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「秒速5センチメートル」考察(その1):明里について

秒速5センチメートル
 
 さあ公約どおり、「秒速」ウィークを始めましょう。
 できれば「秒速5センチメートル」を観てから読んでいただきたいのですが、もしこの駄文を読んで観てみる気になったということであれば望外の喜びです。

 それでは始まり始まり…

 「秒速5センチメートル」の考察その1です。

0.はじめに
踏切の2人
 見る者の心に沁みわたるアニメーション映画「秒速5センチメートル」。短編第三話で構成された、さほど長くもないこの物語に満ちている物悲しさは異様といっていいほどに我々の胸に迫ってきます。山崎まさよしの名曲「one more time,one more chance」に流れる喪失感もあいまって、巷では「鬱になる」ともっぱらの評判です。人が誰しも持つ「二度と戻らないヒト・モノの思い出」を呼び起こされるというか、古傷がうずくというか、そういった忘れかけていた感覚を蘇らせる効果をもっているようです。百聞は一見にしかず、ぜひ多くの人に観てもらいたい作品ですが、作品への感想はすでに多数の人が語っているところであり、大半は大いにうなずけるものなので、私は作品から読み取れる内容から、いくつかの考察を行ってみたいと思います。

 なお、本考察は基本的に本編というべきアニメ版を見てのものですが、2011年にコミック版が出ています。第一話、第二話についてはあまり変わりませんが、第三話については大きな変更がなされています。まあ第三話はあのままマンガにすることは困難だし、舌足らずなところがあるところも否めないので(そこに人それぞれの解釈をおこなう余地があるとも言えますが)、当然ともいえますが、このコミック版の第三話相当部分を、アニメ版を補完するものと捉えるか、あくまで一つの解釈と捉えるかは人それぞれだと思いますが、コミック版を「事実」と捉えてもアニメ版の鑑賞を損なわない部分については、(コミック版を読んでの追記)として追加記載していますのでご了承ください。

1.「篠原明里」という女の子について
中学生明里
 まぎれもない本編のヒロイン、可愛いらしい幼女から美少女を経て、今や美人妻になった明里さん(どんな姓になっているのでしょうか)ですが、貴樹君は中二になる直前のあの雪の日以来、線路で偶然めぐり会うまで、彼女に会っていません。なので、第二話「コスモナウト」の貴樹君の夢(幻想的な草原で朝日が昇るのを待つ二人)に出てくる彼女は、暗くて顔すらよくわかりません。また、第一話「桜花抄」での彼女も、貴樹君の視点で描かれているため、引っ越した後の栃木県岩船町での生活についてはほとんどわかっていません。部活で朝早い日もあるとか位。第三話「秒速5センチメートル」ではようやく第三者視点での彼女が描かれますが、今度は時間がやたらに短く、まるでエヴァンゲリオンのオープニングのように切れ切れの映像でしか彼女を捉える事ができません。
こうしたハンデを背負いつつ、私が見る限り、小~中学生のころまでの明里さんは、以下のような性格を有していたようです。

(1) 内向的で人見知り。気が弱い
(2) 本好きで知識が豊富。勉強はできる
(3) 打ち解けた相手に対してはお茶目なところも
(4) 依存心が強いが、克服しなければならないという意志を持つ
女子高生明里
 最初に(1)ですが、これは第一話を見ていただければ異論はないと思います。仲が良いのをからかわれた時(黒板に書かれた相合傘など)、彼女はどうすることもできずに立ちすくんでいますし、貴樹君以外に親しい友達がいるような描写もありません。4年生の時に転校してきて、3年間を同じ小学校で過ごしたのですから、同性の友人が何人かいても全く不思議ではないのですが、第一話は貴樹君視点で描かれているせいか、そういう描写は皆無です。まあ明里さんの交友関係を掘り下げる話ではないからいいのですが。

 次に(2)ですが、本好きなことはちらっと出てくる図書カードを見れば一目瞭然ですね。二人の名前しかない図書カードがたくさんあるようです。ゲド戦記、ナルニア国物語など、ファンタジーが好きなんでしょうか。「まだ体が小さく病気がちだった僕らは、グラウンドよりは図書館が好きで…」というモノローグがありますから、空想の世界で遊ぶ気持ちはよく判ります。また、バージェス頁岩動物群について貴樹君と語り合っているところから見て、二人とも相当に賢い小学生のようです。当時の二人の読書志向はほぼシンクロしていたようです。また桜の花びらが落ちる速度が秒速5センチだという冒頭の明里さんのセリフに対し、貴樹君は「明里、そういうことよく知ってるよね。」と感心しています。でも正確な知識なのだろうか。勉強ができるというのは私のただの推測ですが、小学校レベルなら、本をたくさん読んでいればいい成績はキープできるものと思われます。明里さんの読書好きは、成長後も変わらなかったようで、大人になっても良く本を読んでいます。好きだな~そういう人。

 さらに(3)ですが、突然坂を駆け下りて降りかけている遮断機を超えて線路を渡り、向こう側で傘を開いてターンして見せるなんて、まるで歌舞伎の大見栄みたいです。我々から見るととってもチャーミングですが、当時の貴樹君はびっくりしたことでしょう。それともちょくちょくやらかしてたのかな。可愛いかなーもう。彼女にとか言わん、娘に欲しい。リアル・プリンセス・メーカーやっちゃるぜよ。

 最後に(4)ですが、中学校に入学して半年後、明里さんは貴樹君に手紙を書くわけですが、当時の貴樹君はというと、サッカー部で汗を流し、委員会か何かの活動で上級生の女の子からも親しげに話しかけられるなど、充実した生活を送っている様子が窺われます。明里さんの中学校生活は部活をやっているということ以外は不明なのですが、貴樹君は「手紙から想像する明里はなぜか、いつも独りだった。」というモノローグを語っています。文通した手紙の内容からの推測もあるのかも知れませんが、小学校時代の明里さんをよく知っている貴樹君なので、新しい環境になじもうとしてなじめず、救いを求めるように貴樹君に手紙を出した明里…という感じに彼女の状況を把握したものと思われます。
結婚前明里
 「克服していかなければならないという意志を持つ」という部分は、物語中はっきり窺うことはできません。強いて言えば大人になった彼女を見れば、幼いころの欠点を克服しているように見えるからということになりますが、明里さんの「渡さなかった手紙」(後述)から、より明瞭にうかがい知ることができます。物語中では末尾付近の「あなたはきっと大丈夫」くらいしか読めませんが、小説版「秒速5センチメートル」には手紙の内容が描かれています(後述)。その手紙の中に、「私はこれからは、一人でもちゃんとやっていけるようにしなくてはいけません。そんなことが本当に出来るのか、私にはちょっと自信がないんですけど。でも、そうしなければならないんです。」という部分があります。私はここに、成長しつつある、小学生時代とは変わりつつある明里さんを感じるのです。
人妻明里
 少しだけ強くなった彼女の意志を。この「誓い」のとおり、彼女は強く成長してくことになったと思います。テレビのCМで「強い者などいない。強くあろうとする者。いるのはそれだけ。」と言っていますが(バガボンドですな)、まさしく明里さんは「強くあろうとする者」だったのです。ちくしょう、本当に健気で可愛いなあ。「世界名作劇場」で1年ぶっ通しで明里さんの成長を描いてくれ。あ、男キャラはいらないから。
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