ファイブスター物語13巻(その1):9年ぶりの新刊を遂に読みました

夏のような秋空
 
 秋霖の昨日から一転して最高気温27度で残暑の札幌でした。甘い!残暑はそんなもんじゃないという内地の怒りの声が聞こえてきますが、9月の27度は札幌では十分残暑ざんしょ?

ファイブスター物語 13巻

 さて本日は昨日読み終わったファイブスター物語(FSS)の13巻の感想についてです。当ブログ開始当初から挨拶のように「ええいッ!13巻はまだかッッ!!」と言ってきましたが、8月15日に発売されていたのに気づかなかった迂闊さ。

このリハクの目をもってしても

 なにしろ目が海のリハクなもんでまったく仕方ありませんな。それにセンセ自身が発売日を偽っていますから(笑)。ほら。

これもウソだった

 発売から2週間以上経過していたらブックオフでも帰るんじゃなかろうかという邪念も浮かびましたが、ここは9年ぶりに永野センセを儲けさせてやろうかとジュンク堂で新刊を買ってきました。

札幌ジュンク堂

 そう、12巻が出たのが2006年4月ですからねえ。センセももう55歳だ。作中でやたら登場キャラにババアだジジイだ言わせていますが、もはやセンセ、あんた自身が結構なGGE(笑)。

FSS12巻

 この空白の9年間、センセが何をやっていたのかといえば、基本オンラインゲームに熱中「鉄拳6」の風間飛鳥やアンナ・ウィリアムズのエクストラ・コスチュームのデザイン……

風間飛鳥エクストラコスチューム
アンナ・ウィリアムズのエクストラコスチューム

 これはウソではないですが、流石にコレで9年はなかろう。まあ2012年公開のアニメーション映画「花の詩女(うため)ゴティックメード」に集中していたということでしょうね。

花の詩女ゴティックメード

 何しろ私はリハクなもんで、実はまだ見ていないのですが、2006年の制作発表から公開まで約6年を要しています。「角川書店65周年記念作品」ということですが、確か深夜アニメの「RDG レッドデータガール」もそんなこと言ってなかったか。主役に早見沙織を充てていながら、65周年記念作品というわりにはなんだかなあ……という出来でしたが、そうそう、こっちは「角川文庫65周年記念作品」でした。似て非なる名称な訳ですね。

レッドデータガール

 「花の詩女 ゴティックメード」(GTM)は原作・監督・脚本・絵コンテ・レイアウト・原画・全デザインを永野センセが担当したそうで、主役の「花の詩女」ベリン・アジェリを嫁さんの川村万梨阿が演じる(主題歌も歌う)という、まさに夫婦合作作品のようです。4K解像度を採用したせいで、お金持ちを除いた一般家庭ではオリジナル版の解像度で視聴する術がないというとんでもない作品(でもそういう設定大好きだよな、センセは)なので、今だに映像ソフト化されず劇場でのみ鑑賞できるという希有な映画となっています。

永野護と川村万梨阿

 FSSの連載を中断して制作されたこの作品、設定や登場人物などには同作品と共通する部分も多かったのですが、2013年4月に連載が再開されたFSSの方がGTMに大きな影響を受ける形となってしまい、従来の設定が大幅に改変されました。GTMで描かれた出来事もFSSの年表に組み込まれました(星団暦451年の出来事)。現在描かれている「魔道大戦」が星団歴3031年の話なので、2500年以上前のお話ということに。ただ、星団歴が始まって以降は文明は緩やかに後退する局面らしいので、テクノロジーなどはほとんど変わらない様子です。

花の詩女ゴティックメードその2

 で、何が変わったって、FSSの花形ともいえるモーターヘッド(HM)が全てゴティックメード(GTM)に改称され、デザインまで大幅に変化しました。そしてまさにFSSの花だったファティマは、名称こそ残されましたが、正式名称がオートマチック・フラワーズ(AF)とされ、「ファティマ」は戦闘時以外に使用される通称となりました。

こんなに変わった黒騎士

 衣装デザインもビスケット・スタイル(アリシア・セパレート)に大変化。大騒ぎの上登場したプラスティック・スタイルでしたが、寿命は極めて短かった。不評だったのでしょうか(主に私に)。個人的にはその前のデカダン・スタイルが好きですが、ビスケット・スタイルもプラスティック・スタイルよりはましかな。

ビスケット・スタイルのファティマ

 主要キャラは姿こそ変わっていませんが、一部の呼称に大変化。ダイバー(魔道師)はバイターに変わり、マイト(GTMやファティマの制作者)はガーランドに、マイスター(整備士)はスライダーに。これらは全部GTMの影響なんでしょうね。

マーク2

 FSSのベースとなった「重戦機エルガイム」色はほぼ払拭された…みたいですが、GTMにもエルガイムMk-2のプローラー形態に良く似た「マークⅡ」というGTMが登場し、FSS13巻にも登場しているので、完全払拭という訳でもない模様。

エルガイムMk-2 プローラー形態

 何しろ9年ぶりすから、一回で終わらせてはもったいないので、詳しい話はまた明日書くとして、FSSが連載開始されたのが1986年。20代半ばの若造だった永野センセも50代半ばとなりました。作者も成長すれば物語も成長するという訳で、1巻の頃に比べると内容も設定も非常に奥行きがでてきましたね。それだけに初期巻を見返すとセンセ本人ではないのに、何やらこっぱずかしくなるというか、「認めたくないものだな…自分自身の…若さゆえの過ちというものを」と呟きたくなるというか。絵もかなり下手ですしね…

デカダン・スタイル
プラスティック・スタイル

 多分ですね、昔のセンセは世の中というものを舐めてたんでしょうね。いや、FSSはセンセの被造物、どういう世界にしようと勝手気ままなんですが…。フィクションはフィクションなりに世界観に説得力がなければならないと思うのですよ。作者が自由に設定して構わないけど、設定が矛盾や撞着をはらみまくっていると、読者が着いてこれなくなるという。

1巻の絵

 FSSは作者の成長とともに設定も変わっているので、今から見ると初期の物語はかなり厳しいです。普通の人間を殺しまくる騎士とか、領主に抑えられて自由に動けないマイトとか、普通の人間に捕まって気絶させられるクローソーとかね。

例の馬鹿夫婦

 逆に今はFSS世界の構造は非常に複雑化し、一国の皇帝といえども自分の国の仕組みを全て把握できないというほどになっています。今度はいささか複雑になり過ぎている感もありますが、主役国家だったはずのAKDよりもフィルモア帝国やミノグシア連邦(ハスハ)の方が面白くなってしまいました。もういっそ、アマテラスはGMTスライダーとして片隅で整備してろと思うほど。でも「おとぎ話」だからそうもいかんのでしょうね。

FSS1巻

 非常に人を選ぶ作品ですが、嵌まれば大変面白いので、まずは1巻を読んでみて下さい。それでダメならもうやめていいと思います。情報量が多いので、何度読んでも新たな発見があったりして、コミック単行本としては高いですが、長く楽しめるのでモトは取れます。

8月15日発売

 
 
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No title

>「おとぎ話」
MHがGTMになろうが、姿が変わろうが。
この物語の本質は変わらない。
だって、筋が決まっているおとぎ話だから。

数多ある桃太郎の絵本をバラバラにして、シーン毎に再構成してもストーリーは一貫している。
まあ、絵柄がときどき変わるからチグハグさは感じるだろうけど。

今回のデザイン変更やら用語の変化はそういう作者のメッセージだと受け止めてます。私はあまり違和感なかったですね。

まー、「あらすじ」たる年表がちょこちょこ更新されるのはあれだけど。
松本零士作品なんかの混乱ぶりに比べれば大したことがないか。

Re: No title

 望郷士さんこんばんは、いらっしゃい。いつもありがとうございます。

> >「おとぎ話」
> MHがGTMになろうが、姿が変わろうが。
> この物語の本質は変わらない。
> だって、筋が決まっているおとぎ話だから。

 おとぎ話も神話も、長い歴史や語る人の変遷、地域差などから様々なバリエーションが生まれます。それは必然なのですが、FSSの場合、単独の人が創作するおとぎ話なのに設定が大きく変更されるのが特徴です。まさにセンセと共に成長する物語。それだけに初期の作品はなかなかに香ばしくなってしまう訳ですが。あのユーバーだって今ならもうちょっと描きようがあったことでしょう。

> 数多ある桃太郎の絵本をバラバラにして、シーン毎に再構成してもストーリーは一貫している。
> まあ、絵柄がときどき変わるからチグハグさは感じるだろうけど。

お供が狼やゴリラや鷲だったり、そもそも流れてきたのがスイカだったりしているような気もしますが、鬼退治に行って財宝を持って帰るという意味では同じといえば同じでしょうかね。餌がきびだんごじゃなかったり、鬼が鬼じゃなかったりもしますけど(笑)。

> 今回のデザイン変更やら用語の変化はそういう作者のメッセージだと受け止めてます。私はあまり違和感なかったですね。

 私はそんな大仰なものではなく、「心は、変わるものだ」ということだと解釈していますが。最初にデカイ口を叩くと後で後悔するみたいな。それを避けようとリブート版とか出しているのかも。

> まー、「あらすじ」たる年表がちょこちょこ更新されるのはあれだけど。
> 松本零士作品なんかの混乱ぶりに比べれば大したことがないか。

 昔は年表だけは絶対に変わらないみたいなことを言っていたんですがね。認めたくないものだな…自分自身の、若さ故の過ちというものは…。かつての傑作を自ら汚している例は他にも沢山ありますが、やはり編集あたりに「知名度の高いアレをリメイクすれば人気バッチリっすよ」とかそそのかされるんですかね。残念なことです。
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