2016年秋季アニメの感想(その2):舟を編む/ガーリッシュナンバー

クリスマスイブイブでんがな

 クリスマスイブイブだというのになんだかとっても暖かくて。「クリスマス寒波」という話は聞きますが、暖かいのは何というのでしょうか。「熱波」はさすがにそこまでではないし、「暖波」という単語はないし。ああ、言葉の海で迷いそうです。

打ち切っちゃったよ、てへ 

 ということで、珍しく前振りも出来たことなので2016年秋季アニメの感想その2を行ってみましょう。その前に視聴打ち切りアニメについて。「SHOW BY ROCK!!#」については3話で視聴を打ち切ったといつか書いた覚えがあるのですが、実は「3月のライオン」も7話で視聴を打ち切っております(てへ)。

君嘘は哀しい 

 理由はですね…なんかどうしても「四月は君の嘘」がちらつくんですよね、この作品を見ていると。特殊な才能に恵まれた主人公が家族的には極めて不幸、でも支えてくれる人がいる…なんてところが。「全然ちげーよ!」とファンには怒られそうですけど。中二病的作品なら極端な設定は別に気にならないのですが、そうでない作品だと、面白いかどうは別に、もうこういう設定はお腹いっぱいだなあと思ってしまって。1クールならなんとか耐えられたと思いますが、2クールとなるとちょっと。

舟を編む感想 

 それではまず「舟を編む」から。三浦しをんの同名人気作が原作ということもあり、大変面白く見ることができました。ノイタミナ枠としては、「僕だけがいない町」「すべてがFになる」がなんというか…私のセンスと異なる作品だったので、視聴作品としては久々の傑作ではないかと思いました。

馬締と西岡 

 登場人物が全員大人で、おっさんおばさん率が高いのに、面白く視聴できるのというのは、自分もおっさんだから…ということもありますが、非常に現実世界に近い場所を描いていたからだと思います。奇跡もなく超能力も魔法もなくてもこれだけ面白い作品になるというのは、描いている「辞書作り」という仕事自体が面白いからなのでしょう。

真面目な馬締 

 主人公の馬締光也は当初玄武書房の営業部にいましたが、コミュ障気味で明らかに不向きでしたが、辞書編集部に引っ張られてからは浮き世離れした性格とは裏腹の言語感覚の鋭さや粘り強さ、集中力の高さがハマってまさにここに配属されるべく入社した人材という感じでした。

男も惚れる西岡 

 その馬締を引っ張ってきた西岡正志は、反対に辞書編集部には似つかわしくないチャラ男に見えましたが、この人が実に有能でした。社交的で対人折衝能力が非常に高く、「金食い虫」と呼ばれる辞書編集部の中型国語辞典「大渡海」刊行計画が中止させられそうになっていることにいち早く気付き、阻止のために奔走し、結果的に我が身を犠牲にして「大渡海」に日の目を見せることになりました。

西岡と麗美 

 馬締と西岡の関係はお互いにないものを補完しあうとても良い関係で、このままこの名コンビで辞書作りをやっていくのかと思いきや、「大渡海」刊行計画続行の代償として西岡は宣伝部に引っ張られてしまったのでした。それはとても残念でしたが、馬締が一目惚れした林香具矢(下宿の大家の孫)との仲を取り持ったり、13年後(!)に辞書編集部に配属される岸辺みどりのフォローを行ったりと八面六臂の活躍。私はチャラ男は基本大嫌いなんですが、西岡には影のMVPを差し上げたいです。

娘達にモテモテの西岡 

 社内恋愛なの?セフレなの?といった関係に見えた麗美ともちゃんと結婚して、娘二人にモテモテで、幸せそうな西岡ですが、まあ西岡ならいいかなと思ってしまいます。

月と香具矢 

 そうそうマドンナ香具矢は板前の道を突き進む一途な女性で、馬締と良く似ている生き方をする人でした。見た目きつそうですがそういうことはなかったぜ。13年後は自分の店を持つまでになっていましたが、結構BBA化が進んでいましたね。馬締や西岡は全然変わらないように見えるのに…。二人の間に子供はいないみたいですが、まあ二人が幸せなら別に問題ないですね。

老けた二人 

 そう、この作品は途中(8話)で一気に何の前触れもなく13年後に突入してしまうのです。別にタイムスリップとか超常現象ではなく、その間ずっと辞書編集が続いていたということなんですが、辞書作りってそんなに時間がかかるものなんですね。その間にも新語や流行語は沢山生まれるでしょうし、かといってあっさり消えて行く単語は入れるわけにも行かないでしょうし…第二版第三版と改訂がされることを考えると辞書作りに終わりはないですね。

松本先生 

 西岡と共に好きなのは松本先生。「大渡海」監修の国語学者で、定年前に大学の教授職を辞し、辞書の編纂に人生を捧げてきたという情熱家ですが、実に温厚かつ人格者で、原稿を依頼した他の先生が性格的にアレだったりしていたのとは対象的でした。

松本先生… 

 まさに誰もが自然に「先生」と呼びたくなる感じの人でしたが、13年の時の流れは残酷なもので、食道癌を患ってしまい「大渡海」の刊行寸前に亡くなってしまいました。人の生き死にはどうにもならないこの世の理ですが、泣きそうになってしまいました。

荒木さん 
佐々木さん

 その他、退職後も嘱託として編集に携わる荒木とか、契約社員として事務作業を一手に引き受けている佐々木さんとか、辞書編集部は実に消臭精鋭でした。新人である岸辺みどりは、ファッション雑誌を手掛けていたかったのに辞書編集部に異動となり、当初はギャップに戸惑っていましたが、やはり言語感覚に鋭さがあり、西岡らのフォローもあって次第に辞書に情熱を持ち始めていきました。出入りしていた製紙会社の営業社員とはどうなったんでしょうか?

岸辺みどり 
舟を編むエンドカード 

 もちろん子供も見られるのですが、久々に大人のための作品を見たなという気がしました。こういう「自分の一生の仕事だ」というものに巡り会えるのって、本当は実に幸せなことなんでしょうね。2013年公開の実写映画版も日本アカデミー章の最優秀作品賞のほか、数々の映画賞を受賞しており、傑作となるのは「約束された勝利」だったかも知れませんが、よくぞいいアニメを作った。全11話はちょっと短すぎな気もしますけどね。

ガーリッシュナンバー感想 

 続いて「ガーリッシュナンバー」。「舟を編む」が持っていた真摯さ、情熱といった方向とは真逆な作品でしたが、これも面白く見てしまいました。みんな違ってみんないい?

勝ったなガハハ 

 大した才能もなく、何の努力もしないのに若くて見てくれがそこそこいいというだけでメインヒロインに抜擢された新人声優烏丸千歳の世の中を舐めきった態度はもはやお見それしましたと言いたくなるレベルでした。

クソアニメクースレ 

 そのラノベを原作としたアニメ作品「九龍覇王と千年皇女(クーロンはおうとミレニアムスレイブ)」(通称「クースレ」)は、キャラデザインや脚本が勝手に変更されて原作側と対立するなど、「SHIROBAKO」でもあった展開の末、千歳が絶句するほどの作画崩壊状態で放映され、売り上げは大赤字に。

昔の写真 

 千歳のテンプレ演技やファンへの塩対応はネットで叩かれまくり、兄でマネージャーの悟浄(元声優)に「何もしていないのになぜ叩かれるの」と文句を言っていましたが、まさに「お前だけが何もしていないから叩かれるんだ」でした。

九頭P 

 その名も九頭のプロデューサーはまさに絵に描いたようなチャラ男で、西岡とは全く違う無能かつクズな男ですが、かつてはバリバリ働く事で有名だったらしいです。この人と声優事務所の難波社長の「勝ったなガハハ」に千歳が無思慮に乗っかる場面こそ、本作を象徴していると言えるでしょう。

シリアスな難波社長 

 それにしても九頭…。難波社長はなんだかんだ言っても経営者としての凄みを見せてくれましたが、アニメファンから「戦犯」呼ばわりされるとは。監督とか脚本が叩かれることは良くあることのようですが、プロデューサーまで叩かれるとはどんだけだ(笑)。

戦犯のクズ 

 肝っ玉だけは人一倍というか数十倍に太い千歳ですが、しかし、高校生の新人声優が脚光を浴びたり、共演した声優達が他作品でも役を取ってくる中、自分だけモブ程度しか仕事がない状態にさすがに焦り始め、兄の悟浄のように主役1本だけで消えるのかと苦悩するようになります。いいですねえ、闇堕ち。

闇堕ち千歳 

 調子に乗って天狗になっていた身の程知らずの若手声優がまさに自業自得なシビアな現実に直面し、どのようにして乗り越えていくのか…と行ってしまうとちょっと大袈裟ですかね。千歳の本質は最後まで変わりませんでしたが、その傍若無人ぶりが実は結構共演声優達にも(なぜかいい方向に)インパクトを与えていたりして。

苑生百花 
柴崎万葉 

 業界の大物を両親に持つ高校生アイドル声優苑生百花は、実は親の七光りありのキャスティングに複雑は思いを持っていたり、役者志望の意識高い系声優柴崎万葉は仕事はこなすものの、プロモーションやイベントに拒否感を持っていたりします。順調にキャリアアップしているかに見えるこの二人が密かに抱えていた悩みとか不満が、千歳の傍若無人な振る舞いによって表面化し、しかしそれによって図らずも問題解決に至るというのが面白かったですね。なのでど新人ながら妙な存在感を出す千歳を無視出来なくなるという。

久我山八重 

 千歳と同期の久我山八重は、小柄なのに巨乳で、かつ天然であざといとして一部(おそらく女性層)に嫌われていますが、野郎共には大人気。腹黒だとしばしば千歳から責められていますが、多分素でこういう人なんだと思います。私も野郎のはしくれだから好きですがな。でも演じていた本渡楓すらあざとすぎると感じていたほどなので、もの凄い天然なんでしょうが。この人好きだ!近日「好きなアニメキャラ」で改めて紹介しましょう。

片倉京 

 そして実は悟浄と同期だった先輩声優の片倉京。売れてないのでバイトを掛け持ちし(「それが声優!」や「SHIROBAKO」でも見た光景)、アラサーということでこの先仕事が取れなければ実家へ帰って婚活しようかと考えていたり。26歳なのでアラサーというには早すぎる気がしますが…。CV石川由依は27歳なので、京のセリフはいちいち自分の心に刺さったんじゃないかと(笑)。まあ石川由依は「進撃の巨人」のミカサ役でブレイクしているし女優業もこなしているから境遇は大分違いますが。京も好きなキャラなので、近日「好きなアニメキャラ」で改めて紹介する予定です。

桜ヶ丘七海 

 千歳は「私が売れないのはどう考えても業界がおかしい」的な考えをしばしば吐露しますが、本作で描かれる業界を見ると、それもあながち間違いではないかなあと思ったりして。番宣ラジオによればここまでひどいことはないとのことですが、デフォルメではあっても結構近いことはあったりするんじゃないの?

天使のななみん 

 ちなみに終盤に登場して千歳を無邪気に闇堕ちさせた桜ヶ丘七海はHPでただ「天使」と。この人こそ言動が八重以上にあざとい感じがするのですが、現役JKだと全て許されるのか?それともCV佐藤亜美菜が元AKBだからか?

AKB時代の佐藤亜美菜 

 “仕事が来る”のが当たり前だと思っていたけど、ぶっちゃけ、代わりなんていくらでもいる。ではなぜ選ばれたか?それは単に暇でイベントに使い易いから。皆「誰でも良い」はずだったのに、気付いたら八重や京と差がついてたのはなぜか。誰でも良い仕事を、八重や京が「君に任せたい」と言って貰えるのは、頑張っていたから。自分の代わりなんていくらでもいる中で、いかに頑張るか。私が売れる為に、全力で頑張る。これが千歳の出した結論でしたが、「仕事だから何でもやる」とか、自分なりの意欲を貫いて演技にぶつけるって考え方自体は、ずっと百花や万葉が言ってきた事でもあるんですよね。ようやく声優としての心構えが追いついたのか(クズなりに)。

がんばらなくていいからと言われて 

 七海には「がんばらなくていいから。そこで私の生き様を目に焼き付けなさい」と。要は追いついてくるんじゃねえ!ということか。
 ガーリッシュナンバーキャラ紹介その1ガーリッシュナンバーキャラ紹介その2

 大赤字アニメの始末として、「円盤」などの販売促進イベントに水準より安いギャラで複数回出て欲しいという無理筋なリクエストが来ましたが、なぜか結束が強まった声優陣、八重や京はもとより、売れっ子の百花や万葉まで参加することに。

できらあ! 

 「かなりキツいが、できるか?」との悟浄の問いかけに「出来らぁ!」と即答した千歳。それはアレか、「スーパー食いしん坊」かッ!「記憶に残る一言」で元ネタを取り上げろということかッッ!!。よし、ビビビッときたから近日やっちゃるわ。

出来らぁ! 

 兄の悟浄曰く、性格がクズで声優にしか向いていないという千歳。でもまあ図らずもグループの中心に来るというのは「持ってる」ということなんでしょうかね。どす黒い心の声をまき散らしつつ頑張って貰いたいものです。いやいや、対象的な二作品でしたが、どちらも面白くて良かったです。

ガーリッシュナンバーラスト 
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