コミック版秒速5センチメートル(その2):映像版第2話「コスモナウト」相当部分を読む①

第2話コスモナウト
 
 北朝鮮がミサイルを発射したり、尼崎のMIYOKOが留置場で死んだりと色々あった一日でした。そんな大当たりの一日に年末ジャンボ宝くじを買いました……と言いたいところなのですが、実は昨日買ったのでした。1等前後賞合わせて6億円というまさにジャンボな宝くじですが、確率は1000万分の1です。2等はいきなり3000万円とエコノミーになってしまう上に、1000万分の3という稀少確率。組違い賞(確率は100万分の1)はたったの100万円です。こりゃあ飛行機事故に遭う位に低い確率ですね。

 やや古いデータですが、1998年に世界の人口が60億人だったとき、その年1年間の飛行機事故で死んだ人は909人だったそうです。大目に見て1000人として数えたとしても600万分の1なので、宝くじの高額当選なんて本当に飛行機事故並だといえると思います。その年の自動車事故死は日本だけで1万805人だそうですので、自動車事故死(事故後1ヶ月以内の死亡)の確率は1000分の1くらい……自動車こわっ!

 そういう訳宝くじの購入金は寄付したつもりにしておきつつ、本日の記事はコミック版秒速5センチメートル第1巻の残りについてです。一昨日12/10に映像版第1話「桜花抄」を取り上げましたので、映像版第2話「コスモナウト」中、第1巻収録部分についてということになります。ちなみにコミックでは第1話「桜花抄」部分が3話分、第2話「コスモナウト」部分が3話分、第3話「秒速5センチメートル」部分が4話分となっています。

澄田花苗

 第4話「カナエの気持ち」

 扉絵は種子島に着いたばかりらしい貴樹。プロペラ機を背景に、心細そうな表情をしています。

 映像版同様、主人公は澄田花苗です。早朝からお姉さん(高校の教師をしています)に送って貰いながらサーフィンの練習をしていますが上手く波に乗れません。学校に行くと貴樹が弓道の朝練をしています。ちょっとした言葉を交わしただけで大喜びの花苗がいじらしいです。反面、高校3年生になってみんな進路を考えている中、花苗の将来は漠然としままです。友達に「遠野君のことだけだね」なんてからかわれていたり。

 放課後のサーフィンも上手くいかず、学校に戻った花苗は、部活を終えた貴樹と偶然を装って出くわし、カブで一緒に帰ることに成功します。この辺り、ちょっと石川ひとみの「まちぶせ」みたいですね。そして始まる花苗のモノローグ。中2の時に転校してきた貴樹に一目惚れし、同じ高校に入りたくて一生懸命勉強しました。恋に落ちた中2の花苗が可愛い!もちろん種子島なので「邪王真眼」とか言いませんよ(笑)。
 
 そんなに好きなのにろくに話しかけることもできなかった花苗は、高校1年生の文化祭で合同でお化け屋敷をすることになり(花苗の友達のサキちゃん、ナイスだ!)、これをきっかけに話ができるようになりました。そうしたらますます好きになってしまうという辺り、花苗の純情極まれといった感じです。渚カヲルなら「花苗はいいねえ。花苗は心を潤してくれる。リリンの生み出した可憐の極みだよ。そう感じないか?」とか言うことでしょう。

花苗はいいねえ

 「昨日を更新していく強さで好きになって…怖くて、毎日が苦しくて、でも嬉しくて、会えるたびに幸せで、自分でもどうしようもなかった」

 というモノローグに、ああ花苗も貴樹とは違う形で恋の呪いに縛られているんだなあと感じます。

 帰り道の売店(コンビニという感じじゃないので)での寄り道では、映像版同様ヨーグルッペ(90円)を買う花苗。貴樹はいつもコーヒー一択のようですが、花苗はいつも真剣に選んでいます。しかし牛乳はがさつ、コーヒーは狙ってるみたいでためらわれ、スコールは男っぽい、フルーツミックスは可愛いけど味が好きじゃないということで結局はヨーグルッペ。これ実在の飲料なんですね。

ヨーグルッペ

 迷った分、貴樹から遅れて店を出ると、貴樹が携帯でメールを打っているのを見ます。「それが私あてのメールだったらいいのに」と思ってしまう花苗。健気だなあ。花苗は貴樹のメアドも知らないのです。

 大阪の大学を受けるという噂の佐々木さんと親しげに話す貴樹を見て落ち込む花苗。二人は学年1位と2位だそうです。勉強できるんだなあ、貴樹。おせっかいなサキちゃん達が佐々木さんに確認すると、付き合ってないとのこと。塾の先生と交際しているらしい。進んでるぞ佐々木さん。佐々木さんに言わせると、貴樹は「男も女も区別していない「「みんなに平等で穏やかで優しくて、でも本心はよくわからない」のだそうです。サキちゃんも文化祭の時にそう思ったとか。

※ ちなみにこの佐々木さん、映像版と新海さんの小説版では東京の大学に行き、ノベライズ版では明里と同じ大学に行き、学生結婚し、一年休学してハワイに言っているそうです。色々凄いぞ佐々木さん!(笑)

 今日も今日とてサーフィンが上手くいかない花苗。岸に上がってくると貴樹の姿が。いきなりのことに思わず隠れる花苗をよそに、貴樹は花苗のお姉さんと会話してます。再び練習に戻る花苗。波の上に立てたらその時は……!

待ち伏せる花苗

 第5話「コスモナウト」

 扉絵は坂道でいつものコーヒーを飲もうとしている貴樹に後ろから笑顔で近づく花苗。これだけ好きになってくれているんなら、Hei You、花苗をつきあっちゃいなYo!と言いたいところなのですがね。明里のことを知らなきゃ……。

 いつもより早く部活を終えた貴樹、いつも通り待ち伏せ作戦の下見に来た花苗を鉢合わせ。花苗には用のない部室棟前での遭遇に「私怪しすぎるよーっ」と焦る花苗ですが、貴樹は一向に頓着せず、「一緒に帰ろうか」といつもの優しげな表情です。例の寄り道の売店前のポストを見て忘れてた暑中見舞いのはがきを出す花苗。中3の時に転校した友達宛です。これを切っ掛けに「東京の友達と手紙やりとりしたりするの?」と尋ねる花苗。無言・無表情になった貴樹にうろたえます。謝る花苗に貴樹は怒るでもなく、「最初はしてたよ。お互いだんだん返事が遅くなって今はもう途絶えているけど……」と話ます。

 これは明らかに明里との文通のことでしょう。他にも文通していた男の友達がいた可能性もゼロではありませんが、明里なき後は「本当の意味では一人だった」と言っている貴樹ですから、明里より長く文通を続けられたとは思えません。この話題になってから貴樹は明らかに表情が沈んでいます。遙か遠くに思いを馳せるように。

花苗とお姉さん

 場面は変わって放課後の花苗。進路希望を出していないと担任の先生に叱られます。成績的には短大か専門学校か就職しかないようです。めげずにサーフィンに明け暮れますがやっぱり上手くいきません。担任の先生はお姉さんに相談しろと言われましたが、お姉さんは何も言わずに送迎してくれるばかりです。

 エンジンの掛かりの悪いカブで例の売店で一人ヨーグルッペを飲む花苗は、貴樹のカブに気付きます。草原の丘の上に座っている貴樹を見つけて思わず駆け寄る花苗ですが、真剣な表情でメールを打っているのをみてプライバシーに踏み込んではいけないと引き返そうとします。そこを貴樹の方が気付いて話しかけます。一緒に帰れなかったから会えて嬉しいという貴樹。無意識に花苗の心をオーバーキルです。

 丘に並んで座って語らう二人。貴樹は東京の大学に行くと言います。「明日のこともよくわからない」という花苗に対し、自分もそうだと花苗にとっては意外な返事をする貴樹。「できることをなんとかやってるだけ。余裕ないんだ」という貴樹に、自分と一緒だと嬉しくなる花苗。進路希望を記入する紙で飛行機を折って飛ばします。

 帰り道。二人のカブの前を横切る巨大なH-Ⅱロケットのコンテナ。「時速5キロなんだって」という花苗の何気ない言葉に驚愕する貴樹。それに似た台詞をかつて明里が!!突然の雨の中、再び帰途につく二人。お風呂から上がって花苗は夕食。お姉さんは教師やって花苗の送迎やって夕食作ってと八面六臂の活躍です。進路のことで迷惑掛けてと謝る花苗に、「ゆっくり決めればいいの」というお姉さん。素敵だこの人。きっと進路については思うところがあったのでしょう。

貴樹のメアドは知らない花苗

 場面は変わって貴樹の部屋。長いメールを打ち終わって、保存を…しません。ベッドに横たわって、「出すあてのないメールを打つ癖がついたのはいつからだろう」とひとりごちています。そして明里との文通についての回想。なんと回想自体をメールで打っています。

 「手紙を出すのを止めたのはどちらだったのかはっきり覚えていない。それ自体重要なことではなかった。もう手紙に意味はなくなっていたから。互いの現在を掴みかねて、繋がりを断つような核心に…二人の絶対的な乖離に触れるのを避けて、当たり障りのない空疎な言葉を並べただけのものになっていたから。僕らはずっと一緒だと思っていた。もう二度と会えなくてもこの想いだけは変わることはないと思って」

 この文章も保存しない貴樹。これらのコマの合間合間に例の不思議な惑星での明里の姿のコマが挿入されています。

 ラスト。「another side」が2ページ。校舎裏で男子生徒の告白に「ごめんなさい」と言う明里。てっきり断られたかとおもう男に対し、「違うの。返事待ってくれないかな…」と言います。その夜、自室で貴樹宛の手紙を書こうとする明里。途中でやめて突っ伏します。このシーンは映像版第3話でちらっと写っていましたね。便せんの端に「こんなこと書けるわけないよね」の文字が。告白されたことの相談なのだとしたら、当たり前田の明里さん!

突っ伏す明里

 そして明里のモノローグ。

 「貴樹君、ここには貴樹くんがいません。岩舟駅に着くと貴樹くんの気持ちを感じます。でも、それもだんだん薄れてしまいました。貴樹くん、好きな人はいますか?私の知らない場所で何を思っていますか?私達はもう、想い出なんでしょうか」

 あの桜の古木に頭をつけて寄り添う明里。時間と距離に引き裂かれていく二人の想い。悲しい。悲しすぎます。こんな時だが、セーラー服が似合っているよ、明里(笑)。

 映像版ではわかりませんでしたが、コミック版ではあの雪の夜もコートの下はセーラー服だった明里。公立高校なので中高一貫ではないと思いますが、奇しくも明里は中高ともにセーラー服だったんですね。今時セーラー服は絶滅危惧種のような感じですが、栃木ではまだまだ繁栄しているのでしょうか。そしてこの告って来た男、もしや映像版第3話でちらっと出てくる

あの男?

 この男なのでは?付き合ったのか明里!陥落したのか明里!!
 でも私のシナリオではロストバージンは大学2年の秋なので、きっと体は許していないはず。

 第2巻はまた今度。来週以降ぼちぼちやっていく予定です。比較的映像版に沿っていた第1巻に対し、第2巻は大胆な解釈変更が行われているので、一話ずつ丁寧に拾おうかなと思います
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