松任谷由実の歌で妄想する「秒速5センチメートル」(その1):理紗と別れた貴樹の気持ち…

スユアの波
 
 はいこんばんは。明日からGW後半戦ですね。張り切っていきましょう。うっかりしていましたが、既に皐月五月に突入していますね。風薫る五月、三月の風と四月の雨が五月の花になるという麗しの季節。これは英国の諺みたいですが、日本でも五月は一番美しい月…かも知れません。個人的には11月が好きですが、若葉の頃も捨てがたいですね。

 そうこうしているうちにこのブログももうすぐ一周年です。来週金曜日の10日で365回目ということになります。マジック点灯です。このマジックは決して消えないんで、全くマジックじゃないんですけど。

 さて忘れた頃にやってきますよ、歌で妄想する「秒速5センチメートル」、本日は松任谷由実の「きみなき世界」で妄想を展開したいと思います。

Neue Musik

 「きみなき世界」は1997年12月にリリースされた29枚目のオリジナルアルバム「スユアの波」に収録されている楽曲です。オリコン最高位は2位。ちなみに1998年11月にリリースした松任谷になってからの初のベストアルバム「Neue Musik」にも収録されており、私が聞いたのはこちらででした。ちなみに「スユアの波」から「Neue Musik」に入ったのは「きみなき世界」だけですね。

 「Neue Musik」の直前にベスト・アルバム投票キャンペーンを行っており、上位5曲(1位「DESTINY」、2位「守ってあげたい」、3位「春よ、来い」、4位「恋人がサンタクロース」、5位「リフレインが叫んでる」)が収録されているほか、ユーミン自身が選曲を行ったそうです。ということは、「スユアの波」でのユーミンにとっての№1が「きみなき世界」ということなのでしょうか。

暗い瞳の貴樹

 先週の今井美樹の「The Days I Spent With You」が貴樹と別れた後の水野理紗の気持ちを表現したものだとするならば、「きみなき世界」は、水野理紗を失った後の貴樹の空虚な心情を綴ったものといえるでしょう。

 きみがいなくなってから 初めての冬が来る
 きみなしの きみなしの 途方もない時を
 ぼくはもう ぼくはもう 持て余しすぎてる


 映像版では、二人が完全に切れた時期はもう冬(クリスマス前頃)になっていましたが、コミック版では半袖の頃、つまり夏には亀裂の予兆があり、11月頃にはもはや理紗が別れを覚悟したメールを送ろうとしているので、ここはクリスマスの頃の貴樹の気持ちだと思って下されば。 

 あのときの言い訳をまだ ぼくは後悔している
 なぜだろう なぜだろう それしかなかったのに
 寂しくて 寂しくて 仕方なかった

 
 理紗との別れを後悔しているのか?貴樹。映像版では尺が短すぎて、二人の交際の過程で何があったのかほとんど判らないのですが、コミック版に基づけば、言い訳というのは理紗が「両親に会って」と切り出した時の「仕事を辞めるって状態で将来なんか考えられない」と言ったあれですね。まあ理紗のほうにも妙に煮え切らない感じの貴樹の外堀を埋めてやろうという意志がなかったとはいえませんが、貴樹の腰の引けっぷりも大したもんです。人によっては、下品な言い方になりますが「やることやっといて食い逃げかよ」と毒づきたくなるかも知れません。
 
 傷つけて 傷つけられても なおまだ
 壊れてはいなかった ぼくたちは
 ぼくたちを 捨ててきた あのときに


悲しみはそこここに積もる…

 「あの時」…それはやはり、コミック版で理紗と二人で“禁断の地”岩舟を訪ねた時のことに違い有りません。結果的に理紗を置き去りにするという男の風上にも置けない暴挙に出た貴樹。これはもう完全にアウトですよ。さすがの理紗もこれで完全に諦めるに至ったのでした。

 きみがいなくなってから 少し無口になった
 きみなしの きみなしの 広すぎる世界で
 ぼくはただ ぼくはただ 座る場所探してる


 元々口数は少ない感じの貴樹ですが、さらに無口になってしまったのでしょうか。というより仕事も辞めて恋人とも別れたら、話をする相手がそもそもいない感じですね。壁に向かって独り言を呟いてたりして。

 あれから全てが 変わったのに
 二人の匂いは もうないのに ああ なのに

 きみには云えなかった 言葉があるんだ
 できるなら できるなら 時が戻るなら
 一度だけ 一度だけ きみに云いたかった


 そんなに理紗に未練があるのか?貴樹。理紗も壁をただ見つめてるだけで“苦しみを癒やすものなど何もない”状態なのだから、いっそよりを戻してみるとか……。しかし、「時が戻るなら 一度だけ きみに云いたかった」という言い方…これはホントに理紗への思いなのでしょうか?理紗となぜ上手くいかなかったのか、それはあの“雪の一夜”の呪縛に囚われているからです。永遠の少女である明里を求めて彷徨う貴樹は、大学生以降「明里の欠片」を求めて様々な女性と付き合います。きっとそれぞれの女性にはどこか明里に似ている部分があったのでしょう。しかし、彼女らは決して明里にはなりえず、貴樹の望みは満たされることのない渇きです。

 理紗は良い娘だと思います。貴樹との相性もいいんじゃないかとも思います。“雪の一夜”さえなければ貴樹と理紗は結ばれても不思議ではありませんでした。しかし、厳然と立ちはだかる明里の幻影。

貴樹の視線の先にあるもの

 きみなしで きみなしで いきてゆきなんて
 どうしても どうしても ぼくにはできない


本当に見ていたのはこの人

 そう、貴樹が失って嘆き、空虚感に苛まれている対象。それは理紗ではなく、明里だったのです!「きみなき世界」とは「理紗のいない世界」ではなく、「明里のいない世界」のことだったんだよ!!

ひさびさにMMRネタ

 貴樹を失ったことを嘆き悲しむ理紗に対し、十数年に亘ってなお明里を失った喪失感に苛まれている貴樹。理紗を失ったことは手を尽くして探し出した理紗という“明里の欠片”が実際には“明里の欠片”ではなかったことに気付いたに過ぎなかったのです。この気持ちのすれ違いがまた悲しいですね。

 本来現実世界にはあり得ないはずの「理想の恋」。それをたまたま知ってしまった貴樹は、もう二度と手に入れることのできない「理想の恋」を求めて流離い続けていくのでしょうか。まるで「さまよえるオランダ人」の如く…

 と言うわけで、とことん水野理紗には辛く厳しい妄想をしてしまうのでした。恨みがあるわけではないですし、嫌いなキャラでもなんですが…理紗にはこういうシチュがよく似合うというか(笑)。

 では松任谷由実の歌唱を聞いてみて下さい。すぐ消えちゃうかもですが。

きみなき世界

 http://www.youtube.com/watch?v=IzPBAk8cZT8
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