仲宗根かほる:風のように通り過ぎたジャズシンガー

大通公園
 
 こんばんは。あなたの街にも訪れているかも知れませんが、この札幌にも猛暑のヤツがキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!! 明日明後日はさらに暑いみたいでもうマイッチングですよ。最低気温が14、15度というところが救いで、まあ熱帯夜にはならないのですが。

2002年頃の仲宗根かほる

 本日は久々に歌手の話をしたいと思います。またアイドルか?いやいや、たまにはジャズシンガーを。仲宗根かほるというとてもマイナーだけど魅力的な歌手の話です。

 そもそも私はジャズだのボサノバだのといったお洒落な音楽には縁遠い生活を送っていたのですが、やはり転機は海外生活時代。およそ3年間のこの時期は私の趣味嗜好を変えたり変えなかったりしましたが、音楽についてはちょっと変化したのです。

ベンツMクラス

 公共交通機関がろくにない上に安心して乗っていられないと言われていた国でしたので、必然的に移動には車が多用されたのですが、同僚の車(ベンツのMクラスでした。あ、ベンツのことは外国ではメルセデスと呼んだ方が通じるみたいですよ)に乗せて貰った時に車内に流れていたのが小野リサのボサノバで、その格好良さにしびれたのでした。

小野リサの名盤ボッサ・カリオカ
鈴木重子のサイレント・ストーリー

 最初はCDを借りたりしていたのですが、自分でも欲しくなって帰国時に大人買いしました。そして小野リサでは同僚のパクリだなあ、自分で見いだした歌手というのを持ちたいなあと思って発見したのがすでに紹介済みの鈴木重子と、今回紹介する仲宗根かほるです。

99年頃の仲宗根かほる

 仲宗根かほるは1972年に沖縄県宮古島で生まれ、9歳の頃からジャズに目覚め、ひたすらレコードだけを教科書として独自で勉強してスタイルを確立したそうです。英語辞書を片手に、歌詞の意味を調べてその曲がどのように生まれたのかなどを調べたり、当時のほとんどのハリウッド映画を観るなどして、音楽だけでなくその時代背景などの勉強も重ねてたそうです。さらに独学で楽典、編曲などを学んでいきました。

 1987年に中学卒業と同時にジャズシンガーを目指して単身上京し、ジャズバンドのローディーなどの下積みを重ねながら、自らの音楽を追及し、18才から都内のライブハウスで歌い始めました。

a Time for Swing

 その声は非常に独特で、はっきりいえば好き嫌いが分かれるトーンだと思います。仲宗根かほるの声質を表現するのに、“砂糖を多く入れたカプチーノ”“正真正銘のロリータボイス”“ハニートーンボイス”などといった表現が使われます。

 1997年にインディーズで「a Time for Swing vol.1」と「a Time for Swing vol.2」(進駐軍時代を唄う)をリリースしました。私は残念ながらこの2枚は持っていません。

進駐軍時代を唄う

 そして2000年4月に初メジャーアルバム「fragrance」(フレグランス)をリリースします。私が小野リサや鈴木重子のCDと共に手に取ったのがこのアルバムでした。

 当初はあまりに声質が違うので、正直「買って失敗だったかな」と思いました。しかし、スルメじゃありませんが、噛めば噛むほど味が出るというか、声に耳がなじんでいくとむしろ癖になるような魅力がありました。

スゥイング・ジャーナル選定ゴールドディスク

 そこで2001年リリースの「PAPA LOVES MAMBO(パパはマンボがお好き)」、2002年リリースの「TABOO(タブー)」(スゥイング・ジャーナル選定ゴールドディスク)、2003年リリースの「チム・チム・チェリー」と立て続けに購入し、その声にはまり込んで続編マダー?(・∀・ )っ/凵⌒☆チンチンとなっていたのですが……その後、仲宗根かほるのCDが発売されることはありませんでした。

 それから10年以上が経過し、彼女は一体どうしているのだろうとネットで調べて見ましたが、そもそも彼女に関する記事が少なくて。まさか不慮の死なんてと不吉なことも頭をよぎったのですが、mixiの記事を発見したところ、2008年頃までは日本国内でライブに出演していたようです。また2008年頃からロサンゼルスを中心に在米生活をしているのだとか。ああ、お元気なら結構なことです。

仲宗根かほるその2

 YouTubeにあった2002年10月のライブで歌っている仲宗根かほるです。

ライブで歌う仲宗根かほる

 http://www.youtube.com/watch?v=kZajXocuK_8

 それでは各アルバムをご紹介しましょう。

フレグランス

 フレグランス:通算3枚目にしてメジャーデビュー1枚目。ニューヨークで録音。独特の甘くせつない歌声とノスタルジックな雰囲気に満ち満ちています。「ダディ」とか「帰らざる河」など1940~50年代のスタンダード曲を中心にしていますが、スティングの「イングリッシュマン・イン・ニューヨーク」とかキャロル・キングの「イッツ・トゥ・レイト」なども取りあげています。まさしく往年のバンド歌手を思わせる風情があります。

パパはマンボがお好き

 パパはマンボがお好き:ロサンゼルスで録音。そのせいか前作よりちょっと乾いたようなサウンドに感じられますが、爽やかさが増している気がしてこっちの方が私のタイプです。一曲目の「スロー・ボート・トゥ・チャイナ」……村上春樹の短編に「中国行きのスロウ・ボート」という作品がありました。初の短編だとか。もちろんこの曲から取ったタイトルでしょう。ビージーズのメロディ・フェアも歌っています。この曲はいろんな人がカバーしていますが、仲宗根かほる版はいかにも酒場で歌っているようなけだるい雰囲気があります。

TABOO.jpg

 TABOO:Swing JOURNAL 2002年5月号でゴールドディスクに選ばれたアルバムです。ビックバンドと共演しています。古き良きアメリカの酒場での、ビックバンドと専属女性歌手の演奏はこういうものだったのかという雰囲気。もはや仲宗根かほるのボーカルは日本人離れしています。それこそ酒場の客にチップをねだるかのような「媚び」が感じられ、そこを嫌われる可能性もありますが、おっさんとしてはそばに寄ってきたら胸元におひねりのお札を差し込みたいと思ってしまいます。

チムチムチェリー

 チム・チム・チェリー:前3枚がアメリカ録音だったのに対し、本作はデンマークで録音。選曲もヨーロッパの映画音楽を多数取り入れた欧州テイストとなっています。いいですねえヨーロッパ。僻地とはいえヨーロッパで外国生活を送ったせいか

実に!なじむぞ
 
 と最高にハイなDIO様状態になってしまいます。「リリィ・マルレーン」の甘さはたまらんですね。前線の兵士達が聞いたら脱走してしまいそうです。「サウンド・オブ・ミュージック」の「私のお気に入り」はもちろんジャズっぽくアレンジされていますが、わりと甘さは控えめでジュリー・アンドリュース風?そういえば「サウンド・オブ・ミュージック」を見たのも外国生活時代だったなあ。ザルツブルグに行く前に見ておくべき作品ですが、この映画を見てからザルツブルグに行くことはありませんでした。

仲宗根かほる

 メジャー・アルバム4枚をリリースして風のように去ってしまった仲宗根かほる。今も元気でどこかで歌っていてくれればいいのですが。

 

 
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仲宗根かほる

僕はかほるちゃん 17位の時から知っています。
あんな努力家を見た事がありません。ジャズ界も人脈がないと仕事にならない。今は、編曲中心にロスといったり来たりしているようです。
本当に風の様に駆け抜けたシンガーですね。
良く彼女の事を調べていられるので驚きました。良い時代は帰って来ないのかも...

Re: 仲宗根かほる

 Massyさん初めましてこんばんは。こんな僻地にようこそいらっしゃい。

> 僕はかほるちゃん 17位の時から知っています。
> あんな努力家を見た事がありません。ジャズ界も人脈がないと仕事にならない。今は、編曲中心にロスといったり来たりしているようです。

 そうなんですね。お元気に活動していられるなら何よりです。可能ならもう一枚CDを、とか思ってしまいますが、それは贅沢というものかも知れません。

> 本当に風の様に駆け抜けたシンガーですね。
> 良く彼女の事を調べていられるので驚きました。良い時代は帰って来ないのかも...

 彼女の声は、言ってみればスコッチウイスキーのスモーキーフレーバーのようなくせがあって、もしかすると慣れないとあまり好きじゃないという人もいるのかも知れませんが、慣れるとクセになるというか、あの声がたまらないという感じになりますね。バーでお酒を飲みながら聴きたい歌声です。
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