MM9-destruction-:3年以上を経てMM9シリーズ完結編を読みました

明里ちゃん3歳

 涼しくなるのは結構なんですが、あまりに急過ぎて体調を崩す人もいるようです。私もちょっと風邪気味なんですが、何事も過ぎたるはなお及ばざるがごとし、ですね。最近の日本の気候はとにかくラディカルな方向に向かっているような。そんな中、当ブログのアイドル・リアル明里ちゃんは一足早く七五三のお祝いをしたそうです。もう3歳か……早い、早いよスレッガーさん。ちなみにプレートの料理もご飯も完食したそうですが、将来はフードファイター?

MM9 destruction 

 本日は山本弘の「MM9-destruction-」を紹介しましょう。MM9シリーズについては、2013年5月29日にシリーズ第一弾の「MM9」を、同年6月6日にシリーズ第二弾の「MM9-invation-」を読みましたが、第三弾の本書を読んだのは何と3年以上後になってしまいました。

 なぜかというと、私が札幌に転勤してたいということもありますが…いつも利用する図書館に、単行本はあるけど文庫版がなかったということがあります。単行本を購入した以上、同じ内容の文庫版を重ねて購入はしないという方針なんでしょうが、通勤電車が読書タイムの私としては単行本は携行しずらいんですよね

 しかもこの表紙。ででーんと巨大ロボット怪獣ですよ。電車内で広げるのにはちょっと躊躇いがあったのです。でも今回、そろそろ読まないとあらすじを忘れてしまうじゃないかと逆ギレ(?)して、電車内でどうどうと読んだのですが、まあ他の乗客は全然興味を示しませんでしたね。皆スマホを見るのに忙しいみたいです。

文庫版MM9 destruction 

 ということで大きい単行本を読んだので、文庫版裏表紙の内容紹介はわからないのですが、代わりにAmazonの内容紹介です。

 地震、台風などと同じく自然災害の一種として“怪獣災害”が存在する現代。有数の怪獣大国である日本では、気象庁内に設置された怪獣対策のスペシャリスト集団“気象庁特異生物対策部”略して“気特対”が、人々を守るため昼夜を問わず駆けまわっている。スカイツリーを襲った宇宙怪獣を辛くも撃破してから二日。一騎と亜紀子、そしてヒメは茨城県内のとある神社に護送された。そこで出会った美少女巫女ひかるは、ヒメとの意外な関係を明かす。一方、日本近辺では透明怪獣が次々と出現。その裏には、地球侵略を企むチルゾギーニャ遊星人の恐るべき目論見があった。果たして一騎たちは、最強の宇宙怪獣を迎え撃てるのか?本格SF+怪獣小説・『MM9』第3部!

 第二弾の「MM9-invation-」はチルゾギーニャ遊星人の地球侵略を描いていましたが、実は威力偵察といった段階に過ぎず、今回の「MM9-destruction-」こそが本格的侵略となっています。

 本シリーズでは、我々の世界と同様の物理法則に支配される「ビッグバン宇宙論世界」の他、「神話的宇宙論世界」が存在しているとされています。地球は人間の文明の進歩により、「神話的宇宙論」から「ビッグバン宇宙論」に急速に移りつつあり、完全に「ビッグバン宇宙論世界」に移行すれば“怪獣災害”が発生しなくなるはずなのです。それは某理科雄がしたり顔で展開している(ように感じる)「空想科学読本」シリーズが指摘するように、火や光線を吐く巨大怪獣の存在自体が物理法則に反しているからなのですが、本書の世界では「神話的宇宙論」の残滓としてまだ怪獣が出現するのです。

 そして怪獣が出現して怪獣災害を起こしてくれないと困る存在もいます。いわゆる妖怪達です。彼らは通常人間社会に溶け込んで人間と変わらず生活していますが、やはり異形の「神話的宇宙論世界」の存在であり、「ビッグバン宇宙論世界」が確立すれば滅亡せざるを得ないのです。なので妖怪達の中の過激派はあえて怪獣災害を引き起こし、人間達に怪獣の存在を焼きつけようとします。人間からすればテロリストみたいですね。

 しかし頼みの綱のMM9級大怪獣のクトウリュウ(クトゥルー)が怪獣ヒメに倒されてしまい、過激派妖怪達の希望は潰えたかに思えました。そこに救いの手を伸ばして来たのがチルゾギーニャ遊星人でした。彼らは「神話的宇宙論世界」からやってきた存在で、妖怪達に手を貸して地球を「神話的宇宙論世界」に変えてやろうと言うのです。

 ということで「MM9-invation-」ではとりあえず「ガラスネーク」と「ゼロケルビン」の二体の宇宙怪獣を出してきたチルゾギーニャ遊星人、今回は多数の宇宙怪獣を出撃させ、精神生命体である恒点観測員774号(ジェミー)と融合したヒメを倒しにかかります。5体UFOが分離合体するロボット型宇宙怪獣「ゴウキング」と吸血宇宙怪獣「アボソーラス」5体による飽和攻撃でヒメを倒し、謎の宇宙金属でコーティングして銅像のようにしてしまいます。

十字架磔のウルトラセブン 

 本シリーズはウルトラシリーズやゴジラシリーズなどの特撮作品のオマージュとなっていますが、正義のヒーロー(この場合はヒロインですが)が極悪宇宙人の奸計にはまって捕らえられるというのは「ウルトラセブン」の十字架に磔になったウルトラセブン(「セブン暗殺計画」前後編)とか、「ウルトラマンA」のウルトラ5兄弟が全員磔になったり銅像に変えられてしまう(「死刑!ウルトラ5兄弟」とか「全滅!ウルトラ5兄弟」)のエピソードを彷彿とさせます。それにしても「セブン暗殺敬作」って、ちょっと内容と違っていますよね。ガッツ星人がやってることは暗殺というよりは公開処刑でしょう。

兄弟で磔 

 チルゾギーニャ遊星人は、ビッグバン宇宙論的世界の拡大を防ぐのが目的だと語っていましたが、本当の目的は、地球を自分達の「神話的宇宙論世界」に組み込むことでした。彼らは機械文明の代わりに怪獣を使役する怪獣文明を持っていますが、真の支配者は怪獣神ギガントであり、ギガントがヒメをレイプ(!)して自分の子供を産ませることによってその星の神話体系そのものを乗っ取り、一族を増やしていくという大胆すぎる手法を取ってきたのでした。

ブロンズ像になったウルトラ5兄弟 

 我々の世界では遺伝子が異なる異種姦では妊娠しませんが、「神話的宇宙論世界」ではほぼなんでもありで、きっと高貴な姫やエルフや女神を下賤なオーガやゴブリンやその他の魔物が襲って孕ませるという陵辱物のエロゲーに近いようです。剣と魔法も普通にありますしね。でもさすがに「エロゲー的宇宙論世界」では様になりませんな。

 実はヒメはまだ幼生に過ぎず、羽化して生体となると世界最古の女神といわれる「メドゥサ・アンドロメダ」になるのですが、チルゾギーニャ遊星人がヒメを銅像化したのは羽化を防ぎ、ギガントの「手籠め」を容易にするためでした。

 怪獣神ギガントには従者(あるいは子供)として戦車形態からケンタウロス形態に変形する「メカモグラ」と、円盤形態から怪獣形態に変形可能な「ガラコブラ」(前作登場のガラスネークの親分的存在)が付き従い、いよいよヒメは危うしということになるのですが、実はヒメにも従者たる怪獣がいるのでした。

牛頭天王 

 一体は1923年に関東大怪獣災害(関東大震災に相当)を引き起こした「ゴズ」(名前は牛頭天王から。モデルはゴジラ)。そしてもう一体は1995年に阪神地区に大規模な怪獣災害(阪神淡路大震災に相当)をもたらした「カガミ」(名前は八咫鏡から)です。彼らは日本の守り神的存在なのですが、他の怪獣を倒すために戦えばそれだけで大被害が出てしまうという意味では「荒ぶる神」そのものです。

八咫鏡 

 ゴズはメカモグラと、カガミはガラコブラと交戦を開始しますが、首魁である怪獣神ギガントを倒すためにはヒメの「羽化」が必要です。どうやってヒメを甦らせて羽化させるか、が本作最大の見所となりますが、そこはぜひ読んでいただきたいなと。

 シリーズラストだけあって、終盤には巨大怪獣が3対3で戦うという特撮物でもなかなかお目にかかれない豪華な戦闘が展開されますが、自衛隊もそれなりに存在感を示しており、科特隊とかウルトラ警備隊並みの活躍を見せてくれます。山本弘は特撮作品をよく分かった上でリスペクトして本シリーズを描いているので、特撮世代の私としては非常に読みやすく、楽しむことができました。やっぱり恋は必要なんですね。主人公の高校生案野一騎が一時的にハーレム状態になるのもギャルゲーチックでいいですね。

 しかしこの世界、我々の世界のように完全に「ビッグバン宇宙論的世界」にはならないような気がします。ヒメは転生を繰り返しては1000年周期で宿敵「クトウリュウ」と戦う他、宇宙からの侵略者とも戦って地球を守る使命を持っているようですし、それを周期的に見せつけられては「怪獣」の存在を完全否定することはできないような。

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