6光年先のシリウス星系だそうです。つまり送ったメールは8年半以上経たないと地球に到着しないということに。血相をかけて走るミカコ。ミワさんが迎えてくれるその部屋では、モニターに映ったヒサちゃんの姿が。笑みを浮かべてはいますが顔に負傷した痛々しい姿です。顔は女の命だって言うのに……完治するといいですけど。

はいここでまた宇宙の話を。シリウスはおおいぬ座α星、太陽を除き、全天で一番明るい恒星です。オリオン座のベテルギウス、こいぬ座のプロキオンともに、「冬の大三角」を形成しています。また、「冬の大三角形」を内包する巨大な「冬のダイヤモンド」を形成する恒星の1つでもあります。

シリウスは質量は太陽の約2.5倍、半径は1.76倍、そして光度は太陽の26倍と、確かに明るい星ですが、全天で一番明るい恒星(-1.43等)である理由は、偏にその距離の近さにあります。何しろ距離は8.6光年で、太陽系から5番目に近い恒星系なのです。

ちなみにシリウスは、かつては一つの星と考えられていましたが、実際にはシリウスA及びシリウスBの2星からなる実視連星です。実視連星とはいっても、主星(シリウスA)と伴星(シリウスB)の光度差が極めて大きく、また近くにあるため、伴星が主星の光で遮られてしまい、小さな望遠鏡で伴星を見るのは無理だそうです。なお、シリウスBは最初に発見された白色矮星です。

シリウスの名は、ギリシャ語で「焼き焦がすもの」「光り輝くもの」を意味する「セイリオス」に由来しています。和名は犬星や青星(あおぼし)、英語では別名Dog Star、中国語では天狼星と呼ばれます。古代エジプトでは、ナイル川の氾濫時期を知らせてくれる星として、非常に重要視されていました。
ヒサちゃんは運良く別の船に救助されたそうです。しかし負傷が重いためか、地球に戻されるようです。一緒にシリウスに行きたかったというヒサちゃんの目からは一筋の涙が。「8年離れたって絶対……絶対ミカコちゃんのこと忘れないから……だから……安心して行ってきて……」というヒサちゃんのセリフにミカコも滂沱の涙です。

一方地球では、ノボルが女の子に後ろからつんつんされてます。ショートのソバージュの彼女は真枝若菜さんだそうです。一学期に委員会で一緒だったと言ってますが、ノボルには覚えなし。冷たいというか、ミカコのことしか眼中になかったというか。
めげずに会話を続ける若菜さん、さては…。剣道部の話題になって、「本当に自分がやりたかったことだったのか分からなくなって……なんかもう……どうでもよくなって……」と思わず現在の心境を吐露するノボル。「分かるかも……そういうの……」と相づちを打つ若菜さん。彼女の弓道部は練習が凄く楽だそうです。弓道部といえば、貴樹が種子島でやってましたね。あそこも楽だったのかな?貴樹は3年生の2学期になっても練習してましたが。別れ際に「明日も……一緒に帰っていい?」という若菜さん。彼女といい、花苗といい、女というのはどこか影のある表情に惹かれるものなのか……。

一方宇宙ではミカコとミワさんが会話しています。ヒサちゃんがいなくなってはもう頼れるのはこの人だけです。ミワさんは既に地球との時間のずれを経験しているようです。どういうものなのかと尋ねるミカコに「やっぱり怖い……」と正直な気持ちを打ち明けるミワさん。地球に戻るチャンスはあったのに、ずれた時間が怖くて降りられなかったそうです。「私だけじゃない……」とちょっとほっとするミカコ。
再び待機中のトレーサーのコクピット。現在の場所からのメールは一年後、シリウスからは8.6年後。その時ノボルは25歳です。「みんなどんどん知らない人になっていく……」言いしれぬ寂しさに襲われ、「……忘れちゃうかな ノボルくん……」とつぶやくミカコ。
「私のこと……忘れちゃうかな……」コクピットにうずくまって顔を伏せるミカコ。ワープが開始されます。その頃、ノボルは若菜さんと……。NTRか?NTRなのか!?

今日は北海道・東北は猛吹雪で大変なことになっていたようです。関東あたりも少し冷え込んでいましたが、これは3月らしくてむしろいいなと思ったりしました。青空に桜の花というのはなかなかいい景色でしたが、あと10日位後の風景だよなと思います。
さて本日は青井夏海の「陽だまりの迷宮」です。青井夏海の作品は初めて読みました。
青井夏海は1960年生まれ、千葉県出身です。本名など詳しいプロフィールは公開されていないようですが、1994年に野球に関するミステリー「スタジアム 虹の事件簿」を自費出版したところ、ネット内で「幻の名著」として取り上げられるようになり、2001年に創元推理文庫として出版され、広く世間に知られるところとなったそうです。故に、著書が本格的に刊行されているのは21世紀以降ということになります。

青井夏美というペンネームは「スタジアム 虹の事件簿」を自費出版した際に思いつきでつけたそうで、どうせこの一作で終わるかもしれないしと思ったまま、ずるずると10年以上使い続けているそうです。
自身の助産院での出産経験をヒントにした助産婦(現在は「師」ですね)探偵シリーズの第1作「赤ちゃんをさがせ」は2003年2月にNHKの連続テレビドラマになっています。
例によって文庫裏表紙の内容紹介です。
生夫は小学三年生、姉九人・兄一人の十一人きょうだいの末っ子だ。病気で学校を休みがちの彼のまわりに起きる日常の謎・謎・謎―消えてしまった鉄道模型に、繰り返される無言電話、玄関に置いていかれた象の絵本…。でも大丈夫、いつも最後には下宿人のヨモギさんが現れて見事解決してくれるのだから。子どもの頃の懐かしさと切なさを、ほのぼのとした筆致で描く連作ミステリー、書き下ろしで登場。
それぞれ4人の子を持った父母が再婚してさらに3人を子供を作った、ということで雛飾り並の11人兄弟・13人家族ができました。主人公の生夫は末っ子ですが、小学三年生の時点で家に残っているのは兄1人と姉4人。他の5人は結婚したり就職したりで家を出ています。
「おチビ」といわれて姉たちにはからかわれながらも構ってもらってますが、9歳年上の唯一の兄は全然構ってくれません。生夫は病弱でちょっとしたことですぐ体調を崩してしまいがちです。そんな生夫が遭遇する3つの事件が描かれています。
事件といっても、これらは重大犯罪とは一切関係なく、いわゆる「日常の謎」というやつばかりです。「日常の謎」に該当する作品は、謎が解明される過程で、日常生活に潜む人間心理なども同時に明かされる場合が多いので、多くは本格推理小説に分類されています。私は最近は猟奇的な事件よりも「日常の謎」系のミステリーが好きなんです。
第一話「黄色い鞄と青いヒトデ」は、隣家の中学生の兄弟の間で悶着となった、高価らしい鉄道模型の紛失を巡って、犯人と目される小学生を探す話です。事件の発端となったのは中学生と小学生の自転車の衝突。目撃していたらしい生夫の姉はなぜそれを否定するのか。様々な人の心理が明らかになっていきますが、もちろん小学三年生の生夫は特段推理が得意な訳ではなく、ほぼ解明してくれのは下宿人の「ヨモギさん」です。
第二話「届かない声」は、生夫が出るとすぐに切れてしまう無言電話の謎です。結婚した姉の出戻りや別の姉の友人とある親子の悶着に巻き込まれたり、大人の事情というやつに生夫は翻弄されっぱなしですが、やはりラストにちょっとだけ出てくる「ヨモギさん」が謎を解明してくれます。
第三話「クリスマスのおくりもの」は、誰宛とも知れない象の絵本が置かれていた話です。誰に宛てたものなのか、どういう意味があるのか、誰も知らないと言っているが本当なのか、と日常の謎がてんこ盛りです。途中で贈り主が登場し、誰宛なのかが判明しますが、その人が贈った物は象の絵本ではなかったということで謎はさらに深まったりして。途中、車に轢かれた生夫は「ヨモギさん」に助けられ、謎も解明してもらうのですが、生夫に怪我も痛みもなかったというのは別の意味で謎です(笑)。
プロローグとエピローグは事件から17年後、両親が死んで一周忌を迎えた時点です。生夫もすっかり大人になっています。その生夫が他の兄姉達待ちながら、子供の頃にあった事件について姉の一人に語ったのが以上の三つの謎なのですが、なんとエピローグでさらなる謎が提示されます。
実はその件については中盤あたりで「おや?」と思ったのですが、まあいいかと読み飛ばしていたのでした。その謎が浮上してきたときは、「おお、やっぱり!」と思いました。作者の勘違いなんかじゃなくて良かったと。
ただ、生夫は小学三年生にしてはあんまり子供らしくない感じがします。兄姉ばかりなのでこまっしゃくれてしまうのか。それとウルトラ兄弟ではあるまいに、さすがに兄弟11人は多すぎではないでしょうか。結局名前しか出てこない人もいるし、多少リストラした方が良かったのでは。シリーズ物になれば生きてくる設定なのかもしれませんが。
あと、生夫のクラスメートの女の子の斎藤さんは、ちょっと良い感じの子なので、もっと登場させて欲しかったです。生夫の淡い恋心なんて話の相手にちょうどいいと思うのですが。兄姉ばかりでなく、生夫自身の学校での交友関係なんかも描いて欲しかったです。というより、一冊であれもこれもはさすがに無理なので、ぜひシリーズ化を。
春分の日ですね。これからは昼の長い日が半年続いていくのですね。それにしても暖かすぎですよ。暖春というやつでしょうか。ちょっと散歩してきたのですが、桜のつぼみがほころび始めています。筑波嶺周辺もこの週末にはお花見日和かも。せめて31日あたりに満開になって欲しいのですが、それまでもつかどうか。日曜日くらいしか見に行けないのですが、春の一週間の変化はあまりに早いですね。

本日はこの前かってようやく読み終わった(というか見終わった)「新装版 石原豪人「エロス」と「怪奇」を描いたイラストレーター 」(中村圭子編)です。

私が子供の頃、怪奇系児童書というのがたくさん出版され、児童館の図書室とかクラスの学級文庫(今もあるんですかねえ)には、立風書房の「ジャガーバックス」とか、小学館の「なぜなに学習百科」とか、学研の「ジュニアチャンピオンコース」とか、講談社の「ドラゴンブックス」なんてキワモノの本が並んでおりました。


現在の児童書とか児童向け図鑑とは似ても似つかぬ内容で、多分現代のお父さんお母さんは「こんな本を子供に見せるなんて!」と目を剥くかも知れません。個人的には悪と毒にまみれた現実社会に出る前に、免疫をつけるという意味では有効だったと思うのですけどね。例えば私は子供の頃に心霊とかUFOとかいうオカルトにずっぽりとはまっていたのですが、その結果大人になってどうなったかというと、極めて懐疑的(スケプティック)になりました。絶対ない!と否定するのではなく、「あるというのならはっきりした証拠を見せてよ」という立場です。残念ながらオカルト系では、「有無を言わせぬ証拠」というものを出してくることが出来ないか、ほとんど不可能な場合が大半なんですよね……。

大人になっていきなりオカルトと接触すると、あるタイプの人達はずっぽりとはまってしまうようです。新興宗教とかもそういう傾向があるかも知れません。もちろん「信教の自由」は承知していますが、子供の頃にある程度耐性をつけておけば、はまってしまう前に何か気付くこともあるのではないか、と。そういう意味では宗教サイドから見ると私あたりはさしずめ信仰心のない「救いがたき衆生」になってしまっているのかも知れませんが、むしろそうなって良かったなって思ってたりして。

それはさており、娯楽の少なかった私の子供時代を楽しませてくれたこれらのキワモノ児童書にたびたび迫力のあるイラストを掲載していたのが石原豪人という人なのです。メカや未来を精密に描いた小松崎茂と、迫力と色気のある妖怪・怪物を描いた石原豪人は昭和のイラスト界の双璧といっていい存在だと思います。今回の画像はそういう訳でなるべく大きめにしました。

まずは、本書に関するAmazonの内容紹介です。

「怪奇現象」「妖怪」「怪獣」「怪人」…ありとあらゆる「怪」の世界を描いて、石原豪人は戦後の挿絵界に大きな足跡を残しました。昭和30年(1955)頃から挿絵画家として活動を始めた豪人は、たちまち人気を得て、以後50年間にわたり精力的に描き続けました。天才にして、さらにたゆまぬ努力を続けた挿絵画家・石原豪人の全貌を紹介する初めての本です。

石原豪人(「ごうじん」と読みます:1923年3月15日-1998年6月19日)の本名は石原徹。島根県出身で、日本大学芸術学部中退です。18歳で満州に渡り、映画看板などを描いていましたが、体調を崩したため、1955年頃(昭和30年)から比較的体力を使わなくて済む挿絵画家としての仕事を始め、以後40年間にわたって精力的に描き続けました。

テレビがなかった時代の映画の看板から始まり、江戸川乱歩シリーズの挿絵、立風書房のジャガーバックスシリーズを始めとする怪奇系児童書、各社の学年誌・少年雑誌・少女雑誌の怪獣・怪人・幽霊・妖怪・怪奇現象などのイラストを手がけ、平成に入ってからもサブカルチャー雑誌やトレンド雑誌、家庭用ゲーム誌の挿絵までカバーしていました。

「好き嫌いがなくてこそ高級な人間」をモットーとしていて、注文を受ければ分野を問わず何でも描いたそうです。手がけた分野は、紙芝居・映画看板・カストリ雑誌・学習雑誌・少年雑誌・少女雑誌・芸能雑誌・新聞小説・劇画・広告・アメリカンコミックに至り、その作品点数の多さゆえに、「日本のノーマン・ロックウェル」(多作で有名なアメリカのイラストレーター。生涯に2000を超える作品を描き、アメリカでは幅広い大衆的人気を得ました)、「現代の浮世絵師」とも呼ばれたとか。自宅の床が抜けたというエピソードもあります。

そしてもう一つの名義「林月光」ではゲイ雑誌やSM雑誌において濃厚な挿絵も手がけていますが、ぱっと見ただけで思いっきりアダルト路線なので当ブログでは掲載を差し控えたいと思います。見たい人は「林月光」でググれば簡単に見られると思います。

ここでは私が昔見ていたキワモノ児童書で見た石原豪人のイラストを中心に語りたいのですが、そこに描かれた怪獣・怪人・幽霊・妖怪・怪奇現象などのイラストは、本当に我々の心を、恐ろしくもエキサイティングな「この世の果て」や「あの世」へと導いてくれたものです。

特徴的なのは、登場する人物や人外の迫力のある生き生きとした表情と、とりわけ女性キャラの何とも言えない色気でしょう。恐ろしい妖怪であっても女性系の妖怪には色気があるんですよね。それが故にアダルト系イラストでも大きな需要があったのでしょうが。

ギリギリセーフなイラストを一点。官能小説「夜の義姉」(山路薫)の表紙です。「作り酒屋に嫁いだ美しい京女と義弟の禁じられた夜の営み」だそうですよ、奥様!

少女雑誌でのイラストでは、「女の子の色気をおさえてくれ」という注文ばかりが来たそうです。編集者にも色気肯定派と否定派がいて、否定派は振り袖姿にも文句を言ったそうです。石原豪人は「だいたい僕から色気を取ったら何が残るんですか」と後にこぼしています。

本書において編集文筆家の竹熊健太郎はインタビューでこう言っています。

「『北斎って、きっとこんな感じの人だったんだろうな』という……まさに現代の浮世絵絵師だと感じました。」

「先生は何でも描くし、また何でも描けることを誇りにしていました。もともと頭のいい人だから、私の依頼以上に、自分のアイデアで笑える画面を工夫されたりされました。私はいつもパロディで古めかしさを狙い、それで豪人先生に頼んだのですが、そんな注文って頑固な人なら怒っちゃったかもしれないですよね。でも先生はむしろ喜んでやってくれました。」

「アナーキーでしたね。政治的ではなく、心根としてのアナキスト。(中略)団体を作るとか、徒党を組むとかいうタイプではない、日本的な村社会があまり好きじゃなかったみたい。あまり日本人っぽくない人でしたね。」

編集者の赤田祐一はインタビューでこう言っています。

「石原先生をひとことで表現すれば『怪紳士』というところでしょうか……『怪しい紳士』。おしゃれだし、人あたりがソフトで紳士なんですよ……でもなんだか怪しい感じがするんだなあ……」

「『妄想力』の凄い人でしたね。(中略)妄想力があれだけ強烈だから、あんな絵が描けたんだと思います。」

小学館の常務取締役の五十嵐光俊はインタビューでこう言っています。

「いい意味で編集者の期待を裏切る名人でした。きっと編集者を超えてやろう、もっとすごいものを描いてやろうという気迫が溢れていたんだろうと思います。」

「人物画は映画ポスターを描いていた経験が豊富で、構図といい、表情といい、一目見てわかる独特の『豪人臭』があったように思います。人物の特徴をつかむ力は天才的に上手かった。」

ぜひ生前に一度話を聞いてみたかったなと思う人柄ですね。でも石原豪人のイラストは既に多数がインターネットに流布しており、必ずや後世に伝えられていくことでしょうね。

桜の花もほころぶ陽気、冬は冬で寒かったですが、今年の春の暖かさも異常気象なのではないでしょうか。今日も日付が変わっての更新です。送別会なら仕方ない。人は様々なしがらみの中で生きているのです。
本日は久々にSF。カート・ヴォネガット・ジュニアの「スローターハウス5」です。大分前に読んだことに途中で気付きましたが、再び面白く読んでしまいました。

作者のカート・ヴォネガット(1922年11月11日-2007年4月11日)はアメリカのSF小説家、エッセイスト、劇作家で、1976年の作品「スラップスティック」より以前の作品はカート・ヴォネガット・ジュニアの名で出版されていました。「スローターハウス5」は1969年の作品なので、作品の作者名としてはカート・ヴォネガット・ジュニアとしておきます。
人類に対する絶望と皮肉と愛情を、シニカルかつユーモラスな筆致で描いて人気を博した、現代アメリカ文学を代表する作家の一人とみなされています。代表作には本書のほか、「タイタンの妖女」(1959)、「猫のゆりかご」(1963)、「チャンピオンたちの朝食」(1973) などがあります。

爆笑問題の背の高い方、太田光はヴォガネットを尊敬しており、特に「タイタンの妖女」に大きな影響を受けたことから、所属事務所名の「タイタン」は、「タイタンの妖女」から名づけられた。また、2009年の日本語訳版には太田光が解説を寄せています。
カート・ヴォネガットは第二次世界大戦に従軍してドイツ軍の捕虜となり、ドレスデンで本書出版当時はまだあまり知られていなかった「ドレスデン爆撃」に遭遇します。カート・ヴォネガットが仮託している本書の主人公ビリー・ピルグリムスもドレスデン爆撃に遭遇していますが、本書の出版によってドレスデン爆撃の認知度が高まり、大戦中の連合国によって正当化された都市空爆が再評価されることへとつながりました。

ドレスデン爆撃は、第二次世界大戦末期の1945年2月13日から15日にかけて英米空軍によって行われたドイツ東部の都市、ドレスデンへの無差別爆撃で、4度におよぶ空襲にのべ1300機の重爆撃機が参加し、合計3900トンの爆弾が投下されました。この爆撃によりドレスデンの街の85%が破壊され、2万5000人とも15万人とも言われる一般市民が死亡しました。死者数に大きなばらつきがあるのは、爆撃当時、20万人と言われる難民や数千人の戦傷者でドレスデンがごった返しており、難民の死者数が不明な為です。
当時のドレスデンには目立った軍事施設もなく、「エルベ河畔のフィレンツェ」の別名の通りドイツ最高のバロック様式の美しい街並みと数多くの文化財が知られていたので、人々はドイツの中でも「ドレスデンだけは空襲に遭うことはない」と信じていました。ドイツ軍も空襲に対してはほとんど無警戒で、当日迎撃したドイツ軍機は皆無と言っていいほどで、イギリス側の損害はごく僅かでした。

「東からドイツに攻め寄せるソ連軍の進撃を空から手助けする」という一応の名目はありましたが、実際は戦争の帰趨はほぼ決着しており、戦略的には何の意味もない空襲でした。
「スローターハウス5」(ドイツ語では「シュラハトホーフ=フュンフ」)は、「第5屠殺場」を意味し、主人公ビリーがドレスデンで捕虜として収容された場所で、爆撃中もここにいました。地下にあって頑丈だったため、命拾いをすることになりますが、ヴォネガット自身の体験と対応しています。
従軍牧師助手として訓練も受けずに欧州戦線に送り込まれたビリー・ピルグリムはバルジ作戦んい遭遇し、ドイツ兵も捕虜となってドレスデンの使われていない屠殺場の奥深くに設けられた捕虜収容所で生活することになります。
その後アメリカに帰国して結婚するのですが、ビリーは時間の中を行き来し、人生の様々な場面を何度も追体験することになります。彼は後年飛行機事故に遭遇して重傷を負いますが、その際に軽い脳障害が残った結果、死を含む人生の様々な時点を無作為に繰り返し訪れることできるようになったようです。と言って任意の時間を選べる訳でもないようですが。
彼はトラルファマドール星からきた地球外生物に会い、後に誘拐されてトラルファマドール星の動物園でポルノ映画女優とともに展示されるますが、トラルファマドール星人は過去から未来にわたる全ての時間を同時に一望することが可能であり、運命を変えることはできませんが、自分が集中したいと思う人生の瞬間を選んで焦点を合わせることができるという宇宙人で、彼らから様々な説明を受けたことが影響しているのかもしれません。ちなみに拉致は長期に及びましたが、戻されたのは地球の時間で拉致された直後だったので、誰にも気付かれませんでした。
トラルファマドール星人は、「タイタンの妖女」や「ローズウォーターさん、あなたに神のお恵みを」にも登場する宇宙人ですが、トイレが詰まったときに使う吸引器(別名「スッポン」)によく似た形状をしています。こんな感じです。

そういえば両書の登場人物も出てきますね。
この小説を通じて、ビリーは時間の中を行き来し、人生の様々な場面を何度も追体験します。彼はトラルファマドール星で時を過ごし、ドレスデンで過ごし、捕虜になる前のドイツで深い雪の中をぼんやり歩き、戦後のアメリカで結婚生活を送り、何年も後の地球上での彼の死の瞬間に向かいます。彼は晩年にはトラルファマドール流の運命論を受け入れており、すばらしい個人的な平和を手に入れて、この哲学を多くの人々に広めることで著名な人物になっています。また、死んでも(殺されるのですが)、しばらくすると彼の意識は過去に戻ってやはり追体験を続けることになります。

「スローターハウス5」では特定のフレーズが繰り返し使われています。例えば、死について触れる際には「そういうものだ」("So it goes.")という語が使われ、腐乱した死体のひどい臭いや酔っぱらいの息に対しては、「芥子ガスとバラ」という語が使われています。芥子ガスとは、マスタードガスのことで、これは本来無臭なのですが、不純物を含むマスタードガスは、マスタード(洋からし)、ニンニクもしくはホースラディッシュ(セイヨウワサビ)に似た臭気を持つのだそうですこれとバラの匂いが混ざったと言うことで、どういう臭いかよく分かりませんが、非常に嫌な臭いなのでしょう。
カート・ヴォネガットの筆致は、シニカルながらユーモアに満ちており、運命に翻弄される人間の人生(自身のものを含む)というもの(受け入れがたいものを受け入れざるを得ない)への諦観に満ちている気がしますというか、ラストでビリーはトラルファマドール星人から得た知識と、「時間の中に解き放たれた」自身の経験に基づき、時間は3次元の切片に加わるもうひとつの次元であり、我々はその切片が同時に存在することを知っているのだから、誰もが永遠に生きており、死は特別悲しいものではないと人々に語りかけています。
長く生きた人が人生の様々な場面を繰り返し追体験することができるならば、言うことも判らないでもないのですが、例えばドレスデン爆撃で新だ人々の中には、これから長い人生があったはずのいとけない幼児や子供達もたくさんいたことでしょう。数年とか下手をすれば数時間しか生きられなかった人々の死であっても、「そういうものだ」と割り切れるかどうか……。

ちなみに「スローターハウス5」は、ジョージ・ロイ・ヒル監督、マイケル・サックス主演で、1972年に映画化され、カンヌ国際映画祭審査員賞(1972年)とサターンSF映画賞(1972年)、ヒューゴー賞映像部門(1973年)を受賞しています。ヴォネガットはこの映画を「小説よりよくできている」と評しているそうです。
WBC、負けちゃいましたね。三連覇は夢と終わりました。今回、最初からいろいろ危惧されてましたけど、準決勝まで来て、キューバもアメリカも韓国もいなくなって、後は大した強敵もいない

という油断はなかったでしょうか。少なくとも日曜日のサンデーモーニングでは、野球解説者(あえて名は伏しますが)勝って当然的はことを言っていました。この油断が経験者や一般国民、ひいては選手にもなかったか。

20世紀を代表するサッカーのスーパースター、「皇帝」ベッケンバウアーは、「強い者が勝つのではない、勝った者が強いのだ」と言いました。
一発勝負のトーナメントでは、真の実力は測れないのかも知れませんが、この試合に関してのみ言えば、日本はプエルトリコより弱かったから負けたと言うしかないでしょう。三国志演義ではありませんが、勝敗は兵家の常。臥薪嘗胆して捲土重来を期すべきでしょう。

ということで、別な勝負・競技かるたについて語っていきましょう。千早達が2年生になってからを描く「ちはやふる2」です。この冬から始まったアニメにようやく追いついてきました。ふと思ったのですが、もしかして3年生になってからの活躍は「ちはやふる3」なのでしょうか?原作に追いついたらぜひ千早中学生編をお願いします。
ここのところは3話連続で紹介してきましたが、なるべく追いつかないように、「ちはやふる2」は2話ずつやっていきたいと思います。

まずは記念すべき第1首「はなのいろは」。

新一年生が入学してきて各クラブとも新入生勧誘に余念がないようです。かるた部はかなちゃんの作戦で、模擬試合を中止して美男美女作戦を敢行します。

和服姿の太一&千早に会場騒然。まあいきなり壇上でかるたを奪い合ってたら新入生もドン引きでしょうから、いい作戦です。

そして太一にロックオンする女の子の姿が。高校入学を機にカレシに振られた春野菫(以下、菫ちゃん)です。

かるた部に殺到する入部希望者達。大半が太一目当ての女の子です。もちろん菫ちゃんもその中の一人ですが、「韮ちゃん」と読み間違える千早。いやいや、似てるようで全然違う。おはじきとドロップくらい違います。

新入生の教育係を買って出る千早ですが、部員は皆いい顔をしません。「名人・クイーン重視派」(太一)、「高校選手権重視派」(肉まんくん)、「礼儀作法重視派」(かなちゃん)、環境重視派(机くん)と見事にバラバラ。かるた部が存続していくことを真剣に考えているのは千早だけでした。

一方菫ちゃんは千早やかなちゃんを「敵」扱い。女って怖い。しかし和服を脱いでも美男美女の太一&千早にマイッチングです。ジェラシーめらめら。こういう展開もいいですね。太一としてみればいい迷惑だし、しかも千早には全然気付いて貰ってないのですが。

しかし千早はかるたに関しては極めて貪欲でした。個人で強くなって、団体戦で勝って、一年生も育てて北央のような強豪校になるという千早の夢の大きさに焦りまくる部員一同。「学校卒業しても、かるた教えにくるんだぁ」って、お前はかるた会のザビエルか。他のことではとっても淡泊な子なんですけど。

太一がA級になることが最優先だと千早に言われた太一、ようやく自分のことだけ考えるようになりました。白波かるた会の練習に向かう太一をすかさず発見した菫ちゃん。ダッシュで追尾します。

ここで太一の名言炸裂。「男が選ばれてどうすんだって思うんだ。俺は、選んで頑張るんだ。」この時菫ちゃん、自分は太一には決して選ばれないことを悟ります。


このあたりこの子もバカじゃないですね。私も選びたいとそれでも太一を追いかける菫ちゃん。いいねえ、青春だねえ。

続いて第二首「こひすてふ」。

かるた部を出て太一の向かった先がやっぱりかるた会だったことに脱力する菫ちゃん。原田先生に拉致されかかったりしますが、かるたの魅力は今ひとつ判らないみたいです。


久々に千歳登場。遠藤綾という人を配しておきながらもったいない。今回も一言のみです。千早のTシャツ図案にあきれています。そりゃ誰でもあきれるわ、これじゃ。


千早教官の教えよろしく、どんどん減っていく新入生。まあ一週間は仮入部ですから。太一が教えればもっと残ったんでしょう

が。しまいには一人だけになってしまいました。いたんだ男子部員(笑)。泣きながら部室に戻る千早。しかしその後ろから菫ちゃんが。思わず菫ちゃんの手を取る太一。軽くイキかける菫ちゃん。


しかし、新入男子部員の筑波くん、このブログが筑波嶺夜想曲だからかも知れませんが、ちょっと気になりますね。不気味なペコちゃん顔が怖いです。北海道出身で、下の句だけ読んで札を取り合う「下の句かるた」というのをやって来たんだそうです。

Wikipediaによると、下の句かるたは、北海道で遊ばれる独特のかるた遊びで、読み札は一般的な百人一首と同じく歌人の肖像・名・和歌が書かれた紙の札を用いますが、読み上げるのは下の句のみであるためこの名で呼ばれるそうです。取り札はホオノキなどの木製で、独特な書体の変体仮名で下の句が書かれています。筑波くんは、一方の手で相手の取ろうとする手を妨害したり、床を叩いて相手を威嚇するなどしています。

ただ、ここでちょっと思うのですが、こうした行為は競技かるたをやる上では反則となってしまうのでしょうが、競技かるたが正統で「下の句かるた」は異端と決めつけるのはいかがなものかと。小倉百人一首を選んだ藤原定家からすれば、自分が選んだ和歌がまさかこんな競技になるとは夢にも思わなかったのでは。昔はせいぜい「散らし取り」くらいだったことでしょう。「坊主めくり」を考えた人はその発想に頭が下がります。

さて話は戻って今度は菫ちゃん。どんな時にもマスカラは忘れません。百人一首は恋の歌ばかりなのになぜ恋愛を否定するのかという菫ちゃん理論はまさに正論です。しかしうっかり皆の前で太一目当てに入部したことを口走ってしまい、走り去る菫ちゃん。

ここで千早が新入部員に固執する理由が判明します。昨夏の高校選手権団体戦で、千早は体調不良で倒れてしまったのですが、もしもっと部員がいたら…とずっと考えていたんですね。確かに「最初から一敗」のハンデはきついです。

思いっきり膝をぶつけてしまった千早(大丈夫か本当に…)に代わって、かなちゃんが胸を揺らしながら追いかけます。そして説得。かなちゃんも名言来ました。「“恥ずかしい”と泣ける心は美しいと思います。」その言葉も美しい。

戻ってきた菫ちゃん、拒んでいた爪を切ります。彼女もかるたの魅力にはまっていくのでしょうか。
さあ、恒例顔芸小特集。今回は千早だけではありませんよ。でも最初は千早から。

かなでゃんの策略(孔明の罠)が当たって、太一目当てに殺到してきた入部希望者に驚愕する千早。君は男子部員を呼べなかったね……

新入部員を前に、弱いから教育係なのかとからかわれて(先輩に失礼だな)、「エースじゃけん!」なぜに広島弁。「じゃけん」がリフレインしています。朝日ソーラーじゃけん。

どんどん減っていく新入部員に大ショックの千早。なんちゅう顔。しかも2回使われてました。

次に菫ちゃん。太一ゲットを狙って戦術的な会話を組み立てようとします。腹黒感満載。

めずらしくかなちゃんも。新入部員の言動にキレかけています。まるでお局……


顔芸じゃないけど太一イケメン顔集。別に「ウホッ」になった訳ではなく、報われないけど成長し続ける太一は好きです。でも本当は、机くんがテストで学年一位になって、太一がママンにかるた部をやめさせられる状況になればいいなと。従うのか、反抗するのか、太一の動向が興味深いので、机くん頑張ってみてくれ。誰も勉強に文句は言えないし。

最後にOP映像の一コマ。中学生時代の新、千早、太一みたいです。新暗いぞ。中学生の千早が好きなのでカッとなって掲載しました。今も後悔してません。
東京では史上タイという早さで桜の開花宣言が出た昨日。今日はお彼岸入りです。暑さ寒さも彼岸までとはいいますが、本当に今年の春の暖かくなる速度は異常ですね。この分では5月に真夏日とか熱帯夜とかが来そうでちょっと怖いです。
さて声優の日曜日、今日は先週の冬馬由美に続いて90年代ヒロイン第二弾・三石琴乃です。

三石琴乃は1967年12月8日生まれ、東京都出身です。愛称は「琴ちゃん」ないし「琴ちゃわん」だそうですが、ベテラン声優なのでそう呼べる人は限られるでしょうね。出身は東京都ですが、育ちは千葉県で、25歳まで流山市に済んでいたようです。高校を卒業後、声優養成所とOLを掛け持ちしていたそうです。本当は保育士になりたかったそうですが、就職難で資格を取っても働けそうになかったため断念したとか。

声優デビューはバブル真っ盛りの1989年。翌年には会社を退職して声優専業となり、91年に「新世紀GPXサイバーフォーミュラ」でヒロイン(菅生あすか)を務めました。ちなみにこの作品、児童層を対象としたにも関わらず、低視聴率と関連玩具の売り上げ不振に苦しみ、打ち切りになったそうですが、中高生以上の層からは評価され、以後OVAとして10年間に渡って新作シリーズが制作されたそうです。

1992年に放映された「美少女戦士セーラームーン」ではヒロインのセーラームーン・月野うさぎを演じて人気と知名度を急上昇させ、一躍人気声優に躍り出ました。そして1995年の「新世紀エヴァンゲリオン」ではアラサーの葛城ミサト役を演じましたが、これによって、それまでの幼女・少女役に代わって大人の女性を演じることが増えていきました。当時はうさぎとミサトを同時に演じていた訳ですね。

2005年からは声優を一新した「ドラえもん」でのび太のママ(野比玉子)を演じています。この人は38歳なんだそうですが、ご本人も38歳でこの役を演じだしたというのも何かの縁なんでしょうか。

もうこのキャラは画像を載せるまでもないと思いましたが、眼鏡を外すと美人でびっくりしたのでやはり載せます。なんだこの差は(笑)。

声優さんには歌が達者な人が多いですが、三石琴乃は苦手だと公言しており、キーの高い曲ではサビの部分で音程を外しているそうです。彼女を古くより知る者は「彼女に歌わせてはいけない」と言っているとか。ちょっと聞いてみましょうか。

セーラー戦士の「中の人」が歌い踊る「ムーンライト伝説」です。三石さんは中央でうさみみを着けてます。5人で歌っているせいか、さほど目立ちませんが…

http://www.youtube.com/watch?v=AFoya0RynSQ
反面、早口言葉は職人芸の域に達しており、「エクセル・サーガ」での次回予告ではプロの技を見せています。

http://www.youtube.com/watch?v=inEiqWveXkw
ご本人のオフィシャルサイト「琴ちゃわんdeもう一杯!!」。ブログもあります。やたらに声が出てにぎやかです。

http://kotochawan.com/
それでは私の知っている三石琴乃の演じたキャラです。例によって原則古い順です。
セーラームーン・月野うさぎ(「美少女戦士セーラームーン」シリーズ)

文句なく三石琴乃の出世作にして代表作の一つでしょう。シリーズは1992年から1997年まで、5シリーズ全200話に亘っており、平均視聴率11.6%、最高視聴率は16.3%で、当初は1期だけで終了する予定でしたが、社会現象になるほどの大ヒットと、玩具などの販売でも大成功を収めたため、第5期まで制作されることとなりました。

月野うさぎはセーラームーンに変身する主人公で、初期は「お団子頭」と呼ばれていました。港区麻布十番に住んでいるということで、何気にお嬢様ですね。最初は中学2年生でしたが、最終的には高校生になりました。

明るく天真爛漫な性格で、ドジで泣き虫でお調子者でもあり、遅刻と朝寝坊は日常茶飯事で、学校の成績もかなり悪いという「おバカ」キャラですが、反面、心根が優しく、誰とでも仲良くなる広い心を持っているため、友達は多く、「友達づくりの天才」と評されています。

三石琴乃の声と演技はこのキャラにジャストフィットしており、準主人公の1人・水野亜美(セーラーマーキュリー)役として共演した久川綾も、最初のオーディションでは月野うさぎ役を受けたそうですが、三石琴乃の演技を見て「自分には絶対に出来ない」と感嘆したそうです。

第一期の終盤となるラスト3話(44話~46話)は、セーラー戦士が次々と戦死していく凄い展開となりましたが、第二期「セラームーンR」の序盤(1~4話)となる47~50話に至るまで、卵巣嚢腫により入院して仕事を休んでいました。代役は荒木香恵(後にちびうさ役)が務めましたが、当時の社長は「売れっ子になった三石に仕事を取らせ過ぎたことが一因で申し訳ない出来事だった」と語っています。

三石琴乃はエッセイ「月 星 太陽」で、この降板の際のエピソードを赤裸々に綴っており、第一期ラストに出演できなかったことを心残りとしており、のちに「アニメイトカセットコレクション」3巻では三石琴乃版「セーラームーン」最終回を収録しているそうです。

その一方、どこへ行っても「『セーラームーン』のうさぎ役の三石」というイメージが付いてまわり、そのイメージを払拭するのに苦労したそうですが、同様の話はシャア・アズナブルを演じた池田秀一にもあったそうです。現在は無論「セーラームーン」を自分のキャリアを語る上で欠かすことの出来ない作品として受け入れているそうです。
葛城ミサト(「新世紀エヴァンゲリオン」シリーズ)

エヴァンゲリオンはテレビでは2クールで終わりましたが、その後の劇場版などの展開はもはや「シリーズ」とでも呼ぶしかないでしょう。

ミサトは特務機関NERV(ネルフ)戦術作戦部作戦局第一課所属です。階級は一尉で後に三佐に昇進します。役職は前半では作戦部長、物語後半では作戦課長と呼称されていますが、降格?。まあ一尉で部長はないでしょうから課長が適当でしょう。

碇シンジと惣流・アスカ・ラングレーの保護者兼上司で、エヴァンゲリオン(EVA)の戦闘指揮官を務めており、温泉ペンギンという妙なペットを飼っています。

物語開始時29歳で、当時の三石琴乃の年齢(28歳)を超えていました。この際「初めて自分よりも年上の役を演じる」と喜んでいたそうです。15年前、14歳だった彼女は南極でセカンドインパクトに遭遇し、葛城調査隊の中で唯一の生存者となりました。そのトラウマから長く失語症の時期があり、肉体的にも胸部から腹部にかけ傷跡が残っています。

第二東京大学時代にに赤木リツコや加持リョウジと知り合い、加持とは恋人関係になりましたがその後別れました。NERV設立の真の理由を知らず、5年ぶりに帰国した加持の示唆もあって、次第にNERV司令のゲンドウや同僚のリツコの行動に対し疑念を抱くようになります。加持とはヨリを戻しましたが、彼は何者かによって抹殺されてしまいます。加持の遺した最期の電話メッセージに号泣するものの立ち直り、セカンドインパクトや人類補完計画の“真実”に迫ろうとします。

口癖は「ちょっち(ね)」。他人のいる場所では常に明るく振る舞い、よく喋りますが、その裏でセカンドインパクトの体験が性格に深く影を落としています。私生活は、非常にがさつでだらしない面が目立ちます。反面、EVAの戦闘指揮官としては優秀で、一見無茶とも思える作戦を度々提唱しますが、そのほとんどを成功に導いています。セカンドインパクトの経験から、使徒に対して強い憎悪・復讐心を抱いており、シンジ達EVAパイロットに苛酷な作戦を課すこともしばしばでした。

前髪のデザインは月野うさぎから拝借したものだそうですが、三石琴乃が演じることになったのはその縁なのでしょうか。三石琴乃は次回予告も担当していますが、有名なる「サービス、サービスぅ」の台詞は本編で使われたことはありません。

有栖川樹璃(少女革命ウテナ)

宝塚歌劇と前衛舞台劇を折衷したようなアバンギャルドな演出が特徴の異色作であった「少女革命ウテナ」。有栖川樹璃は生徒会メンバーにしてフェンシング部長(代行)でした。

高等部一年で教師達も恐れる不良としての一面も持ち合わせており、親友の高槻枝織に密かな恋心を抱く「百合」属性の人でもありました。

オレンジ色の縦ロールの髪に青い瞳で、武器はフェンシングのエペを使います。主人公の天上ウテナとは二度決闘し、結果的には二度とも敗北しますが、不運が重なったためであり、剣の実力で敗北した事はありません。

ちなみに片思いの相手・高槻枝織は、大人しく繊細に見える外見とは裏腹に、図太く屈折した性格で、幼馴染みである樹璃に対しては劣等感から愛憎入り混じったコンプレックスを持っていました。
陽炎(烈火の炎)

主人公花菱烈火の実の母親で、夫の桜花は火影忍軍六代目頭首です。肉体年齢は22歳で、禁術である時空流離の術を使ったため、不老不死の体となって400年もの時を生き続けててきました。

現代にタイムスリップした烈火と漸く再会しましたが、烈火の力を目覚めさせるために、当初は謎の敵・影法師として彼に挑みかかりました。正体を明かした後は花菱家に住んでいますが、時に優しく、また時に厳しく烈火に接します。

22歳の時に不老不死となったため、身体は非常に若く、またナイスバディです。戦国時代は火影忍軍のくノ一だったため、魔導具に詳しく、当初はサポート役でしたが、後に戦闘に加わるようになります。くノ一としての戦闘能力は高く、ベテラン女忍者としての実力を見せつけます。

終盤、光界玉によって不老不死の呪いは消滅し、普通の人間に戻ることができました。

ゲーム「季節を抱きしめて」のトモコは以前に紹介したのでパスします。最後にどうしても言及したい子供向け番組「なんでもQ」について。

「なんでもQ]は、1995年4月から2004年3月までNHK教育テレビで放送され、「むしむしQ」「あにまるQ」「むしまるQ]「むしまるQゴールド」とタイトルを変えていきましたが、三石琴乃は番組総合司会のうららを演じていました。

うららはたくさんの動物や昆虫たちにクイズを出させる「美少女」で、普段は子供っぽく能天気な性格で慌てた声ですが、たまにナルシストで男勝りな性格の大人びた声になります。子供には意味不明な言葉をよく言っていましたが、これは明らかに一緒に見ている両親向けでしょう。

私が印象に残っているのは、「キリンは英語でジラフよ~ん♡」というセリフ。知らない人には「なんじゃあそりゃあ!」ですが、これはかつて(1980年代)にホテル聚楽のCMでマリリン・モンローのそっくりさんが色っぽく言っていた「聚楽よ~ん♡」のパロディなのです。子供に判るか!(笑)。
オリジナルのCMがYouTubeにあったのでぜひご覧下さい。

http://www.youtube.com/watch?v=NDk9Knv5rPU
この声に似せて「ジラフよ~ん♡」。「なんでもQ」シリーズでは三石琴乃の芸達者振りが光りました。またクイズ出題キャラとして、「チョウ」のエレベーターガール、「ガ」のギャル、「ネズミ」の殿様、「ペンギン」の火消しなんかも演じていました。

最近はメインキャラより脇役が多くなってきた感じがしますが、今後のその芸達者ぶりを遺憾なく発揮して下さい。

春の花も色々と咲きだしてすっかり春が来た感じです。桜が咲けば春たけなわということになるのでしょうが、その前の梅が咲いている頃が一番「春が来たなあ」という印象を持ちます。花はいいんですが、虫も出てくるんですよね。全部が嫌いというわけでもないのですが、いわゆる害虫が出てくるのが嫌です。私は無益な殺生はしませんが、必要とあらばもちろん辞さないタイプなんですが、動物愛護を過激に主張する人達はどうなんでしょうね。可愛いければ可哀想でも可愛くなければ可哀想ではないのでしょうか。あと、不殺生を主張するのなら、体に侵入した病原菌も殺さないよう白血球やリンパ球や抗体に言い聞かせなければならないと思うのですが。目に見えなければ、無意識ならば殺してもいいのでしょうかね。
などと妙な因縁ふっかけはこのくらいにして、ギャルゲーの土曜日、本日は「ヴァルキリープロファイル」です。本作はトライエースが開発、エニックスが1999年12月に発売したプレイステーション用のロールプレイングゲームです。2006年3月にはPSP版が発売されています。

本作を知っている人からは「ヴァルキリープロファイル(略称VP)はギャルゲーじゃない!!」というツッコミが多数来そうですが、Wikipediaのギャルゲーを調べてみると、「ギャルゲーという区分」という項目で「ギャルゲーと非ギャルゲーの差を明確に区別するのは、他の俗称ジャンルであるクソゲーなどと同様難しく、各プレイヤーの主観に拠る所が大だが、大まかな目安としてゲーム中に登場する女性キャラクターの有無によってゲームの内容・意味がある程度変化する事があげられる」と説明されています。

VPにあっては、
① 主人公であるヴァルキリー・レナスが女性(というか女神ですが)であること
② 女性キャラが多数登場すること
③ 恋愛要素があること
をもって、私の主観でギャルゲーと認めます。異論は当然認めますが、このブログにあっては私の意志はほぼ神意に等しいものですので(笑)。

ヴァルキリーが主人公ということで当然北欧神話をモチーフとしており、オーディンなど他の北欧神話の神々も登場しますが、多くは脇役で、あくまでヴァルキリーの冒険が主軸となっています。
ヴァン神族と永きに亘って戦うアース神族の王オーディンは、“神々の黄昏”が近いことを聞かされます。これが最終戦争を指していると判断したオーディンは、この戦いに備えて戦力となる英雄達の魂(「エインフェリア」と呼ばれています)を求め、人間界ミッドガルドへ赴くよう、ヴァルキリーの一人であるレナス・ヴァルキュリアに命を下します。

レナスはオーディンの命令に従い、死に瀕した英雄たちの元に現れては彼らの死に様を見届け、その魂を集めていきます。レナスの任務は、霊的存在となった英雄達を鍛えて、相応しい能力を身につけさせて天界に送り届けることです。上司の女神フレイにノルマが課されていたりして、まるで営業マンみたいです。
一方、天界ではある企みが進行しており、またレナスも次第に自分自身の素性に疑念を抱くようになっていきます。レナスは神の意思に背いて真実恵を追求するのか、それとも己の任務に従ってヴァン神族との最終決戦に身を投じるか。結末はマルチエンディングになっています。

レナスは人間界ミッドガルドの上空を飛び回り、主として死に瀕している者の魂の声を感じ、イベントを起こすことでエインフェリアを仲間に加わえていきます。またダンジョンを発見した場合、そこにいる邪悪な存在を討伐することになります。
仲間に加えたエインフェリアをダンジョンで鍛え、要望に従って神界へ送ることがゲームの基本となりますが、誰を送るか、或いは誰も送らないかは自由に選択できます(送られることを拒否する奴もいたりして)。ただし英雄を神界に送ることはレナスの基本的な任務なので、これを怠っていると評価値が下がっていき、評価値がゼロになると上司である女神フレイに粛正されてしまいます。

ゲームは「チャプター」と呼ばれる単位で区切られており、チャプター8まで存在します。各チャプターは「ピリオド」という単位時間で区切られており、都市やダンジョンに入ったときに決まった単位を消費していきます。ピリオドをすべて消費する、1つのチャプターが終了し、チャプター終了ごとに「神界フェイズ」が始まり、神界での戦況や、神界に送ったエインフェリアたちの活躍ぶりなどが報告され、レナスの働きに対する評価が行われます。全てのチャプターが終了すると、最終決戦である「ラグナロク」が始まります。
エンディングは先に述べた粛正というバッドエンドを除くと2つあり、Aエンディングがいわゆるベストエンディングとなります。特定の条件やイベントをこなしてフラグを立てることでルートが開かれ、レナスや主要人物の過去の秘密が明かされるほか、続編(「ヴァルキリープロファイル2 シルメリア」)への布石なども描かれます。難易度イージーでは到達することができません。タイトルに描かれている“Should Deny The Divine Destiny of The Destinies(神意に反目せよ)”がヒントです。

Bエンディングはノーマルエンドで、評価値を0にしないようにプレイすれば自然にこのエンディングになります。神界フェイズで描かれてきたヴァン神族との戦争の最終決戦と、その結末が描かれます。このエンディングでは、未解消の伏線や、なにか引っかかる演出などがほぼ解決されないままとなります。取扱説明書やゲーム中の説明に従ってゲームを進めるとほぼ間違いなくBエンディングに到達することになります。
ダンジョンはサイドビュー形式の2DCGで表示され、レナスを操作して左右への移動やジャンプ、しゃがみ、スライディングといったアクションのほか、物を持ち上げて動かす、剣を振って物を壊す、晶石と呼ばれる氷塊を打ち出す、といったアクションを行います。反射神経のみならず、晶石で作った氷柱に飛び乗ったり、剣で砕いて破片にして積み上げ、更に高い足場を築いたりと、頭を使うことも必要になります。ダンジョン内のモンスターはシンボルで表示され、接触すると戦闘画面に切り替わっての戦闘となります。各ダンジョンにはボスキャラがおり、倒すと「アーティファクト」と呼ばれる特殊アイテムを手に入れることができます。これらを神界に送ると評価値にプラスが付きます。

レナスがパーティーを組んだエインフェリア達は、ダンジョンでの戦闘でレベルアップすることで、戦闘スキルや技能スキルを身につけ、さらに性格改善を行います。長所を伸ばし、欠点を克服することで「勇者適正値」というポイントが上昇し、これが一定値以上になって初めて神界転送が可能になります。優秀なエインフェリアは神界でも活躍し、その様子は神界フェイズでの描写に反映されます。また転送時点でのエインフェリアの装備品も、神界での活躍に影響を与えます。

このゲームではレナス及びエインフェリア達は決め技や大魔法を持っていますが、使用の際のかけ声や詠唱が極めて中二病的でシビレます。YouTubeで見られますのでよろしければどうぞ。
ヴァルキリープロファイル 決め技集 前半

http://www.youtube.com/watch?v=64Zsk8MAkik
ヴァルキリープロファイル 決め技集 後半

http://www.youtube.com/watch?v=5BFSzzxyqmQ
それではキャラ紹介。まずは主人公です。
レナス・ヴァルキュリア(CV冬馬由美)

運命の三女神であるヴァルキリー三姉妹の次女で、人間換算で23歳になります。長い銀色の髪を持ち、蒼穹の鎧をまとっています。三姉妹の中では最も神格が高く、第六級神相当です。使用武器は剣または弓ですが、私はもっぱら剣を使わせませた。 運命の三女神は神族でも特殊な存在で、普段は人間として暮らしていますが、時機が来るとオーディンに選ばれた1人が人間から転生して神族になり、任務を終えると再び転生して人間の生活へと戻るようになっています。これは互いに接点のない神と人間の橋渡しをするために必要な資質であり、それゆえに三女神は強さと優しさの二面性を兼ね備え、同時に危うい精神構造も持つことになります。

現在のレナスはラグナロクに関わる選定を確実に遂行させるために人間としての記憶を封じられていますが、レナス本人はこのことを知りません。そのため基本的には冷淡に振る舞いますが、Aエンディングルートでは過去の記憶を取り戻し、感情を露にする場面も描かれます。三姉妹では姉のアーリィが神にもっとも近い性格で、妹のシルメリアが人間にもっとも近い性格で、レナスはその中間とされています。

決め技は連続で剣による斬撃もしくは弓による射撃を叩き込んだ後、3本の槍で串刺しにする「ニーベルン・ヴァレスティ」で、装備している武器でモーションとヒット数が変化します。冬馬由美のクールで凜々しい声での「その身に刻め!神技!ニーベルン・ヴァレスティ!」はまさに死ぬほど聴くことになります。
プラチナ(CV冬馬由美)

物語のプロローグに登場する少女でルシオの幼馴染です。貧しい寒村のコリアンドル村で、実の両親から虐げられて育ちます。身売りされそうになってルシオと逃げますが、鈴蘭の草原で死亡します(この世界の鈴蘭は香りにも毒があるそうです)。プラチナという名前は、「髪が珍しい白銀色をしていたから」という理由で付けられました。ルシオは同じ髪の色を持つレナスにプラチナの面影を重ね、レナスの正体を知ろうとしますが…。まあ声優が一緒である理由を考えれば答えは自ずと。
運命の三女神達。
アーリィ(CV井上喜久子)

運命の三女神の長女で、長い黒髪を持ち、漆黒の鎧をまとう戦乙女です。人間観算で25歳になります。いや、17歳だろうと思うのですが(笑)。続編ではCVが田中敦子に変わっています。草薙素子じゃ仕方ないですね。三女神の中で最も神に近い性格で、かつてアリューゼやメルティーナ(の前世)を従えていました。オーディンに絶対の忠誠を誓い、オーディンの命令を忠実に実行します。エインフェリア達には神への従属を強要し、逆らうものは容赦なく処刑していきます。
レナスと同じ決め技「ニーベルン・ヴァレスティ」を使用することができ、本作ではレナスが過去のディパンを訪れた際に登場するほか、Aエンディングルートで敵として登場します。
シルメリア(本編では未登場。続編でのCVは川澄綾子)

運命の三女神の三女で、金色の髪を持ち、浅葱色の鎧をまとう戦乙女です。人間換算で21歳になります。三女神の中では一番人間に近い考え方をします。過去に不死者王ブラムスと何らかの関わりがあり、現在その魂は水晶に封印され、ブラムスの手元に置かれています。人質をとるような手段を好まないブラムスがシルメリアの魂を所有している理由については本作では明かされず、続編の「ヴァルキリープロファイル2 シルメリア」で若干語られるのだそうですが、未プレイです。
続いて神々。とりあえず主立った連中のみ。
オーディン(CV池田秀一)

言わずと知れたアース神族の最高神で第一級神す。なんと声はシャア!戦士としても優れた力量を持ちますが、力よりも策略を用いることを好むところはシャアらしいですね。この世界においては、神は存在自体が完全体であり、生まれたときから成長することがありません。一方人間は非常に不安定な存在ですが、成長し自らを変えていく力を持っています。人間と神の器であるエルフの間に生まれたハーフエルフだったオーディンは、当初は神々の中でもかなり下位に位置する弱い神でしたが、人間の「成長する力」によって最終的に全ての神々を凌駕し、四宝の1つであるグングニルを所有するに至りました。人間の血を半分引いているにも関わらず、人間に対しては冷淡で使い捨ての道具としてしか見ていません。また、ミッドガルドに混乱を招き、レナスが死者の魂を集めやすくする(そして自分が力を得る)ために、四宝の1つでありミッドガルドに安定をもたらす「ドラゴンオーブ」を人間界から持ち去っています。
フレイ(CV川村万梨阿…旦那に早くFSSの13巻を出すよう言って聞かせて貰えませんか?)

アース神族の第二級神で豊穣の女神で、人間に換算すると26歳です。神界の動向やオーディンの意思をレナスに伝える役割を担っていて、レナスの上司に当たります。オーディンに絶対の忠誠を誓い、深く愛していますが、神ゆえの傲慢さで人間には極めて無慈悲で、エインフェリアを戦争の道具程度にしか思っていません。本編の最序盤と、隠しダンジョンにて仲間になります。決め技は巨大な光球を相手にぶつける「エーテルストライク」です。「浄化してあげるわ!神技!エーテルストライク!!」 バッドエンドでレナスを粛正に来るのも彼女で、その強さは桁外れで本編最強とも。なお、フレイは北欧神話では男神ですが、本作では美しい女神となっています。
フレイア(CV荒木香恵)

フレイの妹で幼く無邪気な性格です。その身にはフレイを遥かに凌駕する破壊の力を秘めているとされますが、普段はオーディンの手でその力を封印されています。持ち前の性格からエインフェリアたちには好意的に接していますが、彼女自身も人間達、ひいてはミッドガルドに対しては「どうでもいい」という程度の感情しか持ち合わせていません。
最後に人間キャラ達。レナスが収集する勇者達であるエインフェリア達が中心となります。大勢いるので「ギャルゲー」と強弁する手前、女性キャラ中心に紹介しますが、最低限必要なまずは最低限説明しなければならない野郎から。ヴァルキリーは死者の魂を集める存在であるため、全員死んでから仲間になります。死に至る経緯は様々ですが、共通して不幸かつ悲惨な末路を辿っています。
アリューゼ(CV東地宏樹)

生前は腕利きの傭兵でした。身の丈ほどの大剣を愛用しており、恵まれた体躯と天賦の才を持っています。弛まぬ研鑽によって鍛え上げた技量により凄まじい実力を持ち、相対するものに死神と恐れられるほどの実力者です。ヴァルキリー三姉妹との縁が深く、前世ではアーリィに仕えていました。本作では奸臣に陥れられ、面識のあったジェラード王女の死に関わることになり、ヴァルキリーの協力を得て奸臣を倒した後に自決してエインフェリアとなります。彼とメルティーナ、ガノッサの3人は最後まで神界に転送することができません。Aエンディングルートではメルティーナと共にレナスの危機を支える役割を担います。決め技は爆炎を纏いながら連続で斬りつける「ファイナリティブラスト」。「テメェの顔も見飽きたぜ!奥義!ファイナリティブラスト!!」
レザード・ヴァレス(CV子安武人)

目的のためには手段を選ばない、残虐なエゴイストです。賢者の石を持ち、錬金術師と死霊術士(ネクロマンサー)という二足の草鞋を履きこなします。強大な魔力を持ち、神々の力を得るために禁断の魔術に手を染める狂気の魔術師です。かつてフレンスブルグの学院に在籍していた際にはメルティーナと級友で、ロレンタを師に持っていました。

レナスに偏執的な愛情を抱いており、「人間としてのレナス」にこだわっています。そのためエルフを使って彼女に瓜二つのホムンクルスを大量に作りだし、研究に使っています。好き嫌いが両極端に分かれる強烈な悪人キャラクターで、もちろんエインフェリアではありませんが、Aエンディングルートのイベントでの1シーンではレナスの危機に際して一時的に仲間になり、エインフェリアたちと共闘する場面があるほか、エンディング後の隠しダンジョンで仲間にすることができます。
ルシオ(CV佐々木望)

貧民街に住むスリグループの一員で、仲間の一人が貴族の財布に手を出したことをきっかけに、貧民街が焼き討ちに遭い、その際に仲間を守るために命を落としエインフェリアとなりました。かつて幼馴染にレナスと同じ銀髪のプラチナという少女がいましたが、プラチナは早くに死亡してしまったものの、エインフェリアとしてレナスと出逢った際、レナスにその面影を重ねます。実際にレナスの過去とは深い関わりがあり、Aエンディングの成立条件に関わるキーパーソンの一人でもあります。Aエンディングルートではヴァルキリーとプラチナは同一人物であるという考えに至り、イヤリングをヴァルキリーに送ろうとするも拒絶され、その状況を野心のために利用したロキによって消滅させられます。決め技は電撃を宿らせた剣で上下左右から斬りつける「ラウンドリップセイバー」。「ヴァルキリー、今一度俺に力を!奥義!ラウンドリップセイバー!!」
ジェラード(CV荒木香恵)

生前はアルトリア国王の一人娘で唯一の王位継承者でしたが、策略により命を落としてエインフェリアとなりました。今作ではレナスが最初に選定したエインフェリアにして最年少(14歳)の仲間です。世間知らずで激しい気性ですが、根は優しく気丈です。

「〜じゃ」が口癖で、基本的に全魔法使い共通の台詞となっている大魔法の詠唱も、ジェラードの台詞のみこの口調になっています。例えば「汝は知るじゃろう、幾何なりし封縛、いかなる訃音(ふいん)を告げるものか デルタストライク!!」「我久遠の絆、断たんと欲すれば、言葉(ことのは)は降魔(ごうま)の剣と化し汝を討つじゃろう ファイナルチェリオ!!」など。
ジェイル(CV高乃麗)

本名はレティシアで、女性であることを隠し騎士団に入団していた男装の麗人です。元は普通の少女でしたが、クレルモンフェラン軍の参謀であるマグナスによって家族を殺され、その仇を討つために男装してクレルモンフェランの騎士となりました。自らの素性を知った騎士団長のファーンと惹かれあいますが、志半ばでJ.D.ウォルス(ヴァルキリーと何度も戦っているネクロマンサー)に破れエインフェリアとなりました。 決め技は怒涛の連続突きの後、渾身の突きを見舞う「エターナルレイド」。「これが我が師直伝の技!奥義!エターナルレイド!!」
ロレンタ(CV幸田直子)

フレンスブルグ魔術学院の学院長で、魔術師としても教師としても優秀でしたが、目をかけた優秀な教え子(レザード・ヴァレスとメルティーナ)からは疎まれていました。不運にもレザードの策略に利用される事になり、グールパウダーで凶暴化した夫の手で殺される形で命を落としてエインフェリアとなりました。
メルティーナ(CV山崎和佳奈)

ロレンタの教え子で、学園をトップで卒業した天才魔術師でした。学園を追放されたレザード・ヴァレスとは同期の級友で、レザードが危険を感じるほどの実力を持っていました。レザードのアジトである塔から、解剖用として勝手に実験用ホムンクルスを盗み出した際にレザードに目をつけられ、幽体離脱装置を使用中にレザードに冷凍呪文で装置ごと氷付けにされる形で死亡し、エインフェリアとなりました。生前の彼女は神界へ行き知識を得ることを望んでいましたが、アリューゼやガノッサと同様、最後まで神界に転送することはできません。
エイミ(CV折笠愛)

竜人種族の冒険者で、体内に竜紅玉を持っており、巨大なドラゴンに変化する力を持っています。ドラゴン変化しすぎると次第に自意識が侵食されていくという副作用がありますが、本人はそれに気づいていません。彼女の竜紅玉を狙っていたガノッサに捕らえられて非業の最期を遂げ、死後エインフェリアとなります。決め技はドラゴンに変化して光線を放つ「ドラゴンドレッド」。「身体が熱い、力が目覚める!奥義!ドラゴンドレッド!!」
リセリア(CV井上喜久子)

ヴァン神族の始祖ユーミルの血を継ぐといわれる女性魔術師です。生前から魔術師として力量が優れているだけではなく、未来を予知する能力も持っていました。自身のあまりに強大な力に恐怖と絶望を抱き、自ら命を絶ってしまい、死後も自分の肉体と魂が悪用されることをおそれ、自らその遺体を遺跡最深部の魔晶石の中に封じていました。
那々美(CV柳瀬なつみ)

海藍(ファイラン)の昴后神社の養女でしたが、神社の跡取りとして力を受け継ぐ儀式を行うも失敗し、それを自分が血の繋がりを持たない養子であるがゆえと考え、再度儀式に挑戦した際、養父母の亡き実娘である美那代の霊に身体を譲り渡し、死後エインフェリアとなりました。
夢瑠(CV江森浩子)

倭国近辺に生息する人魚と人間のハーフで、明るく元気な台詞が特徴的です。母親の人魚は人間に関わった者として迫害の中で死んでしまい、拠り所を失って父親を探しに地上に出てきましたが、倭国の将軍だった父親も既に死んでいたと知ります。 人間の姿と人魚の姿を自由に使い分けることができ、戦闘中では魔法を使うときのみ人魚の姿になります。
詩帆(CV白鳥由里)

盲目の歌姫で、視力と引き換えに他者を魅了する歌声を持ち、生まれたときから歌姫となることを宿命付けられていました。歌により兵士が狂戦士化し凄まじい戦闘力を発揮するため無敵を誇っていましたが、その反面被害も大きく、戦が終わると狂戦士化して死んだ兵士の家族に罵倒される毎日を送っていました。戦いに敗れ死後エインフェリアとなりました。
イセリア・クイーン(CV高乃麗)

隠しダンジョンであるセラフィックゲートの最終ボスです。スターオーシャンなどのトライエースの作品ではお馴染みのボスキャラクターだそうです。

ほら、これだけいればもうギャルゲーでいいでしょう?ちなみにVPシリーズは「ヴァルキリープロファイル2 シルメリア」「ヴァルキリープロファイル 咎を背負う者」が出ていますが、評判は本作には及ばないようです。

なお、エロゲーには捕らえたヴァルキリーを調教するという「戦乙女ヴァルキリー」シリーズというものがあるそうですが、本作とは直接関係ありません。ちょっと興味はあるんですが(笑)。
昨日は帰りが遅くなって、慌ててブログをアップしたのですが、間一髪間に合わず、今日の0:00に更新となってしまいました。カレンダーに空白ができて残念ですが、皆勤賞を続けていても何か貰えるというわけでもないので、気楽に行くことにします。
ということで、今日は2本目みたいになりますが、金曜日なので絶賛不人気連載のコミック版「ほしのこえ」精読会を続けていきましょう。今日はChapter.5ですね。
扉絵はトレーサーを背景に仲良く座っているミカコとヒサちゃん。制服スワッピングは終わったみたいで、自分のを着ています。
毎日触っていた携帯を置いて登校するノボル。前回末尾で「覚えていてやろうなんて……そんな……浅はかなことを本気で考えていたんだ……」と言っていましたが、それにしても変わり身の早っ!次のページでいきなりこれですか。まあ掲載誌のアフタヌーンは月刊誌みたいなので、一ヶ月のタイムラグがあるってことなんでしょうけど。「途絶えがちな長峰のメール……気にかけて日々過ごす自分をその頃オレは少しでも忘れていたかった」んだそうです。

一方宇宙のミカコ。冥王星近傍に来ています。ヒサちゃんと一緒に窓から外を見ていたり。「のんきだね」と先輩パイロットに絡まれてしまいます。前回ミーティングをブッチしたことにも言及され、さあ小一時間問い詰められるのかとビビる2人、しかしそこに救いの神、ミワさん颯爽と登場。絡んできた先輩を一蹴で論破です。ミワさんも変わり者で知られているみたいですが、多分文句を言わせない実力の持ち主なのでしょう。そして3人はトレーサーのコクピットで待機任務に就きます。
例によってコクピットでノボルにメールをするミカコ。カイパーベルト天体が密集しているのですごく賑やかなんだそうです。

ここでまたもやお勉強の時間です。カイパーベルト天体があるエッジワース・カイパーベルトは、太陽系の海王星軌道より外側の黄道面付近にある、天体が密集した、穴の空いた円盤状の領域です。太陽系外縁天体のうち、エッジワース・カイパーベルトに位置する物をエッジワース・カイパーベルト天体、あるいはカイパーベルト天体といい、短周期彗星が含まれており、おそらくその外側は前回出てきたオールトの雲に続いているのだと考えられています。

カイパーベルト天体は主に水の氷からなる小天体で、便宜上、小惑星として扱われます。カイパーベルト天体が、海王星の重力により太陽系内部に散乱されると、ケンタウルス族(木星と海王星の間の軌道を公転する、氷で覆われた小惑星)や短周期彗星(公転周期が200年未満の周期彗星)になり、外側に散乱させられると散乱円盤天体になります。散乱円盤天体が遠日点付近で何らかの原因で軌道を乱されると、近日点距離が伸びて、オールトの雲の天体になると推測されています。軌道を乱す要因としては、カイパーベルトのすぐ外側を公転しているかもしれない惑星X、近傍恒星、散乱円盤領域に進入してきた放浪惑星などが考えられています。

このあたりは現在の科学技術ではあまりにも遠方なので、仮説の域を出ないものも多いですが、NASAの探査機ニュー・ホライズンズが、2015年7月14日に冥王星とカロンをフライバイし、2020年頃、別のエッジワース・カイパーベルト天体をフライバイし観測する予定になっており、ミッションが成功すればいろいろと新たな発見があるかも知れません。

ここで掲載したカイパーベルト天体は、かなりオーバーに描いた想像図で、実際にはこんなに高密度で天体が存在しているわけではありません。まずは概念的に理解してもらう為にビジュアルを優先しているのだそうです。確かに真っ暗な中に岩一つでカイパーベルトだと言われてもピンと来ませんからね。
ミカコはずいぶん遠くまで来てしまったと思うのに、リシテアはさらに遠くに行こうとしている裸子です。憂い顔のミカコ。そこに警報が。直線軌道上にタルシアンが出現。待機中のトレーサーがスクランブル発進します。当然ミカコも出撃です。

タルシアンは映像版とほぼ同じ姿形をしています。ミカコのトレーサーの零距離に接近して、触手のようなものを広げて取り込もうとするかの体勢。ミカコと向き合う本体からの目が生じて見つめてきます。恐怖を感じたミカコは腕のガトリング砲を発射し、タルシアンを撃破します。

さらに前方に約2万のタルシアンの群体を発見した艦隊は、1光年の短距離ワープにより空域を離脱することにします。「ノボルくんと1年もずれちゃう!」戦場なのに思わずメールを送ろうとするミカコですが、携帯に手が届く前に新手のタルシアンが攻撃してきます。メール送信ができない腹いせでライフルを乱射して撃破するミカコ。帰還命令が出ています。リシテアのワープ寸前、ミカコは何とか帰還します。

「このままずっと…何も見つからないで……みんなで地球に帰れたら……それが一番いいなって……ずっと思っていたんだ……」ミカコがノボルに送りたかった気持ちは叶わず。コクピットで顔を覆って泣くミカコ。
一方地球のノボル。部活をサボって帰宅しました。驚く母親に「辞めようかと思って…」とぼそっと言って部屋に籠もります。メールを確認しますが、当然のように来ていません。「長峰は……きっともう新しい生活を受け入れている……オレも変わらなければ……」と決意するノボル。やはり時間と距離は二人の気持ちをすれ違わせてしまうのでしょうか?
地球艦隊はワープアウト。周辺にタルシンアン反応はなく、ようやくトレーサーの損傷確認作業が開始されます。疲れてはいますが怪我もなく戻ったミカコはヒサちゃんの姿を探しますが、ヒサちゃんの乗る6号機のデッキは空です。階段で一人、戻らぬヒサちゃんを待つミカコ。泣きながらノボルの名前を呼んでいます。

しかし、末尾は「そしてオレは長峰からのメールを待つのを止めた」というノボルの決意。どこまでもすれ違っていくのか、二人の想いは……
今日は朝から雨で、止んだら冬のような寒さ。ホワイトデーだというのに季節を逆行かよという日でした。まあこういう日を何度もくぐり抜けて春っている季節は訪れるのでしょうけど。
いろいろありますが今日の記事行ってみましょう。本日は東野圭吾の「怪笑小説」です。

東野圭吾というとミステリーという印象が強いのですが、この短編集は筒井康隆か清水義範かという風情の「非ミステリー」の作品ばかりが9編が収録されています。
例によって文庫裏表紙の内容紹介です。
年金暮らしの老女が芸能人の“おっかけ”にハマり、乏しい財産を使い果たしていく「おつかけバアさん」、“タヌキには超能力がある、UFOの正体は文福茶釜である”という説に命を賭ける男の「超たぬき理論」、周りの人間たちが人間以外の動物に見えてしまう中学生の悲劇「動物家族」…etc.ちょっとブラックで、怖くて、なんともおかしい人間たち!多彩な味つけの傑作短篇集。
ただ全部がユーモア小説かといういとそういう訳ではなく、パロディないしパスティーシュではあっても笑えない作品も入っています。本作が特徴的なのは、巻末に解説があるのは当然として、作者自身のあとがきがかなりの分量入っていることで、各作品について執筆の動機や契機となった体験談を綴っています。

鬱積電車:満員電車においてそれぞれが他の乗客に鬱憤を抱えています。そんな中、新開発の「自白ガス」を持って乗り込んだ研究員が、降りた後にボンベのバルブが緩んでガスが流出していたことに気付きますが…という話。その後どうなったのかは描かれていませんが、それ以前の各乗客の心の中の鬱憤が詳細に描かれているので、修羅場は必至でしょう。ただし、矛先が向き合っていない場合が大半(例えばAはBに怒っているが、BはCに不満を持っているといった感じで)なので、皆が自分の言いたいことを怒鳴り散らしているだけで、論争や喧嘩にはならないかも知れませんね。
おっかけバアさん:杉平健太郎という杉良太郎と松平健が合体したような“オバサマのアイドル”にはまってしまったバアさんの話。なけなしの金をつぎ込んでおしゃれをし、アクセサリーも毎回替えねばと、お金がないので一つのアクセサリーをイヤリングだ、ペンダントだ、ブローチだと地金を使い回したりして。とうとう栄養失調で倒れたところで“健サマ”の車にひかれてしまいます。アイドルにはまるっていうことには老若男女に差はないってことでしょうか。コンサートって怖いなあ(笑)。
一徹おやじ:待望の息子が生まれ完全に「星一徹」と化してしまったおやじの話。これは文句なく面白いですが、ドラフト候補にまでなった息子はおやじの意向通りに生きてましたが、最後の最後に自分の意志を示します。息子・勇馬(この名前も…)が生まれるまで代役をさせられていた娘の視点から描かれた作品ですが、失踪した勇馬の書き置きを見せる瞬間を想像して、ぞくぞくするという気持ち、よく分かります。
逆転同窓会:同窓会というのはクラスメイトが集まって、当時の担任を呼んだりするものですが、これはある時期の学年を担当した教師達が引退後に集まっているという話。その期の学生だけ優秀な人材が揃っていて強い印象を与えたと言うことですが、当時の学生を呼んでみようと言うことになったことで引退教師達の思惑とはずいぶんとずれていってしまいます。東野圭吾は教師が嫌いだということで、教師達を揶揄する話になっています。私は東野圭吾ほど教師運がなかったわけではないので教師アレルギーはないですが、体育教師だけは「ヤナヤロー」が多かったなとは思います。ただあの連中方々って、他の教師とはそもそもの立ち位置がちょっと違うような気がしますね。
超たぬき理論:UFO は「超能力たぬき」が化けた文福茶釜だという奇想天外な考えに取り憑かれた空山一平が、「宇宙人の乗り物説」を唱える大矢真(ヤオイさん的な雰囲気があります)とテレビで議論するという話。「たぬき理論」は抱腹絶倒ですが、返す刀でオカルトを叩き切っているのが痛快です。私も幼少期からオカルトは大好きでずいぶんとはまったんですが、その結果極めてスケプティックになりました。その理由は、オカルティストの主張の胡散臭さに嫌でも気付くからなんですね。グラハム・ハンコックなんてデニケンのパクリじゃないか!東野圭吾もあとがきで言っていますが、誰もが納得する科学的データを一度として出してこないんですよ、あの人達は。
無人島大相撲中継:豪華客船で火災が発生して乗員乗客は無人島に避難します。命の危険はありませんが、救助がなかなか来ないので暇をもてあました人々は、乗り合わせた大相撲マニアは昔の取り組みを全て覚えているので、彼に大昔の取り組みを実況してもらうことになります。その内に取り組みに賭けるようになって賭博が横行するのですが、賭けるのはビスケットだったり(笑)。八百長を持ちかける主人公に大相撲マニアは…というお話。筒井康隆風のドタバタ感が強い作品です。
しかばね台分譲住宅:値下げ傾向を憂慮する分譲住宅地に変死体が。これ以上のイメージダウンは御免だという住民達は、値上げ傾向のあるライバル(?)住宅地に死体を持って行きますが、向こうは向こうで死体をこちらに置いていったりして。後に何十年も続く伝統のスポーツ行事になってしまうところが大笑いです。これも筒井風ですね。
あるジーサンに線香を:判る人はタイトルだけでピンと来るでしょうが、まさしく「アルジャーノンに花束を」のパロディです。「アルジャーノンに花束を」は短編と、それをベースにした長編があって、私は長編しか読んでいないのですが、人によっては短編の方がいいと言いますね。本作も短編なので短編アルジャーノンをベースにしたのでしょう。パロディですが、やっぱりアルジャーノン的切なさがありますね。笑うと言うより面白い作品です。「アルジャーノンに花束を」は名作なのでこちらもぜひ読んで頂きたいです。
動物家族:他人が動物に見えてしまう中学生の話。自分自身は爬虫類とも両生類ともつかない妙な動物に見えていますが、家族に冷遇され、不良に絡まれ、友達もいない彼が、最後の最後に鬱憤を爆発させますが、その姿は……。これもブラックですが、笑う話ではありません。姉を含めた女子学生が皆猫に見える彼ですが、祖母はキツネ、母はスピッツ、父の愛人らしい女性は蛇に見えるところが興味深いですね。

そういえば韓国語に訳されたものもあるのですが、この表紙は「動物家族」でしょうね。
「笑小説」はシリーズ化しており、他に「黒笑小説」「毒笑小説」「歪笑小説」があります。セットで図書館に置いて欲しいものです。

今日は風が強いですね。3月の風が美しい5月の花をもたらすと言っても、たぶんそれは北風。今日みたいな暖かい南風では、いくら強くても軟弱な花になってしまいそうです。風とほこりと花粉で目が死にますね。電車まで遅れたりして散々でした。
さて、それでは元気付けにノリのいい曲を紹介しましょう。ZAQの「Alteration」です。「Alteration」はZAQの2枚目のシングルで、本年1月23日に発売されました。前作の「Sparkling Daydream」から3ヶ月ぶりのリリースですね。テレビアニメ「ささみさん@がんばらない」のに起用されています。初回限定盤にはPVを収めたDVDが同梱されているそうです。

「中二病でも恋がしたい」のOPである「Sparkling Daydream」のオリコン最高位が8位だったのに対し、「Alteration」の最高位は25位。売れ行きでは「中二病」に一歩譲っているぞ、ささみさん。やはりがんばらないせいなのでしょうか(笑)。
しかし、高音の伸びと冴えはさすがです。この人の高音程の声を聴くと元気になるような気がします。前作同様作詞作曲編曲も手掛けているので、印税はがっぽがっぽですね。カラオケで収入が得られるのは歌手ではなく作詞作曲編曲者らしいので、カラオケで歌って少しでも儲けさせたいところですが、こんな高音ちょっと出ないです。

「ささみさん@がんばらない」は日本神話をベースにしたストーリー展開なのですが、歌詞も作品の内容に基づいたものとなっているようです。
神様の指先で
出来上がる わたしの季節たち
星空よりも遥かに永い
眠りを揺さぶる歌
この出だしがサビとなっています。しかも前奏もろくになくほとんど最初から全力疾走という感じです。
神様のイタズラで
描かれた わたしの未来地図
幾千の音色が響くから
追いかけてくる明日も壊す
星空の下で寄り添う絆
ぬくもりが見えたよ
傷つけて作り出す絆
護りたいのはそんな絆
この部分でテレビOPは終了します。実は2番の歌詞を歌っていたとか、1番と2番の歌詞が混ざっていたとか、そういうケレンはいっさないようです。ここで言っている「神様」は当然日本神話の神なので、いわゆる八百万、オールマイティーではなく様々な個性と能力を持った「神様達」というのがより正解に近いでしょう。
それにしてもZAQ、前にも言及した気がしますが、これほどの才能と声を持っているのにオーディションに手当り次第応募するも全て失敗していたそうです。はたして才能というのは何を切っ掛けに開花するものなのでしょう。きっと世の中には光輝くものを秘めながら、世に認められずにいる才能がたくさん眠っているのでしょうね。自分自身でも気付かない才能、それが目覚めれば人生が変わるのかもしれません。
もっとも、例えば私に史上最高のペタンクの才能があったとしても、あまりやる気にはなりませんし、アフリカとかに競技かるたをやらせたら右に出る者がいないほどの才能の持ち主がいたとしても、多分一生かるたどころから日本語とも縁なく過ごすことでしょう。
つくずくTPOって大事ですよね。世の才能達がTPOに恵まれんことを。それでは歌謡を映像とともにご覧下さい。
ショートバージョンのPVです。

http://www.youtube.com/watch?v=3C2HUIAAPdM
フルバージョンのPV。YouTubeでなくてDailymotionですが。

http://www.dailymotion.com/video/xx8xhs_zaq-alteration-full-ver-480p_music
静止画ですが、高音質でフルです。ニコニコビューワーですが、原盤使用許諾を受けているらしいので、消えないでしょう。

http://nicoviewer.net/sm19894616
ZAQは今後非常に有力なアニソン歌手となることでしょう。
今日も暖かでした。これくらいの気温の夜は気持ちがいいですね。夜桜なんかを見てそぞろ歩きたい気分でした。今年の冬は寒かったから桜の開花も遅いかと思っていましたが、案外早まるかもしれませんね。
さて、話は変わって本日の記事です。今日は矢貫隆の「自殺-生き残りの証言」です。今回は画像が特にないので文字ばかりで恐縮です。こういう本を読んだからと言って自殺を考えているとかいう訳ではありませんので念のため。
文庫裏表紙の内容紹介は次のとおりです。
「こんなに切ったのに何で死ねないんですか…」「お腹を刺した時点で狂っていた私は死んだんです」自殺を図って死ねなかった未遂者たちに、運びこまれた救命救急医療センターで取材した異色のルポルタージュ。なぜ人は自殺を企てるのか、本当に死ぬつもりだったのか。自殺未遂者の肉声を基にその心理を解きあかす。
著者の矢貫隆は、1951年生まれのノンフィクション作家で、1977年に龍谷大学を卒業後、長距離トラックやタクシーの運転手など多くの職業を経て作家活動に入りました。交通問題、救急医療問題などの硬派なジャーナリズムから、盲導犬や登山など親しみやすい話題にも取り組んでおり、著書には本書のほか、「クイールを育てた訓練士」「いのちの夢―難病の子どもたちが願ったこと」「救えたはずの生命(いのち)―救命救急センターの10000時間」「奈美ちゃんの赤い靴―車椅子の少女が街に出た!」などがあります。

本書は1980年代末から90年代前半にかけて救命救急医療センターに運び込まれた自殺者へのインタビューを主軸にした異色のルポルタージュです。年間3万人とも言われる日本の自殺者からみれば、20人への取材はまさに氷山の一角であり、彼らが言っていることが自殺者全般に言えるのかどうかはわかりませんが、本書によって明らかになっている自殺の特徴の一部は
① 鬱病は自殺に直結しやすい危険な病。だが鬱病が直れば自殺衝動も消える
② 自殺を図ってもなかなか死ねない。反対に事故などでは人はあっけなく死ぬことがある
③ 一度自殺を図って死ねなかった人は二度と自殺しないというのは嘘。繰り返し自殺を図るケースも多い。
④ 自殺を図った段階で「自殺したい」という思いも消えるのか、その後は冷静。死ぬつもりない狂言自殺の場合は、狂言自殺の目的(恋人が駆けつけるなど)が果たせない場合は激情状態が続く
⑤ 摂食障害(拒食症・過食症)は鬱病以上に危険な精神疾患。
⑥ 自殺をしやすいタイプ、しにくいタイプというものは存在せず、誰しも自殺を図るおそれがある
⑦ 「自殺しなければ」という衝動に囚われると、自殺方法にも特定の方法にこだわるようになり、より確実な方法などを考えることがなくなるし、そういう状態を変だとも思わなくなる
などでしょうか。自殺を図った直後は、エンドルフィンなどの脳内麻薬が出ているせいか、包丁で腹を刺すなどしてもあまり苦しまないようですが、救急車で運ばれて救命救急医療センターに到着する頃には麻薬が切れて、地獄の苦しみを味わうことになるようです。薬物自殺の場合、胃洗浄が行われるのですが、ようするにチューブから水を大量に入れては吐かせるという作業を繰り返すので、想像するだけで苦しそうです。その苦しさは、自殺未遂者に「こんなに苦しいなら自殺なんかするんじゃなかった」と言わしめるほどです。
著者は、自殺とは無縁な人々に理解して欲しいこととして、自殺者は「死にたくて自殺するわけではない」のだと断言しています。例えば仕事が嫌で自殺する人に対して、第三者は「そんなに嫌なら仕事を辞めれば?」と思います。確かにそれが正解なのですが、自殺を図る人は「とにかく死んで逃れたい」「楽になるには死ぬしかない」という強迫観念に囚われてしまいます。そして自殺以外の選択肢がなくなって、自殺せざるを得ない状況に精神的に追い込まれていくのだというのです。オカルト的に言えば、悪魔とか死神といった魔物が取り憑いて心を操っているかのようです。自殺者の心は一時的にせよひどく病んでおり、もし心が見えるのならば手術の必要な臓器のような状態になっている。そして同時に外部からの救いを期待できないほどの孤独感を背負っている、と作者は言います。
一方、自殺を頭に浮かべている人には「自殺なんてするとロクなことにならないよ」と言っています。本書で描かれている治療の苦しさの他、金銭的な負担も馬鹿にはなりません。そして、残された人々には“身近な人に自殺されてしまった”という非常に辛い気持ちをもたらしてしまいます。これは後々まで長く尾を引きそうですね。自殺者は「自分の命は自分のもの」と思っており、自殺も権利の一環だと考えるかも知れませんが、他者の心も確実に傷つけるのだということにも関心を払う必要があるでしょう。そして、他者を傷つける権利など誰にもないのだということにも。
作中最初の登場人物である太田亜希子は、7年間の間に6度も本気の自殺を図り(彼女は常にガチです)、とうとう最後の自殺で死に至ってしまいます。作者は彼女に何度もインタビューしており、個人的に親しくなっていたのですが、摂食障害という恐るべき悪魔に苛まれ続けた彼女は、ついに救われることなく逝ってしまいます。作者はあとがきで、彼女の死を受け入れられないと率直に心境を吐露しています。親しい人に死なれた人はいつまでも辛い気持ちを持ち続ける……このことはぜひ我々全てが肝に銘じておかなければならないことだと思います。最も自殺衝動に取り憑かれた人は、もはやそういうことに気を配る余裕など失っているのでしょうが。
しかし自殺者が救命救急医療センターに運び込また状況というのは背筋が寒くなるほどの惨状なので、作者もよくそんな場面を見続けたなと思う反面、日夜治療に当たっている医者や看護師には本当に頭が下がります。医者達が「そんなに死にたいのなら死なせてやったほうがいいのでは」と思うようになるのも当然だなあと思いますが、それでも彼らは全力で命を救おうとするんですね。事故などに遭遇したら仕方ないですが、個人的には彼らの手を煩わさないようにしたいなあと感じました。

本日は東日本大震災2周年。まだ2年というべきか、もう2年というべきか。私も一応被災者の一人なのですが、こうして暢気に役にも立たないブログを書いている程度ですので、もちろん亡くなった方々、愛する人を失った方々、避難を余儀なくされている方々に較べれば言うに足りない程度のものです。ただ、当ブログの趣旨としては、深刻な話題を取り上げるのは相応しくないので、頭を垂れて黙祷した後に、いつものように始めたいと思います。

ところがもう一件。大ベテラン声優・納谷悟朗が亡くなりましたね。納谷悟朗といえば一般にはルパン三世の銭形警部として有名です。

私個人としては、宇宙戦艦ヤマトの沖田艦長の印象の方が強かったりしますが、きっと少数派でしょう。

意外なところでは、仮面ライダーの悪の組織・ショッカーの首領の声を演じていました。通常は鷲のレリーフ(ランプが点滅する)から声が出るだけでしたが

最終回に登場した正体はこんなだったようです。

もっともその後も倒されたかに見えても生き延びて新たな組織を作っていたらしいですが。ご冥福心よりお祈りします。4月から始まる宇宙戦艦ヤマトの新シリーズでは、必然的に沖田艦長は別の声優が務めるのでしょうが、誰であれ納谷悟朗の後継に恥じない演技をしていただきたいばかりです。日本の声優の能力は世界一だと確信しているのできっと大丈夫でしょうけど。
さて、ここのところ日曜日の夜は「ちはやふる」を固め見する時間となっているのですが、ついに第一期最後の23~25話を見ましたので本日はこれについてです。

では23話から。前回、モメユミこと前クイーン山本由美に敗れた千早、今回の敗戦はそうとう応えたようです。ドSの糸目男爵・須藤との約束(先に負けたら坊主)も頭の中から消えていたようで、試合終了後の礼もせず、控え室のクローゼットに立て籠もってしまいます。負けて悔し涙にくれる千早は良く見ますが、立て籠もりは初めて見ます。ちょっと千早らしくないショックの受けぶりです。

部長として千早を慰める太一ですが、改めて千早が好きなことに気付きます。みんな判ってるっての(笑)。しかし肝心な千早には全く届いていないのでした。

須藤との約束については、師匠・原田先生の猛攻でチャラになりましたが、糸目男爵は本気で下級生の女の子に坊主になれと迫る気だったのでしょうか?もし本気ならドSというよりサイコパスかなんかだと思いますが。

少なくともそんなこと考えているから肝心なところでいつも勝てないんでしょうね、この人は。

大会終了後、突如チャラ男から告られる千早。何と初めてらしいです。こんな美人なんだから中学生時代に告られてても不思議はないのですが…。「こんなチャンス二度とないかも」とか言って付き合う気まんまんな千早。

自分の気持ちが届かないにしても、他の男に取られてなるものか!太一さすがに即効着信拒否。そりゃそうですね。むざむざ千早をNTRなんてありえません。

しかしそんな太一の気持ちはかなちゃんしか判らないらしい。朴念仁揃いのかるた部面々。かるたをやりすぎると朴念仁になってしまうのか?

かるたばかりじゃいかん、ということでクラスの打ち上げ会に強制参加となった千早と机君。現れた千早が可愛いこと可愛いこと。

クラスメートもどよめいています。無駄美人だと知っててもこれですから、他校のチャラ男がひっかかるのも仕方ないか(チャラくなくてもひっかかるでしょうが)。

机君も結構楽しんだみたいです。かるた部のみんなもいたらもっと楽しいという千早に「『ここにいたらいいのに』って思う人はもう“家族”なんだって」と机君の名言炸裂。記号みたいな顔なのにやるなあ机君。彼が千早とくっつけば案外いいかもなんて思いますが、記号にされている段階でそういう可能性はないんでしょうね……

その後太一に携帯で電話する千早。千早にとって「ここにいたらいいのに」と思う人にはやはり新が欠かせません。新が電話に出た途端この顔です。太一が見たら嫉妬の炎に灼かれそう。

続いて24話。年が変わって翌年1月です。クイーン・名人戦を太一の家で見ることに千早他かるたぶ面々。画面が60インチらしいですよ。しかし太一ママンの迫力に推されて太一の部屋に。

画面に映る若宮詩暢。まさかの劇的改装ビフォー・アフター!

MMRばりに「な、なんだってー!!」状態のかるた部一同。

だって半年前はこうだったんですから。どうやら景品目当てにアイスを食べ過ぎたようですが……

ここで詩暢の少女時代のエピソードが。離婚して実家に戻ってきたらしい詩暢ママン。太一ママンといい、綺麗だけど嫁にはしたくない感じですね。上流階級ってこんなんなの?

しかしチビ詩暢はなかなか可愛いですね。変わり者だけど。


体重が増えたせいで一回戦はかなり苦戦したクイーン詩暢でしたが、少女時代のエピソードを思い出したせいか覚醒、ユーミンを圧倒していきます。モメることさえ許されない速攻。あっさりクイーン位防衛に成功。

最後に25話。前回ラストでちらっと登場した名人・周防が登場。圧倒的強さながら大学は留年らしいです。

「好きだ、キョコたん」のつぶやきが聞こえたが焦る読手の山城今日子。本物の読手さんを起用しているらしいですが、それはともあれBBA専か、名人(笑)!

若宮詩暢以上の圧勝で4連覇を決めた名人。強すぎて敵がいないみたいです。「師を持たない人間は、誰の師にもなれんのだ」とユーミンの師匠・翠北会の北野先生は憂いていますが、天才というものは誰も教えられないし、誰も受け継げないものでは?しかし、かるたで食っていけるわけじゃなし、強すぎてつまらなければ別のことやればいいのにと、特に名人には感じてしまうのですが、彼にも幼少期のエピソードでもあるんでしょうかね。

あまりの強さにがっくりと肩を落とす面々ですが、千早も太一も、そして新も闘志の炎いまだ止まず、です。特に千早を復活させた机君、相変わらずいい仕事するなー。

太一より机君の方が千早には必要な人なのでは。眼鏡外したら実はイケメンとかいう後付け設定、Youいっちまいなyo!

太一も机君もかなちゃんも、そして女帝・宮内先生すらも、千早の熱に感染してしまいました。肉まん君だけ何もないな…




そして新学期。2年生に進級した千早は、去年と同じ事やらかしてまた女帝に怒られましたが……

「それから綾瀬さん、そこんとこもう一枚貼っときなさい」の一言がとっても良かったです。1話では「貼るのは一枚だけにしなさい!」だったのに。千早は自分を成長させるだけでなく、周囲の人々の意識も変えていきますね。

というところで第一期は終了しました。なんとなく「俺たちの闘いはこれからだ!」的な終わり方なので、普通なら「第二期絶対やれ!」と言いたくなるところですが、ご承知のとおり既に第二期「ちはやふる2」が放映されているので、なんの心配もなく次回からは「ちはやふる2」のレビューをやっていきたいと思います。あ、でも2話位ずつにしましょう。

それでは再びの千早顔芸小特集。今回はあまりありませんでしたが。
23話。チャラ男に告られて大興奮の千早。こんなに美人なのに告られたことがないとは、流石は無駄美人。

24話。千早が苦手とするミセス・プレッシャーこと太一の母との遭遇。お互い嫌いみたいですなあ。これだけでも太一の嫁はありえないのか、千早。

同じく24話。太一ママン(麗子さんという名前らしいです)の迫力ある睨みで石化というか埴輪化してしまった千早。この人のプレッシャーを訓練の一環に取り入れればユーミンなど恐れるに足らず。


25話。勝ったら千早のダディベア全部焼くという理不尽な太一のセリフに焦りまくる千早。これもメンタルトレーニングか?高校生になってから太一はずっと千早に優しかったけど、小学生編を見ると本来の性格はこっちかな?

同じく25話。机君に言われて言葉を噛みしめて廊下で百人一首を呟く千早。かなちゃんに見られていたことに気付いて狼狽します。妙なことをしているとう自覚があったことにむしろ驚きです。

同じく25話。モデルの綾瀬千歳の妹が一学年上にいるらしいぞ、と色めきたつ一年生共の前に登場した千早。おお、1話を彷彿させる桜の中の美人千早かと思いきや…まさかの唇に画鋲4連装!

しかし千早、告白とかに免疫ないみたいだから、ドン引きしないで勇気を出して告ればつきあってくれそうですけどねえ…しかし太一が怖いなあ(笑)。

今日は恐怖の汚染物質PM2.5が関東地方にも来襲するという噂です。北京みたいな無茶苦茶な濃度ではありえないでしょうが、なんか嫌ですね。強い風が吹いていて、黄砂のせいか空も空気も黄色っぽいです。
さて気を取り直して声優の日曜日を始めましょう。本日は声域が広く、「七色の声」を持つといわれるベテラン声優・冬馬由美です。

冬馬由美は1966年12月生まれ、千葉県出身です。高校2年生時に青二プロダクションの養成所である青二塾に入り、1986年にドラゴンボールのガヤ(その他大勢)としてデビューし、当初は少年役を演じることが多かったようです。1990年にOVA「ロードス島戦記」でのディードリット役で初めて本格的なヒロインを演じ、それが高く評価されたことから以後はヒロイン役を中心に演じていくことになります。

長らく青二プロに所属していましたが、声優業以外の活動のために2004年にALLURE&Yを設立し、代表となっています。公式ホームページはhttp://www.allure-y.jp/index.html。ブログは残念ながらComing Soonとなっています。

では声優以外の活動は何をしているのかということですが、歌手、作詞、CDドラマの原作、小説などを手掛けているようです。歌手や作詞なんかは他の声優さんも結構やっているみたいですが、その他はなかなか……多芸な人ですね。

歌手としてはシングル2枚、アルバム3枚を出しています。CDドラマは、自身がやっていたラジオ番組「冬馬由美のYUMI#YUME#CLUB」(文化放送)でオンエアされた連続ラジオドラマで、「風色の組曲~第二楽章~」の原作者となっています。

小説としては、処女作「ワイルド・エンジェルス」、二作目は「小説版 ああっ女神さまっ 初終ーFirst Endー」で、Amazonのレビューでは「原作よりずっといい」などと好評みたいです。しかしその表現は…(笑)。

声優としては、犬、猫、モンスター等、人間以外の役柄も大好きで、事ある毎に志願しているそうです。また、海外ドラマや外国映画の吹き替えも多く行っています。ゲーム、コマーシャルやPV、教育用ビデオやプラネタリウムのナレーション等も数多くこなしており、様々な分野において‘声の職人’である事をモットーとしているそうです。

それでは私が知っている冬馬由美の演じたキャラの紹介を。例によって古い順です。
ディードリット(ロードス島戦記)

言わずと知れた本作のヒロイン「永遠の乙女」です。「帰らずの森」に住むエルフの上位種「ハイエルフ」で、エルフよりもより妖精や精霊に近い存在であるため、不老不死に等しいほど長命です。

閉ざされたエルフ世界の外を見たくて帰らずの森を出て、主人公のパーンたちと出会って一行に加わります。灰色の魔女カーラとの対決後はパーンと同行することを選び、絶えず行動を共にしています。

パーンはその活躍により「ロードスの騎士」の称号を受けて伝説となりつつありますが、ディードリット自身も彼に寄り添うエルフの美姫として伝説的な存在となっていきます。

ハイエルフのため精霊との親和性が非常に高く、精霊を召喚して使役する精霊使い(エレメンタラー)であり、同時にそこそこの剣の技量も備える魔法剣士です。トラップやトリックを見破るのが巧みです。

出渕裕によるディードリットのイラストは、その後の日本のファンタジー作品におけるエルフのヴィジュアルイメージを決定づけるものとなりました。またロードス島戦記のアニメが海外でも販売され、一方でRPG的エルフの元祖である「指輪物語」がまだ映像化されていなかった事もあり、海外でも最も有名なエルフ像として強い影響力を持ちました。

ディードリットは非常に明朗快活・行動的で、感情の起伏が激しいという、エルフらしくないエルフです。若いうちから人間界に出入りしたせいか、独占欲が低いはずのエルフにしてはかなり嫉妬深い一面もあります。そしてツンデレ。
河合伊代菜(まじかる☆タルるーとくん)

小学5年生の主人公江戸城本丸の同級生にしてクラスのアイドル的存在です。その名のとおり可愛らしく、また小学生なのにやたら発育が良く、頭が良くてスポーツも万能ですが、お嬢様育ちのためか八方美人で、やや我侭な面もあります。

「女性は見られて綺麗になるもの」という母(河合伊奈)の持論により、きわどいヒモ水着やセクシーなスケート衣装など、異様に露出度が高く過激な服装が多くなっています。

名前は河合奈保子と松本伊代をもじった「可愛いよな」だそうです。

ウルド(ああっ女神様っ)

ヒロイン・ベルダンディーの姉で三女神の長女です。神属の父と魔属の母・ヒルドとの間に生まれた(故にベルダンディーやスクルドの異母姉)ため、神属と魔属の両方の血を受け継いでいます。強大な力から天上界では「破壊神」と呼ばれ恐れられています。

1998年から1999年にかけて放映された外伝的作品「ああっ女神さまっ 小っちゃいって事は便利だねっ」ではメインを張っていました。制作会社が異なっているため、路線も違う異色作となっています。

薬フェチの化学者で、特に惚れ薬や自白剤など怪しい薬を作るのが得意で、作った薬は見た目・名前とも怪しくその効果は「全く利かない」か「効き過ぎ」るほどの極端なもので、他の法術の影響を受けるとさらにとんでもない効果を発揮します。

ウルドの性格は享楽的でいい加減さが目に付きますが、根はしっかりしており、妹たちを思う大事に思っています。しかし、「目的のためには手段を選ばず、ともすればその手段のために目的をも忘れてしまう」という本末転倒な暴走をしばしばしてしまいます。

ちなみに女神三姉妹は、冬馬由美(ウルド)、井上喜久子(ベルダンディー)、久川綾(スクルド)と豪華なキャスティングがされています。

リーアベルト・フォン・ノイエシュタイン(銀河お嬢様伝説ユナ・シリーズ)

なんと20年以上前のPCエンジン用アドベンチャーゲームです。略称「銀嬢伝」は「銀英伝」の向こうを張っているような。誰も知らないゲームかも知れませんが、低予算・短期・外注と恵まれない環境での制作だったにも関わらず、面白い作品となりました。

そうだ、これギャルゲーで紹介しよう。ということで内容はいずれということでここでは割愛しますが、長いので皆がリアと呼ぶリーアベルト・フォン・ノイエシュタインは、「不死鳥のリア」という通称も持つ、旧ドイツ伯爵家のお嬢様です。

主人公のユナ(神楽坂優奈)同様、「光の救世主」となりえる素質を持っている故に、「闇の女王」に目を付けられ、「銀河一のお嬢様」の座をユナと争うべく差し向けられます。「闇の女王親衛隊長」としてユナの前に立ちはだかりますが、ユナと触れ合う内に闇の呪縛から解放され、以来、ユナとは親友になります。

「ユナ2」以降は仮面をかぶって「お嬢様仮面ポリリーナ」を名乗って活躍しています。「ポリリーナ」はテレビドラマのヒロインですが、ユナはポリリーナが実在すると信じて憧れているので、リアは実戦時でも「ポリリーナ」として登場してくることが多くなっています。


モチーフは「美少女仮面ポワトリン」だそうです。花島優子……

レイファン(DEAD OR ALIVEシリーズ)

テクモの人気3D対戦型格闘ゲームシリーズであるDOA。レイファンは一作目から登場する女の子です。身長は163cm、スリーサイズはB87 W55 H86、血液型は B型。好きなものは杏仁豆腐、趣味はカラオケからアロマテラピーに変わりました。

太極拳の天才的な使い手で、ごろつきに襲われているところをやはり一作目から登場するジャン・リーに助けられて以後、不本意な助力に対する悔しさと同時に「強さ」への憧れから拳法の修行を積み、ジャンを倒すためにDOA大会に出場し続けています。

漢字では「麗鳳」と書くようです。チャイナドレスから覗く生足が魅力です。両把頭という中国独特の髪型もいいですが、ポニーテールや下ろした髪もなかなかに素敵です。

見ていると麗しいレイファンですが、操作するとなると勝手が違って、いつも使っていたかすみと較べるとスピードが足りません。宿命の相手(?)のジャン・リーがスピードタイプなので、非常に相性が悪かった気が。もっとも私は2までしかやっていないので、そこまでの印象にすぎませんが。

初期はオーソドックスなバランス型だったのに対し、続編ではホールド技が強化されて、軽量級ホールドタイプとも表現できるようになっているそうです。

エマ(英國戀物語エマ)

ヒロインにして主人公です。人買いに連れ去られてロンドンで娼館に売られそうになったところを逃げ出し、15歳のときにケリーの家のメイド・オブ・オールワークス=雑役女中として務めることとなりました。

ケリーによって同時代のメイドにしては珍しく立ち振る舞いの教育からフランス語や文学の基礎など様々な教養を教わりました。その後ウィリアムと出会い、惹かれていきます。ケリーの死後は、ドイツ人貿易商のメルダーズ家のハウスメイドとして働く事になります。

元々容姿がよいためラブレターが頻繁に届いており、ウィリアム以外にも貴族だけでなく様々な方面から交際を申し込まれていたようです。

エマはロングのメイド服を着ていますが、これは「ヴィクトリアンメイド」というスタイルで、秋葉原で見かけるメイドさんの大半は半袖ミニスカートの「フレンチメイド」というスタイルです。イギリス人の主観から見たフレンチ(フランス風)とは、下品な性的劣情を誘うデザインという意味で用いられています。ヴィクトリアンメイドは、池袋の「ワンダーパーラーカフェ」で見ることができます。この店は普通の喫茶店と間違えて入っても問題ないくらい上品なお店です。

他にも既にゲームとして紹介した「この世の果てで恋を唄う少女YU-NO」の島津澪、「ラングリッサーI」のナーム、「みつめてナイト」のライズ・ハイマーなど、数々のヒロインを演じています。私の90年代ゲームライフはまさしく冬馬由美と共にあったような気がします。
あと、名作「ヴァルキリープロファイル」でもヒロインのレナス・ヴァルキュリアとプラチナを演じていましたが、これもギャルゲー紹介で取り上げたいと思います。どう考えてもギャルゲーではないんですが、強引に解釈しますから(笑)。

もはや初夏の気候。半袖姿も見かける街角。田んぼのあぜではオオイヌフグリが咲き、ホトケノザが伸びてきてました。どんだけ春爛漫なのでしょうか。明日はさらに暖かいみたいですが、月曜日は一気に下がる模様。この落差が怖いですね。お互い体調管理にはくれぐれも気をつけましょう。

さてギャルゲーの土曜日ですが、サクラ大戦シリーズ、1と2は昨年5月26日に紹介済みでしたが、3をまだ紹介していないことに気付きました。サクラ大戦シリーズは5まであるのですが、私は3までしかやっていないのでこれが最後ということになります。

「サクラ大戦3〜巴里は燃えているか〜」は、セガが2001年3月に発売したドリームキャスト用ゲームソフトで、後にプレイステーション2(2005年)やPC(2004年)にも移植された「サクラ大戦シリーズ」の第3作です。私がプレイしたのはPS2版なのですが、シリーズ唯一のCERO15歳以上対象作品となっています。コンテンツアイコンは「セクシャル」なのですが、なぜ本作だけ?

日本は平和になった1926年当時、フランス・巴里は世界で経済・文化共に最高水準を誇っていましたが、その一方で謎の怪人による事件が頻発していました。フランス政府は対抗策として、都市を霊的に防衛する組織、すなわち「巴里華撃団」を設立します。戦その闘部隊の隊長としては、二度に渡り日本の帝都を救った「帝国華撃団・花組」の隊長を務めた、大神一郎に白羽の矢が立ちました。中尉に昇進した大神は海軍留学生としてフランスへ渡航し、異国の風土に馴染む間もなく、テアトル・シャノワールを基地として、巴里華撃団・花組を率いて怪人に立ち向かうことになります。

ということで、前作までとはプレイヤーキャラである主人公の大神一郎以外は登場人物も舞台も一新されました。もっとも帝国華撃団の面々の途中でゲストとして登場してきます。パリジェンヌ達に囲まれ、モテモテの大神隊長を、あの嫉妬深いさくらが座視することがありましょうか(いやない)。

ゲームシステムは霊によってアドベンチャーパートと戦闘パートに別れており、アドベンチャーパートではさまざまな人と会話し、数々のイベントをこなしながら5人の花組隊員と信頼関係をつくっていきます。戦闘パートはS-RPGで、「光武F]に搭乗して敵と戦います。戦闘パートにもアドベンチャーパートと同様にドラマパートが存在し、数々のイベントが発生します。

敵の怪人はパリシィ怪人と呼ばれ、それぞれウサギとかヘビとか動物をモチーフとした怪人になっています。また各々の動物をモチーフとした蒸気獣に搭乗して巴里華撃団と戦いを展開します。

全員を倒すとカルマール公爵というボスが登場し、怪人達を復活させます。さらに黒幕としてサリュというピエロの姿のキャラが登場します。サリュはかつて滅ぼされたパリの民族、パリシィの意思を伝える者で、パリシィの信仰する神「オーク巨樹」を復活させ無念を晴らそうとしています。

次に武器です巴里華撃団が使用するのは、帝国華撃団が使用した史上初の対魔戦闘専用の霊子甲冑・光武の実戦データを元に改良した「光武F」です。オリジナルの光武同様、起動には霊力が必要なのですが、どうやら強い霊力の持ち主は女性に多いらしく(オノコ達のための設定でしょうか)、帝国華撃団同様、巴里華撃団も隊長の隊員は全員女性となっています。むしろ大神隊長はなぜ男だてらに強力な霊力を持っているのかという。

帝国華撃団のルーツともいうべき帝国陸軍対降魔部隊(霊子甲冑はなく、刀剣のみで戦った)は男3人、女1人という構成だったので、男性の適格者がいないはずはないのですが…

光武との最大の差は、ローラーダッシュが可能になったことでしょう。これは巴里の方舗道や石畳が多いことから採用されたと思われます。帝都はまだまだ土の道が多くて使用には適さなかったか…。ちなみに後半には格段に性能を向上させた改良型の「光武F」が登場します。

それでは巴里華撃団・花組のキャラ紹介です。帝国華撃団・花組が舞台女優だったのに対し、巴里華撃団・花組は、通常時はテアトル・シャノアール(「黒猫」の意)で踊り子を務めています。モンマルトルにあるそうなので、モデルはムーラン・ルージュ(「赤い風車」の意)でしょうね。
まず隊長は例によって大神一郎(CV:陶山章央)

プレイヤーの分身となる物語の主人公です。海軍士官学校を首席で卒業後、帝国華撃団・花組の隊長として任務に就き、黒之巣会、葵叉丹、黒鬼会との戦いに打ち勝ちました。その実績を認められて中尉に昇進し、このたびフランスへの留学を命じられることになりました。隊長として優れた指揮能力を持つだけでなく、多くのプレイヤーからも愛される人物です。

エリカ・フォンティーヌ(CV:日高のり子)

帝国華撃団の真宮寺さくらに相当するメインヒロイン格で、修道院の見習いシスターです。明るく元気で心清らかで信仰心も厚く、人々に奉仕することを喜びとするシスターの鑑のような人ですが、生まれついてのそそっかしさとドジで、いつも周囲を困惑させいます。趣味は聖書の朗読と神への祈り、人助け、そしてマシンガン射撃(!?)。光武Fにも十字架に見えるマシンガンを装備しています。

CVの日高のり子は「タッチ」の浅倉南、「トップをねらえ!」のタカヤノリコ、「となりのトトロ」の草壁サツキなどを演じている大物声優です。

しかし、黒歴史的にはかつては売れないアイドルで、アシスタントを務めていた「笑福亭鶴光のオールナイトニッポン」では、坂上とし恵、浜田朱里とともにで「がけっぷちトリオ」と命名されていました。ちなみに坂上とし恵は野々村真と結婚し、浜田朱里はヌード写真集を出したりしたものの、結局引退してしまいました。

元歌手だけあって歌は達者です。OPの「御旗のもとに」のメインボーカルを務めているほか、劇中で「エリカのおはようダンス」という奇妙な歌と踊りを披露しています。大神隊長のMPが減りそうです。
「エリカのおはようダンス」

http://www.youtube.com/watch?v=jsFXToUCZa0
グリシーヌ・ブルーメール(CV:島津冴子)

由緒正しきノルマンディー公爵家の血を受け継ぐ、ブルーメール家の令嬢です。その華麗な外見と自然とにじみ出る高貴さとは裏腹に、内に流れるバイキングの血脈は、勇ましくもプライドが高く、人は誇りを持って生きるものだという思いと生まれついての貴族であるため、外国人や庶民に対して一線を引くところがあります。

戦斧の扱いが得意で、光武Fにも装備しています。斧と盾で重装歩兵風というか、バイキング風ですね。

CVの島津冴子は「うる星やつら」の三宅しのぶ、「機動戦士Zガンダム」のフォウ・ムラサメ、「ダーティペア」のユリなどを演じていた80年代の清純派アイドル声優でした。本作はベテラン声優を多用していますね。

コクリコ(CV:小桜エツ子)

フランスの植民地であったベトナム出身の11歳。移動サーカス「シルク・ド・ユーロ」の団員です。手品や軽業などをステージの上で披露していますが、昼間はサーカスの動物たちのエサを分けてもらうために、市場で仕事を手伝っています。どんな時でも元気で笑顔を絶やさないため、市場ではちょっとした人気者です。幼いわりにしっかりした性格ゆえ、大神の保護者を自認しています。帝国華撃団のアイリス枠ですね。

一方コクリコ機はトリッキーで香蘭機風でもありますね。

CVの小桜エツ子は、2011年に「小桜エツコ」に改名しています。幼い子供や動物役を多く演じており、動物の鳴き声役もレパートリーとしています。無邪気な役柄が多いですが、「ケロロ軍曹」のタママ二等兵役では狂気がかった声で演じています。

ロベリア・カルリーニ(CV:井上喜久子)

なんとトランシルヴァニア出身のジプシーで、巴里始まって以来の大悪党です。盗みや強盗、要人邸爆破まであらゆる犯罪をこなし、これまでの罪状を並べると懲役は1000年を超えています。スリやギャンブルは日常茶飯事に行い、目的のためなら手段も方法も代償も何もかも選ばない性格ですが、懲役減刑と引き換えに巴里華撃団に加入しました。

霊力で炎を自在に操り、手首の鎖(手錠の名残?)も使用しますが、光武Fでは長大な爪を振るいます。その姿はアレそっくりでしょ?でしょ?

そう、ズゴック(笑)。ロベリア機のみ、水陸両用なのかも知れませんね。

CVの17歳についてはもう語っています(10月14日の記事参照)が、「琴浦さん」の琴浦久美子など、やさぐれキャラが多くなってきたのは、ロベリア役の影響なのかも知れません。私は女神のような声の17歳が好きなんですが。
北大路花火(CV:鷹森淑乃)

はい、花組では私のイチオシキャラが遂に登場です。日本の男爵家である北大路家の令嬢です。純日本人に見えますが、祖母がフランス人で、幼い頃より外国で生活しているため、なんと日本を知りません。むしろそのせいか、書道・華道・弓道など日本の習い事を得意とし、読書も好みます。現在は、日本人留学生として、古くからつきあいのあるブルーメール家に居候しています(男爵令嬢なのでグリシーヌも親しくしています)。奥ゆかしく、物静かでどんな時にも微笑みを絶やさず、殿方の言葉には絶対的に従う、「大和撫子」な人。

婚約者と船上で結婚式を挙げるが、当日に発生した海難事故で死別した過去を持っているため、(おそらく)処女なのに未亡人となっています。そのトラウマから海やプールなど水が満ちている所を極度に嫌っています。また、常に黒い衣装(喪服)を着用しています。

CVの鷹森淑乃は「ふしぎの海のナディア」でヒロインのナディアを演じた方です。やはりベテラン声優さんですね。

続いて花組を支える巴里華撃団のスタッフ達です。
グラン・マ(CV:相沢恵子)

シャノワールの総支配人であり、巴里華撃団の総司令です。最上の結果を出すためなら、どのような犠牲もいとわないクールな性格ですが、誰よりも巴里華撃団の隊員たちと巴里の街を愛し、そのための最善を尽くそうとしています。残念ながらババ専には対応していないので、グラン・マとのEDはありませんが、彼女に気に入られるくらいにならないといけません。

メル・レゾン(CV:小島幸子)

シャノワールの経理部門を担当し、グラン・マの秘書を務めています。シャノアールのステージではショーの司会も担当しています。冷静で落ち着きがあり几帳面ですが、控えめな性格のため、初対面の相手には人見知りしてしまうところがあります。

このゲームで私の一番のお気に入りです。相方のシーとの対比でボーイッシュに見えますが、非常に乙女な人で、彼女とのEDはとっても切ないです。サブキャラでもちゃんと攻略させて欲しかったですね。
シー・カプリス(CV:かないみか)

シャノワールにて事務・広報を担当しながら、グラン・マの秘書を務めています。シャノアールのステージではメルと同様にショーの司会も兼任しています。明るく元気で、好奇心旺盛で、子供っぽいところもあるが、人見知りの激しいメルのことをいつも気にかけている優しい性格です。

二人合わせてメルシーということになります。メルとシーが百合だとすると、絶対シーが攻めでメルが受けだと思います(断言)。

その他、無名かつ多数の整備スタッフを束ねるジャン・レオという整備班長がいます。口癖は「うだうだしてるとセーヌ川に叩き込むぞ!!」
また迫水典通という在仏日本大使がおり、巴里華撃団の凱旋門支部長を務めています。外国人でしかも外交官に政府の極秘組織の支部をまかせるというのは常識では考えられないのですが……。巴里における大神の上司で、日本にいた時は政治戦略で右に出る者がなく「鉄壁の迫水」と呼ばれたほどの人物だそうです。
その凱旋門支部は、有事の際には変形してレボルバー・カノンとなったりします。

最後に主題歌を動画と共にどうぞ。OPの映像は、10年以上を経てなお傑作といわれています。
OPの「御旗の下に」Full。HDですがその価値のある美麗な映像です。

http://www.youtube.com/watch?v=eWM7xUci0E8
EDの「花の巴里」。ハングルの字幕が出てますが、まあ気になさらずに。メルとシーが歌っています。

http://www.youtube.com/watch?v=_tJnRTq2Rk8
私のお気に入りキャラベスト3は、
① メル・レゾン

② 北大路花火

③ エリカ・フォンティーヌ

です。良かった、メインヒロインが入ってて。もしババ専だったらグラン・マも捨てがたいところなのですが、幸か不幸はそうではなかったので(笑)。

気温は昨日よりもさらに上がって、もう風薫る…とか言いたくなるほどです。これはもう若葉のささやきが聞こえてきてしまいますよ。もう厳寒は勘弁なんですが、暖かすぎのもちょっと…夏が怖いです。
ここんときアクセスが200を割り込む日が続いていて、真紅なみに不人気に陥っている当ブログ。私が覗いている他のブログでは、アクセス数について言及したりしているところはないので、当ブログ特有の愚痴というかぼやきというか(笑)。年末年始の頃は400アクセスを越える日々もあったというのに。斜陽とか大英帝国とか引き潮のときとか、様々なネガティブな単語が連想されますが、その一方でどんなに人気が上がったとて一銭の特になるじゃなし、きままにやればいいじゃないというゴーストの囁きもあったりして、それもそうだと安易に低きに流れていくのでした。
ということで今日も今日とて不人気企画のコミック版「ほしのこえ」の4回目を強行するのでした。
Chapter.4の扉絵は傘をさしたノボルです。横を向いてちょっとうつむき加減。作者さん、野郎の扉絵はもう結構ですから。と思ったらノボルの話から始まるのか。それじゃあしかたないですね。コンビニで買い物をしているノボル。目に付いた雑誌の表紙には「特集 タルシアンプロジェクト 全貌解明」の文字が。あわてて追加で買い込みます。

自転車を降りて踏み切り待ち。雑誌を読むノボル。そこへミカコからのメール。木星を離れて冥王星のずっと先まで行くという、Chapter.3のラストでミカコが送ったメールが届いたようです。メールのやりとりに一層時間がかかるようになりますが、「オールトの雲からでも半年くらいだから、20世紀のエアメールみたいなものだよ うん大丈夫」という文面に、「……何が大丈夫なんだ……」とつぶやくノボル。

※ はいここでちょっと注釈です。「オールトの雲」とは、太陽系を球殻状に取り巻いていると考えられる仮想的な天体群を指しています。その存在は彗星の軌道長半径と軌道傾斜角の分布の統計に基づく状況証拠のみであるため、これまでのところ、想定される領域で天体が直接観測された訳ではないので仮説の域を出ませんが、オールトの雲には1×1012(1兆個)単位の数の天体が含まれると推測されており、将来的には太陽系の外縁天体の延長と見なされるようになるだろうとされています。そこに存在するであろう天体としては、長周期彗星・非周期彗星、小惑星、未発見の惑星質量天体(木星の4倍ほどの天体が存在するとの説もあります)が挙げられています。

オールトの雲までいけば近傍の恒星系もそうは遠くはなくなります。そういえば銀河鉄道999ではコメットゾーンとして描かれていましたっけ。ここから先は宇宙法の効力があるのは列車の中と駅の構内のみとなり、ここまでの道のりはいわば「太陽系の庭の中のようなもの」で、以後は無法の荒野なのです。

ノボルの高校一年生の一学期はミカコとのメールのやりとりで過ぎていきました。剣道部の部活を終えて携帯を手に取るノボル。メッセージはありません。メールの往復には時間がかかるようになっているのです。自室の机で本を広げるノボル。ふと傍らの携帯に手を伸ばしますが、やはりメールは来ていません。「長峰からのメールを待つだけの自分になってしまう…」
別の日。中学時代の同級生と出くわしたノボル。この前買った雑誌に注目され「長峰がさ……選抜メンバーで行っただろ?だからちょっと読んどこうかと思って……」
しかし友人の返事は「そういやそんな奴もいたっけ……」とつれないものでした。忘れてた、地球にいない奴だから関係ないですよ。彼はそんなことより女の子のナンパとか、青春時代の今を楽しむことで頭がいっぱいのようです。彼を無視して去って行くノボル。

「なんだか長峰が哀れに思えた……」かつてミカコと雨宿りしたバスの待合。携帯を取り出してみますがやはりメールは来ていません。がっくりうなだれるノボル。
さらに別の日。教室から校庭を見ているノボル。カップルが楽しく語らっているのをぼけっと見ています。そんなところにミカコからのメールが!しかしノボルの顔は浮かないままです。ミカコのメールを待っているだけの日々に疑問を抱いているようです。「それでも……それでも俺はその時」

ノボルの回想。自転車でミカコと二人乗りしています。そんなにしょっちゅう二人乗りしてたら、傍目にはもうラブラブカップルぜよ。お、セーラー服姿の女学生とすれ違いましたよ。めざとく見つけるミカコ。「あっ城北の制服だよ。見た?見た?ノボルくん」と顔を輝かせています。「いいなあ…」と憧れのまなざし。当時何にも知らないノボルは「大丈夫だよ、着れるさ」と暢気な返事。「うん……」というミカコの寂しげな表情をその時ノボルは見ていませんでしたが、今ならその表情をありありと思い浮かべることができます。

「待っていようなんて……覚えていてやろうなんて……そんな……浅はかなことを本気で考えていたんだ……」
そう……君はやがて知るだろう……時間と距離に引き裂かれてく苦しみと悲しみと切なさを……(by遠野貴樹)

本日は4月中旬並みの気温だったそうで、それはそれは暖かく春を感じたのはいいのですが、花粉も盛大に飛びまくっていますね。私の花粉症はこれまでのところ幸い軽症なのですが、重症の方々はご愁傷様です。

さて、春になって暖かくなると花粉とともに出没するというのが変な人達。ベタベタな例としてはトレンチコートの下は真っ裸というおっさん。実際にいるのかどうかは判りませんが、「春先には妙なのが…」の典型ですよね。ということで、暖かくなってきたので変なマンガを紹介しましょう。天才・吾妻ひでおの「チョコレート・デリンジャー」です。

「チョコレート・デリンジャー」は秋田書店の「月刊プレイコミック」に1980年6月号~1982年7月号の間連載されていたマンガで、それまで主に作品を発表してきた「週刊少年チャンピオン」を離れて青年誌及びマニア誌にシフトした時代の作品です。単行本としては全一巻で、連載終了直後の1982年8月に発売されています。私が持っているのは初版本ですが、再版かかったのかは不明です。

25年以上を経て、青林工藝社から2008年1月に復刊されています。私の持っている本は480円ですが、復刊版は1100円(+消費税)と、何と2倍以上の値段になっているようです。さらに、復刊当時、どうもこの当時実写映画化が進んでいたようです。Amazonの内容紹介によると、

不条理探偵ギャグの金字塔、まさかの実写映画化記念復刊!(杉作J太郎監督/男の墓場プロダクション/2008)ギャグと不条理の絶妙なブレンド具合もこの時期ならでは!連載が進むにしたがい混乱を深める展開もひたすらスリリング!描き下ろしあとがきマンガ収録!

となっています。映画は「男の墓場プロダクション」という凄い名前の映画制作プロダクションが、2007年12月にクランクインしたそうですが、5年以上経った今日までに完成したという話が一向に聞こえてきません。どうやら撮影中断中らしいのですが、本当に完成するのでしょうか?主演のグラビアアイドル松本さゆきは当時22歳だったのにもう27歳になってしまっていますが、再開
は可能なのか?

……ちょっと調べてみたら、2012年6月に撮影を再開したようです。ですが、それにしてもそれから9ヶ月経っているのですが…大丈夫なのでしょうかね。

「チョコレート・デリンジャー」の主人公は、チョコレート・サンデー(通称チョコ)という名の私立探偵で、ヤングアダルトでちょっとロリっぽさもある美少女です。武器はレミントン・ダブルバレル・デリンジャーですが、何と36連発というシュールな特製拳銃です。しかもいくら撃っても狙った目標には当たらない(狙っていないものにはよく命中する)のはチョコの腕なのか銃の特性なのか。

相棒で助手は三蔵さん。これは吾妻ひでおのスター・システムの代表格で、ふとっちょではげ頭にサングラスをかけています。名前の由来は「きまぐれ悟空」で三蔵法師だったことからのようです。本作品ではあらゆる変態技を駆使する一方で、妻子持ちであり、しかも会社勤めをしており、課長という中間管理職を装っています。収入はどこから得ているんでしょうか?チョコがちゃんと支払っているようには思えないのですが。子供達は信じ切っているようですが、美人の奥さんは時々見られる三蔵の変態性に怯える描写もあり、うすうす気付いているけど家庭を崩壊させたくないので見ない振りをしている様子です。表と裏の顔の使い分けに苦労しているところに、単なる変態ではなく、家庭持ちの中年男の悲哀が描かれています。

いろんな意味でお世話になる皿漫田警察の砂苦刑事は常識人ですが、二人に振り回されていつも苦労しています。チョコといいムードになったりもするのですが、肝心なところで様々な邪魔が入っていい目に合いません。

終盤の21話から、ハニー・甘納豆というこれも甘い名前(でもちょっと違和感が)の女探偵が登場します。ちょっと山口百恵似。てこ入れだったのでしょうか。そうだとしたら、26話で終わっているので失敗だったのかも知れません。

このマンガの何がすごいって、とにかくシュールと不条理とナンセンスにSFマインドが加わったカオスの嵐なんです。復刊版についている作者あとがきでは、「復刊を機に自ら読み返してみると『意味判らん』、起承転結の起からいきなり結に飛んでしまって、間の承転が抜けている」と自ら言っています。吾妻ひでおも当時は30歳になったばかりで、若くて元気だったんでしょうね。よく分からなくても勢いで読ませてしまうところがあります。

私が持っている吾妻ひでおの作品はこれ一冊なので、多分一生手放しませんが、アマゾンで中古は安く入手できるみたいなので、SFマインドをお持ちの方は、これを機にぜひ一度読んでみて下さい。

今日は実に暖かでした。春かな~春だな~。缶酎ハイも春限定が出てるし。この冬はかなり寒かったのでもういいやとは思うのですが、油断しているとまだまだ危ない。
本日で当ブログの記事は300回目です。300か~。長いと言えば長い、短いと言えば短い、なんと言っていいのかよく判りませんが、あと2ヶ月位続ければ1周年なんですね。は~。
時々拍手を頂いていて嬉しいです。一周年までに100拍手貰えればいいな~。できればコメントのほうがいいのですが、拍手はとても励みになります。
本日は米原万里の「魔女の1ダース―正義と常識に冷や水を浴びせる13章」です。
米原万里は2006年に亡くなっていますが、ロシア語の同時通訳であった他、エッセイスト・ノンフィクション作家・小説家としての側面もありました。

米原万里は1950年に東京都で生まれました。父が日本共産党代表として各国共産党の理論情報誌「平和と社会主義の諸問題」編集委員に選ばれてチェコスロバキアの首都プラハに赴任することとなったため、一家揃って渡欧し、9歳から14歳まで少女時代の5年間を、プラハにあるソビエト連邦外務省が直接運営する外国共産党幹部子弟専用の8年制ソビエト大使館付属学校に通い、ロシア語で授業を受けたそうです。
日本帰国後は東京外国語大学外国語学部ロシア語学科、東京大学大学院人文科学研究科露語露文学専攻修士課程を経て1983年頃から第一級の通訳として、ロシア語圏要人の同時通訳などで活躍しました。自身も学生時代に共産党に入党しましたが、除籍処分となったようです。
作家としては、1995年に「不実な美女か貞淑な醜女か」で読売文学賞を、1997年に本書で講談社エッセイ賞をそれぞれ受賞している他、2002年に「嘘つきアーニャの真っ赤な真実」で大宅壮一ノンフィクション賞を、2003年に「オリガ・モリソヴナの反語法」で、Bunkamuraドゥマゴ文学賞を受賞しています。
さて、本書「魔女の1ダース」ですが、まずは例によって文庫本裏表紙の内容紹介です。
私たちの常識では1ダースといえば12。ところが、魔女の世界では「13」が1ダースなんだそうな。そう、この広い世界には、あなたの常識を超えた別の常識がまだまだあるんです。異文化間の橋渡し役、通訳をなりわいとする米原女史が、そんな超・常識の世界への水先案内をつとめるのがこの本です。大笑いしつつ読むうちに、言葉や文化というものの不思議さ、奥深さがよーくわかりますよ。
ということで、様々な実話や経験を元に、「所変われば品変わる」のことわざ通り、日本人が常識とか正義だと思っていることが、世界では全く違う見方になるんだよということを縷々語っています。米原万里は駄洒落と下ネタが大好きだったそうで、そのせいでそういう話が多数でてきます。駄洒落は翻訳困難なので通訳泣かせだと言ってますが(笑)。
日本人のシベリア拘留者が残したという川柳「オッパイが先に出てくる街の角」は、ロシア女性の胸の大きさを物語っていますが、日本人には驚きでも、ロシア人にとっては自明の理なので、ウケないエピソードだそうです。また、シベリア抑留者が、功成り名を挙げた後、自分に親切にしてくれた軍人の家族を日本に呼びますが、その来客達を自身が経営するラブホテルに案内したら最先端のホテルだと大いに感心されたという話もあります。その後六本木の全日空ホテルに連れいていったら「まあこれが普通のホテルよね」と言われたり。
著者はとにかく実地での経験が豊富なので、その言葉にはそれなりの重みがあります。文化が違えば価値観も変わる、ということで正義とか常識も一つではない、相対主義と相互理解が大事だという主張に溢れているのですが、ここで作者に対して不満が出てきます。

何かというと、「正解はひとつ!じゃない!!」とミルキィホームズばりの主張はいいとしても、当の本人が独善に囚われている部分が見られるのです。アメリカなど西側先進諸国の主張に対する懐疑・反論はまあわかるのです。私もそうでない国に赴任していた頃に強く感じたことであるので、ロシアなど東側諸国での活動・経験の深い作者ならそうなるのは自然です。しかし、第二次世界大戦での日本にふれた箇所が何カ所があるのですが、その記述については作者は相対化も理解もできておらず、自身の「独善」を押しつけるに留まっていると感じました。
もし「相対化や相互理解は大事だけど、どうしても譲れない部分というものもあるのだ」と主張しているのなら、それはそれで良かったのですが、「正義と常識に冷や水を浴びせる」と言っておきながら自身がそれらに囚われているのなら、どうしても「お前が言うな」という気持ちになってしまいます。また、「どうしても譲れない部分がある」というのなら、他者にもそれがあることを認めなければならないでしょうが、そういった記述は残念ながらありません。
作者は確かに経験豊富なのでしょうが、その主張が経験の範囲に留まっていて、自らを顧みることが出来ていない点は残念です。文化大革命は批判しているものの、中国に対してはほぼ翼賛的な態度も気になります。現在の中国にここまで翼賛的になれる人は、残念ながら今の日本にはほとんどいないでしょう。この本が出たのが15年以上前なので仕方がないのかも知れませんが、当時既に天安門事件などは起きた後であり、これについて何ら言及していないのも奇異な感じです。
あと、正義や常識といった固定観念からの脱却は、SF小説なんかをかじっていれば自ずとなされます。それどころか、人類の普遍的真理とか、人類の存在意義そのものへの懐疑すらもたらしてくれるのがSFなんだと思います。「人類は宇宙に仇なすウイルスやバクテリアの類ではないのか」(「トップをねらえ!」)「そもそも人類はある異星人の目的の為の駒」(「タイタンの妖女」「妖星伝」)といった発想は、相対化の極致だと思います。さらにスケールが大きい話では、宇宙自体がそもそも…というものもありますし(「百億の昼と千億の夜」)。
作者はおそらくSFに造詣は深くなかったと察せられますが、経験論の限界を突破するためにも生前にかじっていて欲しかったなあと思います。そうであったなら、主張やコメントにも変化があったろうに。
作者はエピソードを語る際に、よく学者や知識人の発言・主張を取り上げています。確かにその主張は間違いではないのですが、その人物がその世界で「唯一無二の存在」ではないということには注意する必要があります。私のつたない経験からでも、「この先生の主張を取り上げてもいいけど、あの先生を無視してはおかしいじゃない?」と感じた部分があります。
ということで批判が多くなってしまった感がありますね。本来小説とかは面白くなかったものは取り上げないのですが、こういった作者の主張が色濃いエッセイだと、どうしても反論したくなる部分が出てきてしまいます。作者の主張に共鳴するか、私の批判にうなずくか、ご自身で読んで判断してみて下さい。
今日は啓蟄。大地が温まり冬眠をしていた虫が穴から出てくるころだということです。そのせいか今日は暖かかったですね。関東地方、今週は温かい日が続くみたいですが、山間部では厚く積もった雪が心配ですね。
さて、最近の私の唯一の楽しみは、日曜日の夜に三話まとめ見する「ちはやふる」なのですが、今回は20~22話を見ましたのでその感想などを。今までは凜々しい、真っ直ぐ、熱いと褒めまくってきた我らの千早ですが、ここに来てダメダメな部分も出てきました。
まず20話。女帝から大会参加を禁止される千早。それもそのはず、成績は下から5番目という超低空飛行状態。留年の可能性すらあるみたいです。そして大会の翌日からは定期試験。これで大会に行く方がどうかしています。

かるたに臨む真剣さの十分の一でも勉強にあれば…という机君のセリフにかなちゃん思わず貰い泣き。千早、不憫な子!

肉まん君も危ない教科があるらしく、結局大会参加は太一のみ。机君こと駒野先生の勉強会が開催されますが、なんと抜け出して応援に行ってしまう千早。しかし到着したらもう太一は敗退していました。しかしそこには復活した新の姿が。
こっそり応援に来ていたかなちゃんに見つかって連れ戻される千早。机君、ここで名言発動!「やりたいことを思いっきりやるためには やりたくないことも思いっきりやんなきゃいけないんだ!」顔は記号みたいだけどカッケーぞ机君!!

そして太一は学年一位をキープしないとかるたを禁止されるということも聞いてようやく目覚める千早。
一方の太一。準優勝二回を評価してA級に昇格させようかという原田先生の言葉に対し、「先生、俺はA級になるより…逃げない奴になりたい」

すごいぞ太一!あの卑怯な小学校時代が嘘のようだ!決して得意ではないかるたに打ち込んで一番精神的に成長しているのは太一かも知れませんね。太一に限らず、かるた部部員は全員なんだかんだと成長著しくて見ていて爽快です。千早が一番成長していないような…
続いて21話。試験もようやく終了して全教科で赤点を免れる千早。女帝も学校中に聞こえるような大きな声でカミングアウトするな(笑)。まあそんなことは全然気にしないのが千早のいいところですが。

晴れて東日本大会に出場する千早。相手は現クイーン若宮詩暢と同じく小学4年生にしてA級に昇格したという天才・立川梨理華。お母さん同伴です。耳が大きいからといじめられ、コンプレックスだったのですが。

かるたと出会って耳がいいと褒められたことで明るくなったという梨理華ちゃん。

「かるたでもなんでもいい、何かを好きになってほしい、自分を好きになってほしい」と願うお母さんの気持ちに思わず貰い泣き。いいお母さん持ったなあ。そして「きっとりりかちゃんも、最初は(才能があるって)言ってもらったんだ」と自分の子供時代と重ねる千早。子供相手に本気出して勝つ千早ですが、この対戦は爽やかでした。

さらに22話。一回戦を勝ち上がった千早の次の相手は、何と前クイーン・山本由美。通称ユーミンという彼女、容姿も名前も平凡です。しかも中学三年生の若宮詩暢に完敗して以降は情熱も失ったみたいな。しかし詩暢と同い年で美人の千早が「一枚も取られたくない」という妙なファイトを燃やしてきたことで覚醒してしまいます。

彼女、クイーンになる前は「モメユミ」と仇名されるほど揉める人だったのです。クイーンがそれではみっともないと封印していたのを、もうクイーンじゃないと解放。

大の大人のクレーマーぶりに押されまくる千早。萎縮して譲ってしまいます。この辺、千早のメンタルの弱さが気になってしまいます。千早は育ちがいいんでしょうね。これまでこういうクレーマーに出会ったことがないのでしょうか。まあ前クイーン相手に増長した態度を取ってしまったのも良くなかったのですが。

しかし、これまでアニメではあまり描写されてきませんでしたが、実際のかるたでは頻繁に揉めるみたいですね。千早の成長という観点からすると、こういうタイプと当たって苦杯をなめるのもいい薬なんでしょうが、クレーマー化してしまう千早は見たくないですね。
ここに来て千早のメンタルが豆腐であることが明らかになってきました。これまでも大会当日に倒れたりと、そういう気配はなくはなかったのですが。千早は個人戦では気弱になるタイプなのでしょうか。クイーンに善戦した糸目男爵・須藤にも団体戦では勝ったというのに。Zガンダムのカミーユみたいに「俺の体をみんなに貸すぞ!」なタイプ?

ところで、実際、両者が絶対折れなかったらどうするんでしょうか。クラウゼビッツは「戦争は別の形をもってする政治の一形態である」と言いましたが、「それなら腕で来い!」ということに?フェンシングのように機械判定とか必要なんじゃないでしょうか。
ここからは妄想ですが、「畳の上の格闘技」といわれるのであれば、実際にフィジカルコンタクトしたらどうでしょうか。アメフトみたいにまずはぶちかまして相手を吹っ飛ばしてから悠然とかるたを探したりして。額を相手の顔面に叩き込むべし!あるいは札を取りに行くと見せかけて相手の手に手刀を叩き込むとか。で、ちょっと考えてみましたかるたに使える技。
「アストロ球団」から使いたい技
その①ジャコビニ流星打法:まとめて払ったかるたが相手の顔面に向かって飛ぶ!
その②殺人X打法:これも取った札を相手の顔面に刺します。一枚だけだけど目に入ると危険。ヒジでええから目に入れろ!
「魁!男塾」から使いたい技
覇極流拳止鄭。伊達臣人の使う覇極流活殺拳の奥義。両拳による真剣白刃止めですが、囲い手なんかに決めると効果的でしょう。その真髄は相手の拳を止める事ではなく、破壊して使えなくする事にあります。相手の選手生命が危ない。
「北斗の拳」から使いたい技
五指烈弾:北斗神拳奥義。敵の攻撃に合わせて自らも指先を突き出すことで、手先の秘孔を的確に指突します。かるたを取った相手の手にわずかに遅れて合わせると効果的でしょう。手首より先の部分が爆裂してしまうので、喰らってしまうともう二度とかるたはできません。相手が北斗神拳伝承者であった場合、棄権した方がいいでしょう。
さて今回も顔芸小特集。3話分だけですが結構やってます。
20話。女帝から進級が危ないと聞いて愕然とする千早。そりゃ学年5位(下から)じゃねえ。

同じく20話。それでも太一の応援に勉強会を抜け出した千早に送られた机君のメールを見て。「今やるべき事から目をそらすのは、逃げではないのか。」全くの正論です。

同じく20話。それでもやってきた大会場で、すでに太一が敗退した後だと知って。

21話。太一が暗唱してかるたを詠んでいたと知って。それが太一の強みでもあり弱みでもあり。

同じく21話。ドS糸目男爵・須藤から、かるたで大学の推薦もあると聞いた千早。クイーンにでもなってから浮かれてくれ。

同じく21話。梨理華のウルウル顔に釣られた千早。昔の自分を重ねています。

22話。やる気のないユーミンに対し、「一枚も取らせたくない!」と妙な闘志をかき立てる千早。雉も鳴かずば撃たれまいに。

同じく22話。前クイーンのいちゃもんにタジタジの千早。実際のかるたってこういうものかも知れないけど、千早がやり出したらもう見ませんから!

最後に綺麗な千早を。まずは20話。太一から会場に新がいると聞いた瞬間。なんと美しい。こんな表情をされたら太一がジェラシーに灼かれるはずです。

22話。ユーミンがクイーンになった場面を見ていた中学二年生の千早。中学生時代の千早はすごく可愛いのでもっと出して!

さあ次はいよいよ第一期ラスト3話です。
春が本格化しつつある、そんな気がする一日でした。東京の今週後半は最高気温20度なんて予報が出ています。いよいよ厳しかった寒さも去って暖かい春が来るのでしょうか。暖かくなるのはいいのですが、暑くなるのは控えてね。
本日は急遽送別会が入ってしまいました。そういうシーズンなんですね。当日言われてそれでも参加できる都合の良い男になってしまいましたが、無事これ名馬(ちょっと違う)。
それでは本日の記事に言ってみましょう。今日は森絵都の「カラフル」です。

森絵都の作品が今回初めて読みました。森絵都は1968年4月生まれで東京都出身。早稲田大学第二文学部社会人間系専修を卒業しています。1990年に「リズム」で講談社児童文学新人賞を受賞しデビューしました。同作は椋鳩十児童文学賞も受賞しています。主として児童文学方面で活躍してきた方で、その傍らでアニメーションのシナリオも手がけています。
今回の「カラフル」は産経児童出版文化賞を受賞しており、実写映画化・舞台化・アニメ映画化がされています。また小学館児童出版文化賞を受賞した「DIVE!!」も映画化もされています。2006年に「風に舞いあがるビニールシート」で直木賞を受賞しており、児童文学の枠を脱した大人向けの作品も執筆しています。
本書については、文庫版裏表紙の内容紹介よりAmazonの商品説明の方が詳しいので今回はそちらを。
死んだはずの「ぼく」の魂にむかって天使が言った。「おめでとうございます、抽選にあたりました!」。そうして、ぼくは輪廻のサイクルに戻るために、下界にいるだれかの体を借りて(天使業界では「ホームステイ」というのだそうだ)前世で犯した悪事を思い出さなくてはならなくなった。
乗り移ったのは「小林真」という自殺したばかりの14歳の少年。ところが、真は絵を描くのが得意な以外は、親友と呼べる友だちもいない、冴えないヤツだった。父親は自分だけよければいい偽善者で、母親はフラメンコの先生と浮気中。しかも、好きな女の子は、中年オヤジと援助交際中ときた。しかし、ホームステイの気楽さも手伝って、よくよく周りを見回してみると、世界はそんなに単純じゃないってことが次第にわかってくる。
森田芳光の脚色で映画化もされた、多くのファンをもつ1冊である。著者は、講談社児童文学新人賞受賞作「リズム」でデビューした児童文学界のトップランナー、森絵都。シナリオライターだった著者による本書は、生き生きとしたセリフが心地よく、軽快なテンポで一気に最後まで読ませる力をもっている。そして、周りを見渡せばすぐにいそうな登場人物との距離感が、物語をよりリアルにみせてくれる。
中学生が主人公である本書は、中学生に読んで欲しい本ではあるが、「世界はたくさんの色に満ちている」というテーマは、どの世代にも共感できるもの。かつて中学生だったすべての大人にもおすすめしたい。
…ということで、もう舞台設定などの説明はいらなくなってしまいました。「ぼく」は一体何者で、何をしでかして罪を問われているのかということを、ガイド役の天使「プラプラ」のいい加減なサポートで追究していこうとするのですが、どちらかというと「小林真」としての生活に流されまくっているような感じがします。個人的には「プラプラ」のイメージは「エルシャダイ」のルシフェルという感じがするんですが。もしかするとルシフェルの方が「プラプラ」の影響を受けているのかも知れません。

本書は1998年7月刊行ということで、現在より15年前なのですが、既に中学生が携帯を利用していたりして、あまり古さを感じさせません。3万近い高級スニーカーとかそれを強奪しようとする不良グループとかが出てくるあたりは、「ああ、そういう時代があったな~」という気にさせますが。
「プラプラ」の当初の説明では、どうしようもない裏のある家族だということで、「ぼく」もその先入観念に囚われて家族に対して冷たい態度を取る(ホームステイだし)のですが、どうやらその説明は、必ずしも真実ではなく「小林真」の生前の認識に過ぎなかったということが次第に明らかになっていきます。
また、「小林真」が好きだった「桑原ひろか」(お金欲しさに援助交際実行中)はやっぱり可愛いと「ぼく」も思ってしまったり、自殺前後で性格が変わったと指摘する佐野唱子という女の子(生前の「小林真」は存在を認識していなかった模様)が登場したりして、「ぼく」が演じる「小林真」は様々な事件に遭遇していきます。
実は中盤で結末が判明してしまいました。別にミステリー作品ではないので、だからつまらなくなってしまうという訳ではないのですが、ミステリーをかじったことがある人にはわりと簡単な仕掛けかな、なーんて。あまり推理力を働かせずに読み進めた方が吉でしょう。なぜ判るのかについては、書けば書くほどネタばれになってしまうのでマイッチングです。
あと「抽選で当たる」というシステムも本当かどうか。何しろ「プラプラ」は必要があれば平気で嘘をつくみたいだし。「椿山課長の七日間」の「あの世」もやたらお役所仕事風で下世話な感じでしたが、「カラフル」のあの世はもっといい加減で、「ボスの命令」だというインチキ臭い天使が一人出てくるだけです。他の魂とか天使とかは一切出てこないので、本当の事を言っているのかどうか判断の根拠がないですね。悪魔が天使に化けて出てきているだけなのかも知れません。

2000年に森田芳光監督により実写映画化されています。KAT-TUNの田中聖が小林真を演じています。文庫版の解説を書いている阿川佐和子が母役を務めています。この人、エッセイストとかタレントとかしていは有名ですが、女優としてはどうだったんでしょうね。映画未見なのでわかりませんけど。不倫相手のフラメンコの先生が筧利夫、桑原ひろかの援助交際の相手が林家こぶ平(現在は九代目林家正蔵)というあたり妙なリアリティーを感じさせます(笑)。

2010年のアニメ映画は、女優・俳優を多数起用しています。佐野唱子が宮崎あおい、桑原ひろかが南明奈、母が麻生久美子、父が高橋克実(「梅ちゃん先生」でもお父さん役でしたね)などなど。第65回毎日映画コンクールアニメーション映画賞ほか、数々の映画賞を受賞しており、受賞歴のない実写版よりも評価は高いようです。

また、劇団ひまわりによる舞台化も行われています。2010年に上演して、大好評だったようで、翌2011年にも上演されています。

結末はハッピーエンドですが、母親の不倫問題だけは未解決案件として残っていると思います。関係自体は終わったということですが、家族では「小林真頃」だけしか知らないことなのですが、他の家族に正直に告白するのかとかは結構深刻な問題のような気が。母は「父も若い頃は色々…」というようなことを言っていますが、じゃあカミングアウトできんのか?と言えば再び家庭崩壊の危機が迫るような。実は妊娠なんてことになると一気にダーク展開で、私はそっちの方が好きなんですが、森絵都的にはありえないことでしょう。

今日は3月3日。上巳の節句は桃の節句、雛祭りですね。女の子のいる家庭では雛人形を飾って、ちらし寿司や蛤の吸い物や雛あられを食べているんでしょうか。五節句の一つだし、5月5日の端午の節句は祝日なんだから、3月3日も祝日にすればいいのにと思いますが、明治になって新暦を採用した時に五節句は祝日ではなくなったそうです。1月7日の人日の節句、7月7日の七夕の節句、そして9月9日の重陽の節句も祝日ではないので、むしろ「子供の日」として祝日となっている端午の節句の方が異端なのかも知れませんね。

さて声優の日曜日(もう完全に開き直りました)、瀬戸麻沙美と植田佳奈も必ず取り上げるぞと心に誓いながら、今日のご贔屓声優は「みゆきち」こと沢城みゆきです。

沢城みゆきは1985年6月生まれで現在27歳。まだ若いですが、声優としての活動は1999年からということで、芸歴はベテランの域ですね。同年、中学2年生の時に「デ・ジ・キャラット」の声優オーディションで審査員特別賞を受賞し、同作品のプ・チ・キャラット(ぷちこ:でじこの妹分)役でデビューしました。

声優養成所に通わないままにオーディションに合格してデビューすることになりましたが、「デ・ジ・キャラット」で共演した氷上恭子との縁により、マウスプロモーションに所属し、同事務所付属の俳優養成所で演技の指導を受けました。声優業の傍らで2008年3月に大学を卒業し、2007年には演劇活動を開始、2009年には特撮作品で声を当てるなど仕事の幅を広げ、2009年の第3回声優アワードで助演女優賞を受賞し、2010年の第4回声優アワードでは主演女優賞を受賞、2011年には第5回声優アワードで海外ファン賞を受賞するなど、3年連続で受賞しています。

第3回声優アワードでは「確かな演技力で実に数多くの作品を支える演技派。今後の声優界を牽引していくであろう若手声優の一人」、第4回声優アワードでは「数多くの作品を誠実な芝居で支えてきた彼女が、全く趣の異なる2作品で主演をつとめた」、第5回声優アワードでは「数多くの作品を幅広い演技で支えており、海外のファンからも高い評価を得ている」と評されており、彼女への内外の高い評価がうかがわれます。
ホームページやブログ、Twitterアカウントなどを持っていないそうで、情報発信をせず、プライベートが見えてこない声優さんですね。

英語に堪能で、非常に発音が上手いそうです。「ストリートファイターIV」のキャミィ(イギリス人のキャラクター)の海外版ボイスを収録する際、サンプルとしてオリジナルである沢城のボイスを流した時、「おい、まだ収録するな」と海外のスタッフが勘違いしたという逸話があるそうです。英語は大学で学んだそうで、アメリカにもホームステイしたのだそうです。上述のとおり、第5回声優アワードで海外ファン賞を受賞していますが、海外の人達から選ばれたという事で、「どっかで配信されてるんですよね?ちょっとだけご挨拶させて下さい。」と、英語や中国語、ドイツ語などで挨拶を行ったほか、さらに英語でスピーチを行ったそうです。多言語に堪能とは怖れ入谷の鬼子母神。

私が沢城みゆきを初めて知ったのは、ギャラクシーエンジェルのミント・ブラマンジュだったのですが、わざとらしいほどの上品なお嬢様風の声で、こういう声の人なのかと思っていたら、ローゼンメイデンの真紅や化物語の神原駿河の声を聞いて、全然違うのでびっくりしました。どんなキャラでもこなす幅広い演技力は凄いですね。最近ではかの峰不二子の三代目のCVとなりましたね。増山江威子さんの印象が強いからなあ…なんて思ってたら、増山さんなんともう76歳!これはビックリ仰天です。70歳過ぎてあんな声を出していたとは…ある意味魔女ですね。それじゃ今後40年はみゆきちの峰不二子なのか?
それでは私が知っている沢城みゆきの演じたキャラです。例によって原則的に古い順です。
ミント・ブラマンジュ(ギャラクシーエンジェル・シリーズ)

ゲームとアニメではキャラの性格付けが全然違うそうなので、ゲーム版で。エンジェル隊の参謀格で名門ブラマンシュ財閥のお嬢様です。青いショートカットの髪から白い「耳」が覗いています。身長は123cmときわめて小柄で、一見子供にしか見えませんが、これはミントの最大のコンプレックスなので指摘しない方が吉です。

キュートな見た目と声に反し、案外抜け目のないチャッカリした性格をしているのは、商家の出(財閥を商家というのも何ですが)故だそうです。その関連で話術が得意で相手を手玉に取ることもしばしばです。好きな食べ物は合成着色料&添加物てんこもりのジャンクフードで、秘密の趣味は着ぐるみのコスプレです。

頭の「耳」は体の一部で、テレパシーのための器官であり、ミントの一族は全員同様の耳が生えています。故にミントにはテレパシー能力があり、人の心理の裏側に隠されている暗い本質を知ってしまうこともあり、他人に心を許せない面がありました。何か琴浦さんみたいですね。しかし主人公タクトやエンジェル隊メンバーとの絆が深まるにつれ、人嫌いは払拭されていきました。

彼女の乗る紋章機GA-003トリックマスターは、高性能レーダーや強力なECMを搭載した電子戦仕様の機体で、戦闘中はエンジェル隊の司令塔的な役割を果たしています。

左右の弧を描くブームはレーダーアームと呼ばれ、ECM発生装置やレーダーを内蔵しており、これを使ってトリックマスターは自在に走行方向を変えられます。機体中央に装備されている稼働式の円盤型レーダーは敵を照射し続けることにより、アクティブホーミングのサポートをします。紋章機全般に共通することですが、トリック・マスターの性能はパイロットであるミントのテンションによって性能が上下してしまいます。

最大の特徴は、遠隔操作砲台のフライヤーを持つことです。このフライヤーにはプラズマ砲が搭載されており、これを用いての間接攻撃を得意としています。必殺技は、全てのフライヤーを同時操作する事による一斉範囲攻撃「フライヤーダンス」です。フライヤーダンスはGA型紋章機の特殊兵装では唯一、目標が前方になくても攻撃可能な技であり、一作目では最強と目された必殺技でした。

偵察・間接攻撃型とされる紋章機で、本編中ではこの機体が頻繁に哨戒任務に出撃しており、平時であってもエルシオールの「眼」として活躍しています。
真紅(ローゼンメイデン・シリーズ)

人形師・ローゼンによって究極の少女・アリスを目指すべく作られた不思議な力を持つ7体のアンティークドール「ローゼンメイデン」(薔薇乙女)の第5ドールで主人公です。薔薇乙女という名前にもっとも相応しい色をしています。

プライドが高くマナーに厳しい女王様気質の人形で、常に冷静沈着で貫禄や威厳すら感じさせる言動を多くしています。好物は紅茶ですが、自ら淹れることはなく、専ら契約者である桜田ジュンやのりに淹れさせています。テレビ番組「くんくん探偵(劇中劇)」が大好きで毎日欠かさず見ており、その熱愛ぶりは、冷静さを失う程です。

ドールはいずれも人工精霊を持っていますが、真紅のホーリエ(赤)はかなり優秀です。第1ドールの水銀燈とは犬猿の仲ですが、それは過去に因縁があるせいで、そのエピソードは特別編「オーベルテューレ」で描かれてしましたが、どうにもこうにも真紅に非があるような。このシーンを見てみて下さい。水銀灯が可哀想可愛い(笑)。

http://www.youtube.com/watch?v=ooD1--2sZtQ

服装は真紅のワンピースに、ケープコートとボンネット状のヘッドドレスを着用。瞳は碧眼で髪型は背丈よりも長く先がカールした金色のツインテールです。契約者のジュンを叩く時に鞭の様に使用することがあります。

アニメは、ステッキを用いた接近戦と薔薇の花弁を射出することによる遠距離攻撃や防御壁を使用しており、遠距離戦も近距離戦もこなす万能の戦闘力は水銀灯と似ています。

第一期最終話「真紅」での、右腕を水銀灯に破壊され、ジャンクになってしまったと嘆くシーンを初めて見た時、沢城みゆきの演技力の高さに恐れ入りました。そしてミントと同じ声優だと知って二度びっくり。

なお、ネットでは真紅には「不人気」という俗称があります。公式人気投票で水銀燈や翠星石に抜かれて4位だったことが発端とみられますが、どちらかと言えば第二期「トロイメント」での性格改変や特別編「オーベルテューレ」での水銀燈への仕打ちに代表されるような印象の悪さによるのではないかと思われます。

エリザベスとチドリ(ペルソナ3)
ペルソナ3については、ペルソナ4と共に今後必ずギャルゲー紹介するつもりなので詳細は省略しますが、どちらも脇役ながら印象的なキャラクターです。

エリザベスは 銀の髪をショートボブに揃え、青を基調としたエレベーターガール風の衣装を纏う、金眼の美人で、主人公がペルソナの合体を行うベルベットルームの住人です。

落ちついた口調と立ち振る舞いから一見すれば知的でクールなただの美女に見える。ベルベットルームの主イゴールに生み出されたという生まれの故か、現実世界への知識はあるものの、それに対する「常識」に極めて疎く、子供のように強い好奇心をもつため、主人公に様々な依頼をしますが、時折想像もつかない方向へ行動が突き抜ける事もあります。ゲーム上では、主人公がそれまでに獲得したペルソナを、自身のもつ本「ペルソナ全書」に記録し、それを自由に引き出してくれるという役割を担っています。

実は最強クラスのペルソナ使いで、彼女の最後の依頼は彼女に勝つことなのですが、ゲーム史上でも稀に見る超強力な隠しボスの一角として、プレイヤーのトラウマになっています。その強さは、「ラスボス倒して最強装備、最強ペルソナ、最高レベル」に達していても、何も知らずに真っ正面から戦えば一瞬にしてボコボコにされるほどです。戦うことは必須ではありませんが、戦えばラスボスもぶっとびの最強というか最凶の強さを見せてくれます。「ペルソナ4」では「3」の主人公を救うために姿を消しており、代わって姉のマーガレットが登場します。んお、名前の由来は映画フランケンシュタインの花嫁に登場するエリザベスからだそうです。

一方チドリは、敵として登場してくるストレガの一員です。ストレガはネット上に復讐代行サイトを開き、それに書き込まれた依頼を影時間を利用して行っている3人組で、元々は孤児で、桐条グループの研究員によって人工的に生み出されたペルソナ使いのようです。主人公達と違って「ペルソナを飼いならせない」ため、特殊な薬でペルソナ能力を抑制しています。

チドリは白いゴスロリに身を包んだ端正な顔立ちの少女で、主に情報収集を担当しています。枯れた花を蘇らせたりする、癒しの力を持っています。虚無的な性格をしており、言葉どころか感情を表に出すことすらまばらな、文字通りの「人形のような少女」です。絵をかく事が趣味ですが、前衛的過ぎて万人受けしない絵であるようです。

当初はストレガのリーダーであるタカヤとその思想に依存していましたが、主人公の仲間の伊織順平との出会いによって少しずつ変わっていき、彼に心を開くようになります。「死なんて目が覚めなくなるのと一緒」と公言してはばからなかった彼女は、順平と交流するうちに「失うことの恐れ」を知るようになり、その恐怖に耐え切れずに順平を拒絶し、タカヤの言葉に応じて再びストレガに復帰し、主人公達に敵対します。

最後は、順平がタカヤの銃弾に倒れ瀕死に陥った際、自らの命を注ぎ込み甦生させた事で力尽き、彼の腕の中で穏やかな笑みを浮かべ息を引き取ります。順平との関係は悲恋で終わりましたが、ペルソナ抑制剤は劇薬のため、余命は2年ほどしかなかった模様です。追加要素の加わった「ペルソナ3フェス」では復活イベントもあるそうですが、私は未見です。
神原駿河(化物語シリーズ)

主人公の阿良々木暦より1学年下の後輩でバスケットボール部のスターです。運動神経抜群で、超人的な脚力を持っています。戦場ヶ原ひたぎとは中学以来の先輩・後輩関係で、勤勉で人当たりも良く爽やかな性格です。

実はBL好きな腐女子で、更に同性愛者、マゾ、露出狂、欲求不満でもあります。異名は「エロっ子ちゃん」。ひたぎを熱愛し、ひたぎと交際するようになった暦を嫉妬心から一時期ストーキングしていました。

両親は小学生の時に交通事故で死亡しており、現在は父方の祖父母の家に引き取られています。母・遠江が残した「悪魔の手」に「先輩と昔のような関係に戻りたい」と願いましたが、悪魔はその願望の裏にあった「阿良々木暦を排除したい」という願いを叶えようとしました。

暦とひたぎの活躍により願いは叶わず、左腕は悪魔の腕のままとなり、包帯で隠しています。それ以来ひたぎとは以前のような関係に戻り、暦とも良好な関係を築いています。
Y(人類は衰退しました)

主人公の「わたし」(通称マイちゃん)の学舎時代からの悪友です。出会った当初はマイちゃんとは険悪な仲で意地悪もしていましたが、色々な出来事の末、仲良くなりました。

国連所属の研究者で、人類史調査のためにマイちゃんの住むクスノキの里の隣の里に転任してきました。 学舎時代からの筋金入りの腐女子で、学舎の図書館から無断で持ち出したボーイズラブ関係の書籍類を秘密のスペースに溜め込んでいましたが、それが嵩じて「楠」というボーイズラブ専門の「同類誌」(要するに同人誌)を出版したり、「同類誌頒布会」(要するにコミケ)を主催するなど、その道の第一人者としても成功を収めています。

女騎士(まおゆう魔王勇者)

まだ終わっていない最新作。勇者のかつてのパーティーメンバーの1人で、元はある国のお姫様だったそうですが、国滅亡後は湖畔修道会預かりとなり、そこで聖騎士の修行をしていました。

勇者と出会って行動を共にするようになりますが、聖騎士(パラディン)らしく騎士の剣技と回復・防御系の魔法を得意としています。勇者に恋愛感情を抱いていますが、その想いに全く気付いて貰えません。

勇者がひとりで魔王城に行ってしまった後、湖畔修道会の指導者になりますが、魔王が修道会への協力を求めたことで勇者と再会し、協力していくことになります。

魔王とは勇者を巡る恋のライバルという関係であるが、良い友人でもあります。顔のそばかすと貧乳がコンプレックスだったりして。
人気と実力を兼ね備え、アニメだゲームだ吹き替えだ、さらには舞台だ歌手だと各方面で引っ張りだこなみゆきち。お体には気をつけて。

昨日の春一番で北に吹いていった風が、今日は北から戻ってきたという感じの強い北風が吹いています。その割にさほど寒くはないのですが。3月は英語でMarch。英国では冷たい風が吹く月というイメージがあるそうで、March winds and April showers bring May flowers.(3月の風と4月の雨が5月の花をもたらす)という諺があります。日本人だと花というとまずは桜なので、英国人とはちょっとイメージが違いますが、これからは色々な花が咲き出してくるので、それを見るのは春の楽しみの一つではありますね。

さてギャルゲーの土曜日、先週のBLACK/MATRIXⅡはギャルゲーなのか?と問われれば、いろいろ突っ込みどころはあるのですが、ヒロイン選択があるゲームはなべてギャルゲーと言い得るというのが当ブログの解釈なのでご了承下さい。「仕様です」って奴ですか(違う)。本日はやろうやろうと思いながら踏ん切りが付かなかった「Ever17 -the out of infinity-」です。

「Ever17 -the out of infinity-」はKIDより2002年8月にドリームキャスト版とプレイステーション2版が発売され、以降、改良版である「Ever17 -the out of infinity- Premium Edition」が2003年5月から2005年5月にかけてPC版、DC版、PS2版などが発売され、2009年3月にはPSP版が発売され、さらに2011年12月にはEver17 (リメイク版)がXbox360版で発売されるなど、息の長い展開が行われています。

ジャンルとしては恋愛アドベンチャーゲームとなっていますが、近未来を舞台としたSFアドベンチャー(し、しかし時代が追いつきつつある…)でもあり、公式サイトでは「シナリオに仕掛けられた謎の全貌を解き明かすことがゲームの目的」という旨のゲーム紹介があります。

本作は名作として知られており、北米で発売された数少ない恋愛アドヴェンチャーであり、かつ極めて高い評価を受けた作品でもあります。ただし、感想を書こうとすると、いうなればアガサ・クリスティーの「アクロイド殺し」「そして誰もいなくなった」「オリエント急行殺人事件」なんかの感想を書こうとした際と同様のジレンマが生じるのです。要するに作中に仕掛けられたトリックが極めて巧妙なのですが、ネタバレをしてしまうと感動が半減してしまうということです。

それと、全ての攻略対象ヒロインをコンプリートしないと本当のエンディングにたどり着くことができず、トゥルーエンドの感動がまたひとしおなので、一層書きにくいのですね。ずっと昔の作品ならもういいかとも思うのですが、いまだに現役で販売されている訳ですし。

ということで、今後興味のある方はぜひPSP版ないしXbox360版でもやっていただくとして、核心に迫らない外周部分あたりを当たり障りなく紹介したいと思います。ちなみに私がプレイしたのは最初期版のPS2版でしたので、以後の新作とは異なる部分があるかも知れません。

ゲームの主人公は、倉成武と記憶喪失の少年の2名で、倉成武の視点でプレイする武編と、記憶喪失の少年の視点でプレイする少年編にシナリオが二分されています。武編と少年編のどちらをプレイするかはプレイヤーの選択に委ねられていますが、リメイク版では、初回プレイ時は必ず武編となり、いずれかのグッドエンドを見た後に少年編を選択可能となるそうです。

このゲームは恋愛アドベンチャーゲームに分類され、武編では小町つぐみと茜ヶ崎空、少年編では田中優と松永沙羅が攻略対象ヒロインとなります。第五のヒロイン・八神ココのシナリオ(ココ編)はトゥルーエンドに繋がるため、4つのシナリオ(つぐみ編、空編、優編、沙羅編)でグッドエンドを迎えないと出てきません。

物語中にはあるトリックがあり、その伏線は各編の随所に「不可思議な現象」として提示されるのですが、通常のグッドエンドでは謎が解けるどころか、クリア前よりも謎が増えるような形で終わってしまうので、仕掛けの全てが明かされるココ編まで頑張ってクリアしなければなりません。というか、途中で止めてしまうとあの感動が味わえないというある意味ストイックなゲームですね。ただ欠点としては、最後までやると「ああ、こういうことか!」と判ることが、ゲーム途中だと「なんだこの冗長な展開は」という感想に繋がってしまうことです。極限の遭難状態にもかかわらず途中に中だるみしてしまう部分があることは、このゲームの欠点とも言えるでしょう。

ストーリーです。舞台は2017年5月の、様々な法律の改正や技術の発展が行われた近未来の日本です。もうちょっとこの世界は実現不能な気がしますね…。海洋テーマパーク《LeMU(レミュウ)》は、かつて存在したかも知れない「レムリア大陸」の名を冠し、遊園地を丸ごと海の中に沈めるという斬新な形式のテーマパークです。海中をゴンドラで泳ぎ、視界を覆いつくすほどの魚を見上げながら散歩する。それはまさに現代によみがえった夢の大陸でした。

突如、耳を劈くような緊急避難警報が響き渡ります。怒涛のごとく襲い掛かる鉄砲水。浸水を防ぐため自分たちごと閉じ込めようとする防水隔壁。何とか一命をとりとめ脱出経路を探すうちに、主人公は、同じ境遇にある生存者たちを発見します。閉じ込められた生存者は6人。

地上に直通した第一階層は完全浸水しており、脱出用の通路や非常階段やエレベータも通行不可能。外部への通信も全く通じず、ただ助けを待つことしか出来なくなってしまいました。しかし空気も食料もまだ余裕があり、当分は生存が可能です。LeMUの完全圧壊予想時間はおよそ5日後。

脱出の目処がまったく立たないものの、即座に自らの命が脅かされる状況でもない中、焦燥と弛緩の上で不安定に揺さぶられつつも、LeMUから生きて脱出するために6人の生存者たちは協力して生き残る覚悟と連帯感を固めるのでした。

舞台となる海洋テーマパークLeMUは、宇宙ステーションのような形をしており、全部で4つの階層に分かれています。最上部は浮島であり入り口でもある地上部分のインゼル・ヌル (Insel Null)。第一階層であり地上への直通部分のエルスト・ボーデン (Erst Boden)。第二階層は種々のアトラクションが存在するツヴァイトシュトック (Zweitstock)。最下部がレムリア大陸関連の展示品が並ぶ第三階層、ドリットシュトック (Drittstock)です。

大勢の人々で賑わっている最中、突如緊急避難警報がなり、原因不明の浸水が発生し、地上との直通部分であるエルスト・ボーデンが完全浸水してしまいます。緊急避難警報の理由も浸水の理由となった急激な気圧減少も原因が不明です。地上に出るための通路は浸水したために隔壁が降りて、完全途絶しています。

地上に向かうエレベータも全く動かず、その理由も不明です。地上にいる者達の中には閉じ込められてしまった者達の知人がおり、まだ中に人がいることを知っているはずなのに、外部からの接触は一切なく、その理由もやはり不明です。生存者は自分たちの存在を知らせようと通信を試みますが、なぜか一切の通信手段が途絶しています。6人の生存者たちは、来るか分からない救助を待つことしかできなくなってしまいます。

それでは登場キャラ紹介。ギャルゲーだけあって主人公以外は皆若い女性という素敵すぐる設定です。まずは主人公二人。
倉成武

20歳の大学3年生。明るい性格の熱血漢で、生存者のリーダー格となって一行を引っ張っていきます。
少年

記憶喪失のため、名前・年齢・職業など一切不明ですが、外見から15歳程度と推定されます。名前がわからないので、周囲から便宜上「少年」と呼ばれています。もうちょっと名前考えようよ(笑)。

続いてヒロイン達です。

小町つぐみ(CV:浅川悠)…ささみさんのお母さん・月読呪々だ!

7月5日生まれの17歳。血液型はAB型。職業不明・経歴不詳の少女です。艶やかな黒い長髪をなびかせた、黒ガウンに黒ロングスカートの黒ずくめ。多くを語らず、馴れ合いを嫌うニヒルな性格です。ジャンガリアンハムスターのチャミを連れている。なぜか少年編では、武編より態度がとげとげしくなります。

田中優美清春香菜(CV:下屋則子)…Fateシリーズの間桐桜です。可愛いのに蟲まみれ…

3月30日生まれの18歳。血液型はO型。鳩鳴館女子大学教養学部人文科学科1年です。無茶苦茶な名前は「ゆうびせいはるかな」と読みます。あまりに名前が長いので、普段は「優(ゆう)」または「なっきゅ」と呼ばれています。はきはきとした活発な性格で、LeMUではアルバイト中に事件に巻き込まれます。

趣味は温泉巡り、オカルト研究、超古代文明研究。初対面の人物に対しても物怖じせずに対応するほか、なぜか体術的にも優れており、踵落しが必殺技です。武に対しては口よりも先に手が出ます。

茜ヶ崎空(CV:笠原弘子)…ラングリッサーⅢのルナですね。今回は「♪いっきものじゃな~い♫」

4月2日生まれの24歳。血液型はA型。LeMU開発部のシステムエンジニア……という設定のLeMUの管理コンピュータの端末です。 涼やかな雰囲気を漂わせる、乳白に花の装飾のついたチャイナドレス姿の素敵な女性の姿(涙)。趣味は人との対話、芸術、蟻の観察などです。いつしか人間らしさを獲得し、武に恋をするように……。人外でも好きだ、空!

松永沙羅(CV:植田佳奈)…清澄の白い魔王こと宮永咲、あるいは「マリ見て」の福沢祐巳、はたまたFateシリーズの遠坂凜。植田佳奈は好きな声優さんで取り上げない訳にはいきませんね。なんで今まで取り上げていないんだ!ど忘れか!



1月21日生まれの16歳。血液型はA型。鳩鳴館女子高等学校2年生で優の後輩です。制服姿で、 知性の広さを感じさせる少女です。驚異的なコンピュータに関する技術を持っている。優からは「マヨ」と呼ばれています。学校の行事でLeMUに来ているところに今回の事件に巻き込まれますが、なぜか武編には登場しません(この辺がトリックの鍵なんですが)。趣味はハッキングで、忍者に憧れていて、頻繁に語尾に「ござる」や「ニンニン」等をつけます。

八神ココ(CV:望月久代)…「円盤皇女ワるきゅーレ」のワるきゅーレですね。

12月17日生まれの14歳。血液型はB型。公立中学校3年で、ピピという愛犬を連れています。武編ではメインキャラとして、少年編では少年にしか見えない謎の少女として登場します(その辺もトリックの鍵)。小学校低学年にしか見えない容姿をしていますが中学生です。「こめっちょ」なるアメリカンジョークをこよなく愛しており、人に自慢のこめっちょを吹き込むのですが、その感性は武曰く完全に電波系です。

差し支えのない範囲でネタバレをすると、実はLeMUの経営母体であるライプリヒ製薬は、各国の公的機関やマスコミに強い影響力を持ち、裏では人体実験や拉致監禁、生物兵器開発などの非道な行為に手を染めていたり、LeMUのさらに下部の水深119メートルにの海底にはIBF (イーベーエフ)という ライプリヒ製薬が極秘の研究を行うために建造した生物研究所があり、そもそもLeMUはこの施設を偽装する目的で真上に造られたものであったりします。IBFではTB(ティーフ・ブラウ)という熱水噴出孔から発見された極めて毒性の強いウイルスの兵器転用のための研究が行われていました。LeMUの事故は、TBウイルス漏洩から逃れようとしたIBFの職員が、既定の手順を踏まずに脱出しようとしたために起きたもので、その後拡散したウイルスは全世界で数千人から数万人規模の犠牲者を出しましたが、ライプリヒは自らの責任を隠蔽し、真相を闇に葬りました。
ウィルスといえば、本作ではもう一つ、キュレイウィルスというレトロウィルスの一種が重要な役割を担っていますが、その詳細はネタバレになるので控えときましょう。とにかく時間に余裕がある人はぜひプレイしてみて下さい。そして驚愕の二階構造に感動して下さい。
OPの「LeMU〜遙かなるレムリア大陸〜」です。Fullバージョン。

http://www.youtube.com/watch?v=xkRaemCX4dQ
感動のED「Aqua Stripe」。茜ヶ崎空を演じた笠原弘子が歌います。

http://www.youtube.com/watch?v=g6CB1bjpy2w