もしも空を飛べたら:CMで放映しまくった「天空の城ラピュタ」のイメージソング

黒部アルペンルートも開通しましたがどんより雲の札幌からこんばんは。明日も明後日も雨模様という予報で、ここんとこ鬱陶しい天気が続いております。「3月の風と4月の雨で5月の花が咲く」(March winds and April showers bring forth May flowers. )らしいので我慢のしどころですかね。

ですがこれは英語の諺、果たして日本でも通用するのでしょうか?ま、信じる者は救われるとも言いますし…ってこれも聖書由来か。クトゥルフ神話好き(信者じゃないけど)にも通用するのでしょうか?

様々な疑問は置き去りに本日はまた「なつアニソン」です。ナウシカときたらラピュタと繋がねばなるまいというこで、「天空の城ラピュタ」のイメージソング「もしも空を飛べたら」です。

「天空の城ラピュタ」には「君をのせて」というれっきとした主題歌があるのですが、あえてイメージソングの方を紹介するのがユースフクオリティ。「君をのせて」は確かに名曲ですし、宮崎駿御大自ら作詞しているので映画に嵌まりまくってはいるのですが、なんか綺麗すぎてですね…。まあ私のブログには眩しすぎるということにしておきましょう。

「天空の城ラピュタ」は1986年8月に公開された宮崎駿初のアニメオリジナルの監督作品です。スタジオジブリ制作映画の1作品目でもあります。今でこそ名作の名をほしいままにしている本作ですが、観客動員数77万人、配給収入5.8億円は、共にジブリのワースト記録だったりします。「カリオストロの城」「ナウシカ」「ラピュタ」「トトロ」と、この時代の宮崎作品は内容に対して興行的に振るわないのが特徴で、劇場版の「ドラえもん」や東映まんがまつりなどの後塵を拝し続けていました。テレビ放映されてから人気に火がつくというのもこの時代の宮崎アニメの「いつものパターン」でした。

ストーリーに原作はありませんが、ラピュタ自体にはモデルがあります。スウィフトの「ガリバー旅行記」の第三編に登場する「空飛ぶ島ラピュータ」です。ガリバーというと、小人の国に行く第一編の「リリパット国渡航記」が有名ですが、第二編の「ブロブディナング国渡航記」では巨人の国に行きます。身長18メートルというこのなので、モビルスーツくらいの大きさの巨人ですね。

第三編は「ラピュータ、バルニバービ、ラグナグ、グラブダブドリッブおよび日本への渡航記」ということで、色んな国を訪れています。リリパット国はインド洋、ブロブディナング国は東太平洋にあることになっていますが、ラピュータは西太平洋にあります。といっても日本の遙か東だそうですが。

巨大な「空飛ぶ島」ラピュータは、日本のはるか東にある島国バルニバービの首都であり、国王の宮廷でもあります。島の底に巨大な天然磁石が連結されており、磁鉄鉱の豊富なバルニバービ国の領空を自在に移動することが出来ます。「ラピュタの雷」こそありませんが、地上で反乱が起きるとラピュータは反乱地の上空に急行し、太陽や雨を遮って農業を破滅させ飢餓と病を与えます。また反乱が都市で起こった場合はラピュータが上空から投石し、さらに街ごと押し潰して鎮圧します。

余談ですがラグナグは大きな島国で、不死人間ストラルドブラグの噂を聞き、小島であるグラブダブドリッブでは魔法使いの降霊術で歴史上の偉人の話を聞きます。日本ではオランダ人のふりをして長崎からオランダ船でイギリスに帰国します。第四編「フウイヌム国渡航記」は馬の国…ってもういいですね。

「もしも空が飛べたら」は安田成美が歌った「風の谷のナウシカ」同様イメージソングで、本編では未使用です。ただし、味の素から発売されていた炭酸入り清涼飲料水「ラピュタ」のCMソングとして使用されたので、テレビでの露出はかなりあったと思います。

これが当時のCMです。見た見たこのCM。「すごいぞ!ラピュタは本当にあったんだ!」「風の味ラピュタ」のセリフが非常に懐かしいですが、実写のシータとパズーが生暖かい笑いを誘います。飲んだ記憶はないのですが、まずかったという指摘も。まあまずいといっても「コーラの前を横切るヤツ、冒険活劇飲料サスケ」ほどではないでしょうが。サスケはコーラの前を横切って無礼討ちに遭ったというもっぱらの噂です。

「もしも空が飛べたら」は作詞松本隆、作曲筒美京平、編曲鷺巣詩郎という有名どころを揃えた楽曲であり、歌ったのは小幡洋子です。小幡洋子は1985年に「不思議色ハピネス」でデビューし、同時にこの歌を主題歌とする「魔法のスターマジカルエミ」のヒロイン香月舞(マジカルエミ)の声も担当しました。つまり歌手と声優同時デビューという訳ですね。


「もしも空が飛べたら」は1986年5月25日にリリースされた小幡洋子3枚目のシングルですが、小幡洋子名義としては最後のシングルでもあり、その後ロックバンドに参加したりしますが、現在は引退してアクセサリーデザイナーとして活動しているそうです。「風の谷のナウシカ」とは違って、当初から味の素の「ラピュタ」のCMソングとして制作されたもので、歌が下手だから降ろしたとかいった曰くはありません。そりゃあ上手ですよ(安田成美比)。

水晶の花園に立ち
指先で風向きを見た
しっかりと手をつないでね
助走して飛びあがるから

悪戯な風をつかんで
わたしたち天使の化身

もしも空を飛べたら
雲の斜面を駆けのぼり
もしも空を飛べたら
あなたの腕に宙返り
空を飛ぶ少女

湖の水面かすめて
二人して水平飛行
ワルツでも踊るようにね
孤を描く鳩と遊ぶの

愛してるただそれだけで
心ってもう無重力

もしも空を飛べたら
風にはためくブラウスは
もしも空を飛べたら
熱い想いで一杯よ
空を飛ぶ少女

もしも空を飛べたら
雲の斜面を駆けのぼり
もしも空を飛べたら
あなたの腕に宙返り
空を飛ぶ少女

この歌をシータ視点とした場合、本編を見ると彼女は「空を飛ぶ少女」というにはほど遠いですね。あえて言えば「空をゆっくりと落ちてきた少女」かと。むしろナウシカの方がお似合いの表現のような気がします。
それでは聴いてみて下さい。本編名場面集などをちりばめたフルバージョンです。
こちらも似たようなものです。バックアップということで。
小幡洋子の歌っている映像がないのが残念です。安田成美に比べれば圧倒的に知名度の低い彼女ですが、こと歌唱力では安田成美を圧倒していると思います。当時のアイドルとしては合格点でしょう。まあだからこそロックバンド入りというアーティスト路線に向かったのでしょうが。もう何枚かシングルを出していればもっと知名度は上がったかも知れません。B級アイドルとして名を残すことが本意かどうかはわかりませんが(笑)。

そうそう、ラピュタといえば心に残るセリフがありました。さあなんでしょうか?正解は

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