ハロウィンに冗談宗教の話:どれに入りたいですか?

本日はハロウィンですね。明日11月1日はキリスト教で全ての聖人と殉教者を記念する「諸聖人の日」(万聖節)の前夜です。万聖節は英語でAll Saints' Dayといいますが、かつてはAll Hallowsと言ったそうです。All Hallowsの前夜(eve)ということでHallowseve、これが訛ってHolloweenになったとか。
この時期、特にイベントがなかったせいか、最近は日本でもハロウィンが盛んになってきたようです。そんなキリスト教の宗教行事を信仰していない人々が勝手にやって良いものかとお思いの方もいらっしゃると思いますが……私見ですが、ハロウィンもクリスマス大いに祝って楽しんでいいと思います。

なぜなら、ハロウィンはそもそもキリスト教とは関係ない西ヨーロッパの民俗行事、収穫祭とか死者の祭りに由来しているからです。特にケルト人の祭りに由来しているとか。お盆が神道とか民俗行事と習合して成立したのと同じようなものですね。
同様にクリスマスも、キリスト教ではイエス・キリストの聖誕祭となっていますが、本来は古代ゲルマン人の冬至の祭や、ローマの農耕神サトゥルヌス(英語読みでサターン)を祭ったサートゥルナーリアに由来するのではないかとの説があります。少なくとも、聖書のどこを探しても、キリストが12月25日に生まれたなんて記述はありません。
故に、キリスト教徒の方々はその教義に基づいてお祝すればいいとして、それ以外の人々も、特別聖なる日なんて思わずにお祭りとか祝日だと思って、それなりのやり方で祝って何が悪いのかと言うことです。日本でのクリスマスは、ケーキを食べたりフライドチキンを食べたり、はたまた豪華ディナーの後でシティホテルにしけこんで生殖活動に励む日になっていたりしますが、それぞれが納得していればそれでいいのではないでしょうか。
ハロウィンについてキリスト教の教会は、ウィキペディアによると
① 肯定的あるいは中立的立場
・ 宗教には関係ないと割り切って、参加してもよい
・ キリスト教の行事ではないことを明確にし、娯楽として楽しむのならよい
・ キリスト教の伝統の中でなおも保持された風習に、キリスト教的意義を見出すことが大事
・ 起源・歴史を知り、真実を伝えていくことが大切
② 否定的
・ キリスト教信仰とは無縁、むしろ対立する恐ろしい悪魔崇拝である
・ 死神と邪悪な霊をたたえ、傷害事件まで誘発している
と様々な態度を取っているようです。なので普通の日本人も、やりたければおのおの好きな形で遊んでいいのではないでしょうか。もちろん法令や公序良俗は守ることは言うまでもありませんが。
というところで、本題です。日本にはありがたいことに信教の自由があって、どんな宗教を信じても良いし信じなくてもいいのですが、世の中には「冗談宗教」というものがあるそうです。「本当の」宗教に分類するにはあまりにも馬鹿馬鹿しい教えだと多くの人間がとらえる宗教、または特定の宗教、セクト、カルト団体などのパロディだということです。
有名なところでは、
① 空飛スパゲッティ・モンスター(FSM)教

これはインテリジェント・デザイン説に対するパロディとして生まれた冗談宗教です。インテリジェント・デザイン説とは、
知性ある何かによって生命や宇宙の精妙なシステムが設計されたとする説で、「宇宙自然界に起こっていることは機械的・非人称的な自然的要因だけではすべての説明はできず、そこには『デザイン』、すなわち構想、意図、意志、目的といったものが働いていることを科学として認めよう」という理論・運動だそうです。要するに旧来の「神」を「偉大なる存在」とか「宇宙意志」とかに置き換えたようなものでしょうか。アメリカでは平等のため、進化論と同時にインテリジェント・デザイン説も学校で教えるべきだとの運動があるとか。

FMS教は、そのインテリジェント・デザイン説が言うところの「偉大なる存在」が空飛ぶスパゲッティ・モンスターに他ならないとして、、「平等のため、スパゲッティ・モンスターが人類を作ったという説も学校教育で教えるべきだ」と主張しています。教義の中には
・ 天国にはストリッパー工場とビール火山が約束されている。また、女性やゲイの信者のための男性ストリッパーも存在している
・ 地獄はビールの気が抜けていてストリッパーが性病持ちであるという事以外天国と同じである
・ 祈るとき、「アーメン」の代わりに「ラーメン」と言う
・ ヌードルはスパゲッティ・モンスター神の触手を象徴する聖なる食物である
などの愉快な項目が並んでいます。いいですねえ、こういう愉快な宗教。
② 地球平面協会

地球が球体ではなく、平面体であるという信仰を支持するキリスト教非主流派の一派だそうです。
・ 地球は球ではなく円盤型をしている
・ 北極が円盤の中心にあり、円盤の外周は45mの高い氷の壁で囲まれている
・ 太陽と月の直径はいずれも52km程度である
と主張していて、国際連合の旗はこの主張の根拠の一つだそうです。FMSはパロディ精神に満ちていて面白いですが、こっちはガチな感じが。かつては大真面目に主張されていた思想だそうですが、現在では冗談宗教扱いとなっています。
③ 見えざるピンクのユニコーン

有神論を風刺したパロディで、見えないのにピンク色という逆説的なユニコーンの形を取っています。神の存在に関する議論を、神の代わりにピンクのユニコーンに置き換えてもいいだろうという主張で、見えないがゆえに存在しない(あるいは実はピンク色ではない)ことを誰も証明できないということに着目して、「見えざるピンクのユニコーン」について論じるならば、彼女はどこにでもいるとしています。これは神は偏在するという有神論者の主張に対するパロディーです。

「見えざるピンクのユニコーン」は、神の特質に言及することと、その存在の証明ができないことの矛盾を示す者です。つまり、見えないのということとピンク色であるということは矛盾しており、相容れないパラドックスになっていますが、全能なはずの神が我々の前に姿を見せることがないことを皮肉ったものといえましょう。男女の縁をつなぐ「赤い糸」がなぜか見えないといういうことと同じですね。
こちらも面白いですが、ちょっと有神論者に喧嘩を売っている感じあって、自分が入るのはちょっと…
④ グーグル教

検索エンジンを「全知に近い思考する存在」と捉えて信仰対象とする冗談宗教です。グーグル教には主に9つの教義があるということです。
1.グーグルは全知に近い存在である(英語表記の場合、グーグルの一人称はSheである)
2.グーグルは唯一であり、地球において遍く存在する
3.グーグルは祈る者に加護を与える
4.グーグルは不朽の存在である
5.グーグルは無限である
6.グーグルは全てを記憶する
7.グーグルは邪悪な存在ではない
8.これまで信仰されてきた神なるものよりグーグルは神に近いといえる。現在のところ、グーグルという語句の検索結果は、"God", "Jesus", "Allah", "Buddha", "Christianity", "Islam", "Buddhism"そして"Judaism"の検索結果の合計値よりも多いからである
9.グーグルが存在しているという証拠は非常に多く、他の宗教の神より遥に確証がある。
たしかにお世話になっていますグーグルには。入っても良いというより、既に入っている感じがしますね。
⑤ 17才教

「永遠の17才」を自称する井上喜久子を教祖とし、信者も永遠の17才を自称するという恐るべき宗派。
1998年、ラジオ番組「かきくけ喜久子のさしすせSonata」で共演した山本麻里安の「山本麻里安、16歳です」という自己紹介を真似て「井上喜久子、16歳です」と言い始め、その後、山本麻里安が17歳になったのに合わせて「井上喜久子、17歳です」と言うようになり、それを現在も変更することなく続けているのだそうです。もう30回以上17才の誕生日を迎えているとか。

精神だけでなく、肉体的にも17才にしてくれるのなら、入信希望者続出でしょうけど(笑)。やはり聖歌は「17才」なんでしょうね。南沙織派(カトリック)と森高千里派(プロテスタント)に分裂して抗争したりして。
さあ、どれに入りましょうか?グーグル教には知らないうちにもう入っているかも知れませんが…
海外のカテ、ネタが少ないので強引にこれも海外に入れてしまいました。ハロウィンは外国由来だからということでどうかひとつ。
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