2016年冬季アニメ序盤の感想(その1):無彩限のファントム・ワールド/ハルチカ~ハルタとチカは青春する~

昨日の札幌の最低気温は-10℃以下でしたが、今日は一転して最高気温3℃。こんなに気温が高くなると雪が溶けてしまいます。ただ溶けるだけならいいのですが、どうせ夜にはまた氷点下になって凍結し、恐怖のツルツル凍結路面が完成するのです。そうなると多少雪が降ってくれた方がありがたいということになるんです。

今回の異例の大雪で、普段雪とは縁の無い地方の方々も、多少は雪国の苦労が身に沁みたりしたんではないでしょうか。雪なんてたまに見ると綺麗だとか風情があるとか思いますが、毎日となるとげんなりですよ。

さてそろそろ2016年冬季アニメも3話くらいまで放映しているので、序盤の感想など行ってみましょう。一回目の本日は2作品。まずは「無彩限のファントム・ワールド」です。

ラノベが原作のいわゆる「中二病」御用達の作品です。私の中二病熱もここんところわりと“トホホ”な作品と遭遇してきたせいか次第に低下しつつあるのですが、制作会社が京都アニメーションということに期待して今季唯一の「中二病枠」として視聴しています。

遺伝子組み換え施設を襲った爆破テロによってバイオハザードが発生し、特殊なウイルスが蔓延したせいで人の脳構造に変異が発生し、一部の人にしか感知できなかった幽霊や妖怪を誰もが認識できるようになってしまいました。子供たちの中には、これらの怪異(本作ではひっくりめて「ファントム」と呼称)に対抗できる特殊な力を持つ能力者も現れました。

主人公達も特殊能力を生かして人に仇なすファントムを退治するホセア学院高等部の「脳機能エラー対策室チーム」に所属していますが、現時点では有力な仲間を引き入れているところです。最初は「残念知識の持ち主」と言われる主人公の一条晴彦と近接戦闘オンリーの爆乳の先輩JK川神舞、そして本作のマスコット的存在で晴彦の相方のファントムのルルの二人と一匹(?)だけでしたが、成績が芳しくなくて戦力アップの必要に迫られていました。

1話で加入したのが和泉玲奈で、お嬢様なのにファントムを食べてしまうことで封印するというお嬢様らしからぬ特異能力「ファントム・イーター」を持っています。あと、これから参加しそうなのがこれまでソロでファントムと戦っていたぶっきらぼうな水無瀬小糸と、クマのぬいぐるみ「アルブレヒト」を持ったストーカー(笑)JS熊枕久瑠美です。巨乳、お嬢様、ツンデレ、ロリと揃えて主人公が男一人という、いかにも中二病的かつ典型的なハーレム設定です。


それでもここまで見てあまり悪い気がしないのは、冒頭入る世界設定の説明など、物語の進め方が親切丁寧なのと、ルルの可愛さのせいでしょうかね。ファントム退治といっても、戦闘オンリーではなく、相手の素性によってはリンボーダンス対決といった愉快な勝負もあります。

晴彦は当初、舞が弱らせたファントムを封印する役目を担っていましたが、スケッチブックにファントムを書き留める必要があって時間がかかるため、玲奈のファントム・イーターにとって代わられてしまし、雷電もしくは本部以蔵的な説明役だけでなく、ファントム召喚に活路を見いだそうとしていますが…呼び出したファントム「マルコシアス」は羽の生えた黒柴みたいな可愛いものでした。


本来マルコシアス(あるいはマルコキアス)は30の軍団を率いる地獄の大侯爵で、グリフォンの翼と蛇の尾を持ち、口からは炎を吹く狼の姿で現れる強力な悪魔のはずなんですが…まあリアルでこんなのが出てきたら晴彦にコントロールできるわけもないですね。それにメガテンワールドになってしまうし。

「脳機能エラー対策室」の顧問を務めている姫野アリス先生(なぜに和服)はこのルックスに実に似つかわしい声で演じている“お姉ちゃん”井上喜久子です。こういうきっこさんを待っていた!え?17歳なんだからJK役をやらせろ?それはまあそうなんですが、背伸びして大人の役を演じるのも17歳には必要なんですよ。

京アニは比較的女性のセクシーな描写は抑えめと言われていますが、本作においてはやけにセクシー描写が多く、眼福です。基本セクシー要員は巨乳の舞先輩で、1話ではマグニチュード8並みの乳揺れを見せてくれましたが、今後す玲奈ちゃんにも頑張って欲しいですね。

個人的にはきっこさんの他、川神舞は上坂すみれ、和泉玲奈ははやみん(早見沙織)、水無瀬小糸は内田真礼と私の「好きな声優さん」を4人もぶっ込んでいる声優ラインナップも魅力的です。

続いて今季の目玉ではないかと思っている「ハルチカ~ハルタとチカは青春する~」です。こちらは初野晴の推理小説〈ハルチカ〉シリーズが原作です。アニメーション制作はこれも期待のP.A.WORKS。

「響け!ユーフォニアム」のように高校の弱小吹奏楽部に所属する穂村千夏(チカ)と上条春太(ハルタ)が、「氷菓」のように学園で起きる「日常の謎」を解いていくという筋立てですが、謎の解明が有力部員の獲得に繋がっているところがミソです。


一話では千夏ちゃんの加入でようやく5人となった吹奏楽部ですが、半年後には部員が10人に増えています。全ての部員が「日常の謎」の解明で加わっている訳ではありませんが、2話で有力オーボエ奏者の成島美代子、3話でサック主の名手マレン・セイが加わることになり、今後も有力部員を「日常の謎」の解明で加えていくのではないかと思われます。

この作品、「氷菓」でいえば折木奉太郎の役どころとなる探偵役はハルタがほぼ全面的に担っています。なんでこんなに推理力があるのかは明らかになっていませんが、中性的な顔立ちで、イケメンで頭脳明晰という美味しい役どころです。当然ヒロインであるチカちゃんと恋仲に…と思いきや。

小学校に上がるまで家が隣同士だった幼なじみのチカちゃんには、かつて「可愛がり」(相撲部屋的な意味で)を受けまくっていたハルタ、家では年の離れた3人の姉にやはり同じ意味で可愛がられまくったそうで、すっかり女性には興味を無くしています。それどころかイケメン顧問の音楽教師・草壁先生に「ウホッ、いい顧問!」的意識を持っており、同じく草壁先生に一目惚れしたチカちゃんと取り合いを演じることに。こんな恋のライバルは嫌だ。

そして何よりも私が好きなのがチカちゃんこと穂村千夏。本作の語り手も務めていますが、私はもうこの子が大好きです。私はどちらかというと脇役キャラを好きになることが多いのですが、こんなに気に入るヒロインは珍しいです。


中学校ではバレーボールに青春の全てを捧げ、捧げすぎてクリスマスもバレンタインもない生活に疑問を持ったところ、ふとした拍子に見たテレビの吹奏楽コンクールに登場したフルートを吹く女子高生に釘付けに。といってもハルタみたいに同性に「ウホッ」とした訳ではなく(百合は好きなのでそれならそれでもいいんですが)、「あんな女子高生になりたい!」と思ったのでした。

そして「清楚で乙女なキュートガール」になるべく、お婆ちゃんからフルートを買って貰い、草壁先生にも一目ぼれして、勇躍吹奏楽部に入部…ということになったのですが、なにしろフルートは初めて吹くというド素人。「響け!ユーフォニアム」でいえばチューバの加藤葉月状態です。とりあえず見んなと一緒に合奏できるよう、そして草壁先生に振り向いて貰えるよう、それこそ青春の全てをフルートに捧げていくという。あれ?バレーボールがフルートに代わっただけじゃないか。でもそのお馬鹿ぶりがまた可愛いんですよね。

度胸と体力は人一倍。おつむは…なんですが、試行錯誤や直感がハルタの推理に貢献したりして、図らずも良い仕事をする千夏ちゃん。その一直線ぶりが実に清々しくて、私は大好きです。こんなこが周囲をうろちょろしてたら楽しいだろうな。

あと特筆すべきはその目力。目の塗り、大変なんではなかろうかと思いますが、チカちゃんの存在感の強さを一段と引き立てている気がします。目力ヒロイン、今後の流行になったりして。あと普段着のセンスがなんとも…


なお「響け!ユーフォニアム」では鬼畜音楽教師滝昇というのがいて、イケメンながら厳しい指導を行っていましたが、本作の草壁先生(草壁信二郎)は彼よりは若いものの、学生時代に東京国際音楽コンクールの指揮部門で2位になった経歴を持つ将来を嘱望された指揮者でしたが、なぜかその道を捨て教職についているという人物です。これまでのところ穏やかで生徒思いで厳しさは全く見せていませんが。滝先生は奥さんと死別しており、奥さんの遺志を継いで吹奏楽部の顧問となったようですが、草壁先生も何か秘密を持っているのでしょうね。

ちなみに草壁先生、声は「四月は君の嘘」の有馬公生役の花江夏樹なので、実は公生の成長した姿だったりして。

とにかくチカちゃんの男塾名物・直進行軍ばりの一途な突進ぶりが毎回楽しみです。ハルタにもガンガン突っ込んでいいぞ!物理的な意味でも!「清楚で乙女」かどうかはともかく、私にとっては実に「キュートガール」です。ちなみにショートヘアだったJCチカちゃんも可愛いぞ!

最期にハルタが二言目には口にする「普門館」ですが、これは立正佼成会が所有するホールで、音楽コンサートで多くの人々に幅広く利用されている施設です。全日本吹奏楽コンクールの中学・高校の部の全国大会が普門館で開催されていたことから、普門館は「吹奏楽の甲子園」と呼ばれていました。

ただし2012年に、耐震調査で十分な耐震性が確保されていないことが判明したため、立正佼成会は普門館の使用停止を発表し、以後は名古屋国際会議場センチュリーホールが全国大会の会場として使用されています。このことから、「ハルチカ」の時代は2012年より以前ということになりますが、原作第一巻が2008年刊行なので、時代的はほぼその頃を描いているのだろうと思われます。

「ハルチカ」の舞台は静岡県の清水南高校ですが、県立清水南高校というのが実在するのでこれがモデルであろうと思いますが、学校のシーンに使われる場所には他の学校なども使用されているようです。だいたいこの学校、女子がセーラー服じゃないですしね。

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