マスカレード・イブ:先に読んでしまった「マスカレード」シリーズ第2弾

花散る朝

 花散らし 染まり駆けゆく 朝の風(冬空)
 ということで、桜の花が散ると一気に草木が芽吹いていく感じがしますね。今日もやたら暖かいけど、明日はもはや「アツゥイ!」と言いたくなる夏日予報。おいおい4月から勘弁してくれよって感じですな。

マスカレード・イブ 

 本日は東野圭吾の「マスカレード・イブ」を紹介しましょう。「マスカレード・イブ」は2014年8月21日に単行本を経ずに集英社文庫からいきなり文庫版が刊行されました。何故「イブ」なのかといえば、第一弾「マスカレード・ホテル」の前日譚だからです。だったらそっちから読めよという話ですが、例によって海のリハクの目が発動しまして。というか「マスカレード・ホテル」が見当たらなかったという。

 まあ第2弾が前日譚なので、時系列的にはこっちから読んだ方が正しいのではないかという気もします。気を取り直して続けるぞ(笑)。まずは例によって文庫版裏表紙の内容紹介です。

マスカレード・ホテル 

 ホテル・コルテシア大阪で働く山岸尚美は、ある客たちの仮面に気づく。一方、東京で発生した殺人事件の捜査に当たる新田浩介は、一人の男に目をつけた。事件の夜、男は大阪にいたと主張するが、なぜかホテル名を言わない。殺人の疑いをかけられてでも守りたい秘密とは何なのか。お客さまの仮面を守り抜くのが彼女の仕事なら、犯人の仮面を暴くのが彼の職務。二人が出会う前の、それぞれの物語。「マスカレード」シリーズ第2弾。

 舞台となるホテル・コルテシアは一流ホテルで、 ホテルサイドの主人公山岸尚美は「ホテル・コルテシア東京」勤務ですが、大阪に新装オープンした「コルテシア大阪」に教育係として一時期派遣されました。取材協力として東京都中央区日本橋にある「ロイヤルパークホテル」がクレジットされており、「ホテル・コルテシア東京」のモデルとなっています。

コルテシア東京 

 「マスカレード・イブ」は短編4編を収録。末尾にして表題作である「マスカレード・イブ」は描き下ろしで、残る三編は集英社の「小説すばる」に掲載されました。

 「それぞれの仮面」は山岸尚美の元カレが登場します。コルテシア東京に就職して4年目となった尚美は、当初からの希望だったフロントクラークに配属され、新たな業務に戸惑いながらもなんとか慣れていきつつあるというところ。そこに尚美の大学時代の元カレが客としてやってきます。

マスカレード・イブPOP 

 元カレは大学の先輩で、2年ほど交際しましたが、元カレの就職先が倒産して失業し、コネで地元である艦載の企業に就職することとなったことを契機に別れたという経緯がありました。なのでドロドロの愛憎劇というのはなく、遠距離恋愛でもいいところ、仕事に専念したいという元カレからの別れを尚美が受け入れたのでした。

 元カレはいつの間にか元野球のスーパースターのマネージャーをやっており、スーパースターの海外渡航の前泊ということでコルテシア東京に宿泊したのでした。ところが業務を終えて帰ろうとした尚美に元カレから電話がかかってきて、ホテルで逢っていた交際相手が失踪したので力を貸して欲しいと言われます。

ロイヤルパークホテル 

 彼女には自殺癖があるので万が一の際にはホテルの評判にも傷が付くと言うことで内密に捜索をする尚美ですが、他の部屋での予約状況ならルームサービスの注文状況から真相に辿り着きます。これは「日常の謎」に近い話ですが、からくりは結構ほろ苦い。マネージャーの仕事って大変ですね。

 「ルーキー登場」は刑事サイドの主人公新田浩介の初登場エピソード。両親と妹は米シアトル在住で、父は日系企業の顧問弁護士。高校に入るまで2年間をロサンゼルスで過ごした帰国子女でもあり、英語を流暢にこなします。大学は法学部出身ですが、法曹の道へという父のアドバイスに背いて警察官になりました。

高級ホテルその1 

 この時はまだトッぽい兄ちゃんという感じで、お姉ちゃんと遊んでいるところに召集が掛かったりしています。事件はホワイトデーに発生した実業家殺害事件でした。先輩でヤクザ的な風貌の本宮とコンビを組んで捜査に当たる新田は、持ち前の推理力で犯人確保に貢献します。


 しかし、その背後には真犯人の影が。したたかな真犯人=女性の意図とからくりを見抜きながら、具体的証拠を挙げられず、その仮面を暴くことはできませんでした。認めたくないものだな…自分自身の、若さ故の過ちというものを…。が、辛酸を嘗めて人は成長するのです。

高級ホテルその2 

 「仮面と覆面」はまた尚美のお話。教育係として新規開業した「コルテシア大阪」に助っ人としてやってきた尚美は、ロビーにたむろするオタッキー達と遭遇します。どうやら人気覆面作家タチバナサクラに会おうとしているようです。

 タチバナサクラは27歳の女性作家という触れ込みで、ぼかして掲載するつもりの写真が手違いでぼかしがはいらないままにネットに流れてしまったせいで熱狂的なファンがいるようです。が、担当編集者によると正体は中年のおっさんで、実際フロントにやってきたのはおっさんでした。

高級ホテルフロント 

 しかしこのおっさん、缶詰になっているはずが長時間外出している様子。ですが編集者の電話にはちゃんと出て仕事をしていると言っている。これは一体どうしたことかといぶかしむ尚美ですが、客なので干渉する訳にもいきません。そうこうしているうちに、熱狂的オタッキー達はあっと驚く手段に出てタチバナサクラと電話で会話しますが…。こちらも尚美が真相を究明しますが、客のことなので誰にも言う訳にもいかず。やはり「日常の謎」系です。

 表題作「マスカレード・イブ」は新田と尚美が交錯するエピソードですが、二人は直接出会いません。大学教授殺害事件が発生し、八王子南署生活安全課の女性警官・穂積理沙とコンビを組むことになった新田。「ルーキー登場」では先輩の本宮に大丈夫かコイツと思われていた新田ですが、今度は穂積に大丈夫かコイツと思うようになっています。

島津ゆたかのホテル 

 容疑者として共同研究者の准教授が浮上しますが、事件当時彼は「コルテシア大阪」で人妻と密会していたと主張します。しかし人妻の名前は頑として明らかにしません。あまり成算がないということで単独で大阪に出張させられた穂積の懸命さに心打たれた尚美は、「証言として採用しないこと」を条件にギリギリの範囲でヒントを与えます。これによって准教授が密会していた人妻が判明しますが、それは准教授のアリバイを証明することになってしまいます。 

 完全に行き詰まるかと思われた捜査ですが、穂積の何気ない一言でアルキメデスの如く“Eureka!!”と叫んだ新田は、驚きのトリックを暴きます。穂積もお手柄だった訳ですが、最後に返す刀で新田は穂積の欺瞞を暴き、入れ知恵されたことを白状させますが、尚美の名前を出さなかったところは偉いぞ穂積。というか、この人は面白いキャラなので、シリーズに再登場させたらいいのに。

ユリイカのアルキメデス

 シリーズといってもまだ二作だけですが、「マスカレード」シリーズは既に発行部数は216万部以上というベストセラーシリーズとなっています。「マスカレード・イブ」は一ヶ月半で100万部を突破したとか。

 犯人仮面を暴くの刑事と、客の仮面を守り抜くホテルのフロントクラーク。対照的な仕事の二人がどう絡み合って活躍するのか、それは「マスカレード・ホテル」を読むまでのお楽しみになってしまいました。置いてあるんだろうね、筑波嶺の図書館!!
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