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旅サラダ:海外を旅する美人レポーター達

旅サラダ
 
9月も晦日となりました。しかし強力な台風が接近中。夕方から筑波嶺地方は風雨が強くなってきました。みなさんくれぐれもご注意を。

 そういえば、最近の我が筑波嶺夜想曲、アクセスカウンターによると毎日三桁のアクセスとなっております。お越し頂き誠にありがとうございます。カウンターが機能し出した8月末以来、だいたい70アクセスくらいだったのですが、先週の雨の日曜日に219アクセスという前日比3倍(シャアかっ)の伸びを見せて以来、コンスタントに100アクセスを超えてきております。

 で、最近装備した新機能・アクセス解析で、皆さんどんなキーワードで検索してこのブログにたどり着いたのかを見てみたところ、「秒速5センチメートル」関連が多いみたいですね。そもそも「秒速」の考察を掲載したくて始めたブログなので、冥利につきるというものです。もう一つ気合いを入れて書いた「魔法少女まどか☆マギカ」の方はさほど多くないのはちょっとがっかりです。オワコンなんでしょうか?個人的には「装甲魔法少女まどか☆ボトムズ」が好きなんですが、20年近いギャップのある2本のアニメを合体させても付いてこれられる方はなかなかいらっしゃらないということでしょう。そりゃあそうかも知れませんね。

 あと「私の奴隷になりなさい」も含めた壇蜜さん関連の検索でいらっしゃっている方も多いようです。こちらの方々には申し訳ないのですが、あまり「来て良かった」と思って頂けるコンテンツは用意できていないような。画像も刺激的なのはブログの主旨に合わないので避けてますし。ネタ的にはちょこちょこ使わせて貰ってますが、最新情報といったものはフォローしておりません。壇蜜さんは最近とみにお忙しいので、なかなかコミュニケーションができず、どこまで書いていいのかも判らないので、とりあえず営業妨害にならないことを優先しています。本人のブログ「黒髪の白拍子」(http://ameblo.jp/sizuka-ryu/)を参照されることを推奨します。

 ただ、壇蜜さんを利用してアクセス数を稼ぎやがってと思われるのは忸怩たるものがあるので、そのうちまたちゃんとした記事を書きたいという気持ちはあります。なにしろ8月27日の記事がぶった切れていたりしましたし。

 あ、ここまで書いて思いだしましたよ!8月27日の記事を書くに際して、事前に壇蜜さんに了承を得ようとメールを出していたのでした。「送信済みアイテム」をみたら添付ファイルに原文が残ってました。これで早速復旧させようとしたのですが、どういう訳か何度やっても上手くいきません。

 いろいろと試してみたのですが、どうやらカメラマンの名前がいかんらしいということが判明しました。橋本さんという人なのですが、「橋」の字が本当は特殊なんです。それをATOKからわざわざ引っ張り出して貼り付けていたのですが、その文字を使うとそこから記事が掲載されなくなっていたようです。なので遺憾ながら通常の「橋」を使わせて貰ったところ、問題なく記事を掲載することができました。とりあえず良かった良かった。

また利用させて貰ってます

 ということで、さあ壇蜜ファンの皆さん、8月27日の記事を存分にお読み下さい。え?今更?……まあそうでしょうねえ。とりあえず個人的には「けじめ」だけは付けたと言うことで。

 さて、前置きがやたら長くなってしまいましたが、本日の記事です。せっかく「海外」というカテゴリーを作ったのに、まだ2本しか記事がないのでちょっと追加をしたいと思います。
 
 「朝だ!生です旅サラダ」という番組がありますね。通称「旅サラダ」。1993年(平成5年)4月3日からABCテレビ(朝日放送)を制作局として、テレビ朝日系列で、毎週土曜朝に放送されている旅行番組です。その中に「海外マンスリー」というコーナーがあります。 女性タレントによる海外旅行の模様を、事前収録による自身のナレーションを交えながら、4週にわたって紹介するというもので、2011年3月末までは、月替わりゲストによるリポートとナレーションで構成されていましたが、同年4月以降は「旅サラダガールズ」が月替わりでリポーターを務める体制に変わりました。

 この旅サラダガールズ、2011年度と2012年度で一新されているのですが、4人で一組になって1年の内それぞれ3回を担当しています。

2011年の旅サラダガールズ

 2011年度の旅サラダガールズは次の4人でした。

 黒坂真美

黒坂真美

 1979年2月10日生まれで兵庫県出身の女優さんです。1997年から活動しており、今年も数々のテレビドラマに出演していて売れっ子ですね。

 佐々木依里

佐々木依里

 1984年1月3日生まれで神奈川県出身のモデル・レポーターです。名前は「えり」と読みます。資格として世界遺産検定3級とか一般動物検定3級とかを持っているようですが、それは一体どんな資格なんでしょうか?

 熊澤枝里子

熊澤枝里子

 1985年11月15日生まれで兵庫県出身のファッションモデルです。CanCanからAneCanに転属して活躍しています。愛称は「くまこ」だそうです。あれ?「くまえり」じゃないの?と思ったら、「くまえり」は全くの別人でしかも極めてやばい人でした。一緒にしてはイケナイ(「くまえり」について知りたければググればたくさん出てきますのでそちらで見て下さい)。身長170センチで股下は何と87センチだそうです。足長!

 川島陽子

川島陽子

 1978年12月27日生まれの大阪府出身のタレントさんです。主に大阪方面で活動しているようです。

2012年の旅サラダガールズ
 
 そして今年4月から活動している2012年度の旅サラダガールズは次の4人です。

 佐倉真衣

佐倉真衣

 1985年6月27日生まれで神奈川県出身のタレントさんです。身長は160cm。

まい×なお

 テレビ、ラジオ、CM、舞台と幅広いジャンルで活躍中で、同じ事務所の宮沢なおと「まい×なお」というユニットで歌手としても活動しているそうです。
 
 平山美春

平山美春

 1987年2月18日生まれで大阪府出身のファッションモデルです。身長は171cm。
 CanCanの専属モデルということで、おそらく熊澤枝里子の後任でしょう。神戸コレクションなど多数のショーにも出演し、若い女性達のファッションリーダーでもあるそうです。

 井上美琴

井上美琴

 1984年5月5日生まれで兵庫県出身のモデル・女優さんです。身長は168cm。
 2001年にユニチカマスコットガールとなり、2005年以降、テレビドラマ、映画、テレビCM等に出演しています。映画、ドラマ、モデル等さまざまな分野で活躍中で、韓国語を生かし韓国人の役で演技もしているほか、韓国でもCM等出演しているそうです。

 入山法子

入山法子
 
 1985年8月1日生まれで埼玉県出身のファッションモデル・女優さんです。身長は168cm。
 数々の連続ドラマや映画に出演する、実力派の人気女優。さらに、CM・舞台・モデルなどジャンルを超えて活躍中です。

 このうち私が一目で気に入ったのは、入山さんです。好きだなー、この人の笑顔。

入山法子2

 昨日29日からその入山さんのドイツ・フランスの旅が放映されています。ドイツの玄関口・フランクフルトからライン川下りを行い、古城ホテル(シェーンブルク城)に泊まっていました。ライン川下り…19年前にやりました。ライン川は両岸にブドウ畑が広がり、あちこちに古城(廃墟も含む)が点在していて見ていて飽きませんね。しかしローレライはいまいちぱっとしませんでした。

ローレライ

 オーストリアではドナウ川下りをしたことがあるのですが、こちらにも古城はあるものの、数が少ないのでライン川下りの方が眺める楽しみは多いでしょう。

 さて、私が突如ご贔屓になった入山さんですが、Wikipediaに気になる記述が。

「THE BACK HORNの岡峰光舟と2005年頃より交際中。現在は都内2人暮らしで、結婚は間近とのこと。」

入山法子3

 履歴を見ると昨年11月に記述されて、一旦「信頼性の乏しい情報」として削除されたもののすぐに再記述されています。今年4月になって記事の冒頭に

「この存命人物の記事には検証可能な出典が求められています。信頼できる情報源の提供に協力をお願いします。存命人物に関する出典の無い、もしくは不完全な情報に基づいた論争の材料、特に潜在的に中傷あるいは有害となるものはすぐに除去する必要があります。」

という注意書きが出ています。上述の記事はもとより、入山さんの記事の来歴とか人物には全く出典が示されていないので、記事が正しいのかどうかは不明ですが、もし正しくない場合は中傷とか営業妨害になりかねない記載ではないかと思います。個人的には正しくないといいな(笑)。

入山法子4

 それにしても旅サラダガールズ、第一期は30代が2人もいましたが第二期は全員20代ですね。海外レポーターが芸能界の登竜門だとするならば当然かも知れませんけど。芸人さんがやらされる日程も内容も厳しそうな海外ロケに比べると、旅サラダの海外旅行は非常に快適かつラグジュアリーな感じなので、生まれ変わって美女になれるならば私もぜひやってみたいです。オーディションとかは結構な倍率かも知れませんけど。

 海外にかこつけて好きな女優を紹介しているだけのような気がしますが、海外のレポートでお見受けして一目惚れしたということでどうかご容赦を。ところであの「2ちゃんねる」で検索したら入山さんのスレは一つもないようです。こんなに可愛いのにどうしたことか。

入山法子のアップ
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妻みぐい2:前作から一転、「寝取り」へ

妻みぐい2
 
 

 台風が接近しているせいか、今日はちょっと蒸し暑いですね。まあ先週までに比べれば雲泥の差がありますけど。夏、迷うたか。早う成仏せい。

 
 さて土曜日は恒例ギャルゲーの日な訳ですが、先週「妻みぐい」を紹介した際にお約束したので、公約どおり今日は「妻みぐい2」です。「東のエルフ、西のアリス」と称されたエロゲー界の二大巨頭。20世紀はエルフのお世話になることが多かったのですが、21世紀になってからは俄然アリスのお世話になることが多くなりました。私がプレイしたアリスソフトの作品を紹介するならば、ジオンはあと10年戦える……

ジオンはあと10年戦える

 

 というのはさすがにウソですが、「ギャルゲーの日」の余命が延伸されたのは確かです。
 
 「妻みぐい2」は、言うまでもなく「妻みぐい」の続編で、「妻シリーズ」と呼ばれるシリーズの第2弾に当たります。しかしジャンルは、「妻みぐい」が「新感覚癒やし系人妻アドベンチャー」であったのに対し、「妻みぐい2」は「新感寝取り系人妻アドベンチャー」に変わっています。2人登場するヒロインには、共に良き夫がいるにも関わらず、主人公は人妻である彼女らと不倫関係になることが目的となっており、未亡人になっていたり、夫婦関係が冷え込んでいた「妻みぐい」よりもインモラルな内容となっています。「妻みぐい」と違い、女性キャラクターの台詞の一部(エッチなシーンは全て)に声優による音声が付いています。これで値段は同じなのですから、アリスの企業努力は賞賛せずにはいられませんね。

昔の遙と主人公

 

 ストーリーですが、舞台は「妻みぐい」から3年後となっています。千穂と結ばれるか香苗と結ばれるかで世界線は大きく異なるはずですが、本作では香苗と結ばれた世界線の先の時間軸となっています。主人公の朝霧直人は大学の研究が認められアメリカへ行く予定になっていましたが、幼い頃からの知り合いで憧れの女性であった岸原遙から1か月の間彼女の夫が経営するレストランのアルバイトの誘いを受けます。女癖の悪い主人公はこれを受け、遥の元へ向かいますが、そこで香苗とも知り合うことになります。活発で明るい性格の遙。お淑やかで落ち着いた雰囲気の香苗。魅力的な2人に、主人公はいつもの女癖の悪さから手を出そうとしますが…
 
 
 ということで、前作と同じマンションが舞台です。そこに香苗さんがいるということは、離婚した夫はいずこかへ去って行ったのでしょうね。離婚-再婚の際に揉めなかったのか気になりますが、本作では一切言及されていないので、平穏に離婚できたのでしょう。

  前作を踏襲して2800円という価格であるため、本作の攻略対象ヒロインも2人のみです。まずは岸原遙。

  岸原遙

 

 26歳で結婚4年目。夫(一馬)と二人暮らしで、面倒見がよい姉御肌の人。主人公とは幼なじみで4つ年上のお姉さんで、世話焼きな性格から昔から色々と主人公をかまっていました。感情が顔に出やすく、喜怒哀楽がわかりやすいです。

  続いてまた再登場の香苗さん。今回は姓が「津崎」(前作の主人公の姓)となっています。 

 津崎香苗

 

 34歳で、結婚(再婚)3年目。家族構成は、夫と子供2人の4人家族です。前作の主人公と再婚し、ようやく幸せを手に入れました。とにかく旦那にラブラブで、マンション内でも有名な熱愛夫婦ですが、最近、夫が長期出張中のために寂しい日々を過ごしています。

  26歳と34歳…。どちらも美人さんには違いないのですが、「ギャル」と呼んでいいんでしょうかね?自分で取り上げておいて何なんですが、ちょっと自信がなくなってきました。

  あ、前作にも登場した百田九ノ美が本作にも登場します。3年経ってちょっとは成長しているので、彼女の存在をもってギャルゲーと……く、苦しい(笑)。

前作より大きくなった九ノ美ちゃん 

  そういえば「ギャルゲー」の範疇って一体どこまでなんでしょうか。安直にWikipediaを見てみたところ、“ギャルゲーとは、「ギャルゲーム」(Gal game)の略であり、主に魅力的な女性が登場することを売り物とするタイプのコンピュータゲームの俗称。類似の概念に美少女ゲーム、萌えゲームがある。”

と説明されています。その上で「概説」でギャルゲーとエロゲーの相違について解説しているのですが…ちょっと待った!エロゲーはギャルゲーではないということになると個人的に非常に困るんですが…

遙の平手打ち 

  しかし、次項「ギャルゲーという区分」においては、 “ギャルゲーと非ギャルゲーの差を明確に区別するのは、他の俗称ジャンルであるクソゲーなどと同様難しく、各プレイヤーの主観に拠る所が大だが、大まかな目安としてゲーム中に登場する女性キャラクターの有無によってゲームの内容・意味がある程度変化する事があげられる。しかし、キャラクター性を排除しても十分プレイに堪えうるようなゲーム性の高い作品も存在するため、やはりギャルゲーというジャンルは便宜上の区分として使われる事が多い。”

 “なお、ギャルゲーの上位区分としてはキャラゲーが挙げられる。ギャルゲーはゲーム制作元のオリジナルキャラクターを使う事も少なくないが、キャラゲーは一般に流通している漫画やアニメといった作品のキャラクターを使用している点が異なる。しかし、元々俗称による区分でもあるため、やはり、この境界は曖昧である。”

と説明されていました。そういうことであれば、私がギャルゲーだと思えばその作品は(私にとっては)ギャルゲーということでOKな訳ですな。それは重畳。26歳の遙は見た目にギャルで全然平気でしょう。香苗さんは34歳ですが…可愛いのでよし!!ということで続行します!
 

 水白優樹

 

 その他の登場キャラです。まず水白優樹(みなしろ ゆうき)。マンションの新しい住人で気弱で華奢な男の子です。両親は海外に住んでおり、一人暮らしをしています。自立しようとするものの、それをできないでいる自分に悩みを抱えています。人妻である香苗には、密かに恋心を抱いているのですが…。今作の重要キャラで、物議を醸したキャラでもあります。 

 岸原一馬

 


 遙の夫・岸原一馬。。イタリアで4年間修行を積み、帰国して念願の店(「地中海の熱い風」)を持つまでに至りました。とても気さくで男女の隔てがないナイスガイです。料理の研究に余念が無く、その度に妻の遙を一人にさせることも多く、その間隙を主人公に衝かれることになってしまいます。主人公とは遙と付き合いだしてからの知り合いで、彼に女と酒を教えた男だそうです。「飼い犬に手を噛まれる」「煮え湯を飲まされる」とはまさにこのことッ! 

 津崎悟

 

 香苗の夫で前作の主人公津崎悟。です。前作では顔を描かれませんでしたが今作では脇役なので顔が描かれました。結婚と同時に、仕事も真面目、家庭でも優しい夫と、非の打ち所がないほどイケメンに変貌を遂げました。前作をやっているとどうしても彼に思い入れができるので、香苗のよろめきっぷりにはどうしても抵抗感があります。

  大菊ジュン 

  前作にも登場したマンションの大家兼アダルトショップの店長・大菊ジュン。前主人公(津崎悟)のことが(性的な意味で)お気に入りで、香苗と結婚しているにも関わらずアピールは続いているとか…。1階に飲食店が入ったからと、自分の店の営業時間帯を変更してくれるあたりなど、人の良さは健在ですね。

 百田六郎 

  百田家の長男・百田六郎。名前の呪縛からようやく解き放たれて大学生になった苦労人です。大学に合格できなかったのは頭が悪いからではなく、単に運が悪かっただけだそうです。現在は、大学での研究に没頭する毎日を過ごしています。妹の三琴も大学に合格したようですが、遠方の大学に行ったのか、マンションにはいません。まあ彼女は千穂攻略には必要な人材でしたが、千穂なき今となってはもはや存在価値がないという… 

百田九ノ美

 

 百田家の次女・百田九ノ美。少しでも香苗と悟(前主人公)の役に立ちたいと、美羽(香苗の赤ちゃん)の面倒を見ています。2人のことが相変わらず大好きなのですが、あまりのアツアツぶりにヤキモチを焼くこともあるようです。何しろ本当は前主人公が好きだったので… 

 川村なつめ 

  またも登場の正体不明の不思議少女・川村なつめ。年齢、職業、その他全てが謎です。頭の上のカメ(ステファニー)と行動を共にしています。今回は、本人自らコスプレを始めたのか、ピンクの看護婦さんとなっています。

 今回は、何しろ不倫オンリーであるほか、遙の夫の一馬は主人公大学時代の先輩でもあり、ハードルは高そうなのですが、何しろ女癖が悪い主人公なので烈海王並に一向に構わないようです。遙にしても香苗にしても、愛はあるのに夫が仕事にかまけて寂しさを抱えているという隙を主人公に衝かれるのですが、あまりにも節操がないというか淫乱に過ぎるというか…あえて言おう!ビッチであると!

ギリギリお見せできるシーン 

  特に香苗さんは前作のイメージから見ると、今作はビッチそのもので違和感を感じる人も多いかと。特にショタ展開は強い批判を受けたようです。これは、香苗さんに淡い恋心をいだいている「水白優樹」に性の手ほどきするよう、主人公が香苗さんに強要するというもので、これを行うことで優樹は主人公を恩に着て、積極的に遙に対し、主人公の良さをアピールしてくれるようになり、遙を確実に手に入れるのに強い味方となってくれるのですが、愛する夫と子供達がいるにも関わらず、主人公にいいように弄ばれ、少年にプライベートレッスンを施す香苗さんに対しては、ファンの皆さんの視線は厳しいものがありました……

ショタと香苗さん 

  ということでかなり不評な香苗のショタ展開ですが、実は個人的には好きです。優樹はあんな女の子みたいな顔をしていますが、やるときはやるというか、エヴァンゲリオン初号機のように暴走しまくるので、展開次第で香苗さんは大変なことになります。これはNTR好きにはたまらないというかなんというか。前作で苦労して手に入れた「掌中の珠」である香苗さんがこんなガキに奪われてしまうという辛さ、屈辱感が何ともまあ。この展開はアリスソフト的にも(というか企画・監督をしている風麟さん的にはということでしょうか)良かったらしく、次作「妻しぼり」でもパワーアップ踏襲されています。中坊というのはとかく自分勝手で利己的ですからねえ。暴走する青い性の相手をするのは大変ですよ。

浴衣の遙 

  エンディングですが、遙エンドはご都合主義きわまりないものとなっています。一馬は離婚届にサインした上でイタリアに去って行きます。彼は主人公と遙の不倫を知っていましたが、遙よりも料理修行の方が大事だと思う自分には遙はもったいないということで主人公に託したのでした。数年後、一馬は修業先でイタリア娘と結婚したようで、誰も傷つかずに円満に収まっています。円満すぎて納得いかないですね。どうして包丁が飛び交い、血しぶきが上がるような修羅場がないのでしょう。

相変わらず綺麗な香苗さん 

  一方香苗エンドですが、身も心も香苗を自分のものにしたはずの主人公ですが、やはり香苗はアメリカに付いて来ることを拒みます。香苗さんは常識人ですし、愛する夫も子供もいるので当然といえば当然ですが、主人公は香苗さんの夫(前主人公の津崎悟)に、香苗さんを不幸にしたら掠いに来ますよと言い残してアメリカに旅立ちます。プラトニックな関係だったとしたらそれなりに説得力のある台詞なのですが…お前がいうな(笑)。悟も悟です。愛する妻があれだけ蹂躙されたというのに、なに爽やかな顔で見送ってるねん!まあ知らぬが仏という奴なんですかね。

  香苗エンドでは1人寂しく列車に揺られる主人公ですが、そこで意外な人と知り合いになります。そう、前作のヒロインの一人、千穂です。そういえば前作の香苗エンドが本作につながっているので、千穂は独り身のままということになるんですね。しかし、今作の主人公と結ばれたとして、千穂は幸せになるのでしょうか。プレイヤーキャラクターであるとはいえ、かなり嫌な野郎ですよ、こいつは。

香苗さん…? 

  まあいろいろなところで不評な今作の主人公ですが、弁護するとすれば、確かに外道なことも鬼畜なこともしますが、それを選択しているのは他でもない、プレイしている私たち自身なんだということです。選択できるから選択したまでというのは言い訳でしょう。やはり見てみたかったということは、邪な想いはまぎれもなく我々の心の中にこそ潜んでいるということに他なりません。

  ですが、それを批判している訳ではないのです。アリスソフトも別に「やるな」と言っている訳ではなく、そういう「ニーズ」にも応えてくれるサービス精神旺盛な会社なのです。

  ゲームなんだからと割り切って現実ではできないことを色々とやってみる、そして「うわーすげー」「それはないわー」などと勝手なコメントをしてみる。それでストレスが解消できて辛い現実を一時でも忘れることができるなら、そこにこそゲームの存在価値があるというものです。

誰か-Somebody:やっぱり羨ましいぞ、杉村さん

誰か 文春文庫版
 
 突如来た秋を満喫していますか?しかし明日は関東地方暑くなるようで、30度を超えてしまいそうです。夏の残党がデラーズフリーとの如く茨の園から出てくるというのでしょうか? 

ソロモンよ私は帰ってきたっ!

 いや、帰ってこなくていいし。そもそも夏に掲げるような理想があるかいっ!

なまくらと申したか

 いいえ言ってません。今年の夏はそりゃあもう十分に強うございました。岩本虎眼先生の如きです。

狂気の岩本虎眼先生

 虎眼先生、それは恐すぎです。

 それはさておき、今日は、先日図書館で借りてきた宮部みゆきの「誰か-Somedoby」をご紹介します。

 私が図書館で見かける未読の本のうち著者名だけで、内容をチェックせずに見つけ次第借りてくるというのは、今のところ東野圭吾と宮部みゆきの二人だけです。私個人にとっては、これまで読んできた作品群に対する評価がそれだけ高いということです。

 あらすじについては、Amazonの内容紹介を一部修正して引用させていただくと、

 杉村三郎35歳、妻子持ちのサラリーマン。妻の父親は大財閥「今多コンツェルン」会長で、三郎は会長室直属のグループ広報室で記者兼編集者として働いている。妻の実母(故人)は嘉親の正妻ではなく、三郎も後継者として婿入りしたわけではないが、「逆玉の輿」であることに変わりはなかった。

 ある日三郎は義父から妙な依頼を受ける。義父の個人運転手を長年務めてきた梶田信夫が自転車に轢き逃げされて命を落とし、残された二人の娘が父親の想い出を本にしたがっているので、編集者として相談に乗ってやって欲しいというのだ。姉妹に会うと、妹の梨子は本を出すことによって、犯人を見つけるきっかけにしたいと意気込んでいるが、結婚を間近に控えて父を失った姉の聡美は、そう上手くいくはずがないと出版に反対しており、結婚の延期も考えていることがわかる。

 ところが、聡美が反対する真の理由は別にあった。運転手になる前の父は職を転々とし、よくない仲間とも付き合いがあったらしい。聡美が4歳の時、彼女は『誘拐』され、怖い思いを味わった。そのあと一家は玩具会社をやめ、タクシー運転手となるまで再び不安定な暮らしを余儀なくされた。そんな父の人生を梨子に知られたくない――と。

 さらに聡美は、父の過去の悪い縁が今も切れておらず、「あれは偶然に起こった轢き逃げなんかじゃなくて、父は狙われていた。そして殺されたんじゃないかと思うんです」と訴えるのだった。三郎は、姉妹のそんな相反する思いに突き動かされるように、梶田の人生をたどり直し始めた……。

 といったところです。過去の犯罪の真相を解明するという話は、アガサ・クリスティの「五匹の子豚」や「象は忘れない」を彷彿とさせます。どちらも依頼人が幼少の頃に起きた事件の真相に名探偵ポアロが迫るというものでした。これらの作品でポアロは、「過去に起きた事件は長い影を引く」ということを主張します。事件は事件の発生した時点に留まらず、残された人々の先々の人生にも大きな影響を与えるということですが、確かに梶田姉妹の姉・聡美の性格には過去の『誘拐』事件は大きな影を落としているようです。

 しかし、死亡した父親の過去はこの物語の本筋にはなりません。死亡した原因も少年による純粋な交通事故で、警察の動きが鈍いように思われたのも容疑者を特定していたものの、少年なので人権に配慮して自主的に出頭してくるのを待っていたということで、事件そのもののも故意によるものではありませんでした。杉村さんが素人探偵(しかも探偵としての才能は明らかにない)として探った父親の過去も、何もなかった訳ではなく、犯罪行為だといえばそう言えることはしていたのですが、動機は義憤とか善意によるものでしたし、とっくに時効も成立しており、怨恨などを買う要素もありませんでした。つまり聡美が危惧したようなことはなに一つなかったのです。

 ですが、杉村さんは別な秘密を知ることになってしまいます。それは過去ではなく、まさしく現在進行形の事実なのです。犯罪とは言い切れないでしょうが、暴露されれば単にみっともないという以上に世間から後ろ指を指されかねない事実です。それが発覚してからのある登場人物達の「真の姿」のあさまさしさにはあきれかえるばかりです。そればかりではなく、誰にも知られたくない秘密を知られた杉村さんに対し、急所を突くようなというか一番言われたくないような罵声を浴びせる訳です。曰く「奥さんが妾の娘なら、杉村さんは男妾じゃない!」。曰く「あいにくあんたみたいに、愛情なんて厄介なものを抜きにして、これと狙いを付けた有利な結婚相手を確実に射落とすような根性がないんです。もっともっと生身なもんでね。」(一部省略しています)。

 これらの罵声は、財閥の娘(非嫡子)と結婚して「逆玉」に乗った杉村さんについて、周囲は本当はどう思っているのかを改めて浮き彫りにするものでもあります。事件とは関係ない杉村さんの周囲の人物達も、心の奥底では同様な気持ちを抱いている可能性があります。

 実際杉村さんの妻・菜穂子さんは生涯お金に苦労することのない生活が保障されていますし、二人の娘の桃子ちゃんも同様なのです。美しくてお金持ちの女性を上手いこと騙して何一つ不自由のない生活を手に入れた男であると、周囲が見るのは間違いではありません。

 しかし実際は、周到に準備して取り入ったわけではなく、菜穂子さんの正体を知らないままにある出来事を切っ掛けに普通に恋愛関係になったわけだし、その後も杉村さんとしては菜穂子さんとの恋愛を成就させるために様々な譲歩をした訳です。自分の親や兄弟すらが「別の世界に行ってしまった」と考えている生活は、結構苦労も多そうです。何しろ周囲のねたみややっかみも一身に受けることになるし、経営に参画することは絶対にない(婚外子の夫だし、義父には嫡出の息子が二人おり、息子達の一族が継承していくことは既定事実)判明、グループ企業に所属しているので親しい友人もできず(義父に直結するゲシュタポとかスパイ扱いされるので)、寄ってくるのは阿諛追従の輩とか何か利を得ようとする連中ばかりです。

 それでも杉村さんがうらやましいのは、菜穂子さんが病弱ながら美しく優しく、娘の桃子ちゃんが実に可愛らしいことと、家族の中には本当な愛情が存在していることでしょう。打算とか戦略ではなく、人と人として惹かれ合って結婚したのだから当たり前かも知れませんが、その幸せは「ふとしたことで崩壊してしまうのではないか」と常に恐れているほどで、まさに「幸せすぎて恐い」といったところでしょう。

 杉村さんが、ああした罵声を受けても怒らないのは、それが実際には的外れであるからでしょう。人が本当に怒るのは、自分でも本当はそうであると思っている事実を指摘された時なのです。

 そういう訳で、事件の究明とはあまり関係ないところで杉村さんは嫁や娘と睦み合ったり高級レストランで食事したりカラオケに行ったりしている訳ですが、そういう場面が余計だと感じないのは、杉村さんの置かれた立場や状況を説明するために必要だということの他にも、杉村さんがこの結婚によって得たもの失ったものを比較して、彼は十分満足しているのだということを明らかにしているからだと思うのです。それにしてもうらやましいぞ杉村さん。ほんのちょっとでも今の生活が嫌になったのなら、いつでも変わりますから。

 言葉に「蝮のような毒」を持っていたという杉村さんのお母さんの台詞

「男と女はね、くっついていると、そのうち品性まで似てくるものなんだよ。だから、付き合う相手はよく選ばなくちゃいけないんだ」

「人間てのは、誰だってね、相手がいちばん言われたくないと思っていることを言う口を持ってるんだ。どんなバカでも、その狙いだけは、そりゃあもう正確なもんなんだから」

は本当に胸に染みます。他山の石にしたいですね。

 杉村さんの場合はお互いにくっつく相手が良かったわけで、おかげで「いちばん言われたくないと思っていること」を投げつけられても耐えることができたわけですね。ああこんな奥さん欲しい。ミヤベセンセ、小説なんで、せめて杉村さん一家はずっと幸せにしておいてあげて下さい。辛い話は「模倣犯」でもう十分ですから。
 

若き日の高岡早紀(その2):ウィスパーボイスとダイナマイトボディの誘惑

コンサートビデオ「真夜中のバレリーナ」
 
 こんな時間ですが本日の記事を記載させていただきます。いろいろと事情がありまして…。爽やかな秋の朝の更新もおつなものですよ(たまには)。

 何と今回140回目の記事です。うーん、話題ってすぐ尽きるようで、探せば色々あるものですね。エッセイを連載している作家さんの気持ちがちょっとだけわかったような気がします(僭越な!)。

 それでは昨日に引き続き高岡早紀の音楽作品について語りたいと思います。高岡早紀といったらあのダイナマイトな体だろうとか大胆フルヌードだろうとおっしゃる方々もいらっしゃるでしょうが、音楽から撤退した後の高岡早紀については他の方にお任せしたいと思います。

黒い水着の早紀

 ただ、保阪尚希と結婚していた時代、1990年代待つから2000年初頭にかけては、「おしどり夫婦」と見なされていた時代があり、夫婦や家族でCMに出ていた時期がありました。そのため、「セザンヌ美術館」で描かれた「白早紀」こそが彼女の実相なのではないか……

そんなふうに考えていた時期が俺にもありました

 閑話休題、高岡早紀のアルバムについて語りましょう。まずはファーストアルバム「Sabrina」です。

 1989年6月21日発売。昭和が平成に代わった直後と言っていい時期ですね。デビューしてから既に一年以上が経過しています。これは新人アイドル歌手としては異例ではないかと思いますが、高岡早紀自体が異例なアイドルだったので彼女らしいといえばそれで納得してしまうかも知れません。

Sabrina.jpg

 楽曲は

1. 野蛮な憂鬱
2. ×××のデザート
3. ナイフの鳥、綺麗な石
4. 太陽はひとりぼっち
5. SLEEP WALKER
6. 真夜中のバレリーナ
7. 悲しみよこんにちは
8. ROSE
9. 眠れぬ森の美女
10. ガラスの夜想曲

の全10曲。うち「悲しみよこんにちは」「眠れぬ森の美女」がシングルですが、「Sabrina」というタイトルなのにデビュー曲の「真夜中のサブリナ」が入っていないのはどうしたことか。不思議ですね。代わりに雰囲気ばっちりの「真夜中のバレリーナ」が入っていますけど。凄まじく名曲が揃っていて、びっくりします。高岡早紀は声量がない分、ウィスパー唱法で対応していますが、編曲がマッチしまくっています。

 ちなみに2曲目の「×××のデザート」の「×××」はヒミツと歌っています。これらの曲を16歳の女の子に歌わせるというところが凄い試みだし、歌ってしまう高岡早紀も凄い。加藤和彦らおじさん達が、最高の素材である少女を見いだして、これでもかという魔改造や調教をほどこして「ファム・ファタール」を作り上げましたという趣があります。そういう意味では「大人の玩具」であった高岡早紀。彼女自身はそういう境遇をどう思っていたのかは不明ですが、アイドル史に輝くアルバムが残ったことだけは素直に賞賛したいと思います。

 続いてセカンドアルバム「楽園の雫」(1990年3月21日)。

楽園の雫

1. 不思議の森のアリス
2. フリフリ天国
3. 楽園の雫
4. 16月に逢いましょう
5. 窓辺にて
6. 天使失格
7. パーティはパニック
8. 見知らぬ彼女への伝言
9. 哀しいサーカス

 引き続きヨーロッパ調の雰囲気を持っています。大半を森雪之丞が作詞していますが、「窓辺にて」のみ異なります。しかしその「窓辺にて」のオーケストラの流麗さは一体どうしたことか。千住明の気合いが入りまくっています。タイトル曲の「楽園の雫」の気だるさといい、どうしてこういう曲を10代の女の子に歌わせようとしたのかと。やはりおじさん達の少女調教路線なのでしょうか。

 サードアルバム「Romancero」(1990年9月21日)

Romancero.jpg

1. Dancing in the SUNSET
2. セザンヌ美術館
3. 水晶の夜
4. ジプシーを踊ろう
5. 哀しみのベニス
6. 砂浜のバレリーナ
7. フレスコ画の少女
8. プリマベーラ
9. バラ色の館

 「白早紀」の代表曲、「セザンヌ美術館」が入っていますね。全曲、作詞は加藤和彦の妻の安井かずみが担当しています。セザンヌ・ベニス・プリマベーラとフランスやイタリアを連想させる曲が多く、地中海沿岸のリヴィエラの印象があります。ラストの「バラ色の館」の作曲はなんとブラームス。弦楽六重奏曲 第一番 第二楽章を使用しています。

 ラストアルバム「S’wonderful!!」

S wonderful

1. 悲しみの女スパイ
2. M
3. Top Seacret
4. スパイになりたい
5. 恋はいつも愚かなもの
6. ペテン師バッドムーン
7. 寒い国のジゴロ
8. 東京チューチュー
9. Ni-ya-oo

 これまでのヨーロピアンテイストから一転してアメリカンテイストになりました。18歳の高岡早紀がマリリンモンローを演じるかのような「東京チューチュー」や昨日紹介したシングルの「Ni-ya-oo」はフェロモン全開といった趣ですね。ちなみに同時期発売の同名のイメージビデオは、アルバムの世界を映像で再現していて、女スパイの南の国での束の間のリゾートって世界を描いていますが、1984年に「雨音はショパンの調べ」が大ヒットした小林麻美が出した「Cryptgraph~愛の暗号」の二番煎じ的に見られてしまったかも知れません。いっそ開き直ってスパイ関連でもっと固めた方がよかったかも。しかし、所属事務所の倒産により高岡早紀の歌手活動はこれにて終了してしまうのでした。

真夜中のバレリーナ(VHS)

 最後にコンサートの映像作品を。唯一出されたのは、「Good News 高岡早紀 1989真夜中のバレリーナ」(1989年12月16日発売)です。2008年にDVDが出ているようですが、私が持っているのはVHS。ビデオデッキが壊れたらもう見れません。そのドキドキ感がたまらない(笑)。

 青山スパイラルホールで2日間開催したコンサートの模様ですが、会場にステージを設けず、会場全体に池や歩道、森、床に落ち葉などの舞台演出を施しており、観客も舞台内で体育座りをしていて、不思議なショーを目撃しているという感じです。バレエあり、ショータイムありで、非常に贅沢な作品なのですが……

 致命的な欠点は、39分というやたらに短い収録時間です。このため、楽曲数が多いのに対し、編集が凄まじくぶつ切りを行っており、フルで聞ける歌が少ないです。正直、ダイジェスト版とでもいうべきビデオなので、1万円出してもいいのでコンプリート版を(今となってはDVDでぜひ)出して欲しいと思うのです。

 YouTubeにコンサートの一部がありました。

「×××のデザート」
http://www.youtube.com/watch?v=r0LuycBg24Q

「野蛮な憂鬱」
http://www.youtube.com/watch?v=G9N5wZmveSk&feature=relmfu

「SLEEP WALKER」
http://www.youtube.com/watch?v=bx2vNLdaxyc&feature=relmfu

「NON!NON!NON!」
http://www.youtube.com/watch?v=EB7cyLxB1oQ&feature=relmfu

「ガラスの夜想曲」
http://www.youtube.com/watch?v=eH5HU7Y0Z3U&feature=related

「真夜中のバレリーナ」
http://www.youtube.com/watch?v=rA4hVgJHmp4&feature=relmfu

「アレックスのノクターン」
http://www.youtube.com/watch?v=AEvS54tffjk&feature=relmfu

 これだけ見ればもはやビデオを見たも同じですね(笑)。いつまであるかわからないのでご視聴はお早めに。

アレックスのノクターンを踊る早紀

 それにしてもバレリーナ姿の高岡早紀は人形のように可愛らしいです。当時16歳。どうして、どうしてこうなったと言いたくなる昨今……いや、それは言わない約束ですね。

ベスト版

若き日の高岡早紀(その1):彼女が妖精だった頃の歌

高岡早紀
 
 台風の接近が少し気がかりですがとりあえず麗しい秋の夜、いかがお過ごしでしょうか。秋は物思いにふける季節…だからという訳でもないのですが、今日は久しぶりに古いアイドルについて語ってみましょう。

 高岡早紀という女優がいますね。ちょっと昔の話題なら俳優の保阪尚希と離婚しても同居してたりとか、布袋寅泰と不倫したことが話題になったり、最近では2010年に極秘出産していたりとり、AVに出演が有望視されていて億単位の金が動くとか動かないとか噂されていたりして、「スキャンダル女優」という肩書きがぴったりな人になっています。

花柄の水着の早紀

 そんな今の彼女には正直何の興味も関心もないのですが、20数年前、昭和から平成に変わろうとしていた時代には、彼女は現在とは全く違う佇まいを見せていたのです。その当時のことを思うと、「スキャンダル女優」の一言で彼女を切り捨てることなど、どうして私にできましょう。今日はそんなかつての高岡早紀をご紹介したいと思います。

 まずは高岡早紀の略歴から。幼少期から出身地の神奈川県藤沢市でクラシックバレエを習っていた彼女は、雑誌「セブンティーン」モデルとして芸能活動を始め、1988年4月には「マドラス」のテレビCMで俳優・岡田真澄と共演したことで知名度を上げました。

マドラスのCM

 マドラスのCMです。画質は良くありませんが。
http://www.youtube.com/watch?v=S6GFcuFCH_A

 当時の高岡早紀の特徴は、あどけないといいたくなるような童顔と、それと反するようなダイナマイトボディでした。

cfガール
チラシのアップ

 1989年には、映画「cfガール」への出演で映画デビューし、1990年には映画『バタアシ金魚』に出演しました。1994年、映画「忠臣蔵外伝 四谷怪談」に出演して、ヌードシーンを披露し、日本アカデミー賞の最優秀主演女優賞などを受賞しています。

バタアシ金魚
忠臣蔵外伝 四谷怪談

 CMでは、1990年のハウスフルーツインゼリーや、1995年から放映された「アパガード」が有名でしょう。後者では、俳優の東幹久と共演し、「芸能人は歯が命」というキャッチフレーズが流行語となりました。

 フルーツインゼリーのCMです。これも画質が…
http://www.youtube.com/watch?v=7krGeHiKVeM

 それから1992年のビオレU。

ビオレUのCM

 そして今回最も言及したいのは、高岡早紀の音楽活動です。「え?歌なんて歌ってたの?」と思われる方が大多数だと思いますが、高岡早紀の楽曲は傑作揃いでした。

緑の水着の早紀

 まず1988年4月に、マドラスのCMソング「真夜中のサブリナ」で歌手デビューしました。1989年6月にはアルバム「Sabrina」を発売しています。以後、1991年までにシングル7枚、アルバム4枚(ベスト盤を除く)を発表しましたが、所属事務所「ボンド企画」がバブル期の投機失敗により倒産してしまったため、高岡早紀の歌手活動も短期間で終了してしまうことになってしまいました。

 高岡早紀が自身を歌手活動をどのように捉えていたのかはよくわかりませんが、以後全く歌に手を出していないところを見ると、あまり熱心ではなかったのかも知れません。また、歌手としての実力も(当時のアイドルとしては珍しくありませんが)特筆するものはなく、声量や安定感には欠けていましたが、吐息とともに歌う独特の唱法は魅力的でした。

 また加藤和彦、安井かずみ、森雪之丞、高橋幸宏、千住明と作家陣が豪華です。マドラスのCMを見ると、散々女性遍歴を繰り返してきたドンファン(岡田眞澄)が、ついに出会った奇跡の美少女・高岡早紀を理想の女性にするべく調教していく…とでもいいたくなるような雰囲気がありましたが、これら豪華作家陣も、自分好みの色に高岡早紀を染めてやろうとしているといった感じがなくもありません。私が持っているベスト盤「Le Fetiche(ル・フェティッシュ)」のオビには「日本のポップスをリードする超豪華なアーティストたちが、10代の早紀に捧げた珠玉のスーパーベスト」と記載されていますが、まさにヒット曲を作ろうというよりは、「早紀にこういう歌を歌わせたい」との思いから楽曲を制作したかのような気配を感じます。

 それでは各シングル曲についてひとくさり語りたいと思います。

真夜中のサブリナ

1.真夜中のサブリナ(1988年4月30日)

 ジャケットの画像があまり良くないですが、初々しいバレリーナ姿の早紀です。この曲を聞くとマドラスのCMが浮かんできますね。マドラスの88年春のキャンペーンソングだそうです。春の当時高岡早紀は15歳ですが、この歌詞この曲この歌い方、全然15歳らしくありません。退廃的というかアンニュイというか、おじさんを翻弄しそうなコケットな美少女が目に浮かびます。

http://www.youtube.com/watch?v=jdwgA3oegsM

 ちなみにサブリナは、やはりオードリー・ヘップバーン主演の映画「麗しのサブリナ」(原題「Sabrina」)から来ているんでしょうかね?

麗しのサブリナ

2.眠れぬ森の美女(1988年11月21日)

眠れぬ森の美女

 どちらのお嬢様かといういでたちの早紀。これもマドラスのCMで使われた、88年秋のキャンペーンソングです。「眠れる森の美女」のパロディでしょうか。「それは恐ろしい物語よ キスを待ち続けて眠るなんて」なんて、この童話を評価していますが。イントロのバイオリンの荘厳な音色からして、アイドルらしさが全くない楽曲です。高岡早紀は割と淡々と歌っていますが、おじさん達は、こんな高岡早紀に罪のリンゴを食べさせたくて仕方ないのです。

PVがありました。

http://www.youtube.com/watch?v=zfUyHXhOCls

「バーブラ・ブシュカ」ってロシア語らしいのですが、どういう意味なんでしょうね。「毒リンゴ」? 

3.悲しみよこんにちは(1989年5月10日)

悲しみよこんにちは

 どアップの早紀。これが「オヤジ殺し」容疑者の手配写真ですか。これも引き続きマドラスのCM。89年春のキャンペーンソングです。アリデベルチって今度はイタリア語ですか。今度はフランソワーズ・サガンの小説をモチーフにしたようです。そういえば1986年には斉藤由貴も「悲しみよこんにちは」を歌っていますが、もちろん歌詞も曲も全く違うものです。しかし、ちょっと探したら「悲しみよこんにちは」って楽曲は麻丘めぐみや桑田佳祐も歌っているんですね。影響力あるなあ、サガン。

 コンサートの映像です。
http://www.youtube.com/watch?v=1d59xZjZi0Y&feature=relmfu

 売れ行き的には「めぞん一刻」のOPに使用された斉藤由貴のが一番でしょうが、高岡早紀の歌も名曲です。

4.薔薇と毒薬(1989年9月21日)

薔薇と毒薬

 シングルではこのジャケットが一番好きかな。ついにマドラスと離れた早紀ですが、相変わらず「オヤジ殺し路線」を爆走しています。というか、若い層は相手にしていないかの雰囲気。「響くアルトのさよならは 牙をなくした あなたのせいよ」で「抱かれると痛むほど ささくれた愛が好き 若者の優しさは 醜いわ」ですから、粗野な若者が好きみたいなことを言っているのですが、「別れたらもい一度 恋に堕としてみて」と挑発しています。そもそもアイドルポップスと全く違うブラスの響き。売ることよりも記憶に残ることを第一に考えたような作品です。 

 ミュージック・ステーション出演の際の映像です。
http://www.youtube.com/watch?v=GCR1dgaEX-A

5.フリフリ天国(1990年2月11日)

フリフリ天国

 遂にEPレコードからCDになりました。これまでの楽曲とは一変したサイケデリックな雰囲気。インド的な感じもありますね。ささやき声がさらに強化され、けだるそうに歌っています。17歳にして、ボディのエロティックさに心が追いついてきたかのようなセクシーさが歌声にあります。非常に実験的な作品だと思いますが、これまで見てきたように、セールスをあまり考えていないのだとしたら印象にはよく残る曲です。

 残念ながらYouTubeにありませんでした。ニコニコ動画ですが。
http://www.nicovideo.jp/watch/sm16564708

6.セザンヌ美術館(1990年10月3日)

セザンヌ美術館

 またまた前作と一変した雰囲気で、前作が「黒早紀」だとすればこちらは「白早紀」。正直、高岡早紀はこの歌のイメージで進んで欲しかったと思います。イメージ的には、都会でこれまで様々なおじさん達の調教を受けてきた早紀が、素朴で芸術家肌の青年に出逢ってみるみるうちに変わっていくかのような。

「口紅はつけないわ 素顔のままで会うの ブローチはパール一つ あなたに会うの」
「シャンパンは飲まないわ ハーブティーの香りよ 洗い髪 風に揺れ あなたに会うの」
「香水はつけないわ 自然のままで会うの ラベンダーのそよ風と あなたに会うの」

 実際の高岡早紀がこういう感じの人だったとしたら、現在の高岡早紀はなかったんでしょうが…世の中ままならないものですね。シングルとしては私はこの歌が一番好きかな。
 
 これもPVがありました。

http://www.youtube.com/watch?v=_wWYIOA0MXw

7.Ni-ya-oo(1991年9月21日)

Ni-ya-oo.jpg

 はっちゃけた早紀。セザンヌの美術館で何があった?前作から一年近く経って出した最後のシングルです。イメージ的には、芸術家肌の青年との出逢いで退廃的世界からの脱出を試みたものの、遂にうまくいかず元の世界に戻っていく早紀…という感じでしょうか。「黒早紀」再びです。

「WILD CAT 生まれたの わがままな子猫 WILD CAT 捕まえて オシオキをしてネ」
「WILD CAT 抱きしめて 戯れな子猫 WILD CAT 世界一 悩ましく鳴くワ」

……調教志願ですか。まあこの曲で終わってしまったので、ああいう方向に行ってしまったという訳でもないでしょうけどね。「セザンヌ美術館」で終わっていれば、今でも私は彼女を好きでいられたのでしょうか?

 残念ながら動画は見つかりませんでした。

 明日はその2として高岡早紀のアルバムとビデオについて語りたいと思います。

AUTUMN:ニューエイジ・ミュージックの代表作


 
 気持ちのいい秋の夜、いかがお過ごしでしょうか。私も「暑いですね」以外の言葉を連ねることができて本当に嬉しいです。

 本格的な秋の到来を祝して、今夜はジョージ・ウィンストンの「オータム(AUTUMN)」をご紹介しましょう。

 「オータム」は1980年にリリースされたジョージ・ウィンストンのピアノ・ソロのアルバムです。彼の育ったモンタナ州の春夏秋冬を表現した「四季四部作」の最初の作品でもあります。ちなみに四部作の他の作品は「WINTER INTO SPRING」(1982年)、「DECEMBER」(1982年)、「SUMMER」(1992年)ですが、この「オータム」が最大のヒットでしょう。

 本作はニューエイジ・ミュージックの嚆矢とされています。ニューエイジ・ミュージックとは、聴く人をリラックスさせ、前向きな感情を与える、心地よく美しいメロディが特徴の音楽のことで、日本では喜多郎やYMOがその先駆けとされています。

 クラシックやポップス、ジャズなど多様な要素をミックスしたような特徴を持ち、環境音楽やイージー・リスニングなどの音楽と多くの共通点を持っていますが、相違点としては、

① リラクゼーションや、瞑想を助けたり、音楽療法などの代替医療、ヨガ、チャクラなどに使用するための意図がこめられている。

② ジャンルの境界が意識的に排除されている。そのため、クラシックや民族音楽などのあらゆるジャンルの音楽性が曲に結びついている。

といったことが挙げられ、リラックスさせる効果を持つ1/fゆらぎのある楽曲が多く、癒し系音楽ジャンルの1つとして認知されています。そのため、日本ではヒーリング・ミュージックと呼ばれることもあります。

 内容は、9月(SEPTEMBER)と10月(OCTOBER)に別れており、以下の構成となっています。

 SEPTEMBER
 1.Colors/Dance (カラーズ/ダンス)
  ※ モンタナ州ビリングスとマイルスシティの、秋の楓や箱柳にインスピレーションを受けた曲とされる。
 2.Woods (森)
 3.Longing/Love (あこがれ/愛)
  ※ フジテレビの天気予報 「関東ローカル版FNNニュース・明日の天気」(箱根 彫刻の森美術館の映像がバックに流れていた) のBGMや、トヨタ・クレスタのCMソングとして使用されたことで有名になりました。「秋の季節に感銘を受けた曲」だそうで、今でも「世界一有名なニューエイジピアノソロ」と言われているそうです。

 OCTOBER
1.Road (道)
2.Moon (月)
 ※ 晩秋の曲。後半は琴をイメージしているといわれる。もともと3つの楽曲を一つにしたもので、あちこちで曲調が変化しています。
3.Sea (海)
4.Stars (星)

モンタナ州

 モンタナの秋ということですが、モンタナ州はアラスカを除くアメリカ本土ではカナダとの国境に接する最北端の州の一つで、日本では北海道北部から樺太あたりの緯度ということになります。このため、おそらく11月がもはや冬景色になるのでしょうが、日本的な感覚ではSEPTEMBERが10月の雰囲気、OCTOBERが11月の雰囲気という感じでしょうか。だからこれから聴くのにちょうどいい感じになると思います。

YouTubeで聴いてみたいという方のために

「あこがれ/愛」
http://www.youtube.com/watch?v=MnE6QyL_tF0

「月」(演奏は別の方ですが)
http://www.youtube.com/watch?v=aXybt1WfZZ4

「月」は和風というか日本情緒を感じます。途中に琴をつま弾いているかのような演奏があります。ジョージ・ウィンストンは日本で月を見たことがあるのでしょうか。

 「オータム」は、当初ギターソロのアルバムとして計画されていたそうですが、ジョージ・ウィンストンがプロデューサーの自宅で演奏した際にピアノのアルバムを作るべきだと説得されたそうです。
 
ジョージ・ウィンストン

 ジョージ・ウィンストンは1949年生まれで、1972年にソロピアニストとしてデビューしました。年間のほとんどをツアー公演しており、ピアニストとしてだけでなく、ギターやブルース・ハーモニカの腕も相当なものであり、コンサートではよくピアノの合間に演奏しているそうです。

 秋の夜長、良夜に冷や酒を傾けながら、または月を愛でつつ虫の声に耳を傾けながら、名盤「オータム」をぜひ聴いてみて下さい。

ウンディーネ:水の精霊の癒やしの声が心を…

アニメ版ウンディーネ
 
 今日は昨日に比べると少し暑くなりましたが、からっとしていて蒸し暑さは感じませんでした。また夕方から涼しくなって、本格的な秋の到来かと嬉しくなりました。しかし気温の急変は体調を崩しがちになるので、皆さんお気を付け下さい。 

 さて、久々にランキングの話題で失礼します。昨日は本格的な雨となって外出を控えられた方が多かったのか、アクセスカウンター開設以来最多の219アクセスがあり、そのせいでランキングも日記全体で793位、会社員・OL部門で138位と大幅アップしました。これは8月16日の432位/71位に次ぐ当ブログ史上二位の数字です。ご期待に応えられる内容だったかどうかはわかりませんが、大勢のお越し誠にありがとうございました。

 なお、8月27日の記事「壇蜜さん『フルヌード公開』についての考察」が、途中で(というより序盤で)ぶった切れていて内容が消えていることに本日気付きました。中国からのサイバー攻撃か!とも思いましたが、9月3日のキャッシュですでにぶった切れているので私の操作ミスの可能性が高いと思われます。テキスト文書で消去済みだったため、復元を試みたものの上手くいきませんでした。しかしこのままでは申し訳ないので、覚えている限りを「追記」させていただきました。興味のある方はご覧になってみて下さい。

 さて、それでは本日の記事です。昨日は大雨の中図書館に行き、マツキヨで買い物までしてきたのですが、それ以外は引きこもって「ARIA The ANIMATIO」を見てました。おかげで9話まで見ることができたのですが、この前漫画喫茶で読んだ5巻までのエピソードでしたのでみんな覚えがある話ばかりでした。

ウンディーネ(牧野由依)

 それはいいのですが、OPの歌がすごく良いので、ぜひ紹介させて下さい。

http://www.youtube.com/watch?v=G7z6h1epaMA&feature=related

 画像付きVer.

http://www.youtube.com/watch?v=nzB3uBO8_Hw&feature=related

 タイトルは「ウンディーネ」、歌っているのは牧野由依です。「ウンディーネ」は、牧野由依の2枚目のシングルで、2005年10月21日にビクターエンタテインメントから発売されました。オリコンでは25位になっています。

 牧野由依は1986年生まれで、東京音大付属高校から東京音大のピアノ科を卒業していますが、この曲を歌った当時はまだ二十歳前でおそらく大学在学中だったんですね。2005年以降は声優としても活動しているようです。

牧野由依

 ちなみにアニメ版「ARIA」は3期までありますが、いずれでもOPを歌っているようなので、2期や3期の歌を聴くのが楽しみです。「ウンディーネ」に負けない名曲だといいですね。

 漫画の「ARIA」は本当に涙が出そうなほどの幸せ、希望、夢に溢れているのですが、この「ウンディーネ」はそのイメージを全く裏切らない傑作です。もはやエンヤを凌ぐのではないかと思えるほどのヒーリングサウンドを聞かせてくれます。

 一般にウンディーネというと四大精霊の一つ、美しい女性の姿で表される水の精霊のことですが、ここでは水の星アクアとなった火星に造られた奇跡の観光都市ネオ・ヴェネツィアの水路でゴンドラを操る観光客の水先案内人を指しています。現在の地球のヴェネツィアにもゴンドラ漕ぎはいますが、おっさんばっかりなのに対し、ネオ・ヴェネツィアではゴンドラ漕ぎはうら若い女性ばかりなので「ウンディーネ」という名称が付けられたのでしょう。

ウンディーネ

 RPGなどが好きな方ならご存知でしょうが、ファンタジー世界のウンディーネは湖や泉などに住んでおり、ほとんどの場合美しい女性の姿をしているとされています。人間と結婚して子をなしたという伝説も多く残されているそうで、なんだか日本の「羽衣伝説」の天女みたいですね。「妖精の書」によれば、形は人間に似るが魂がなく、人間の愛を得てようやく人間と同じく不滅の魂を得るとされますが、水の近くで男に罵倒されれば水中に帰らねばならず、夫が別の女性に愛を抱くと夫を必ず殺さねばならないなど、その恋には制約が多いそうです。

 ネオ・ヴェネツィアのウンディーネ達は大丈夫なのでしょうか。嫉妬に狂うアリシアさんなんか見たくないですけど。

白い妖精アリシア・フローレンス

 ちなみにウンディーネはドイツ語で、フランス語ではオンディーヌ、英語ではアンダインと呼称します。他の四大精霊は、火のサラマンダー、土のノーム、風のシルフがいます。

 サビの

 ♪さあ 漕ぎ出そう 光る波へ
 ♪笑顔が すぐ こぼれる 
 ♪ねえ 伝えよう このときめき
 ♪風にのって あなたのもとへ
 ♪行くわ ウンディーネ

 の部分の、心をすっぽりと包み込むような、幸せに満ち満ちたような歌声は本当に素晴らしいですね。聞いているだけで微笑みが浮かんでしまうような気がします。電車内なのでイヤホンで聴いているとするならば、側の人からは危ない人に見えてしまうかも知れませんが。

着衣のウンディーネ

 「風に乗って 私のもとへ 来てよ ウンディーネ」と言いたくなります。本当にARIAの世界に、ネオ・ヴェネツィアに住みたいですね。この世に天国はないでしょうが、天国に一番近いのはニューカレドニアではなくネオ・ヴェネツィアなのではないかと思います。二度と戻れなくてもいいから、あちら側に行きたいですね(疲れてるのかな、オレ…)。

 「宇宙戦艦ヤマト」「銀河鉄道999」「機動戦艦ナデシコ」、そして「ほしのこえ」…様々な作品で火星は描かれてきましたが、「ARIA」で描写されるほど美しい火星はないのではないでしょうか。

 まあ私が知らないだけのことなのですが、本当にアニソンは名曲が多いですね。ええ断言できますとも。

シュトロハイム

「我が日本のアニメアニソンは世界一ィィィ!できんことはないィィィーッ!!」

好きな声優さん(その2):皆口裕子

皆口裕子
 
 雨の日曜日、いかがお過ごしでしょうか。秋雨、秋霖…ああ素敵な響きですね。でも明日は東京でまた最高気温30度の予報…しつこいぞ夏。♪さよならは~言ったはず~だ 別れ~た~はず~さ~

 今年は秋分の日が22日になったせいで、三連休がつぶれてしまっていますね。例年通り23日なら明日も振り替え休日なのに。

 さて、今日は好きな声優第二弾行ってみましょう。本日は「初恋の声」皆口裕子さんだ!

http://www.youtube.com/watch?v=9y5JWWdZhLI
 
 ところでボイスサンプルを聞いてみてくれ。こいつをどう思う?

くそみそ1

 すごく…可愛いです…

くそみそ2

 などと「くそみそテクニック」のギャグでお目汚しをしてしまいましたが、本当に可愛いですね。

ウソみたいだろ

 40歳を大幅に過ぎてるんだぜ。それで。

 もうベテランさんの領域にいる方なので、80年代から活動していますが、私が印象に残っているのは1987年に始まった「ねるとん紅鯨団」(知ってる?)のナレーションですね。当時は声優さんに興味がなかったので、皆口裕子という名前すら知らなかったのですが、甘くて可憐なあの声だけは印象に残っていました。

 「紅鯨団」と1989年の「YAWARA!」の猪熊柔役でブレイクした皆口さんですが、YouTubeには1985年のNHK教育テレビ「さんすうすいすい」に出演している艶姿がありました。

声がたまらないかけざん姫

http://www.youtube.com/watch?v=JoX0Pyxi_bc

 古いせいか解像度も画像そのものも良くありませんが、美声は堪能できます。かけざん姫…皆口さんは当時19歳だそうですが、何しろ声が素敵すぎます。今とほとんど変わりませんね。

猪熊柔

 残念ながら「YAWARA!」は存在は知っていたものの、漫画もアニメもろくに見なかったもので、その後皆口さんの声だとはっきり認識する機会は、1994年のセーラーサターンこと土萠ほたるというキャラまでありませんでした。

土萠ほたる

 このキャラは病弱で薄幸で儚げで慎ましくておとなしく、そして他人への思いやりを持っているという、その名のとおりの「萌えキャラ」でしたが、セーラー戦士ととしてのセーラーサターンは一転して「死への案内人」「破滅の神」「死の淵よりの使者」などの別名を持つ最強クラスの戦力を持っていました。

セーラーサターン

 …余談になりますが、土星が破滅と誕生を象徴しているというのはちょっと???ですね。サターンはローマ神話のサトゥルヌスからきていますが、これは農耕の神だし、ギリシャ神話ではクロノス、つまりゼウス達の父であるティターンの長なんで、「古い」とか「老いた」というイメージはあっても破滅とか死というイメージはないのですが。それならむしろ冥王星(プルートー)ではないかと。

 その後はむしろゲームキャラでの印象が強いです。

 例えば「ネクストキング恋の千年王国」のクミンとか。

クミン

 このゲームについては6月23日の記事で紹介していますが、クミンは通称「弱虫くノ一」で、真面目ですが敵に出会うとすぐに逃げたがるなど実力が伴わないキャラでした。でも皆口ボイスが心地良いのでしきりに誘っていたら、実は恐るべき正体を隠していました。

 「みつめてナイト」のセーラ・ピクシス

セーラ・ピクシス

 こちらも6月9日の記事で紹介していますが、セーラは好きなキャラに選んでいませんでした。名門貴族の令嬢で、病弱で屋敷から外に出ない生活をしており、健康に暮らすことに強い憧れを抱いています。主人公は家庭教師募集に応募することで彼女と知り合いますが、選択肢によっては自殺未遂や自殺失敗となり、面会謝絶となったりましま。皆口ボイスにもかかわらず好きなキャラに選ばなかったのは、ブラコンであることと、例え両思いになっても絶対ついてきてはくれない(名門貴族の令嬢なので。また仮についてきたとすると病弱なので足手まとい確定)ためです。

 「ラングリッサーV」のラムダ

ラムダ

 実験によって魔力キャパシティを増幅させられた強化兵士で、当初は無感情・無表情ですが、次第に人間らしい感情を取り戻していきます。本当はマリアンデールという裕福な家のお嬢様でしたが、魔力の素質に目を付けられて攫われて記憶を消されていました。外見は少女のようですが、実際には24-5歳にはなっているという年長さんなヒロイン(笑)。でも皆口ボイスなので余裕で許せます。本来の性格に戻ってからより、最初の感情のない皆口ボイスがたまらない気がします。皆口さんでボーカロイドを作るべきだと思うのは私だけでしょうか。

 そしてなんといっても「ラブプラス」の姉ヶ崎寧々

寧々さん

 このキャラで皆口ファンになった若い方も多いのではないでしょうか。寧々さん(ゲームをプレイするとそう呼びたくなります)はファミレスプ「デキシーズ」でアルバイトをしている高校3年生で、主人公の先輩になります。高校3年生でアルバイトって進路は大丈夫なのかと思いますが。

お澄まし寧々さん

 大人びた性格・容姿のせいで人に頼られることが多く、また寧々さん自身も面倒見がよく責任感も強いため、いつもその期待に応えていますが、本人はそれを少々負担に感じているところもあります。開発初期の段階では大学生という設定だったため、薄化粧をしています。チャームポイントは右目の泣きぼくろ。趣味は家事というこうれはもう嫁にせずにはいられないという人です。

夏服の寧々さん

 「ラブプラス」についても6月30日の記事で触れていますが、「ラブプラス+」「NEWラブプラス」と続編も出ています。私が最初にカノジョにしたのも寧々さんだったのですが……すいません、いつのまにか早見さんの演じる「高嶺愛花」が本妻になっていました。

サンタガール寧々さん

 皆口ボイスに不満などあるはずもないのですが、どうしても年上ということを意識した発言が出てくるので次第にうざくなってくるというか…。私がドラクエVの花嫁選びで常にフローラを選択するのも、ビアンカの年上風の発言によるので、年上でも年上らしくないというか、年上の自覚のない人だったら良かったかも知れません。まあ当初の設定が大学生だということでは、年上を意識しない方がおかしいとも言えますが。

水着の寧々さん

 そういえば皆口ボイスのカーナビもあるそうです。

http://www.youtube.com/watch?v=HWXZ4JFKc8o

 なんか寧々さんそのままという感じですが、目的地に着くより先に萌え死んで天国に着いてしまうかも。

冬のアルバイト

 さらに皆口ボイスのシステムボイスもありますね。

http://www.youtube.com/watch?v=9IYVcEDsCZs

 ぜひわがPCに入れたいです!

 実は今年の秋から休業して語学(英語)留学に旅立つのだとか。何年間かかるのかわかりませんが、必ず帰ってきて再びその美声を聞かせて欲しいものです。

妻みぐい:これも「ギャルゲー」と強弁してみたり

妻みぐい
 
 いやー遂に来ましたね、秋。暑さ寒さも彼岸までということわざは真実だったのか。こんな快適さがあるなんて、すっかり忘れていましたよ。あ、夏はもう今年は二度と戻ってこなくていいから。というより逝って良し!

 さて、土曜日は恒例ギャルゲーの日です。本日も18禁ゲームを取り上げてしまいましょう。と言っても、アダルトな話題や画像は自己規制しているので、そういうのを求めて来られた方は欲求不満になるかも知れませんが。

 本日紹介するのは「妻みぐい」です。

ヒロインズ

 「妻みぐい」は2002年にアリスソフトが発売した「新感覚癒し系人妻アドベンチャー」ゲームです(「」内はアリスソフトによる表現)。これまでエルフの「同級生」とか「下級生」を取り上げてきましたが、アリスソフトはエルフと並ぶアダルトゲーム界の老舗です。栄枯盛衰が激しいこの業界で「老舗」と呼ばれるだけでもいかにコンスタントにヒット作を作ってきたから窺えるわけですが、かつては「東のエルフ、西のアリス」と並び称されていました。

 で、この「妻みぐい」ですが、アリスソフトの「妻シリーズ」の第1弾に当たります。通常のアダルトゲームの定価(希望小売価格)は、だいたい一律8800円(税別)なのですが、「妻みぐい」の希望小売価格は2800円(税別)と約1/3の廉価となっています。そのため、攻略ヒロインはたった2人で、ボーカル曲やキャラクターボイスは省略され、パッケージも標準的なDVDソフト用のものを用いるなどして低コスト化が図られています。

裸エプロンの香苗さん

 ただし、安かろう悪かろうということはなく、遊びこめる要素などが評価され、2002年度のアダルトゲーム年間セールス1位の約68,000本を売り上げています(PC NEWS調べ)。また、2010年にはDMMからボイス追加版がダウンロード販売されています。

 ストーリーですが、主人公、津崎悟(つざき さとる)は卒業間近の大学生。就職先も無事に決まり、あとは卒業を待つばかりの怠惰な日々を過ごしています。片思いの相手であるうら若き未亡人、水森千穂(みずもり ちほ)とは、何の進展もないままに今住んでいるマンションを引き払うまでにあと2週間となった折り、隣の空き部屋に若夫婦が越してきます。親しくなったその若夫婦の妻、蓮間香苗(はすま かなえ)は、奥手でうだつが上がらない主人公を見兼ねて恋愛の手助けを申し出てきます。「貴方に足りないのは、セックスに対する自信よ…」その日から、悟の性に溺れた生活が始まります。

調教の間

 ということで、主人公は、香苗から性の手ほどきを受けて、千穂を口説き落とすのが目的となります。故に「調教」は香苗さんを調教するのではなく、香苗さんに主人公が調教されることを意味します。もちろんプレーヤーの選択次第で、香苗と結ばれることもあります。というか、既成事実の積み重ねがあるせいで、どうしても先に香苗さんと結ばれてしまいがちですね。

 まずはじめに、会話やアイテム等によって「らぶP(ポイント)」を集めます。「らぶP」は、調教を受けるために必要なポイントで、多ければ多いほど、調教項目を何度も選択することができるようになります。1日3ターン制で、昼間だけが香苗の調教時間となっています(昼下がりの何とやらですね)。エッチシーンを見るのが目的のアダルトゲームなため、同じ項目を選択するだけでレベルアップできる簡単仕様となっていて、失敗はありません。

バニーガールの香苗さん

 レベルが上昇すれば、いよいよ千穂との実戦、もとい実践に臨みます。彼女の部屋に上がるための口実を得たあとは、Hイベントに突入します。Hが成功するたびに、彼女はより大胆になっていきます。さあ、香苗と千穂どちらを選ぶのか?実は千穂ルートでは3Pもあったりして。

 では遅くなりましたがキャラ紹介を。

 まずは美人妻・蓮間香苗さん。

蓮間香苗

 31歳。結婚8年目で夫と二人暮しで子供はいません。家事全般を華麗にこなす有能な主婦です。人当たりが良く、温厚な性格ですが、たまに見せる凄まじい天然ボケぶりに 今一つ本心が掴み切れない部分があります。子供好きで、九ノ美と一緒に居ることも多いです。特大の母性本能で主人公を虜にしますが、その実自分自身が愛に飢えていたりします。

香苗さんイラスト

 そう、どうやら旦那との間には秋風が吹いているようなのですね。展開によっては旦那とよりが戻ったりしますが、その際は主人公の方が浮気相手、つまり間男なのに、まるで寝取られたような気分になってしまいます。出た、NTRだNTR。「妻シリーズ」のNTR風味はその後次第に強くなっていくばかりなのですが、詳しくはまた次回!

香苗さんセクシーショット

 次はうら若き未亡人・水森千穂です。

水森千穂

 20歳で未亡人。18歳で結婚して1年も経たないうちに夫と死別してしまいました。亡き夫への気持ちを引きずりながらも、主人公のことが気になり始めていきます。何事に対しても一生懸命で、純情一途な性格であるが故に、生きることに不器用だったりします。過去(亡夫)と現在(主人公)の想いの狭間で悩む日々が続いています。

千穂イラスト

 千穂はなんだか「めぞん一刻」の音無響子さんを思わせるようなキャラですね。

千穂セクシーショット

 香苗さんだけだと「30過ぎた人妻つかまえてギャルゲーとな?」という疑問を持たれるかもしれませんが、千穂は20歳なのでギャルゲーにしておいて下さい。でも香苗さんだってとても31歳に見えません。そうそう、31歳に見えないと言えば……

壇蜜さん31歳

 31歳児のグラドル・壇蜜さんもそうですね。「妻みぐい」実写映画化したら香苗さんをやって下さいよ。しかし…ゲームのまま映画化したら思いっきりAVになってしまう恐れがありますね。じゃあ「かなえキッチン」こと木○佳苗被告に主演してもらいましょうか……誰も見んわ、そんな映画(笑)。

 攻略対象はこの2人だけですが、マンションには他にも住人がいます。

 百田六郎

百田六郎

  百田三兄妹の長男で、名前の通り、とうとう六浪してしまった可哀想な浪人生。百田家の長男で、面倒見の良さから主人公も色々と世話になっています。千穂の夫と同級生だったため、千穂本人とも知り合いです。百田家の両親は既に他界しており、長女の三琴と二人でバイトをしながら生計を立てています。主人公を応援してくれますが、実は密かに千穂のことが好きだったりします。千穂攻略に失敗すると「六郎エンド」となり、彼の気持ちが明らかになります。徹夜で酒盛りした二人は急性アルコール中毒で病院へ直行したそうですが(笑)。

 百田三琴

百田三琴

 兄と同じく浪人生。ドテラ兄妹としてマンション内では有名です。気ままで我が侭、銭勘定には異常なまでに執着しています。さすがに兄である六郎には全く頭が上がらないようですが、主人公に対しては隙あらば鋭いツッコミを入れてきます。千穂とは親友で、彼女に関してはかなりの情報を有しているらしいです。

 百田九ノ美(このみ)

百田九ノ美

  百田三兄妹の末っ子。両親が居ないため、優しくしてくれる主人公をパパと呼んでいます(おい)。人懐っこい子犬のように主人公にまとわりついてきますが、香苗が越してきてからは、彼女をママと呼ぶようになり(おいおい)、何とかして二人をくっつけようと策を講じます。実は進め方によっては九ノ美エンドというのもあるのですが、それは香苗さん狙いで攻略に失敗した場合のもので、将来に期待という話です。……どんだけ待つ気だ主人公(笑)。

 川村なつめ

川村なつめ

  正体不明、おそらくは人外の不思議少女です。年齢、職業、その他全てが謎で、部屋に様々な仕掛けを作っては主人公を落とし入れたり、怪現象を引き起こしています。ペットのステファニー(カメ)がお気に入りですが、このカメも凄まじく怪しいです。挨拶の言葉は「ちわーん」。言動には不明な点が多いのですが、何かと主人公にプレゼントしてくれるあたり、悪い人ではないのかも知れません。

 大菊ジュン

大菊ジュン

 マンションの大家兼、アダルトショップの店長。気さくで話のわかる人の良いオヤジで、主人公にはとても好意的です。怪しい仕草から、マンション内ではホモ説が浮上していますが、本人は一応否定しています。至って常識人ですが、アダルトグッズについて語らせるととたんに饒舌になります。

 ああ、なんてこった!本作は先に述べたようにアダルトゲームとして大ヒットしたため、OVA(全3巻)になっているのですが、調べたら実写版AVにもなってました。壇蜜さん、もういいです。やらなくていいです。どうかお帰り下さい(コックリさんか!)。

 「ギリギリモザイク妻みぐい ゆまと穂花との共同生活」

ゆまと穂花の共同生活

 2007年の作品で、「超S級アイドル夢の競演×大人気ゲームのスペシャルコラボ!大好きな千穂(麻美ゆま)とセクシーな香苗(穂花)の間で揺れ動く、ボクのスケベ心と恋心☆香苗の誘惑フェラや痴女SEX、千穂の快感パイズリやラブラブSEX、二人と夢の3Pなどエッチな共同生活は幸せいっぱいです! 」だそうです。私はよく知らないのですが、AV女優としては大物の二人なんだそうです。パクリが横行しまくるAV業界ですが、この作品はちゃんとタイアップしているようですね。

チャイナドレスの香苗さん

 では次週は「妻みぐい2」を。

好きな声優さん(その1):能登麻美子

能登かわいいよ能登
 
 遂に来ましたね、秋。昼間はそうでもなかったけど、夜になったら涼しいこと。本当に待ってたんだよ亜紀…じゃない秋。

 ちなみに「亜紀」をググってみたら向井亜紀とか白亜紀とか内山亜紀が出てきました。白亜紀は意表を突かれましたね。あ、誤変換ですのでどうかお引き取りを(昨日と同じネタかーい!)

 そうそう、昨日から「アクセス解析」を導入しました。解析といっても、誰がアクセスしているのかといった個人情報が判明するわけではないのでご安心を。どんな検索ワードで当ブログに来られたのかがわかるので、人気のあるネタは積極的にやっていけばアクセス数が増えるかなとか、考えたりする参考にはなるでしょう。人気が落ちてまた4桁台に入ったら検討するかもしれません。しかし、アクセスカウンターもそうですが、ブログ開設したからって自動的についてくる機能じゃないんですね。自分で入れないといけないんですよ。おかげでブログ初心者の私は開設後4ヶ月以上経ってようやく導入です。

 ところでブログ中級者って、どれくらいやればなれるんでしょうね。スキーなんか、パラレルができればもう中級者だなんて言われて、スキー学校とかで教習受けて3日も滑ればもう中級者なんてことになってましたが、反面上級者(ウェーデルンが楽々できる人達)には永遠になれなかったりしましたけど。ここまでくればブログ中級者、これができれば上級者なんてハードルがあるといいんですが。

アフレコ中の能登さん

 さて、昨日新カテゴリー「声優」を作ったので、今後はこのカテで好きな声優さんについて語っていこうと思います。その初っ端は、究極の癒やし声を持つ能登麻美子さんに登場していただきましょう。

 その名のとおり能登半島出身なのかと思ったら当たらずも遠からず、金沢市出身なんですね。確かに古都出身の雰囲気があります。声優のほかにも女優、歌手としても活動しています。

ショートにしても可愛い能登さん

 この世のものとは思えない声というか、浮き世離れした声をお持ちです。天使とか女神とか妖精とか、まあ人外的とでもいいましょうか。生きているとどうしても生じてしまう濁りとか穢れとかいうものが全くない澄んだ声というか。もし死ぬときが来たら、この人の声でお迎えが来てくれたらいいな、なんて思います。もうどこへでもいっちゃいますよ。

 活動時期は1998年からということでもう中堅さんといっていいだけのキャリアを持ってますが、本格的に活動し始めたのは2000年以降のようです。アニメやゲームのキャラだけでなく、CMのナレーションも多くこなしています。例えば

お洒落した能登さん

http://www.youtube.com/watch?v=02NBi-4krSk&feature=related

 なんと本人出演・ナレーション。あとニコニコ動画ですが能登さんのCMナレーション集があります。

http://www.nicovideo.jp/watch/sm2755252

http://www.nicovideo.jp/watch/sm2755252#!sm4748314

 あと、歌手活動もしている能登さんですが、童謡を歌うと凄まじく恐いということがネタになっています。論より証拠、これを聴いて下さい。横溝正史の殺人事件の世界が…

http://www.youtube.com/watch?v=6VhqEOI3WTA

 私が能登さんの声に始めて触れたのは、PS2用ゲームのギャラクシーエンジェルだったと思います。ゲームの発売が2003年なので、2003~2004年頃になるでしょうか。クロミエ・クワルクという役でした。

クロミエ・クワルク

 なんと、この人は男です。エルシオールという母艦で宇宙クジラの世話をしており、肩に子宇宙クジラを乗せています。性格は温厚で気さくで、いつもやんわりとした笑顔を浮かべており、やや人間離れした面もあります。このキャラのちょっと囁くような感じの声を聴いて、ずっと聴いていたくなるような麻薬のような恐ろしい能登さんの声に脳をやられてしまいました。

 代表作は、数々あれど、やはり地獄少女・閻魔あいでしょうか。

地獄少女

 Wikipediaによると、能登さんの人物像は“本人曰く「人に尽くされるより尽くす方が好きな性格」で、普段は穏やかな人柄だが、怒ると非常に怖い。声優として演じるキャラクターも同様の傾向が強い。”とのことですが、この地獄少女なんかまさに普段は冷静沈着なのに、極めて稀に感情を爆発させることもあるので、能登さんに近いキャラなんじゃないかと。能登さんもコスプレしてます。

地獄少女に扮した能登さん

 まあおそらくご本人と接触する機会はないでしょうけど、能登さんだけは怒らせたくないですね。怒ると怖いからではなく、こういう人を怒らせるようなことをすること自体がど外道なことなのではないかと。

 おっと、この役も忘れてはけません。「マリア様がみてる」における「俺の嫁」、藤堂志摩子です。

藤堂志摩子

 ウェーブのかかった長い髪、フランス人形を思わせる柔らかい顔立ちが特徴で、穏やかでおっとりとした性格ながら、芯はしっかりとしているという性格が、まさに能登さんらしいキャラではないでしょうか。

 このほか、私が知っている能登さんキャラにはこんなのがあります。

 リモネ(シムーン)

リモネ

 最年少の巫女でまだ幼いながらも、才能は豊かです。仲間と接するうちに自主性を育んできますが、相方のドミヌーラと翠玉のリマージョンの実行に成功したことで、異世界へと旅立っていきます。こんなロリキャラもこなす一方、劇中では名も無き少年航空兵も演じていました。純真な少年役な結構向いてますね。

 東城綾(いちご100%)

東城綾

 おしとやかで恥ずかしがり屋な性格で、成績優秀な反面、運動は苦手で少々ドジで天然ボケなところがある女の子です。文才があって、文芸誌の賞を10代で獲得しています。才色兼備で、なおかつ能登さんの声を持っているこの人を選ばない主人公はどうかしていると思うのは私だけでしょうか?

 嘉村令裡(かむら れいり)(怪物王女)

嘉村令裡

 誇り高い吸血鬼の少女(ただし本当の年齢は不詳)で、高校に通っています。美貌と上品な物腰から学園のアイドル的存在となっていて、学園の少女達から「令裡さま」と慕われています。一般的な吸血鬼としての弱点を踏襲しているので太陽には弱いはずなのに、それを押して通学しています。ある意味凄い根性の持ち主ですが、やはり日光に負けて倒れてしまうこともあります。

 祇条深月(しじょう みつき)(キミキス)

祇条深月
 
 キミキスは直接プレイしていないのですが、アマガミのおまけの「ぬくぬくマージャン」に登場していました。本物の「深窓の令嬢」で、ピアノやバレエ等、幼い頃から様々な英才教育を受けています。「従順なお嬢様」で、好きな人に尽くすことが喜びで、主人公を「ご主人様」と呼びます。呼ばれたい!尽くされたい!!だからといってSMには走らない!!この人を攻略するためだけに「キミキス」を買おうかとさえ思いましたが…コミック版の祇条深月編を読んだらある程度納得したので買いませんでした(笑)。

 今川義元(織田信奈の野望)

今川義元

 駿河・遠江を支配し、「東海一の弓取り」と言われる姫大名です。上洛の途中、桶狭間の戦いで織田信奈に敗れますが、史実とは異なり討ち取られることはなく捕虜になります。その後、上洛した信奈によりお飾りの征夷大将軍となり、今川幕府を開設します。もちろん傀儡ですが、義元自身もそれを承知で蹴鞠やお茶にうつつを抜かす日々を送っています。その美貌はさすが能登キャラ。

 最後に信じられないキャラも演じているのでご紹介します。

 パンデモニウム(銀魂)

パンデモニウム

 スナック感覚で食べることが出来るらしい妖虫。姿は人間の子供ぐらいの大きさの醜悪な人面虫そのものですが、事故で新八とキスしてしまったことで、突如変化して

パンデモニウムさん

 こういう美少女キャラになります。

 この顛末はあまりにもおかしいので、ニコニコ動画ですがぜひ見てみて下さい。

http://www.nicovideo.jp/watch/sm9837450

http://www.nicovideo.jp/watch/sm17163853
 
 凄いな~能登さんが演じると怪物も美少女に大変身ですよ。ずっと目をつぶって暮らすので、パンデモニウムさんでいいから側で囁き続けていて欲しいものです。

癒やし系の能登さん

 あ、やっぱりご本人の方がいいです(笑)。

良子と佳奈のアマガミカミングスィート!:新カテゴリ「声優」始めます

アマガミカミングスィート!
 

 はい、こんばんは。いよいよ明日から少し涼しくなるとの予報が。ようやく近づいてきたかね、秋!しかし、もうお彼岸に突入してますよ。暑さ寒さも彼岸まで。奈津代…いや、夏よ。俺が笑っているうちに早いとこいなくなれよ。

 我がATOKが打ち出した「奈津代」って誰だ?と思ってググってみたら、真っ先に出てきたのは石野田奈津代というシンガーソングライターさんでした。有名な方らしいですけど…ごめんなさい、存じ上げませんでした。後ろの方に行くとフェイスブックでいろんな奈津代さんが出てきました。すいません、違うんです皆さん。ただの誤変換なんです。

 ところで、去る筋から「お前らしい毒をもっと吐いたらどうだ」とか「得意の毒舌はどうした」などのコメントをいただきました。だからそれはブログのコメントで言ってくれよと思いいつつ、あえてここでお返事をします。

 私は、不特定多数の方々がいらっしゃるブログという場で、「わざわざ嫌いなものについて語って罵倒するってどうよ?」と思っているのです。現在このブログでは、私が見聞したアニメ・映画・漫画・小説などにおける「私のお気に入り」について語っております。私が好きだというものについて、「いや、私はそれ嫌い」とか「お前は面白いと言っているけど私はそうは思わない」とか思われる人もいるでしょう。趣味嗜好は個人個人で異なりますからそれは仕方の無いことです。そういう方が、見に来られなくなることは仕方のないことだと思います。

 自分が嫌いな者を「好き!」と言っている人がいたとしても大多数の人は「奇特な奴だ」「近寄らないようにしよう」程度にしか思わないと思うのですが、自分が好きなものを「嫌いだ!」とわざわざ広言している人がいたとしたらどうでしょうか。ちょっと捨て置けないなという気分にはならないでしょうか。そんなことは新聞広告の裏にでも書いておけよ、なんぜわざわざ全世界に向けて広言してんだよ、ふざけんなよ、喧嘩売ってんのか?みたいな感じに。

 「私はAが好き」「そう。僕はBが好きだな」とお互いが好きなものを主張し合い、相互の嗜好を尊重し合っているぶんには至極平和ですが、「Bなんて最悪!私はAが超好き」「馬鹿じゃねーのお前。Bのが一億倍いいに決まってんだろ」なんて言い合えば、これは紛争必至です。

 嫌いなものをあげつらって世の人々の怒りを買ってブログ炎上なんてことにはしたくありません。といっても、好きだからと言って何でも手放しで褒めちぎるつもりはありません。好きだからこそ見えるアラなんてのもありますから、問題点とか欠点とかがあるならばそれは指摘していきたいと思います。ただ、愛するが故の指摘と憎むが故の罵倒ではその性質の違いは一目瞭然だと思うのですよ。

 それに、わざわざ嫌いなものを探し出すという負の労力も精神衛生的にはどんなもんなのでしょうか。あくまで趣味でやっているこのブログ、せめて明日を少しでも楽しく生きるという方向でやっていきたいなと。世の中なんて、そんなに楽しいことありませんから(あ、この辺が少し毒かな)。

 あと私自身は、そんなに毒ばかり吐いてるつもりはないんですよ…いやいや本当に(笑)。

左:新谷良子、右:阿澄佳奈

 というところで、長い前置きはここまでとして、本日の記事行ってみましょう。本日取り上げるのは去る9月17日に最終回を迎えた「良子と佳奈のアマガミカミングスィート!」です。

 この番組は、プレイステーション2用ゲームソフト「アマガミ」に関連したインターネットラジオ番組で、2009年3月16日から3年半、全180回が配信されました。私が「アマガミ」を知ったのはアニメの「アマガミSS」で、しかも途中から見たので2010年の秋頃だったと思います。その後ゲームをやりまして、遅まきながらアニメも全部見て、今年の冬アニメとして「アマガミSS+plus」という第二期もやったので、これも全部見ましたとも。

 「アマガミ」は、私がこれまでやったギャルゲーの中では、一連のゲームの集大成的な存在なのですが、これについては改めてたっぷりと語りたいのと、その機はまだ熟していない気がするので今回はさて置きます。

 で、「良子と佳奈のアマガミカミングスィート!」なんですが、ゲーム「アマガミ」は人気を博し、アニメも当たったことで、コミックだのフィギュアだのと様々に展開していったことが、異例の長寿番組となった理由の一つであると思いますが、なによりも、新谷良子と阿澄佳奈の掛け合いが面白かったのです。

桜井梨穂子

 この二人のうち、新谷良子はヒロイン候補の一人で主人公「橘純一」の幼なじみでもある「桜井梨穂子」を演じており、阿澄佳奈は「橘純一」の妹の「橘美也」を演じていました。だから桜井梨穂子と橘美也も幼なじみ関係にあるので、キャラとしても一緒に番組をやってることに違和感はないのですが、とにかく中の人同士の相性が良かったなと思います。

新谷良子

 新谷良子といえば、私の中ではギャラクシーエンジェルのミルフィーことミルフィーユ桜葉のイメージがあったのですが、桜井梨穂子というキャラもお菓子が大好きで(ミルフィーは作るのが好きだけど、梨穂子は食べるのが好き)、ちょっとポヤポヤーンとしておっとりのんびりしていたりするところも似ています。

ミルフィーユ桜葉

 ご本人も美しいですが、ラジオで聞く地声はハスキーな感じなのでびっくりしました。無理して出してるのかな、キャラの声。歌もよく歌っていて、これまでにシングル17枚、アルバム6枚も出しています。

ニャル子さん

 一方、阿澄佳奈については、私は橘美也で知りました。まあ今となっては「這いよれ!ニャル子さん」のニャル子さんのイメージが強烈になっていますが。

阿澄佳奈

 阿澄さんもお美しい方ですね。声は「心を癒すやわらかなボイス」と評されているそうです。多くのラジオ番組でパーソナリティを務めて人気を博しているそうです。そうか、だから「良子と佳奈のアマガミカミングスィート!」はこんなに面白かったのか。そういえば松来未祐とやっていた「ニャルラジ」(「『這いよれニャル子さん』を10倍楽しく聴く方法」)も一回限りの番宣だったはずが、あんまり面白いので回を重ねて、とうとう「寝起きにポテトチップス」というレギュラー番組に昇格していましたっけ。

橘美也

 この阿澄さんが演じた「橘美也」ですが、18禁ギャルゲーにありがちな「攻略対象になる妹」では決して無く、また攻略したいと思わせるキャラでもなく、実に妹らしい妹キャラでした。お兄ちゃんが好きなんですが、それは決してLOVEではないという「一線」を踏み外す恐れのない人だったので、安心してかまいまくることができるという。

 この辺り、「アマガミ」の前作「キミキス」の主人公の妹「奈々」は、容姿にしても「お兄ちゃんラブ」な感じにしても、やややばい雰囲気(おでこにキスして貰うのが好きとか)があったので、いい方向に路線転換したと思います。

キミキスの奈々

 「良子と佳奈のアマガミカミングスィート!」は、そんな2人による「アマガミ」の魅力を伝えるトーク番組で、主に、パーソナリティ及びゲストによるオープニングトーク、アニメ版や漫画版を始めとした関連コンテンツや関連商品などのインフォメーション、番組に届いたメール紹介、フリートークやゲームにちなんだコーナー展開といった内容で構成されていました。2人のフリートークが一番面白かったような気がするのは、やはり2人の相性がよかったからなんでしょうね。

 毎週月曜日は番組を聴きながらブログを書くというのが定番だったんですが…これからどうしたらいいんでしょう。頼む…「アマガミ」アニメ第三期ぜひやって下さい。そして番組の復活を。さらに私のラブリーをもう一度。あ、ラブリーは梨穂子でも美也でもなく、伊藤静が演じた「森島はるか」なんですけどね(笑)。

ラブリーのフィギュア

「ネクロノミコン」の一節を訳してみよう!

H・P・ラヴクラフト
 
 久々に本格的な雨を見ました。しかしまた照ったり曇ったりと相変わらずのお忙しぶりな天気です。話題にするにもマネージャー通さないといかんのではないでしょうか。明日が最後の峠…本当に…本当に信じていいの?(ドラクエVのフローラ風)

 さて、たまには英語の話題でもしてみましょうか。と言っても、私は英語が大嫌いなのですが。英語が不得手なのに外国で暮らすっていうのは本当に大変でして、まあ私が滞在していた国は英語圏ではなかったのですが、現地語は余計にわからないから、英語を使える人でないとコミュニケーションが取れないということに。

 まあ現地の言葉に精通していればそれが一番ですが、そうでない場合、日本語よりはまだ英語のほうが通じる可能性があるというものです。我々日本人も外人が英語で話しかけてくると逃げ腰になってしまいますが、彼らの母国語だと全く通じない可能性があるので、何とか聞き取ってやって知っていることは伝えてあげたいものです。

 そういえば、米英人は言葉として英語を使ってきますが、非英語圏の人の英語はコミュニケーションの手段として英語を使うので、前提条件として「相手に意志を伝える」という目的があるので、比較的聞きやすいし、こちらのつたない英語も聞き取ろうと努力してくれます。アメリカ人なんかは当たり前のように早口で英語をしゃべって、こちらも流暢に返事することが当たり前だと思っている節があるので参っちゃいますね。

ラヴクラフト全集1巻

 さて、肝心の英語の話題ですが、小難しい文化論とかを展開するつもりはなく。私の好きなクトゥルー神話の話です。
(_゚∀゚)o彡°ケイオス!ケイオス!アイワナケイオス!

 That is not dead which can eternal lie,
 And with strange aeons even death may die.

 これはラヴクラフトの作品「無名都市」(The Nameless City)に登場する二行連句です。後に「クトゥルーの呼び声」という作品(一連の小説を「クトゥルー神話」と呼称するに至った記念碑的作品。)で、「ネクロノミコン」という書物の一節であるとう設定がなされました。

ファンが再現した「ネクロノミコン」

 「ネクロノミコン」は、ラヴクラフトの一連の作品に登場する架空の書物で、世界的にも最も有名な架空の書物といえるでしょう。クトゥルー神話の中ではしばしば重要アイテムとして登場しており、クトゥルー神話を書き継いだ他の作家たちも自作の中に登場させています。

 「クトゥルー神話」での設定としては、アラブの狂える詩人アブドル・アルハズラットが西暦730年にダマスカスにおいて書いた「アル・アジフ(Al Azif)」が原典であるとされています。「ネクロノミコン」というタイトルは、ギリシャ語へ翻訳された際に付けられたものとされ、「死者の掟の表象」といった意味だそうです。作者のアルハズラットは執筆後、白昼のダマスカスの路上で、目に見えない怪物に生きたままむさぼり食われるという非業の死を遂げたことになっています。

 現存する「ネクロノミコン」の多くは17世紀版で、ハーバード大学のワイドナー図書館、パリ国立図書館、ミスカトニック大学付属図書館、ブエノスアイレス大学図書館などに所蔵が確認されていますが、完全なものは世界に5部しか現存していないと設定されています。

ジョン・ディー

 もちろん「ネクロノミコン」は実在しない書物ですが、熱心なラヴクラフトのファン達によってその再現が試みられています。1978年に出版された「魔道書ネクロノミコン」は、「実在したジョン・ディーの暗号文書」(ジョン・ディーは16~17世紀の実在の人物ですが、ネクロノミコンを英訳したというのはもちろんフィクションです)をコンピュータ解析によって解読したという触れ込みで、この「解読結果」が、作者や関係者のネクロノミコンに対する所見や「解読」に至るまでの経緯などと共に収められています。日本では1994年に学研から出版されてます。

魔道書ネクロノミコン

 「科学と学習」とか「中○コース」「高○コース」といった教育雑誌のイメージが強い学研ですが、オカルト雑誌「ムー」も出版しているんですね。そういえば教育雑誌は軒並み廃刊とか休刊に……。これはもしやあれですか、「ネクロノミコン」の祟り…
あわわ。

 まあ「そんなオカルト信じません!」ということで、話を戻しますが、先ほどの英語
 
 That is not dead which can eternal lie,
 And with strange aeons even death may die.

 これをどう和訳しますかというのが本日の主旨です。単語はさほど難しいものは使われていませんが、“aeons”はあまり馴染みがないですね。あと“That”とか“which”とか関係代名詞が使われているあたりが日本語的には訳しづらいところでしょうか。

 まずは先哲の模範を見てみましょう。

 最初に、ラヴクラフト、クトゥルフ神話、フィリップ・K・ディック、コリン・ウィルスン、神秘学関連などを多数翻訳している大瀧啓裕さんの訳例です。

 That is not dead which can eternal lie,
 And with strange aeons even death may die.

 其は永久に横たわる死者にあらねど、
 測り知れざる永劫のもとに死を超ゆるもの

 次に、「無名都市」を「廃都」というタイトルで翻訳した波津博明さんの訳例です。

 That is not dead which can eternal lie,
 And with strange aeons even death may die.

 久遠に臥したるもの死することなく
 怪異なる永劫の内には死すら終焉を迎えん

 大瀧訳は格調高いですね。しかし意訳が多いような。「あらねど」を使っていますが、前後の文章は“And”でつながれていて反語的な表現ではないようですし、“death may die”は直訳すれば「死も死ぬかもしれない」「死も死ぬことがある」となると思います。しかし「死を超ゆるもの」は格好いいなあ。

 波津訳は比較的素直に訳していますね。“strange”を「怪異なる」と訳すのは大瀧訳の「測り知れざる」よりは素人にもわかりやすいし、“death may die”の“die”を消滅するとか終わるという意味で捉えています。

 続いて、Wikipediaのラヴクラフトの記事にある訳例を。ただし「独自研究?」のタグが貼られてますけど。

 That is not dead which can eternal lie,
 And with strange aeons even death may die.

 永遠に横たわること能うものは死するに非ず
 そして奇怪なる永劫のうちには死すらも死なん
 
 では、これら先達を参考にしたユースフ訳(パクリとも言いますが)をば。

 That is not dead which can eternal lie,
 And with strange aeons even death may die.

 永久に横たわり得るものは死者にはあらず
 それは、数奇なる永劫の果て、死すらも超えゆく者

怪物王女

 ちなみに「怪物王女」というアニメのOPの冒頭で、この英文が右から左に流れていきますね。

 http://www.youtube.com/watch?v=PVLhCj_m8-I

怪物王女OPの一コマ

 怪物王女とその一党は人狼、吸血鬼、土地神などですが、彼らの生命力が人知を超えるものであることは疑いありませんが、「死を超越する」までか、といえばどうでしょうかね。王位継承争いがあるということは代替わりがあるということで、それはつまりどんなに長くとも、寿命があるということに他ならないのでは……

 あ、「怪物王女」では吸血鬼の嘉村令裡が好きです。だってCVが能登麻美子だから(笑)。

嘉村令裡

人類は衰退しました:勝手に認定「夏アニメの最高作」

マイちゃん
 
 相変わらず不安定な天候が続いていますが皆さんお元気でしょうか。秋よ、早いとこ夏に引導を渡して下さいな。 

 さて、昨日「人類は衰退しました」の最終回を見ましたので、早速今日の話題にしたいと思います。

マイちゃんと妖精達

 いやー夏アニメを全て見たわけでもないのに勝手に断言しますが、夏作品のNo.1はこの「人類は衰退しました」でいいんじゃないでしょうかね。SFマインドに溢れた非常に面白い作品だったと思います。
 
 興味深かったのは、回が進むほど過去の話になっていったところでしょうか。冒頭、いきなりベリーショートだったマイちゃん(主人公の「わたし」をこのブログではこう読んでます。CVの中原麻衣とMyを掛けて)の、その理由は5-6話で語られていますし、7-8話は「助手さん」がやってくる時のエピソードなのでさらに以前の話。9-10話はマイちゃんが学舎を出て国連の調停官としてクスノキの里に着任した当時の話なのでさらに以前の話。そして11-12話はマイちゃんの学舎時代の話なので一番初期の話という風に。

 3-4話と9話はちょっと時期がわかりかねますね。1-2話の後か5-6話の前あたりだと思うのですが。2話でマイちゃんの長い髪が自律思考・自律行動するようになってますが、これが一時的現象ではなく恒久的なものだとすると、3-4話及び9話は5-6話より前の話である可能性が高いと思われますが(マイちゃんのピンチに髪が手を貸さないはずがないので)、原作を見ると1-2話は4巻、3-4話は6巻、9話は4巻ということなので、マイちゃんの自律する髪はあくまで仮初めで、1-2話より後の話なのかも知れません。

いんだよ細けえ事は

 そうですね、細かいことはいいですね。毎回面白かったのですが、時間配分が良くないせいか、エンディングアニメがないこともしばしば。エンディング省略だけでは不公平だと思ったのか、オープニングアニメがない回もありました。これも…

いんだよコマけぇことは!!

 直近にみたせいもあって印象的なのは11-12話でしょうか。マイちゃんの学生時代が語られています。マイちゃんはどのような境遇であったのか、両親は登場せず、他の子達よりだいぶ大きくなってから1年生をやらされています。この生誕から学舎に入るまでの間のエピソードも第二期でもやるなら描写されるのでしょうかね。

涙のマイちゃん

 そんな訳でクラスメートのジャリどもと仲良くする気もないままに孤立していじめの対象となったマイちゃん、接近してくる「巻き毛」ちゃんも悪の黒幕にしか見えないという猜疑心の塊です。またYとかも態度悪いしね。そんな人嫌いなマイちゃんも実は孤独は死ぬほどいやで、でもどうすることもできないというジレンマに陥っています。

走るマイちゃん

 泣きながら走るマイちゃん。他の回では感情表現に乏しいのでとっても新鮮です。そして出会った妖精さんの助力によりコミュニケーション能力をほんの少し増したマイちゃんは、飛び級して年上の同級生のいじめの対象となった「巻き毛」ちゃんを助けてやったりして、押しかけルームメイトになられたりして、「のばら会」に入ることになります。

巻き毛のスカートを見つけてあげたマイちゃん

巻き毛に懐かれるマイちゃん

 学舎の生徒達がなぜか一目置く「のばら会」に加入したことでいじめはぱたりと止み、他者とのコミュニケーション力をつけたマイちゃんは、意地悪なYの秘密を暴き、彼女を追い詰めることに成功します。しかし、その後腐女子のYの手引きにより、「のばら会」メンバーの真実の姿を見ることに。

花先輩

 温和な「花先輩」は「殺すリスト」を付けてました。実は人から受けた恨みや迷惑は絶対に忘れない「根に持つ」タイプで、日常の些細な恨み辛みをノートに克明に記録していたのです。「アマガミ」のメインヒロイン絢辻詞の黒革の手帳もきっと中身はこんなだったんだろうな…

花先輩の殺すリスト

「銀髪ちゃん」と書いてありますね…これはYのことでしょう。

魔女先輩

 この世界では異色の黒髪のお姉様「魔女先輩」は髪の毛フェチで、女の子の髪の毛を蒐集してアルバムに溜め込んでいます。もちろんマイちゃんの髪の毛も大事なコレクション。

魔女先輩の髪の毛コレクション

 女の子の顔とかプロフィールも付いています。創刊号は特別価格だったりして。

いつも一緒のAB先輩

 いつも一緒にいる「AB先輩」は、普段はお上品でおとなしいのに、実は誰も見ていないところでは、だらしない格好でスキットルで酒を回し飲みしながら、下品な言葉で低俗な会話をしています。

粗野なAB先輩

 百合関係かと思ったら、そういうことはありませんでした。単に仲の良い二人。

ヤンデレ巻き毛

 そしてマイちゃんラブの「巻き毛」ちゃんはとてつもないヤンデレでした。マイちゃんのいない一人の部屋で、人形をマイちゃんに見立ててママゴトをしているのかと思ったら、人形に熱湯をかけたり、ナイフでめった刺しにしたりして、あげるにバラバラにしています。あの部屋に帰れないというマイちゃんの魂の叫びはよくわかります。「ヤンデレの女の子に死ぬほど愛されて眠れないマイちゃん」なわけですからね。

ヤンデレの女の子に死ぬほど愛されて眠れないCD

 そしてYは、自分は腐女子だけど心に闇を抱えていないので、マイちゃんに近いとして、二人で共闘していくことを持ちかけ、見事に成功します。Yは脱退していた「のばら会」にも復帰して、マイちゃんもYも良好な学舎生活を築くことに成功します。

のばら会

 しかし…ちょっと待って下さい。Yは本当にノーマルに近いのでしょうか?この人、「屋根裏の散歩者」状態で他人のプライバシーを暴きまくってきたんですよ。「花先輩」のデスノートは確かに恐いけど、他人に公開している訳でもなく、本当に復讐しているわけでもありません。ノートに書き記すことで精神の均衡が保ててれば別にいいじゃないですか。

卒業していく花先輩と魔女先輩

 魔女先輩も、まあいい趣味であるとは思いませんが、こちらも密かにやっていることだし、落ちた髪の毛を拾っているので犯罪性もありません。ちょっと百合な先輩という程度じゃないですか。むしろ図書館のBL系書籍を盗んでいるYの方が犯罪性が高いし、魔女先輩も腐女子で覗き趣味のYに文句を言われたくないでしょう。

 AB先輩については、まあ女の子に幻想を抱かなければ、こんなもんなんじゃないかと。こちらも人目のないところでやっているだけだし、誰にも迷惑かけてないし。好きな女の子の真相を見てしまったというのなら「ガーン!」と幻滅するところですが、同性なんだしそんなに問題にするところでもないかと。

ヤンデレ巻き毛ちゃん2

 ただ…「巻き毛」ちゃんだけはさすがに恐ろしいですね。誰も見てないところでやっていた訳ですが、見てしまっては同室生活は辛いものが。いつナイフで刺されるかと思うとおちおち寝てられませんよ。しかし、そんな「巻き毛」ちゃんも卒業の頃には落ち着いていたみたいで、マイちゃんとの別れは泣いて悲しんでいましたが、ヤンデレ的なことはしませんでした。

巻き毛ちゃんとお別れ

 そして物語の最後、初めて出会った妖精さんの手助けで学舎生活を乗り切れたことを知ったマイちゃんは……

真相を知って号泣するマイちゃん

 なんだよ妖精さん、いい仕事するじゃんか。

マイちゃんの妖精

 マイちゃんを演じる中原麻衣とYを演じる沢城みゆきのやりとりは素晴らしいの一言。二人とも役者やのぉ~。3-4話のやりとりがもう一度聞きたいと思っていたのでとても良かったです。それから、この作品は中原麻衣の重労働の末にできあがっていますが、マイちゃんの気だるさとか気の抜け方とか、もう最高の演じっぷりでした。今年の最優秀主演女優賞でいいんじゃないでしょうか(まだ早いですか?)。

 しかし、人類は絶賛衰退中ということですが、妖精さん達は人間が大好きみたいだから、本当に絶滅寸前になっってきたら人類復活計画とかやりそうですね。その時は、今より質のいい人類を作って下さいな。

ARIA(その1):究極の「癒やし」をあなたに

ARIA
 
 三連休もあっという間に終わってしまいましたね。秋分の日はなんと土曜日なので三連休にならないという孔明の罠。3週間後の体育の日まで待ちましょう。

 今日は漫画喫茶に行ってきましてセキレイだのクレイモアだの範馬刃牙だのの新刊を読んできたのですが、前々から気になっていたもののこれまで手を出してこなかった「ARIA」(本当は一文字ごとに「・」が入るのですが、面倒なので省略させて下さい)を読んでみたのですが……どうして今まで読んでこなかったんだ!と己の不明を恥じて地団駄を踏みまくりましたよ。それなので、全12巻中5巻までしか読んでいないのですが、思わず取り上げてしまいます。なので今回は「(その1)」ということで。「(その2)」をいつやるかはわかりませんが、全部読んだら絶対やります。

 「ARIA」(アリア)は、天野こずえが2002年から2008年にかけて連載した、1話完結型の漫画です。アニメも2005年から2008年にかけて3期に亘って放映されたそうです。こちらも未チェックなのでいずれ見なければと思っています。

一巻表紙

 物語の舞台となるのは、テラフォーミングされ地表の90%が水没して水の惑星となった未来の火星(「アクア」と呼ばれています)。観光都市ネオ・ヴェネツィアで、一人前の観光水先案内人(ウンディーネ)を目指す少女、水無灯里(みずなし あかり)とその周囲の人々の過ごす四季折々の日常を描いています]。ネオ・ヴェネツィアは地球のヴェネツィア(既に水没)から建築物や風習を移転したという設定になっていて、実在の観光資源が作中に登場しています。ヴェネツィアは10数年前に一度訪れたことがあるのですが、「ARIA」を読むとまたヴェネツィアに行ってみたくなります。そういえば、行って良かった観光スポットのベスト50にヴェネツィアが入っていませんでしたね。なぜ?

 実は「AQUA」というタイトルで二巻出版した後、諸般の事情で「ARIA」に改題して掲載誌を変えて連載したそうです。そうえいば本棚にあったよ、「AQUA」…。こっちから読むべきだったのか。次回必ず読みます。

二巻表紙

 時代は24世紀、西暦2300年代ということで宇宙戦艦ヤマトよりも100年くらい未来が舞台となっています。ネオ・ヴェネツィアは地球のヴェネツィアの風習や街並みを再現した観光都市ですが、日本人の入植地が近接していたことにより、日本文化の影響もみられ、近所には千本鳥居のある神社があったりします。

 このネオ・ヴェネツィアでは、ゴンドラ漕ぎによる観光案内は全員女性が担っており、水の精霊であるウンディーネと呼ばれ、観光産業で重要な役割を持っています。主人公の灯里は地球生まれですが、ウンディーネに憧れてAQUAにやって来ました。この灯里の視点からネオ・ヴェネツィアの四季(公転周期が2年なので一年は24ヶ月もあり、その分四季の移り変わりはゆっくり)や楽しい諸行事が描かれます。

三巻表紙
 
 この作品を一言で表すならば「癒やし」、この一言に尽きるのではないでしょうか。とにかくネオ・ヴェネツィアの四季は美しいです。危険なことはないですが、狐の嫁入りや猫の避暑地、カーニバルのカサノヴァなど、怪異とも言うべき奇妙な出来事が起きたりもします。一巻で一つの季節が描かれており、四巻で一年分(火星だから実際には二年分ですが)が描かれることになります。

 この作品を読んで連想したのは、「カードキャプターさくら」です。悪人が一切出てこない善人ばかりの世界であるところなんかはそっくりです。ただ、「CCさくら」の世界は悪人はいなくても誤解などからトラブルや仲違いが起きたり、カードが様々な事件を巻き起こしたりしてましたが、「ARIA」の世界はひたすら美しく楽しく夢と希望に満ちています。名曲「プラチナ」でいえば、「CCさくら」の世界は夢と恋と不安でできているそうですが、「ARIA」には不安は皆無です。 

水無灯里

 「あかり」という名前は「秒速5センチメートル」の明里を連想させられるので、心がピクッと反応してしまうのですが、漢字が違っています。しかし、こちらの灯里も実にいい娘です。灯里は夢見がちで素直な女の子で、感激した時などには思わず恥ずかしくなるような台詞を連発してしまいます。また好奇心旺盛な性格で素敵な物事を見つけて楽しむことの達人です。

 ゴンドラの操船練習の最中にすぐに他の事に目移りしてしまうという、集中力の散漫ぶりも見受けられますが、天真爛漫な笑顔で初対面の相手とも親しげに話すことができるなど社交性が高く、人の心を開かせる不思議な魅力も持っています。そのせいか、何度か「人ならざるもの」と一緒に別の世界に迷い込みそうになるという経験をしています。

アリシアさん
 
 灯里の所属する「ARIAカンパニー」はウンディーネが2人しかいませんが、先輩のアリシアは「水の3大妖精」と称えられているプリマ・ウンディーネです。口癖は「あらあら」「うふふ」。慈愛と母性にあふれ、いつも笑顔で落ち着いているエレガントな女性で、灯里から母親のように慕われており、藍華を始め憧れる人も多数います。多分読者の多くが「俺の嫁」と思ったのではないかと。ええ、私も思いましたとも。

藍華

 灯里の初めての同世代の友達の藍華は、業界最大手の老舗、姫屋の跡取り娘です。幼少期、落ち込んでいた時にアリシアに元気付けられたことをきっかけにウンディーネを目指すようになり、現在もアリシアに強い憧れを抱いています。灯里とはアリシアに会う口実を増やすために友達となったが、現在ではそれを抜きにして仲が良く、会社が違うにもかかわらず一緒に行動することが多くなっており、合同練習も灯里やアリスを彼女が纏めるという形で行っています。負けず嫌いで勝気な性格であるが、反面涙脆かったりもします。

晃

 姫屋に所属する「水の3大妖精」の1人が晃です。アリシアの幼馴染ですが、性格は対照的で男勝りで口は悪く、少々強引な面が見られますが、面倒見が良く根は優しい先輩です。藍華は姫屋の跡取りであるため誰もが遠慮しますが、晃のみは遠慮なく厳しく指導しています。

アリス

 灯里の年下の友人、アリスは最近急成長して姫屋を超える最大手となったオレンジプラネットに所属する中学生です。学校に通いながらウンディーネ修行をしていますが、その実力は灯里や藍華をしのぐほどです。操船では素晴らしい腕を見せますが、社交的な灯里とは正反対で、無口で無愛想で人付き合いは非常に苦手としています。そのため、営業スマイルがうまくできなかったりガイドの声や曲がり角で掛ける声が小さい等、接客面で欠点を持っていますが、灯里や藍華と知り合って合同練習をする中でその性格は次第に変わっていきます。

アテナ

 オレンジ・プラネットの「水の3大妖精」の一角で、アリスと同室なのがアテナです。孤立しがちなアリスを気に掛けており、気配りの達人ですが、かなりのおっちょこちょいでアリスも呆れられるほどのドジっ子ぶりを見せます。しかしウンディーネとしての力量は確かで、特にカンツォーネ(舟謳)はCDを出すほど上手く、「天上の謳声(セイレーン)」の通り名を持つほどです。

三大妖精揃い踏み

 物語は、灯里がこれらのウンディーネや、同じく精霊の名を持つ他の職業の人々(天候制御者がサラマンダー、重力制御者がノーム、空中配達者がシルフ)達との交流したり、年中行事やイベントを楽しんだりしていく姿が季節の風景とともに描かれていくのですが、灯里がなにしろ「素晴らしさ」を感じることの達人なので、その瑞々しい感性を通して見るネオ・ヴェネツィアのなんと美しく素敵なことでしょうか。

五巻表紙

 確かに可愛い女の子がたくさん出てくるのですが、「萌え系」とはまた違う世界が構築されていると思います。灯里のネオ・ヴェネツィアでの日々はひたすら屈託無く楽しそうで、彼女をソウルハッキングして代わって住みたい位なのですが、おそらくネオ・ヴェネツィアとて天国ではなく、暑かったり寒かったり辛い日々もあるはずなのです。それが彼女の視点ではまるでパラダイスのように見えるのは、やはり灯里の心の持ちようによるのだろうなと思います。なにしろ重労働であるはずのゴンドラ漕ぎでさえ、ずっとずっと漕ぎ続けていたいと感じたり、ゴンドラ船底の貝やら海藻やらの掃除でさえ楽しんで延々と続ける位ですから。

 天国はどこかにあるのではなく、心の持ちようでそこここにあるのだ。そういうことを教えてくれるような作品です。現実に戻れば「そんな馬鹿な」という感じもしますが、世知辛い人生、たまにはこういう心洗われる漫画を読んで感性をリフレッシュさせることも必要なのではないでしょうか。

 それにしてもアリシアさん「は「俺の嫁」ですよね-。

四巻表紙

同級生2(その2):綺麗なお姉さんは好きですか?

同級生2
 
 三連休の中日ですね。だいたい日曜日の夜というのは、月曜日を控えて憂鬱になりがちなんですが、月曜日が休みだと心に大きなゆとりがありますね。それにしても今日も雨が降ったり照ったり曇ったりとせわしない天気でした。上空では夏と秋が覇権をめぐって争っているのでしょうか。頑張れ秋!

 さて、では昨日の続きで「同級生2」です。お気に入りキャラ残り3人を紹介する前に、惜しくも選外となったヒロイン達を簡単に紹介してみましょう。

 まずは主人公との「同級生」達から。

 水野 友美

水野友美

 主人公の隣の家に住む幼馴染で、医療機器メーカーの社長の娘です。成績優秀・スポーツ万能・クラス委員長と絵に描いたような優等生でもあります。そういうとまるで「ときメモ」の藤崎詩織のようですが、黒く太いフルフレームが目立つ眼鏡のせいか、地味な感じがしますね。彼女の攻略を目指すと、主人公の家に押しかけた長岡芳樹に着替えを盗撮されてしまい、対応を誤ると「肉奴隷」にされてしまうという恐怖のバッドエンドが待っています。

 篠原 いずみ

篠原いずみ

 有名な工業会社・篠原重工の社長令嬢です。弓道部に所属しており、ショートカットヘアでボーイッシュな性格で、物事をハッキリ言うタイプでもあります。主人公とは悪友のような関係で、友美とは親友です。設定の由来は、漫画「機動警察パトレイバー」の登場人物・泉野明と篠原遊馬だそうです。

 加藤 みのり

加藤みのり

 口数が少なく目立たない上、牛乳瓶の底のようなグリグリ眼鏡に髪型も硬めのお下げという地味な女の子ですが、一種の変装で、眼鏡を外して髪を解くと別人のような美少女になります。

鈴木ひろこ

 別人姿では「鈴木ひろ子」と名乗り、学園には内緒でコンビニ店員として、家計を支えるべくアルバイトに勤しんでいます。

 南川 洋子

南川洋子

 身長175cmとこの作品一の長身です。バイク屋の一人娘で、内緒でバイク通学しているほどのバイク好きです。いわゆる不良ですが、硬派で恋愛に関しては純情で、独占欲も強いので、狙っているならいいのですが、浮気心でうかつに手を出すと、シナリオ終盤に妊娠を告白され、「できちゃった結婚エンディング」に突入してしまう恐れがあります。

 次に非「同級生」の皆さん。

 都築 こずえ

都築こずえ

 八十八学園の1年生で16歳。このゲームでは唯一の「下級生」です。図書委員でテニス部に所属しています。主人公の武勇伝に憧れるなど、風変わりな所があります。性格面では喜怒哀楽が激しく、落ち着きが無く我侭な所があり、外見も童顔で幼児体形でロリ系の服装を好むため、とにかく幼稚な印象があります。

 野々村 美里

野々村美里

 バス会社「入梅興業」の社員で21歳。主人公達が「冬至温泉」へ旅行に行く際、バスガイドとして同乗したことをきっかけに知り合います。恋愛には普通を求める一方、実は刺激を求めるタイプだそうです。

 田中 美沙

田中美沙

 前作「同級生」から唯一引き続いての登場となります。流石はメインヒロイン桜木舞を差し置いてナンバー1ヒロインになっただけのことはあります。現在は体育大学の2回生で20歳。前作の主人公と一旦は結ばれたものの、その後に喧嘩別れとなってしまい、傷付いた心を癒すべく、親友が住む八十八町を訪れたところ、駅前にて主人公と出会います。

 永島 久美子

永島久美子

 主人公達が温泉旅行で泊まった旅館「永島旅館」の一人娘で18歳です。都会から来た一行に憧れて家出した後、主人公の元へ転がり込んできます。垢抜けない容姿のためメイドと間違えられたりします。メイドと言うよりは「お手伝いさん」の語感がぴったりな気もしますが。

 永島 佐知子

永島佐知子

 永島旅館の5代目女将で久美子の母親で未亡人です。年齢は不詳ですがアラフォー位でしょうか。どんな時も色気が溢れる妖艶な容姿をしていますが、肝は据わっており、露天風呂では偶然主人公に裸を見られても動じません。

 それではお気に入りキャラの年上編の3人の紹介を言ってみましょう。

 まずは安田 愛美(やすだ あずみ)です。

保育園前の愛美

 年齢は21歳、身長は156cm、スリーサイズはバスト84cm、ウエスト60cm、ヒップ87cm。

保育園の中の愛美

 八十八町の保育園「聖・花園保育園」の保母さんをしています。身体は普通に大人ですが、顔立ちは極めて童顔です。「母性本能」の塊のような人で、それ故に園児達には大変懐かれています。

仕事中の愛美

 一旦惚れた相手には命まで捧げたくなるほど情熱的かつ献身的な恋愛感も持っていますが、「重い」女になってしまうせいか、過去にそれが災いして失恋した経験を持っています。そのため、男性に対して臆病かつ疑い深くなっています。

天道に迫られる愛美

 天道新幹線に一目惚れされて、ストーカーと化した彼に追い回される中、主人公と出会うことになります。

ブランコの愛美

 天道にもっていかれてしまうシーンがショックで、NTR感を味わうことになります。一度そのシーンを見てorzとなったら、その後は必ず奪回することにしましょう。

どアップの愛美

 保育園の教室での耳かきというイベントがシュールで印象に残っています。なお、愛美と結ばれると、園児達が祝福してくれます。

子供達の祝福を受ける愛美

 続いて唯の母、鳴沢 美佐子(なるさわ みさこ)さんです。

居間の美佐子さん

 年齢は不詳ですが、おそらく永島佐知子同様アラフォーだと思われます。身長は163cm、スリーサイズはバスト86cm、ウエスト58cm、ヒップ87cm。ウエストの細さは「そんな馬鹿な」と言いたくなるほど驚異的ですね。

店を片づける美佐子さん

 唯と共に主人公と同居しており、主人公の母親代わりでもあります。10年前に夫を亡くして困っていた所、大学時代の知り合いである主人公の父親に頼まれ、主人公一家と同居することになりました。

客に口説かれる美佐子さん

 主人公の母が存命時に自宅で開いていた喫茶店も受け継いでいます。やはりその美貌は注目の的らしく、口説き美やってくる客もいます。

世話焼き美佐子さん

 当初は主人公の父親の再婚相手、つまり継母という設定でしたが、攻略対象となったことで「インモラルすぎる」との理由で単なる同居人になったそうです。このため唯も、義妹から「お兄ちゃん」と呼びかけるただの同居人になりました。

酔っ払う美佐子さん

 主人公の父に対して密かな好意を抱いている(そうでなきゃ同居しませんよね)一方、主人公を預けていったことには不満を感じてもいて、深夜に酒を煽ることもあります。髪を下ろすとどうみても20代にしか見ませんね。

髪を下ろした美佐子さん

 実は学生時代から両思いだったのに、主人公の父が親友のために美佐子から身を退いたとか。「友情」というべきか、逆「こころ」というべきか。主人公が唯と結ばれると、美佐子さんは主人公の父と結ばれ、ダブル結婚式を行うことになります。

風呂に入ってくる美沙子さん

 見ての通り容姿があまりに若々しいことから、発売直後のゲーム雑誌やパソコン通信では「彼女は何歳?」とか「美佐子と唯は実の親子ではないのでは?」などの論争が展開されたそうです。今なら美魔女といったところでしょうか。

結婚式の美佐子さん

 美佐子さん攻略のためには、杉本桜子とのイベントを進める必要があります。またアダルトなシーンがあるPC版では唯との同時攻略は不可だそうです。やはり「親子丼」は「インモラルの極み」ということでしょうか。当時は慎重だったんですね。

 さて、最後に女教師登場です。片桐 美鈴(かたぎり みれい)先生。

教室の美鈴先生

 年齢は25歳、身長は165cm、スリーサイズはバスト88cm、ウエスト59cm、ヒップ91cm。

プレゼントを選ぶ美鈴先生

 八十八学園の現代国語と古文の教師で、主人公のクラス担任の先生です。いいなー、一度くらいこういう先生に受け持って貰いたかったですよ。

職員室の美鈴先生

 当然ながら学園一の美人教師で、男子生徒の人気は高いそうです。この人、教師と言うよりモデルか女優にしか見えません。

ソファに座る美鈴先生

 八十八町のマンションに一人暮らしをしています。3年生の冬休みになっても進路が決まらない主人公のことを終始気に掛けてくれています。そりゃあこの時期にまだ未定ではねえ。せめて進学とか言っとけよと言いたいですが。

彼氏と逢う美鈴先生

 美術大学の助教授を務めている35歳の彼氏がいますが、教師を続けたい美鈴先生との間には軋轢が生じており、結果的には大晦日に別れることになります。

酔いつぶれた美鈴先生

 その後自棄酒を呷って主人公とのシナリオが一気に進むことになりますが、弱った女性につけ込むみたいでちょっと良心が痛みます。

どアップの美鈴先生

 永島佐知子や鳴沢美佐子がひどく若々しく描かれている反面、美鈴先生は25歳とは思えない落ち着きを見せています。教師という職業柄なのでしょうか?

美鈴先生エンド

同級生2(その1):元祖「お兄ちゃん」キャラを産んだ記念碑的作品

SS版同級生2
 
 巷では三連休が始まったところですが、皆さんいかがお過ごしでしょうか。筑波嶺は今日は天気が不安定で、雨が降ったり日が射したりと忙しいことこの上ないです。

 恒例ギャルゲーの土曜日ですが、先週エルフの「下級生」を紹介しました。「同級生」「下級生」と来たので「上級生」と行きたいところなのですが、残念ながらそういうゲームはないので、やむを得ず「同級生2」に行きたいと思います。

 「同級生2」は1995年に発売された18禁の恋愛アドベンチャーゲームで、タイトルどおり1992年に発売された「同級生」の続編にあたります。当初はPC用ソフトとして発売されましたが、1997年にセガサターン、プレイステーション、スーパーファミコンに移植されています。これらコンシューマー機用のソフトは当然ながらアダルト色が抑制されています。私がプレイしたのはPS版でした。

 物語の舞台となる時期設定については、前作が夏だったのに対し、本作は冬になりました。また本編の日数は前作と比べて1週間短縮され、12月22日から1月6日までの2週間となっています。冬休みは短いですからね。

 「同級生2」は、「同級生」以上にドラマ性が強いゲームとして登場し、ユーザーに歓迎されましたが、その反面、難易度が高くなりました。また、「同級生」では複数ヒロインの同時攻略が比較的容易にできたのに対し、「同級生2」では非常に困難になっており、事実上ヒロイン一人に絞った一本道のプレイが必要にななっています。もちろん綿密にスケジュールを組んで行動すれば、同時攻略は可能ですが、「下級生」より遙かにプレイ時間は短いので、虻蜂取らずになるリスクを冒すよりは、素直に「一人一殺」(笑)で進めたほうがいいでしょう。

 「同級生」は、プレイの自由度が高い反面、何をどうしたらいいのか分からないというプレイヤーが多数出たことから、「同級生2」ではマップ全体を縮図で捉え、行きたい場所をクリックするだけで即到達できる「縮小マップ移動」が導入されています。

 また、「同級生」では自室で寝ると必ずセーブされると共にゲーム内時間が8時間経過していましたが、「同級生2」ではセーブかロードを選べる上、寝る時間も選べるようになっています。毎日1時間しか寝なくても、ゲーム中では倒れたりしません。

 なお、ヒロイン候補は15人も登場しますが、例によって「同級生2」というタイトルにもかかわらず、主人公と同級生ではないヒロインが多数登場します。

 さて、例によって好きなキャラ紹介と行きたいのですが、今回は男性キャラも紹介してみましょう。男なんてみたくないという方も数多いらっしゃるかも知れませんが、彼らがヒロイン攻略に絡むこともあるもので。

 西御寺 有友(さいおんじ ありとも)

西御寺有友

 西御寺財閥の御曹司で、物事はもちろん恋愛までも全てお金で解決できると思っています。主人公と様々な面で張り合うライバルで、上流家庭であることを何かと引き合いに出してきます。「同級生」や「下級生」にも類似のキャラが登場しており、このシリーズに欠かせないキャラのようです。恋愛の本命は「鳴沢唯」ですが、「都築こずえ」など他の娘にも手を出しています。外面が良いため、女子からの人気も高いです。

 長岡 芳樹(ながおか よしき)

長岡芳樹

 出た典型的キモオタの元祖。写真部部長ですが、部員は自分1人です。肥満体かつアバタ顔に眼鏡と、オタクに対する負のイメージを具現化したような容姿の上、趣味は女の子のパンチラ盗撮で特技は他人のプライバシー探索であることから、学園の全女生徒から激しく嫌われています。自分と同様に問題児である主人公を一方的に親友呼ばわりしていますが、主人公からも煙たがっています。口癖は「きっついなあ」。対応を間違えると、幼なじみキャラの「水野友美」は彼の「肉奴隷」に堕ちてしまう恐れが……

 川尻 あきら(かわじり あきら)

川尻あきら

 主人公の親友で、柔道部部員です。基本的には至って普通の性格ですが、柔道着を普段着にしていたり、スキーウェアとしても着用してしまう点が、全然普通ではありません(本人は柔道着型のスキーウェアだと主張していますが、見た感じ普通の柔道着との違いが全く見当たりません)。冒頭で「鳴沢唯」に気があるような素振りを見せるものの、女の子とは全く縁がないように見えます。その実、「南川洋子」に片思いしていたりします。

 天道 新幹線(てんどう しんかんせん)

天道新幹線

 主人公の通う八十八学園の体育教師で、柔道部顧問や生徒指導も担当しています。問題児である主人公に何かと因縁を付けてきます。ゲームで学校の体育教師が「いい人」として描かれることがほとんど皆無である点からすると、ゲームクリエイター達が学生時代の回想する際、体育教師にいい思い出がないのだろうと思われます。はい、私も全くないので違和感はありませんが、体育教師にいい思い出を持ってる人からすると(いるのでしょうか?)苦々しいかも知れませんね。「安田愛美」に一目惚れし、その後はストーカーと化します。 生徒からは恐れられて不人気であり、「片桐美鈴」先生にも苦い顔をされるなど、職員間の評判もあまり良くない模様です。彼も対応を間違えると、「安田愛美」を持って行ってしまうNTRキャラです。

悪夢の愛美

 さて、ようやく男が終わったので好きなキャラ(順不同)ベスト6の発表を。今日はそのうち主人公と同級生の3人を紹介します。残り3人と他のヒロインの紹介は日曜日にします。

 一番手は、メインヒロイン鳴沢 唯(なるさわ ゆい)です。

居間の唯

 年齢は18歳、身長は155cm、スリーサイズはバスト83cm、ウエスト56cm、ヒップ84cm。一人称は「唯」です。

居眠り唯

 同い年の主人公を「お兄ちゃん」と呼んで慕っており、以前は別の女子校へ通っていたのを、主人公を慕う一心で八十八学園へ転入してきて同級生となるという、一歩間違えばストーカ気質な女の子です(でも可愛いから許す)。

旅館の唯

 主人公の父と学生時代の知り合いである鳴沢美佐子の連れ子で、早くに父親を亡くしたために10年前から主人公と同居しています。将来は、看護婦を目指しており、学校の成績は優秀です。

ベッドの唯

  後年、ギャルゲーやアダルトゲームで普通に登場する「妹萌え」の元祖的存在として特筆されるようになっりましたが、唯自身は設定上も戸籍上も主人公の妹ではなく、ただの同居人でしかありません。年下でもないので「お兄ちゃん」という呼びかけ設定はかなり強引とも言えます。

 同じ「ユイ」でも「ALMA」の由衣は生粋の妹の上、タブー中のタブーに……

そこにしびれる!あこがれるゥ!

 この唯の設定は、前作「同級生」のメインヒロイン・桜木舞が予想に反する不人気ぶりであったことを受け、人気を得られるように試行錯誤が重ねらたためだそうです。当初は主人公の義妹という設定でしたが、鳴沢美佐子も攻略対象なっているため、倫理上の問題を警戒して、設定を同居人へ変更したようです。唯が主人公を「お兄ちゃん」と呼ぶのは、義妹設定の名残でしょう。

どアップの唯

 しかし、この「お兄ちゃん」という呼び掛けが、後世に大きな影響を与えることとなったのです。ある意味エポックメーキングなキャラクターといえるでしょう。

痴漢に襲われる唯

 唯は最初から主人公に好き好き光線を発射していますが、主人公がむしろ距離を置こうとしています。年明けに公園で痴漢に襲われるというイベントがり、これを助けることでフラグが立ちます。危機を救って結ばれるという展開も今では王道ですね。

助けられた唯

 なお、唯と結ばれると、主人公の父親と唯の母である鳴沢美佐子も結婚して、ダブル結婚式となります。

ダブル結婚式の唯

 次はクラスの「アイドル」舞島 可憐(まいじま かれん)です。

教室の可憐

 年齢は18歳、身長は168c、スリーサイズはバスト88cm、ウエスト58cm、ヒップ88cm。

自宅前の可憐

 このシリーズ、背の低い女の子が多い中ではかなりの高身長です。一番高いのは南川洋子の175cmですが、そこまで行くとむしろ高すぎます。可憐はハイヒールを履いてもいいのですが、ただし洋子、テメーはダメだ(あくまで個人的見解です)。

居眠り可憐
 
 アイドルというのは比喩ではなく、8歳の時に芸能界入りし、現在本当のトップアイドルの座にいます。その端麗な容姿ゆえに、髪型や服装を真似するファンが多数出るほどの有名人です。

苦悩する可憐

 また、その収入で「可憐御殿」と呼ばれる豪邸に住み、リムジンで通学するお金持ちでもありますが、そういったことを一切鼻に掛けない謙虚な性格をしています。うーん、理想的じゃないですか。

焚き火の傍らの可憐

 多忙でほとんど登校できないために友人付き合いにも乏しく、学園内でも周囲には一歩引かれた目で見られてしまいがちですが、そういった事を一切気にしない(空気を読めないタイプ?)言動で接してくる主人公に次第に惹かれて行きます。

ベッドの上の可憐

  当初の設定ではトップアイドルではなく、最後の足掻きでヌードグラビア撮影に挑むような落ち目のアイドルだったらしいです。本編でも真冬の海岸で水着のグラビア撮影を強行するという、トップアイドルとも思えないシーンがありますが、これは当初の設定の名残のようです。

アイドル可憐

 途中、長岡芳樹が可憐のパンチラ写真を売りに来るというイベントが発生しますが、もちろん「買ってはいけない」(そんなタイトルのインチキ本がありましたね)。

可憐エンディング

 可憐はアイドルだけに、攻略は基本的に「追っかけ」に徹する必要があります。マネージャーに煙たがられたりしますが、ひるんではいけません。

可憐エンディング2

 杉本 桜子(すぎもと さくらこ)

病室の桜子

 年齢は18歳、身長は158cm、スリーサイズはバスト85cm、ウエスト56cm、ヒップ86cm。

籠の鳥の桜子

 病名不明の重病(心臓病とも)を患ったため、3年前から長期入院しています。

病院前の桜子

 性格は極めておとなしく、心優しい女の子です。本来なら八十八学園に通い、主人公の同級生となる予定でした。

病院を抜け出す桜子

 窓からの景色しか目にできず、ターボという名の小鳥だけが友達の寂しい闘病生活を過ごしていたある日、ひょんなことから主人公と出会います。

どアップの桜子2

 普通にプレイしているだけでは出現しない、いわゆる「隠しキャラ」的存在でしたが、シナリオの出来の良さからメインヒロインの唯とも人気を二分するほどの存在となっています。

元気になった桜子

 更には、退院直後の言動が3年も入院していたと思えないほど健康的なため、摩訶不思議な生命力を持った病弱キャラクターとしても知られています。

海辺の桜子

 ゲーム中、「私…痩せぽっちだから…恥ずかしいな…」という台詞があるのですが、スリーサイズを見れば全然そんなことはありません。

ベッドの桜子

 そういえばこの人、「黄金ヒロイン」の身長である158cmですね。「同級生」の桜木舞、「ときメモ」の藤崎詩織、 「下級生」の結城瑞穂と並び、杉本桜子こそが「同級生2」の真のメインヒロインなのでしょうか。唯は155cmとちょっと小さかったなあ。

壇蜜さん

 ああそうそう、一流グラビアアイドルの壇蜜さんも158cmです。うーん、黄金身長。

どアップの桜子

 途中、小鳥(ターボ)が死んでしまうのですが、主人公はそれを桜子が死んだと誤解して泣いて家に帰るというイベントがあります。これは鳴沢美佐子攻略に不可欠なイベントでもあるのですが、そのまま誤解し続けると、本当に桜子は死んだことになってしまうという「孔明の罠」があります。ぜひ桜子を救ってやって下さい。

両手に花の主人公

 なお、桜子を攻略した場合、主人公は一念発起して医者となり、桜子は妻にして看護婦(あえて書きます)、唯も看護婦となります。この場合、唯が本当の妹ならあまり違和感がないのですが、血縁関係でもないのに勝手に「お兄ちゃん」と呼び続ける女が傍らにいることに対し、桜子が平常心でいられるのかがちょっと気になりますね。

 明日は年上編で。もちろん女教師も入ってますよ。

ホテル・アイリス:破滅的恋愛を描く「私の奴隷のなりなさい」の対極的SM小説

文庫版ホテル・アイリス
 
 いやはや暑いですね。暑さは来週も続くと言うことですが、暑さ寒さも彼岸までといいます。きっともうすぐ皆が大好きな秋が来ます。それまで耐えましょう。冬の訪れはゆっくりでいいので、秋に長くいて欲しいですね。……なんかそんな歌があったような気がします。

 さて、本日も本の紹介を。読書の秋か?それとも薄い本のせいか?多分両方です。

 ご紹介するのは、今日読み終わったばかりの小川洋子の「ホテル・アイリス」です。

ロシア語版の表紙

 小川洋子は1962年生まれの50歳。1988年に作家としてデビューし、1991年に妊娠した姉に対する妹の静かな悪意を描いた「妊娠カレンダー」で芥川賞を受賞しています。以後も無垢と残酷、生と死、慈しまれるものの消滅といったテーマを繊細な筆致で描いており、その他の代表作には読売文学賞と本屋大賞を受賞した「博士の愛した数式」(2003年)、フランスで映画化された「薬指の標本」(2005年)。泉鏡花賞を受賞した「ブラフマンの埋葬」、谷崎潤一郎賞を受賞した「ミーナの行進」(2006年)などがあります。

 という訳で、錚々たる売れっ子作家なわけですが、私が今までに読んだことがあるのは「博士が愛した数式」だけです。

博士の愛した数式

 「博士の愛した数式」は、交通事故による脳の損傷で記憶が80分しか持続しなくなってしまった元数学者の「博士」と博士の家政婦である「私」、そしてその息子の「ルート」の心のふれあいを、美しい数式と共に描いた作品で、万人向けのハートフルな物語です。2006年には映画化されています。

 私が今回図書館で「ホテル・アイリス」を手に取ったのも、「あ、『博士の愛した数式』の人の本だ」と思ったからなのです。しかし、裏表紙のあらすじを見たら「ええ!?」と思いました。そこには……

 染みだらけの彼の背中を、私はなめる。腹の皺の間に、汗で湿った脇に、足の裏に、舌を這わせる。私の仕える肉体は醜ければ醜いほどいい。乱暴に操られるただの肉の塊となった時、ようやくその奥から純粋な快感がしみ出してくる…。少女と老人が共有したのは滑稽で淫靡な暗闇の密室そのものだった―芥川賞作家が描く究極のエロティシズム!

 なんて書いてあったのです。 オイオイ、ハートフルどころか、ハートフルボッコな作品じゃないかとツッコみを入れてはみたものの、やっぱり借りてしまったのは、既にご紹介したサタミシュウの「私の奴隷になりなさい」と比較してみたかったからです。

 で、内容ですが、日本とも外国とも知れない(雰囲気的には異国風なのですが、主人公の少女の名前はマリで、英語やロシア語が「外国語」とされているところは日本的でもあります。私の勝手な妄想の中ではクロアチアのドゥヴロブニクあたりがいいなと思うのですが、作中「イタリアに留学に行くのでしばらく来れない」といった会話があって、クロアチアとイタリアは隣国ですぐそばなので無理があるような気がします。じゃギリシャのエーゲ海沿岸あたりということで手を打ちますか)マリンリゾートにある「ホテル・アイリス」の少女が主人公です。花の17歳ですが、母娘2人だけの家族になってしまったので高校を半年で辞めさせられて、以後はずっとフロントで働いています。

 母は他人にはマリの容姿の美しさを自慢している反面、ホテルの業務でこき使っており、毎日マリの髪を梳って、美しいシニョンを作ることを日課としています。これは愛情というよりは、マリをホテルや自分に縛り付けておこうとする呪縛の行為のようにも見えます。

 ある日マリは老翻訳家と出逢い、買い物に出た街中でも偶然出会ったことで知り合いになります。母の目を盗んでデートする二人ですが、老翻訳家の家に招かれた時、凄まじいSM調教の限りを尽くされることとなっていくのです。

 このロシア語を翻訳することで生計を立てている老人(といっても70歳前らしい)は、普段は穏やかで不器用で愛すべき老人風にも見えるのですが、一旦激昂すると凄まじい激情を見せるというエキセントリックな面を持っています。そしてそれはSMの時に顕著となるのです。

 こう書くと、スケベ爺の餌食になった哀れな娘という図式に見えますが、実際は違います。処女(のはず)のマリは内心嬉々として老翻訳家の調教を受け、彼と逢う時を待ちわびているのです。この辺が「私の奴隷になりなさい」と共通しているところでしょうか。マリは香奈で、老翻訳家はご主人様です。

 ただし、官能小説的色彩の強い「私の奴隷になりなさい」に対し、流石は芥川賞作家、「ホテル・アイリス」は非常に流麗なタッチで描写しているので、読んでいて興奮するようなことなありません。ただ、よくよく読むとそのSM調教のすさまじさは「私の奴隷になりなさい」を凌駕しているかも知れません。「ご主人様」は、香奈との関係が外部に発覚しないように留意していますし、不倫によって香奈が一段といい女になるように仕向けていると主張していますが、老翻訳家にそんな配慮は全くありません。家に帰るマリがどんな言い訳を考えればいいのかと思い悩むことに対しても完全にほったらかしです。「ご主人様」になる資格はないのかも知れませんね。

 そんな中、マリはマリで、老翻訳家を訪ねてきた甥(舌がないので言葉が話せず、メモの付いたペンダントを使って筆談します)を、自ら誘って関係を持ち、しかもその際の会話のメモをポケットに入れたままにして老翻訳家に見つけられたりしています。

 結局、これにより激昂した老翻訳家は、マリの髪を切り刻み、全身を縛って吊して写真を撮るという暴挙に出ます。折しもやってきた嵐のせいもあって、まる一日ホテルに帰れなくなったマリは、翌朝老翻訳家と一緒にホテルに帰りますが、その時は既にマリは男に誘拐されたとして警察沙汰になっており、逮捕されそうになった老翻訳家は海に飛び込んで死んでしまいます。

 マリは「結局甥は姿を見せなかった」なんて締めくくって、まるで甥の薄情さをなじるかのように結んでいますが、マリ自身も自ら進んで関係を持っていたにもかかわらず、死人に口なしをいいことに、被害者ぶることで事件を決着させようとしています。

 なぜこの本のタイトルが「ホテル・アイリス」なのか。老翻訳家とマリの「情事」は遊覧船で行く先の島にある老翻訳家の家で行われており、ホテルが舞台になることはありません。ホテルはマリを縛り付けるもの、マリの所属するものの象徴なのかも知れません。そこから逃れようとして、一時の逃避は可能としたものの、自らそれを破壊して再び戻ってしまうそんなマリが縛り付けられている場所が「ホテル・アイリス」なのでしょう。

 マリは老翻訳家を本気で愛していたようですが、その関係が一時的なものに過ぎないであろうことは早くから察知していたようで、一夏だけのものだと自覚していたようです。そして、夏の終わりに際して、故意に老翻訳家の甥と関係し、しかもそれを老翻訳家に発覚するように仕向けるなど、自ら破局点を構築しています。この後マリはどうなるんだろう、どういう人生を辿るのだろうかということに思いを馳せると、「私の奴隷になりなさい」のようなソフトランディングは全く見えてきません。

ホテル・アイリス

 しかし、私は思います。こういう破滅的な恋愛、今という瞬間だけしか念頭になく、明日など見ない恋愛の方が、はるかに純愛ではないかと。「私の奴隷になりなさい」は、恋愛というよりはむしろ遊戯のようで、最初から綺麗に別れることを念頭に入れているあたり、安全ではあっても純粋さに欠けているなあと思います。

 滅びの愛を堪能しましょうよ。その方がきっと燃え上がる一瞬の炎が美しいですよ。などとリア充を唆して、あいつらが絶滅すればこっちにもチャンスが回ってくるぜとか妄想していたりして。あ、だから女の子は破滅させちゃだめだよ、自分だけ滅ん下さいね(笑)。

だいこん:気っ風のいい美人の細腕繁盛記

だいこん
 
 本当に、いつ果てるとも知れない絶倫の夏が続いてますね。夏のやつ、宝仙堂の凄十でも飲んだのでしょうか。

彼、どうやら飲んだらしい

 そう、「彼、どうやら飲んだらしい」のアレです。こっちとしてはいい加減さっさと果てて欲しいのですが……

 阿部さんみたいな「いい秋」に早く来てもらいたいものです。

ウホッ!いい男

 そして「ウホッ!いい男…」ならぬ「ウホッ!いい秋…」と言わせて欲しいものです。

 さあ、小粋なオープニングジョークはこれくらいにして、本日の記事行ってみましょう。今日は昨日読み終わったばかりの山本一力の「だいこん」をご紹介します。
 
 また図書館で借りてきたんだろうとお思いのあなた。

そのとおりでございます。

 ……さすがにちょっと使いすぎな感じがしてきました。
 
 作者の山本一力は64歳。1997年に「蒼龍」でオール讀物新人賞を受賞してデビューし、2002年には「あかね空」で直木賞を受賞しています。主に江戸時代を描いた数多くの時代小説を執筆しています。

 描くのは主に江戸下町の町人達で、商人や職人の他、渡世人や駕籠かきや飛脚なども主人公となっています。特徴は、真面目に主人公が誠心誠意仕事に取り組んでいると、それを影ながら見て評価している人達がいて、主人公が困難に直面したときにさりげなく助けてくれたりするという筋立てが多いことです。基本的に正直者が馬鹿をみてばかりでない、理不尽な目に遭ったりもするけどそればかりではないというハッピーエンドが多いので読後感が爽快です。

 まあこの世の中、そんなに上手くはいかないよと、空を斜に見上げて毒づきたくなる日も多いですが、山本一力の著作を読むと、2,3日はちょっと真面目に生きてみようかなという気にもなるという、そんな力があるような気がします。

 「だいこん」の主人公はつばきという大工の娘で、本編では彼女の3歳から25歳くらいまでの期間を描いています。

 昔「ルックルックこんにちは」というワイドショーをNTV系列でやっていたのですが、コーナーの一つに「ドキュメント女ののど自慢」というものがありました。のど自慢だけに女性の参加者が持ち歌を熱唱するのですが、その前にVTRで再現された参加者の波瀾万丈な半生がドキュメントとして紹介されるのです。例え歌が下手でもドキュメントが感動的だと下駄を履かせもらって合格できたりするという(笑)。夏休みになると女子高生大会なんかもありました。女子高生にそんなにそんなに波瀾万丈なドキュメントがあるものなんでしょうか?しかし島谷ひとみも女子高生大会に出場してデビューにつながったらしいです。

島谷ひとみ

 しかし、「だいこん」のつばきの場合、25歳の若さでもう十分「ドキュメント女ののど自慢」合格間違いなし、スペシャル賞獲得おめでとう的な人生を送っています。
 
だいこん(文庫版)

 腕のいい大工だけど酒と博打に目のない父親が10両もの借金を賭場で作ってしまい、つばき一家は十一(といち。十日で一割という暴利です。これで良ければ私も幾らかはご用立てできますので、お入り用の方はご連絡を……へっへっへ)の利子を払うのが精一杯で元金が減らない極貧生活に喘ぎます。そんな中で妹は生まれるは親父は番所に引っ張られて笞で叩かれるは大火事は起きるはといろいろな出来事が起きます。

 そんな中、飯炊きの才能を見いだされたつばきは、10歳になる前から鳶が集まる番小屋の食事番となり、母親といっしょに父親の半分は稼ぐようになります。借金も帳消しになってからは小金を地道に貯めて、17歳にして一軒家を借りて飯屋「だいこん」の開店にこぎ着けます。

 このつばきが極めて商才に長けていて、格安で飯食べ放題、おかず食べ放題を実現し、味の良さと薄利多売で人気を博していきます。そのうちに弁当屋もやるようになり、酒もだすようになって居酒屋化したり、料亭を居抜きで買ったりと様々な展開をした後に、ある商人との口論の果て、売り言葉に買い言葉で料亭を手放し、それまでの根城だった浅草から深川へ進出していくというところで物語は終わっています。

 またつばきは、単に飯炊きが上手いというばかりでなく、気っ風が良くて意志が強く、曲がったことが大嫌いという、下町の職人や鳶が皆して惚れまくりそうな性格で描かれています。ただ三姉妹の長女で母親がちょっと頼りないせいで、妹たちの母代わりになってしまったせいか、可愛げがないことを本人は気にしていたりします。

 「だいこん」命で暮らしていく中で、様々な人と知り合い、絆が出来ていき、義理人情を大切にする中でさらにその姿勢気に入った人達が寄ってくるという好循環。もちろんそりの合わない人々も出来てきて摩擦も起きたりしますが、常に味方が大勢いるというのはうらやましいです。きっと現代に生まれていたらホテルチェーンの女社長あたりになっているのではないかと思うような細腕繁盛記ぶりです。

 酒の博打でもめ事を起こす父親や、時々ヒステリーを起こす母親、甘えん坊な妹たちと、家族は必ずしも理想的な性格というわけではありませんが、短所もまとめて愛するという包容力のあるつばきは、妹たちを次々と嫁に行かせて自らは「行かず後家」となっていますが(今の世の中、25歳で「行かず後家」なんて絶対言えませんが、なにしろ江戸時代の話なので勘弁して下さい。この時代だとこう言われてしまうのです)、自分のお店という本当に熱中できるものがあれば恋愛なんてどうでもいいような気もしますね。もっともつばきは美形らしいし、恋をしないつもりもないので、色恋沙汰は起きていくでしょう。

 おそらく続編では、つばきの深川での活躍とか恋愛などが描かれる第二部が執筆されないわけがないと思うのですが、おそらくつばきが80歳まで生きても幕末にはなお届かず、江戸時代ど真ん中を生きることになるでしょう。

江戸時代の吾妻橋

 Amazonのレビューを見ていたら、こんなに面白いのに☆一つの評価の人がいて、何でだろうと思ったら、時代考証に間違いがあるというのです。この小説ではつばきの過ごす時代が年号と西暦表記で示されるので非常にわかりやすいのですが、その人のご指摘によると、1764年生まれのつばきが6歳ころ(つまり1770年頃)に嵐の中を吾妻橋を渡っていて、危なく川に落ちそうになるというエピソードがあるのですが、実は吾妻橋は1774年架設の橋で、それ以前は渡し船が出ていたと言うことです。

現在の吾妻橋

 物語の面白さを帳消しにするようなことは決してありませんが、確かにこれは言い訳のきかないミスとしか言いようがないですね。つばきの生まれを4年くらい後に下げた方がいいかも知れません。

 ちなみに吾妻橋は墨田区の地名にもなっていて、例のアサヒビールの本部ビル(通称ウ○コビル)なんかがあります。

墨田区吾妻橋

 すかっとした秋空のような小説を読んでみたい方、一度お試しを。

2012年版「行って良かった世界の観光スポットベスト50」(その2):21位から50位

2位のマチュピチュ
 

 昨日勢いで始めたこの企画、思わず新カテゴリ「海外」を作っちまいました。今後何本でてくるやら。
それはさておき、とりあえず昨日の続きをいってみましょうです。まずは21位-30位です。

 21位 ブリュージュ歴史地区 ベルギー

☆22位 サンピエトロ大聖堂 バチカン

☆23位 オランジュリー美術館 フランス

 24位 サント・シャペル フランス

☆25位 チェスキー・クルムロフ チェコ

☆26位 パリ国立オペラ座 フランス

 27位 ダイヤモンドヘッド ハワイ

☆28位 プラハ旧市街 チェコ

 29位 黄龍風景区 中国

 30位 ボロブドゥール寺院 インドネシア

サンピエトロ大聖堂

 このランクでは半分の5カ所でした。22位のサンピエトロ大聖堂は言わずと知れたカトリックの総本山。パパがおわしますところです。しかし、今のパパ、ベネディクト16世って、なんとなく悪そうな感じがしますよね。スターウォーズの皇帝みたいな。強面の警備員がいっぱいいて、サングラス取れだの帽子を脱げだのうるさいところですが、宗教施設なので尊重しましょう。

ベネディクト16世とパルパティーン皇帝

 23位はこれもパリの美術館。ルーブルやオルセーに比べると遙かにこじんまりとしていますが、モネの睡蓮が堪能できます。円柱状の部屋の四面に巨大な睡蓮の絵がかかっているところは壮観でした。

オランジェリー美術館

 25位は私もお勧め。ぜひ一度は言ってみて下さい。そして泊まってきてください。近代化の波から取り残されてしまったことが幸いして、結果としてルネッサンス様式の華やかさそのままの美しい町並みが今日まで残されることとなったのでした。可愛らしい町並みと、やたらに巨大なお城のアンバランスさが素晴らしいです。城の高い塔に苦労して登ったら「見ろ、人がゴミのようだ」と言うのがお約束。夜のお散歩も楽しかったなー。

チェスキー・クルムロフ

 26位は怪人がいるというあのオペラ座です。この界隈には日本人街とでもいいたくなる一角があって、寿司とか刺身とかが食べられる店があるんですよ。観光客はあまり用がないでしょうが、和食に飢えた在外生活者は泣きながら箸を握るという。パリとかロンドンとか、大都市はいいですよね、おいしい日本食が食べられて。

オペラ座

 28位はまたもチェコ。チェコだと首都プラハでも日本食は期待できず、中華料理で我慢することに。中華も美味しいですけどね。ちなみに中華料理も大都市がおいしいです。辺境にいくと味もだんだん…。余談ですが、エストニアの首都タリンの中華料理屋に入ったら、インド人がやっていて笑いました。あっちもこちらを見て「やべ、本物が来やがった」という顔をしていました。本物ではないのですが、多分君らインド人よりは中華料理に精通しているぜ。

プラハ旧市街

 続いて31位から40位です。

☆31位 ウィーン国立歌劇場 オーストリア

 32位 イパオ・ビーチ グアム

 33位 聖ヴィート大聖堂 チェコ

 34位 グリフィス天文台 アメリカ

 35位 コルドバの大モスク(コルドバのメスキータ) スペイン

☆36位 ゴルナーグラートバーン スイス

 37位 カサ・バトリョ スペイン

 38位 カイルア・ビーチパーク ハワイ

 39位 タージ・マハル インド

 40位 ドバイ・ファウンテン UAE

ウィーンのオペラ座

 おおっとたったの2カ所だけ。もう種切れでしょうか。31位のウィーンのオペラ座は見飽きる位見ました。なにしろすぐ側のグランドホテルが定宿だったので。当時はANAグランドホテル(通称アナグラ)と言って、ANA利用者は比較的安く泊まれ、しかもマイルも貯まったのでした。朝食の厚焼き卵と焼き鮭の切り身がおいしくて、むさぼり食べる私を怪訝そうな顔して見る日本人観光客(昨日着いたばかり)…わかってくれとは言わないが。

グランドホテル・ウィーン

 36位はマッターホルン観光で絶対に行く場所です。ツェルマットから列車で行きますが、観光は半日もかからず終わってしまうので、残りの時間はツェルマットからいろんな山に出ているロープウェーに乗るといいでしょう。あっという間に一万尺の世界に行けます。ゴルナーグラートもいいけど、起点となるツェルマットもいい街ですよ。

ゴルナーグラードとマッターホルン

 さあ、いよいよ最後。41位から50位です。

☆41位 ミラノ大聖堂(ドゥオーモ) イタリア

☆42位 大英博物館 イギリス

☆43位 カレル橋 チェコ

 44位 マジック・キングダム アメリカ

 45位 明洞ナンタ劇場 韓国

☆46位 ウィーン歴史地区 オーストリア

 47位 カンプノウスタジアム スペイン

☆48位 ノイシュバンシュタイン城 ドイツ

☆49位 ドナウ川 ハンガリー

☆50位 城壁 クロアチア

ミラノ大聖堂

 ここに来てまたもや7カ所制覇。下位に強いのでしょうか。41位はミラノのトゲトゲ大聖堂。恐怖の大王もここに降ってきたらそのままお陀仏ではないかという。ちなみにミニチュアの置物も凶悪な殺傷力があるとかないとか。

大英博物館

 42位は大英帝国の威信再び。というか世界から略奪してきた品々を飾ってるんではないでしょうか。ここも入場無料ですが、そりゃ略奪品で金取っちゃいかんよという気になるので、堂々と入場できます。日本人観光客にはミイラが大人気ですが、どうしてそんなにミイラが好きなんでしょうか?

カレル橋

 43位はプラハのブルタヴァ川にかかるカレル橋。ヴルタヴァ川って、あのモルダウですよ。橋の欄干には聖人達の像が立っているのですが、日本にキリスト教を伝えた「聖フランシスコ・ザビエル像」(1711年作)もあります。ザビエルは、インド人・黒人・日本人・タタール人に担がれ、アジアに伝道したことがモチーフになっています。その辺はちょっとアレですけど。

ザビエル像

 46位はウィーン歴史地区。要するにウィーン中心部ですね。ウィーンのシンボル的存在のシュテファン寺院とか王宮とかシェーンブルン宮殿とかも含むんでしょうね。城壁を取り壊して作ったリンクという道路の周辺及び内側に見所がたくさんあります。もう私は一生ウィーンに行かなくても悔いはありません。

ウィーン歴史地区

 48位は出た!というドイツ観光のハイライト。ロマンティック街道を南下してくると必ずここに来ますね。確かに見てくれは素晴らしいですし、内部も豪華ですが…19世紀の城なんで、つい最近のなんですよね。ヴェルサイユ宮殿なんかと違って、一回見ればもう十分かなという城でした。ローテンブルグとかハイデルベルグの方が私は好きです。

ノイシュバンシュタイン城

 49位はドナウ川。これは別にハンガリーの専売特許ではないのですが…どうやらブダペストの風景を含んでいるらしいです。くさり橋、ブダの王宮、国会議事堂…なるほど、名所揃いですね。ちなみにウィーンはブダペストよりもドナウの上流ですが、その時点で美しくも青くもありませんから。
くさり橋とドナウ川
ブダの王宮とドナウ川
ハンガリー国会議事堂

 さあ、最後の50位は…城壁?城壁って一体何?と思ったら、ドゥブロヴニクの城壁のことのようです。だったらドゥブロヴニクと書いて欲しいですね。チェスキー・クルムロフと並んでぜひお勧めしたい観光スポットです。ドゥブロブニクの旧市街は「アドリア海の真珠」とも謳われる美しい町並みで、アドリア海沿岸でも傑出した観光地でありまして、多数のクルーズ船が寄港します。また、地中海各都市とフェリーで結ばれています。

ドブロブニク

 この旧市街をぐるっと取り囲む城壁を歩くことができるのです(有料)が、この美しい町並みに実際に人が生活していますから、軒先とか裏庭とか、プライバシー侵害的空間も覗いてしまったりします。ちょっと申し訳ないけど、住んでる人達は慣れっこみたいですね。ハーバーとかで城壁が切れているようにも見えますが、なんだかんだと一周できます。

上からみたドゥブロブニク

 私はちょっと離れたエクセルシオールというホテルに泊まって、旧市街に通いましたっけ。このホテルのテラスからは、ドゥブロブニクが一望できるので、泊まるなら絶対にオーシャンビューで。
 
エクセルシオール
 
 結局、行って良かった観光スポット50カ所中25カ所を経験していたことが判明しました。ちょうど半分ですね。多いのか少ないのかよくわかりませんが、今後は増えていかない気がします。南米やアフリカ、オセアニアを知らずに死んでいくのかな……ま、別にいいですけどね……と半ば本気で思うようになった最近の引きこもりぶりです。

2012年版「行って良かった世界の観光スポットベスト50」(その1):1位から20位

第一位のアンコールワット
 
 9月も中旬だというのに暑いこと暑いこと。季節じゃなくて気温で夏休み期間を決めて欲しいものですよね、学生諸君。とりあえずクールビズは10月も延長してはどうかと思ってしまう今日この頃です。

 さて、昨日ジェットストリームを紹介したら、何となく海外旅行時代を思い出しました。私にとっての大航海時代ともいうべき時代でしたね。今じゃすっかり内向きになってしまったので、留学を躊躇する学生達に説教もできませんが、まあ一度は海外で暮らした身として言わせてもらえば、「若いうちに行っとくといいよ。年食ってから初めて行くときっついよ」ということろでしょうか。

 それはさておき、8月の報道ですが、旅行クチコミサイト「TripAdvisor」が、この1年に寄せられたクチコミを基に2012年度版「行ってよかった海外観光スポット トップ50」を発表しています。順位は以下のとおりですが、私が行ったことのある場所には☆をつけてあります。

 まずはベスト10

 1位 アンコールワット カンボジア

 2位 マチュピチュ ペルー

 3位 ラニカイビーチ ハワイ

 4位 ディズニーワールド アメリカ

 5位 ウルル(エアーズロック) オーストラリア

☆6位 オルセー美術館 フランス

 7位 サグラダファミリア教会 スペイン

☆8位 ルーヴル美術館 フランス

☆9位 アヤ・ソフィア博物館/教会 トルコ

 10位 ペルガモン博物館 ドイツ

オルセー美術館

 はい、行ったことのあるのはたったの3カ所だけでした。8位のルーブルはパックツアーでもパリに行ったら大抵行きますよね。6位のオルセーはフリーで行くことの方が多いかな?パリが初めてで、どちらか一方だけと言われたらルーブルに行くべきだと思いますが、私が好きなのはオルセーです。印象派の絵画を堪能できます。ルーブルはモナリザとかミロのビーナスとかがありますが、絵画は宗教画が結構多くて、非クリスチャンの日本人にはよくわからないものも多いです。

ルーブル美術館

 もっともルーブルは建物自体が遺産みたいなものですからね。とにかく広いので一日じゃ見切れないけど、全部見る価値はないような…

アヤソフィア

 9位のアヤ・ソフィアはキリスト教大聖堂→モスク→博物館という数奇な運命をたどった建築ですが、トルコが他宗教に寛容で本当に良かったと思います。飛んでイスタンブールに行ったら必ず訪れる観光地ですね。しかしトプカプ宮殿やブルーモスクもいいですよ。

イスタンブールの地下宮殿

 ちなみに、私がイスタンブールに旅行した際に同行した外国人女子大生(誓って不適切な関係ではありませんから)は「地下宮殿」が一番良かったと行っていました。ソンナトコベスト50ニ入ッテナイヨ。でも私も面白い所だとは思いました。イスタンブールの地下にある、東ローマ帝国時代の巨大な貯水池なのです。

 それでは11-20位へ。

☆11位 ミケランジェロ広場 イタリア

 12位 ベラージオの噴水 アメリカ

☆13位 ハンガリー国立歌劇場 ハンガリー

☆14位 バチカン美術館 バチカン市国

☆15位 ナイアガラの滝 カナダ

☆16位 ナショナル ギャラリー イギリス

 17位 モニュメントバレー・ナバホ・トライバルパーク アメリカ

☆18位 モンサンミッシェル フランス

☆19位 美術史美術館 オーストリア

☆20位 ユングフラウ スイス

 おお、10カ所中8カ所制覇!やるなあオレも、なーんてね。

フィレンツェ

 11位はむしろフィレンツェといった方がいいかも知れませんね。ドゥオーモやウフィッツィ美術館など見所満載。さすがわレクター・ハンニバルの潜伏先です。でも私の印象は、道が狭くてやたら車が多くて排気ガス臭かったという方が強いかな。

ハンガリー国立歌劇場

 13位のハンガリー国立歌劇場はちょっと意外です。ブダの王宮とかじゃないの?(と思っていたら下位で…)

バチカン美術館

 14位のバチカン美術館は例のミケランジェロの天地創造があります。見上げることが多いので首が痛くなる美術館ですね。

ナイアガラの滝

 15位は言わずと知れたポピュラーな観光地。観光船「霧の乙女号」に乗って滝に接近して盛大な水しぶきを浴びるのがお約束です。ナイアガラ、バンフ、バンクーバーと日本人が必ず立ち寄るカナダの観光地には必ず大橋巨泉の「OKギフトショップ」がありましたっけ。日本語が通じるのでつい入ってしまうという(笑)。

ナショナル・ギャラリー

 16位は大英帝国の威信を見せつける美術館。入場料がタダというのが魅力。寄付は受け付けてますが。ロンドンに行ったらぜひ行きましょう。大英博物館とかテートギャラリーとか、アートハンティングだけでも一日じゃ足りません。

モンサンミッシェル

 18位のモンサンミッシェルはノルマンディーの名所です。パリからはちょっと遠いけど、日帰りで観光可能。坂や階段が多いので、足腰の弱い人にはちょっと辛いかも。卵一個で作る大きくてふかふかのオムレツや、シードルが名物です。

美術史美術館

 19位は渋い!ウィーン観光でもなかなか行かないのでは?ナショナル・ギャラリーが大英帝国の威信なら、美術史美術館はハプスブルグの誇りかしらん。ブリュゲールの絵がそろっています。隣にそっくりな建物の自然史博物館があります。間違えて入ると…まあ悪くはないのですが、ドイツ語が読めないとつらいですな。私は間違えて入ったんじゃないですよ。ウィーンは何度も仕事で行ったので、たまには変わったところに入ろうと思って敢えて入ったのです(言イ訳必死ダナ)。

ユングフラウ

 20位はスイスの必見観光地。正直もっと順位が高くてもいいのではないかと思います。グリンデルワルトから登山列車に乗ってクライネシャイデックで乗り換えて、いざユングフラウヨッホへ。ハイヒールのままで一万尺に行けます。楽々展望台に行けますけど、展望台のエレベーターに一番乗りするためにダッシュすると息が切れるのでご注意を。
 
 ここまで20カ所中11カ所クリア。一応過半数は制していますが…。21位から50位についてはまた明日ということで。

JET STREAM:突然思い出した「音楽の定期便」

ジェットストリーム
 
 いやあ、夏が終わりませんね。日暮れの時間は刻々と早くなっているというのに。そう思って午後6時頃に黄昏の空を見ていたら、ふと浮かんできたフレーズが。

 いつが夏の終わりか、知るよしもなく、
 気がつけば、蹌踉と日暮れの秋風の道を……

 こ、これは…ジェットストリーム!!
 皆さんご存知ですか、ジェットストリームを?
 
 ああ、黒い三連星のドム3機の攻撃フォーメーションでしょ。いくぞ!マッシュ!オルテガ!

ジェットストリームアタック

 ……それはジェットストリームアタックでんがな。それを知っているあなたも中々……いやいや、それはまあさておき。

 もちろん知ってますよ。書き味が実に滑らかですよね?水性ではあったけど、油性であの滑らかさは凄いよね。

ジェットストリーム(ボールペン)

 ……はい、確かにジェットストリームです。安い上に書き味も素晴らしいです。私も愛用してます。しかし違ーう!それは三菱鉛筆のボールペンシリーズです。

 私が言いたかったのは、JET STREAM。TOKYO FMで今も放送されているイージーリスニングの音楽番組です。

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 JET STREAMが始まったのは1967年。以来45年間も続いている超長寿番組です。当時は放送局も当時はエフエム東京という名前でしたっけ。

 私が聞き始めたのは中学生になってからですが、当時既に10年以上続いていた長寿番組でした。JALこと日本航空が一社で提供していて、番組のそこここで旅心(特に海外への)をくすぐるナレーションが入っていました。なにしろ番組は45年も続いているので、パーソナリティー(番組内では機長と呼んでいました)も変わっています。

 初代が城達也。二代目が小野田英一。三代目が森田真奈美(この人だけ機長ではなくフライトアテンダントだったそうです番組のスタイルもだいぶ変わったようですが、あまり評判は良くなかったとか)。四代目が伊武雅刀(デ、デスラー総統!)。そして現在五代目として大沢たかおが機長を務めているようです。

黄昏のフライト

 45年間で5人。平均すると一人9年ということになりますが、二代目は5年強、三代目は2年半、四代目は6年半、五代目はここまでで3年半しか務めていません。そう、5人中4人は平均以下なのです。ではなぜたった5人かといえば、初代城達也の機長時代が、なんと1967年7月から1994年12月まで、27年以上続いたからなのです。
 
 そういう訳で、私にとってJET STREAMといえば城達也、城達也といえばJET STREAMな訳ですが、実際に良く聞いていた期間というのはそんなに長いことはなく、70年代末から80年代初位でした。

 中学生時代、私は放送部に所属していたので、放送で流すべき音楽をつねに探していたのですが、何しろ貧乏な子供時代だったので、おいそれとレコードや音楽テープを買うこともできず、図書館のレコードライブラリーで傷だらけのレコードを借りてカセットテープに録音したり(カセットテープ代もバカにならなかったのですが)、FM番組をエアチェックしたり(もはや「エアチェック」は死語ですか?)していた訳です。高圧電線の真下だったせいか、ノイズがやたら入って泣かされたものです。

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 そんな中、新聞のラジオ欄を隅から隅まで見ている時に目に入ったのが、深夜0時から始まる「音楽の定期便」、JET STREAMだったのです。

 番組の中程に「私のレコード・アルバム」というコーナーがあって、ポール・モーリアとかレイモン・ルフェーブルとかカラベリとか、いわゆるイージーリスニングの大御所達の名曲を連続して流してくれていたのです。。最初は120分テープを使って(オートリバースとかはない時代でした)1時間まるまる録音していましたが、エアチェック箇所はここしかねえ!ということで、慣れてからはオーディオタイマーを0:20~0:50あたりでセットして60分テープで留守録したものです。

SONY PT-77

 なぜタイマーを使うかと言えば、中学生に午前0時は超深夜だったからです。ソニーのオーディーオ・タイマー(PT-77。一週間予約可能とは言え、何と定価29,800円!しかもタイマーだけにしっかりソニータイマーが入っていました)を使っていましたね。それと120分テープは薄くて弱いのであまり使用したくなかったんです。

 夜録音したテープを持って早朝に学校の放送室に行き、めぼしい曲があったら朝放送で流すということもしていました。アバとかカーペンターズとかのインストゥルメンタル曲が入っていると大喜びしたりして。

 高校に入ると、放送部に入ろうと思ったのですが、どうも思ってたのと違うので早々に帰宅部所属になってしまい、ジェットストリームをエアチェックすることもなくなったのですが、試験勉強とかで深夜まで起きている時は、結構聞いていました。

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 城達也時代のオープニングは「ミスターロンリー」をBGMとして

 遠い地平線が消えて、深々とした夜の闇に心を休める時
 遙か雲海の上を音もなく流れ去る気流は
 たゆみない宇宙の営みを告げています。
 満天の星をいただく、果てしない光の海を
 ゆたかに流れゆく風に心を開けば
 きらめく星座の物語も聞こえてくる
 夜の静寂の、なんと饒舌なことでしょうか
 光と影の境に消えていった
 遙かな地平線も瞼に浮かんで参ります
 日本航空があなたにお送りする
 音楽の定期便ジェットストリーム
 皆様の夜間飛行のお供をするパイロットは
 私、城達也です

 YouTubeでもどうぞ。
http://www.youtube.com/watch?v=S45sZVbKm-g

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 これを聞いて、どれほど「夜間飛行」にロマンティックな幻想を抱いたことか。私は飛行機に乗ったのが27歳の時と非常に遅く、しかも初飛行が英国航空の成田-ロンドン便飛行時間12時間というハードなものだったのですが、実際に飛行機に乗って夜間飛行を経験するまでの10数年間、ずっと幻想を抱き続けていましたよ。

 実際経験してみると、夜間飛行なんて皆寝ているだけだし、窓も閉めてしまうし(開けるとスッチーに怒られる)、エンジン音は相変わらずうるさいし、エコノミーの座席はやたら狭いしで全然いいものではありませんでした。何が「きらめく星座の物語も聞こえてくる、夜の静寂の、なんと饒舌なことでしょうか」だ!だいたい星なんか見えないよ!「光と影の境に消えていったはるかな地平線も瞼に浮かんでまいります」だあ?そんなもんいつ見えたよ!なんて八つ当たりしたりして。

 あ、ビジネスクラスに乗るとぐっとJET STREAMな感じがしますよ。「ふかぶかとした夜の闇に心を休める時」って感じになりますから。そしてファーストクラスに乗ると、もう2,3日乗っててもいい気分になりましたっけ(一回しか経験してないですが)。

 で、冒頭のポエムなんですが。番組内で城達也機長が、我々リスナーの海外への憧れを煽るべく、時折繰り出してくナレーション攻撃なのです。探したらフルがありました。

 思い出話をしよう。
 いつが夏の終わりか、知るよしもなく、
 気がつけば、蹌踉と日暮れの秋風の道を……
 そんなことがあって、私は用心深くなって、日毎、人が
 コーヒーに入れる砂糖の数まで数えるようにしてきたが
 その為に却って、恋人の心変わりを早めたかもしれない
 ロダンの美術館の、秋の庭に木の葉を踏みながら
 彫刻相手の独り言して
 つまるところ恋は戻らない、灰色の空模様だというのだ

 文章にするとよくわからないところもありますが、そこはポエムなので。その他にも

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 さる年のヨーロッパに
 置いてきた夏があると思わないか
 例えば南ドイツの古都で、雨
 入口に可憐な鈴をつけたカフェで
 紅茶々碗を手のひらに包み、指先を暖めた夏もあった
 少し曇った窓ガラスごしに黒々と濡れた石畳が見え
 塗り替えて間もない砂糖菓子色の家並みが、
 見捨てられた絵本のように、青ざめていた。
 こんなことがあってはならない、と思いながらも
 カフェの客は私一人で、次の町へのバスを待つ間の時間
 何をする気もなく坐っていたのだ。
 白い前掛けが目にしみる女主人が、
 降り込められた旅人を気の毒そうにレジの傍で見ていた
 あの時、ババリアの空の下の晴れやかな夏も一つ
 私はカフェの椅子に残してきたと思っているのだ

 夏のプラタナスが、手をいっぱいに広げ、
 カルチェの散歩道を飾る頃、とり残された思いの若者が
 旅先の娘から、優しい手紙を受け取っている
 あれはまだリュクサンブール公園の樹々が
 灰色の空に黒々とこごえている頃だったが、
 ローヌ川の谷を南へ、リヨン湾まで
 オリーブが実り糸杉が緑の焔を上げる土地へ旅するのだと
 娘が頬を染めて話したのだった
 春風に誓った旅の途上に、今、娘はいて、
 南仏のひなた臭い便りに、思いを託している
 出払って、ひと気のないパリの学生下宿の
 夏のプラタナスがそよぐ窓辺で、
 若者は、カマルグの沼地に水しぶきを上げながら
 白馬に乗って日が暮れる娘の事を考えている
 夕映えの空には、熱いフラミンゴの群れも
 舞っているのではないか……と

光と影の狭間に消える地平線

 それは虹に飾られたスイスのと或る町のことだ。
 湖畔の丘に、錆色の甍を積み重ねた、古い町並みがあって
 曲がりくねった石畳の坂道に沿ってくすんだ建物の肌が
 心に馴染む滞在であったに違いない
 教会の鐘の音を聞きながら、散歩に出て
 湖畔の四阿で、うつらうつらと時を過ごす間には
 谷間の落ち葉が、湖の底に辿りつくように
 山々の言葉が、心の底に届きそうに思えたのではないか
 私は、旅人達の土産話を聞くたびに
 切ない夢を見ているような気がするのだ

 YouTubeで番組再現
http://www.youtube.com/watch?v=fhu11HExHQM&feature=related

 うおードイツ行きてえ、フランス行ってみてえ、スイスたまんねーって感じがしませんか。私はこれで実際に行って、ついでに住み込みで仕事までするはめになりましたよ。いやドイツやフランスやスイスなら文句もないんですがね……

jetstream6.jpg

 でもJET STREAMに逆恨みしている訳ではないですよ。なんだかんだと得がたい経験もさせていただきましたし。まあJALよりANAを贔屓にしていたりしましたけどね(笑)。

 名機長城達也はもういませんが、ナレーションは永遠ですね。カテゴリにラジオがなかったので音楽にしちゃいました(テヘペロ)。最後にエンディングのナレーションを。

 夜間飛行のジェット機の翼に点滅するランプは
 遠ざかるにつれ次第に星のまたたきと区別がつかなくなります
 お送りしております、この音楽も美しく、あなたの夢に、溶け込んでいきますように
 日本航空がお送りした音楽の定期便、ジェットストリーム
 夜間飛行のお供をいたしましたパイロットは私、城達也でした
 また明日、午前0時にお会いしましょう

夜間飛行

下級生(その2):名作は今も現役で販売中

Windows版下級生
 今日は9月9日、重陽の節句ですね。1月1日と5月5日は祝日、3月3日は雛祭り、7月7日は七夕とイベントらしいイベントになっているところ、9月9日は影が薄いですね。かつては邪気を払い長寿を願って、菊の花を飾ったり、菊の花びらを浮かべた酒を酌み交わして祝ったり、前夜に菊に綿をおいて、露を染ませ、身体をぬぐうなどの習慣があったということですが、新暦となってからはまだ菊が咲く季節でもないし、ほとんど実施されていないみたいです。

 それでは本日の記事です。昨日に続いてエルフの恋愛シミュレーション「下級生」です。そういえば昨日好きなキャラとして山下美夏を取り上げましたが、彼女は全キャラ中1、2を争う不人気キャラのようです。キャバクラ嬢という「お水」な仕事がいけないのでしょうかね。ピアノの勉強のための学費を稼ぐためのアルバイトのはずが、次第にアルバイトが生活の中心になってしまってピアノを弾くことを忘れていくなんていう美夏の姿は身につまされるものがあります。キャバクラ嬢だけど擦れてないし、素顔は可憐でいい子だと思うのですが…。瑞穂や愛は安定して上位に位置しているようです。

 では引き続き私の好きなキャラ、残り3人を紹介しましょう。

 まずは「下級生」というタイトルらしく下級生の持田真歩子から。

花屋で働く真歩子

 真歩子は身長156cm、スリーサイズはバスト82cm、ウエスト60cm、ヒップ88cm。スタイル的には安産型というべきでしょうか。

水族館の真歩子

下級生ではあるのですが、学校は主人公の通う卯月学園ではなく、隣町にある「葉月学園」の2年生です。「カトレア」という花屋でアルバイトをしているので、通りがかりに目にすることになります。

ホテルの真歩子

 可愛いけれどもコスプレチックで「実際にはねーよ、こんな制服」という感じがある卯月学園の制服に対し、真歩子はセーラー服なので、ゲーム中では非常に新鮮な感じがします。

制服姿の真歩子

 読書が趣味で、花や自然を愛するという、真面目でお淑やかな女の子ですが、プロ野球観戦に行くとやたらに興奮して盛り上がったりする意外な一面も持っています。

涙ぐむ真歩子

 実は最も早く攻略が可能な子で、不良に絡まれているところを助けるというベタな展開で親しくなって以降は、集中的にデートを重ねれば夏前には最終段階まで行けてしまいます。主人公と付き合い始めてから日記をつけているらしいです。私は「下級生」を「ときメモ」型で攻略してしまうくせがあり、攻略済みのキャラは顧みなくなる傾向があるのですが、真歩子のこの台詞を聞いてからは放置が後ろめたくなり、攻略上は意味がないのですが、定期的にデートしたりしました。まあ一日に3つのデートを掛け持ちする中の一つだったりしましたが。

キス待ち真歩子

 そういえば真歩子には、喫茶店で見知らぬ男と親しげに語らう姿を目撃するという、NTRか!?という展開があるのですが、実は弟だったというオチでした。真面目でおとなしい真歩子に限って…というところにインパクトがあったので、ネタばれは急がずにもっと主人公を疑心暗鬼にさせて欲しかったですね。対応を間違えると主人公が嫉妬に狂うとか。

NTRかと思いきや弟

 なにしろゲーム内の主人公の行動の全てを女性キャラ達が知ったとしたら、全員嫉妬で発狂しかねません。そうさせているのはプレイヤーたる私なのですが、皆さん実際にプレイしてみれば、大体そういう主人公にしてしまいますから(笑)。また、二股三股が発覚することは原則ない(ティナだけは必ず気付きますが、ゲーム展開には何ら影響は出ません)ので、女の子が傷ついて爆弾が発生したりすることもありません。ある意味天国かここは(笑)。

水着の真歩子

 続いて「下級生」だけど同級生の加納涼子です。

夏服の涼子

 身長162cm、スリーサイズはバスト85cm、ウエスト60cm、ヒップ90cm。比較的背の低い女の子ばかり登場する「下級生」の中では貴重な160センチ台。まあ現実世界では特別背が高いという訳でもないですが。髪型がセーラームーンみたいだと思うのは私だけではないですよね?

スケッチする涼子

 主人公のクラスメイトですが、これまでほとんど接触がなかったようです。父親が建築設計の仕事をしている影響もあってか芸術家肌の女の子で、美術部に所属しています。自分の絵の才能を世に認めてもらうのが夢で、絵を描き始めると、周囲の物が見えなくなるほど集中します。自宅に離れを作ってアトリエとしています。

ソファに座る涼子

 基本的に絵を描くことに集中してきた人で、異性に興味を抱いたことはないようです。せいぜい絵のモデル程度でしょうか。性格はとても寡黙でクールです。「涼子」の名は伊達じゃない!

冬制服の涼子

 主人公とは絵のモデルになってもらうということで知り合いますが、その後の展開でどんどん「女の子らしく」なっていきます。その変貌の早さは、自分自身でも驚くほどだったようで、ある時点でデート後の別れ際に「私……自分が恐い。変わっていく自分が……恐いのよ。」と言います。この辺り、南里愛とともに「変貌型」とでも呼ぶべきヒロインです。

浴衣の涼子

 結城瑞穂や持田真歩子は恋愛前と後で性格的にそれほどの変化はありませんし、見た目も変わりません。これに対し、加納涼子と南里愛は恋愛前後で大きく変わっていきます。加納涼子は主に性格というか、内面が変わっていきますが、南里愛は内面のみならず外見までが変わりますし、その変貌ぶりに自身はは動じず、むしろ他人が驚きます。

水着の加納涼子

 私が当初一目惚れした南里愛は、恋愛の進展によってそれまでの内気で儚げな雰囲気が一変して積極的かつしたたかさを見せるようになり、そのイメチェンにやや幻滅してナンバー1ヒロインとまでは言えなくなってしまったのですが、加納涼子は序盤の雰囲気があまり良くなかったのが、恋愛の進展によりぐっと可愛らしくなっていくという、愛とは逆のパターンでフェイバリット・ヒロインにランクインしてきました。ツンデレと言っていいキャラなのかもしれません。

キス待ち涼子

 変わっていく自分が恐いという台詞を聞く度に、「オレが変えてやったぜ」的な征服感を感じ、またそれを感じたいが為にプレー毎にちょっかいを出したくなる、そんなキャラが加納涼子です。

喫茶店の涼子

 さて最後です。ギャルゲーに先生キャラが出る度に好きだ好きだとほざいてきましたので、予想はつくかも知れませんが……はい、女教師・三月静香の登場です。姓は「さんがつ」ではなく「みつき」と読んで下さい。やたらと綺麗な名前ですね。

ピアノを弾く三月静香先生

 身長159cm、スリーサイズはバスト84cm、ウエスト58cm、ヒップ88cm。壇蜜さんの公表スペックが身長158cm、バスト85cm、ウエスト60cm、ヒップ89cmなので、ほぼ同等のスペックですね。下級生を映画化する場合、三月静香役はぜひ壇蜜さんで。そんな話は全く聞かないのですが(笑)。

眼鏡が先生風?の壇蜜さん

 静香先生は卯月学園の保健医兼、主人公のクラス担任兼、学生寮の管理人という数え役満のような人です。保健医というのは養護教諭だと解釈しておくとして、体育教師が担任というのはよくありますが、養護教諭がクラス担任を受け持つというのはちょっと聞いたことがありませんね。

屋上の静香先生

 ましてや学生寮の管理人を教師にやらせるとは。普通専従の管理人を置くでしょう。まあそういう訳ではなはだリアリティーに欠ける静香先生ですが、先生自身も学生寮に住んでいるため、主人公にとっては「隣りのお姉さん」的存在でもあるという…まあその…ご都合主義ここに極まれり美人教師な訳です。

ブランコの静香先生

 この人、ルックスがまず教師離れしていますが、街を歩くと風俗店のスカウトに捕まって誘われる位の派手な服装をしています。看護婦さん(あえてこう呼ぶ)なんかはストレスや様々な抑圧からか、私服センスがぶっ飛んでいる人がいるといいますが、静香先生はこの格好で白衣羽織ってますからひどいものです。管理職から何か言われていないのでしょうか。

公園の静香先生

 その反面性格は極めて常識的で、男女問わず生徒達の憧れの的となっているそうです。年齢不詳ですが、昨日紹介した山下美夏が大学生なので、それより年上は確実で、若くても23、4。高校3年生の担任をしていることから、ある程度経験を積んでいるのが自然なので、おそらく26、7歳にはなっているのではないかと思われます。

額をぶつけた静香先生

 実は、というか当然過ぎることでもありますが、彼氏持ちです。主人公と付き合うに当たって別れることになるのですが、もともと性交渉は淡泊だったらしいです。これほどの彼女を持ちながらどういうことなのでしょうか。先生は彼氏の多忙ぶりに不満を言ってますが、学生寮に住んでたり、色々兼職させられたりしていることから、多忙なのは先生自身ではないかという気もします。とりあえぜその彼氏との別れ際のごたごたは一切描かれていないので、円満に別れたようですが。

仕事中の静香先生

 セガサターン版では先生の関係はどんなに進展しても「寸止め」のままです。常識的にはやはり卒業まで待つべきでしょうから、良き先生である静香先生なら当然かも知れませんが、欲望にブレーキがきかず何度も押し倒しにかかる主人公をいとも簡単に制圧する先生の戦闘力や恐るべき。ただし、PC版ではそいうった枷はなく、極めてアダルトなシーン展開をするとか。「常識的な性格」はどこに行った?(笑)

晴れ着の静香先生

 なお、主人公卒業後は晴れて結婚しまして、若妻かどうかはわかりません(笑)が、新妻になります。

初詣する静香先生

 静香先生、独身時代は髪型がちょっと妙だなと思っていましたが、新妻の髪型が素晴らしいですね。この先生の絵が一番好きかも知れません。

新妻・静香先生

 というわけで「下級生」の紹介は終わりとします。ここでは取り上げませんでしたが、ラムちゃん風異星人キャラのティナをプレイすると、他の女の子の攻略ができなくなるそうです。それでは「久遠の絆」の高原万葉的存在なのでしょうか?なにしろこのゲーム世界では一途に生きられなかったのでティナエンドは未見なのですが…私は一向に構わんッ!!

バスタオルを巻いた静香先生

 「下級生」はもう16年も前のゲームなんですが、人気は今なお高いらしくてVista対応の復刻版がダウンロード販売されています。一説には「下級生2」のメインヒロインが大失敗だったからだとか…しかし「下級生2」はプレイしていないのでこれ以上の言及は避けたいと思います。「同級生2」はプレイしたのでいずれ取り上げることでしょう。ではでは~

腕を組んで歩く静香先生

下級生(その1):一途に生きるには誘惑の多すぎる大河恋愛シミュレーション

下級生
 私の家の近所では稲刈りも始まっているのですが、相変わらず暑いですね。

 FC2カウンターが8/31にようやく動きだしたのですが、一日70人以上の方に閲覧していただいていることが判りました。何の宣伝もしていない上、何の役にも立たないのですが、本当にありがたいことです。

 それでは本日の記事です。土曜日はギャルゲーの日ですが、まーしかし我ながらネタが尽きないものですね。

お前は今までやったギャルゲーの数を覚えているのか?

 今日は満を持して「大物」を取り上げます。エルフが1996年に発売した恋愛シミュレーション「下級生」です。当然一回では終わらないので(その1)ということで。

夏服の瑞穂

 以前、恋愛シミュレーションの先駆的作品である「同級生」(エルフ)を取り上げましたが、タイトルに共通性があることが一目瞭然だと思います。「同級生」とは主人公の性格、基本的なシナリオ、フィールド移動型アドベンチャーのシステムなどで共通性がある反面、「同級生」夏休みの半分、3週間程度の期間であるのに対し、「下級生」はゲーム内時間を高校3年生の1年間として、徐々に深め合う愛を描こうとしています。

水着の愛

 なお、「同級生」シリーズとの最大の違いは、所持金次第で買えるアイテムをヒロインに贈ったり、胡散臭い顔をした「お願い地蔵」に「女の子にモテたいぞ!」とお願いして賽銭として一万円を投入すると、女の子の好感度がランダムに上がるようになっています。しかし、これらの方法を取ると、好感度や季節で限定されるイベントを見られなくなる可能性もあります。逆にアイテムやイベントで好感度を下げることも可能ですが、ヒロインによっては迂闊な一言が完全破局を招くこともあります。

晴れ着の愛

 「同級生」もそうですが、 タイトルこそ「下級生」となっているものの、登場するヒロインには下級生が少なく、主人公と同い年や年上のヒロインの方が多く登場します。「同級生」と似て非なるゲームという意味合いでの「下級生」というタイトルなのでしょう。

笑顔の瑞穂

 「下級生」はPC98版のほか、セガサターン版(97年)、Windows版(98年)、Macintosh版(00年)などが出ていますが、私がプレーしたのはセガサターン版でした。原型であるPC98版と比べ、声優によるCVの追加や、操作性の向上とゲーム進行の調整がされているそうです。

晴れ着の瑞穂

 基本的には他のギャルゲー同様、女の子と知り合ってイベントなどで次第に仲良くなっていき、デートに誘えるようになったらデートで好感度を上げて親密になっていく訳ですが、「ときめきメモリアル」と違って主人公のスペックという概念はないので、女の子との接触回数と態度だけで仲良くなっていきます。またテストとか文化祭とか体育祭といった、学園生活のアクセントとなるようなイベントも一切ありません。

水着の瑞穂

 攻略期間の長さからすると、「ときメモ」と比較したくなりますが、3年間かけてどんなに仲良くなっても、せいぜい手を握るまでしかいかないというストイックな「ときメモ」に対し、「下級生」は本気で一人に一点集中すれば数ヶ月で最後の段階まで行くことが可能です。それで何人もヒロインを「食って」しまって、卒業式にはそのうち一人しか選択できないにも関わらず、刃傷沙汰にならないのはどういうことなのでしょうか。

絵を描く加納涼子

 「ときメモ」なら手を握った程度なので、選ばれなくてもそんなに怒らないような気がしますが、「下級生」だと傍から見れば「散々弄んだあげくにゴミくずのようにポイ捨て」という鬼畜な主人公が、罰せられることもなく選んだヒロインと幸せに暮らすという、「お前は『ゲルマニウムの夜』の朧か」とツッコミたくなる展開となっています。

南里愛

 まあそれもこれも主人公を操作するプレイヤー次第なので、主人公が鬼畜だとするとそれはプレイヤーが鬼畜だからということになります。ただ…一年は長いんですよね。ヒロインを一人落としても他にたくさん女の子が周囲をうろうろしているとつい。浮気に走ろうとすると、通常天使と悪魔が頭の両脇に出てきて論争しそうなものですが、「下級生」の場合、

彼氏と語らう三月静香

悪魔「据え膳食わぬは女の恥というぜ…いっちまえよ」
天使「そうだな、ゲームだし」
悪魔「やれるだけやっちまえよ。修羅場が起きるわけでもなし」
天使「そうだな、現実に何の影響もないし」

と全然論争になりませんでした。実は一筋に生きないと攻略できないキャラがいるのですが、私は「下級生」をやる際は、一筋に生きることができた例がないので、そのキャラだけ未攻略です。え?誰かって?謎の留学生・ティナです。ぶっちゃけ「うる星やつら」のラ○ちゃんみたいな人です。

ティナ

 肝心の攻略対象ヒロインは13人もいて、学生でない人もいます。全員紹介しても仕方ないので、例によって私の好きなキャラを。本日は半分の3人です。

 まずメインヒロイン格、結城瑞穂です。

バスケットをする瑞穂

 テニス部所属で、身長158cm、スリーサイズはバスト82cm、ウエスト59cm、ヒップ87cm。身長158センチというのは、ヒロインの定番なんでしょうかね。「ときめきメモリアル」の藤崎詩織も「同級生」の桜木舞も身長158センチという設定です。そういえば壇蜜さんも身長158センチでした。

テニスウェアの瑞穂

 「同級生」の桜木舞がメインヒロインとしては人気が出なかったことへの反省と改良があったのか、結城瑞穂は強力なヒロインとなりました。カチューシャとか赤っぽい髪とかは、「ときめきメモリアル」の藤崎詩織の影響もあるかも知れません。

桜木舞
藤崎詩織

 主人公のクラスメイトで、卯月学園入学以来の友人です。スポーツ万能かつ明るく優しい性格で、藤崎詩織ばりの才色兼備ぶりを発揮する学園のマドンナ的存在です。その一方で男女の関係には疎く、性的な知識もほとんどない奥手な娘でしたが、主人公と肉体関係を結ぶと、勉強熱心さが性的な知識にも向いていきます。

ニーソックスが可愛い瑞穂

 藤崎詩織との最大の違いは、攻略の敷居の高さです。「ラスボス」の異名を持つ高い壁のような藤崎詩織に対し、結城瑞穂は全ヒロイン中でも一番簡単に攻略できる部類に入ります。ただ、おぼこい娘なので、デート後の「手を握る」→「抱きしめる」→「キスする」→「胸を揉む」の流れは、「もういいかな?」と思ってもさらにワンタイミング遅くする位に慎重にした方がいいでしょう。

キス待ち瑞穂

 正直欠点らしい欠点がないので、この人の攻略が終わった時点でゲームは終了でもいいのではないかと思います。せめて「エンディングに進む」みたいな選択が途中でも出来ていたら、一途に生きることも可能だったかも知れません…(人のせいにするな)。

結城瑞穂の愛

 次は正真正銘の下級生、南里愛です。

愛の微笑み

 身長153cm、スリーサイズはバスト80cm、ウエスト59cm、ヒップ85cm。かなり小柄ですが、トランジスターグラマーという印象ですね。内気で赤面症で男性恐怖症の気がありますが、自由奔放な主人公に片思いして、ストーカーのように見つめています。実は一目惚れキャラだったのですが、最初はどんなに努力しても攻略できませんでした。

怯える愛

  愛ちゃんには飯島美雪という親友がいて、実は攻略するに当たっては途中まで美雪との同時攻略を行わなければならないのです。もちろんある程度イベントが進行すれば途中で美雪を切り捨てて愛ちゃん一筋で行くことが可能なのですが、同時攻略をそのまま勧めていくと、ドロドロの三角関係が出現するので、これはこれで見物です。

愛と美雪

 愛ちゃんは内気で奥手で性的な知識もほとんどありませんが、主人公を巡る美雪との三角関係が進行するにつれ、女性としての強さが現れてきます。

南里愛と飯島美雪の距離

 一方、当初は主人公を毛嫌いしてつれない態度を取っていた美雪は、主人公と親しくなるにつれ、主人公への恋心と「愛に悪い」という気持ちの狭間で心が揺れ動き、非常に弱い子になっていきます。

良心の呵責に苦しむ美雪

 美雪に主人公を取られまいとする愛ちゃんは、恋愛の中で劇的に変貌していきます。ラストシーンの彼女は、まるで別人のようで、美雪の消息を聞く主人公に対し、「美雪ちゃんじゃなく、私たちの話をしましょう」と言い放つようになります。

変わっていく愛

 え?じゃあ美雪はどうか、ですか?すいません、美雪は私の好きなキャラに入っていないので、ご自身で確かめていただければ(笑)。08年にはVista対応の復刻版も出ていますので。

変わっていく愛2

 次は学園外の年上の女、山下美夏です。

山下美夏水着姿

 年齢は明示されていませんが、音楽大学の3年生らしいので、20~21歳程度でしょう。身長157cm、スリーサイズはバスト84cm、ウエスト59cm、ヒップ90cm。主人公の叔父が経営する喫茶店「土下座」で日曜だけウエイトレスのアルバイトしている。ちなみにこの「土下座」では主人公も無理矢理アルバイトさせられます。

普段着の山下美夏

 元々は音大の高価な学費を得るため、キャバクラ嬢のアルバイトを始めたところ、人気を博してしまい、いつの間にか大学に行くよりもキャバクラのアルバイトの方がメインになってしまい、店の客からの執拗な誘いから逃れるため、日曜のみ土下座でアルバイトを始めたということです。

キャバクラ嬢であることがばれた山下美夏

 男関係では色々あったらしく、用心深く疑り深い性格をしています。主人公は当初ウエイトレスの彼女しか知りませんが、街を歩いていると次第に彼女の別の顔を知ることになります。

山下美夏水着姿2

 キャバクラ嬢としての美夏を真の姿と考えるか、仮初めの姿と考えるかで彼女との関係は大きく変わっていきます。攻略したいのならどうすればいいかは自ずと…

昔の制服を着てみた山下美夏

 ちなみに彼女は年上のせいか、付き合うようになると非常に「世話焼きさん」になります。

 その2はまた明日…

ゲルマニウムの夜:面白いけど純文学、または純文学だけど面白い

ゲルマニウムの夜
 早くなる日暮れに秋の気配が忍び寄ってきたような気もする今宵、いかがお過ごしでしょうか。関東地方は明日も雨模様とか。

立春を過ぎると一雨ごとに春が近づくといいますが、今日は白露。一雨ごとに秋に近づいてきてもらいたいものです。

 それでは本日の記事です。今日は、先日読んだ花村萬月の「ゲルマニウムの夜」です。

文庫版ゲルマニウムの夜

 この作品、1998年上半期の芥川賞受賞作です。芥川賞といえば純文学の新人に与えられる文学賞。純文学といえば「娯楽性」よりも「芸術性」に重きを置いている小説。かつて横田順彌の小説で「つまらない純文学よりも面白いハチャハチャ小説」というフレーズを見て激しくうなずいて以来、純文学と聞くだけで敬遠してきたのですが、考えてみれば、ジャンルに面白いつまらないがある訳ではなく、ジャンル内に面白いものとつまらないものがあるのですよね。ミステリーでもSFでも純文学でも。

 で、純文学なるものにはどういう作品があるのかと顧みてみると、森鴎外や夏目漱石の一連の小説、島崎藤村の「破戒」、田山花袋の「田舎教師」、谷崎潤一郎の「細雪」、志賀直哉の「暗夜行路」などなど、私も結構読んできていることが判明しました。

 なんだ、純文学なんて意識せずに結構読んでるんじゃん。比較的新しいところでも村上龍の「愛と幻想のファシズム」、宮本輝「螢川」、村上春樹「ノルウェイの森」、小川洋子「博士の愛した数式」とかを、純文学とか意識しないで読んでました。2000年代の純文学はまだあまり読んでない感じですが。

 ということで、純文学だからと構える必要はなく、面白ければ読んだらいいんだということを、ようやくこの年で理解した訳ですが、じゃあ「ゲルマニウムの夜」はどうなんだと問われれば、「面白い純文学」と言わないわけにはいかないでしょう。

 ただし、濡れ場はまあさておき、それ以外にも暴力表現やホモセクシャルな表現、残虐シーンや本当に悪臭が漂ってきそうなシーンに満ちているので、想像力が豊かすぎる人には結構つらい小説家もしれません。赤毛のアンなんかは途中で読めなくなるかも知れませんね。

朧と教子

 内容は、
 
 人を殺し、育った修道院兼救護院に舞い戻った青年・朧(ろう)。修道女を犯し、暴力の衝動に身を任せ、冒涜と倫理のはざまで揺れる日々。目指すは、僕の王国-世紀末の虚無の中、「神の子」は暴走する。第119回芥川賞受賞作。
 
 と紹介されています。作者の花村萬月 は少年時代にキリスト教系養護施設を経験しているので、その経験が修道院兼救護院の描写に反映されているようです。修道士らキリスト教聖職者による子供への虐待(性的なものを含む)については、巻末の小川国夫との対談によると実際に体験したもののようです。

 二人の人間を殺した朧は、外人院長の「性的欲求」を満たすことを条件に修道院に匿われ、そこで神を試すように様々な悪行を重ねるのですが、内容紹介では「修道女を犯し」と言っていますが、実際には誘惑はしていますが和姦なので、そこまで悪い奴には思えません。二人殺したというのも本人が言っているだけなので、本当かどうかは実際のところ不明です。いくら修道院でも治外法権という訳でなし、捜査が進めば警察が捜索に来るはずですが、修道院で起きた事件(人が死にますが事故で処理)の際に刑事が来ているにもかかわらず、朧は逃げも隠れもしていませんし。

教子を演じた早良めぐみ

 暴力で年上の少年を支配し、親の都合で堕胎させられて修道女見習いとして修道院に入れられた教子と夜ごとに交わりながら、かつての恩師である神父に告解して「将来犯す予定の罪」の赦しまで得た上で「赦されたので実行します」と挑発したり(守秘義務があるのでどうにもできない)、外国人シスターを誘惑して堕落させるなど、どれだけやれば「神の怒り」を受けられるのかを試すかのような朧。そんな彼も教護院の生徒だった時代には年長の少年の性奴隷に堕ちかけるなどの暗い過去がありました。

 私もキリスト教を始め宗教にはあまり明るくない、というか宗教儀式に加わったことがほとんどないのですが、そんなに歪んでしまうのなら、そんなに禁欲を強制しないでも、なんて思ってしまいます。まあキリスト教だけではないかも知れませんけど。

映画版チラシ

 ちなみに「ゲルマニウムの夜」同名の映画も作成されており、2005年に公開されています。原作のストーリーをほぼ踏襲しているようですが、原作では外国人聖職者が登場するのに対し、映画ではそれが全て日本人に置き換えられているようです。フランス人修道女シスター・テレジアは広田レオナが演じています。

広田レオナのシスター

 私がリメイクするなら、アスピラント(修道女見習い)の教子役は高田里穂に、シスター・テレジアは壇蜜さんにやってもらいたいですね。高田里穂は多分この役を受けることはないでしょうけど、壇蜜さんの修道女姿は似合うと思うので、個人的にはぜひ演じて貰いたいものです。
高田里穂
堕ちるシスター・ハニー

 なお、「ゲルマニウムの夜」は「王国記①」とのサブタイトルがついています「王国記」シリーズは2010年の「風の條(すじみち)王国記10」が最新刊となっているので、かなり長いもののようですね。今後続編を読む機会があるかどうか。あ、「ゲルマニウムの夜」だけでも完結した作品として鑑賞できますので、その辺はご心配なく。

大日本オサカナ株式会社:昔の名前で…出ていません?

大日本オサカナ株式会社
 
 唐突ですが、最近の私の一週間の番組視聴状況はこんな感じです。

アマガミ カミングスイート

 月曜日:ブログ記事を作りながら、「良子と佳奈のアマガミ カミングスィート」(インターネットラジオ)を聞く。ブログ完成後、時間があれば「織田信奈の野望」(深夜アニメ)を見る

 火曜日:ブログ完成後、「人類は衰退しました」(深夜アニメ)を見る。月曜日に見ていなければ「織田信奈の野望」も見る

早見沙織

 水曜日:ブログ記事を作りながら、「早見沙織のふり~すたいる」(インターネットストリーミング→ニコニコ動画)を聞く

じょしらく

 木曜日:ブログ記事を作りながら、「ガールズ落語ラジオ じょしらく」(インターネットラジオ)を聞く

 金曜日:ブログ完成後、「じょしらく」(深夜アニメ)を見る
 
美佳子@ぱよぱよ第576回

 土曜日:ブログ完成後、ベッドでうつらうつらしながら高橋美佳子の「美佳子@ぱよぱよ」(インターネットラジオ)を聞く

 日曜日:アメトークを見る

 なお、アニメや番組は動画サイトで見ております。ということで、私には「ギルガメッシュLIGHT」を見る暇がないんだよ壇蜜さん。

 それでは本日の本題です。本日は東海林さだおと椎名誠の対談集「大日本オサカナ株式会社」を取り上げます。図書館から借りたものですが、二人の対談は本当にくだらないことを本当に面白くやってくれるので大好きなんです。新刊が出たのか!と喜んで借りたのですが、中を開いてみたら…ん?これ、10年以上前に買った「ショージとシーナの発奮忘食対談」と同じじゃないか?

発奮忘食対談

 椎名誠のあとがきを見たらまさにそのとおりで、そもそも文藝春秋から出た「人生途中対談」が文春文庫に入るにあたって「ショージとシーナの発奮忘食対談」と改題され、今回朝日文庫に入るにあたって「大日本オサカナ株式会社」に改題されたということです。

 ♫京都にいるときゃ忍と呼ばれたの 神戸じゃ渚と名乗ったの♪という歌がありましたが、いいんでしょうかねこういう商法。私は借りたものだからあまり文句を言う気はないですけど、買ったら怒ったかも知れません。一応オリジナル特別対談も入れているので昔の本と全く同じという訳ではないのですが、裏表紙の内容紹介あたりで「『ショージとシーナの発奮忘食対談』を改題した上で新規対談を挿入」くらい書いとくべきではないでしょうかね。

 そういう訳で昔読んだ対談を再度読むこととなったんですが…悔しいけど、やっぱり面白いんですよね。

 ラーメンスープはどこまで飲んでいいかとか、野菜の偉さの検討(タマネギが一番偉いとかタンメンは野菜の甲子園だとか)とか、魚介月旦(魚介類の会社があったらどの魚がどのポジションか)とか、おでんのタネの好き嫌いなど、はっきりいって世間的には何の訳にも立たないというか、どうでもいい話題を延々続けているのですが、これが何とも面白いのです。

 例えば魚介月旦では、鮭が大海に出て見聞を広げて急流を遡って来るところから現場を回ってきたキャリア組の社長でヒラメが技術畑の相談役。タコやサメは総会屋対策担で、イカはOLとか。カニは経理でエビは銀座のママとか。人物(魚介だけど)を見ているはずが、往々にして「切り身」がどうとか「小骨が多い」とか「味はいいのに」とか脱線してしまうのがまた楽しい。この魚介月旦が「大日本オサカナ株式会社」というタイトルに直結したのだと思います。

 新規対談は「大日本ドンブリ株式会社」で、ドンブリものを社長とか専務に当てはめていくという魚介月旦の延長上の対談です。カツ丼が社長、うな重が会長とか。海鮮丼は新参者だと東海林さだおの評価が辛く、椎名誠が美味しいからと庇ったり、魚介月旦で支店長止まりだとされたカツオが、ドンブリ(銀火丼:鉄火丼のマグロをカツオに変えたもの。鉄より旨いので銀だそうな)になっても高知支社長だったりするのが笑えます。牛丼は人気があるけどイメージが良くないので取締役にはなれない。でも殊遇を間違えると会社が乱れると悩んだ末に営業担当執行役員に任命したり、馬鹿馬鹿しいことを大まじめに論議するのって本当にいいですね。

 私もやりたいんですよ。宇宙戦艦ヤマトの描写の矛盾をどうやったら合理的に解釈できるかとか、AKB48は今後誰をセンターに据えるべきかとか、壇蜜さんに今後どんな役をやってもらいたいかといった、おそよ世界や人類の役に立たないようなことを真剣かつ熱く議論したいのです。誰かしませんか?

人生途中対談

ナースを彼女にする方法:エロだけど主人公に好感が持てる青年コミック

1巻表紙

 今日も暑いですね。今日明日が暑さの峠とかいうことですが、これが本当に夏のアルデンヌ攻勢になるといいのですが。 

 さて、本日取り上げるのは、性描写の多い青年コミックの「ナースを彼女にする方法」です。かなりの描写だと思うのですが、18禁じゃないんですね。もちろんこの記事自体も18禁にはなりませんよ。

本当はもっと可愛い友柚

 「ナースを彼女にする方法」は、お色気満点のエロ漫画です。こういうものを取り扱っても良いものか若干悩みましたが、読後感は意外に爽やかというか…。「私の奴隷になりなさい」がSM小説ながら読後感の良い青春SM小説だとされていますが、似たようなものでしょうか。作者は藤坂空樹。「月刊ビタマン」(竹書房)という青年雑誌(R18)に連載された、作者初の長編シリーズだそうです。竹書房の四コマ誌はいつも買っているのですが、青年雑誌はとんと…青年じゃないし(笑)。

夏夜子

 紆余曲折があって25才で新人看護師となった太嶋海斗が務めることになったのは、男女比30:1というハーレム病院の外科部だった…というところから物語は始まり、高校時代の「元カノ」瀬崎夏夜子が教育係の先輩として登場。さらに高校時代に海斗が片思いしていた羽鳥友柚も同じ病院の内科部に勤務していることが判明します。

美人女医岡野先生

 こうして海斗は様々な失敗をしながら看護師として一人前の道を進んでいく…なら平穏でいいのですが、実際にはエロ漫画なので、様々な看護婦(看護師と表記するのが正確なのですが、オノコの妄想的にはやはり看護婦と書きたいです。ここでは男は看護師、女は看護婦とします)に誘惑されまくります。比較的真面目な正確な海斗はたじたじとなりますが、教育係の夏夜子は守ってやるからと体の関係を要求してきて、流されるまま男女の関係に。

2巻表紙

 2巻までは、海斗は羽鳥友柚だけが好きなので何とか彼女と接触しようとするものの上手くいかず、夏夜子の他、女医の岡島先生や他の看護婦・女性患者らと心ならずも関係してしまうというエピソードが続きます。途中、友柚が医者と関係しているのかというシーンがあって、おおNTRと思ったのですが、実は海斗の勘違いで違う看護婦と医者の情事でした(ちッ)。

3巻表紙

 3巻にしてついに海斗は友柚に急接近。友柚も海斗が好きであることが判明してめでたく結ばれます。これ以降、海斗は完全に友柚一筋となり、他の女性には目もくれなくなります。この辺りのぶれない姿勢は賞賛に値しますね。それまでは相手が強引に来ているので流されてしまうという優柔不断な面もありましたが、はっきり恋人関係となったら一切誘惑を絶っています。

4巻表紙
 
 4巻では友柚の出生の秘密(病院の理事長の孫娘)とか、病院経営に参画したいがために友柚を狙う医者と嫌がらせや海斗を諦めきれない夏夜子の逡巡などが描かれる中、ハッピーエンドを迎えることになります。3巻以降は友柚とのエッチばかりだとご不満の向きもあるようですが、私はいいと思います。愛があるので。

葛城さん

 全4巻なら上手くまとめたということになるでしょうか。延長するとすると、1~2巻の流される日々を延々続けるしかないでしょうし。ただ、海斗と友柚の障害はもっと強固だったほうが良かったかも知れません。友柚を手に入れたい美馬先生(「友柚NTRか?」のエピソードで看護婦と遊んでいた医者。また電車で友柚が痴漢に遭うエピソードがありますが、この人が犯人なのでは?)は最初から友柚に一顧だにされていないのですが、せっかく卑劣な性格をしていらっしゃるのだから、もっと友柚とあわやなところまで行って欲しかったですね。睡眠薬を使ってホテルに連れ込むとか。これじゃただのお局OLだ。

友柚の後輩工藤さん

 それから夏夜子。なぜ海斗と別れたのかの理由が描かれていない(海斗が振ったらしいですが)のと、友柚と同じ学校の同窓生でありながらあまり親しくなかったようなので、海斗が友柚を好きだとしってからはもっとドロドロとした嫉妬とか火花散る友柚との対決なども描いて欲しかったです。これらを描いて全5巻ならもっといい作品になったかな、なんて。

 友柚は海斗の心象風景の中では理想的ないい子で、それは構わないのですが、実際にも本当にいい子として描かれたので、修羅場とか危機一髪なシーンは似つかわしくなくなってしまったのかも知れませんね。25才で処女だったし。←いや、全然構わないのですが、これだけのルックスなら誘いも多かったろうにと。高校時代からずっと海斗が好きだったとかだと、現代のバルスの呪文(リア充爆発しろ!)を唱えたくなりますね。

 まあ、そんなモテモテの海斗が、それでも好感の持てる主人公であるのは、一つには友柚一筋であることと、看護師として成長したいという強い意欲が描かれているところでしょうかね。友柚ほどの子に愛されて、なお浮気を繰り返すようなら人としてどうなのかと思います。また、職業人としての姿勢が立派なら多少の前科には目をつぶりましょう。

 作者の絵はとにかく美麗です。特に表紙とかカラーページ。友柚には若干カラーとモノクロの落差があったような気もしますけど(笑)、まあいいでしょう。

絶対☆は~れむ1巻

 同傾向の作品として「絶対☆は~れむ」(既刊4巻、作者:久遠ミチヨシ)という作品があります。女の子の絵は上手いのですが、こちらは主人公の男がどうしようもないので好感が持てません。ヒロインがどうしてこんな男を好きでいられるのかがさっぱりわからないし。海斗と友柚なら互いが好きなのも理解できるのですが。ということで、終わってない作品と比較するのもどうかと思いますが、読後感の良さから私はこちらの作品の方が好きです。お暇があったらご一読を(ただし18才以上に限ります)。

フィギュア化検討中の羽鳥友柚

斉藤由貴の歌で妄想する「秒速5センチメートル」(その1):女子大生・明里の恋の終わり

この娘は誰?
 
 本日はいきなりのお願いからで恐縮なんですが…え~これはAKB48のeveryday、カチューシャのオープニングの画像です。全員が一列に並ぶところですが、その際に向かって一番右端に来る娘、この画像では一番手前の娘になりますが、この人の名前をご存知の方がいらっしゃいましたら、ぜひご教示いただきたいのです。画像があまりはっきりしていなくて恐縮ですが、お願いします。

 それでは今日の記事です。先日に続いて、しつこく「秒速5センチメートル」妄想劇場を続けてみたいと思います。

 前回は美人女子大生になった明里の恋愛模様を南野陽子の歌で妄想してみたわけですが、ぜーレのシナリオ私の妄想では、大学生時代の彼氏は初体験の相手ではあっても結婚相手ではないので、本編第3話までには別れて貰わなければなりません。在学中に別れて貰ったほうがいいでしょうな。明里にも失恋で涙が止まらない一夜があったのです。

PANT.jpg

 そんな時の明里の心情を綴っていると思われるのが、斉藤由貴の「3年目」です。この歌は1988年の斉藤由貴の6枚目のアルバム「PANT」に収録されていますが、作詞を斉藤由貴本人が行っています。というか、アルバム全10曲中7曲が斉藤由貴の作詞ですね。セカンドアルバムの「ガラスの鼓動」(1986年)から作詞を行っていますが、玄人はだしです。

 それでは斉藤由貴謹製の歌詞に従って妄想を膨らませていくこととしましょう。まずはとにかく聞いてみて下さい。

セーラー服がよく似合う斉藤由貴

斉藤由貴 3年目
http://www.youtube.com/watch?v=oBAok1aoLqI 

 恋を知り、男を知って(!!)少し大人になった明里が、これまでの恋の軌跡を回想します。まずは前回の「私の中のヴァージニア」の頃、すなわち彼との出逢いの頃の回想です。

女子高生明里

  2年前 何も知らない少女の私
  だからただ 真白に微笑んだ

  2年前 出逢いは何げなく
  二人をつつみこんで 広い時の海へ
  すべるようにこぎだした
 

 中学生二年生になる直前に現出した、貴樹とのつかの間の「理想の恋」。一瞬完璧に重なり合った心は、しかし次の瞬間にはどうしようもなく離れていったのです。まさしく秒速5センチメートルのスピードで。一時間に180メートル、一日では4.32キロということになりますね。一年間では何と1576.8キロ…そりゃあ貴樹との文通が間遠くなっていくわけです。

 それでも高校時代は「理想の恋」の呪縛のままに、貴樹への想いを引きずって過ごした明里。しかし、花の都では何もかもまぶしく新鮮なキャンパスライスを始めることになります。そんな真っ白な少女・明里の前にちょっと貴樹の面影を持った先輩大学生「仲原真樹」(仮名:3年生)が現れたのです。ふとした何気ない出逢の瞬間、なぜかしら惹かれ合った二人。そして二人の恋心はゆっくりと、しかし確実に走り始めていったのです。

 さて、続いてそれから1年。前回の「ひとつ前の赤い糸」の頃の回想です。

明里の幻

  1年前 駆け出す心を 止めるものはなく
  息もつけない程に 夢中だった

  1年前 それだけで満たされ
  当たり前のように この人だけを
  見つめ続けると 決めていた


 明里はもう真樹に夢中です。イケメンと美女の恋愛ですから、いろいろとちょっかいもあったことでしょうが、揺らぎません。前回も

  ときどき もつれてもね ふたりの糸 ひきちぎらないで
  あなたに 寄りそいたい 涙に負けない 愛を続けたい


 と言っていました。もう明里は彼と一生添い遂げるものと決心していたかも知れません。

 明里と体を重ねた上に、これほどに明里の心を捉えて放さない「仲原真樹」。明里派の皆さん、この男を放置しておくべきでしょうか?あ、聞こえます聞こえます。地の底から沸き立つような呪詛の声が…
 
 タトエ天ガ許シテモ我々ガ許サヌ……許シテナルモノカ……!!

 成る程、皆さんの気持ちはわかりました。それでは……

 就職活動は困難を極めましたが、何とか内定を得た仲原真樹。明里と二人での卒業祝いは彼のアパートで。
 「真樹さん、おめでとう。」
 「ありがとう明里。明里もいよいよ3年生だね。一足先に社会に出て頑張るからさ、卒業したら…」
 「うん。約束よ、真樹さん。」
 「よーし、結婚資金を貯めるぞ~!」

 しかし、真面目ながらも不器用な仲原真樹に、実社会の洗礼は厳しいものがあった。研修もそこそこに営業部に配属され、厳しい先輩について慣れない得意先回りを始めるが、やることなすこと失敗ばかり。おまけに木訥で正義感が強いのに要領が悪いので頭を下げて謝っておけばいいところで相手を理詰めでへこませて怒らせたりして、上司の雷を貰いまくる。

 理想と全く違う社会の現実にうちのめされる真樹。明里はそんな彼を精一杯支えようとするが、「頑張って」だけではどうにもならない。次第に口数も少なくなり、笑顔もなくなっていく真樹を心配そうにみつめるだけの明里。あんなにも愛していた明里に優しくすることもできなくなった真樹は自己嫌悪に陥り、とうとうある日…

 「なあ…少しの間、距離を置かないか?」
 「!!…そんな…どうして…?」
 「俺…今の俺は…明里を大事にしてやれないんだ…」
 「そんなこといいの!真樹さんが大変なの、わかってるから。私に出来ることなら何でもするから、そんなこと言わないで…」
 「ごめん…ちょっとだけ…立ち直る時間、くれないか…。頼むよ、明里…」
 「……」

 それが彼の願いならと、泣く泣く距離を置く明里。鬱状態に陥りながらも苦闘を続ける真樹。しかし燭光はなかなか見えない。しかし、八方塞がりで絶望に捕らわれ始めた真樹の前に、天使が舞い降りる。

優しい香奈先輩

 「仲原君じゃない。まだ残業してるの?」
 「あ…夏目先輩。どうしたんですか、こんな時間に?」
 「うん、ちょっと忘れ物があったの。近くで飲んでたから取りに戻ってきちゃった。」

 ぺろっと可愛く舌を出して見せたのは、社長秘書の夏目香奈。短大卒で入社したというから会社ではずいぶんと先輩だが、年は4つ5つkしか離れていない。独身社員が虎視眈々と狙っているという美人OLだ。

 「あんまり遅くまで根を詰めると毒よ。明日もあるんだし。」
 「え、ええ…」
 「ほら、たまには飲みましょうよ。悩みならお姉さんが聞いてあげるわ」
 「ちょ、ちょっと先輩…」

 ぱーんと背中を叩かれて仕事を止めさせられた真樹は、バーで香奈と飲む。積もりに積もった愚痴を嫌な顔も見せずに聞いてくれる香奈。時折くれるアドバイスは的確なものばかり。

 「すいません、俺…夏目先輩のこと…誤解してました。」
 「なーに?男に色目を使う腰掛けOLとか思ってたの?」
 「い、いえ…そんな…。でも、営業の仕事にこんなに詳しいなんて…」
 「去年まではやってもの。営業…」
 「そ、そうなんですか!?てっきりずっと秘書さんだと…」
 「ふふふ…実はね…」

 夏目香奈は営業部で並み居る男達を尻目にずば抜けた成績を上げていたのだった。しかし、上司を含む男達の暗い嫉妬により、祭り上げられる形で総務部に異動を命じられたのだった。

 「ホント、うちの会社の男ときたら、努力もしないで人の足引っ張っちゃってさ。でも、キミは違うわ。不器用だけど、努力している。ウン、お姉さんが助けてあげる。任せなさい!」
 「ほ、本当ですか。お願いします…!!」

 この日、香奈が真樹の苦闘を見かねてわざわざ深夜にやって来てくれたことを真樹が知るのはずっと後のことだった。

先輩OL香奈

 さりげない香奈の助けでめきめき頭角を現し始めた真樹。課でトップの成績を取り、部長賞も貰った。今なら明里にも顔向けできる。だが、今や真樹の心を占めているのは、香奈への恋心だった。

 「夏目先輩、お、俺と付き合って下さい!」
 「あらあら、こんなおばちゃんに何言ってるの?彼女さんがいるって言ってたじゃない。女子大生の。」
 「俺をここまでにしてくれたのは夏目先輩です。俺、もう先輩しか見えません!!」

 その場はごまかした香奈だったが、真樹の猛アタックは続く。一度は男に絶望していた香奈も、真樹だけは可愛い。彼女持ちの後輩を略奪するような真似はしたくないという理性と、真樹への愛情の葛藤に苦悩する香奈。遂に…

 「わかったわ。それじゃ一つだけ条件があるの。」
 「な、何ですか香奈さん。俺、何でもします!」
 「……彼女さんと、ちゃんと別れてきなさい。ずっと待ってるんでしょう?いい?彼女は何も悪くないんだからね、誠心誠意謝罪して許しを貰ってきなさい。そしたら…」
 「…わかりました。そうですよね…このままじゃ、俺、二股かけちまう……」

 真樹に呼び出されて約束の場所に向かう明里。久々に逢う喜びに満ちた笑顔が、悲しみのどん底に沈むことも知らずに……

 ま、この辺でいいでしょうかね。とにかく謝りまくる真樹を前にして静かに涙を流し続ける明里。やがて香奈もやってきて、二人で頭を下げまくる。お互いに「悪いのは私」「いや俺だ」と庇い合う姿を前に、明里は真樹との間に埋めがたい溝が出来てしまっていることを痛感するのだった……

 という訳で、悪人の一人もいない中で、明里の恋は静かに消えていったのでした。
 
   そして今 あなたの背中を見送りながら
   巡るのは何故は こんな場面ばかり

   悲しいとか 辛いとかじゃなく 
   人は皆誰も変わってゆくと ちゃんと受け止める
   3年目…

 
 そして就職後、夫となる人と出会うことになるのですが、それはまた別のお話。

人妻明里

 なお、3年目には、斉藤由貴本人出演のミニドラマがあります。 

ドラマ版
http://www.youtube.com/watch?v=Vbz4zfYo2wk&feature=related

 こちらは斉藤由貴が一人芝居していますが、これを明里だと思うのはちょっと辛いです。こんなに明里を取り乱させ、嘆き悲しませるるような男は許せないな。ラストの斉藤由貴豹変も、明里ならこうはならないんじゃないかと…

3年目のビデオ

 基本的に「秒速」のキャラは失恋しても取り乱しませんよね。せいぜい花苗の泣き寝入りくらいで。その点はリアリティーがないというべきか、美しくまとめたというべきか。でも、リアルでも悲しみを大仰に表す人ばかりではないですよね。

 と言うわけで、妄想劇場はこの辺でお開きに。このほか、「明里、老教授にSM調教の限りを尽くされる」とか「明里、まさかのクリムゾン的展開(悔しい…こんな奴に…でも感じちゃう…ビクンビクンッ)」とか「家庭教師先の教え子のショタに押し倒される明里」とか、色々妄想ネタはあったのですが、明里のイメージを大切にしたいので今回は見送りました。見てみたいという方はリクエストしていただければ善処したいと……しかし、清純明里至尊派から攻撃されそうで怖いです(笑)。

 なお、勝手ながら先輩OL夏目香奈のイメージモデルは壇蜜さんにやってもらいました。出演多謝。


封印作品の謎(その2):抗議と差別の狭間で

文庫版
 
 今日も比較的暑さは控えめでしたが…今週また山場が来そうですね。何度目だ!どんなに北風と太陽のエピソードのように、ここで涼風でも吹かせた方が、「夏が好き」って人を増やせそうなものなんですが。

 花村萬月の「ゲルマニウムの夜」読了。芥川賞受賞作ということで、敵は純文学と構えて読んだのですが…なんだ、普通に読めるじゃん。純文学ってのはもっとつまらないものだと思ってました。純文学がつまらないのではなく、つまらない純文学があるということでしょうか。感想はまた後日に。

 今夜は、昨日に続いて「封印作品の謎」の後半です。これまではテレビ・映画が取り上げられていましたが、今回は漫画・ゲーム関係です。まずは手塚治虫の超有名作品「ブラックジャック」。

ブラックジャック

 ブラックジャックといえば、1973年から83年まで連載(79~83年は不定期夫の読み切り連載)された、手塚治虫の漫画家生活30周年を記念して連載された傑作ですが、実際には「死に水」を取るための短期連載が想定されていたそうです。

 トップクラスの人気を誇っていた手塚治虫も、1960年代の終盤になると少年漫画では「過去の漫画家」と見なされるようになり、経営していた虫プロダクションの倒産もあって、どこの雑誌社も使おうとしなかったとも言われています。当時の「週刊少年チャンピオン」編集長の壁村耐三(吾妻ひでおの「失踪日記」にも登場しています。業界では非情に有名な編集者だったようです)が花道を飾ろうと、数回分の連載枠を用意したのが連載開始のきっかけと言われています(壁村耐三は手塚治虫自身が持ち込んだ企画だったと証言しているそうです)。

 連載が開始されると読者の反応も良く、連載の続行が決定しました。その後「週刊少年マガジン」で連載した「三つ目がとおる」とともに手塚治虫の少年漫画における1970年代の最大にして、少年漫画家としては最後のヒット作です。またこの作品によって現代まで続く「医療マンガ」のジャンルが形成されるきっかけにもなりましたなった。

 内容的には、医学的リアリティと大胆なフィクションが並存していて、相棒でもあるピノコの誕生譚を始め、異星人やミイラ、幽霊、コンピュータをも手術するなどの突飛な設定の話もあり、また架空の病気も登場していますが、総じて高い物語性があるため、単行本の売り上げは手塚治虫の他作品を大きく引き離し、なお新たな読者層を開拓し続けていると言われています。

植物人間

 そんなブラックジャックには、少年チャンピオンに連載されたにもかかわらず単行本未掲載の作品がいつくかありました。それは作品内容に手塚治虫が納得しなかったからとも言われ、手塚治虫の死後に刊行された作品集などで取り上げられたりしてほぼ解消されたのですが、なお掲載されない2本の作品があります。それが本書でも取り上げられている第41話「植物人間」と第58話「快楽の座」であり、いずれも脳手術を取り扱っています。

「植物人間」のワンシーン

 「植物人間」は、事故で脳死状態(劇中では「植物人間」と呼んでいます)になった女性患者の脳と息子の脳を直結して電流を流して脳死の再判定をするという話ですが、頭蓋骨切開のフリガナに「ロボトミー」という単語を使用しています。ロボトミーというと、一般には1930年代から70年代まで行われた精神疾患患者に施された前頭葉切断術を指します。1949年にはノーベル生理学・医学賞が与えられていますが、抗精神病薬の発展やロボトミーのもたらす重大な副作用が問題視され、日本では昭和50年以降は精神医学上の禁忌とまでされています。

「植物人間」問題のシーン

 この作品の場合、実際のロボトミーとは異なることは明らかなので、ロボトミーのルビを外せばいいようなものですが、実際にはもう一つ問題があります。電流を流した結果として、手術後に息子は母と会話し、まだ生きていることが判ったと言うのです。そして母を治療するために医者になることを誓うのですが……脳死を人の死と認め、脳死による臓器移植が普及しつつある現在、この息子の主張が正しいとすると、脳死状態でも意思疎通ができないだけで患者には意識があるということになり、現在の「死」の定義に波紋を投げる内容とも言えると思います。作品では患者が生きているのかしんでいるのかを明らかにしていませんし、母親と会話したというのも息子の幻覚だという解釈もできるのですが、「封印」を解くには少々危険な作品となっていると言えます。

快楽の座

 「快楽の座」は、精神病患者に超小型の電子装置(スチモシーバー)を装着させて治療を試みるという話です。手術を行うのはブラックジャックではなく、鬼頭教授という医者です。ブラックジャックは人間には危険だと反対するのですが、鬼頭教授は鬱病質の少年に装着手術を施します。少年が少しでも暗い気持ちになると装置が電波を出して暗い気持ちをかき消すというのですが、少年は笑いながら鬼頭教授を刺して逃亡、自宅でも手術を了承した母親を縛って笑いながら刃物をちらつかせます。

時計仕掛けのオレンジみたい

 結局はブラックジャックがすんでの所で救出し、電子装置を外す手術を行い、母親に勉強を押しつけたり将来を無理強いしないことなどの「処方箋」を渡します。

「快楽の座」の一部

 鬼頭教授は快楽中枢を刺激することで苦痛を取り除くことができると考えたのですが、実際には笑いながら暴力を振るう恐ろしい人間(「時計仕掛けのオレンジ」の主人公みたいですね)を誕生させてしまったというところに皮肉が聞いていてストーリー的にも面白いのですが、なぜ封印されてしまったのでしょうか。「封印作品の謎」によれば、「植物人間」同様脳手術を取り扱っていたからだということになります。

「快楽の座」ラスト

 実は手塚治虫はブラックジャックの他の作品で「ロボトミー手術」という単語を使っていますが、精神医学が禁忌としたロボトミー手術を美化し、障害者差別を助長したとして抗議を受けて「吊し上げ」を喰らった結果、全面的に謝罪をしているのです。当該作品は、他の手術にすることでも作品として成立するものだったので、内容を一部変えて単行本にも掲載されていますが、手塚治虫は明らかに脳手術を扱うことを恐れるようになり、内容が脳手術であり、改変すれば作品として成立しない上気ニ作品を封印したようなのです。

 手塚治虫は医学博士の称号を持っていましたが、実際には臨床の経験もなく、長い漫画家生活の中で医学的知識をアップデートする余裕もなかったのだと思われます。なお、「植物人間」は抗議事案の発生後に単行本から削除されたのに対し、「快楽の座」は一度も単行本に掲載されていないことから、抗議以前から手塚治虫が単行本掲載が不適切だと判断していたものと思われます。

PS2版水夏+

 最後は18禁ゲームの話です。厳密に言えば封印された訳ではないのですが、埼玉県医療整備課が監修に当たった病原性大腸菌O-157対策の教育ソフトに18禁ゲームのキャラクターが使われていることが発覚し、報道されたことにより抗議が殺到し、県が監修を降りたという話です。

 問題のキャラクターは18禁ゲーム「水夏」(すいか)に登場したキャラということで、メーカー側は開発費の節減のためと「水夏」自体が性描写を削ったコンシューマー版も発売(PS2用)していることから問題ないと考えたようですが、実際には「授業にAV女優が出てくるようなもの」と抗議を受けることになってしまいました。なお、ゲーム自体は県の監修がなくなってからも開発が続けられ、「水夏~おー・157章~」として発売されるに至っています。

水夏おー157章

 埼玉県が監修を降りた後、今度は逆の抗議「AV女優出身のタレントが授業に出演したらまずいのか」「ゲームの前歴の何が問題なのか」といった声が寄せられるようになったそうです。この話題は、作者の安藤健二が記者時代に起きたもので、元AV女優の飯島愛にコメントを貰おうとして取材拒否されたりしています。

 「AV女優を教育の場から外すことは差別なのか?」という疑問に対し、別なAV女優の意見を聞きたいと言うことで、作者が接触したのが元AV女優の小室友里でした。

小室友里当時の作品

 小室友里は「1990年代最後のAVクイーン」と呼ばれた人です。当初グラビアアイドルとしてデビューし、1996年にAVデビューし、持ち前の親しみやすさと美貌でファンが急増し、主要AVメーカーの代表的なシリーズ作品を総ナメにするなど、1999年にAV引退を宣言するまで、約4年間にわたってナンバーワンAV女優として君臨しました。

 AV引退後は成人指定作品を含む映画、Vシネマ等への出演を続けつつ、よりマルチタレント的な活動を展開し、2000年代前半には歌手、舞台女優としての活動にも力を入れた他、文才を生かしてスポーツ紙などに連載を持ち、2005年から2006年にかけては実業家を目指すブログを開設したりしています。

小室友里当時の作品2

 小室友里は肯定否定どちらの立場もわかるとした上で、AVは成人男性をターゲットとしていて子供を対象にしていないこと、AVはクレームに反論できたり、誰かに自慢できるようなことではないとした上で、「あの世界の人はどこまで行っても後ろ指を指される。『まして教育なんて』と思いました」と語っています。本人も元AV女優という肩書きを背負っている以上、様々な差別や偏見に晒されたそうですが、それでも改名しないで活動している理由について、最終的にはばれてしまうし、逃げたくなかった。AVに出演していたという過去は決してなかったことにならない。思った以上に大きな存在になった「小室友里」を背負っていくことが自己責任だという旨の説明を行っています。

小室友里当時の作品3

 AV女優=18禁ゲームキャラというものでは必ずしもないとは思いますが、やはり対象が限定的だったものを事実上限定解除にしてしまうことには疑問視・問題視の声が上がるのは必然的かもしれません。それは「差別」だという議論もあってしかるべきですが、行政や自治体がうかつに手を出すべき分野ではないと言えるでしょう。三鷹市水道局のように、考えに考えた末のアニメキャラ登用であれば10年以上続けることも可能なのでしょうが、それだけの知識も覚悟もなかったということでしょうか。
 あと、AVは需要があるのは確かなのですが、やはりうかつには進んではいけない「必要悪」の領域ですね。いろいろな理由があってAV女優という道を選択するのでしょうし、説教じみたことを言う柄でもないのですが、とりあえず壇蜜さん、AV方面だけはいかないでねという個人的メッセージで本日の記事は締めさせて頂きたいと思います。

壇蜜さん
↑そんな私の老婆心を不思議そうに見つめる壇蜜さん。目元の化粧が濃いですよ。AV業界はきっと虎視眈々とあなたを狙ってます。ご用心ご用心。

封印作品の謎(その1):公開を禁じられた理由に迫るルポ

封印作品の謎

 今日は朝のにわか雨を皮切りに断続的に大雨となり、比較的暑さは控えめでした。もう30度超えは十分なんで、本格的な秋の到来を待ち望んでいるところなんですが、きっとまだまだ夏の組織的抵抗は続くのでしょうね。せめて熱帯夜は終わりにして欲しいものです。

 さて今日は、先日図書館から借りた「封印作品の謎」を紹介します。

 「封印作品の謎」の作者安藤健二は元新聞記者のジャーナリストで、この本を執筆したくて記者を辞めた人です。取り上げられているのは、再放送されない、あるいは単行本に収録されない「幻の作品」で、インターネットの世界では結構有名なものがそろっています。本書では、それらがなぜ「封印」されるに至ったのかを追及していきます。

 まずウルトラセブン第12話「遊星から愛をこめて」。

第12話タイトル

 この作品の存在自体はかなり有名です。ウルトラセブンの敵として登場するスペル星人を「被爆星人」と表現し、体にケロイド状の傷をつけたデザインをしていれば、そりゃ抗議が来て放送できないだろうと単純に考えていたのですが、本書を読むと、スペル星人は本編において「被爆星人」と呼称された訳ではなく、本放送後に第12話自体にクレームがあったわけでもなく、放送後何年も経ってから、小学館の学習雑誌の付録となった「かいじゅうけっせんカード」においてスペル星人が「ひばくせいじん」と紹介されていたことに端を発して抗議運動が起きたということです。すなわち、二次作品の問題が本家に波及してしまった形で、抗議した団体も実は本編を見ていなかったという事実が明らかになっています。

スペル星人

 脚本家や監督は反戦・反核の観点から作品を作ったといっており、怪獣・宇宙人をデザインした成田亨も当初は甲虫型の宇宙人を想定していたということで、関係者の小さな思惑の相違の積み重ねや、赤字解消のための二次作品の積極展開という会社の方針などが相まって「封印」という事態を招いてしまったということは残念です。

 封印されたということで見られないものは見てみたくなるのが人情、インターネット界では結構流出映像もあるそうですが、作品自体は必ずしも傑作ではないということですし、そもそも内容が問題だったわけでもないので、わくわくして見てみると肩すかしをくうことになるかも知れません。

 次は怪奇大作戦第24話「狂鬼人間」

第24話タイトル

 ウルトラセブンは説明不要かと思いますが、怪奇大作戦については少々解説を。ウルトラセブンの後番組として円谷プロが制作した特撮テレビドラマで、TBS系で1968年(昭和43年)9月15日から1969年(昭和44年)3月9日まで毎週日曜日19:00 - 19:30に全26話が放送されました。現代社会に発生する謎の科学犯罪に挑戦するSRI(科学捜査研究所)のメンバーたちの苦闘と活躍を描いていますが、怪獣ブームは去ったとの認識から、毎回登場する怪奇現象は、実は人間の手によって引き起こされた科学犯罪であり、これに立ち向かう正義の捜査チームという図式で構成されています。

 で、この第24話ですが、こちらは内容自体が問題作です。刑法第39条「心神喪失者の行為は、罰しない」がテーマになっていて、人為的に発狂状態になって殺人を犯して罪を免れようとする話です。心神喪失者に夫を殺された女性が、犯人が罪に問われないことを不条理と考え、復讐の意味を込めて人工的に発狂状態を作れる「脳波変調機」を使って、怨恨などから人を殺したいと考えている人を勧誘して発狂状態で殺人を行わせ、罪を逃れさせるという、かなり重いテーマを取り上げています。

狂鬼人間

 刑法第39条自体が議論のある条文なので、問題提起としては悪くないのですが、発狂状態になると必ず人を殺すのか、仮に殺すとしても対象の人を選びうるのかとかツッコミどころは色々あります。この辺、精神障害者関連の団体から抗議が来たらそれは封印しなければならないだろうとは思うのですが、本書を読んで、実は抗議らしい抗議はなかったのに封印されていることや、ウルトラセブンと違って関係者が完全に沈黙していること、背後に巨大な影がちらつく(あるいは影があるような示唆がなされる)ことなどから、封印に至った原因究明はなされていません。円谷プロの姿勢にも問題を感じますが、作品の赤字を版権とか二次作品で補填しなければならないという業界の構造が改善されないと問題は解決しないのかも知れませんね。

 続いては映画「ノストラダムスの大予言」

ノストラダムスの大予言パンフ

 五島勉の「ノストラダムスの大予言」は1973年に大ベストセラーとなり、当時の子供達は(大人もですが)1999年7月に世界は滅亡する者だと思っていました。それはそれとして、日常生活は大差なく過ごしていましたけど、「地下鉄サリン事件」を引き起こしたオウム真理教など、後世に計り知れない影響を与えた作品であると言えるでしょう。

ノストラダムスの大予言・本の表紙

 どうも70年代という時期は、バラ色の未来というものに懐疑的になり、公害や冷戦などでむしろ未来は灰色なんではないかという論調が主流になり始めた時期だったのではないかと思います。ゴジラ映画でもヘドラなんていう公害そのもののイメージの怪獣が出てきて、ゴジラ怪獣中最強ではないかという活躍をしていましたし。ノストラダムスの大予言以外にも、小学生の我々を恐怖のどん底に突き落とすような児童書がたくさんありました。学研のジュニアチャンピオンシリーズの「もしもの世界」とかは、ひたすら子供を怖がらせようとしているとしか思えませんでした。

ゴジラ対ヘドラ
もしも魚が一匹もいなくなったら
もしも酸素がなくなったら

もっともこちらとしても楳図かずおとか日野日出志の漫画と同レベルで怖がっていたので、本気で人類滅亡を恐れて夜も眠れないなんてことにはなりませんでした。それでも、漠然とした将来の不安の中の一部をノストラダムスの大予言が占めていた時期があったことは間違いありません。

児童向けの本の絵

 何があった!?生首が飛び交っています。怖がらせる以外に何を目的としているのか全くの謎。

 私自身は、中学生になった頃に高木彬光の「ノストラダムス大予言の秘密」を読んだことで「脱ノストラダムス」を果たすことができました。高木彬光は占いとか予言を肯定的に捉えながらも、ノストラダムスについては古いフランス語を丹念に翻訳することで、内容が「五島版」の訳とは全然異なっていることを明らかにしたり、海外の研究者の研究や解釈なども紹介して、「五島版」の解釈の矛盾などを突いています。とどめは、そもそもノストラダムスが自身の予言を西暦3797年までのものだと書簡で言っている事実から、1999年7月に人類が滅亡することはありえないという結論でした。確かに有名な例の予言でも「恐怖の大王が降ってくる」とは言っていても、それで人類が滅亡するとは言っていないのだから、人類滅亡は「五島版」の極端な解釈に過ぎないということが判って、それ以降はノストラダムスが云々という話を聞いても冷笑するだけになりました。

大予言の秘密

 私は子供の頃からオカルト大好きで霊とかUFOとか超能力を始めとするオカルト全般を信じていた(ビリーバーというヤツですか)のですが、この頃から急速に懐疑的になった気がします。もちろんテレビ番組は好きだったので矢追純一UFOスペシャルとかは真っ先に見てましたが、川口浩探検隊と同レベルの視聴になってました。おかげさまで今では極めてスケプティックです。
 脱線してしまいましたが、映画「ノストラダムスの大予言」は1974年に公開され、同年の邦画興業成績は第二位(第一位は前年からヒットしていた「日本沈没」)を記録したと言うことで大ヒットといえそうですが、私自身は全然記憶にありません。昔は映画を見ていなくても、テレビで番宣を徹底してやっていたので、エクソシストとかオーメンとかは映画を見ていなくてもCMは覚えているのですが、この映画の番宣はあったんでしょうかね。

 映画の内容自体かなり荒唐無稽で丹波哲郎が説教しまくるので面白くもないということですが、問題になったのは、被爆により発狂して人間を食べるニューギニアの原住民や、核戦争後の世界に登場する奇怪な人類の末裔の姿で、ウルトラセブンの第12話同様被爆者団体から抗議を受けています。抗議は公開直後から行われ、当該部分はカットした上で上映されたそうですが、公開自体は問題なく継続したそうです。なぜ後になって「封印」されるに至ったのか、そして98年突如ゲリラ的に発売されたのはなぜなのかについては読んで頂いたほうがいいと思いますが、良かれと思って作ったものが思惑に反して抗議を受けるのは、当事者にとって大きなトラウマになるのかも知れませんね。

 脱線で長くなったので、続きはまた明日ということにさせて下さい。

ルーンファクトリー3:別世界でもう一つの人生を

ルーンファクトリー3
 
 早いものでもう9月ですね。そのせいか今日の暑さはちょっと控えめなような。人間共にも秋の気配を感じさせてやろうという天のいきな計らいでしょうか。ついでに雨も適当に降らせて下さい。

 さて、土曜日は恒例ギャルゲーの日です。今日紹介するのは、ギャルゲーというよりはゲームの中で生活する中で恋愛や結婚に至るという“ファンタジー生活ゲーム”「ルーンファクトリー3」です。

 え?どうしていきなり「3」なのか、ですか?「1」や「2」があるんだろう?

そのとおりでございます

 では最初からやれと?い…「1」からやれば…「1」を紹介すれば…ほ……ほんとに…ぼくの「命」…は…助けてくれるのか?

だが断る

 すいません(笑)。「1」「2」はやっていないもので。噂によるとかなりバグが多かったらしいです。「3」は大きなバグもなく、これまでのノウハウを生かした改良が加えられた良ゲームだと聞いています。というか、そういう話を聞いたので購入したわけですが。

 冒頭のストーリーは

マイス(人間形態)

 記憶を失って負傷した状態でシアレンスの村に倒れていた主人公マイスは、花屋の娘シアに助けられますが、過去の記憶を失っていました。シアの紹介で大樹の家に住むことになったマイスは、持ち前の明朗な性格で村の住人ともうち解けていきますが、彼には大きな秘密があったのです。何と「変身ベルト」を使用することで「モコモコ」というモンスターに姿を変えることができるのです。一方シアレンスの村は、周辺のモンスターの活性化という問題や、有角人との対立といった問題を抱えていました。モンスターに変身できるマイスの取るべき道は…

といったところです。

マイス(モンスター形態)

 主人公のマイスは、何とモンスターの母と人間の父の間に生まれた子供なんです。どうしてこうなった。「おおかみこどもの雨と雪」に先行するようなストーリーですが、モコモコに変身できるということは、母はモコモコということに。じゅ、獣姦…

 しかもこの作品、村の女の子らと仲良くなっていき、恋愛→結婚→子供誕生へと至るのですが、相手は必ずしも人間ではなく、人魚・エルフ・有角人、そしてマイス同様モンスターと人間のハーフなのが花嫁候補に含まれています。誰と結婚しても子供は生まれるんですが……遺伝子的にどうなんでしょうか、これ?そもそも集落周辺のモンスターと人間が交配可能だということは、とてつもなく危険なことだと思うのですが。愛があればいい?いやいやいや、愛がなくても子供はできてしまうのでは。

 まあ、この辺はあまり突っ込むと大変なことになるのでこの辺で。マイスの村での生活ですが、基本的に何をしても構いません。ニートでいようと引きこもりでいようと自由です。ですが、それだとゲームは一向に進まないし誰とも親しくなれません。とりあえず何をするにも必要なのはお金なので、お金を稼ぎましょう。大樹の家には荒れた畑があるので、ここを耕して種を植えれば作物を収穫することが可能になります。

 もっともこのゲーム、できることはたくさんなので、畑仕事なんかやってやれないという場合でも平気です。釣りで魚を捕るもよし、集落を離れて鉱石を取ってくることも可能です。何でもやれば(歩くとか、寝るとかでも)何らかのレベルが上がっていきます。例えば畑仕事をすれば農耕スキルが、鉱石を取れば採掘スキルが上がりますし、歩けば歩行スキル、寝れば睡眠成長スキルが上がっていきます。スキルの数、なんと32。そして武器や防具、アイテムも購入可能ですが、鍛冶スキルや調合スキルを上げれば材料を集めて自作することも可能です。

 ある程度強くなったら集落の外に出てモンスターを討伐しましょう。RPGにおける戦闘力上昇の手っ取り早い方法ですね。その際、村人や女の子を誘うことも可能ですし、「剣草」のようなアクティブシードを買えば戦闘に参加してくれたりします。また、倒すだけでなく、果物や野菜、あるいはそれらを使った料理でモンスターを手なずけることも可能で、モンスターを仲間にして探検のお供にしたり、調教すれば畑仕事をさせることも可能になります。また、モンスターの種類によっては毛や牙、卵やミルクなどを収穫することが可能です。十分調教したモンスターが4頭いれば、畑仕事を全て任せることが可能になり、農奴を抱えた地主の如くなったマイスは、余暇を他の仕事とか、女の子を口説くことに利用することができるようになります。

 女の子と仲良くなっていくうち、誰か一人を選んで(全員と親しくなることは可能ですが、恋人→結婚に至るのは一人だけです。当たり前ですけど)恋愛成就ということになるわけですが、実はマイスが記憶を失っていたことや、シアレンスの村に倒れていたことの裏には、ある大いなる存在の計画があるのです。それは結婚直前に恋人が失踪することに端を発する最終ダンジョンでの決戦の後に明らかになりますが、邪悪な計画という訳ではなく、世界の融和のために一芝居といったところでしょうか。

 その後、めでたく結婚することになりますが、もちろん生活は結婚で終了する訳ではないので、大樹の家に同居しながらも日常生活は続いていきます。子供も3人まで生まれます。ただその後は、あまりにもマイスが強くなっているので周辺にもはや敵はなく、エクストラダンジョンにでも行くしか「冒険」はなくなってしまい、やや飽きがきてしまうのですが…

 ちなみに久々にゲームを出してみたら、私のマイスはレベル100、お金は260万G以上。剣は月影、盾はナイトシールドを持っていました。

主人公マイスとメインヒロイン・シア

 で、ギャルゲー要素です。ヒロイン候補は何と11人もいます。設定上のメインヒロインは、最初に助けてくれたシアということになります。命の恩人を差し置いて他の女の子に走るというのも鬼畜な気がしますが、いかにもメーカーは設定した「運命の女」というのを選ぶのも癪なので(魂が匋冥に近いもので)、全てのヒロイン候補とMAXまで仲良くなりました。そんな中で私が気に入った子は…

シア

シア

花屋の娘。マイスの命の恩人で設定上メインヒロインで、花嫁第一候補。優しくおとなしく、面倒見の良い性格。明らかにいい奥さんになりそう。頑固なおじいさんと凶暴(笑)な妹の3人暮らし。本当にいい娘なんです。ゲーム側の押しつけがましささえなければ…

シア

ダリア

ダリア

村はずれに一人で暮らしている。芸術家。村周辺にある奇妙なモニュメントはだいたいこの人の作品。口癖は「レインボー!」。実はエルフです。CVは堀江由衣というのも魅力的です

ダリア

ソフィア

ソフィア

大富豪の娘ですが、思ったことと逆のことを言ってしまう天の邪鬼の性格をしています。父親がそうなので遺伝なのでしょう。可愛いですが、仲良くなればなるほど「大嫌い」などと罵られることに。父と姉の3人で暮らしています

ソフィア

カリン

カリン

雑貨屋の娘。働き者のお母さんを持った反動なのか、極めて怠け者。口癖は「めんどうくさい」。常に楽することばかり考えています

カリン

この4人でした。その他に、「なぜ候補にいれなかったし」と思ったのが

エリザ

エリザ

ソフィアの姉。ファッションデザイナーをしていますが、そのセンスは奇抜としか。ただし性格はいたってまとも。鍛冶屋のガジ(ドワーフ)が惚れていますが、はっきり言ってもったいないのでぜひ奪い取りたいです(笑)

エリザ

しののめ

しののめ

ヒロイン候補のさくやの母。東方から流れてきて現在は旅館経営。過去にはいろいろあったらしいが全て秘密で、戦闘スキルが妙に高い。常に穏やかな笑みを絶やさないが、怒らせるととても怖い人。さくやよりも、しののめさんと懇ろになりたいです

ヘーゼル

ヘーゼル

カリンの母親で雑貨店「ダイヤモンド」経営。曲がったことの大嫌いな江戸っ子気質の人。仕事に没頭するあまりカリンを放置してきたことを本当は後悔しているらしい。お母さん、私はあなたでもOKです

この3人でした。特にエリザはぜひヒロイン候補にして欲しかったのですが。それでは私は誰を嫁にしたかといいますと…

カリンと結婚

 はい、カリンでした。ソフィアとかなり悩んだのですが、やはり罵倒されるのは嫌だったもので。この人、あまりしゃべらない割に心の声がはっきり聞こえてくるという面白い特性を持っているのですが、裏表はないし、つきあえばつきあうほど味がでてきて可愛くなります。ルックスもいいし。面倒くさがりな割にはお洒落には手を抜いていませんね。あとヘーゼルがもれなく付いてくるという(笑)。

 ということでゲーム内で5年を過ごしたルーンファクトリー、7月には「4」も出ているので、よろしかったらやってみて下さい。
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