SFと私:あんなに一緒だったのに

 今日は何と日付変更とともに更新です。いろいろ事情がありまして…

 昔から趣味「読書」としてきました。つまりは趣味に見るべきものがない証です。読書なんて食事や呼吸みたいなものだから。趣味がピアノ演奏とか絵を描くとかならどんなに素晴らしいことか。せめて「小説を書く」なんてことが趣味にできたらいいのですが、なかなか趣味という域には達しません。燃えたぎるソウルの命じるままに書けるようになりたいものです。

 そんな無職の言い訳「職業家事手伝い」の如き、無趣味の代名詞「趣味読書」の私ですが、子供時代の読書傾向はSF一辺倒でした。小学校の図書室で本を借りるようになって、「コレッケ町のぼく」とか「大きい一年生と小さい二年生」とか呼んでいたんですが、じきに少年ものにSFに引っかかりまして、道を踏み外しましたが。南シナ海の無人島でロボットと暮らす「孤島ひとりぼっち」とか、他の星に移住する「遠くまで行く日」なんか印象深かったですね。他にもいろいろ読んだはずですがすっかり忘れてしまいました。その後は眉村卓や光瀬龍、筒井康隆のジュブナイルSFを経てSF街道へまっしぐらに墜ちていったものです。よい子のみんな、読書感想文の対象ににSFを選ぶと決して評価されないから注意しましょう。

 ちなみに中高生まではSFの申し子のようだった私も、高校生くらいからは司馬遼太郎や吉川英治などで「矯正」されるようになり、大学生以降はすっかり「更生」して、ミステリーや歴史小説などを読むようになってしまい、あまりSFを読まなくなってしまいました。この辺りが端的に表れているな、と思うのが、過去の日本SF大賞受賞作品を見たときです。

☆第1回(1980年) 堀晃 『太陽風交点』
 第2回(1981年) 井上ひさし 『吉里吉里人』
☆第3回(1982年) 山田正紀 『最後の敵』
☆第4回(1983年) 大友克洋 『童夢』
 第5回(1984年) 川又千秋 『幻詩狩り』
☆第6回(1985年) 小松左京 『首都消失』
 第7回(1986年) かんべむさし 『笑い宇宙の旅芸人』
☆第8回(1987年) 荒俣宏 『帝都物語』
☆第9回(1988年) 半村良 『岬一郎の抵抗』、横田順彌・會津信吾 『快男児・押川春浪』
☆第10回(1989年)夢枕獏 『上弦の月を喰べる獅子』
☆第11回(1990年)椎名誠 『アド・バード』
☆第12回(1991年)梶尾真治 『サラマンダー殲滅』
 第13回(1992年)筒井康隆 『朝のガスパール』
 第14回(1993年)柾悟郎 『ヴィーナス・シティ』
 第15回(1994年)大原まり子『戦争を演じた神々たち』、小谷真理 『女性状無意識』
 第16回(1995年)神林長平『言壷』
 第17回(1996年)金子修介 『ガメラ2 レギオン襲来』
☆第18回(1997年)宮部みゆき 『蒲生邸事件』、庵野秀明 『新世紀エヴァンゲリオン』
 第19回(1998年)瀬名秀明 『BRAIN VALLEY(上・下)』
 第20回(1999年)新井素子 『チグリスとユーフラテス』、特別賞 光瀬龍
 第21回(2000年)巽孝之 『日本SF論争史』

☆印は読んだ作品です。2000年までで10勝11敗。90年代初まではいいペースで、20回まででも半分読んでいるんですが、2000年以降はぱったりと…21世紀の受賞作品としては、先日ご紹介した「マルドゥック・スクランブル」が初めてでした。これとは別にSF大会参加者が選ぶ「星雲賞」というのもありますが、そちらも21世紀以降は読んでない作品ばかり。ジュブナイルSF(この言い方も懐かしい)ばかり読んでいた少年時代…なんだかずいぶんと遠くに来てしまった気がします。

お次はSF大会でファンが選出する星雲賞受賞作品です。こちらは一度受賞した作家の再受賞もありです。

☆第1回(1970年)筒井康隆『霊長類南へ』
☆第2回(1971年)小松左京『継ぐのは誰か?』
☆第3回(1972年)半村良 『石の血脈』
☆第4回(1973年)広瀬正『鏡の国のアリス』
☆第5回(1974年)小松左京『日本沈没』
☆第6回(1975年)筒井康隆『おれの血は他人の血』
☆第7回(1976年)筒井康隆『七瀬ふたたび』
 第8回(1977年)かんべむさし『サイコロ特攻隊』
☆第9回(1978年)山田正紀『地球・精神分析記録(エルド・アナリュシス)』
☆第10回(1979年)眉村卓『消滅の光輪』
☆第11回(1980年)山田正紀『宝石泥棒』
 第12回(1981年)川又千秋『火星人先史』
第13回(1982年)井上ひさし『吉里吉里人』
 第14回(1983年)小松左京『さよならジュピター』
☆第15回(1984年)神林長平『敵は海賊・海賊版』
☆第16回(1985年)神林長平『戦闘妖精・雪風』
 第17回(1986年)高千穂遙『ダーティペアの大逆転』
 第18回(1987年)神林長平『プリズム』
☆第19回(1988年)田中芳樹『銀河英雄伝説』
☆第20回(1989年)堀晃『バビロニア・ウェーブ』
☆第21回(1990年)夢枕獏『上弦の月を喰べる獅子』
 第22回(1991年)大原まり子『ハイブリッド・チャイルド』
 第23回(1992年)菅浩江『メルサスの少年』
 第24回(1993年)柾悟郎『ヴィーナス・シティ』
 第25回(1994年)谷甲州『終わりなき索敵』
 第26回(1995年)山田正紀『機神兵団』
☆第27回(1996年)眉村卓『引き潮のとき』
 第28回(1997年)森岡浩之『星界の紋章』
☆第29回(1998年)神林長平『敵は海賊・A級の敵』
 第30回(1999年)笹本祐一『彗星狩り』
☆第31回(2000年)神林長平『グッドラック、戦闘妖精・雪風』

こちらは回数が多いですが、2000年までで18勝13敗で勝ち越しています。アメリカではヒューゴー賞とネビュラ賞があり、選考方法からすると、星雲賞=ヒューゴー賞、日本SF大賞=ネビュラ賞という感じになるでしょうか。ヒューゴー賞とネビュラ賞を同時に受賞することを「ダブルクラウン」といって、「デューン 砂の惑星」「闇の左手」「リングワールド」「神々自身」など錚々たる作品が受賞していますが、日本SF大賞と星雲賞のダブルクラウンは「吉里吉里人」「ヴィーナス・シティ」それと2009年の「ハーモニー」の3作品だけですね。
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星雲賞の方が・・・

星雲賞の方が読みやすい作品が多い印象はあります。
あと、SF大賞はどうにも「内輪受け」作品が多い印象も・・・
正直、「ガスパール」「笑い宇宙」が入った年には報道を見て、かなり疑問に憶えたような・・・。

『終わりなき索敵』はあの「航空宇宙軍」シリーズを読んでいないと今ひとつ面白くないかと。
「火星人先史」は『アバター』の元ネタのひとつなんじゃないかと思うような、まあそういう作品です。どっちも読んで損はないけど。
地元に来たら進呈しましょう。

しかし川又とか大原とか、今じゃすっかり新作も出なくなってしまいましたね・・・。

No title

こんばんは♪
「趣味は読書」結構じゃないですか。
中高生の頃は、読書の師匠でしたね(笑)
私も影響を受けて、小松左京、筒井康隆、眉村卓、半村良など、
図書館にあるSFを読みあさりました。
私もSFから離れて久しいです。
「ダブルクラウン」といえば、オースン・スコット・カード!
私は一時期とてもはまりました。
(エンダーのゲームとか、ソングマスターとか。)

Re: 星雲賞の方が・・・

 こんばんは、遅くなりましたがいらっしゃい。

 星雲賞はファンが選出しているし、同一作家が何回受賞してもいいので、人気投票的側面も出てくるかもしれませんが、一ファンとしては親和性が高いかも知れませんね。

 まあ「日本SF大賞受賞作」とか煽られると、「読んでみっか」という気になるのも事実ですが、SFから離れると、そもそも煽りを聞くこともなくなるという…

 新作出てないんですか?てっきり離れたから気付かないだけかと思ってました。余計なお世話かも知れませんが生活大丈夫なんでしょうかね…

 あと宮部みゆきなんかは別にことさらSFと解釈しなくてもいい感じがしました。作品の本質はそこじゃないし。SFかどうかという線引きが難しい作品も多くなったので、極端な話、作者が「SF!」と言えばSFなのかという気もしますが。

 

Re: No title

 こんばんは、いらっしゃい。

 「趣味:読書」は「趣味:睡眠」「趣味:食事」というくらい馬鹿馬鹿しいものの言いようだなあという位、読書は呼吸のごとく当たり前のアクション、そう思っていた時期がオレにもありました…。

 最近はあまり読まないで一日が終わる日もあったりするんですが。あ、仕事関連の書類とか新聞とかは「読書」じゃありませんから。あくまで娯楽目的が私の読書です。

 オースン・スコット・カードは「エンダーのゲーム」と「死者の代弁者」を持っています。前者の方が好きです。ピーターは「兄より優れた弟など存在しねえ!」のジャギ兄さんのイメージ、ヴァレンタインは「あなたは死なないわ…私が守るもの」の綾波レイのイメージなんですけど、どうでしょう?何にしても恐ろしい3兄弟ですけど、その割に両親は平凡なのが謎ですよね。
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