中国美女列伝(その11):李清照~中国史上最大の女流詞人

李清照その1
 
 こんばんは。三連休後の金曜日は来るのが早くていいですね。昼間は結構暑かったのですが、夕方以降なかなか涼しくなったりして助かります。いつもこうならいいのにな。

李清照その2

 巷の学生さん達はそろそろ夏休みに突入ですね。でも大学生さんはこれから試験だったりして。私が大学生の頃は早い先生は6月下旬に試験してたりして、今頃はほぼ終了して夏休みに突入していたんですが、最近は7月一杯まで試験があるんだと聞きました。その分9月一杯休みだったりするそうですが、我々の頃は7月中旬~9月中旬が夏休みだったので、半月位後ろに倒れた形でしょうか。確かにこのところ9月も暑いですからねえ…しかし秋分の日も夏休みなんてちょっと違和感が。東京の冬は休みにするほどではないので、いっそ7~9月は全部夏休みにして、正月は元旦だけ休みというのはどんなもんでしょうか。え?だめ?やっぱり(笑)。正月は寒いから休むというだけではないですからね

李清照その3

 さて今日も金曜恒例中国美女列伝行ってみましょう。本日は先週の蔡文姫に続いて四大才女の一人、李清照です。

李清照その4

 李清照は北宋末期・南宋初期の詩人です(1084-1153年)。日本でいえば平安末期という頃ですね。これまでに取り上げた美女の中では一番新しい人です。夫は政治家で能書家として知られる趙明誠です。中国史上を代表する女流詞人として知られています。

李清照その5

 はて詩人じゃなくて詞人なの?という疑問の声が聞こえてきますので簡単に解説を。詞は、中国における韻文形式の一つ、あるいは歌謡文芸の一つで、宋代に隆盛したので宋詞ともいいます。詩に対して詩余とも言われ、長短不揃いの句で構成されることから長短句ともいいます。元々は曲に合わせて詞が書かれていましたが、後代には音楽に合わせて作られるのではなく、前人の作品の平仄に合わせて作られるようになり、詩と同様に朗読される詩歌の一種となりました。

李清照その6

 李清照は北宋の官人の娘として生まれ、18歳で3歳年上の趙明誠と知り合って結婚します。本や古器物をこよなく愛した二人は衣類を質に入れては気に入った本などを購入したと言われます。蔵書家として趣味が合う夫婦ということでなかなかに楽しそうですが、やや箍が外れてしまった感じもします。

李清照その7

 比較的平和だった李清照の人生は40歳を過ぎて激変します。靖康の変(1126年に北宋が、女真族の金に敗れて華北を失った事件。これにより北宋は滅び、江南に南宋ができます)では、夫の任地が金軍の攻撃を受け、蔵書類は悉く焼かれてしまったそうです。更に1129年には南宋に仕えていた夫が急死してしまいます。

李清照その8

 その後再婚しますが、新たな夫には虐待を受けたので離婚します。今で言うDVでしょうか。その後流浪の生涯を送る中で、優れた詞を多く生み出したそうです。

李清照その9

 李清照は数々の詞、詩、文章を書き残しています。宋代を代表する儒学者・朱熹は李清照の詞作について「本朝の婦人の文を能くするは、只李易安(李清照のこと)と魏夫人(徽宗皇帝の時代の宰相・曾布の妻)有るのみ」と称えています。また宋代の文人・王灼は「本朝の婦人ならば、当に文才第一と推すべし」と評しています。

李清照その10

 現代にあっては中国現代を代表する文学者・鄭振鐸が「李清照は宋代で最も偉大な女流詩人であるばかりでなく、中国文学史上最も偉大な女流詩人である」と言っており、まさに四大才女の一角として十分な評価を受けているといえましょう。

李清照その11

 日本においても李清照の評価は高く、漢文学の女性翻訳家・花崎采琰は「李清照は宋代が生んだ女詞人の至宝である。彼女の才能は全く男女の別を思はせない完璧のものであって、南宋十傑中に指折られる大家である。男では李後主、女では李清照、と対照されてゐる。李白を加へて詞家の三李と認められてゐる」と賞賛しています。

李清照その19

 また文学者の中田勇次郎は“詞はわが國の和歌に似て、優しく美しいものであるが、李清照の詞はさらにその上に理智の輝きがそえられて、清新な感覚のうちに、宋詞のもっとも良い特質である寂しさとほそみが、本格的なすがたを装って包まれている点では宋詞のもっともよい例であるといっても過言ではない”旨激賞しています。

李清照その12

 それではここでいくつか紹介してみましょう。自分で訳する能力がありませんで、訳は借り物です。

 如夢令

如夢令

 昨夜雨疏風驟, 
 濃睡不消殘酒。
 試問卷簾人,
 卻道海棠依舊。
 知否,
 知否。
 應是綠肥紅瘦。

李清照その13
 
 昨夜 雨ははらはらと 風は激しく吹いていた
 ぐっすり眠ったのに まだ二日酔いが醒めない
 簾を巻いている者にたずねたら
 「海棠の花は以前のままでございますよ」と言うけれど
 本当なの?本当にちゃんと見たの?
 緑の葉ばかりになって 紅い花は色褪せてしまったんじゃないの?

 菩薩蠻

菩薩蛮
 
 歸鴻聲斷殘雲碧
 背窗雪落爐煙直
 燭底鳳釵明
 釵頭人勝輕
 角聲催曉漏 
 曙色回牛斗 
 春意看花難 
 西風留舊寒 

李清照その14

 戻っていく鴻の鳴き声もやみ、辺りは静謐になり、わずかに残った雲は緑色に漂っている。
 北向きの裏の窓側でも、春になって遅い雪溶けが始まり、雪が落ちてきてその音が静寂の中で響き、香炉の煙が真っ直ぐに上っている。
 灯火のもとで、鳳凰の簪が灯火の光にきらきらと輝いている。
 簪の上につけた人日の飾りが軽やかである。
 角笛の音色が朝方の時の移ろいを急ぎたてる。
 朝の明るさが東北の方にもどってきた。
 春の気配はお花見をするという雰囲気にはほど遠い。
 西の方から吹いてくる風は以前の寒さを留め持っている。

 行香子

行香子

 草際鳴蛩 驚落梧桐
 正人間 天上愁濃。
 雲階月地 關鎖千重。
 縱浮槎來 
 浮槎去
 不相逢。

 星橋鵲駕 經年纔見
 想離情 別恨難窮。
 牽牛織女 莫是離中。
 甚霎兒晴
 霎兒雨
 霎兒風。 

李清照その15

 秋の茂る草の際で、蟋蟀が鳴いています。その声に驚いたように大きなあおぎりの葉が散ります。
 人の世も天上の世界も愁ひが深まるばかりです。
 雲が月と地の間にはしごをかけるようにかかっていますが、死後のあなたのいる天上界との間の門は幾重にも堅く鎖されたままです。
 よしんばいかだを浮かべて夫が来たとしても
 その浮かんだいかだは去りゆくばかり
 互いに逢うことはないのです。

 天の河に鵲の作る駕がかかるのを年を経てようやくの思いで見ていますが
 離されている情を想うと、私の夫と切り離された恨みは果てることはありません。
 牽牛と織女は会えたのでしょうか、それとも離れ離れ?
 ああなんとこの七夕は、しばし晴れ
 またしばし雨
 またしばし風!

 蝶恋花

蝶恋花

 涙湿羅衣脂粉満      
 四畳陽関          
 唱到千千遍         
 人道山長山又断      
 蕭蕭微雨聞孤館      

 惜別傷離方寸乱      
 忘了臨行          
 酒盞深和浅         
 好把音書憑過雁      
 東莱不似蓬莱遠      

李清照その16

 別れを惜しむ涙は流れ止まず、薄絹の衣を濡らし化粧を崩してしまいました。
 送別の歌を繰り返し繰り返し唱って
 もう数え切れないほど。
 別れて青洲に向かえばそこは連なる山の果て、そこは山を隔ててあまりに遠く、
 しとしと小雨の降る音を物淋しく独り聞き入ることになるのですとあなたは言いますが‥‥

 別れを惜しみ離れ離れになることの痛みに、心は千千に乱れます。
 旅立つに臨んで
 その辛さに杯を重ね、どれほど飲みましたものやら。
 きっと手紙は書きます。季節に渡り行く雁にすがれば、
 私がこれから向かう山東の莱州とても仙人の住む蓬莱山ほどに遠いということはないでしょう。

李清照その17

 ところで蔡文姫もそうですが、この李清照、才能に溢れていることは間違いないのでしょうが、美人であるかどうかについては全く証明するものがありません。才女=美女ではないことは確かなのですが…。ただ、中国人作成の画像を見ますと、このように美しく描かれているので、美人と言うことにさせて下さい。美しい詞は美しい人が作ったと思った方がより美しいということで。

李清照その18

 ただ画像の大半は少女時代とか若い頃の李清照を想定しているみたいなのですが、実際に円熟した詞を作っているのは時期というのは彼女の人生の後半になってからです。ぶっちゃけBBAになってからなので、これらの画像は詐欺という気もしないでもありません(笑)。まあその才能に免じて見逃して下さい。

リアル李清照

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