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「秒速5センチメートル」考察(その2):その後の明里

文字色桜花抄
 
 さすがにオーストラリアは強かった。引き分け残念でした。アウェーだし負けないだけ良かったというべきですかね。

 それはさておき、「秒速5センチメートル」の考察その2です。

2.「その後」の明里さん

 桜花抄以後、結婚するまでの明里さんについては、作中ほとんどといっていいほど描写がありません。が、断片的な情報から大胆不敵かつ勝手に推測してみましょう。
桜花抄2
(1) 文通はいつまで続いたか
 第二話で貴樹君はしばしば携帯でメールをうっています。これを見た花苗さんは受け取る相手が自分ならいいのにと思うわけですし、観てる我々も明里さんに送っているものと誤解するわけですが、実際には誰にも送られず、うち終わったそばから削除されていたわけです。つまり第二話の高校三年生の夏の時点で二人は既に「切れて」いるわけですが、文通自体は第一話以後も継続されていたことは、山崎まさよしの歌をバックにした切れ切れの「記憶のかけら」の中に、ポストを覗いて手紙を見つけて喜ぶ二人の様子が描かれていることからも間違いないでしょう。その後ポストを覗いて何もないのにがっかりする二人の姿を描かれていてこちらもがっかりするのですが、手紙の冒頭だけ書いて顔を伏せる明里さんの傍らには「数学ⅡA」という教科書らしき本があります。ここから察するに、文通のペースは次第に落ちつつ、高校二年生ころに途絶えてしまったもの推測されます。その理由は、二人の趣味嗜好・性向などの変化(直下で述べます)の他、明里さんが「理想の恋」の呪縛(後述)から逃れ得たためではないかと思われます。
がっかり明里
がっかり貴樹

(2) 文通はなぜ終焉を迎えたのか
 同じ本を読み、語り合っていた二人。小学校の頃は趣味嗜好もほぼ一致していた二人ですが、やはり成長するにつれ、差異が生じるのは当たり前のことです。就職先などを見るに、貴樹君は理系ですね。中学校の頃からそうだったのかも知れません。一方、明里さんは文系と思われます。理由は、前述の「数学ⅡA」にあります。

 我々の頃とは教育体系が異なる可能性もあるのですが、私は馬鹿高校で「数学ⅡB」を履修しました。当時、「数学ⅡB」は「数学ⅡA」より難しい内容とされていました。馬鹿高校だったので三年生になるまで受験シフトなどは全くとっていなかったためと思われますが、もっと早く文系理系を分ける進学校なら、文系の生徒に「数学ⅡB」は履修させないのではないかと思います。共通一次試験は確か数学ⅠBまでだったし。

 私は明里さんは聡明な女の子だと確信しているので、高校は地域で一番偏差値の高い学校に進んだと思っています。そして文系コースだったので「数学ⅡA」を履修したと。で、さらに推測すると、明里さんは数学が苦手だったのではないでしょうか。苦手克服のため勉強をしようとしたものの、身が入らずに、逃避のために「そうだ、このごろ貴樹君に手紙書いてないや。書こっと。」とか思って手紙を書き出したものの、今度は何を書いていいのか全然思い浮かばず、にっちもさっちも行かずにがっくりと顔を伏せる-あれはそういうシーンだったのではないでしょうか。
手紙が書けない明里

 ではなぜ手紙がかけないのか?それは二人の性向が変わってしまったことが大きな要因なのだと思います。文系理系という差もあると思いますが、映画とか本とか共通の話題がないと文通というのは継続が困難になると思います。文通を続ける間に、相手の手紙の内容から、二人の趣味嗜好は異なってしまったことがお互いに痛感されたのではないでしょうか。また、青春時代の貴重なこの数年間に、二人は全く逢うことができていません。種子島と栃木ではどうにもならないから責めている訳ではないですが、これは「継続」にとっては非常に痛いことでしょうね。お互いの身辺で起きたもろもろの出来事を、全く共有できていないのですから。

 私も某国赴任から帰国後してから、ある外国人女性とメールをやりとりしていたのですが、最近は本当に間隔が開いてきて、ほぼ切れかかっています。要因は、やはり逢っていないことにより、「経験を共有できていない」ということに尽きると思います。起きたことを一から説明しても理解してもらえるかわからないし(外人ならなおさら)、相手の現在の状況もよくわからないし説明されてもうまく共感できないし。まあ私の場合は恋仲とかではない(すでに結婚して一女の母)ので、喪失感は特にないのですけどね。

(コミック版を読んでの追記)
 数学については、小学校時代のエピソードですが、中学受験の話の際に「一緒がいいけど算数苦手だしなぁ」と言っている場面があります(一巻P35)。また、ほんの少しだけ文通が途絶える原因の一つか?と思えるエピソードがあります。高校生になって同じ学校の野郎から告白され、とりあえず返事は保留して帰宅、思わず手紙で貴樹に相談しようとするも「こんなこと書ける訳ないよね…」と手を止めてため息をつく明里さん(一巻P233~235)。そう、秘密というわけでもないけれども、手紙に書くことは困難な、二人共通ではないエピソードがどんどん積っていく訳です。中高生時代なんてまさに青春真っ盛りで、人の一生の中でも短時間で大きく変貌を遂げていく時代といえましょう。せめて中学校の3年間だけでも一緒に過ごしていれば、あるいは……)
桜花抄3

(3) 高校卒業後は?
 明里さんは地元の進学校を卒業、現役で東京の大学に入学したと思われます。上智か立教か青山学院あたりの英文科。卒業後、一流企業に就職し、現在の旦那(一流校卒)と出会い、素敵な恋愛関係に。以上。

 ……お前の妄想はいいんだよ、根拠を書け根拠をよといわれそうですが、あまり根拠はないです(笑)。本好きだから文学部かなという安易な発想と、高校生時代の明里さんがカポーティの「草の竪琴」を読んでいるので、英文科方面ではないかということ(く、苦しい。原書ならともかく訳書だもんな。誰でも読めるし)、数学が苦手と推測したので国立は厳しいかなということで私立大学。

 栃木には、ろくな私立大学がなさそうなので(失礼)、東京の大学へ進学ということにしました。中学生になるに当たっては許されなかった、「葛飾のおばさん」の家から通学したかも知れません。大学については全く根拠はないですが、なんとなくミッション系のおしゃれな大学が似合いそうだなという私の勝手なイメージです。慶応でもいいですね。しかし早稲田だの明治といったバンカラ大学(今はそうでもないらしいですが)はなんか勘弁して欲しい。私の明里さんが汚れる。
明里の掌

 旦那については、大学で知り合った先輩ということでもいいですが、給料のいい会社か職業であって貰いたいなあ。医師や弁護士もいいですな。明里さんを明日のご飯で悩ませるようなことがないといいな。明里さんは美人なので当然高校~大学時代に恋愛歴はあってもいいのですが、あんまり男性遍歴を重ねていないといいな。いや、重ねていないと信じたい。きっと大丈夫。ビッチは、ビッチだけは嫌あぁ!!
貴樹と明里
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新海って聞いたことがあったと思えば

「ほしのこえ」の監督・製作・声優さんでしたか。

ストーリーラインが「ほしの~」に似ているなあ、と思いつつウィキで検索かけてやっと判明。
そりゃ似ているはずですな・・・。

しかし転校していく生徒を見ていて思うんですが、大人な我々から見ればクルマで走れば数時間程度の距離でも「絶望的な遠さ」に感じるようで。
ま-、人生経験が増せば地球は狭くなるようですな。

かと思えば
「むつ市から来た○○さんです」
紹介してると教室の隅から歓声が。
「わー、○○ちゃん!久しぶり!」
「あ、三沢で一緒だった△△ちゃん!」
教室の後ろでハッとする副担の私。そうか、ここにもサイトがあったな。
「・・・ねえ、君たちのお父さん、空自?」

空自隊員のお子さんの交友は若くして全国単位だったり。(実話)
『秒速~』の主人公らもこうだったら、全然違う物語が・・・。

No title

こんばんは。
考察、久々に読ませて頂きましたが、とても的確だと思います。
アカリちゃん側から視点の小説版が有ったのですが、
それと良く合致していると思います。
ビデオ、また観なおしてみたくなりました。。。

Re: 新海って聞いたことがあったと思えば

こんばんわ、いらっしゃい。

新海さん、なんて言うと前にはやった「新解さん」(新明解国語辞典)と間違えそうですね。

> 「ほしのこえ」の監督・製作・声優さんでしたか。

そうです。「ほしのこえ」「雲の向こう、約束の場所」「秒速5センチメートル」は、いわば「距離と時間に隔てられた男の子と女の子の物語」で、共通したテーマを持っていると思います。

そして、前二作のちょっと前途に期待感を持たせたラストと違い、「秒速」はああいう結末で…。これは前作の二人の末路をも暗示しているのではないかと感じてしまう訳です。

中学生だから仕方がないかも知れませんが、二人は確かにあきらめが良すぎる気がします。「あきらめず悪あがきをした二人」を描いたSSを書いたので、考察が終わったら載せる予定です。

二人の父親は共に転勤族ということでしたが、実は岩船と種子島以降は転勤していないんですよね。どういう職業なんだという話は考察ラストで余談として書いています。


Re: No title

こんばんわ、いらっしゃい。

以前ブログに掲載していただきましたが、今回自前のブログを持ったので
再放送(笑)させていただきます。まだ3-4人しか読んでもらっていないもので。

K君、ちゃんとDVD観てくれてるのかな…

はじめまして

過去に秒速病に罹りましたが、ユースフさんの考察のおかげで克服できた者です。
その後しばらくこの作品から離れていましたが、
最近見直して色々と気付いたことがあり、コメントさせて頂きました。

>ポストを覗いて何もないのにがっかりする二人の姿

私もそう思っていたのですが、明里の方は、手紙が小さくて見えづらいものの、
右手でポストから手紙を取り出し胸に当てていました。

明里が手紙を書き進められない描写と、貴樹が空のポストを見つめるシーンがあるので、
明里の方から手紙を出せなくなったのでしょうね。

文通が終焉を迎えた理由の一つとして、明里は貴樹への依存心を克服しようとしていた
ようなので、文通を続けるのは、それと矛盾するような行為で続けられなかった
というのもあるのかもしれないなと思いました。

Re: はじめまして

 オリガミさん、初めましてこんにちは。こんな僻地へようこそいらっしゃい。

 このブログも「秒速」に触れなくなって久しいのですが、そうこうしている間に新海監督はすっかりポスト宮崎駿の最右翼という扱いになってしまいました。「君の名は。」「天気の子」と当て続けてすっかりメジャーになりました。それ自体は喜ばしいことなんですが、つい「監督の原点は『秒速』なんだけどNE!」なんて思ってしまったり。古いファンはやっかいですねえ(笑)。

> 私もそう思っていたのですが、明里の方は、手紙が小さくて見えづらいものの、
> 右手でポストから手紙を取り出し胸に当てていました。

 言われて見直したら確かにそうですね。背景で雨が降っていて暗いので、すっかり誤認していました。直前の雨の中嬉しそうにポストに駆けていく明里のその直後の光景なんですね。その後、空のポストを見てうなだれる貴樹が、文通が途絶えた様子を伺わせています。

> 明里が手紙を書き進められない描写と、貴樹が空のポストを見つめるシーンがあるので、
> 明里の方から手紙を出せなくなったのでしょうね。

 小説版に掲載されている二人の「渡せなかった手紙」を見ると、かなりのボリューム差があるので、明里の手紙に比べて貴樹の手紙はかなり簡素だったののではないかという疑念もあります。貴樹からすると自分が出した手紙を最後に明里からの返事が来なくなったという感じのようにも見えますが、そもその同じ位の分量の手紙をちゃんとやりとりしていたのかと。

 貴樹への手紙を書けなくて明里が突っ伏す場面について、漫画版では高校の男子生徒に告られて、貴樹に手紙で相談しようとしてこんなこと書けないと思う、という解釈をしていました。そうだったらそりゃ出せんわ(笑)。ただ、明里が敢えて相談の手紙を出して、貴樹が「断れ!明里には俺がいる!!」なんて趣旨の手紙を返していたら、その後の関係は変わっていたのかも、なんて妄想してしまったりもしますが。

 貴樹が夢の内容を書いた、出す宛てのないメールはやたらボリュームがあったようですが、手紙を書かなくなった反動なんでしょうかね。或いは明里への手紙が薄かったことへの反省なのか。

> 文通が終焉を迎えた理由の一つとして、明里は貴樹への依存心を克服しようとしていた
> ようなので、文通を続けるのは、それと矛盾するような行為で続けられなかった
> というのもあるのかもしれないなと思いました。

 文通が依存心克服の障害になるのかどうかはちょっとわかりませんが、転校した明里が新環境になじめなかったことで救いを求めるように貴樹に手紙を書いたという過去の経緯からすると、明里にとってはそういうふうに考えていた部分もあるのかも知れませんね。ただ、遙かな距離を隔てて長い間会わないでいると、次第に書くことがなくなってしまうことはごく自然なことだとも思いますので、単に二人とも書くことがなくなっていってしまった結果の自然消滅なのかも知れません。

 自分は手紙を書けなくなっても、相手の手紙は欲しいし、自分も出さなきゃという意識自体は引き続きあったので、それが二人のポストを気にする描写になっているのではないかと思います。

No title

早速ご丁寧なお返事ありがとうございました。

「君の名は。」は見たのですが、結末を見て「良かったね。」と思って1度しか見ず、
またこうして秒速に戻ってきました(笑)。

>同じ位の分量の手紙をちゃんとやりとりしていたのか

そうか、手紙の分量の違いも文通が終焉した理由の一つかもしれませんね。
返事を書く場合には相手の手紙の長さが分かっているので
分量を調節して相手に合わせようとするかもしれませんが、
貴樹の場合は「明里には伝えたい事が本当に沢山ある。」みたいなことを言っていたのに
結局は葉書一枚に収まりそうな分量の手紙を書いたので、
明里より短い返事を書いていた可能性はありますね。

>男子生徒に告られて、貴樹に手紙で相談しようとして

していたら、岩船駅での別れの後「明里を守れるだけの力がほしいと強く想った」貴樹
なら、また会いに行っていたかも?

>貴樹が夢の内容を書いた、出す宛てのないメールはやたらボリュームがあったようですが、手紙を書かなくなった反動なんでしょうかね。

仰るように反動はありそうですね。
あとは顔の分からない少女の正体を知りたいという欲求とかでしょうか。
あの少女は誰なんだろうと思って夢の内容を書いているうちに長くなったとか。

そういえば夢の中の異星の草原の元は種子島の草原なんですね。
今まで謎の少女にばかり注目していて、
双方にほぼ同じ地形のシーンがある事に気付きませんでした(笑)。
あと地球らしき星の前の縦筋がなんなのか気になりました。弓の弦と関係あるのかな。

Re: No title

 オリガミさんこんばんは、いらっしゃい。またのコメントありがとうございます。

> 「君の名は。」は見たのですが、結末を見て「良かったね。」と思って1度しか見ず、
> またこうして秒速に戻ってきました(笑)。

 バッドエンド指向は慢性秒速病の証ですぞ(笑)。私の知り合いには恐くて二度と見られないという人もいたりするので、本当に人の趣味嗜好は千差万別です。本当かどうかはわかりませんが、新海監督は「君の名は。」もバッドエンドにしようとしてプロデューサーに止められたとかいう噂をネットで見たことがあります。「秒速」の前作「雲のむこう、約束の場所」も、映像ではヒロインを目覚めさせたので一見ハッピーエンドのように終わりますが、小説版での「その後」はやはりバッドエンドだったようです。バッドエンド作品は人を選ぶので、やはりメジャー化するにはハッピーエンドが必須でしょう。

> 岩船駅での別れの後「明里を守れるだけの力がほしいと強く想った」貴樹
> なら、また会いに行っていたかも?

 貴樹にそこまでのバイタリティーというか、明里への恋心(あるいは執着)があったなら、種子島で無為に来ない手紙を待っていないで、何とかして会いに行っていたんじゃないかと思うのです。そういう観点から、二次創作の“トゥルーエンド”を書いておりますので、よろしかったらご覧下さい。2012年6月18日~20日の記事で掲載しております。私自身はこれを書いてすっきりしたので、本編の“バッドエンド”をごく自然に見られるようになりました。

> そういえば夢の中の異星の草原の元は種子島の草原なんですね。
> 今まで謎の少女にばかり注目していて、
> 双方にほぼ同じ地形のシーンがある事に気付きませんでした(笑)。

 そうですね。花苗にとっては貴樹と二人きりでいろいろ話せたということで、彼女にとっては思い出の場所になっているのではないかと思いますが、肝心の貴樹は同じ場所で自分の傍らに明里がいる夢を見ていたというこの非情な現実。漫画版ではまるで二人がよりを戻すかのような終わり方をしていましたけど、私は花苗を人としては決して嫌いではないのですが(というより純情可憐かつ健気で好きなんですが)、こういうところからしても、貴樹と結ばれる余地はないんじゃないかな、なんて思ってしまいます。自分が相手を想うだけ、相手も自分を想ってくれたら本当にいいんですけどね…

> あと地球らしき星の前の縦筋がなんなのか気になりました。弓の弦と関係あるのかな。

 私はあの星は「ほしのこえ」に出てくる惑星アガルタではないかと勝手に妄想していました。あんな至近距離に惑星があったら、ほとんどガミラスとイスカンダルのような双子星ですね。縦筋は太陽の光だと思っていました。

 本編には“分断”のモチーフがやたら登場しますが、この場面というのは貴樹自身が見ている夢というよりは、花苗のモノローグ(「遠野くんはいつも、私のずっと向こう、もっとずっと遠くの何かを見ている」)の後に描かれていることから、花苗の解釈というのもが多分に含まれた描写なのではないかと思います。

 なお、さらに妄想的考察を重ねるなら、あの場面、姿を現した明里と貴樹は互いに見つめ合って微笑み合うのですが、実際のところはあの時点で貴樹と明里は音信不通になっています。つまり、貴樹にはどこか遠くに想い人がいて、きっとその人と今も心を通わせているのだと花苗は(勝手に)思い込んでおり、その想いを映像にしたのがあの場面ではないとかと思われます。その貴樹の想い人なる人は、もちろん花苗は見たこともないはずなのですが、それを映像化するとすれば、ここまで本編を見てきた我々的に、それは明里以外にはありえないので、明里の姿で描かれているということではないでしょうか。

 だとすると、貴樹にとっては「いつもの少女」というだけで、本当のところは頻繁に夢を見ているにも関わらず、最後まで明里だと認識してはいなかったのかも知れません。彼女は明里だ、やはり自分の傍らにいるべきは明里なんだ、とまで思っていたのなら、やはり運命は違う方向に向かった可能性が…

No title

>バッドエンド指向は慢性秒速病の証ですぞ(笑)。

数年前、ユースフさんの考察で治癒し、
その後、二次創作も読ませて頂いて成仏したつもりなんですが(笑)。
最近、秒速第3話の時系列がどうだったか気になったのをきっかけに最初から見直して、
今さら新たな発見をしたり妄想の翼を広げたりしているところです。

そういえばこの作品で鳥が度々登場するのは、
1999年秋に高3の貴樹たちは1981~82年生まれで
酉年生まれの可能性があり、それと関係させているのかなと思っていたら
十二支の漢字は植物の成長の過程を表す、とする説もあるそうですね。
ご存知だったかもしれませんが、酉は、果実が完全に熟した状態だそうです。
あ、「雪の一夜」に「理想の恋」が現出しましたね。
そして酉の次の戌は、草木が枯れた状態だそうで、
あの後、二人の「理想の恋」は永遠に去ってゆきました・・・

>縦筋は太陽の光だと思っていました。

冒頭の遠くからのシーンではそうなのかなと思っていましたが、
次のズームアップしたシーンでは線のように細長い雲のように見え、
太陽の前も通っているので、何なんだろうと思っていましたが、結局謎です。

>貴樹自身が見ている夢というよりは、花苗のモノローグ(「遠野くんはいつも、私のずっと向こう、もっとずっと遠くの何かを見ている」)の後に描かれていることから、花苗の解釈というのもが多分に含まれた描写なのではないかと思います。

あのシーンで貴樹は自分がまだ明里のことを想っていると自覚したのだと思っていましたが、
そういう見方がありましたか。そもそもこの第2話は花苗視点の話ですからね。

>本当のところは頻繁に夢を見ているにも関わらず、最後まで明里だと認識してはいなかったのかも知れません。

今まで、少女の正体が明里だったにもかかわらず、
貴樹が明里に会いに行かなかった理由がよく分かりませんでしたが、
それなのかもしれないなと思いました。

夢と言えば、第3話で貴樹と明里は同じ日に同じ夢を見たと思っていたのですが、
もしかして別の日でしたか?

Re: No title

 オリガミさんこんばんは、いらっしゃい。いつもありがとうございます。

> 数年前、ユースフさんの考察で治癒し、
> その後、二次創作も読ませて頂いて成仏したつもりなんですが(笑)。
> 最近、秒速第3話の時系列がどうだったか気になったのをきっかけに最初から見直して、
> 今さら新たな発見をしたり妄想の翼を広げたりしているところです。

 既にご覧いただいていたのですね。それは失礼しました。
 警察の捜査では「現場百遍」とか言って、事件現場に解決への糸口が隠されているとして、100回訪ねてでも慎重に調査すべきであることを強調するそうですが、アニメ作品もまさに現場百遍ということでしょうか。
 秒速病患者の中には恐くてもう本編を見られないという人もいるそうなので、オリガミさんは病を既に克服していらっしゃる。

 酉年云々という話は、流石に監督もそこまでは考えていなかったのではないかと私は思います。
 二人の淡い恋は終わってしまっても、貴樹も明里もこの先もずっと生きていかなければならないわけですし、二人の良き青春の1ページとなってくれればいいのではないかと。
 小説版で、明里は貴樹との思い出は自身の血肉になっているという趣旨のことを思っていましたし、その後の貴樹にとっての明里はアニマ、明里にとっての貴樹はアニムスとなっている感じかな…なんて。

 貴樹の夢の解釈は、あくまで我流なので、他の方に支持して貰えるかどうかわかりませんが、貴樹が打ち込んでいる携帯のメールの文面(の一部ですが)を見ると、“顔はわからない”とあるので、あの夢自体はよく見るのだけれども、少女の顔はいつもわからないままだったのではないかと。

 なので、花苗は貴樹が自分ではなくずっと遠くにある何かを見つめていると感じており、それは相思相愛の彼女なんだろうと解釈している(それを映像化すると見つめ合い、微笑み合う貴樹と明里)のですが、実際には当時の貴樹は確かにずっと遠くを見つめてはいるものの、そこに行きたいと切に思いながらも何があるのかはわからない状態だったと。そしてとにかく前に進まなきゃという思いだけで第三話の年齢に至ったということではないかと思います。

 あの映像(見つめ合い、微笑み合う貴樹と明里)そのままに二人の気持ちが今(高校三年生当時)も繋がっているということなら、第三話のラストはちょっとあり得ないと思います。というか、あの映像があったのにも関わらず、ああいう結果になってしまうということが、見ている側に大きな衝撃を与える一因になっているのではないかと思います。

 しつこいようですが、あの映像はあくまで花苗の夢想した貴樹であって、実際とは異なっているということは、第三話での届かなくなった手紙のシーンなどで明らかになっていると思います。でもきっと、第三話はあまりにも駆け足なので、何度も見ないと理解が追いつかないんですよね。それが秒速病患者(特に急性の人)にはなかなかに苦痛で出来なかったりするようです。

> 夢と言えば、第3話で貴樹と明里は同じ日に同じ夢を見たと思っていたのですが、
> もしかして別の日でしたか?

 貴樹と明里が交互にモノローグしている部分ですね?明里はその前にも「ゆうべ、昔の夢を見た」とモノローグしていて、例の「渡せなかった手紙」をみつめたりしています。

 明里が夢を見たのはお正月直前の12月下旬。貴樹と交互にモノローグをしているのは、翌年の2月になってから(水野さんのメールの日付などでわかります)のシーンです。明里の結婚式は、明里と両親の会話から1月中にあったと思われるので、

①夢の内容は同一なのでモノローグも重なっているが、実際に見た日は異なる
②明里は12月に見た夢を2月にも見ていて、貴樹と同日に見ている

の二つの可能性があると思いますが、私はなんとなく①なんじゃないかという気がします。もし②だとすると、明里は結婚直後の新婚さんにも関わらず貴樹の夢を見たと言うことになり、それだとなんとなく旦那さんに対して明里が不実ではないかな、なんて思っちゃったりして。いや、別にいいんですけどね。

 二人とも実は未練たっぷりだったなんて妄想を展開し続けていくと、貴樹と明里が不倫するなんて話だって考えられるのですが、その辺りは「歌で妄想する」シリーズで散々妄想しまくり、貴樹が明里の旦那を刺すなんて展開まで妄想しましたので、私的にはもういいかなと思っています。

No title

こちらこそ、いつもご丁寧なお返事ありがとうございます。

>秒速病患者の中には恐くてもう本編を見られないという人もいるそうなので、

私も初めてこの作品を見た時は、そのような感じになりました。
この作品に出会ったのは、怪我(もう治りました)で療養中の時で、
1時間程度の作品だから軽い内容なのかなと油断していて気分転換のつもりで見たら、
逆に精神的打撃を受けたので(笑)。
でもユースフさんの考察のおかげで精神的ダメージを回復し、
こうして安心して何度も見直すことが出来ています。

>その後の貴樹にとっての明里はアニマ、明里にとっての貴樹はアニムスとなっている感じかな…なんて。

アニマ=生命というのは聞いたことがあったのですが、
アニマ…男性の中の女性的な部分
アニムス…女性の中の男性的な部分
という意味もあったんですね。

>あの映像はあくまで花苗の夢想した貴樹であって、実際とは異なっている

あの映像は貴樹が見た夢だと思い込んでいたため、
その後の展開と辻褄が合わないように感じていましたが、
ユースフさんの解釈を詳しく説明して下さって、
あの映像は花苗の夢想した貴樹だったのだろうと納得できました。

第3話で貴樹と明里が見た夢に関してですが、

>貴樹と明里が交互にモノローグしている部分ですね?

そうです。言葉足らずで失礼しました。

>①夢の内容は同一なのでモノローグも重なっているが、実際に見た日は異なる
>②明里は12月に見た夢を2月にも見ていて、貴樹と同日に見ている
>私はなんとなく①なんじゃないかという気がします。

やはり①なのでしょうね。
二人とも雪の夜に交互にモノローグしていたので、同じ日に見たと思っていました。

この作品を見直して出てきた様々な疑問がユースフさんの解説で解消しました。
ありがとうございます。

Re: No title

 オリガミさんこんばんは、いらっしゃい。いつもありがとうございます。

> 私も初めてこの作品を見た時は、そのような感じになりました。
> この作品に出会ったのは、怪我(もう治りました)で療養中の時で、
> 1時間程度の作品だから軽い内容なのかなと油断していて気分転換のつもりで見たら、
> 逆に精神的打撃を受けたので(笑)。
> でもユースフさんの考察のおかげで精神的ダメージを回復し、
> こうして安心して何度も見直すことが出来ています。

 身体を怪我されている時に心まで怪我してしまうという、とんだダブルダメージでしたね。
 どちらも良くなられたのであれば本当に良かったです。
 私の考察なんて特に役に立ちはしないと思いますが、そう言っていただけると光栄です。

> あの映像は貴樹が見た夢だと思い込んでいたため、
> その後の展開と辻褄が合わないように感じていましたが、
> ユースフさんの解釈を詳しく説明して下さって、
> あの映像は花苗の夢想した貴樹だったのだろうと納得できました。

 花苗はあの光景を夢想して文字通り泣き寝入りしてしまいましたが、実は元カノ(明里)とは
もう切れていると知ったらもっと熱烈にアタックしたのかも知れませんね。もっともそれでも花苗の
想いは受け入れられなかったのではないかと思いますが。

 本当に貴樹と二人があんな状態だったら良かったんですが…そうなると全く違う作品になってしまいますね。

> この作品を見直して出てきた様々な疑問がユースフさんの解説で解消しました。
> ありがとうございます。

 作品の解釈や感想は見た人それぞれ独自に持って良いと思っていますので、私の考えに同意できないという方も
多くいるでしょうし、もちろんいて構わないのですが、同意していただける人がいると心強いです。

 今でこそどうでもいい(爆)記事ばかり書き殴っていますが、そもそもブログ開始の理由は秒速の考察と“ぼくのかんがえた
とぅるーえんど”を掲載することだったので、秒速関係のコメントをいただくと、どうしても本気で返事をしてしまいます。
 秒速に対しての思いがなくなったとしたら…「そしてある朝。かつてあれほどまでに真剣で切実だった思いが綺麗に失われていることに僕は気づき、もう限界だと知った時、ブログを辞めた」ということになるのかも知れません。
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