好きなアニメキャラ(その92):柊真雪(ひなこのーと)

8月前半の高温予報

 やはり過ごしやすい日はすぐに過ぎ去ってアツゥイ!の一言ですね。筑波嶺ほか関東よりも西日本の方が暑いみたいですが、気象庁の8月前半の平均気温予報でも西日本が真っ赤に。かつて大阪に住んでいたころもやたら暑かったことを思い出します。

柊真雪 

 本日は2017年春季アニメから3人目の「好きなアニメキャラ」、「ひなこのーと」の柊真雪を紹介しましょう。

可愛い真雪 

 高校進学を機に上京した主人公桜木ひな子が住むことになる下宿先「ひととせ荘」の住人で、ひな子より1年先輩の藤宮女子高校の2年生です。「ひととせ荘」の住人(全員女子校生)は併設の喫茶店か古書店で働くことになっていますが、真雪は喫茶店「ひととせ」の主力店員となっています。

照れる真雪 

 誕生日は12月24日で身長139センチ、体重34キログラム。特技は家事全般、ダンス、手芸。趣味は一人ファッションショー、ウィンドウショッピング。好きな食べ物はショートケーキとハンバーグ。嫌いな食べ物はパクチーと激辛系。みんなからは「まゆちゃん」と呼ばれています。

真雪ロリータファッション 
パジャマまでフリフリ 

 特技のとおり、家事全般が得意で、またフリフリの服が好きなこともあり、喫茶店勤務時はもとより、普段もメイド服を着ていることが多いようです。ちなみにロリータ風ファッションは自分が着るのも他人に着せるのも大好きですが、なぜか外で着るのは恥ずかしいようです。メイド服は平気なのに。

メイド姿の真雪 
小さなポニテを作る真雪 

 金髪碧眼のロングヘアーで左側の髪の一部をポニーテール状にまとめています。性格は意外に気が強く、しっかり者ですが、とっても小柄な体格に相応しく、食べ物の嗜好は子供なみです。そんなこともあってしばしば子供に間違われたり子供扱いされますが、これは本人にとっては相当な屈辱で、ついムキになって否定したり怒ってしまいます。

おこの真雪 

 しかし、その怒り方もまさに「おこなの」といった可愛いものなので、周囲はあえて怒らせている気配も。反面お姉さん扱いされたり頼りにされたりするととっても上機嫌になります。はっきり言ってかなりちょろい。

お姉さんと呼ばれて 

 しかし皆の食事を作ったりと面倒見が良く、ひな子が熱を出して倒れた時もお粥を作って看病していました。何だかんだ言って頼りになるお姉さんなんでしょう。

デレる真雪 
皆で出演しているようにしか見えない 

 ひな子が提案した「劇団ひととせ」、あるいは学校の演劇部では裏方で主に衣装係を担当しています。これは恥ずかしがり屋なためで、ルックスが良くダンスも上手いため、黒柳ルリ子らからしばしば舞台に立つことを誘われるのですが、断固拒否しています。OPやEDを見ると皆と一緒に出演しているようにしか見えませんが。

千秋とラブラブな真雪 

 「ひととせ荘」の大家の娘である千秋とは同級生で、高校の入学初日に助けられた縁もあってかなり仲が良いのですが、演劇バカの千秋が構ってくれなかったり演劇にうつつを抜かしてたりすると拗ねたりやきもちを焼いたりします。でもちょっと優しくされるとすぐデレるので大事ありません。

真雪の制服姿 ひな子の制服姿

 高校の制服も小柄なせいか、真雪だけ通常のものと違っています。通常の制服はセーラー服の上着とスカートが分離しています(ひな子を参照)が、真雪のものは前開きワンピースになっています。もしや自作かしらん。

小倉唯さん 

 CVは天使声優小倉唯。当ブログ初期の記事で「本当の17歳」として紹介した彼女もうすぐ22歳なんですね。時の経つのは早いものです。

メイド服バージョン小倉唯 

 「ひなこのーと」ではメイド服の真雪の影響(?)でメイド服姿を披露していました。メイド喫茶で働いたら大人気でしょうね。

ソロライブ中の小倉唯 

 2009年から石原夏織とユニット「ゆいかおり」を結成していましたが、本年6月30日をもって活動休止となってしまいました。今後のアーティスト活動はソロのみなのか、それとも他の声優と組むのか。今年3月5日に同じレコード会社の上坂すみれ、水瀬いのりと共に、武道館で「KING SUPER LIVE 2017 TRINITY」を開催していましたが、なかなかに強力なトリオですな。とても仲が良い日高里菜と組むという手もあるんじゃなかろうか。ユニット名は「ちゃんりな・ちゃんゆい」とか。



 「ひなこのーと」の番宣動画に「ブルゾン小倉」の動画がありました。やはり大人になってやりよるようになった。

マイクロビキニを着た真雪 
ワンピース水着の真雪 

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民王:池井戸潤による政界の「転校生」?

隅田川花火大会2017

 今日の筑波嶺は30度を切っていて比較的過ごしやすいです。湿気は高めなんで動くとアツゥイ!んですけどね。昨夜はテレビで隅田川花火大会を見ましたが、雨の中開催を強行しましたね。数年前は開始後豪雨になってさすがに中止してましたが、あれほどではなかったということでしょうか。

民王 

 本日は池井戸潤の「民王」を紹介します。ポプラ社のWebサイト「ポプラビーチ」で2009年8年から連載され、「鉄の骨」で第31回吉川英治文学新人賞受賞した直後の2010年5月にポプラ社から単行本が刊行され、2013年6月7日に文春文庫から文庫本が刊行されました。例によって文庫版裏表紙の内容紹介です

民王単行本 

 「お前ら、そんな仕事して恥ずかしいと思わないのか。目をさましやがれ!」漢字の読めない政治家、酔っぱらい大臣、揚げ足取りのマスコミ、バカ大学生が入り乱れ、巨大な陰謀をめぐる痛快劇の幕が切って落とされた。総理の父とドラ息子が見つけた真実のカケラとは!?一気読み間違いなしの政治エンタメ!

国会議事堂 

 総理大臣が二代続けて1年で辞任して、民政党幹事長だった武藤泰山が新首相に就任します。ところがどうしたことか息子のバカ大学生武藤翔と人格が入れ替わってしまいます。「転校生」かよ!いや古いか。「君の名は。」かよ!の方がうけるでしょうかね。

 総選挙の機運が高まっており、サミットも間近という情勢下、なんとか秘密を保ちつつ乗り切ろうとする泰山。翔を国会に向かわせ、自身は就職活動に臨みますが、バカの極みの翔はろくに漢字も読めず、泰山も就職活動で面接官を偉そうに論破しては不採用になるなど、お互い不調です。

衆議院本会議場
 

 そんな中、経産大臣の鶴田もそのバカ息子と人格が入れ替わってしまいます。そればかりか、野党第一党である憲民党の蔵本も娘のエリカと人格が入れ替わりますが、エリカは政治家志望の優等生だったせいかさほど破綻せず代役をこなしています。しかし、こんなに立て続けに人格が入れ替わるということは偶然とは思えません。防衛大臣に調査をさせたところ、米CIAが研究していた技術が流出した模様。何者が、何のために仕掛けたのか?

 泰山は彼なりの理想があって政治家になりましたが、政界の因習やら派閥抗争などに明け暮れた結果、当初の志はすっかり忘れてしまっており、翔はヤンキーっぽい性格で、政治には全く興味がなく、二留するなど勉強も苦手です。

就職面接

 どっちもクソみたいだなあと思えますが、入れ替わったことでお互いの立場や思いを知ることになります。泰山は翔の純粋さや正義感に気付き、翔も政界の因習やマスコミの愚かさに曝される苦労を痛感します。

 警視庁からやってきて人格入れ替わりの調査にあたる公安部警視の新田がいい味出しています。公務員とは思えないヤクザのような強面ですが、絶大な諜報能力と格闘能力を持っています。人格入れ替わりの調査も、泰山のためとか民政党政権のためではなく、日本に対するテロ行為として当たっており、人間的にも信頼感があります。

サミット写真

 ところで2009年という時期、二代続けて短期政権が続いたというあたりで、実際の政界の状況をモデルにしたことは間違いありません。泰山は秋葉原で人気という設定もあり、明らかに自民党が下野する直前の首相、麻生太郎がモデルなんだろうと思われます。ということは蔵本はハトポッポか。

 ドタバタ劇の中、お互いマスコミや面接官相手に本音をぶちかました泰山と翔ですが、泰山は翔の第一志望の企業で最終面接にまで進み、翔はスキャンダル追及に終始するマスコミに、そんなことばかりやっているから国民がバカになるんだと啖呵を切ります。
主演者二人と池井戸潤 

 最終的には新田らの捜査によって事件のからくりが発覚し、二人の人格は元に戻ります。女子大生との合コンに浮かれてマイウェイを熱唱していた途中の泰山はアメリカ大統領の前で元の身体に戻りますが、大統領がマイウェイが大好きだったことで好評を得てしまい、翔も第一希望の企業から内定を取り付けます。

 そして法案成立と同時に衆議院を解散して総選挙に臨む泰山。結果はどうなったのかまでは書かれていませんが、現実世界では政権が交代し、新風に期待した国民を裏切りまくって暗黒の3年間が続くことになりました。せめてフィクションの中ではもうちょっと明るいといいですな。

民王テレビドラマ版 

 2015年7月から9月にかけ、テレビ朝日系でドラマ化されました。泰山は遠藤憲一、翔は菅田将暉が演じました。もちろん視聴していません(キリッ)が、ドラマ化されたから誰かが図書館にリクエストしたんだろうなと思います。筑波嶺の図書館の本、読後調べると映画化・ドラマ化というパターンが多いのですが、ミーハーなリクエストがされているんでしょう。嫌いじゃないですけどね。

続編とスピンオフ 

 テレビドラマ版は平均視聴率7.1%でしたが、ゴールデンタイムではなかったので苦戦という訳でもないでしょう。内容への評価は高く、オリコンの「コンフィデンス・ドラマアワード」で第1回作品賞・主演男優賞など4部門、放送批評懇談会ギャラクシー賞の9月月間賞、ザテレビジョンドラマアカデミー賞で最優秀作品賞など4部門などを受賞しました。その結果、2016年4月15日にその後を描いたスペシャルドラマ「民王スペシャル~新たなる陰謀~」、4月22日には泰山の秘書である貝原茂平が主役の「民王スピンオフ~恋する総裁選~」が放送されました。

選挙ポスター風メインキャスト 

好きなアニメキャラ(その91):徭沙羅花(正解するカド KADO:The Right Answer)

雨模様でした

 干天の慈雨のような一日でした。こういう日がないと熱帯のような気候が続く日本の夏は耐えられないですよね。多少雨は鬱陶しいといえど、暑さと引き替えなら許せるというもの。

徭沙羅花その1 

 本日は2017年春季アニメからまだいるぞ好きなキャラということで、オリジナルアニメとはいえ全く先が読めない驚愕の展開を見せた「正解するカド KADO:The Right Answer」から徭沙羅花を紹介します

真道とヤハクィさん 

 この作品、内容を30字以内でまとめるならば「地球に来た高次元存在が、ぽっと出のJKにフルボッコされる話。」と言えましょうか。序盤を見た段階で誰かがそんな話だと予想したとして、一体誰が信じたでしょうか(笑)。面白いとか感動するといった点では議論の余地がありますが、意表を突かれたとか驚かされたという点では春アニメ随一だったのではないでしょうか。

異方人東京に現る 

 「異方」というこの宇宙の外から、カドと呼ばれる境界体兼異方とこの宇宙を繋ぐ変換機構に乗ってやってきたヤハクィザシュニナと、彼がもたらした異方の力によって世界は大きな変革を迎えますが、実は彼の真意は…という話で、要約すれば「只ほど高いものはない」ということになるでしょうか。切り詰めたら星新一風なショートショートになりそうです。

徭沙羅花その2 

 カドが羽田空港に出現した際、飲み込まれた飛行機にたまたま外務省が誇るタフネゴシエーター真道幸路朗が乗っていたことから、真道はヤハクィザシュニナ側の交渉官となることになりました。一方、日本政府側がカウンターパートとしたのが外務省交渉官の徭沙羅花でした。「徭」は「つかい」と読みます。

ツンツン沙羅花 

 まだ24歳で、外務省に入省して間もないと思われるのにもう役付きという超エリートですが、本作においては基本的に日本政府には人材は払底しているらしいので仕方がありません。

ツンツン沙羅花その2 

 実家は東京下町の彫金師で、ママンは早世してしまったようですが、彫金師の父と兄がいます。パパンには「炊事洗濯もできない粗忽者」だと心配されていましたが、大学時代に単身アメリカに留学するなど、非常にアクティブな娘でした。男所帯に女の子が一人なら、家事は得意になりそうな気もするのですが…もしやパパンや兄貴が高度な家事能力を持っていたのか。

沙羅花の変T 

 美人ですしスーツを着ているとカッコイイのですが、私服の趣味はやばいんじゃないかと思われる場面もあります。まずこの「くり」というTシャツ。

沙羅花の変Tその2 

 そして留学時代にも「うさぎ」というTシャツ。もしかすると「変T(変なTシャツ)」が好きなのかも知れませんが。美人なら何を着ても似合うから、センスを磨く必要がなかっという解釈もありか。昔の私の知人もそりゃあ美人で、「変T」集めが趣味だと言っていたので、「キュゥべえTシャツ」をプレゼントしたことがあります。 どうでもいい話ですがこれも「変T」ですよね。

キュゥべえTシャツ 

 真道とは同じ外務省職員だったにも関わらず面識がなかったようで、当初はかなりツンツンした態度で接していました。要するにツンデレで、後に真道とくっつく伏線的なものだったんでしょう。

ツンツン沙羅花その3 

 ヤハクィザシュニナと、彼がもたらすワムやサンサなどといった異方の技術に対し不安や懐疑心を持っており、その影響による混乱や変化の発生を危惧していました。若いに似ずコンサバな人なのかと思ったりもしましたが…

異方存在沙羅花 

 実は沙羅花さん、その正体はもう一人の異方存在でした。高次元世界というのが一つなのか、四次元とか五次元といった形で色々あるのか不明ですが、ヤハクィザシュニナの異方は、この世界(3次元)より37乗倍の処理速度と37乗倍の広がりを持つということで、仮に40次元ということにするとするならば、沙羅花も同じ世界から来たようです。

デレデレ沙羅花 

 異方では膨大な処理能力であらゆる事象を一瞬で処理できるため、常に情報に飢えるという状況にあるそうですで、沙羅花と仲間達は無数の「情報の繭」を創造しましたが、その一つであるこの宇宙の中で、たった一つの黄金の糸ともいえる特異点「人類」を作り出したそうです。

ネコとチビ沙羅花 

 沙羅花と仲間達は初期設定をした後は自然に任せるという形(ヤハクィザシュニナによれば異方では通常の対応)を取っていたそうですが、インテリジェント・デザインを唱える人達が、「宇宙・自然界に起こっていることは機械的・非人称的な自然的要因だけではすべての説明はできず、そこには“デザイン”、すなわち構想、意図、意志、目的といったものが働いている」と主張していますが、本作においては人からすれば神のごとき超高次元の異方存在が宇宙の初期設定を行ったということで、インテリジェント・デザイン説が正鵠を射ているということになります。

沙羅花の指環 

 そして自らこの宇宙という「情報の繭」に入ってきたのが沙羅花だったのです。地球に生命が誕生して以来様々な生物に転生しつつ世界を観察していたようで、最終的に特異点である人類に転生しました。右手の薬指に指輪をしていますが、これは異方存在としての力を封印していたもののようです。

敵わない沙羅花 

 この世界のファンだという沙羅花は、管理者でありながらあくまで一人の人間として人生を全うしたかったようですが、ヤハクィザシュニナの出現によって世界が動揺・変革することに危機感を覚え、真道が危機的状況に陥った時に遂に封印を解除し、もう一人の異方存在としてヤハクィザシュニナと対峙します。

ヤハクィさんに歯が立たない沙羅花 

 しかし、カドによって異方存在の力を全て保持してやってきたヤハクィザシュニナに対し、沙羅花は高次元世界から低次元世界である3次元世界に入るために、その力の大半を失ってしまった(ある異方存在は“自殺”だと言っていました)ため、まともに戦ってはヤハクィザシュニナの敵ではなく、危うく殺害されるところでしたが、それを身を挺して救ったのが真道でした。

ラブラブ沙羅花 

 直後、沙羅花は自ら作った空間に真道と共に逃げ込み、真道の治療を行いますが、それ以前に真道に好意を持っていたものが、ここで決定的に愛に変わった模様です。

思いっきり事後 

 真道の治療のはずなんですが…ほとんど“事後”になっています。お前は「瞳ダイヤリー」か!と大方の人にはさっぱりわからないツッコミをしつつ、構わず先に進みますよ。

照れる沙羅花 

 沙羅花と真道はヤハクィザシュニナを異方に帰す策を練り、天才理論物理学者品輪彼方と真道の部下の花森瞬を味方につけます。当初、作戦はヤハクィザシュニナを捕らえるものと思われましたが…

待ってたぜクロスカウンター 

 実は策を読んでいたヤハクィザシュニナ、あっさり裏をかいて真道を自ら葬ります。やはり神の如き異方存在に人間は無力だったのか。しかし、真道は自らの命を賭してさらに裏の裏をかく作戦を考案していたのでした。

真道ユキカ登場 

 突如出現した謎のJK。ヤハクィザシュニナの攻撃を意に介しない彼女こそが真道の切り札でした。この少女幸花(ゆきか)は、真道と沙羅花の娘で、ナノミスハインで相対時間をずらし、特定の空間で16歳に成長するまで育てられていたのです。育てたのは花森で、彼もしっかり16年間年を取っていました。26歳だったのに育児で終始した彼の人生は楽しかったのか。高校に通う年齢ではありますが、そんな状況では高校に行っているわけもないのですが、なぜにセーラー服なんでしょうか。もしや花森の趣味?

老けた花森 

 さすがのヤハクィザシュニナも「異方存在と人間の間に子供が!?」と驚愕していましたが、そもそもできるという根拠があってトライしたものなのかどうか。ただし沙羅花は普通に人間の子として生まれ育っていたので、そもそも身体自体は人間と変わらなかったのではないかと思われます。

二人の愛の結晶 

 それなら二人の間の子も普通の人間じゃないかと思いますが、なぜか「人類と異方存在の特異点」ということにされ、しかもヤハクィザシュニナよりも高次元の存在なのでした。どうしてそうなるのかが正直ちょっと私にはわかりませんが。例えば4次元人と2次元人の間の子供は3次元人じゃないかといった単純は発想しかできないもんで。

ザシュニナ顔芸その2 
ザシュニナ顔芸 

 その圧倒的な力でヤハクィザシュニナと消滅させ、カドをはじめ全ての異方の力を世界から消し去った幸花は、いずこともなく姿を消しましたが、品輪彼方も姿を消しているので、二人して異方にでも行っているのかも知れません。

効かぬのだヤハクィ 
JKビーム 

 24歳にして外務省交渉官、魔法少女の如きコスの異方存在、一児のママン、そして未亡人(ちゃんと結婚していないけど)になってしまった沙羅花。この先はどうやって暮らしていくんでしょうかね。ヤハクィザシュニナに異方存在であることをバラされていたので、普通に考えれば日本政府からいろいろ尋問されそうな気もしますが。でもヤハクィザシュニナほどではないにせよ異方存在は人間には手に負えないかも知れませんね。なんとなれば自分の空間を作って逃げてしまえるし。

子持ちに見えない沙羅花 

 終盤は真道を巡って沙羅花とヤハクィザシュニナが三角関係みたいになっていましたが、ヤハクィザシュニナが真道と同性を選び、沙羅花が異性であったことは結果的に決定的な差だったような気がします。なぜなら真道はノンケだったので。これでヤハクィザシュニナが女性を選択し、沙羅花が男性として生まれていたらこの展開はなかったことでしょう。沙羅花が女性として生まれてきたこと、それ自体がこの宇宙の回答だったのかも。

美人声優MAO 

 CVはM・A・Oこと市道真央。女優もやっていますが、最近は声優業に重点を移しているようでもあります。最近の活躍ぶりを見ると、なぜに「声優アワード」が無視しているのかが不思議なくらいです。あれだけ活躍していた早見沙織がなかなか受賞せず、去年ようやく助演女優賞を貰っていましたが、かの中村悠一も受賞していなんですよね。反面梶裕貴や小野大輔は二度も主演男優賞を受賞しており、やはり何らかの偏向があるような気がしてなりません。

美人声優MAOその2 


 それはともあれ2015年以降のM・A・Oのアニメ作品出演数は凄まじいものがあります。本人の実力もさることながら、やはりルックスがいいということはイベントなどに際しても有利なんでしょうか。本作ではOP「旅路」も歌っていましたが、歌も得意なんですね。もはや無敵じゃないか。

美人声優MAOその3 

 仮に実写化されたとしたらこの人はそのまま沙羅花を演じられそうですよね。

沙羅花その2 

万能鑑定士Qの事件簿Ⅳ:「催眠」シリーズ主人公・嵯峨敏也登場

大暑です

 本日大暑。曇天で暑さはやや控えめでしたが、これまでもう充分暑かったですからね。しかーし、これから立秋までが暑さのピークと言われます。しかし関東あたりでは処暑の頃までピークが続くような気がします。暦の上では秋とかいってもそんなの関係ねえ!というのが関東の夏のやり方。処暑を過ぎたら涼しいかといえば、別にそういう訳でもないのですが、日が徐々に短くなってくるのが救いですね。

大暑が来ると言うことは 

 本日はまたまた松岡圭祐の「万能鑑定士Qの事件簿Ⅳ」。ⅠとⅡの頃は春だった東京は、Ⅳでは初夏になっています。ということで、一連の事件はわりと短期間に起きているんですね。例によって文庫版裏表紙の内容紹介です。

万能鑑定士Qの事件簿Ⅳ 

 希少な映画グッズのコレクターの家が火事になり、プレミア品の数々が灰になった。翌朝、やはりレア物のパンフレットやポスターを扱う店が不審火で全焼する。連続放火魔の狙いは、かつて全国規模でヒットを飛ばしながら存在を封印された1本の邦画だった。ミリオンセラー『催眠』の主人公、カウンセラー嵯峨敏也が登場、凜田莉子との初顔合わせを果たす。頭脳明晰な異色コンビが挑む謎とは? 書き下ろし「Qシリーズ」第4弾!

 ノストラダムスの大予言 ポスターその2

 ということで、狙われているのは1974年公開の東映のトンデモ特撮映画「ノストラダムスの大予言」のポスターでした。1974年の邦画部門の興行収入第2位で、まさかの文部省(当時)推薦映画でもありました。

ノストラダムスの大予言

 原作となっている五島勉の「ノストラダムスの大予言」は、1973年に祥伝社から発行されてベストセラーになり、、1999年7の月に人類が滅亡するという解釈を掲載したことにより、実質的に日本のノストラダムス現象の幕開けとなりました。「ちびまる子ちゃん」でもノストラダムスショックの話がありましたが、私も友人達とコワーイコワーイと騒いだ記憶がありますが、翌日から何事もなかったかのように日常生活を送ったような気がします。子供にとって20数年語というのはあまりに遠かったのかも知れません。

ノストラダムスの大予言 ポスター 

 前年の「日本沈没」の大ヒットを受けて東宝が製作したパニック映画の第二弾で、原作からはかなり離れたフィクション脚本による娯楽性の高い作品となっています。劇中、ニューギニアの原住民が被曝して食人鬼化して探検隊に襲いかかるシーンや、核戦争で滅亡後の世界に放射能で異形の姿となった新人類が描かれていますが、これが実際の原爆症による奇形をデフォルメしたものではないかと取り沙汰され、被爆者団体や反核団体から抗議を受けました。その影響でビデオ化やDVD化はされていませんが、完全ノーカット版の海賊版ビデオが出回った他、海外では"Last Days of Planet Earth" または "Catastrophe 1999" というタイトルで公開され、ビデオソフトやLD、DVDなどが発売されており、比較的容易に入手可能だったりします。

ルパン三世 念力珍作戦 

 ちなみに同時放映は「ルパン三世 念力珍作戦」。ルパン三世を目黒祐樹、次元大介が田中邦衛、峰不二子を江崎英子、銭形警部を伊東四朗が演じるという。「念力珍作戦」は、「何か時代性のあるタイトルにしろ」という東宝側の指示で、当時流行していた超能力ブームにかこつけてスタッフがつけたもので、内容とは特に関係ないようです。ルパンがワルサーP38ではなくワルサーPPKを使用しているなど、なかなか香ばしい作品のようです。

catastrophe1999.png 

 「ノストラダムスの大予言」のポスターは映画が封印状態になったこともあり、好事家の間ではかなりの高値になっているということですが、それを狙った連続放火事件が発生します。莉子は映画マニアが保険会社から保険金を受け取るためにポスターの価値の鑑定を依頼され、嵯峨は警察から犯人の心理状態などの分析を依頼されます。この二人が出会い、共に行動したら事件はたちどころに解決…と言いたいところですがそう簡単にはいきません。

ニューギニアの食人鬼 

 嵯峨と莉子、警察が見張って密室状態なのに燃やされるポスター。持ち主がちょっと目を離した隙に持ち出され、燃やされるポスター。そして持っていることを知られていないはずなのに燃やされるポスター。単独犯ではないことは明かですが、どうやってポスターの在処を探知しているのか。そして何のために焼いているのか。

新人類 

 そして莉子が辿り着いた結論。犯人は…まさか嵯峨なのか!?オチは読んでいただくとして、わかってみれば確かに色々と思い当たる節があります。どんなミステリーを読んでいてもそうなんですが、その時はスルーしてしまうのですよね。その辺りが探偵になれるかファンにとどまるかの瀬戸際なのかも知れませんが、莉子には探偵の才能がありますね。ここまで、犯人は莉子を恨むどころか、出逢えて良かったと思うばかりです。莉子が美人だからということもないわけではありませんが、なによりも莉子の心の清らかさが犯人を浄化しているようです。私も出逢いたいものですね、心が清らかな美人さんに。

莉子の浄化イラスト 

万能鑑定士Qの事件簿Ⅲ:凜田莉子歌手デビュー?

猛暑でぐったり

 梅雨が明けて猛暑襲来…というところなんでしょうが、とっくに来ていた猛暑。空梅雨でマイッチングな訳ですが、猛暑を防ぐ科学というのはないんでしょうかね。「こうすれば涼しい」といった対症療法ではなく、抜本的に猛暑を防ぐようなヤツ。SFには天候を操る気象兵器なんてのが登場しますが、その平和利用的なのが欲しいですね。

万能鑑定士Qの事件簿Ⅲ 

 本日は松岡圭祐の「万能鑑定士Qの事件簿Ⅲ」を紹介しましょう。「催眠」「千里眼」と彼のシリーズの第一作は読みましたが、続けて読みたくなったのは万能鑑定士シリーズのみ。モデルのように美人だけど天真爛漫で、まるで沖縄の海のように清らかな心の持ち主の凜田莉子は素敵ですよね。恋愛要素とかいらんのですけど、雑誌記者小笠原とくっついてしまうのでしょうかね。

 ⅠとⅡは凜田莉子の人となり、そしてかなりお馬鹿な波照間島の純真女子校生が万能鑑定士になるまでが描かれていましたが、ここからが本当の事件簿という感じでしょうか。例によって文庫版裏表紙の内容紹介です。

お馬鹿だったJK時代の莉子 

 人気ファッションショップで、ある日突然、売り上げが落ちてしまう。いつも英語は赤点の女子高生が、東大入試レベルのヒアリング問題で満点を取る。この奇妙な事象をともに陰で操っていたのは、かつてミリオンセラーを連発した有名音楽プロデューサー・西園寺響だった。借金地獄に堕ちた彼は、音を利用した前代未聞の詐欺を繰り返していた。凜田莉子は鑑定眼と機知の限りを尽くして西園寺に挑む。書き下ろし「Qシリーズ」第3弾!

 西園寺響…あからさまにモデルは小○哲○ですね。90年代に一大ブームを築き上げ、数々のミリオンセラーやヒット曲を打ち立て、各メディアにおいて「小○ファミリー」「小○サウンド」「小○系」といった名称でカテゴライズされる社会現象を起こしたあの人です。

小○ファミリー 

 その小○とは別人のはずの西園寺ですが、独立やブーム消滅、離婚などで財産はなくなって借金地獄。ですが、もう一度スターダムに登るという夢(というか妄執)に囚われ、なお熱狂的ファンでいてくれる40代の男女(バブルを引き摺ったまま時代の変化を拒絶している)をも手駒&金づるにしています

 発端は、飯田橋のコンサバファッションのブティックで突如売り上げが急落し、売り上げの35%を振り込めば元に戻るという脅迫まがいの電話が来たことから。牛込警察署に相談したものの相手にされず、「週刊角川」が取り上げた、流行っていたはずの店が突如閉店するという「ストアシック症候群」の記事を見て記者の小笠原に接触します。実はその記事は海外記事の翻訳だったのですが、それなら頼りになる人がいるということで、凜田莉子が紹介されます。

高級ブティック 

 莉子はすぐに原因を突き止めます。JASRACに金を払いたくないために、著作権フリーのBGMを無料で配信しているサイトが、咳やくしゃみの音を送り込み、ハース効果で客が寄りつかなくなる、すぐに立ち去るという現状を自然に起こしていたのです。

 ハース効果とは、①同じ音が②複数の方向から③同音量で、音が発せられたときに、最も早く到達した音の音源の方向からすべてが聞こえているように感じてしまう現象のことです。左右同時に音を発した場合は、その中間点から音が聞こえたように感じます。店の中央付近にいた客は、自分のすぐそばに咳やくしゃみを聞くことになり、風邪やインフルエンザを忌避して思わず立ち退いていたというのが真相でした。

ハース効果 

 それとは別に、私立神楽坂学園高校では、出席日数が足りない美人JKを卒業させろというモンペチックな親に対し、担任の英語教師がテストで高得点を取ったら認めるということにします。教師だけが利用出来る、毎日ヒアリング問題を無料で提供するサイトからランダムに選択して作ったヒアリング問題を出題しますが、なんと満点を取るJK。東大レベルの問題も入っていたのになぜ?これも莉子が早稲田の氷室准教授の協力を得て、正解のセンテンスにモスキート音が入っていたことを突き止めます。

モスキート 

 モスキート音は、鬼の哭く街・A立区の公園に導入されたことで有名ですが、小型スピーカーから17キロヘルツという、非常に高周波数のブザー音を流すもので、20代後半以降の者には気にならない者が多いですが、聞こえる者にとっては、かなり耳障りであり、強く不快に感じる者も出ます。先生はおっさんなので聞こえませんでしたが、若いJKは聞き取って、モスキート音がした選択肢をチェックして満点をとっていたのです。

A立区の公園 

 この両方のサイトとも、巧妙に尻尾を出さないようになっていましたが、警察にも協力していた自称「サウンドコンシェルジェ」西園寺が浮上してきます。これら以外にも様々な詐欺まがいな手法を駆使して小金を集めては再起を期す西園寺。元歌手で妻の如月彩乃も心配する中、誰にも計画を知らせずに謎の行動を取る西園寺を莉子は止められるのか?

津波の被害に遭ったアチュ州 

 インドネシアまで飛んだり(ⅠとⅡの沖縄行きと同じで空振りですが、結果的には役に立つ)と、相変わらず人のためにとことん尽くす莉子。鑑定士の商売の方でちゃんとご飯食べていけるのか心配になりますが、単に美人なだけではなく、どこまでも心が綺麗なのが莉子の魅力。途中西園寺にスカウトされて自宅に連れて行かれたり、その後謎のリムジンに拉致まがいに連れ去られたりと、頭は切れるけど腕っ節の方はからっきしであろう莉子危うしな展開もありますが、幸い西村寿行流ハードロマンな展開はありません。というか、莉子には暴力沙汰は似合わないですけどね。莉子だけは勘弁してやってつかあさい。

リムジン 

 ことごとく計画を莉子に邪魔される西園寺は、最後には思いあまって莉子の毒殺を示唆します。二人は高級料亭で食事をしますが…。万能鑑定士の名に恥じない博覧強記ぶりで自分の安全保障まで確実にしている莉子に、西園寺もかたなし。一緒に花火を見て綺麗綺麗と素直に喜ぶ莉子にはきっと西園寺も毒気を抜かれたことでしょう。前作の犯人もそうですが、莉子にはそういう力があるんですね。 

高級料亭 

 ところで「催眠」も「千里眼」もそうでしたが、松岡圭祐は各章にサブタイトルをしっかり記載する人ですね。各章にサブタイトルを付ける作家は珍しいわけではありませんが、280ページくらいの本作にはなんと30章もあって、全部サブタイトルが付されています。これぐらい細かくサブタイトルを付ける作品とえば、昔読んだ、子供向けに改筆・圧縮されて翻案作品となったホームズシリーズややルパンシリーズを思い出しました。そのあたりのテイストを狙っているんでしょうかね?

記憶に残る一言(その87):ゲーム雑誌の誤植(ゲーメスト)

怠惰に過ごしました
 
 いや~この三連休を実に怠惰に過ごしてしまいました。この暑さは言い訳になるでしょうかね。じゃあ暑い国の人は皆怠惰なのかよとツッコまれそうですが…大体そうなんじゃないかなあというイメージもあったりして。

ゲーメスト100号 

 本日は「記憶に残る一言」です。珍しく雑誌の誤植から取り上げてみましょう。かつては主としてコンピューターゲームの情報を取り扱ったゲーム雑誌が山ほどありました。もちろん「ファミ通」(旧ファミコン通信)のように今でも残っている雑誌もありますが、実に多くのゲーム雑誌が生まれては消えて行きました。そんな中に新声社の「ゲーメスト」という雑誌がありました。

月刊アルカディア 

 この「ゲーメスト」、1986年から1999年まで発行され、アーケードゲームを専門に取り扱っていました。専門性の高さから全盛期には売り上げが30万部に達し、隔月刊→月刊→月2回刊行となり、人気を博していましたが、新声社が突然に倒産したことで、最終号を出せずに廃刊となってしまいました。その後、同誌スタッフの多くがアスキー(現在のエンターブレイン)へ移り、アーケードゲーム専門雑誌「月刊アルカディア」を創刊しましたが、こちらも隔月刊に以降後2015年に定期刊行が終了となってしまいました。

もう笑うしかない誤植の嵐 

 アーケードゲーム誌の代表格だった「ゲーメスト」ですが、もう一つ別の側面でも有名でした。それが誤植の多発で、原因としては、電算写植の担当者がゲームを知らなかったことに起因する思い込みの誤変換、ライターが書いた手書き原稿の字が汚かった、アマチュアの上級プレイヤーであるライターが文章を書くことに馴れてなかった、締め切りぎりぎりで原稿が上がることが多く校正が十分にできなかったこと等が挙げられています。

インド人を右に 

 「ゲーマーズ」の誤植で最も有名なのがこれ。セガのレーシングゲーム「スカッドレース」の攻略記事中で、画像に「くお~!!ぶつかる~!!ここでアクセル全開、インド人を右に!」と書かれています。手書き原稿による写植作業という伝統的な出版・印刷手法ならではの誤植と言えますが、硬派なレースゲームに唐突に登場する「インド人」という組み合わせは当時の読者の爆笑を誘いました。

ハンドルがインド人に 

 おそらくは「“ハンドル”を右に」と書かれた原稿の文字が崩れすぎていて、写植担当に「“インド人”を右に」としか読めなかったためと思われます。画像を見ると左カーブなのにハンドルを右に切るのはおかしいと言う意見もありますが、後輪が右に滑ったのを止める為のカウンターステアなので右で合っていると見られます。 

BOKETEでのツッコミ 

 「BOKETE」でもネタにされています。その他にも誤植は多数あります。有名どころを紹介してみましょう。

ザンギュラのウリアッ上 

 まず「ストリートファイターⅡ」の攻略解説記事。こんな短い文書なのに、キャラクターの「ザンギエフ」を「ザンギュラ」と間違え、さらに技名の「ラリアット」を「ウリアッ上」と誤植しています。まさに必殺コンボ技。ラリアットはスタン・ハンセンの日本初披露以後、様々なレスラーが繰り出すポピュラーな技になっていたので、そんな技知らないということはなかったと思いますが…。「ザンギエフ」を「ザンギュラ」を誤植したのはまだしも、「ラリアット」が「ウリアッ上」はさすがに考えられない誤りで、編集者が印刷会社に抗議しようと思って原稿を見直したところ、そう読まれても仕方ない書き込みがあったので抗議を断念したそうです。

人気登場でも間違われるザンギエフ 

 ザンギエフはやたら間違われるキャラだったらしく、「好きなキャラ・嫌いなキャラ」の投票でも「ザンギエラ」という名前にされています。

ザンギエフ 

 ちなみにザンギエフはこういうキャラ。“赤きサイクロン”の異名を持つロシア出身のプロレスラーで、必殺技は「スクリューパイルドライバー」。

スクリューパイルドライバー 

 ほかのキャラクターの必殺技に比べコマンドの難易度が非常に高いものでしたが、代わりに最高クラスのダメージを誇り、かつ投げ技としては攻撃範囲も広く、数歩先にいる相手を突然捕まえて投げを決める様は「吸い込み」と呼ばれて恐れられました。

三島平八攻略記事 

 「鉄拳」シリーズのキャラ「三島平八」攻略記事にて。文中、突如男塾塾長の「江田島平八」と間違っています。三島平八はシリーズを通して登場を続ける鉄拳の象徴「鉄拳王」で、名前の由来とキャラクターのモデルは江田島平八だとも言われていますが…

三島平八 
江田島平八塾長

 上が三島平八で下が江田島平八。雰囲気は似てるっちゃ似ていますが。ちなみに三島平八は「三島流喧嘩空手」の使い手ですが、江田島平八は我流拳法「天下無双流」を編みだし、銃弾や砲弾を素手で受け止める「弾丸掌破取り」など常識を超えた技を使うほか、宇宙空間を褌一丁で泳ぎ渡り、生身で大気圏再突入に耐えるという化け物なので、まともにやり合えばやはり江田島平八の方が強いでしょう。

崩拳の説明 

 やはり「鉄拳」シリーズのキャラ、ポール・フェニックスの技「崩拳」についての説明文。「よく潰されたり、するが、」の部分も怪しいですが、「ガードさせれば反撃は受けない!反撃を受けたりする。」と無茶苦茶な文章が。これは誤植というより純粋に日本語力の問題のような気もします。

餓死伝説って 

 コミック注文書という地味な所での誤植。「餓死伝説」…。正解は二段下の「餓狼伝説」ですが、このほか「飢餓伝説」と誤植したこともあったそうです。ライターはよほどお腹が空いていたのか。

飢餓伝説 

 「ゲーメスト」の後継誌である「アルカディア」がネオジオ20周年特別企画としてTシャツをリリースしましたが、あえて「餓狼伝説」を「飢餓伝説」するなどしたイロモノグッズを販売しました。

スパインバスター 

 実際にあるプロレス技「スパインバスター」を「スペインバスター」と誤植。ご丁寧に上の技表でも誤植しています。もうゲームの技は「スペインバスター」でいいんじゃないですかね。

ごめんなさいの二乗 

 「超人学園ゴウカイザー」のキャラ、ブライダーに関する、いわゆる「ブライダー三段ボケ」。ブライダーの超必殺技を「ブライダープラズマボルト」→「ブライダーオーバードライブ」→「ブライダーブレイク」と二度も間違え、しかも入力コマンドも間違っていたという。記事のタイトル「ごめんなさんの二乗は二度のミスからですが、その前の訂正記事で「もうしません。許して」「今度は間違いない」と書いていたにも関わらず…

マンガの最終回の最後のコマまで誤植 

 死ぬほど誤植が多かったゲーメストですが、一部読者にとってはそれも面白さの一つとされていました。誤植の多さは決して自慢出来ることではありませんが、味だと思って貰えるというのもありがたいことです。開き直ってわざと作った誤植探しの懸賞をしたら、意図しなかった本物の誤植が大量に応募された伝説まであります。連載していた漫画の最終回まで間違っているという徹底ぶりにはもはや脱帽ですね。

好きなアニメキャラ(その90):クトリ・ノタ・セニオリス(終末なにしてますか?忙しいですか?救 ってもらっていいですか?)

恐怖のヒアリ

 日本各地に出現して恐怖に陥れている猛毒蟻・ヒアリですが、ついに茨城県の常陸太田市でも発見されてしまいました。すでに死んでいて、女王アリもいなかったということですが、南米原産にも関わらず中国とか台湾からの貨物とともにやってくるということは、そもそもヒアリが既に全世界に拡散しているということなのでは。

ヒアリ分布図 

 Wikipediaによると中国、フィリピン、オーストラリア、インドがやられていますね。空を飛ばないだけましとも言えますが、磁気を検知する能力(磁覚)によって、信号などのインフラ設備・電気設備に侵入し、漏電による火災や故障を引き起こし、破壊することがあるとか、多種多様な作物を食い荒らし、農業機械や設備を破壊し、牧草地を荒らしているとか、物騒な話題の持ち主です。在来種のアリが撃退してくれればいいのですが、それなら侵略的外来種なんて概念がそもそも生まれませんよね。

クトリ全身図 

 本日は久しぶりに「好きなアニメキャラ」です。SNS乗っ取り詐欺の常套句みたいなタイトルの「終末なにしてますか?忙しいですか?救ってもらっていいですか?」(略称「すかすか」)から、ヒロインのクトリ・ノタ・セニオリスを紹介します。

涙のクトリ 

 正体不明の怪物である〈獣〉たちに蹂躙され、地上は既に失われてしまいました。人間をはじめとする多くの種族が滅んだ後、かろうじて生き残った亜人種族達は地上を離れ、浮遊大陸群(レグル・エレ)と呼ばれる空飛ぶ群島の上に暮らしています。しかし〈獣〉の中には、自身の体を細かく分裂させて風に乗せて飛ばすことで、浮遊大陸を襲撃できるタイプもいて、空中すら安全とはいえません。

聖剣セニオリス 

 そこで生み出されたのが、かつて人間の勇者にしか使うことができなかった最強兵器、遺跡兵装(聖剣)を振るうことができる黄金妖精(レプラカーン)でした。クトリは現在最年長の15歳で、最強とされる聖剣セニオリスの適合者であり、存命中の妖精の中では唯一のグレードS、つまり最強の妖精兵と目されています。

妖精倉庫 

 赤ん坊として出現する黄金妖精を育成して兵器に仕立てているのが「妖精倉庫」で、管理者の仕事は兵器管理と呼ばれています。徹底して黄金妖精を兵器扱いしている訳ですが、実は大賢者スウォン・カンデルが〈獣〉から浮遊大陸群を守るために魔法で発生させている存在なのです。

獣を屠るクトリ 

 黄金妖精は実は死霊の一種で、自分の死を認識できないほどの幼さで死んでしまった魂から生まれてきます。そのため、幼いうちは生きることに対して無頓着で死を恐れず、成長すると「前世の侵食」と呼ばれる、前世である幼子の記憶が徐々に蘇っていく一方で、現在の人格の記憶が失われていくという現象が発現します。「前世の浸食」は、魔力を行使することでより早く進行するようになり、最終的には現在の人格を上書きして消滅させてしまいます。

戦うクトリ 

 致命傷を受けたり、「前世の侵食」などにより通常の戦闘手段で〈獣〉を倒すことができないと判断された場合、意図的に魔力を暴走させ獣もろとも自爆することが戦術として定められていて、「妖精郷の門を開く」と呼称されています。

真っ直ぐな瞳のクトリ 

 クトリは最年長なので妖精倉庫ではお姉さん的ポジションにあり、普段から背伸びして大人ぶった振る舞いをしていますが、実際には年相応の脆さや未熟さを抱えています。それはあっさり主人公のヴィレムやナイグラートといった管理者達に見抜かれていますが、クトリ自身は子供扱いされることを嫌っています。

青い記憶 

 内面は純情な性格ですが、意地っ張りでなかなか素直になることができず、自身の感情を持て余すこともあります。相次いで殉職していった先輩たちと同じように浮遊大陸群防衛のために死ぬ宿命を受け入れていましたが、覚悟が決まった矢先にヴィレムから聖剣の正しい使い方を教えられ、生き残るための道を示されます。

赤毛が混じり始めたクトリ 
赤く染まりだした髪 

 それでは今までの先輩妖精たちの死や覚悟は何だったのかと反発するクトリでしたが、以降は生への未練を抱いていくことになります。様々な初めてを経験させてくれるヴィレムに好意を寄せていきますが、その一方で「前世の浸食」が進行していき、記憶が失われていきます。クトリの場合、青い髪が赤くなっていくことで浸食の進行度合いがビジュアルにわかるという親切設計(?)になっていました。

勇者リーリア 

 クトリの前世ですが、聖剣セニオリスを使えるということと、 髪が赤くなるということで、ヴィレムのかつての兄弟弟子で正規勇者だったリーリアなのかと思われましたが、リーリアでは「自分の死を認識できないほどの幼さ」とは言えないなあと思っていたら、なんとそのリーリアに倒された星神エルク・ハルステンが前世でした。

クトリの前世 

 エルクは本来不死の神ですが、セニオリスはあらゆるものに「死」の呪詛を刻むことができるという特筆能力を持っており、永遠の眠りにつくことになりました。ラブクラフトの「クトゥルフの呼び声」にある"That is not dead which can eternal lie,And with strange aeons even death may die."(永遠に横たわりうるものは死者にはあらず、数奇なる永劫の果てに死すらも超えゆくもの)に則れば、遙かな未来に「死」の呪詛を乗り込めて目覚めるかも知れませんが。

おやすみなさい(物理) 相打ちの二人

 エルクはリーリアに殺される際、“大切な人を守るために戦い続ける姿”に強い憧れを抱きました。実は大賢者スウォンすら知っているかどうか不明な事実ですが、黄金妖精の魂は「自分の死を認識できないほどの幼さで死んでしまった魂」ではなく、星神エルクの魂を誰かがバラバラに砕く、その結果砕かれた魂の欠片が死者の魂と共鳴して現世に顕現しているのでした。

ほとんど赤髪になってしまったクトリ 

 つまりクトリはエルクそのものではなく、その欠片のようなもので、エルクが長い眠りの中で見ている“夢”とも言えますが、セニオリスを使えるのも自らの身体でその刃を受けたことや、リーリアの姿に憧れたことが関係していると思われます。まあそうなるとリーリアがヴィレムのことを好きだったと言うことも影響しているのかもと考えてしまいますが、そこはあくまでクトリとしての人格で別途ヴィレムを好きになったと思いたいです。

廃人化したクトリ 

 前世に侵食されたクトリは一度は廃人状態になり、その魂はエルクと出会いますが、ヴィレムと交わした約束を守らなきゃと主張するクトリを送り返したのでした。

だだっ子のようなエルク 

 終盤、クトリは眠っているエルクの本体と遭遇し、ほぼ完全に赤髪になって昏睡状態に陥ります。再会したエルクとクトリですが、今度は完全に人格が消滅してしまうため、エルクは引き留めようとします。しかし、ヴィレムにどうしても伝えたい言葉があると言うクトリをやむなくもう一度送り出すのでした。

ヴィレムとネフレン 
獣の群とクトリ 
世界一幸せな女の子 

 目覚めたクトリは、完全な赤髪となり、自爆寸前のネフレンと一緒に地上に落ちるヴィレムを助け、たった一人で獣の群に立ち向かいます。“いつまでも一緒にいるよと誓った。誓えたことが幸せだった”“この人の事が好きだなと思った。思えたことが幸せだった”“幸せにしてやるよと言ってもらえた。言ってもらえたことが幸せだった”“こんなにも沢山の幸せをあの人に分けてもらった。だから今の私は誰が何と言おうと世界一幸せな女の子だ!”

クトリ自爆 
最後のクトリ 
ありがとう… 

 〈獣〉の群を殺戮しまくり、衆寡敵せず無数の触手に貫かれてもなお自爆で周囲の〈獣〉全てを葬ったクトリ。最後にヴィレムに「ありがとう…」と伝えたかった言葉を告げたのでした。「妖精郷の門を開く」=自爆で肉体もろとも吹っ飛ぶイメージでしたが、既に黄金妖精ではなくなっていたクトリは五体満足のまま生命力使い果たして眠るように力尽きて亡くなったようでした。クトリのおかげでヴィレムとネフレンは生き残ったと思われますが…〈獣〉が徘徊する地上で生き延びられるのでしょうか。大賢者スウォンが鼓動探知で発見→救助隊派遣となると思いたいですが。

 着飾りネフレン

 その後ヴィレムはネフレンとラブラブに…という展開だったらクトリは化けて出てくるでしょうかね(笑)。ネフレンは可愛いけど恋愛対象というより妹キャラという感じです。

ラーントルク

 私は“妖精のイカちゃん”ことラーントルクをお勧めします。14歳でクトリより若いけどずっと大人びていますし、髪の色がクトリに近いし。ヴィレムにはツンツンしていましたが、実はツンデレと見た。マッサージで即堕ちしてましたし。

可愛いナイグラートさん 

 一番いいのはナイグラートだと思いますけどね。喰人鬼(トロール)だけど見た目ほぼ人間だし、家事全般得意だし。喰人欲だけちょっと抑えてくれれば「食べないでくださーい」「食べないよ~」というけものフレンズのノリで楽しく暮らせそう。

ラーンにマッサージ 
クトリもイカされた 

 それにしても恋人(クトリ)の目の前で他の女の子(ラーントルク)をマッサージでイカせるというのはどういう高等プレイなんだヴィレムさん。前にはクトリもイカせていましたし、マッサージ師で充分食っていけそうですな。

田所あずさその1 

 CVは田所あずさ。茨城県出身でまだ23歳の若手声優です。私が視聴したアニメでは、「無彩限のファントム・ワールド」のルルとか「ビッグオーダー」の壱与を演じていました。

妖精ルル 壱与はまだ16だから

 2014年からはアーティストデビューもしており、「すかすか」のOP「DEAREST DROP」も歌っていました。切なくて儚い曲調で、「無彩限のファントム・ワールド」のED「純真Always」の明るさとは全く違っていました。

田所あずさその2 

 まあ作品の内容が内容だけに明るく楽しいという訳にはいかないでしょうけど、楽曲の世界観がアニメに寄せられていることから感情移入もしやすく、迷うことなくレコーディングできたということです。MVがありました。



 なお、TRUEが歌ったED「フロム」とも内容的に繋がっていますね。「フロム」のMVには冒頭田所あずさが出演していて、「DEAREST DROP」のMVに登場する青い魚の入った丸い水槽をTRUEに渡しています。実は「DEAREST DROP」のMVにもTRUEが出演していますし、レコード会社が一緒だと色々やれて面白いですね。


旅する胃袋:食を楽しめればどこでも楽園

言うまいと思えど今日のアツゥイかな

 言うまいと思えど今日の「アツゥイ!!」かな それにしても暑いですね。土曜日が暑かろうが寒かろうが雨が降ろうが雪が降ろうがウォーキングには行くのですが、暑さのダメージはことのほかです。今までは水をがぶ飲みしてから歩きに出て、中間地点あたりの自販機で水かスポーツドリンクを買うのですが、先週辺りはもう往路でバテ気味になったので、初めての試みとして最初からペットボトルを持って出てみました。

いろはす 塩とレモン 

 経口補水液にしようと思ったけどスーパーになかったので、「いろはす 塩レモン」を買ってみたのですが、なかなかよかったですね。最初から給水しながら歩くと、いつもよりバテなかったような気がします。 
 
旅する胃袋 

 本日は篠藤ゆりの「旅する胃袋」です。篠藤ゆりの作品は初めて読みましたので、例によって作者紹介からです。

篠藤ゆり 

 篠藤ゆりは1957年生まれで福岡県出身。国際基督教大学(ICU)卒業後、コピーライターとして広告代理店に勤務しましたが、5年後に退社。その後、世界各地を旅する生活を経て、1991年「ガンジーの空」で海燕新人文学賞を受賞しました。

海燕 

 海燕新人文学賞は、福武書店(現ベネッセコーポレーション)が発刊していた文芸雑誌「海燕」の新人文学賞で、1982年から1996年まで続きました。「海燕」は埋もれている才能の発掘に力をいれていた文芸雑誌でしたが、文芸雑誌全体の不振のなかで部数を減らし、末期には実売部数よりも新人賞の応募者数のほうが多いとさえ揶揄されるほどの不振に陥り、廃刊となりました。

吉本ばななのキッチン 

 海燕新人文学賞の受賞者には、私が知っているところでは、吉本ばなな(「キッチン」で1987年受賞)、小川洋子(「揚羽蝶が壊れるとき」で1988年受賞)、角田光代(「幸福な遊戯」で1990年受賞)らがいます。

単行本版旅する胃袋 

 以後、おもに旅と食のエッセイを雑誌等で執筆しています。「旅する胃袋」は2002年7月に単行本がアートンから刊行され、2012年7月5日に文庫版が幻冬舎文庫から刊行されました。例によって文庫版裏表紙の内容紹介です。

漢口 

 標高4000メートルの寺でバター茶に癒され、香港で禁断の食材を味わい、砂漠で人生最高のトマトエッグスープに出会う――。食に対してずば抜けた好奇心を持つ著者が、強靭 な胃袋を通して世界に触れた11の風味豊かな旅。「美味しいっ」と言う旅人に、土地の人はこんなにもあたたかな顔を見せてくれる。世界の美味が楽しめるレシピ付き。

パキスタン フンザ 

 紀行文学は気軽なのでいろいろ読んできましたが、食事に焦点を当て、さらに美味しい物ばかり食べているのは本作が白眉ではないでしょうか。まずい食事遭遇編なら「洗面器でヤギごはん」(石田ゆうすけ)なんて作品もありますが。

タイのアカ族 

 1979年、まだ大学生時代にタイ経由でインドに旅をしたのを皮切りに、2000年までに中国、パキスタン、タイ、香港、ブラジル、ミャンマー、モロッコを旅し、各地でおいしいものを食べまくっています。

サンパウロ 

 世界各国、どこに行ってもその地の民族の文化や歴史に根ざした料理があるのは当然ですが、旅行者がそれを美味しいと感じるかどうかはまた別問題です。ゲテモノにしか見えないものもありますし、当初は美味しく食べられても、次第に味に飽きたり、香辛料や油に辟易し始めたりするということはよくあることです。

インド レー 

 篠藤ゆりは、冒頭に“人並みはずれて丈夫な胃腸と、どんな過酷な旅にも耐えられる頑強な肉体を私に与えてくれた両親に、感謝の気持ちを込めて”と書いていますが、この人は世界のどこに行っても食あたりに合わず、美味しい美味しいと現地の食べ物を食べまくっています。

アトラス山脈 

 日本人だって、外国人が日本の食べ物を美味しい美味しいと食べているのを見れば悪い気はしないですが、それは外国人だってそう。異郷から来た日本人が日常食べているものを美味しい美味しいと称賛して貪り食い、そればかりかレシピを教わりたいと言ってくれば、よほど偏屈者でもない限り好意的に接してくるというものです。

なじむ 実になじむぞ 

 インドにはまった中谷美紀は、南インドでココナッツオイルにどうしてもなじめず苦労していましたが、篠藤ゆりにはそういう問題は全くなし。イスラム圏なのに酒を入手したり、ヘロインシンジケートの村に長逗留したり、どこへ行っても食や環境になじんでいきます。この適応力…もやは旅人になるために生まれてきたかのようです。

香港夜景 

 タイ料理やインド料理は、今となっては日本でも案外手軽に本格的なものを食べられるようになっていますが、篠藤ゆりが初めて海外旅行に行こうとした頃はまだまだそういう店はあまりありませんでした。でもそんな中にあってもインドやタイで暮らすなら、辛い料理に耐えられないとダメだとトライしまくったという冒頭の話が笑えますが、そういう意識の高さ(褒めてます)が、後年世界のどこに行っても当地の料理を愛し、それゆえに現地人に愛されるという好循環を作り上げることに寄与したのではないかと思います。

ラジャスタン 

 私の場合、篠藤ゆりのように辺境には行ったことは無く、まあまあメジャーな場所ばかり攻めていますが(この人も行っていないであろう超マイナーなエリアに行ったこともあることはありましたが)、まあまあ現地の食べ物には適応できていましたね。でもそれは短期間だったからかなあとも思います。

エーヤワディー川 

 紀行文を読むと旅はいいなあ、また行きたいなあと思ったりもしますが、しかし個人的大航海時代(海外旅行時代)はもう終わったなあという思いもあります。昔はあれほどワクワクした海外旅行が、今や面倒くさいなあという気持ちの方が先行するようになってしまい。国内旅行は面倒がないので、そっちの方が良くなったというのは、やはり年を取ったからなんでしょうかね。元気な人は年を取っても海外に出かけてますが。

砂漠の夜 

春期限定いちごタルト事件:“小市民”たらんと願う“狐”と“狼”

逃げ水出てくる

 オイオイオイ!これだけアツゥイ!!でまだ梅雨が明けてないの?てゆ~か~暑くなるのが早すぎるんですけど~。なんか口調がギャルというかオネエみたいになってますが、みんな暑さが悪いんじゃ。

RWBY アウト 

 それはそうと、夏季アニメ「RWBY Volume 1-3: The Beginning」は1話切りです。今季は視聴打ち切りがなければいいなあと思っていたんですが、カッとなって打ち切った。今も後悔していない。アメリカ製アニメで吹き替え声優陣は豪華なんですが…。声優はキャラに命を吹き込む存在。そういう認識は今も変わりませんが、アニメである以上絵もまた重要なんだということを再認識しました。見続ければ慣れるのかも知れないですが、アメリカンスタイルな会話もちょっと。

賭ケグルイ イン 

 代わって「賭ケグルイ」を追加。「RWBY」ははやみん枠でしたので、やはりはやみん主演の「賭ケグルイ」を見れば枠は埋まるということで。キャラの顔芸の凄さもさることながら、はやみんの狂気を滲ませた演技が実にいいですね。こういうはやみんを見たかった。ところで「シグルイ」とタイトルが似ているけど、関係あるんでしょうか。「ぬふぅ」「なまくらと申したか」「ごゆるりと」「む~ざんむざん」…なんか当てはまりそうで怖い(笑)。

春期限定いちごタルト事件 

 本日は米澤穂信の「春期限定いちごタルト事件」を紹介します。テレビアニメ「氷菓」を見てたせいか初めてとは思えないのですが、実は米澤穂信の作品は初めて読みました。よって例によって作者紹介から。

米沢穂信 

 米澤穂信は1978年生まれで岐阜県出身。物心ついた頃から漠然と作家を志望していたそうで、中学生のころから小説を書き始めました。金沢大学文学部の2年時から、ウェブサイトでネット小説サイト「汎夢殿」(はんむでん)を運営し、作品を発表し始めました。当初は各種エンターテイメント作品を書いていましたが、「六の宮の姫君」などの北村薫のミステリー作品に衝撃を受けたことから、ミステリーへの傾斜していきました

六の宮の姫君 

 大学卒業後、岐阜県高山市で書店員をしながら執筆を続け、2001年に「氷菓」で第5回角川学園小説大賞ヤングミステリー&ホラー部門奨励賞を受賞してプロ作家デビューしました。当初は「氷菓」をはじめとする「〈古典部〉シリーズ」や、「春期限定いちごタルト事件」をはじめとする「〈小市民〉シリーズ」といったラノベテイストの青春ミステリと呼ばれるジャンルにおいて、「日常の謎」を扱った作品を主に発表していました。

小説版氷菓 

 その後、2010年発表のファンタジーテイストを取り入れた本格推理小説「折れた竜骨」で日本推理作家協会賞を受賞し、2014年には短篇集「満願」で第27回山本周五郎賞を受賞しました。直木賞候補には2度なっていますが、まだ受賞は果たしていません。

折れた竜骨 

 「〈古典部〉シリーズ」は、2012年に「氷菓」というタイトルで京都アニメーション制作により2クールにわたってアニメ化され、人気を博しました。これによって米澤穂信の名は私などアニメファンにも知れ渡るようになりました。「氷菓」はぜひ続きも見たいんでよろしくお願いします。

満願 

 「春期限定いちごタルト事件」は、2004年12月24日に創元推理文庫から刊行されました。先述のとおり「〈小市民〉シリーズ」の第一弾です。例によって文庫版裏表紙の内容紹介です。

アニメ版氷菓 

 小鳩君と小佐内さんは、恋愛関係にも依存関係にもないが互恵関係にある高校一年生。きょうも二人は手に手を取って清く慎ましい小市民を目指す。それなのに、二人の前には頻繁に謎が現れる。名探偵面などして目立ちたくないのに、なぜか謎を解く必要に迫られてしまう小鳩君は、果たしてあの小市民の星を掴み取ることができるのか?新鋭が放つライトな探偵物語、文庫書き下ろし。 

 高校合格

 そこそこの難関公立校である船戸高校に合格した小鳩常悟朗と小佐内ゆき。中学で知り合った二人はよく一緒にいますが、恋人同士という訳ではなく、共に小市民たらんとして相互互恵関係を結んでいます。

小市民 

 小鳩常悟朗は頭の回転が良くて問題事を推理したがる性格でしたが、中学時代にそのせいで苦い経験をし、もうしゃしゃり出ずに静かに暮らしたいと願うようになりました。小佐内ゆきは、恨みに対して執念深く復讐するという厄介なタイプだったようで、詳細は不明ながらやはり中学時代にそれを封印することを決意して小市民たらんと願うようになりました。そんな二人が小市民生活のために互いを利用し合い、庇い合うつもりでしたが、平凡かつ平和な高校生活を求めながらも日常の中で発生する事件の謎についつい挑んでしまう様子が描かれています。

狐と狼 

 本作は5編の短編(+プロローグとエピローグ)からなる連作短編で、高校合格直後から中間試験終了後まで、すなわち一年生の一学期半ばまでの出来事が綴られています。終始語り手は小鳩常悟朗で、小佐内ゆきの内心についてはブラックボックス状態となっています。

赤いポシェット 

 「羊の着ぐるみ」は女子生徒のポシェットを探す話。探偵はやめたんじゃないのかとツッコミたくなりますが、小鳩の小学校時代の同級生で、高校でまた一緒になった堂島健吾に頼まれたのでした。堂島は小生意気に事件に嘴を挟みまくっていた小鳩を知っており、嫌な奴だと思いながらもその推理力を認めていましたが、高校で再会した小鳩については、腹に一物を抱えて性質が悪くなったと否定的に見ています。小鳩の方は小市民でいたいだけなんですが、全く小市民とはかけ離れていた過去を知られているのは彼にとって困ったことですね。小鳩と小佐内ゆきは一緒に探していた男子生徒の奇妙な行動からあっさり真相を見抜きますが、小市民らしくそれは伏せておきました。

いちごタルト 

 「For your eyes only」は新聞部に入った堂島がもってきた奇妙な話でした。美術部の卒業生が2年前に書いた絵の謎を解くというものですが、絵のタイトルを聞いたらそれがなんなのかあっさり判明してしまいます。ただ、推理した結果が中学時代同様、感謝される形ではなかったことから、やはり小市民で行こうと決意を新たにするという。その傍らで、小佐内ゆきは、あまり偏差値が高くないらしい水上高校のサカガミという不良性とに、春期限定いちごタルトを籠に入れたままの自転車を盗まれてしまいます。

小佐内ゆきの自転車 

 「おいしいココアの作り方」は美術部の謎を解いた例と言うことで堂島の家に招かれた小鳩と小佐内ゆきが美味しいココアをご馳走になる話。それだけでは全然謎ではありませんが、堂島の姉・千里が乾いたままのシンクを見て、三つのカップだけでどうやってココアを作ったのか首を捻っているのを見て、その謎を解くことになります。堂島の作り方は、ココアの粉を少量のホットミルクで溶いてペースト状にしてから新たにホットミルクを注ぐことで粉っぽさを解消するというもので、カップの他にホットミルクの容器が必要なのですが…。謎が解けると非常にしょうもなかった(笑)。そもそも堂島は謎を仕掛けているわけでもなかったし。

バンホーテンココア 

 「はらふくるるわざ」。中間試験中、最後の科目「理科Ⅰ」のテスト中、小佐内ゆきのクラスでは突如栄養ドリンクの瓶が落下して割れるというハプニングがありました。そのせいで回答をど忘れしたとお冠のゆきは、暗に小鳩に謎を推理するよう迫りますが、小鳩は推理しつつも、それは小市民としての生き方に反するとしてわざとすっとぼけます。約束違反になるのではっきり推理を依頼できないゆきはケーキバイキングでウサをはらします。確かに言いたいことを言えないのははらふくるるわざですね。

ケーキバイキング 

 「孤狼の心」は、「For your eyes only」でサカガミに盗まれたゆきの自転車を発見する話ですが、なんとぞんざいに扱われた上に車に轢かれて無残な様に。何にも悪いことをしていないのにと怒り心頭のゆきは、過去の「狼」だった頃の自分に戻って復讐を企図します。なんとか止めようとする小鳩でしたが…。ちっちゃくて人見知りでおどおどした小動物系の女の子…のように見えるゆきでしたが、それは小市民たらんとして作られた仮初めの姿だったんですね。小鳩に言わせれば自分が狐ならゆきは狼なんだとか。おっかないなあゆき。そしてどうして狼をやめようと思ったのか知りたいですね。推理物としては一番本格的で、復讐を果たしつつ謎も解いて社会正義も守るという言うことなしの結果なのですが、結果やはり小市民たらんと改めて誓う小鳩とゆき。

やる気のかけらもない折木奉太郎 

 「氷菓」の主人公で探偵役の折木奉太郎も「やらなくてもいいことなら、やらない。やらなければいけないことなら手短に。」をモットーとする省エネ主義者で、やる気をみせないキャラでしたが、彼もそうなるにあたっては過去に何かあったんでしょうね。アニメでは描かれていなかったけど。

好きな声優さん第5期(その7):安済知佳~ショートカットが似合う麗人声優


 いやあ梅雨明け前というのにアツゥイ!ですね。夏季アニメも続々と開始されていますが、リアル明里パパンが「アホガール」を勧めてきました。リアル明里ちゃんも見ているならば見ずばなるまいと第一話を見たのですが…ヒロインの花畑よしこは想像の斜め上を行くとてつもないアホでした。

容赦なくジャーマン 

 その特大のアホを早大卒のインテリ声優悠木碧が演じています。相方(ツッコミ)の阿久津明は杉田智和。杉田は悠木碧を「こども先生」と呼び、天敵的存在だとしていますが、そのせいかツッコミのキレが凄まじい気がします。まあ本当に仲が悪いわけではないと思いますが、もしはお気に入り声優のやみんが演じていたとしたら同様のツッコミが入れられるかどうか。見かけは可愛い女の子にもの凄い暴力を振るっていますが、よしこは特大のアホだからしょうが無いかなと思ってしまいます。

安済知佳その1 

 本日は一ヶ月にぶりに「好きな声優さん」です。今回は「クズの本懐」でちょいエロ演技とともにその声質が好きになった安済知佳を紹介します。

安済知佳その2 

 安済知佳は1990年12月22日生まれで福井県出身。小学5年生の頃に声優の存在を知り、中学生の時にエイベックス・アーティストアカデミーに応募し入所しました。当初は福井県から東京まで通っていましたが、15歳で単身上京し、籍を置いている福井県の高校に通うため月に1度福井に帰郷するという生活を送っていました。月イチの通学で大丈夫だったんでしょうかね?

御子神ナギサ 

 2009年、テレビアニメ「あにゃまる探偵 キルミンずぅ」のメインキャラクター、御子神ナギサ役でデビューしました。2014年には、テレビアニメ「棺姫のチャイカ」のチャイカ・トラバント役で初主演しています。しかしどちらも見てないんですよね…

チャイカ・トラバント 

 趣味はショッピングと散歩、ゲーム攻略本の熟読だそうで、特技はブラインドタッチとサスペンスの犯人当て、跳び箱のネックスプリング(首跳ね飛び)。福井出身ということで「ちはやふる」では、主要登場人物で福井出身の綿谷新の幼馴染・由宇を演じた他、福井弁の方言指導を担当しました。2013年の「ちはやふる2」及び2016年の実写映画版でも方言指導を務めているという。

クズの女子会 

 安済知佳が井澤詩織と一緒にやっていた「クズの本懐」の番宣ラジオ「クズの女子会」は、内容が大変面白かっただけでなく、声質の素晴らしさを見せつけてくれたなあと思います。そのわりに、私が視聴した役は結構やさぐれていたり、ひねたような声での演技が多く、彼女の魅力に気付かなかったんですが、読めなかった、このリハクの目をもってしても!!

海辺ナナコ 

 それでは私が知っている安済知佳の演じたキャラです。例によっておおむね年代の古い順です。まずは「生徒会役員共」の海辺ナナコ。

海辺ナナコその2 

 三葉ムツミが部長を務める柔道部の部員で、手首を捻挫してドクターストップしたことにより、聖地会長の天草シノが代理で練習試合に出場することになっていました。またインターハイ出場に際しての壮行会では挨拶を担当しましたが、緊張のあまり噛みまくっていました。

由有 

 次に先に話題にした「ちはやふる」の由宇。なんと姓は不明。綿谷新の隣家の女の子で、幼馴染です。千早が見かけはやたら都会的美人なのに対し、いかにも純朴な田舎娘的風貌です。

由宇その2 

 千早に競技カルタを教えた新がカルタを辞めたと聞いて福井まで駆けつけた千早と太一にその理由を説明しました。家が隣で同じ高校(藤岡東高校)に通っていてクラスも一緒。まるで福井の藤崎詩織ですが、この子はいつも一緒に帰ってくれそうです。なお安済知佳は太一の彼女ほか多数の脇役を受け持っています。

高坂麗奈 

 「響け!ユーフォニアム」の高坂麗奈。やっと来た主要にして美人キャラです。担当はトランペットで、パパンがプロの音楽家ということもあって、それに触発されて幼少時からトランペットを吹いていたので部では一番のトランペッターです。同時に一番の美少女かも。

高坂麗奈その2 

 主人公の黄前久美子とは同じ中学で同じく吹奏楽部に所属していましたが、コンクールでダメ金をとった時には悔しさで落涙していた麗奈に、余計な一言を言ったために溝ができていました。高校では一気に親しくなって、もはや百合を疑うレベルに達しています。

百合っぽい二人 

 といっても麗奈ノンケで、吹奏楽部顧問の滝昇を敬っており、滝が赴任するのを知ったことをきっかけに名門校の推薦を蹴って北宇治高校へ入学したほどを選ぶほど愛しています。

レイプ目になった麗奈 

 コンクールを前にした合宿で、滝の大学時代の友人であるフルーティストの新山聡美が指導に来た時は、二人の仲の良さを目の当たりにしてレイプ目になっていました。

中世古香織 
斎藤葵 

 クール美人の見た目とは裏腹に性格には激しい部分があり、喜怒哀楽がかなりはっきりしていてラテン的気質かも。どうでもいい話ですが、お付き合いするなら中世古香織か斎藤葵あたりがお勧めです。はやみんが演じた部長の小笠原晴香はルックスがちょっと残念なので…

千種明日葉その1 

 「クオリディアコード」の千草明日葉。千葉都市の首席でランキングはダントツ1位の天河舞姫に次ぐ2位。兄で次席の霞に作戦立案や出撃準備を丸投げしており、自分は寝転びながら漫画を読んでいることが多いというぐうたらぶりを見せています。

二丁拳銃の明日葉 

 普段は言動がけだるげですが、戦場においては二丁拳銃で縦横無尽に駆け回るトリガーハッピーになります。〈世界〉と呼ばれる特殊能力は物質の運動制御で、銃撃との相性が良く、物体を制止させる形で多用しています。

明日葉と霞 

 霞に対しては普段はぞんざいな扱いをしていますが、本心では大切に思っており、霞を殺害しようとした大國真昼には怒りと殺意を向け、遺体の欠片も残さず焼き尽くしました。

怒りの明日葉 

 ママンは人類軍(「よはねす軍」に改称させられていますが)総司令の千草夜羽。ちなみに「よはねす」は夜羽の仇名です。別れた時が幼かったため、夜羽のことはをほとんど覚えておらず、再会した際には接し方に戸惑っていましたが、夜羽の負傷を契機に自分の母であることを実感していました。

夜羽と明日葉 

 最終決戦では人類を裏切った八重垣青生と交戦。<世界>が使えない状態にされて圧倒されますが、最終的に絞め落として勝利しました。安済知佳にも兄がいて、結構兄ラブなんだそうなので、ぴったりの配役かも知れません。

安楽岡花火 

 「クズの本懐」の安楽岡花火。主人公なんですが、タイトルの「クズ」とは実はクソビッチ先生こと皆川茜だったんではないかと思います。本懐遂げてたし。高校2年で成績優秀で特進クラスに属しています。ひたむきで家庭的な性格。

麦と花火 

 母子家庭で、鐘井鳴海を幼いころからお兄ちゃんと慕っていました。教師として花火の学校に赴任し、しかも担任になって超ラッキーだったんですが、鳴海は茜に恋心を抱き、距離を縮めて行きます。花火は、昔から茜が好きだった粟屋麦と互いに似たところがあるのを感じ、お互いを好きにならないこと、どちらかの恋が実ったら別れること、そしてお互いの身体的な欲求にはどんなときでも受け入れることを条件に付き合っている振りをすることになります。

喘ぐ花火 

 麦とのカップルは周囲から「お似合い」と思われる美男美女同士で、しかも絵鳩早苗からは真剣な百合愛を寄せられています。一見爆発すべきリア充なんですが、本人的には唯一欲しい鳴海が手に入らないという。

花火百合シーン 

 “お互いの身体的な欲求にはどんなときでも受け入れる”という条件の流れで、麦とはいわゆるウッフンシーンが多く、また早苗とも百合シーンが続出。喘ぎまくる花火の声は花澤香菜に似ていたともっぱらの評判でした。確かに声質は似ているけど、ざーさん(と事務所)がこういう役を受けるとはちょっと思えなかったので、最初から違うと思っていましたよ。

勝者と敗者 

 この役を演じるにあたっては、心に期するものがあったと思いますが、演技力の高さをしっかりと見せてくれたと思います。モノローグが非常に多い花火でしたが、その声がとっても綺麗で。

桜と花火 

 色々あった挙げ句、最後は“本物”を探して生きて行こうと決意した花火。なんだかんだ言ってもB止まりだったのでまだ処女。「処女のお通りだよ!!」(by日笠陽子)

緑川真希 

 最後にまだ放送中ですが「サクラクエスト」の緑川真希。東京では小劇団に所属し、2時間ドラマ「おでん探偵気休め事件簿」に脇役で出演したりしていました。しかし芽が出ず、故郷である間野山に戻ってきました。

ログハウスで暮らす真希 

 大学を辞めて芝居の道に進んだことから父と不和で、実家には戻らずログハウスで寝起きしています。間野山では「おでん探偵」としてそこそこ有名ですが、言われるのは好みません(そりゃそうだ)。売れない女優だったせいで数々のバイトを経験しており、裁縫からテントの組み立てまで一通りこなします。そのため町おこしガーズルの中では「ガテン大臣」に任命されます。

由乃と真希 

 当初はかなり斜に構えていましたが、他の4人もそうですが、町おこしに奮闘する間に次第に変わっていきます。後輩女優の澤野萌からはカムバックを期待されていますが、今後どうすることやら。町おこしガールズの活動は、国王である小春由乃の在任期間のみと思われるので、その後は女優に復帰するかも知れませんね。

安済知佳その3

 けだるげ、やさぐれ系女子を演じる機会が多いような気がする安済知佳ですが、地声は花澤香菜系の綺麗な声なので、ぜひ生粋の清純系の役なんかもやって欲しいです。

クズの本懐の脚本を持つ安済知佳 

氷平線:愛しの北海道の“暗黒面”

七夕といえば天の川

 昨日は七夕で、例年梅雨の真っ最中で天気が良くないのですが、今年はわりと良かったような。願うならば、九州の豪雨を半分なりと引き受けたいところなんですが。

氷平線 

 本日は桜木紫乃の「氷平線」を紹介しましょう。桜木紫乃の作品は今回初めて読みましたので、令によって著者紹介からです。

桜木紫乃 

 桜木紫乃は1965年4月19日生まれで北海道釧路市出身。現在は札幌市に隣接する江別市に在住です。中学生の頃に文学に目覚め、高校卒業後に裁判所でタイピストをしていましたが24歳で結婚退職し、専業主婦になりました。2児出産後に小説を書き始め、2002年に本書収録の「雪虫」で第82回オール讀物新人賞を受賞しました。

ラブレス 

 水平線ならぬ「氷平線」は2007年の短編集で、単行本デビュー作でもあります。2013年に「ラブレス」で第19回島清恋愛文学賞、そして「ホテルローヤル」で第149回直木三十五賞を受賞しました。ちなみにホテルローヤルは父の開業したラブホテルの名前だそうです。

ホテルローヤル 

 ゴールデンボンバーだそうで、直木賞受賞の記者会見ではメンバーの鬼龍院翔が愛用しているタミヤロゴ入りTシャツを着用したそうで、後にラジオ「鬼龍院翔のオールナイトニッポン」で鬼龍院翔と初対面も果たしたそうです。

鬼龍院翔と桜木紫乃 

 作品のほとんどが北海道、特に釧路市近辺を舞台としているということで、直木賞受賞を機に2013年9月25日、釧路市観光大使に任命されています。「新官能派」のキャッチコピーでデビューした、性愛文学の代表的な作家ですが、描写は過激ではなく、人間の本能的な行為としての悲哀に満ちた描き方をしています。

単行本氷平線 

 「氷平線」は2007年11月に文藝春秋から刊行され、2012年4月10日に文春文庫から文庫版が刊行されました。「雪虫が」が2002年の作品なのに単行本が5年も後になって刊行されているのは、文庫版解説によると寡作だった訳ではなく、書いても書いても雑誌に掲載されないという不遇の時代があったからだそうです。本書では冒頭の「雪虫」と「海に帰る」以外は描き下ろしとなっています。それでは例によって文庫版裏表紙の内容紹介です。

氷平線の彼方 

 真っ白に海が凍るオホーツク沿岸の町で、静かに再会した男と女の凄冽な愛を描いた表題作、酪農の地を継ぐ者たちの悲しみと希望を牧草匂う交歓の裏に映し出した、オール讀物新人賞受賞作「雪虫」ほか、珠玉の全六編を収録。北の大地に生きる人々の哀歓を圧倒的な迫力で描き出した、著者渾身のデビュー作品集。

札幌大通公園周辺 

 北海道といえば私も2年ほど暮らしまして、すっかり北海道ラブで、札幌ロスに今も尚苦しんでいるところなんですが、桜木紫乃の描いた北海道は、私が見てきたライトサイドとは全く異なるダークサイドです。まあ札幌の集合住宅に短期間住んだリーマン風情には判らない深層を、北海道が秘めているのは当然でしょう。

十勝平野 

 「雪虫」。日高山脈の東の十勝平野の牧場から札幌に出てきて不動産会社を始めた達郎は、高校のクラスメイトだった四季子と深い仲になっていましたが、弟の死により実家を継ぐために四季子が十勝に戻って結婚し、その二年後、達郎もバブルが弾けた影響で破産し、すごすごと実家に戻ったのでした。婿を迎えて人妻となり子供を産んだ四季子ですが、戻ってきた達郎とはまた関係が再会され、要するに不倫関係を続けていましたが、いつまでも結婚しない達郎に業を煮やしたパパンは、女衒と契約してフィリピンからじゃぱゆきさんを迎えます。

根室明治公園のサイロ 

 まるで中学生のようなマリーはろくに日本語も話せず、コミュニケーション不全のままの達郎は再び四季子との不倫関係を再開しますが…。そもそも勝手に嫁取りを進めるなとはねつければいいようなものですが、尾羽打ち枯らしてすごすごと実家に戻った達郎にでかい態度が取れるはずも無く。しかし平成の世になっても女衒とかいるんですね。300万円で買われたマリーが可哀想ですが、まあなんとか関係が深まりそうな希望が生まれたところで終了します。それにしても入り婿とはいえ、四季子の夫がよく黙っているなあと思います。そのうち包丁持ってやって来そう。エッチ描写もありますが、牧草の匂うに満ちていて、不倫なのに官能的というより健康的です。

釧路の霧 

 「霧繭」。釧路の和裁師真紀は、38歳にして師匠である千代野の後継者となります。病に倒れた千代野は、最後の弟子であるやよいを真紀に託します。自分がそうして貰ったように、やよいを一人前にしなければと思う真紀ですが、感情表現が下手同士でぎくしゃくしがちな日々。真紀は釧路の呉服屋「かのこ屋」専属となりましたが、実はかのこ屋の顧客部長山本と関係を持っています。しかし山本はかのこ屋の女将ともつきあっていた過去があり、なおも切れていない様子。仕事と恋と、どっちを選ぶのか?

和裁士 

 仕事をする女性は素敵だなあと思います。特に一流の腕を持っていて充分に自活できる人であればなおさら。あなたに男なんていりませんよと言ってしまっては失礼になるでしょうか。でも和裁にひたむきな真紀は本書で一番素敵に見えます。

牧草を刈る 

 「夏の稜線」。東京から十勝平野の牧場農業実習にやってきた京子は、そのまま牧場に嫁ぎましたが、楽しく過ごしたのは最初の一年だけ。あとは姑のタキやそのいいなりの夫に悩まされる日々を送っています。テンプレな嫁姑問題ではありますが、東京から来た京子は近隣の集落の人々ともうまく打ち解けられていません。いつも「東京者は…」という目で見られ、プライバシーもなにもない生活です。

牧場はのどかだが 

 最初の子が女児だったこともあり、男を産め産めという農家特有の攻撃を受け続ける京子。しかしある日ふと気付きます。東京には実家があることを。本作では京子だけが生粋の北海道人ではない主人公ですが、娘と逃げるのも無理はないかなあと思います。別に北海道の姑がタキみたいなのばかりではないのでしょうけど、一見広大で清々しさすら感じる牧場生活も、一皮剥けばいろいろあるんですねえ。イメージだけで憧れるとえらい目に遭うかも。

釧路市 

 「海に帰る」。師匠の後を継いで釧路で理髪店を始めた圭介。出だしは「霧繭」の真紀みたいですが、圭介はまだ25歳。趣味はコーヒーを入れることと商売物の剃刀や鋏を研ぐことという、極めてエコノミーな若者です。独立開業後、初めての客は水商売の絹子でした。圭介の腕と若さに惹かれたか、頻繁にやってくる絹子と圭介はすぐにわりない仲になりますが…

理容師 

 圭介は若いだけに7歳も年上の絹子の身体に溺れていき、絹子が来ない夜は悶々とするようになっていきますが、絹子も「夜の女」としての生活があり、さらにはどうやら夫がいるようでもあります。美しい年上の女性に翻弄されるというのはある意味男の一つの夢ではありますが…一言だけ言わせて貰えばなぜ避妊しないのだ圭介(笑)。なおラブホテルを開業する前、桜木紫乃の実家は理容室だったそうです。だから理容室の描写はお手の物なのか。

女性歯科医 

 「水の棺」。釧路の歯科医院に勤める良子は35歳。30歳の時に院長の西出にスカウトされ、あれよあれよという間に抱かれて愛人のような関係に。同僚というか部下の形の衛生士達は良子のことをすっかり院長の情婦だと思っています。5年経っても結婚という動きもないまま、閉塞状態の良子は、オホーツクの町で歯医者を募集していることを知り、これまでの関係を清算しようとこれに応募して独立していきます。

冬の摩周湖 

 西出医院は保健のきかない高額治療をしきりに勧める歯医者でしたが、オホーツクでは可能な限り保険診療に努める良子。その良心的な姿勢のせいで人気も上々、患者も良く来て魚介類を差し入れられたりします。そんなある日、連絡もなくやって来た西出は、不健康に痩せていましたが、関係を再燃させることもなく去って行きました。直後、西出が脳梗塞で倒れたという知らせが。高額診療が攻撃され、悪評から火の車になった西出医院は廃業を余儀なくされますが、良子は西出を伴ってオホーツクに向かいます。歯科医院経営にギラギラしていた西出ですが、元愛人にして部下だった女性に養われることをよしとするんでしょうかね?

岩見沢駅 

 「氷平線」。海は通常水平線が見えるわけですが、冬のオホーツク海は流氷が押し寄せるので、水平成ではなく氷平線が見えるのです。貧しい上に人望がない飲んだくれの漁師の息子だった誠一郎は、独学で東大に合格し、卒業後は財務省勤務に。無論キャリア官僚でしょう。数年後、岩見沢の税務署長となった誠一郎は、故郷に錦を飾るわけですが、彼には高校生時代、関係を持った友江という年上を女性がいました。友江は中学生時代に祖父に引き取られてやって来ましたが、そのまま客を取らされるようになり、ずっと売春をやっていると噂をされていました。

さいはての凍土 

 その噂は真実でしたが、再び友江と関係を持った誠一郎は、友江を伴って岩見沢に帰ります。友江と結婚しようと考える誠一郎ですが、愚かな父親は息子が税務署長なのを悪用して脱税指南するとか行って詐欺行為を行っていることが判明。このままでは誠一郎の将来が危ういというところで、姿を消す友江。そして故郷では実家が焼失して遺体が二つ出たという知らせが。うーん、せっかく努力をして出世したのだからここまで悲しい話にしなくてもという気になるのですが…どうも北海道はハッピーエンドよりバッドエンドが似合ってしまうような。一番救いのない話になっています。

釧路ロイヤルイン 

 なお直木賞受賞作「ホテルローヤル」で思い出しましたが、私は釧路に行くたびに泊まっていたのは駅前の「釧路ロイヤルイン」。もちろんラブホテルではなくビジネスホテルですが、とにかく朝食が豪華でした。ついついお腹いっぱいになるまで食べてしまうのでした。

釧路ロイヤルインの朝食 

大江戸科学捜査 八丁堀のおゆう:女性版「大江戸神仙伝」

福岡で豪雨

 7月に入ったばかりだというのにもう台風の洗礼。空梅雨気味だったところに一気に雨が降りましたが、何事もほどほどというのがいいんですけどね。今日になっても豪雨の福岡や大分では大雨特別警報が出ています。はげしかれとはいのらぬもの。

大江戸科学捜査 八丁堀のおゆう

 本日は山本巧次の「大江戸科学捜査 八丁堀のおゆう」を紹介しましょう。山本巧次の作品は初めて読みましたので、例によって作者紹介から。

 第13回このミス大賞

 山本巧次は1960年生まれで和歌山県出身。中央大学法学部出身で、鉄道会社に勤務。2014年、宝島社の第13回「このミステリーがすごい!」大賞に応募した「八丁堀ミストレス」が最終候補作に残り、大賞は逃したものの、編集部が「賞をとれなくても作品にしたい」という原稿に与える「隠し玉」という宝島社賞(編集部推薦賞)に選ばれました。

チーム・バチスタの栄光 

 「このミステリーがすごい!」大賞は、2002年に宝島社、NEC、メモリーテックの3社が創設したノベルス・コンテストで、大賞に1200万円が、優秀賞に200万円が贈呈されるという金額ではかなり高額な新人文学賞です。「エンターテイメントを第一義の目的とした広義のミステリー」を大賞としており、私が読んだ作品としては海棠尊「チーム・バチスタの栄光」(第4回大賞)、七尾与史「死亡フラグが立ちました」(第8回隠し玉)があります。また「組織犯罪対策課 八神瑛子」シリーズを読んだ深町秋生も「果てしなき渇き」で第3回大賞を受賞しています。なお第13回の大賞は降田天の「女王はかえらない」でした。

死亡フラグが立ちました! 

 「八丁堀ミストレス」は加筆修正後、2015年8月20日に「大江戸科学捜査 八丁堀のおゆう」と改題して宝島社文庫より刊行されました。選考委員からは面白さを前選考委員から評価されながらも、話の展開がシリーズ化にふさわしいから、隠し玉として売れ線を狙った方がよいと判断され、“全会一致で隠し玉に決定された”たということですが…別にシリーズ化にふさわしくったって大賞貰ってもいいんじゃないですかね?

女王はかえらない 

 ただしシリーズ化にふさわしいという選考委員の評価は間違いではなく、既に「大江戸科学捜査 八丁堀のおゆう」シリーズは「両国橋の御落胤」「千両富くじ根津の夢」と既に3作が刊行されています。それでは例によって文庫版裏表紙の内容紹介です。

薬種問屋 

 江戸の両国橋近くに住むおゆうは、老舗の薬種問屋から殺された息子の汚名をそそいでほしいと依頼を受け、同心の伝三郎とともに調査に乗り出す…が彼女の正体はアラサー元OL・関口優佳。家の扉をくぐって江戸と現代で二重生活を送っていたのだ―。優佳は現代科学を駆使し謎を解いていくが、いかにして江戸の人間に真実を伝えるのか…。ふたつの時代を行き来しながら事件の真相に迫る! 

化政文化その1

 ミステリー好きで、そのせか友人達からは女子力が低いと評されてきた関口優佳は、祖母の死に際して秘密を打ち明けられます。何と馬喰町にある祖母の家は、およそ200年前の江戸に繋がっているというのです。祖母はちょくちょく江戸に出かけていたそうです。ぱっとしないOLにも倦んでいた優佳は祖母の家を相続し、OL生活に別れを告げて東京と江戸の二重生活に入ります。

 化政期の文化人

 江戸ではちょうど文政年間。1818~30年というところです。その前の文化年間(1804~18)と合わせて文化文政時代と呼ばれます。江戸を中心に町人文化が発展(化政文化)し、一般に現代に知られる江戸期の町人文化の全盛期にあたります。

大江戸神仙伝 

 私が好きな石川英輔の「大江戸神仙伝」シリーズも、文政5年にタイムスリップする男の話でした。この時代が選ばれるというのも、寛政の改革(1787年)と天保の改革(1841年)の狹間にあって町人文化の最盛期であり、現代に通じる江戸時代のイメージがこの頃に確立したからだろうと思われます。ペリーの来航(1853年)以降は幕末となって騒がしくなりますが、ロシアのレザノフが来たりフェートン号事件が起きたり、無二念打払令が出されたりしているものの、化政期は全般的に平和な時代だったと思われます。第11代将軍家斉が隠居後も大御所として実権を握り、幕府自体は構造疲労が本格化していますが、まだまだ権威は充分でした。

定廻り同心 

 江戸の方から見ると、ちょっと前まで年配の女性が住んでいた気がする仕舞屋に若い女が住みだしたけど、顔が似ているから娘なんだろうという認識で、謎の女には違いないのですが特に悪さをするでも騒ぐでもないので放任されているという。このあたり、「大江戸神仙伝」の受け売りによると江戸は人別帳(宗門人別帳)がかなりしっかりしているはずなので、身請け人がいないと色々厳しいんじゃないかという気もしますが…。

銭形平次は岡っ引き 

 で江戸で「おゆう」になった優佳、元来ミステリー好きなもので八丁堀の定廻り同心・鵜飼伝三郎の捜査に首を突っ込み、なんやかやと役に立ったことで知遇を得ています。今回は鵜飼伝三郎の方から紹介されたということで、薬種問屋藤屋が殺された息子・久之助の汚名をそそいで欲しいと依頼してきました。

南町奉行所跡 

 ちょうどその頃、江戸では薬効がほとんどない偽薬が安く出回っており、南町奉行所の見立てでは久之助が家の薬を横流ししていたのではないかということになっていました。鵜飼伝三郎はこの見立てに反対でしたが、何しろ上司の見立てなのであからさまに反対できず、おゆうに調べさせようという魂胆でした。

ピル 

 いいように使われておかんむりのおゆうですが、実は男前で妻を亡くしている伝三郎には惹かれていて、いつ男女の関係になってもいいと思っていたりしています。避妊のため予めピルも飲んでいる用意周到さ。ということで伝三郎を助け、同時にポイントも稼ごうと捜査に加わります。

両国橋 

 で、このおゆう、完全に江戸暮らしをしている訳ではなく、折々東京にも戻って優佳になっています。東京には高校時代の同級生で理系の分析オタク宇田川がいて、優佳は江戸時代から持ち帰った様々な証拠物件を宇田川に分析・鑑定させて(しかも只で)、その結果を聞いています。現代科学で事件の詳細をつかんでいく訳ですが、それをそのまま江戸の人間に伝えても理解して貰えません。ではどうやって伝三郎達同心や岡っ引き達に捜査の方向性を示唆していくかが、おゆうの腕の見せ所ということにもなります。

スタンガン 

 宇田川をこき使う(ただし宇田川も面白い素材を持ち込んでくる優佳を心待ちにしている模様)一方、おゆうも現代の物品をこっそり持ち込んで捜査に役立てています。スタンガン、双眼鏡、盗聴器、ルミノール試薬…もちろん見つからないように注意を払わなければなりませんし、「床下に潜り込んだ」とか「ちょっとした手妻(手品)だ」とやや苦しい言い訳もするので、くのいちばりに身体を張った捜査をしているのかと伝三郎を不安にさせたりもしています。

ルミノール試薬 

 当初は久之助殺害犯の究明でしたが、容疑者と思われるならず者達が一気に毒殺されたり、事件は二転三転していきます。その結果、事件の全貌は某藩や幕閣中枢にも及びそうな気配が出てきます。事件の解決を目指す傍ら、伝三郎の誘惑にも余念が無いおゆう。江戸では周囲から22、3歳とみられていますが、実際はアラサー。しかも結構性欲が強いらしく、張り込みしながら自慰をしかける始末(おいおい)。なので伝三郎を押し倒しかねない勢いなのですが、いつもいいところで邪魔が入ったり伝三郎が気を変えてしまいます。

懐中電灯 

 実は伝三郎にも秘密があって、なんとこの人も時間遡行者で、実は終戦時に見習い士官だったのが、なぜか江戸時代にタイムスリップしていたという。「大江戸神仙伝」でも現代と江戸時代を意識的に往復することができる転時能力者が他にもいましたっけ。でもおゆうの場合は祖母の自宅がタイムトンネル状態なので、誰でもそこを通れば江戸と東京を自由に行き来出来てしまいます。留守中に誰から迷い込んだりしないものか。

盗聴器 

 「大江戸神仙伝」シリーズを書いた石川英輔は、リアルな江戸社会の描写のために江戸時代を研究し、それが嵩じて江戸時代の生活事情を研究したノンフィクションも刊行するまでになり、堂々たる江戸文化研究者になっていますが、本作の作者の時代考証とかはかなりいい加減です。ま、ラノベと思えば許せますけど。

日本橋 

 いいように便利使いしていたはずの宇田川には江戸時代に行っていることがばれ、伝三郎には自分のように未来から来た女なのではないかと疑惑を持たれているおゆうですが、自分が何かをすることで歴史を変えてしまうのではないかと恐れていたところ、宇田川にお前が江戸に行って色々した結果が現代に繋がっているのではないかと言われ、俄然やる気になってきています。というところでシリーズ化するんですね。江戸の伝三郎、東京の宇田川とそれぞれの時代でラブロマンスを展開ということでもいいんじゃないかと思いますが…それじゃあますます「大江戸神仙伝」だ。

深川万年橋 

 ところでおゆう=優佳、仕事を辞めてどうやって生活しているんでしょうか。祖母の家を継承しても金目のものはなかったろうに。今回謝礼として80両からゲットしたので江戸での暮らしは心配ないですが、東京にも持っていって換金するんでしょうかね。

小判ざくざく 

2017年春季アニメの感想(その2):エロマンガ先生/正解するカド/ソード・オラトリオ/「すかすか」

リング上でアツゥイ!

 本日は久々に30度を超えて真夏日到来。あえて言おう「アツゥイ!」であると。明日はもっと暑いらしいのですが、その後はまた梅雨空に戻る予報が。まあ関東地方ではまだまだ梅雨明けには早いですよね。

エロマンガ先生感想 

 本日は2017年春季アニメの感想の二回目です。三回に分けようかとも思ったのですが、既に夏季アニメも始まっているので一気に終わらせましょう。まずは今季一番人気との呼び声も高い「エロマンガ先生」。

和泉正宗 

 「俺の妹がこんなに可愛いわけがない(俺妹)」に続き兄妹関係を軸とした物語ですが、両親は再婚同士で、父の連れ子である正宗と母の連れ子である紗霧ということなので、「みゆき」を彷彿とさせる義理の兄妹です。「俺妹」では実の兄妹で恋愛するという展開がありましたが、義理なら恋愛でもその先でも問題はないような。

和泉紗霧 

 「俺妹」や「みゆき」と違い正宗は平凡な男子高校生に留まらず、いっぱしのラノベ作家です。そうとは知らずにコンビを組んでいたイラストレーター「エロマンガ先生」が引きこもりの義妹・紗霧であったことに気付き、紗霧愛に満ち満ちた新作「世界で一番可愛い妹」をひっさげて、新進気鋭の作家用のプロジェクト「ラノベ天下一武闘会」に参加し、見事一位を獲得して文庫化に漕ぎ着けました。

正体がばれる紗霧 

 お互いのことが好きなのに、なぜか擦れ違う二人の気持ち。紗霧は引きこもりに加えてコミュ障の気があり、正宗もまた鈍感なのでこの二人の関係だけ見るとかなり鬱陶しいですが、周辺の人物(大半女の子)が加わることで面白さが出てきています。それにしても山田エルフ、千寿ムラマサなど中学生で売れっ子ラノベ作家がたくさんいるというのはスゴイ。将棋の藤井四段、卓球の張本智和など、現実世界にも驚異の中学生がいますが、天才中学生というのがトレンドなんでしょうか。

山田エルフ大先生 
中二病のエルフ先生 
水着のエルフ先生 

 私のお気に入りは山田エルフ大先生。ぶりぶりのロリータファッションで固めたお金持ちで、著作が売れているせいで金があるのかと思っていましたが、実家が大富豪でした。当初はわがままでさぼり魔であることが強調されていてあまり好きではありませんでしたが、正宗に対し好意を抱き、真名(エミリー)を教えたり、料理の腕を披露したりと率直なモーションかけぶりで一気に好きになりました。

エルフ役の高橋未奈美 

 CVは声優界の「たかみな」こと高橋未奈美。「杉田智和のアニゲラ!ディドゥーーン」にゲスト出演した回(2013年11月14日)のテンションの高さや杉田智和からいじられまくる際のリアクションぶり(「やめろやめろ!」「ヘイヘーイ!」など)が非常に面白く、いつか好きな声優さんで取り上げたいと思っていましたが、ようなく演じたキャラも充実してきたので近日紹介できそうです。

ほぼ変質者の紗霧 

 紗霧がなぜ不登校で引きこもりになったのか、再婚したはずの両親はどこに行ったのかなどは謎のままですが、「俺妹」で知られる人気ラノベ作家伏見つかさ原作なので、確実に二期は制作されると思われるので、そこのでの展開に期待しましょう。原作は既刊9巻のところ、一期では3巻までしか使われていないので、即制作可能ではないかと。OPが「俺妹」と同じくClariS、EDが声優ユニットTrySailというのもキャッチーでした。

正解するカド感想 

 続いて後半の急展開に虎将仰天だった「正解するカド KADO:The Right Answer」。異世界ファーストコンタクトものとして始まり、40次元という超高次元世界の存在であるヤハクィザシュニナと外務省のタフネゴシエーター真道幸路朗による交渉という名のコミュニケーションや、もたらされたアイテムをめぐる日本と世界の葛藤といったものを描いていました。

カドのある風景 

 無料かつ無限の電力を供給する「ワム」、寝ないで行動できるようになる「サンサ」、異方(本作では高次元世界をこう呼んでいる)の感覚を得られる「ナノミスハイン」といった、世界の構造を根本から変えてしまう力を持つ異方のアイテムにより変わっていく人類と世界…といったものを描こうとしているのかと思いきや、9話からまさかの急展開。

ホモドラマか 

 人類を異方に連れて行くことが本来の目的だったことを明かすヤハクィさんに対し、もう一人の異方存在・徭(つかい)沙羅花登場。この人、外務省の国際交渉官で、異方側交渉官となった真道幸路朗の相方となる日本側の交渉官であり、登場は早かったのですがただのツンデレ美人だと思っていました。しかし実はこの宇宙の管理者である異方存在で、おそらく地球に生命が誕生して以来この世界に入り込み、いろんな生物に転生し続けていた模様。それにしてはふ、伏線が足りなすぎるような。

魔法少女沙羅花 

 異方とこの宇宙を繋ぐ変換機構でもあるカドにより、高次元世界での能力をほぼ保ってやってきたヤハクィさんに対し、この世界に住むことを選択した沙羅花の方はこの世界へ来るにあたって高次元世界での能力の大半を失っており、ヤハクィさんにまともに対抗することは出来ませんでした。真道と沙羅かはヤハクィさんをなんとかしようと共闘することになりますが。

トキとアミバ 

 本来の目的を明らかにして以降のヤハクィさんは、見事にがっかり存在になってしまいました。例えるなら、8話までがトキだとすれば9話以降はアミバ。もはやヤハクィアミバと呼びたい。「ジャンプ」で「北斗の拳」の連載を読んでいた頃、前号までは明らかにトキだったはずなのに、アミバと判明するやいきなり目付きが怪しくなってトキと似ても似つかぬ姿になったのには笑いました。きっと作画の原哲夫も知らされていなかったに違いない。一説によると、本者のトキのはずだったのに、「伝承者候補をみんな悪役にするのもどうか。トキ良い人だしキャラ変えよう」というようなやり取りが原作者と編集者の間で交わされたとか。

 いい人だったトキ兄さん

 確かにケンシロウとユリアに核シェルターを譲ったエピソードなど、過去のトキはいい人としか思えないので、結果的に偽者で良かったと思うのですが、それにしてもシェルターのBBAめ…。

シェルターのババア 

 核戦争前は、兄であるラオウすら凌いで北斗神拳伝承が確実視されていたトキが被爆して伝承者を諦めましたが、どうみてもこのシェルター、まだまだ人が入れそうです。というかトキとケンシロウがガキを肩車でもすればいいんじゃ。

これくらいなら説得力があった 

 もしこのくらい混み合っていたら仕方がないですけどね(笑)。ヤハクィさんが男キャラだったせいで、真道をめぐる男と女の三角関係みたいになてしまいましたが、ヤハクィさんも女性キャラになっていたらまた違ったかも。真道はノンケみたいだし、沙羅花の色仕掛けにホモじゃ勝ち目はありませんよ。

真道散る 
 
 いや話がそれまくってしまいましたが、ヤハクィアミバさんの話に戻りましょう。真道&沙羅花コンビの暗躍に気付かないお気楽天然なヤハクィさんかと思いきや、実は全て読んでいたという展開はなかなか良かったです。しかし、真道が自身の命をも囮とした最後の切り札には我々もヤハクィさんも驚かざるを得なかった。

ヤハクィアミバさん

 そのトリックはまあ説得力はあるとして、終盤恋する魔法少女みたいになった沙羅花のせいで物語がぶち壊しかよと思っていたら、恋愛モードも必要な流れだったという。しかし…高次元存在が遥かに低次元な人間と恋愛とか可能なんでしょうかね。例えは適当ではないかも知れませんが、まるで人間が昆虫(あるいはそれ以下の生物)と恋愛が可能かと。

ユキカ登場 

 まああれですか、沙羅花は神や悪魔が人間界に介入する際に取る「化身」、或いはゲームにおけるプレイヤーキャラクター、はたまたコンピューターネットワークでの自分の分身であるアバターのようなものなので、恋愛でもそれ以上でも可能ということか。異方存在であることを目をつぶれば若くて美人には違いないので真道もその気になるという。

どんどんアミバかするヤハクィさん 天才のこのオレが~

 ラストには議論があると思います。正直「がっかりだよ!」という人も多いでしょうけど、視聴者を驚かせてくれたという意味では私は「あり」だと思います。それにしても日本政府のあまりもの人材不足ぶりが悲しかったですね。キャラをあんまり増やしては…という意向もあったんでしょうけど、異方存在とのコンタクトなんて超国家レベルの案件を数人だけで回しているし、学者なんか2人しか出てこないし。自衛官に至っては下士官しかいないし。異世界との接触を描いた「GATE 自衛隊 彼の地でにて、斯く戦えり」の方がよほどリアリティがあったなあと思います。

私達結婚しました 
老けた花森 

 それにしても…主人公なのに死んじゃう真道もなんですが、後輩というだけで体感時間で16年もの歳月を犠牲にさせられた花森が哀れですね。26歳だったのに皆の視点で一瞬にして42歳になってしまった。沙羅花、色んな意味でケアしてやれよ。まあ夏目さんでもいいけどNE!

maoさん 

 「ひなこのーと」の桜木ひな子といい本作のヒロイン徭沙羅花といい、M・A・Oは美人キャラにはまりまくっていますね。もはや立派なヒロイン声優だ。「つぐもも」の金山さんはまあちょっとアレでしたが(笑)。

ソードオラトリオ感想 

 お次は「ソード・オラトリオ」。2015年春季アニメ「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか(ダンまち)」の外伝です。

ヴァレン某 

 正直当初はそれより「ダンまち」二期をはよ、と思っていましたが、見て見ればこっちも面白かったです。「ダンまち」のストーリー展開に対応していて、同じ事件を別の視点で眺めたり、一方その頃にはこういう事が起きていたということがわかったりして。

アイズとレフィーヤ 

 「ダンまち」では駆け出し冒険者ベル・クラネルと彼が所属する弱小のヘスティア・ファミリアを中心に描いていたのに対し、本作では剣姫アイズ・バレンシュタインと、彼女が所属する迷宮都市オラリオで屈指の実力を持つロキ・ファミリアが中心となっています。もっともアイズよりはアイズに憧れるエルフの新人魔導士レフィーヤが主人公格となっていますがね。

神無月の巫女 

 アイズをめぐってベルとレフィーヤが三角関係になるという「カド」的展開もありましたが、だから同性はこういう場合(ry。でも百合なら勝利してもいいかなと思ったりして。そういう作品もありますしね「神無月の巫女」とか…

ロキファミリア勢揃い 

 実力者揃いのロキ・ファミリアなので、狂言回しには未熟者が欲しいということでレフィーヤが選ばれたようですが、この人を見る度に「艦これ」の重巡洋艦(航空巡洋艦)熊野を思い出します。髪の色といい髪型といいクリソツだと思うのですが。

レフィーヤカード レフィーヤに似ている熊野

 ダンジョン59階層での「穢れた精霊の分身(デミ・スピリット)」とのバトルはなかなか熱くて良かったですね。美声で知られる大原さやかにあえて悪役をやらせているところといい、練達ファミリアらしいコンビネーションといい。

精霊の分身 

 本作では神々が1000年前から下界に降臨してきており、刺激に満ちた下界暮らしを堪能していますが、本来不変不滅の超越存在にも関わらず、下界ではではごく一部を除いて神の力を使うことが禁じられ、人間並みの能力にデチューンされているほか、怪我も病気もするし死ぬこともあるという。もっとも死ぬとしても天界への強制送還に過ぎませんが、そうなると二度と下界に降りられないそうなので、人間にとっては死んだも同然か。

ロキ・ファミリア決戦態勢 

 その神々でさえ全貌は知らない迷宮(ダンジョン)。では何者が作ったんでしょうかね。神々が降臨する前から存在し、モンスターが出現していたようです。冒険者は神の恩恵を得てモンスターと戦い、ステータスを上昇させてレベルアップを狙いますが、本作でのレベルアップは「クラスチェンジ」に近く、レベルが1上がると大幅な能力向上となります。オラリオはレベルアップに最適なダンジョンがあるのでレベル6、レベル7という冒険者が存在していますが、オラリオ以外ではレベルアップは非常に困難で、オラリオ外の冒険者はLv.3に到達できれば飛びぬけた存在と見做されるようです。

夜のロキ・ファミリア 

 となると、この世界自体、RPG好きな人が妄想した世界のような気がするんですが。そういう世界自体の謎には迫ったりするのでしょうか。ともあれ「ダンまち」共々二期の早期制作を期待したいですね。あと様々な神が登場しますが、いっそクトゥルー系とかもどうですかね。邪神ばっかじゃねーかと思われるでしょうが、本来ロキだって結構…ねえ。

すかすか感想 

 最後に「終末なにしてますか?忙しいですか?救ってもらっていいですか?(すかすか)」。まるでLINE乗っ取り詐欺みたいなタイトルの面白さに惹かれて視聴しましたが、私はこれを今季のナンバー1としたいです。多分大方の同意は得られないでしょうけど、でもそんなの関係ねえ!(古い)

ナイグラート 

 人間以外に様々なデミヒューマンが存在するこの世界では、正体不明の怪物である〈獣〉が地上を支配しており、人間をはじめ多くの種族が滅亡してしまっています。かろうじて生き残ったデミヒューマンは地上を離れ、浮遊大陸群(レグル・エレ)と呼ばれる空飛ぶ群島の上に暮らしています。 

ヴィレム 

 主人公ヴィレム・クメシュは、500年前に人間を滅ぼすことを決めた星神やその配下である地神達と戦う準勇者であり、彼自身は地神の一柱である黒燭公(イーボンキャンドル)と戦い、使用した禁呪の副作用で石化していましたが、探検隊(サルベージャー)たちに発見され、石化治療を受けて500年ぶりに目を覚ましましたが、自分が暮らしていた世界も守りたいと願った人々も既に失われていたと知って絶望します。

ヴィレムに貰った帽子 

 生きる目的を失って自棄になっていたヴィレムは、町でクトリという娘と出会います。浮遊大陸群では人間や人間に近いデミヒューマンは「徴なし」と呼ばれて蔑視される傾向があります。これは人間が〈獣〉を放って地上を失った元凶とみなされているからですが、可哀想なのでクトリのために頭を隠す帽子を買ってやることに。

グリック 

 その後、ヴィレムは、彼を救出したサルベージャーの一人で緑鬼族(ボーグル)のグリックの紹介で、妖精倉庫で兵器管理の仕事をすることになります。かつて正規勇者を目指していたヴィレムは、かつて地上に存在したほとんどすべての武器武芸に精通し、〈獣〉に唯一対抗できる武器である聖剣(今では製法が忘れられ、地上から発掘するしかないので「遺跡兵装(ダグウェポン)」と呼ばれています)の本来の扱い方や調整法を知っているので、適当かと思われましたが…

妖精倉庫 

 実は兵器とは、〈獣〉の脅威から浮遊大陸群を守るべく聖剣を振るい、最後には自爆することを運命付けられている使い捨て同然の妖精兵のことでした。黄金妖精(レプラカーン)と呼ばれる妖精兵は、少女ばかりで、クトリもその一員でした。

戦うクトリ 

 クトリは予知された〈獣〉から浮遊島を守るべく、自爆(“妖精郷の門を開く”と表現される)することを決定されていましたが、それを知ったヴィレムは、クトリを始め妖精兵たちを救うため、いま自分にできることを探し始めます──

大賢者スウォン 

 かつてヴィレムと共に戦ったスウォンは自らに呪詛を施すことで不死者となり、今では大賢者と呼ばれています。そしてヴィレムの仇敵で復活した黒燭公(イーボンキャンドル)と共に、浮遊大陸群を作り、妖精兵をも生みだしました。ヴィレムには伝えませんでしたが、実は黄金妖精は厳密には生きているとは言えない死霊の一種で、自分の死を認識できないほどの幼さで死んでしまった魂から生まれた存在でした。そのため生への執着が薄く死を怖れない傾向があり、また前世である幼子の記憶が徐々に蘇る一方、現在の人格の記憶が徐々に失われていくと「前世の浸食」という宿業を抱えています。

スウォンとイーボンキャンドル 

 黄金妖精が人間にしか扱うことのできなかった聖剣を振るうことが出来るのは、人間の前世を持っているからで、浮遊大陸群では〈獣〉の脅威に対抗しうる唯一の兵器と見なされており、彼女達もそれを自覚していますが、クトリの場合、ヴィレムが聖剣の正しい扱い方と自分の命を犠牲にせずとも事態を打開できる可能性があることを示したことで自爆しなくても良くなり、次第に彼に惹かれていくことになります。

壊れたクトリ 

 が、もう一つの宿業である「前世の浸食」からは逃れられず、クトリの場合は青い髪に赤色が混ざることで端的に示されていました。一度は人格が崩壊してしまいましたが、奇跡的な復活を遂げ、もはや黄金妖精ではなくなったと見なされました。しかし「前世の浸食」は止まらず、クトリはいつか自分が消えてしまうことを覚りますが、それでもヴィレムとの“今”を生きることに幸せを感じて…

クトリを抱きしめるヴィレム 

 クトリは最強の聖剣とされるセニオリスの適合者で、髪が赤くなっていくことからヴィレムの兄妹弟子で正規勇者にしてセニオリスの所持者であったリーリァの魂を持っているのかと思いましたが、実はリーリァが命を賭して戦った星神エルク・ハルクステンで、本来不滅の存在なのですが、あらゆるものに「死」の呪詛を刻むことができるというセニオリスによって「死」の呪詛を刻み込まれたので、永い眠りについています。クトリがセニオリスに適合したのは、前世が所持者だったからではなく、被害者だったからという。

赤くなった髪が血みどろに見えるクトリ 

 劇中の様々な示唆から、〈獣〉は人間が姿を変えたものであることがヴィレムにも判ってきます。決定的なのは、10話で妖精兵のノフトが使用していた聖剣デスペラティオが同族だけを殺すことに特化した剣、すなわちつまり人間が人間を殺すことにしか使えない剣であることが判明した時でしょう。ノフトは黄金妖精ですが前世持ちだからいいとして、つまり〈獣〉は…

獣の皆さん 

 そもそもOPといい、開始直後から終末感とか悲劇感が漂っていた本作、黄金妖精の正体が正体だけにラストが悲しいものになるだろうことは予測できたのですが、10話ラストでヴィレムがクトリにプロポーズしたところで最終回にしたかった。

ダイナミックおやすみなさい 
星神エルク 

 ヴィレムやリーリァは人間を救うために星神や地神と戦いましたが、そもそも世界を壊そうとしていたのは人間の方で、それを防ぐために地神が人間を滅ぼそうとしたという。しかしリーリァが星神を倒したことで人間を止めるものがいなくなり、人間達は獣へと変わって全てを滅ぼしたという酷い真相もなかなか来てますが。

戦うレン 
限界を超えたネフレン 

 地上調査隊の救助に来たする飛空挺が〈獣〉に襲撃され、妖精兵は奮戦しますが最年少のネフレンは限界を超えてしまいます。もう自爆が不可避ということでヴィレムの手をふりほどいて落下するネフレンですが、それを追うヴィレム。

ネフレンと心中か 

 そしてほぼ真っ赤に染まった髪で目覚めたクトリもまた飛空挺を飛び降り、ヴィレムとネフレンを無事着地させると〈獣〉の群に向かいます。

目覚めたクトリ 
クトリ無双 

 「今の私は誰が何と言おうと、世界一幸せな女の子だ!」と思いながら、ノフトの聖剣で無双をした挙げ句、〈獣〉の触手に貫かれまくるクトリ。妖精郷の門を開いて周辺の〈獣〉を道連れにヴィレムの目の前で消滅してしまいます。

串刺しクトリ 妖精郷の門を開く

 妖精兵の所属する護翼軍では二人の遺影が飾られています。ネフレンも助からなかったのか…。何気にすごくいい子だったので多分死ぬだろうなと予感させていたクトリよりもショックかも。

二人の遺影 
鼓動探知 

 し、しかしですね!大賢者スウォンの鼓動探知に二つの反応があったんですよ。ということはヴィレムとネフレンなんじゃ。

クトリ誕生 
クトリの生まれ変わりか 

 そして新たに出現した黄金妖精の赤ちゃん。青い髪のこの子はもしやクトリの生まれ変わりでは。……いや、クトリが生まれたときの、つまり過去の映像なのかな。二人の女の子も見ない顔だし。

クトリの回想の先輩妖精兵 

 そういえばチビクトリが慕っていた先輩妖精兵が似ている様な気がします。やっぱり過去かぁ。でも「世界で一番幸せな女の子」と心の底から確信して逝ったのだから彼女自身としてはいいんでしょう。「すかすか」原作3巻でのクトリの表情がそれを物語っているような。それでも見ているこちらはやはり悲しいのですが。

牙を見せるナイグラート 

 私の好きなキャラ。クトリは別格としてまずはナイグラート。この人も「徴なし」ですが人間ではなくトロール。「喰人鬼」と書いてトロール。かつてはヴィレムを救出したサルベージャーの一員で、今は妖精倉庫で黄金妖精の管理人をしています。可憐な姿だし少女趣味の服装だし声はお姉ちゃんだしもう最高。最終回では髪を切ったんですね。

素敵ナイグラートさん 

 きっこさんにはこういう役をもっともっとやって欲しいんですよね。クトリが恋のライバル視していたのも当然ですが、ナイグラート自身、さらっと告ってましたから、クトリの危惧は決して絵空事ではなかった。

イカ娘風ラーン 

 続いて8話から登場のラーントルク。通称ラーン。14歳。本好きで理知的な性格で考えごとに熱中すると周囲が見えなくなることがよくあります。妖精兵きってのインテリですが、頭がイカ娘風。

ラーントルクとクトリ 

 クトリ(15歳)より年下ですが知的なせいか大人びています。知識が豊富なせいで人間の悪行についてもよくご存知。故にヴィレムにはきつく当たります。ツンデレのデレ抜き。

堕ちたラーン 

 ヴィレムのマッサージでイカされるシーンは最高ですね。お高く止まった娘ほど堕ちるのは早いという。その色っぽさはヴィレムにも伝わったらしく、ネフレン曰く「邪念を感じる」。クトリもちょいおこになってましたが、彼女(クトリ)の見ている前で別の女(ラーン)を(マッサージで)イカせるというのはどういうプレイなのか。

荒浪和沙 

 CVは荒浪和沙。プロフィールみたらやたら美人の画像があってびっくりしました。 

ヴィレムとレン 

 そしてヴィレムのペット要員ネフレン。通称レン。13歳ですが成体妖精兵扱いとなっています。無口無表情ですが気遣いができる性格で、他者の心や痛みに敏感です。

毛布になるネフレン 

 ヴィレムとは相性がいいようで、レン曰く「放っておくと壊れそうだから」ということで、何かと彼の傍に居ようとします。時には毛布代わりになって一緒に寝てたりして、ほぼ猫かなにかみたいです。最終回、ヴィレムは我が身を犠牲にしてもレンを救おうとしていたので、彼もレンのことをとても大事に思っていたようです。

ドレスアップネフレン 

 もしかしたら言うところの「バブみ」があるキャラではないかと。体力がなくスピード型なので、飛行しての戦いが得意ですが、最終盤では飛べない飛空艇内部での戦いを余儀なくされ、限界を超えて魔力を使ってしまい、前世の浸食も進行して自爆寸前に。

瞳が黒くなるレン

 最後の最後にクトリが手をかざしたらレンの瞳が赤から黒に戻っていたので、クトリが救ったと思いたい。だからヴィレムと共に実は生存しており、それが鼓動探知の二つの反応ではないかと。そうじゃないと悲しすぎる。

上原あかり 
ワシミミズクの助手 

 CVは上原あかり。「けものフレンズ」で助手ことワシミミズクをやっていた人です。この人も可愛いですね。

アルマリア 

 ラストに出番があまりにも少なかったアルマリア。500年前のヴィレムの彼女的存在ですが、おそらくヴィレムが保護していた孤児院のお姉さん的存在。CV佐藤聡美の優しい声はルックスにドはまりしていました。もっとしゃべって欲しかった…

クトリマッサージ 

万能鑑定士Qの事件簿Ⅱ:「力士シール」に隠された驚愕の真相とは

七月ですなあ

 7月に入ってしまいました。2017年という年が既に半分消え去ってしまったという現実に驚くばかりです。なんという時の流れの速さよ。

万能鑑定士Qの事件簿Ⅱ 

 本日は水曜日の記事の続編、松岡圭祐の「万能鑑定士Qの事件簿Ⅱ」を紹介します。一つの物語の前後編ということになり、日本の襲った真贋鑑定不能な偽札によるハイパーインフレ事件が解決します。

 前編「万能鑑定士Qの事件簿Ⅰ」はヒロイン凜田莉子が「万能鑑定士Q」の看板を掲げるまでと、週刊角川の編集者小笠原悠斗が持ち込んだ「力士シール」の鑑定、そしてひょんなことから嗅ぎ付けた犯罪計画の未然阻止と、それが日本をジンバブエ化してしまうハイパーインフレを引き起こしたということころまで描かれていました。

ハイパーインフレ発生 

 本書では持ち前のロジカルシンキングを発揮した偽札の製造元が沖縄にあると睨んだ莉子が、有り金を叩いて沖縄行きの飛行機に乗り、家族の協力も得て真相究明に乗り出します。片や東京で独自に探索に動いていた小笠原悠斗はストーカー容疑で拘束(笑)。一方、莉子の知人で早稲田大学理工学部准教授の氷室拓真は、当選しているはずなのに銀行で門前払いされた宝くじの鑑定を莉子から受けようとしていた女性と出会います。これが真相究明の決め手になるとは誰も気付かなかったでしょう。それでは例によって文庫版裏表紙の内容紹介です。

 『週刊角川』記者・小笠原は途方に暮れていた。わずか2日で、コンビニの弁当は数千円から数万円に、JRのひと区間は九千円以上になり、いくら金があっても足りないのだ。従来のあらゆる鑑定をクリアした偽札が現れ、ハイパーインフレに陥ってしまった日本。だが、まだ万能鑑定士・凜田莉子の鑑定がある! パーフェクトな偽札の謎を暴き、未曾有の危機から国家を救うことができるのか!? 書き下ろし「Qシリーズ」第2弾!

知の宝庫莉子 

 突如として出現した精巧な偽札により、金融市場で完全に信用を失った日本は一気にハイパーインフレに陥ります。当初は莉子が不法侵入を未然に防いだせいかとも思われましたが、結果的には全く関係ありませんでした。

竹富島 

 莉子の鑑定や氷室の科学的分析を以てしても真贋の見分けがつかない偽札。その鍵は沖縄にあると睨んだ莉子は苦労の末実家のある波照間島に戻りました。地元の知人が竹富島に怪しい男がいるという情報をもたらし、莉子は駐在さんと共に向かいます。 

八重山諸島地図 

 竹富島は石垣島のすぐ傍ですが、波照間島からはやや遠いですね。通常ならどうということはない距離ですが、なにしろハイパーインフレにより漁船のガソリン代も馬鹿にならなくなっています。伝手を求めてなんとかガソリンを入手して向かった先には怪しい男と印刷機が。おっかなびっくりで腰が引けながらも勇気を振り絞って向かって行く莉子が可愛いです。「さすが美由紀様です!」と言いたくなる「千里眼シリーズ」の万能ヒーロー岬美由紀よりも、私は凜田莉子のファンです。正直岬美由紀にはYOU、西村寿行流ハードロマンの餌食になっちまえYO!とか思ってしまうのですが、莉子には無事でいて欲しいし、なにか手伝ってあげたいという気になります。
西表島 

 結局は全くの空振りでしたが、今度は西表島に不審な兄弟がいたという話を聞きつけ、西表島に向かう莉子。こっちで調べた謝花兄弟は、なんと力士シールの制作者らしいことが判明しますが、やはり偽札作りとは関係ないようです。ロジカルシンキングを駆使しながら外しまくる莉子がドジ可愛くていいですね。

アンニュイ莉子ちゃん 

 何の収穫もなく東京に戻った莉子は、小笠原の釈放(この人も空振りしまくっていた)に一役買って事務所に戻ったところで氷室に出会います。そして当選しているのに銀行が受け付けてくれない宝くじの話を聞き、一挙に真相に辿り着くことになります。

 「力士シール」は偽札と無関係ではなく、「力士シール」で実証したことを偽札で実行したという流れになっています。それでは何者が何のために犯行を行ったのかということですが、真実は莉子にとって非常に苦いものとなりました。

山ほど力士シール 

 莉子や氷室を以てしても真贋の区別がつかなかったのも当然。実は偽札は偽札ではなかったのでした。もちろん偽札に見えるようなトリックはありましたが、そこに気付いて集中的に調べないと判明しないものでした。そしてハイパーインフレは実際のところ、枯れ尾花に驚いて自ら尻餅をついたようなものだったのでした。真相が判って急速に収束することでしょう。

 犯人にも犯人なりに動機というか理由はあったのですが、それが引き起こした混乱を考えるととても正当化はできないでしょうね。「Qシリーズ」は「人が死なないミステリ」を標榜しているし、実際莉子が死体に遭遇することもないのですが、この混乱ではヒャッハーになった暴徒によって殺傷事件とかも起きてそうですし、ハイパーインフレによって診療を受けたり薬を買ったりすることが出来なかった人も多数いたと思われます。見えていないところでどれだけの人が迷惑を被ったか…

ジンバブエの位置 

 なおハイパーインフレというえばジンバブエという印象があり、本書でもジンバブエ化という表現が使われています。ジンバブエでのハイパーインフレは2000年に発生。ムガベ大統領が内戦状態になったコンゴに派兵したことで経済や医療、教育などが悪化したのに対し、大統領が批判を避ける目的で白人農場を強制収用したことで、白人地主が持っていた農業技術が失われ、第二次大戦後で世界最悪となるジンバブエ・ドルのハイパーインフレが発生しました。

ジンバブエの恐怖 

 1980年に導入されたジンバブエ・ドルは、当初はアメリカ・ドルより価値が高いものでしたが、ムガベ政権の経済政策の失政から急速に通貨価値が無くなりました。新ドルを発行したりデノミを実行したりしましたがハイパーインフレは収束せず、2008年にはなんと5000億%という破天荒なハイパーインフレが発生しました。牛乳500mlで600億ジンバブエ・ドルとかパン1斤に3000億ジンバブエ・ドルなどということになり、これに対応して超高額紙幣が次々に刷られ、最終的には100兆ドルまで登場しました。

ジンバブエの100兆ドル札 

 ジンバブエ政府は2009年にジンバブエ・ドルを実質的に放棄し、2015年に公式に廃止しました。現在国内では、米ドルや南アフリカの通貨ランドなどを含めた多通貨システムを採用し、超インフレは改善しているそうですが…

5億ディナール 

 かつて私が住んでいたユーゴスラビア社会主義連邦共和国も、構成国が次々と分離独立して国連から経済制裁を受けた1990~1994年頃にハイパーインフレーションが発生しました。私が住んでいた頃はまだ落ち着いていましたが、午前と午後で桁が違ったとかいう昔話は良く聞きました。そのため国民は自国通貨を信用せず、外貨(米ドルとか独マルク)を好む姿勢は長く続いていました。私も家賃は米ドル、メイド(といっても限りなくお婆さんに近いおばさん)への報酬は独マルクで払っていました。

水商売の意味もわからず 

 現在は最強通貨と言われる円ですが、自国通貨が信用できなるなんて日が来なけりゃいいですね…。それはともかく、凜田莉子はいいですね。利他的なキャラは松岡圭祐に多いですが、美人だから黙ってると神秘的ではあっても、実際は心が純粋で天真爛漫で。沖縄時代のお馬鹿キャラは、まるで「アルジャーノンに花束」の手術前のチャーリィみたい(いやそこまでではないけど)ですが、莉子の場合は自分に適した勉強法を見いだしたことと、あとは努力の賜物なので元に戻ることはありません。

上京を誓う莉子 
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