沈んだ歌姫:Sound Horizonを知っていますか
こんばんは。今朝は電車の中から富士山を見ることができました。すっかり雪化粧して神々しい美しさでしたね。その後筑波山も見えました。こちらは近いのでいつでも見えるんですが、白富士と紫峰の両方を一度に見られると得した気分になります。
さて、今日は昨日の続きのStrawberry Panicの話ではないのですが、ラストで言及した「沈んだ歌姫」を取り上げたいと思います。
「沈んだ歌姫」は、Sound Horizonが2004年3月19日に発売した6枚目の自主制作アルバム「Chronicle 2nd」に収録された楽曲です。ところで皆さんはSound Horizonをご存知でしょうか。オフィシャルサイトでは、「幻想楽団Sound Horizonは、サウンドクリエイター「Revo」(作詞/作編曲)が主宰するアーティスト集団である」としていますが、Wikipediaでは「サウンドクリエイター、Revoを唯一のメンバーとする日本の音楽ユニット」と定義しています。この点についてオフィシャルサイトでは、「幻想的な物語を音楽的に表現する為に相応しい楽団員を、その都度必要な人数を集めて編成するという希有なスタイルのグループであり、歌い手・語り手の人数・性別も限定はしていない」と説明しています。
特徴を一言で言うならば、詩、歌、語り、効果音等を情景に合わせて駆使した物語描写を行う「物語音楽」ということになるでしょう。アルバム1枚が一つの組曲として構成される「組曲形式」となっています。「Chronicle 2nd」はSound Horizonの6枚目の自主制作アルバムで、2004年3月にリリースされました。ファーストアルバム「Chronicle」の世界観をベースに、新たに楽曲を追加してリニューアルしたもので、これを発表した約7ヵ月後に「Elysion 〜楽園への前奏曲〜」でメジャーデビューしたため、本作が同人時代最後のアルバムとなりました。
まあえらそうに言っても、私はニコニコ動画でアイドルマスターのキャラクター達が「沈んだ歌姫」をオペラのように演じる動画を見て初めて知ったので、Sound Horizonに精通しているわけでもなんでもないのですが。とりあえず「沈んだ歌姫」を聞いてみて下さい。
YouTubeで聴けます。
http://www.youtube.com/watch?v=_yhH1EAKjm0
アイドルマスターのキャラが演じているバージョンです。
http://www.youtube.com/watch?v=_9L2g1_7KT8
聞いての通り、「Chronicle 2nd」「Chronicle」という題名のとおり、イタリアと思われる王国(作中ではイタニア)の年代記となっており、「沈んだ歌姫」はイタニア暦312年に国王となったアレッサンドロ一世が、イタニア最高の歌姫を王妃として迎えるという勅令を発布したことに端を発しており、野心を抱いた地方領主や門閥貴族が各々歌姫を立てた中、最後に残ったフィレンツァ領主 フィレンツァ公爵家の令嬢ロベリア・マリア・デッラ・フィレンツァ(「紅の歌姫」)と、ミラーナ領主ビスコンティエ公爵家の令嬢ジュリエッタ・シモーネ・デル・ビスコンティエ(「蒼の歌姫」)の争いを描いています。
「紅の歌姫」ロベリアはあらまり(Aramary)が、「蒼の歌姫」ジュリエッタは霜月はるかが演じていますあらまりはSound Horizonの第一期正式メンバーでしたが、、インディーズ時代からの古参メンバーであったが、2004年に脱退しています。霜月はるかはボーカリストとして様々なゲーム・アニメ作品の主題歌を担当しており、以前紹介した「アルトネリコ 世界の終わりで詩い続ける少女」(7月28・29日)でもオリカ・ネストミールの歌を担当しています。
聞いての通り、イタリア語の巻き舌が凄まじいですが、もちろん二人とも日本人です。アイドルマスター版ではロベリアを天海春香が、ジュリエッタを萩原雪歩が演じています。歌詞中、「色惚の年増娘(ロベリア)が望むには…」という部分がある(ジュリエッタがディスっている)ので、16歳の春香には可哀想な気もしますが、さすがわ春閣下、見事に演じています。一方のジュリエッタについては、ロベリアが「田舎貴族の娘(ジュリエッタ)が望むには…」と罵っていますが、雪歩は確かに純朴そうなのでぴったりですね。
まあ私なら、「色惚けの年増娘」ということで、アイドルマスターから選ぶならロベリア役に「三浦あずさ」を推したいです。あずさは色惚けという感じではありませんが、一番色っぽいし、相対的に「年増」なので。ジュリエッタ役には「蒼の歌姫」の異名から、如月千早がいいのではないでしょうか。都会的な顔立ちですが、持ち歌「青い鳥」からも「蒼の歌姫」のイメージにぴったりです。
そしてこの二人を選んだのは、中の人つまり声優さんの歌がとても上手いということもあります。三浦あずさ役のたかはし智秋(この人こそ一見色惚け風です)と如月千早役の今井麻美の歌の上手さは「アイマスレディオ」の「歌姫楽園」で堪能できます。ニコニコ動画で恐縮ですが聴ける方はぜひ。271分あります。
http://www.nicovideo.jp/watch/sm6769149
さて、昨日の話題は私の嫁同率一位の源千華留と涼水玉青に「沈んだ歌姫」を演じて欲しいと言うことでした。もちろん「紅の歌姫」ロベリア役は千華留、「蒼の歌姫」ジュリエッタ役は玉青です。二人の争いはロベリアの勝利となり、陰謀にはまったジュリエッタは、弑逆を謀った逆賊としてデル・ビスコンティエ一門と共に処刑されてしまうのでした。千華留大勝利。
しかし…物語の結末は「歌姫ジュリエッタの沒後…王妃ロベリア在位僅か三年にして寵妃ビアトリジェ・宰相ガレアッツォらの共謀により 歴史の闇に沈む…」となっています。ロベリアの栄光はたった三年に過ぎませんでした。しかも歌姫を擁しての王妃争い自体が国王の遊戯に過ぎなかったという救われないオチが付いています。最後に末尾の台詞をお贈りします。誰にとか何にとは言いません。読んだ方がそれぞれ好きなように解釈して下さい。
君よ驕ることなかれ 我等
歴史という大海に漂う小舟に過ぎぬ
盛者必衰 沈マヌ者ハナシ…
スポンサーサイト