やる夫シリーズ:アスキーアートで綴られるネット版豪華紙芝居

八月ももう終わりですね。今年の八月は暑かったですね。九月になったら残暑に少しは遠慮して欲しいものですが、日暮れの時間だけは確実に早くなってきたのがわかります。
FC2カウンターをブログ右側にプラグインしたのはいいのですが、全然作動してくれなくてどうしようかと思っていたのですが、昨日遅くあたりから急に作動し始めたようです。なぜ作動しなかったのか、どうして作動し始めたのか全然わからないのですが、とりあえず動いてくれて良かったです。
それでは今日の記事です。今日は「やる夫シリーズ」を取り上げます。ところで「やる夫」ってご存知ですか?2chで作られたアスキーアート(AA)のキャラで

こういうキャラです。ちなみに右が「やる夫」、左は相方の「やらない夫」といいます。版権もののキャラでもAAで作れば著作権フリーです。例えば以下は魔法少女まどか☆マギカのキャラ「巴マミ」と「鹿目まどか」です。


画像が大きくてすいません。小さくすると崩れてしまって。
ちなみにアスキーアート(ASCII Art)とは、プレーンテキストによる視覚的表現技法のことで、テキストアートとか文字絵などとも呼ばれます。欧米で、アスキー(ASCII)コードの図形文字領域0x20〜0x7eに含まれる文字・記号を用いたことからこの名前がつけられましたが、他のキャラクタを含むものについても、あまり区別せずアスキーアートと呼ばれています。
簡単なものでは、
笑い (^▽^) (*´∀`*) (・∀・) ヽ(´ー`)ノ
喜び キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!! ヽ(´▽`)ノ♪
怒り (#`Д´) (♯・∀・) ヽ(`Д´)ノ (°〆°#)
泣き (>_<) (T_T) (ΩoΩ) (つд`)
落胆 _| ̄|○ orz OTL Σ(´д`;) ('A`)
挨拶 |・ω・)ノ (・∀・)ノ
などはメールなどでも頻繁に使われているので、皆さんも見たことがあると思います。
また、AAも精緻な物はもはや芸術の域に入っています。


こういったAAは、様々な用途で使用されていますが、中でも有名なのは、やる夫ややらない夫他の派生キャラ、およびその他の漫画・アニメ作品のキャラのAAを紙芝居のように使用して、様々なことを語ったり学んだり、オリジナルストーリーや二次創作を楽しんだりする「やる夫シリーズ」です。
「やる夫で学ぶシリーズ」では、字だけの解説や小説よりもAAという絵が入ることにより視覚的に状況を捉えやすくなり、読む人間にとってはその世界への敷居が低くなるなどの効果があります。また歴史に関する学ぶシリーズやゲームなどの二次創作では配役がやる夫をはじめとする別のキャラクターに差し替えられていることがほとんどなので、すでに学ぶ対象や原作についてよく知っている人でもまったく違う世界や異なる観点からの見方を楽しむことができます。
こうしたやる夫シリーズは2chなどのスレで連載されていることが多くのですが、それらをまとめたサイトがいくつもあります。この「やる夫.jp」もその一つです。
http://blog.livedoor.jp/nyusokudeyaruo/
たくさんあってどれを見ていいかわからないという人は、左側のインデックスを見て頂ければ判るとおり、お勧め作品集もあります。
今回お勧めしたいのは、「やる夫vs.」という作品です。
http://blog.livedoor.jp/nyusokudeyaruo/archives/1758925.html
あらすじは、

赤と緑、二人の魔王が覇権を競う大陸の辺境にある小さな村でささやかながらも幸せに暮らしていたやる夫は、突如現れた赤の魔王配下の将軍・真紅に恋人の佐倉杏子を始め村人全員を殺され、自らも瀕死の重傷を負います。

旅人に救われて九死に一生を得たやる夫は、復讐のため洞窟の魔法少女・高町なのはの実験材料になることと引き替えに力を手に入れることになります。次々に加えられる魔改造の果て、やる夫の復讐の行方は……

という感じでしょうか。話は、非情にスピーディーかつ比較的淡々と進んでいきます。復讐の鬼と化したやる夫は、しかし表面上は極めてクールで、ほとんど激することはありません。しかし、目的のためには一切手段は選ばず、やる夫同様滅ぼされた村から逃げてきた親子を殺害しろと命じられれば殺し、なのはを討伐に来た異端審問委員会のシスター・カレンを捕らえ、なのはに提案して、雌奴隷にして自らの子を産ませることで実験材料を増やしたり、奴隷市場で魔力の高い奴隷(霧雨魔理沙)を買ってきて毎日200mlの血を飲んだりと、強くなるためには何だってためらわず遂行していきます。

遂には体のほとんどはドラゴンやフェニックスなどの怪物のものと置き換えられ、人間なのは心とみてくれだけというまでの魔改造ぶりになります。そこまでしてようやく実行に移す復讐は、直接の復讐対象である真紅だけでなく、その背後にいる魔王にまで及んできます。

通常復讐は何も生み出さないとか不毛だという話になりがちですが、このストーリーはちょっと違っていて、復讐の果てに生まれてくるものもあることを示唆しています。
なお、復讐の障害になるならば、今日の友をもためらわず殺害するやる夫ですが、協力者や軍門に降った者には極めて寛容で厚遇もします。仲間になるキャラもいろいろいますが、殺伐とした話が続く中、「ブーム君」は登場するだけで癒やされますね。

もっともこの人(?)、やる夫がどんどん魔改造されていくなか、生身のままなのにやたらに強いのが謎なんですが。
あと山賊とか刺客とかの雑魚キャラがラオウとか空条条太郎とかトランクスとか、無駄に豪華キャストなので笑います。逆にジャギが強くて賢かったり。
テーマは結構重いですが、とにかくテンポが良く、さくさくと読めるストーリーなのでぜひ一読してみて下さい。今後もいい作品は紹介していきたいと思います。
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