ファイブスター物語のMH語り(その1):北の魔人・サイレン

サイレンA型
 今日は天気が悪くて肌寒いですね。

 ファイブスター物語についてはこのブログの最初期に一度取り上げているのですが、相変わらず13巻が出る気配がないので、「ドツキ太刀打ち音頭」(10巻巻末の錫華御前の台詞)代わりに、時折好きなモーターヘッドでも取り上げていくことにしましょう。13巻早く出してね、永野センセ。初回の今日は、三大モーターヘッドの一角、サイレンです。

 サイレンといえばフィルモア帝国の旗機。フィルモア帝国は星団において最も古い歴史を持ち、最も強大な軍事力を持つ国という設定になっています。宮殿騎士団の「ノイエ・シルチス」はフィルモア帝国の力の象徴であり、圧倒的な戦闘力と帝国への忠誠心で他国に恐れられています。最強国家の最強騎士団が操る旗機ともなれば、強くて当然という感じもしますね。

 当初のフィルモア帝国はまさに「悪の帝国」的な描写がされていました。二巻~三巻のコーラス対ハグーダの戦争ではハグーダの背後にいて支援を行っており、傭兵騎士団(ブーレイ)を隠れ蓑にノイエ・シルチスの騎士を送り込んでいたり、終盤では三銃士の一人ラルゴ・ケンタウリが自分のサイレンでコーラス3世の乗ったジュノーンを襲撃し、コーラス3世を殺害しています。

 11巻からのマジェスティック・スタンド(魔導大戦)でもハスハ連合共和国に大規模な軍事介入を行っており、メヨーヨと激しくぶつかっています。星団の紛争には必ず介入・干渉してくる国家なので、星団統一でも狙っているのかと思っていたらのですが、どうやらその背後には深刻な理由があったようです。

 フィルモア帝国のある北太陽系第二惑星であるカラミティ・ゴーダースは星としての寿命を迎えつつあるらしく、その事実はおそらく最高機密となっていて一般市民には伏せられていると思われますが、フィルモア帝国首脳部は他星への民族大移動を計画しているようです。フィルモアのコーラス攻撃も、今回のハスハ進出も、その民族大移動が目的としたもののようです。カラミティ・ゴーダーズ所在の他の国もそれぞれ何らかの形で移住を考えているのではないかと思われますが、難民保護という形で現れたクバルカン法国以外の動きは定かではありません。もしかすると「寿命」に気付いているのはごく一部の国家だけなのかも…いやいや、そういえばジャスタカーク公国は出てきましたね。

 クリスティン・ビィの一件や皇帝の代替わりなどで、読者のフィルモア帝国へのイメージも大分変わったと思います。好きな国に挙げる人も多いのではないでしょうか。そのフィルモア帝国の旗機にして主力MHであるサイレンですが、「三ツ目」「北の魔人」という異名も持っています。ハスハ連合共和国のA・トール、クバルカン法国のSSIクバルカンと並んで、「星団3大MH」とされています。

 宮殿騎士団であるノイエ・シルチスを構成する赤・青・黒の3つのグループが使用するスタンダードな機体の他、各グループのリーダーや4人の皇帝警護騎士(アルカナ・ナイト)、皇帝と皇帝代理騎士が搭乗する専用騎、そして輸出用のデチューン・バージョンや特務騎士団が使用するカモフラージュ装甲仕様など、様々なバリエーションが存在します。その数はA型~R型まで何と16種類。P型とQ型が抜けているのですが、今後登場するのか何か裏設定でもあるのか…

 名前の元ネタは、グラム・ロックの中核を担ったブライアン・フェリーのバンドロキシー・ミュージックが1975年に発表したアルバム「Siren(サイレン)」だそうです。FSSはミュージシャンやバンドや音楽用語から名称などを借用するケースが多いですね。

 サイレンの基本設計は星団暦初頭に行われ、以後著名なマイトが各々の時代で改良に携わったとされています。各タイプを簡単に説明すると以下の通りです。なお、この項は「FSS Mini Dictionary」を参照しています。

http://www5b.biglobe.ne.jp/~kakekomi/fss/dic_frame.html

サイレンA型後ろ姿

A型:王宮付きの本土防衛用。故に基本的に他国の戦場には出没しません

B型:ノイエ・シルチス赤グループ用

C型:同黒グループ用

D型:同青グループ用

アルカナ・サイレン(スペード)

E型:皇帝警護騎士団のアルカナ・ナイトが使用。通称「アルカナ・サイレン」。魔導大戦前に積層装甲と反発性積層腱肉を導入しており、サイレンとは全く外観の異なる巨躯のMHとなっています。

サイレンF型(赤グループリーダー機)

F型:赤グループ隊長機。基本構造はB~D型と同様ですが、エンジン周りにチューニングが施され、各部が丁寧に造られているために機体性能が向上しているそうです。機体色は赤もしくはクリムゾン・レッド。3巻でラルゴ・ケンタウリが搭乗してジュノーンを襲撃していますが、この際は孔雀色の装甲を纏っていたようです。ラルゴ機は星団暦2989年のコーラス・ハグーダ戦で失われたため、新隊長のブラウマ・イクには新規製造機体が渡されているでしょう。ラルゴ機はきっとコーラスが分析・研究を…

サイレンG型

G型:黒グループ隊長機

H型:青グループ隊長機

I・J・K型:輸出用。外観やパーツはB~D型と同一ですが、エンジン・マネージメントの設定がデフォルトのまま、つまりチューニングされていない状態だそうです。I・J・K型はデフォルト・セッティングとファンクション・システムが異なっていて、輸出先の要望に応じてパーツを交換して出荷されているようです。

ブーレイ(赤はラルゴ機、黄はギエロ機)

L型:装甲のないフレームだけの素体で、戦場投入時に装甲を取り付けます。2~3巻では「ブーレイ」として登場しました

グルーン・エルダグライン

M型:軽量化・高出力化を目指して再設計された特別仕様騎。完成を待たずして開発が頓挫したため、抹消扱いとなっていますが、設計に参加していたルミラン・クロスビンが引き取り、コーラスのベルリンと同時に開発を継続し、グルーン・エルダグラインとして完成させています。ジャスタカーク公国の旗機となっていて、11~12巻に登場します

ネプチューン

N型:フィルモア帝国のレーダー王家専用MH「ネプチューン」で、現在はハイランダーのクリスティン・ビィが搭乗。他のサイレンよりも軽量で高出力の機体に仕上がっています

プロミネンス

O型:フィルモア帝国のフィルモア王家専用MH「プロミネンス」。ネプチューン同様他のサイレンよりも軽量で高出力の機体に仕上がっています。

サイレンR型

R型:フィルモア帝国の皇帝直属騎士団(白グループ)が使用するサイレンです。星団暦3000年代初頭、魔導大戦に先駆けて星団全体がきな臭くなってきた時期に、騎士団の創設と共に配備されました。この時期、多くのサイレンが重装甲タイプに切り替えられていたのに対し、皇帝騎のイメージと合わせたためか細身の装甲となっています。騎士団の性格上、皇帝騎やアルカナ・サイレンの補助が主な役目ですが、戦場の火消し役・増援部隊として投入される場合も多いそうです

アシュラ・テンプルDD

 三大MHなんて言うと、他のMHを蹴散らしているようなイメージがありますが、実際には11巻でメヨーヨのアシュラ・テンプル相手に互角の戦闘となっています。突撃用のランス(近接戦闘になるとメイスになります)を持って音速突撃を仕掛けながら、互角とは。まあアシュラ・テンプルは4~5巻で圧倒的な強さを見せつけていて、MHの重装甲化を促進した名機であり、メヨーヨ108金剛遊撃騎士団は星団屈指の勇猛さで名を馳せているということなので仕方ないのかも知れませんが。ネプチューンやプロミネンスはアシュラ・テンプルをそれぞれ3機以上撃破しているので、機体性能より騎士の力量やファティマの性能が重要ということでしょうか。そういえばA・トールもバッハトマ黒騎士団のアウェケンと五分五分でした。

瑠璃
 
 そういえば、装甲をどんなに変えてもファティマはMHの正体を当てるようです。11巻で瑠璃(ラピス)は、「新ブーレイ」をエンジンA・トールでフレームはフェードラだと当てていますし、5巻ではアナンタがエンジン音だけでA・トールが来たと警告しています。しかし、なぜウリクルは2巻でブーレイの正体がサイレンだと見抜けなかったのでしょうか。ウリクルは実はしょぼい性能…あわわ。

ウリクル
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No title

デザインはともかく、「サイレン」とか「エートール」「ベルリン」とか名前にひねりがなさ過ぎて白けていた憶えが。

サブタイプを濫発して、“ふたつ名”が増えすぎてしまって、どうにも憶えにくいです。こりゃ、ジムより酷い・・・。

ぶっちゃけ、ファイブスターもガンダム同様、後付け設定で首を絞められている側面がありますね。
「ゴティックメード」完成して、すんなり連載再開できるのかどうか最近はずいぶん危惧してます。

Re: No title

こんばんは、いらっしゃい。

そうですね。特に「ベルリン」はひどいと思います。あの世界でどういう意味があるんだ(笑)。

アニメ化して長くやったりすると、MSVならぬMHVが出てきてもいいのですが、全部一人でやっちゃってますからねえ、永野センセは。

そういえば5巻でヤーボのA・トール接近に気付いたのはファティマのアナンタではなく騎士のイラー司教でした。すごいぞこの人。A・トールでもアシュラ・テンプルにとって相性の悪いラウンドバインダ付きなのはA・トールBSだけなので、A・トールってだけで逃げんなよ、こいつへたれじゃんかと思っていたのですが、実はA・トール各機種の微妙なエンジン音の違いを聞き分けていたりして。目ならブラフォードだが耳ならイラーだ!みたいな(笑)。

No title

A・TOOLのラウンドバインダもそうなんですが、オージュもアクティブバインダー持っているし。
そもそも集団戦闘なんかになっちゃったら、あんな隠し武器、使ってられないよなあ <A・テンプル

あの世界の武器体系は一定周期で流行り廃りがあるようなので、A・テンプルのような装備も何度か試され、そして無効化されていたのかも。

LEDミラージュもどんどん設定が変わってしまって。
最近の設定なんかに準拠してしまうと、1巻冒頭の闘いなんて成立しなくなっちゃうしなあ。難儀なモンです。

Re: No title

こんばんは、引き続きどうもです。

Aテンプルのドラゴントゥース、集団戦ではオミットしてますね。Aトールのラウンドバインダも片方外していたりして。これらは個人戦装備なのでしょうか。

一巻はですね…いろいろ突っ込みどころ満載になってしまってますね。騎士が一般人殺しまくってるし。クローソーも一般人のパンチで気を失っているし。ブリッ子なのか?

認めなくないものだな…自分自身の、「若さ故の過ち」というものを…ねえ、永野センセ。

No title

FSSがやっと連載再開。

しかしえらいことに・・・。
いったい作者は何をしたいのか?
これも驚かせるためのトリックなのか、それとも本当の路線変更なのか?

どうにもよくわからない・・・。

Re: No title

 ヤクトさんこんばんは、いらっしゃい。

 わざわざ古い記事を探して貰って恐縮です。今後は記事の話題と関係なく、直近の記事にコメントしていただいていいですよ。

> FSSがやっと連載再開。

 よきことである 今後ともファンのためそちの働き期待しておる 永野センセ

> しかしえらいことに・・・。
> いったい作者は何をしたいのか?
> これも驚かせるためのトリックなのか、それとも本当の路線変更なのか?
 
 なんか色々変更されているらしいですね。モーターヘッドがゴティックメードになっちゃったりするんですか?ニュータイプ連載はパスして13巻発売を待ちたいと思いますが…やはり時間が人を変えるということですかな(笑)。
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