刺客 用心棒日月抄:藤沢周平の代表作・最後に読んだシリーズ第三弾

夕暮れ時は淋しそう

 9月ももうすぐ終わりだというのに暑い日が続きましたね。一度涼しい気候を味わった後の残暑は殊のほか辛いように思えます。夕暮れの方は順調に早くなっているので、気温のほうもぜひ追いついて欲しいものです。も、もう真夏日らめえぇ!

用心棒日月抄 刺客 

 ということで(?)本題です。本日は藤沢周平の「刺客 用心棒日月抄」を紹介しましょう。「用心棒日月抄」シリーズは全四作で、藤沢周平の作風に変化が現れた1970年代後半から「小説新潮」に連載が開始され、1991年まで続編が続けて執筆され、藤沢周平の代表作の一つとなっています。

 藤沢周平の小説は、初期の頃は暗く重い作風でしたが、1976年のシリーズ第一弾「用心棒日月抄」の頃から作風が変り、綿密な描写と美しい抒情性のうえにユーモアの彩りが濃厚となっていきました。

藤沢周平
 
 「用心棒日月抄」シリーズは、お家騒動が頻発する東北の小藩を、密かな藩命により脱藩し、江戸で浪人暮らしをする青江又八郎と、その周辺の人物を描いた時代小説です。はっきり藩名は登場しないのですが、藤沢周平の作品に頻繁に登場する「海坂(うなさか)藩」であろうと思われます。海坂藩は架空の藩ですが、モデルは藤沢周平の出身地である山形県鶴岡市を治めていた庄内藩だろうと推測されています。

 庄内藩は譜代大名の酒井氏が一貫して統治した藩で、石高は14万石ほどでしたが、米どころで、北前船の寄港地としても栄えたため、実収入は30万石以上ともいわれましたが、中期頃に老中として幕閣の一翼を担ったり、日光東照宮修理の割り当てを受けたりで出費がかさみ、赤字藩に転落したそうです。

海坂藩のモデルは庄内藩 

 14万石もあればいうてもそれほど小藩ではないと思いますし、ましてや小禄大名が多かった譜代大名としては結構な石高とも思えますが、海坂藩も経済は逼迫していて、家臣の俸禄の3割ほどを借り上げている状態です。主人公青江又八郎は100石で馬廻り役の中士ですが、30石を借り上げられていて実質70石と苦しい生活を強いられています。

 「用心棒日月抄」では、家老の藩主毒殺計画を偶然聞いてしまった藩内でも有数の剣の達人青江又八郎は、許婚の父親に相談しますが、この人は実は悪家老派で斬りかかってきたため、やむなく返り討ちにして脱藩し江戸に向かいます。青江は江戸では浪人として裏長屋に住み、相模屋という口入れやから仕事を請け負って用心棒などで糧を得る暮らしをしていましたが、悪家老一派は追っ手に向けてきて、これに立ち向かうことになります。その後、悪家老に対抗する勢力の中老に呼ばれて密かに帰国し、悪家老を上意討ちにします。

用心棒日月抄 

 「孤剣 用心棒日月抄」はそれから2か月で、悪家老の甥の剣豪が前藩主毒殺に絡む陰謀の証拠書類を持って姿を消し、それを公儀隠密が狙っているらしいことなどを聞かされた青江は、またも密かな脱藩を命じられ、江戸で甥から証拠書類を取り戻すことになります。前回同様、用心棒稼業で糊口をしのぎながら、苦労の末に脱藩して約1年後に、ついに甥討ち果たし、帰国の途につきました。

用心棒日月抄 孤剣 

 本作「刺客 用心棒日月抄」は、「小説新潮」1989年3月号から1991年5月号まで断続的に掲載され、1991年に新潮社から単行本が刊行され、1994年に新潮文庫から文庫版が刊行されました。お家騒動は終焉を迎えたと思ったのですが、またしても…。例によって文庫版裏表紙の内容紹介です。

刺客 単行本 

 お家乗っ取りを策謀する黒幕のもとから、五人の刺客が江戸に放たれた。家中屋敷の奥まで忍びこんで、藩士の非違をさぐる陰の集団「嗅足組」を抹殺するためにである。身を挺して危難を救ってくれた女頭領佐知の命が危いと知った青江又八郎は三度び脱藩、用心棒稼業を続けながら、敵と対決するが…。好漢又八郎の凄絶な闘いと、佐知との交情を描く、代表作「用心棒シリーズ」第三編。

  密命ゆえとはいえば表面上は脱藩。なので残された家族に公的な扶助もなく、また本人も江戸で自活を強いられるという宮仕えの不条理の極みと言った立場にある青江又八郎ですが、それでも梶派一刀流の達人で剣の腕には覚えがあるということで、花のお江戸ではそれなりにニーズもあって、なんだかんだと糊口を凌ぎつつそれなりに楽しみもある暮らしをしていましたが、苦労して任務を完遂して還っても特に加増もなく、元の役職に戻れただけでした。

庄内藩 

 それでも嫁さんと暮らせることに幸せを感じていたところ、お家騒動がなおも収束していないことを知らされます。藩主を毒殺した悪家老は、藩主の異母兄を担ぎ上げようとしていたのですが、この異母兄はただの御輿ではなく、実は彼こそが全ての陰謀の黒幕だったことが判明します。

 青江の藩には嗅足(かぎあし)組という密偵組織があり、「刺客」では嗅足組の頭の娘で江戸の嗅足組を率いる佐知と協力して事にあたり、一緒に苦楽を共にするうちに男女の仲になったりしたのですが、藩主の異母兄は嗅足組を壊滅させ、別途自分に忠実な密偵組織を作ろうとしており、女性の多い江戸の嗅足組を壊滅させるべく5人の刺客を放ちます。青江は江戸嗅足組の面々を守るよう密命を受け、またも脱藩して江戸に向かうことに。

藤沢周平の世界 

 今回は嗅足組の頭である元家老からの命令で、藩の密命ではないので身分保障はあやふやですが、なにしろその娘とわりない仲になってしまったという弱みもあり、また実際佐知の身も心配なので、ぶつくさと不平不満を持ちながらも江戸に向かう青江。三回目の江戸ともなるとすっかり用心棒稼業にも慣れていて、仕事の合間に佐知ら江戸嗅足組と協力しながら刺客たちを追い詰め、死闘の末に次々と倒していきます。

 ストーリーをなぞるだけだと苦労と理不尽ばかりで可哀想になりますが、用心棒の依頼の奇妙さや、周囲の人達とのやりとりなどにユーモアがあり、なんだかんだと江戸暮らしを満喫しているような気もします。故郷には帰りを待つ新妻もいますが、江戸の佐知もまた身も心も許しあう仲だったりして。これは浮気じゃなく、もう本気の恋ですね。もっとも佐知も嫁に取って代わろうなどとは思っておらず、「江戸の妻」と思って欲しいと言うなど、健気な心の女性です。いいなあ、土地土地の女(爆)。

映像化版用心棒日月抄 

 この佐知こそはシリーズのヒロインではないかと思います。好きだなあこの人。忍びの術や小太刀の技はレベルが高くてさすがは頭の娘と思わせますし、なにより美貌です。最初はきつめに思えましたが、次第に親しくなるうちにどんどん女性らしくなっていったりして。故郷の嫁由亀(ゆき)も健気でいい女なんですが、薄幸の影がある佐知と比べるとどうも…。「亀」の字も可愛くないし(笑)。「由希」とか「有紀」なら良かったのに。

 そして青江も刺客を討つ合間に用心棒稼業をしているというよりは、用心棒稼業の合間に刺客を倒しているような感じです。まあ探索は佐知達に任せきっているので、呼ばれてやっつけに行くという立場ではそうなってしまうのも無理はありません。それに江戸では何をするにしても先立つものはお金ですしね。用心棒稼業の方も「日常の謎」的ミステリーの色彩があるので、本筋とは別に短編ミステリーを読むような楽しさがあり、一粒で二度美味しい作品となっています。

 今回は江戸での使命を終えても物語はまだ終わらず、佐知と別れを惜しんだ後に国元に戻り、藩主の異母兄(跡を継いだ現藩主からすれば伯父ですが)追討の討手に選ばれます。そして野望実現を焦った彼が現藩主を毒殺しようとしたことが明らかになったとき、手はず通り斬り捨てるのでした。

江戸時代のジャギ兄さん 

 この異母兄も可哀想と言えば可哀想な部分があって、兄であり英明で胆力もあって暗愚といわれた弟よりずっと藩主の資質があったのですが、母の出自が低かったことと、人を苛む悪い癖があることで藩主になれなかったのでした。兄よりすぐれた弟など存在しねえ!!ということで、江戸時代のジャギ兄さんのような人なのですが、性格が悪というのははやりいかんですねえ。暗愚なだけなら家臣がしっかりしていれば何とかなりますから。

 これだけ働かされて加増はたった20石。しかも10石は借り上げということで、120石取りになっても実質80石です。相変わらずわりに合わない仕事ですが、嗅足組の頭からは30両貰ったので前よりはいいかも知れません。

凶刃 

 なお先に読んでいた最終作「凶刃 用心棒日月抄」は16年後の話で、青江は45歳となり、役職は近習頭取となり、役料30石を含めて160石を賜っています。また別の案件で久々に江戸に行くことになりますが、「江戸の妻」佐知もアラフォーです。それ以外にも歳月の経過の無残さを思わせる描写が多くて哀しい中で、またも色々な事件が起こるのですが、もはや青江は用心棒稼業に手を染めることはなく、佐知も事件解決後、出家して国元にある明善院の庵主となると告げました。これは逢瀬が容易になるということか。まあ現代と違ってお妾を持つことが異端視されていない時代のお話ですから。

 順番通り読みたかったのですが、なんと「刺客」だと思って図書館で借りた本が「凶刃」だったという孔明の罠にはまりまして。カバーが「刺客」、中身は「凶刃」でした。なんたることだと思っていましたが、今回ちゃんとした「刺客」を発見し、読めたのでまあよしとしましょう。

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視聴予定の2016年秋季アニメ:来季は再び大漁。第二期作品が多いです

稲刈りシーズン

 稲刈りシーズン到来な訳ですが、我が筑波嶺ではいまだ稲刈りが行われない田んぼがあちこちに。多額の費用と労力を投じて田植えをしたはずなのにどうしたことか。おかげで雀が食べ放題を満喫中です。

秋季アニメの「顔」 

 さてうっかりしていたらもう9月も終わりさしかかってきました。来月からは秋季アニメが始まるというのにまだ全然チェックしておりませんでした。あせって物色しまして、来季視聴予定の作品をざっと決めました。アイウエオ順で紹介しましょう。

亜人第二期 

 まずは「亜人」。2016年冬季アニメとして第一期が放映されましたが、その続編です。第一期は「俺達の戦いはこれからだ!」的、打ち切り漫画のラストみたいな展開だったので、その「これから」が描かれることを期待しましょう。個人的には亜人の能力とその限界(再生回数に限度があるとか)みたいなものが判明するような展開に期待しています。亜人の子は亜人になるのかとか。

亜人第二期その2 

 「佐藤さん」が気になります。ラスボスの風格がありながら、第一線で自ら戦う姿は率先垂範なのかタダの戦闘狂なのか。もし戦闘マニアだとすると、亜人であることってのはたまらないでしょうね。まさに無限1UPしたマリオ状態(古い)。主人公は共感できないタイプなのでどうなってもいいです(笑)。

ガーリッシュナンバー 

 「ガーリッシュナンバー」。「俺ガイル」の原作者である渡航が原案、「ガールフレンド(仮)」のキャラデザインのQP:flapperがキャラデザインを務めています。

ガーリッシュナンバーその2 

 可愛い外見と世を舐めきったメンタルを持つ女子大生が声優業界に足を踏み入れ、シビアな現実に直面しながら奮闘する姿を描くアイドル声優お仕事ストーリーだそうです。声優ものには「それが声優!」があるほか、現在視聴中の「SHIROBAKO」でも新人声優の奮闘が描かれていますが、どんな感じになるんでしょうか。個人的には仲間同士の役の奪い合いみたいなドロドロ展開希望ですが、この絵柄ではそれはないかな?

3月のライオン 

 「3月のライオン」。「4月は君の嘘」という作品もありましたが、月を入れるのが流行っているのでしょうか。「ハチミツとクローバー」で知られるマンガ家羽海野チカがヤングアニマルで連載中のマンガが原作です。

3月のライオンその2 

 幼いころに事故で家族を失った孤独な17歳のプロ将棋棋士が、ふと出会った3姉妹との交流を通じて心を開いていく様子を描いた再生の物語で、実写映画化も決定しています。監督は新房昭之で制作はシャフトというところも期待度大です。なんとNHKの深夜アニメ。

終末のイゼッタ 

 「終末のイゼッタ」。はっきり言って「はやみん」早見沙織枠です。歌手デビューのせいか夏季は声優としての出演作品が少なくて参りましたが、秋季は出演数が回復しているようです。

終末のイゼッタその2 

 大戦の渦中にある欧州を舞台に、2人の少女の運命を描くオリジナルアニメです。西暦1940年、強大な力を持つゲルマニア帝国が侵攻の矛先をアルプスの小国エイルシュタット公国に向け、物語が動き出します。はやみんはお姫様役ですね。

SHOW BY ROCK 二期 

 「SHOW BY ROCK!!」。昨年の春季アニメに続く第二期です。第一期は一応綺麗に終わっていたので、あのままでもいいような気もするのですが、人気があったんでしょうね。サンリオ原作にしては色んな意味で突き抜けていましたな。

SHOW BY ROCK 第2期その2 

 平和になったMIDICITYには音楽を殲滅して全てを支配しようとする「闇の女王」が出現し、一方現実世界に戻ったシアン(聖川詩杏)は学校の音楽活動でグダグダと悩み、MIDICITYでの日々を懐かしんでいたということで、再び戻って戦う(歌う)ことになりそうです。

ユーフォニアム第二期 

 「響け!ユーフォニアム」。これも昨年の春季アニメに続く第二期です。吹奏楽コンクール京都府大会。 そこで見事に金賞を受賞した北宇治高校吹奏楽部は、次なる舞台・強豪ひしめく関西大会に挑む……!とのことです。

響けユーフォニアム第二期その2 

 女の子の多い吹奏楽部ならではのドロドロした展開が魅力でしたが、今回はもっともっとドロドロさせて欲しいですね。とりあえず田中あすかには是非「堕ちて」貰いたいです。

舟を編む 

 「舟を編む」。三浦しをん原作で2012年の本屋大賞受賞作です。人気作を原作にするのは楽そうですが、下手をすると「原作レイプ」とか言われたりするので結構プレッシャーかも知れませんね。

舟を編むその2 

 出版社の辞書編集部を舞台に、言葉の海に挑む編集者たちの情熱と恋を描いたヒューマンドラマです。辞書の編纂という仕事の深みを描いたストーリー、味のあるキャラクターなどが魅力で、大人も楽しめる作品になっている……ということですが、きっと大人の方が楽しいでしょう。

文豪ストレイドッグス第二期 

 「文豪ストレイドッグス」。本年春季アニメに続く第二期です。文豪の名を持つ異能者達が、武装探偵社とポートマフィアに別れて戦う物語ですが、終盤に登場しhた海外から第三勢力「組合(ギルド)」が本格参戦して三つ巴になりそうです。

文豪ストレイドッグス第二期その2 

 異能力は文豪達の作品名が冠されていて、それぞれその名にちなんだ能力を発揮しますが、基本登場するのは故人ばかりのようです。やはり生きている人じゃマズイか。「組合(ギルド)」には「クトゥルフ神話大系」の創始者・ラブクラフトも登場するらしいので楽しみですが、マジで旧支配者とか外なる神とかが出てくるとシャレにならないので、抑えめなんでしょう。

魔法少女育成計画 

 「魔法少女育成計画」。遠藤浅蜊のライトノベルのアニメ化です。「16人の魔法少女による生き残り合戦」というサバイバルアクション小説なんだそうです。

魔法少女育成計画その2 

 人気のソーシャルゲーム「魔法少女育成計画」は、プレイヤーの数万人に一人を常人離れした身体能力と可憐な容姿、人間にはない特殊能力を持つ「魔法少女」にする力がありました。しかし、とある地区で16人もの「魔法少女」が密集してしまったことにより、運営側が「魔法少女」を半分に削減しようとします。当初は「魔法少女」が手にする「マジカルキャンディー」の数を競い合う競争だったはずでしたが、何者かによってルールが歪められ、魔法少女同士の殺し合いへとシフトしていきます。キャラクターの可憐な外見からは予想もつかない過酷な展開が大きな見どころということです。ワクワクしますね、そういうの。可愛い魔法少女達にはぜひ欲望の泥沼に堕ちていって貰いたいです。

2016秋アニメ一覧 

 ということで、視聴した作品の第二期が多いせいもあって何と9本。夏季は絞り過ぎたかなとは思いましたが、再び春季の10本に並びかねない勢いです。また日曜日がスーパーアニメタイムになってしまう。3話くらいで打ち切る作品もきっと出てくることでしょう。

好きなアニメキャラ(その82):一条蛍(のんのんびよりシリーズ)

彼岸花が咲く

 彼岸花が咲いています。その名のとおり、毎年秋のお彼岸の頃に律儀に咲きますね。一週間前には影も形もなかったのに、いきなり茎が伸びて花が咲いているのを見ると、毎年のことなのに驚きます。有毒ですが
長時間水に曝せば無害化が可能で、救荒作物になるそうです。だから田んぼの周辺に咲いてるんでしょうかね。

どう見ても保護者の蛍 

 本日は久々に「好きなアニメキャラ」です。今回は「のんのんびより」シリーズの一条蛍を紹介しましょう。もしかするとこのカテゴリーで初の小学生女子(JS)かも知れません。やばいなあ、ロリコンじゃないんだけどなあ。でも蛍を見ていると、長谷川昴じゃないけど「まったく、小学生は最高だぜ!!」とか思ってしまいますな。

一条蛍 

 一条蛍は小学5年生。東京出身で、父親の仕事の都合で田舎の旭丘分校に転校してきました。 あだ名は「ほたるん」。 誕生日は5月28日と早いのですが、それにしても発育が非常に良い子です。身長164センチ。3サイズもかなりのスペックだと思いますが、これは作品の趣旨的に設定されていないようです。チャイドルいけますよね。原宿とか歩いていたらスカウトされそうです。

水着の蛍 

 ルックスも大人びていて、落ち着いた雰囲気と言動から、周囲からは大人と間違われることも多いようで、「大人びた子」というのが周囲の大人の認識のようです。まあ比較的年齢の近い中学生の越谷姉妹があれなんで、相対的に大人っぽく見えるとも言えますが。

どっちが大人? 

 それにしても年齢相応と思われる高校3年生の富士宮このみ(画像右)とならんでもタメというか、むしろ蛍の方が大人っぽいですね。 

恋バナしてそうな蛍とこのみ 

 このみからすると、年齢の近かったひかげが東京に行ってしまったので、恋バナできそうな相手は7歳年下の蛍しかいないという。越谷姉妹は……なんちゃって中学生の幼女(小鞠)と磯野カツオの脳を移植されたかのようなボクっ娘風(夏海)だから張り合いなさそうですね。

ママンと蛍 

 なにしろママンと一緒にいても背丈も容貌のほぼ変わりませんから。かろうじてランドセルで識別できますが、似たような服装にしたらほぼ姉妹ですね。

ポニテの蛍 

 ですが所詮は小学生。過度な期待をしてはいけません。年相応の子供っぽさを示すこともあり、特に窮地に陥ってパニクると大泣きする癖があります。本編中ではれんげと一緒にウサギ小屋に閉じ込められた時と、小鞠と星を見に行って懐中電灯が切れた時ですね。

ウサギ小屋に閉じ込められる蛍とれんげ はしたないところをお見せしてしまった

 ウサギ小屋の時は、パニクって泣き叫ぶ蛍に対し、れいげは実に冷静で、沈静化した蛍は、自分より年下のれんげの前で泣き叫んだ時を恥じていました。

れんげを送る黄昏 

 別な時には、冬の夕暮れ時に、変える方向は逆なのにわざわざれんげを家に送っており、お姉さんらしさを見せていますが、それなりに成長したんでしょう。

星空デート 
二人して泣く 

 星を見に行ったのは「りぴーと」ですが、時系列では春なのでこちらの方が先です。小鞠と二人で星を見に行ったのはいいけれど、頼みの綱の懐中電灯が切れて真っ暗闇になってしまいました。小鞠はお子ちゃまなのでこういう時はいち早く泣き叫ぶタイプなのですが、年下の蛍が泣いているのを見て、「私お姉さんだもん!!」と気を取り直して蛍を連れて窮地を脱しました。

腰が抜けた小鞠 

 そこで終われば子供っぽくても流石中学生と褒めたかったのですが、安心して腰が抜けた小鞠は蛍の背負われて帰ることに。オチが非常に残念でした。
小鞠が大好きな蛍 
小鞠と相合い傘 

 それでも小鞠のことは大好きで、一緒に居ることに非常な喜びを感じているようです。猫番組を欠かさず見るなど、可愛いもの好きの延長なのかも知れません。小鞠はハムスター風というか小動物風ですからね。

こまぐるみ量産 量産型こまぐるみ

 ただ、小鞠人形(こまぐるみ)をこっそり大量生産しているあたりは、百合を通り越してクレイジーサイコレズなんじゃないかという指摘も。別に小鞠を襲ったりしている訳ではないのでそれほど危険とは思えませんが、むしろ裁縫の腕が小学生離れしているような。

こまぐるみ量産発覚 

 一応こまぐるみのことは秘密にしていたようですが、普通に小鞠ほか仲間達にばれてしまいました。でも小鞠自身も他の誰も特にドン引きしていなかったようなので、問題はありませんでした。このあたりはのどかな田舎で良かったねとしか。むしろ他の子のも作ったら?と小鞠に言われたして。いや、愛の結晶ですからそれは。

何気に百合している蛍と小鞠 

 蛍の一方的片想いかと思いきや、小鞠のほうも蛍を気に入っているようで、仲はとっても良いのですが、貧弱貧弱ゥな自分の容姿とグラマラスな蛍の容姿を引き比べて複雑な気持ちになったりもしているようです。牛乳とぶら下がり健康法でなんとかならんでしょうか?(……ならんなぁ) 

夏海瞬殺 

 料理、洗濯、裁縫などの家事全般が得意で、学業も優秀です。運動はあまり得意ではないようですが、体格に応じた筋力はあり、「腕相撲で誰にも負けたことがない」と豪語していた夏海を瞬殺していました。むしろ夏海は誰と腕相撲してそんなに自信があったのかと。小鞠やれんげだけを相手無双していただけじゃ。
ベッドにダイブする蛍 ママンと一緒にお休み

 常に大人っぽい蛍ですが、家に帰ると突如甘えん坊モードに突入し、ママンに甘えまくります。シチューに大喜びしたり、ママンと一緒に寝ることにテンションが上がってベッドにダイブしたり。一緒にお風呂も入ってくれないかなとパパンは思っているかも知れませんが、実行したら犯罪者呼ばわりは確実だZE!

ランドセルを背負った蛍 

 しかし大人びた容姿と言動から、家では甘えん坊だと主張しても誰も信じてくれないという。

やはり大人顔だぞ蛍  

 東京からいきなりド田舎に放り込まれた蛍ですが、適応力は非常に高く、田舎の諸行事には積極的に参加し、身体を昇ってきたヤモリにも一切動じず、東京を懐かしがることもないなど、すっかり地元に溶け込んでいました。それにしてもこんな田舎に越してきたパパンの仕事って一体何なんでしょうか?農業以外に仕事なんかなさそうなんですが…

村川梨衣 

 CVは“りえしょん”こと村川梨衣。1990年6月1日生まれですが、自称「永遠の12歳」だそうです。「永遠の17歳」を主張する声優さんはいましたが、さらに年下指向がいたか。キャッチフレーズは「あなたのハートにリエ☆マジック」。

村川梨衣その2 

 姉と弟がいるそうですが、5歳下の弟からは「妹みたいなもんだからな」と妹扱いされているそうです。高校卒業後の2009年に声優養成の専門学校ヒューマンアカデミーに入学し、2011年に声優デビュー。順調にメインキャラを演じるなどしていきましたが、何よりも番宣番組などでの面白さが評判になりました。

村川梨衣その3 

 「りえしょん」という仇名はデビュー前に広橋涼から付けられたそうですが、2010年当時キャッチコピーとしていた「パッション、リアクション、ハイテンション」に由来しているそうです。東京俳優生活協同組合(俳協)に所属していますが、そのテンションの高さから同じ事務所の佐藤利奈に「俳協の最終兵器」と命名されたりもしています。最終兵器彼女…

テンションの高いりえしょん 

 俳協には佐藤利奈のほか、池田昌子、大原さやか、高島雅羅など落ち着いた声優さんが多く居る印象なんでうが、村川梨衣と高橋未奈美(AKBじゃない方のたかみな)は突出したハイテンションを示しています。地頭が良くて人の話を聞いてのリアクションが面白いたかみなに対し、りえしょんは場の空気など一切読まずに自らの笑いを作り出していく方向のようで、日笠陽子に近い感じがしますが、ひよっちに輪を掛けて落ち着きがなくテンションが高い気がします。サービス精神を発揮した結果なんでしょうか。

 
 

 イベントやラジオなどでは、身振り手振りや顔の変化を加えて、ハイテンションなトークをするのが特徴で、ニコニコ生放送では、「りえしょんワールド」「放送事故」「りえしょん無双」などと言われるほどの独特な言動を繰り広げて、会場を大いに盛り上げていますが、演技となるとがらりと変わって様々な役柄に対応できる器用さを持ち、声優の中でも実力派として知られています。蛍の演技だけ聞いてイベントのりえしょんを見たらそのギャップに驚くだろうなあ。

画像だと普通のりえしょん 

 画像のとおり、黙っていると美人なんですがねえ。でも、蛍みたいなおしとやかなキャラの演技は完璧にこなしているので、流石の実力者というべきなんでしょう。りえしょんキャラは、「ごちうさ」の奈津恵(メグ)以来二回目なんですが、この人を「好きな声優さん」で取り上げるのにはまだためらいがあったりします(笑)。

蛍の美麗イラスト 

もぐら 讐:もはや「トンデモ本」の領域へ

秋雨と彼岸花

 雨こそ大量に降りましたが、筑波嶺方面では台風16号の被害は大したことありませんでした。天気はカラっとはしませんが、ずいぶん涼しくなりました。暑さ寒さも彼岸までとはよく言ったものですね。

もぐら 讐 

 本日は矢月秀作の「もぐら 讐」です。当ブログ2014年2月4日の記事(http://nocturnetsukubane.blog.fc2.com/blog-entry-636.html)で取り上げた「もぐら」の二作目に当たります。わりと最近借りた本(2年半前だけど)だというのに、それを忘れて「もぐら」と「もぐら 讐」の両方を借りてきて、「もぐら」を三分の二くらい読んでから「あ、読んだことある!」気づいたのはどこのどいつだい?私だよ!!(古い)

もぐら 

 「もぐら」は、警察小説の一形態ではあるんですが、退職刑事影野竜司がケイオスケイオスな新宿歌舞伎町でトラブルシューターを営んでヤクザやらチーマーやらを懲らしめているという話でした。新宿というか日本全土を掌握しようとする凶悪な新組織が登場してきて、単身壊滅させるという大活躍は和製スタローンというかシュワルツェネッガーというか。既に前の記事でも指摘していますが、警察組織についての知識はほんとボロボロながら、アウトローのバイオレンスシーンは迫力満点だったので、刑事くずれのバイオレンスアクションとしては結構面白かったのですが、今回は流石に…。


 「もぐら 讐」は、1998年12月に中央公論社のC★NOVELSから新書版が刊行され、2012年に6月に大幅改稿した上で文庫版が刊行されました。例によって文庫本裏表紙の内容紹介です。

 警部補の惨殺事件が発生。警視庁は特別捜査本部を設置し、組対の垣崎、楢山らが捜査に乗り出す。一方刑事局長の瀬田は、殺人罪で服役中の影野竜司に極秘の任務を依頼する。やがて動き出す謎の教団アレース―新宿、そして竜司がいる刑務所を爆破し、警視総監に聖戦が布告される…。超法規的、過激な男たちが暴れ回るシリーズ第二弾。

 前回は裏社会完全制圧を目論む新型ギャング団(凶暴な半グレ?)が登場しましたが、今回は過激なテロを展開するカルト宗教団体が登場します。毎回とんでもない連中が狙ってくる日本はまるで巨大ロボットアニメのようですね。

 徒手空拳ながら無茶苦茶な強さを見せた影野竜司ですが、前巻の活躍の結果、逮捕・起訴され、下関北刑務所に服役しています。前回から既に2年が経過しています。酒もタバコもなく、規則正しい生活を送っているせいか、以前よりも精悍さを増している風情です。懲役15年だそうです。悪人ばかりが相手とはいえ、大量殺人をやったにしては軽い刑罰です。

 しかし、「アレース」という謎の教団の有馬という大男が、腐敗警官や街のチンピラを殺害して自首してきます。確信犯の有馬は、影野のいる下関北刑務所に送られますが、そこには既にアレースの信徒が何人も服役していたのでした。

 警察の捜査では「アレース」には全く手が届かず、有馬の背後に何らかの組織があるという程度にした把握できていませんでした。有馬が影野がいる刑務所に送られたことをもっけの幸いとして、瀬田刑事局長が影野に秘密任務を依頼します。しかし、刑務所長の保身や怠慢などで影野の情報は届かず、大規模に爆発物を使用したテロ事件が相次いで発生してしまいます。影野も独房ごと爆破され、大怪我を負うことになりますが…

 いやいやいや~。前作は警察のおかしさに目をつぶれば、バイオレンスアクションとしてはなかなか読ませる作品だったんですが、今回は影野が服役中のせいでバイオレンスアクションがほとんどありません。有馬の凶行とか、爆弾テロなどが見せ場なのかもしれませんが…刑務所内でプラスティック爆弾を仕込まれたサンドイッチを投げまくるという場面、ビジュアルを想像すると相当にシュールです。いや、シュールすぎます。ギャグ小説ですか?

 そして例によって政府関係組織の描き方が酷い。影野の上司だった瀬田は2年経っても相変わらず警視庁の刑事局長をやっています。だから刑事局長がいるのは警察庁で、警視庁にいるのは刑事部長だっつーのに。でも本文中、一箇所だけ警察庁刑事局長と誤植されている部分があって、警察組織的にはそれで正しいのですが、それなら特別捜査本部の指揮は取れんがな(笑)。それにしても人事異動って言葉を作者は知っているのでしょうか。

 あと司法関係の知識があまりにも不足しています。なんと裁判官が服役する刑務所を指定するということになっています。裁判所は司法機関で、刑務所は行政機関である法務省矯正局の管轄下にあります。懲役何年といった判決は裁判所が行いますが、服役先まで決めるという話は聞いたことがありません。

 そして瀬田刑事局長が下関北刑務所長に頼んで影野に秘密任務を課すという。だから瀬田は警視庁刑事局長(本当は刑事部長)、刑務所長は法務省矯正局だから、勝手にそういう依頼ができる筋合いはないでしょうに。

西部警察 

 あと特別捜査本部が立ち上がるのはいいとして、トップが刑事局長(しつこいけど本当は刑事部長)でいいんでしょうか。政治団体か宗教団体らしいと目星がついた段階で、公安部とか組織犯罪対策部とかが入ってこないと不自然なのではないでしょうか。元警視庁警部だった濱嘉之の作品を読んでいるせいで、どうしてもこういう組織を描く際のおかしさが気になってしまいます。「西部警察」を見ているようなものと思えばいいのかな

 一方、凶悪テロを敢行する宗教団体「アレース」ですが、実は大司教とその妹の2人が首魁で、しかもテロの目的は復讐でした。いや、この二人は実際酷い目に遭っているので復讐したいという気持ちは判らないではないのですが、実際に凶悪事件を引き起こしているのは有馬以下配下の信徒達です。で、彼らがどうしてためらわず凶行をなしているのかと言えば、マインドコントロールされているからなんですが、そのやり方が赤いランプの点滅(笑)。催眠効果とかくらいならともかく、それくらいでISILもびっくりな凶行ができるものでしょうか。

 本来宗教テロリストは、自ら信じるべき大義とか信念を持ってテロを行うのだと思うのですが、大司教達にそういうカリスマ性があるのかと言えば作中ほとんど感じられません。他の多くのカルト教団でもそうだろうという話で、それはそうかも知れませんが、妙な団体・集団は沢山あるかも知れませんが、極端なテロ行為に出たのは、日本ではオ○ム真○教があるばかりです。

 そもそも「アレース」、大量の爆発物や銃器を有するなど、豊富な資金を持っているようなのですが、その資金源が一切不明です。信徒ならほぼただ働きさせることも可能でしょうが、何をするにもゼニは必要なんですが、何で稼いでいるんでしょうかこの団体。

スケバン刑事シリーズ 

 「復讐するは我にあり」な兄妹の気持ちは判らないではないのですが、それにしてはターゲット以外の被害者が多すぎます。というか、ターゲットは10人にも満たないのに、その何十倍もの人々を殺傷しまくっています。そんな復讐があるか。あと不気味な存在感を発揮し続ける有馬ですが、影野と死闘を展開するのかと思いきや、終盤にあっさり死んでしまいます。そこは物足りませんねえ。

ワイルド7 

 この兄妹のメインターゲットは警視総監で、この人が20年前に警視庁捜査一課長だった頃に業績を上げるために無実の人をでっち上げで逮捕しまくっていたその犠牲者が兄妹の父だっという話なんですが、警察は確かに容疑者を逮捕するけど、起訴するのは警察とは全く別の組織である検察庁であり、無茶苦茶な逮捕をしても起訴できなければ釈放するしかなく、「業績」にはならないんじゃ。さらに判決はまた別の組織の裁判所な訳で。本書では捜査一課長時代の警視総監が、裁判官や刑務官を巻き込んでやりたい放題やっているのですが、そういう展開は初めて見ました。警視総監となっている今ならともかくねえ…

特攻野郎Aチーム 

 兄妹の背後には、彼らを使嗾する黒幕がいて、これがまた意外な人物だった訳ですが、読後に思うのは「これじゃ日本の司法・警察・矯正機構はあまりにも無茶苦茶でございますがな」ということです。ここまで腐敗している世界なのだとしたら、外国なら「007」「特攻野郎Aチーム」とか「冒険野郎マクガイバ-」、日本でも「「スケバン刑事」とか「ワイルド7」といった超法規的人物・集団が登場してもおかしくないですね。もういっそ、仮面ライダーとかスーパー戦隊シリーズの出番のような気がします。

冒険野郎マクガイバー 

 ラスト、懲役がまだ13年残っているはずの影野、今回の事件解決の功績によりいきなり仮釈放となって引き続き瀬田を手伝うそうです。だからそういう取り計らいが出来るのは誰だ(笑)。いっそ瀬田が総理大臣ならまだ理解できるんですけどね。全7作だそうですが、私はここまででギブアップです。「トンデモ本」の領域かも。
 
トンデモ本の世界 

のんのんびより りぴーと:“古き良き時代”を見るような癒やしと懐かしさの世界

秋風にたなびくススキ

 今日も天気は良くないけど、秋風の吹く涼しい気候は最高ですね。こんな気温を待っていたッッ!あとは台風16号があまり暴れなければいいんですが。


こんな窮地を待っていたッッッ 

 更新頻度が下がると言っておきながら、休みの日にはわりとまめに更新している気がしないでもないですが、まああまり気にせず本日も行ってみましょう。今回は最近見終わった「のんのんびより りぴーと」です。

のんのんびより りぴーと 

 メインヒロインの一人である一条螢が主人公格の旭丘分校に転校して来てからの一年を描いたのが第一期「のんのんびより」ですが、第二期の「りぴーと」は翌年を描いたのかと思いきや…なんと元に戻って同じ一年を繰り返したのでした。

伝説の剣とれんげ 

 ただ同じイベントを繰り返す訳ではなく、時系列的には更にさかのぼって、宮内れんげが小学一年生として入学する直前から始まっています。1年を12話で描く本作ですが、必ずしも一月ずつ時間が経過している訳ではなく、また年中行事もたくさんあるので、時間を巻き戻して繰り返しても描くイベントには困らなかったということでしょうか。

750ライダーの絵柄の変化 

 昔少年チャンピオンで連載していた「750ライダー」という漫画は、ギャグ漫画でもないのに10年という長期連載中、ずっと主人公達は高校二年生のままでしたが、作者の石井いさみは連載中4回もクリスマスを描いた件について「これはクリスマスの一日をそれぞれ別々な視点から描いたものなのだ」と趣旨の主張したそうです。それにしちゃ雰囲気も絵柄も変わりすぎなんですが…長期連載だから仕方ないのでしょう。

エンドレスエイト 

 「のんのんびより」も「750ライダー」同様の手法を取ったとも言える訳ですね。そういうのもありなんでしょう、きっと。ただしエンドレスエイト、テメーはダメだ。

螢対応に困る夏海 

 同じ時間を繰り返しているので、第一期に比べてキャラが成長するとかいうことはないのですが、知られざる一面を見ることはできました。例えば越谷夏海。相変わらずのトラブルメーカーぶりを発揮しては居ましたが、夏海の内面というものが第二期で初めて描かれ、螢と二人切りになって何を話したらいいかわからずに悩むとう描写は、夏海もそれなりに気をつかってるんだなという新たな発見がありました。

捕まえたカブトエビ 

 夏海で言えば第一期ではなかったナイスなエピソードも登場。田んぼで捕まえたカブトエビをれんげがいたく気に入り、「ひらたいらさん」と名付けて教室に飼うことにしました。飼育係にはもちろんれんげが立候補。

ひらたいらさんお亡くなりに 

 しかし寿命は1~2か月しかないので、あっさり全滅。悲しみのれんげは絵日記にこんな記述を。それにしても絵が上手いなれんげは。水槽も片付けてしまいました。

ひらたいらさん復活 

 ですが、卵を産んでいるのではと考えた夏海は、水槽の底の土を回収し、再び水槽に入れてみたところ、見事にひらたいらさん復活。れんげ大喜び。

リアルカブトエビ 

 余談ですがこのカブトエビ、エビよりはミジンコに近い甲殻類ですが、水田の雑草を食べるほか、水田の泥をかき混ぜる事で水が濁り、雑草の発芽と生長を抑制するということで、「田の草取り虫」とも言われている益虫(昆虫じゃないけど)です。

夏海75点 

 勉強大嫌いで怠け者の夏海ですが、雑学知識は結構あるみたいですね。また珍しくやる気を出してテストでそこそこの点をとったエピソードもあり、第一期ではクズの代名詞のようだった夏海の好感度が上昇しているような。

75点の天才 

 ちなみにアニメ版「サザエさん」第一話は「75点の天才!」で、カツオが珍しく75点取るという話だったそうなので、夏海=カツオ説が一層信憑性を増したような気が。

女の子らしくなった夏海 

 いつも小鞠をからかって(傍目にはいじめか虐待に近い気も)遊んでいる夏海ですが、珍しく富士宮このみと小鞠に女の子らしい格好をさせられるエピソードもありました。馬子にも衣装とはこのことか。本人はマニッシュスタイルの方が好きみたいですが。

高3の冬休みに部活に行くこのみ 

 そのこのみ、越谷家の隣人ですが、高校三年生にして冬休みになお部活(吹奏楽部)に通うという謎の行動を見せています。進学先ないし就職先が決まって余裕のよっちゃんなんでしょうか?でも高校で3年生がこの時期まで部活に来るという話はなかなか…後輩達に煙たがられてるだろうなあ。なお、なぜか公式HPのキャラクター紹介ページにこのみの記載が一切ないという理不尽な事実が。隼レギュラーなのにひどい。

かずほ姉も呆れ顔 

 またポンコツ教師の名を恣にしたれんげの姉の宮内一穂も、教師としては相変わらずアレなんですが、家庭ではれんげの面倒見が良く、年中行事もわりとまめにこなすなど、マイルドヤンキー伝統的農家の一員としてはなかなかの働きぶりでした。

入学おめでとう 

 れんげと夏海の入学式(夏海は同じ分校に通ってるけど、一応小学校から中学校に進学したということに)の黒板など、一穂が書き込んだんでしょうね。人が見ているところでは寝てばかりだけど、人が見ていないところで働くタイプなんでしょうか。それとも人知れずたくさん働いた結果、居眠りばかりしているとか

親子みたいな姉妹 

 ちなみにれんげと一穂の両親は健在で農業に従事しているはずですが、結局一度も登場しませんでした。だいたいれんげの世話は一穂がやっているので、ぱっと見にはれんげは一穂の娘のような。

れんげの家 

 このトラディショナルな家に住み、山も持っているという「氷菓」の千反田家のような宮内家(そういえば千反田家も両親が登場しませんでしたな)。農業をやる気があるならば、一穂の婿に入るという選択もアリな気がします。

アホの子ひかげ 

 一方、第一期ではさほど登場しなかったせいもあって目立たなかった宮内家の次女ひかげのポンコツぶりが表面化したのが第二期。見た目は可愛いのですが、夏海に匹敵しますねこの人は。だから二人がつるむとえらいことに。きっとこの人は東京に行ってよかったんだ。

北斗百烈拳を喰らうひかげ 

 9歳も年が離れているれんげにガチで窘められたり、夏海と一緒にダイナミック土下座をするはめになったりと、少ない登場シーンで本当に高校生なのかと言いたくなるエピソード満載のひかげ。

シンクロナイズド土下座 

 でもこの人のポンコツぶりは夏海より可愛げがあるので嫌いじゃないです。東京人ぶってもすぐ田舎者の本性が出てくるところとか、見ていて可愛いですよね。

定規落としで燃えるお兄さん 

 目立つといえば越谷家の長兄卓。CVがつかないのは第一期と同じですが、2話では「定規落とし」ゲームでラスボスの風格を示していました。秘技白刃取り…

兄ちゃんの扱い 

 魚釣りに行くと、釣る魚釣る魚、全てが兄ちゃんの顔にぶちあたるという不幸仕様。その度に水中に戻してやるというキャッチアンドリリースの鑑。でも自宅の池で魚を飼うために釣っているのになぜ放つ。

ひかりもの親方獲ったどー 

 ちなみに皆の力を合わせても釣り上げられず、しまいには夏海が水中に飛び込んでゲットした大型魚はれんげ命名「光り物親方」として越谷家の池に棲むことに。まあ池が大きいのでなんとかなってますが。ひょっとすると越谷家も豪農なのかも知れません。

巨大魚と巨大池 

 影は薄いようでいて笑いを取っている卓は、やはりなくてはならないメンバーなのか。一年経過するとこの人が高校に進学していなくなるというのが、リピートした要因なんでしょうかね。このみも高校を卒業しちゃうし。

旧世代の分校生徒達 

 そういえば昔の分校の様子が描かれていました。赤ん坊のれんげがカレーテロという凶行を引き起こした“黒歴史”に言及した回想シーンですが、駄菓子屋が中三、このみが中一、ひかげが小五、卓が小四、小鞠が小三、夏海が小二、れんげが一歳といったところでしょうか。つまり5年前。この時点で一穂は大学に行っていることになります。

大人っぽい螢 

 で、私のお気に入りの螢さん。見かけも口調も大人びているのでしばしば大人扱いされがちですが、何と言っても小学5年生。パニクれば取り乱して泣き叫ぶし、家では甘えん坊です。

甘えん坊の螢 
犬と見るネコ番組 

 犬と一緒にネコ番組を見るという謎行動(笑)など、家の中では甘えん坊なのに、誰からも信じてもらえない螢。みんなその大人びたルックスが悪いんじゃ。でも東京とはかけ離れたとんでもないど田舎に来たわりに、環境の変化にすぐに慣れ、田舎ならではの様々なイベント・行事に驚き喜びながら積極的に参加していく姿はなかなかに好感が持てます。田舎の農家は後継者不足だから、ぜひ我が家の嫁にとひっぱりだこになったりして。

螢の家 螢の家のリビング

 螢の家はいかにも現代風。おそらく新築なんでしょう。パパンの仕事の都合で引っ越してきたそうですが、パパンは一体どういう職業なんでしょうか?農業しに来たとは思えないのですが、こんな過疎地でバスが2時間に一本という場所にどういう仕事があるでしょう。まあ通勤はマイカーを使用しているのでしょうが

螢一家 

 宮内家の両親や越谷家のパパンのように、螢のパパンも未登場かと思いきや…第一期最終話に登場していました。なんか卓が成長したような容姿ですね。ご近所のイベントには積極的に参加しているようですが、それにしても職業が不明です。作家のような自由業で、単に田舎に住みたかったからとか?

てるてる坊主のオバケに追いかけられる小鞠 

 小鞠は相変わらず不憫でした。中二なのに見かけの幼さそのままに精神的にも幼くて、てるてる坊主のオバケ(正体はれんげ)に追いかけられ死にそうな顔で逃げたり、プール掃除でさんざんな目に遭ったり。

ヤバイほどのこまぐるみの群 

 でも神経が太い部分もあって、螢が密かに量産していた「こまぐるみ」を見ても特に動じた様子はありませんでした。ガチレズサイコストーカーかとドン引きしてもおかしくないのに。単にお子様なのでそういう知識や警戒心がないだけなのかも知れませんが。

背が低いから電波が来ない小鞠 

 背が低いから携帯の電波も届きにくいという理不尽な仕打ちもありましたが、必死にメールを送ろうとする小動物のような姿が可愛いのですよね。

ねこまり鉛筆立て 

 そういえばネコと合体した「ねこまり」という新キャラも作っていましたね、螢は。裁縫とか手芸の腕は小学生離れしている螢ですが、好きこそものの上手なれということか。

トンネルの向こうに 

 明確にモデルになった土地というのはないそうですが、東京、千葉、埼玉、和歌山、新潟などでロケハンを行ったということで、聖地のようなものはないかわりに、誰もが持つ「子供時代の郷愁」の中にある風景が描かれたような気がします。旭丘分校なんて、もう高度成長期以前の姿ですよね。

旭丘分校全景 
旭丘の景色 

 美しい背景といい、笑いと癒やしに溢れる作品でした。第三期、ぜひ制作して欲しいのですが、その場合はやはり同じ年を繰り返すのでしょうか。卓が教室からいなくなるなどのデメリットもあるけど翌年を描くのもありかなあという気もするのですが。翌夏のれんげとほのかの交流とかぜひ見てみたいし。

れんげとほのかの交流 

艦隊これくしょん-艦これ-(その5):南方海域に進出を果たしました

9月の雨です

 雨模様の日曜日。アニメ見て艦これやって過ごしましたが、なんか不毛感が。いやいや人生なんて基本不毛なもんでしょう。ね?お願い、そうだと言って(誰に頼んでいるんでしょう)。

艦隊これくしょんその5です 

 そういうわけで今日は艦これの話題です。8月21日付の記事(http://nocturnetsukubane.blog.fc2.com/blog-entry-1378.html)で3-2(キス島沖)クリアを報告させていただきましたが、本日さらに進展がありました。

北方海域各海域 

 5面に該当する南方海域は、3面の北方海域と4面の西方海域の両方をクリアしないと解放されないのですが、北方海域の最終マップである3-4(北方海域全域)は屈指の難関とされており、3-2の存在とともに全体的に難易度が高いマップとされています。そのため「艦これwiki」では“海域の攻略が困難と感じたら、先に西方海域を攻略してしまうのも一手です”とアドバイスしています。

西方海域各海域 

 素直にこのアドバイスに乗って、西方海域にも手を出して見ました。こちらは“相対的な難易度でいえば、“北方よりは若干楽”といえます ”と解説されており、思わず「じゃあそんなに楽じゃあないじゃない」と突っ込んでしまいましたが、もう初心者じゃないから艦隊の編成とか装備とかを工夫して攻略していけということなんでしょうね。

カスガダマ沖海戦マップ 

 ということで先にクリアしたのが4-4(カスガダマ沖海戦)。難易度は星八つでこれはキツイ。ルートは多岐にわたっていますが、最短ルートに乗る構成が発見されており、艦隊に駆逐艦2隻と重巡洋艦ないし航空巡洋艦1隻以上が入っていると、A→F→G→Hと確実に通過していくという。これはゲームでは一切説明されておらず、先人の努力による発見なのですが、「艦これ」は基本的に説明不足気味で、詳細はプレイヤーがその身で味わうというのがデフォルトとなっています。私はなかなかこのゲームに参入できませんでしたが、反面既に多くの法則等が発見されているメリットもあります。

カスガダマ沖海戦 

 ということでクリアした艦隊は最短ルート確保のための駆逐艦島風と雪風、そして航空巡洋艦熊野の他に、戦艦金剛、比叡と空母加賀でした。実はこのマップは通常海域としては初の戦力ゲージ付きマップなのです。Extra Operation海域(1-5)では見たけど、通常海域でも出現するとは。

装甲空母鬼 

 戦力ゲージが付いている場合、一回ボス旗艦を沈めてもゲージは25%しか減少せず、つまり4回ボス旗艦と戦って沈めないとクリアにならないということになります。最初の3回は「装甲空母鬼」ですが、ラストは「装甲空母姫」となります。

装甲空母鬼イラスト 

 「装甲空母」自体我が艦隊は未保有の羨ましい艦種なんですが、「鬼」とか「姫」とかが付くとさらに恐ろしい感じです。「装甲空母鬼」は戦艦並みの高い耐久値を持ち、また昼間の砲撃戦を2ターン化し、開幕時には航空戦を行ってきます。空母と言いながら砲撃戦では16インチ連装砲で攻撃し、雷撃戦にも参加してくるというオールマイティーぶり。おそらく空母というよりは航空戦艦に近い性格なのでしょうが、それに雷撃能力が付加されているという。

装甲空母姫 

 「装甲空母姫」は「装甲空母鬼」がさらに攻撃力・耐久を強化した個体で、手下に浮遊要塞を従えています。攻撃パターンは「装甲空母鬼」と同じで航空戦あり砲雷撃戦ありという万能ぶりは、敵ながらなんとか捕獲してぜひ仲間にしたいくらいです。でもそういうのはないんですよね。残念。

装甲空母姫イラスト 

 ちなみに敵艦隊には一隻だけ潜水艦がいて、駆逐艦や航空巡洋艦の攻撃は全て敵潜水艦に行ってしまうので、戦艦と正規空母の3隻で残り5隻の相手をしなければなりません。駆逐艦には対潜装備を積んで、さっさと潜水艦を沈めて艦隊戦に参加させましょう。まあ夜戦まで行けば何とかなりました。

北方海域全域マップ 

 続いて3-4(北方海域全域)。中盤の山場となるマップとされ、ルートは網の目のように細かく、完全にランダムとなっており、4-4のような最短ルート確立法はありません。完全にレベルと装備による正攻法ということになります。

北方海域全域 

 クリアした艦隊編成はこのとおり。航空戦艦2隻、空母2隻、戦艦2隻という重厚な布陣です。扶桑と山城は我が艦隊で一番レベルが高く、一航戦はやはり搭載艦載機数が魅力です。霧島と榛名に代えて伊勢と日向を入れて航空戦艦4隻というのもありかも知れませんが、純粋は火力ではやはり戦艦の方が上かと。

ラストリベリオン 

 でも「○○のみで」「××を入れなければならない」といった制約がないので、個人的には嫌いなマップではありませんでした。“レベルを上げて物理で殴ればいい”というヤツですね。ラストリベリオン……

巻雲 

 それでは恒例、艦娘入手情報。前回から一ヶ月弱なので少なめですが。まず駆逐艦巻雲。夕雲型駆逐艦の二番艦です。夕雲型は陽炎型駆逐艦の改良型で、次級の秋月型が防空戦闘に特化したため、量産の汎用駆逐艦としては最終型となります。そのせいでステータスは他の駆逐艦より高めですが、現時点では建造による入手は出来ず、ドロップでしか入手不可能となっています。夕雲型はまだ巻雲一隻しか持っていません。

巻雲ゲット 

 CVは竹達彩奈で「司令官様」とか破壊力のあるセリフを言ってきたり、メガネっ娘で袖で手が隠れてるなど、そのロリっぷりにあざとささえ感じてしまう艦娘です。でも可愛いから許す。

軽巡阿武隈 

 続いて長良型軽巡洋艦阿武隈。任務「『第1水雷戦隊』を編成せよ!」をクリアするために必要だったので、出てきてくれて嬉しかったのですが、性能的には特筆するものはなし(笑)。我が艦隊では雷巡となっている北上と衝突事故を起こした史実があるため苦手らしく、自己紹介で「はい…正直いって、北上さんは苦手です。なに、あの人…」とか言っています。やばいよ、大井さんに聞かれたら…

重巡熊野 

 お次は最上型重巡洋艦熊野。神戸生まれのせいかお嬢様口調の艦娘です。CVはブリドカットセーラ恵美なので、いい具合にポンコツお嬢様となっています。

航空巡洋艦熊野 

 改装すると、最上、鈴谷に続く3隻目の航空巡洋艦となりました。三隈は「大型艦建造」でないと建造できないし、ドロップ狙4-3、5-2のボスマスのみということで、まだまだ当面逢えなさそうです。利根・筑摩の2隻を航空巡洋艦にすると能力的に飛び抜けているらしいので、最上鈴谷熊野は「いらない子」になってしまうかも知れませんが、改装レベルは70で、しかも改装設計図が必要なので、当面は改装は無理でしょう

軽巡大井 

 球磨型軽巡洋艦大井。ようやくやって来てくれた大井っち。熊野同様この子も神戸生まれで、お嬢様風の口調なんですが、「艦これ」屈指の猫被りキャラで、穏やかそうに見えてことある毎に黒い台詞を吐いてきます。

北上と大井 

 彼女の北上愛はとどまるところを知らず、北上は大井を親友と言っていますが、大井にとっての北上は愛の対象としか思えません。放置ボイスの「北上さん大丈夫かな、私がいないと心配だな。うん、心配……きっと、そう、そう、きっと何か起きてる!私、行かなきゃ!」や夜戦時の「北上さんを傷つけるの……誰?」など、ヤンデレの気配が。アニメでは北上さんが愛しいあまりに、他の艦娘が北上に話しかけようものなら狂犬状態になっていました。

雷巡大井 

 もちろん彼女の本領は改装しての重雷装巡洋艦にあります。北上とともに既に改二にまで持っていってあり、ハイパーズ結成です。開幕雷撃の威力は凄まじいばかりですが、目標まで北上と一緒にするのはヤメレ。雷巡になれるのは、北上大井の他に、その妹分にあたる球磨型5番艦の木曾だけです。木曾はレベル65と相当高くしないと雷巡にならないのですが、既にレベル61まで来ており、近日雷巡化の予定です。姉達より威力は低めみたいですが、代わりに対空値が高くなっています。

初風 

 最後に3-4ボスマスでドロップしたばかりの陽炎型駆逐艦7番艦の初風。この子もCVがブリドカットセーラ恵美ですが、入手時のセリフが「初風です、よろしく。提督さんにとって私は何人目の私かしら?」と、なんとなく綾波レイ風です。そういえば髪の色なんかも…。性格はさほど似ていませんが。

 初風自己紹介

 この子は通常海域でドロップする、レア度はさほど高くないはずの駆逐艦でありながら、ドロップは難関海域である3-4の最深部で勝利することのみで、歴戦の提督すら震え上がらせたそうです。余りの入手難度の高さに「ツチノコ」と呼ばれたり。今では類似のレア艦娘が増え、初風以上に入手が難しい艦娘もいるのであまり騒がれなくなりましたが、「艦これ」を3年プレイしてやっと出たという人も居るくらいです。3か月で逢えたのは僥倖でしょうか。

妙高と一緒の初風

 しかし、ツチノコ艦娘だから何か特筆するような能力があるのかと言えば、「別にそんなことはなかったぜ!」(byソードマスターヤマト)で、珍しいだけが取り柄みたいです。ブーゲンビル島沖海戦で重巡洋艦妙高と衝突して航行不能になったところを集中砲火を喰らって撃沈されたという戦歴があるので、妙高を怖れているようですが、半端ないビビリ方をしています。味方同士の衝突は結構あったようで、阿武隈も北上が苦手だと言っていますが、初風はひたすら妙高を怖れています。重巡洋艦と駆逐艦じゃあそれもむべなるかな。よしわかった。出撃の時は絶対妙高と組ませよう。

来てよ翔鶴 

 ということで、相変わらず翔鶴姉が来てくれませんが、いずれは来てくれると信じて、瑞鶴と一緒に首を長くして待つことにしましょう。鶴だけに。装甲空母大鳳もいいぞ!(大型建造でないと出ないけど)

翔鶴、大鳳、瑞鶴 

お任せ!数学屋さん:数学は世界を救う?

十五夜
 
 先日の十五夜はこれほどくっきり月を見ることができず、春でもないのに朧月夜になっていましたが。今週はスズゥシイ!とかハダサムゥイ!といった日もあったんですが、ここに来てまたアツゥイ!になってしまいました。もう残暑はいいっちゅーねん。秋風吹け。あくしろよ。

お任せ!数学屋さん 

 本日は向井湘吾の「お任せ!数学屋さん」を紹介しましょう。向井湘吾の本は初めて読みました。向井湘吾は1989年生まれで神奈川県出身。神奈川県立湘南高等学校在学中から日本数学オリンピックに出場するなどしていましたが、作家志望のためあえて文系コースに進んだそうです。東京大学では体育会剣道部に所属し、剣道四段。出版社勤務を経て、2012年、「お任せ!数学屋さん」で第2回ポプラ社小説新人賞を受賞しました。

向井湘吾 

 ポプラ社小説新人賞は2011年に設定された比較的新しい新人賞ですが、その前身はポプラ社小説大賞です。こちらは2005年に始まり、大賞賞金が2000万円と高額であることが話題になりましたが、2010年に終了するまでの5回で、大賞を受賞したのは仮面ライダー俳優というか、女性歌手絢香の旦那というかの水嶋ヒロの(本名である齋藤智裕名義)の「KAGEROU」を含め2回だけでした。

仮面ライダー俳優 

 向井湘吾とは全く関係ない話ですが、水嶋ヒロの受賞については「出来レース」の疑惑もあります。疑惑の根拠とされるのは

① 賞金2000万円を何故か辞退
 辞退の理由は「新人に回して欲しいから」だそうですが、同賞は翌年からポプラ社小説新人賞に改変され、賞金は十分の一の200万円になることが既に確定しており、よく分からない理由です。そもそも自分自身が作家としては思いっきり新人ではないでしょうか。水嶋ヒロは「受賞するまで金額を知らなかった」とも言っていますが、応募要項も読まないで応募なんてあるでしょうか?そもそも同賞は失礼ないい方ながら、賞金の高さだけが魅力の弱小新人賞というのが定説でした。

KAGEROU.jpg 

② 外部選考委員なし
 選考は営業職を含む社員が行い、外部の選考委員はいませんでした。つまり選考過程に透明性がない。

③ 一部報道によれば、賞の締め切り前に作品をさまざまな出版社に持ち込みをしていたが、内容が稚拙という理由で受賞はおろか出版にも至らなかったという
 それは“未発表“という定義から外れてはいないのでしょうか。あるいは多重投稿?また執筆活動に専念するとして所属事務所を退社したのは9月ですが、同賞の締め切りは6月でした。さらに9月のインタビューで作品について「ほぼ書き上げてます」と謎発言。大賞発表が11月だったので、執筆専念といってから2か月で受賞となっていますが、実際にはそれ以前に書いていないとおかしいのですね。2作目はどーした!!

数学屋さん文庫版 

 いやいや、全然違う話に脱線してしまって失礼しました。「お任せ!数学屋さん」の話に戻しましょう。例によって文庫版裏表紙の内容紹介です。

 数学の苦手な中学2年生の遥の前に、不思議な転校生・宙がやってきた。宙は突然、どんな悩みでも、数学の力で解決する「数学屋」なる謎の店を教室内で開店するが…。第2回ポプラ社小説新人賞を受賞し、大反響を呼んだ感動の青春数学小説。 

ソフトボール女子 

 主人公の天野遥は数学が大の苦手な体育会系JCです。所属はソフトボール部で、昼休みには校庭の使用を賭けて野球部男子と激しいバトルを繰り広げているという「武闘派」です。普通の公立中学のようなのですが、なぜか給食はなくお弁当。女子は半分しか食べないという手段を取ったところ、男子は早弁で対抗するなど、高校生には見られない子供じみた争いをしています。むしろ小学生に近い感じですね。

 そんな中、ゴールデンウィーク明けにやってきた転校生が神之内宙(そら)。自己紹介でいきなり「将来の夢は数学で世界を救うことです」と言い切る奇人です。遥の隣の席となった宙は、ある日突然、どんな悩みでも、数学の力で必ず解決するという、「数学屋」を教室内で開店します。無料だから商売になっていませんけど。そしてあれよあれよと数学屋の店員にされてしまう遥。巻き込まれ系というかお人好しというか。

トウモロコシ畑 

 「数学屋」の採取の顧客は遥自身でした。最初は新しいグローブが欲しいけどお金が全然貯まらないという遥の悩みを、どう小遣いを節約すれば必要額を貯められるかというフィナンシャルプランナーのような解決法を提示する宙。

 続いて野球男子対ソフトボール女子の仁義なき校庭争奪戦に介入し、台形状の校庭を性格に等分してみせる宙。等分した校庭は、野球をやるにしてもソフトボールをやるにしても中途半端な形状になってしまうので有効ではありませんでしたが、図らずも問題解決過程を見ていた男女が仲良く野球とソフトボールを交互にすることになるという。

成田空港 

 その後は活躍ぶりが評価されたのか、様々な相談が舞い込むようになり、ランニングをサボる部員を何とかしたいという相談には「囚人のジレンマ」を適用したりと、数学的手法を駆使して数学屋は活躍します。しかしそんな日々もあっというまに終わりの時が来てしまいます。

囚人のジレンマ 

 宙のパパンは高名な数学者で、米ボストンの大学に招かれることになり、宙も同行することになったのです。それを遥に言い出せなかった宙は、恋愛相談を装って自ら依頼を書き、遥と一緒に「恋愛不等式」なるものをこしらえますが、渡航当日まで何も言わずに去って行きます。

少女テロリスト 

 最初は変わった人だとしか思っていなかった遥ですが、もう逢えないと解った瞬間こみ上げてきた思い。それを伝えるべく、神奈川から成田まで突進していくあたりはさすが体育会系。しかし空港で警備員を振り切ったりする行為は、比較的平和な日本だからいいけど、テロ頻発地帯なんかだと女子供だってテロリストになりうるので、容赦なく撃たれるぞ。

 賞に応募する作品なので、一応一作で完結できるようにと出会いから別れまでを描いたのでしょうが、ゴールデンウィーク明けに出会って夏休み前にさよならというのはずいぶん駆け足です。そんな短い間に燃え上がるのか恋心。まあお別れという劇的な事態が一気に恋心に火をつけたのかもしれませんが。

二次方程式解の公式 

 数学屋なので作中ちょいちょい数式が登場します。が、中学生なのでそんなに大層なものはでてきません。二次方程式の解の公式とか思わず「な、懐かしい…!」と思ったりします。これ、宙はまだ学校では習っていないと言っているのですが、私は中二で習った記憶があります。二学期以降だったのかな?

リーマン予想 

 数学者の卵である宙の目指しているのは、「リーマン予想」という、数学上の未解決問題の解決です。これはドイツの数学者ベルンハルト・リーマンによって提唱された、ゼータ関数の零点の分布に関する予想ですが…もうこれ以上は言及しない方がお互いの平和のためでしょう(笑)。

 とりあえず押さえておきたいのは、リーマンの提唱以来150年以上未解決のままであること、解決者に対して100万ドルの懸賞金が支払われることが約束されていることあたりでしょう。リーマン予想を証明したと発表した数学者は何人もいますが、正しい解答として受け入れられたものはいまだ存在しません。そもそもリーマン予想が正しくないのではないかという議論もあったりします。

ガウス 

 あと作中、宙はよくガウスの本を読んでいますが、カール・フリードリヒ・ガウスもドイツの数学者で、近代数学のほとんどの分野に影響を与え、19世紀最大の数学者の一人とされています。

ガウスに似ている北野武 

 ガウス、誰かに似ているなあと思ったのですが…ああ、この人ですね。北野武も数学が得意だそうですが、こういう顔の人は数学に強いとか人相学的なものがあったりするんでしょうかね。「数学で世界を救いたい」という宙に対し、武は「数学というものは哲学であって、全ての事象は数学に支配されており数学で説明できる」と発言しています。

 宙がボストンに去ってしまって数学屋はおしまい…かと思いきや、続編が出ています。どうやら遥は一人で数学屋を継続していくらしいです。ラノベ的な雰囲気もありますが、ポプラ文庫は20代から30代の知的好奇心が旺盛な女性を購読ターゲットにしているそうなので、ラノベとはちょっと違うのかな?ラノベの定義ってよく分かりません。ラノベ作家に「霧海正悟」という音がそっくりそのままの人がいるんですが、まさか別人ですよねえ?

〈完本〉初ものがたり:本所深川の大親分・茂七の捕物噺

薄が原

 めっきり秋らしくなってきました。ありがたいことです。3月の風と4月の雨が美しい5月(新緑)を作るそうですが、半年経つと、9月の雨と10月の風が美しい11月(紅葉)を作るんでしょうか。

完本 初ものがたり 

 本日は宮部みゆきの「〈完本〉初ものがたり」を紹介しましょう。先日の「ぼんくら」で名前のみ登場し、既に米寿を越えて引退状態の茂七親分がまだ50代の頃の物語です。つまり「ぼんくら」の30年以上前の時代ということになります。

 実は「初ものがたり」は大分前に読んだことがあるのですが、本書は文庫本に未収録だった三編を加えたものです。その三編は当然未読だったんですが、他の短編もほぼ初読のように楽しんでしまいました。もう昔読んだ本は片っ端から読み直した方がいいのかも知れません。

初ものがたり 

 「初ものがたり」は1995年7月に単行本が刊行され、1997年に文庫版が刊行されました。「〈完本〉初ものがたり」は2013年7月に刊行され、1996年から2003年にかけて発表された三作品が追加されました。例によって文庫版裏表紙の内容紹介です。

 文庫本未収録の三篇を加え、茂七親分の物語が再び動き始めた!茂七とは、手下の糸吉、権三とともに江戸の下町で起こる難事件に立ち向かう岡っ引き。謎の稲荷寿司屋、超能力をもつ拝み屋の少年など、気になる登場人物も目白押し。鰹、白魚、柿など季節を彩る「初もの」を巧みに織り込んだ物語は、ときに妖しく、哀しく、優しく艶やかに人々の心に忍び寄る。ミヤベ・ワールド全開の人情捕物ばなし。

「ご隠居」という生き方 

 50代の茂七親分は年だ年だと言いながらも元気いっぱいですが、現代ならいざ知らず早婚早産の傾向が現代よりずっと強かったはずの江戸時代、乳幼児の死亡率が高かったため平均年齢は40歳に達しませんでした。本書でも子供は7歳までは(すぐ死ぬかもしれないので)仮初めの生だ認識していたという話がでてきます。それが多産の理由でもあったのでしょうが、20歳そこそこで結婚して子供ができた場合、40代に入れば子供が成人していることになります。そこで、代替わりに首尾良くいった大店の商人などは、40歳くらいで家督を子供に譲り、趣味三昧の隠居暮らしをしたとか。50代で隠居はごく普通だったようです。

 そこから考えれば、茂七親分が50代を過ぎてもバリバリ現役なのは、今で言えば70歳を過ぎても現役というのに近いのかも知れません。もちろん健康で元気なら一行に構わないのですけどね。ちなみに隠居といっても引きこもっているわけではなく、旅だグルメだ趣味の集まりだと積極的な活動をしていたようです。趣味が多い人は、若いうちは隠居を楽しみに働き、成功したらとっとと家督を譲って早々に隠居して、好きな事をしながら余生を過ごしたとか。茂七親分は岡っ引きが転職みたいなので、そもそも趣味と実益を兼ねている状態なので、隠居なんか眼中になかったりして。

楽隠居のすすめ 

 江戸時代の捕物帖といえば、時代劇でおなじみのように、事件発生→探索→下手人捕縛というのがパターンですが、本作は捕物帖とはかなり傾向が違います。自殺案件か→トリック解明→下手人捕縛というような捕物らしい事件も発生しますが、棒手振りの魚屋の初鰹に千両出そうとする大店の話のような、「日常の謎」に近い話もあってバラエティ豊かです。

 また真相は判明したけど事件としては取り上げないことも多く、そこが内容紹介で言うところの「人情捕物」なんでしょう。「ぼんくら」の本所深川方同心の井筒平四郎もそうですが、茂七もとにかく犯人捕縛に地道をあげるということはなく、一番穏便に済む方法を探そうとする人情派です。

 そしてタイトルにある「初ものがたり」は、茂七親分がしばしば通う稲荷寿司屋に由来します。深川で丑三つ時まで店を開け、翌日は昼前から店を開いているという謎の稲荷寿司屋。まるで本所七不思議の「燈無蕎麦(あかりなしそば)」みたいですね。

燈無蕎麦 

 「燈無蕎麦」は、本所南割下水付近に夜になると二八蕎麦の屋台が出たが、そのうちの1軒はいつ行っても店の主人がおらず、夜明けまで待っても遂に現れず、その間、店先に出している行灯の火が常に消えているというものです。この行灯にうかつに火をつけると、家へ帰ってから必ず不幸が起るのだそうで、そのうちこの店に立ち寄っただけでも不幸に見舞われてしまうという噂すら立つようになりました。

消えずの行灯 

 夜に灯が消えているのなら閉店ガラガラだと寄りつかなければいいようにも思いますが、逆に「消えずの行灯(きえずのあんどん)」という話もあり、店の主人がいないのは同じですが、誰も給油していないのに行灯の油が一向に尽きず、一晩たっても燃え続けているという伝承もあります。この店も立ち寄ると不幸に見舞われてしまうとか。

本所深川ふしぎ草子 

 「燈無蕎麦」や「消えずの行灯」の正体は狸の仕業ともいわれ、浮世絵では狸が描かれていますが、本書の稲荷寿司屋もちょっと怪しいと言うことで茂七親分が自ら出かけていくのですが、こちらは狐狸の類いではなく、普通の人間が営業していました。

 ただ、元は武士のような親父は、地回りのヤクザも手を出さず、何やら曰く因縁があるようです。茂七親分はかなり気にしていますが、特に犯罪性がないこともあって敢えて身分を糾そうとはしません。というよりこの見せに足繁く通うようになっていきます。

置いてけ堀 

 というのはこのお店、稲荷寿司も旨いのですが、他にもいろいろこしらえて出すという小料理屋のような場所で、しかも旨いのです。この店で季節折々の初物を食べながら、親父の一言にインスピレーションを受けた茂七親分が事件解決に向かうというのがパターンとなっています。

 稲荷寿司屋の親父の供する食べ物がやたらおいしそうで、夜中に読むのはやばいかも知れません。池波正太郎の小説と同様の危険があります。うどん汁ではなく味噌汁にすいとんを落とすなんて小洒落たものも出てきます。酒は出しませんが、途中から酒屋のじいさんと組んで酒も提供するようになります。これは流行るというものです。

送り拍子木 

 この親父、結局本書では正体が明らかにされません。そのままでもいいから、茂七親分の良き相談相手兼いきつけの店として、よだれが出そうな旨いものを出してくれる続編を出して欲しいと思います。

 なお本書では本所深川の地図(古地図)が添付されているので、登場人物の足取りを追うことが容易で、「あ、こっちに行ったのか」とか「この辺りに住んでるのか」というのが一目瞭然で楽しいです。ついでに縮尺もついていればなお良かったですけど。

足洗邸 

 先ほど言及した本所七不思議ですが、これを取り上げた宮部みゆきの作品に「本所深川ふしぎ草紙」があります。本所七不思議は「燈無蕎麦」のほか、有名な「置行堀(おいてけぼり)」、「送り提灯(おくりちょうちん)」「送り拍子木(おくりひょうしぎ)」「足洗邸(あしあらいやしき)」「片葉の葦(かたはのあし)」「落葉なき椎(おちばなきしい)」「狸囃子(たぬきばやし)」別名「馬鹿囃子(ばかばやし)」
「津軽の太鼓(つがるのたいこ)」があります。あれ、七不思議と言いながら九つあるじゃないかと思いますが、伝承によって登場する物語が一部異なっていることからこういうことになっています。

津軽の太鼓 

 「津軽の太鼓」なんて、普通の火の見櫓では火災を知らせるときは板木を鳴らすのに、本所にあった津軽越中守の屋敷の火の見櫓には太鼓がぶら下がっていて、火災の時は太鼓を鳴らしたのですが、その理由は誰も知らないというだけの話で、怪異譚とも言えない話なので、七不思議からは省かれることもあるとか。ただ、越中守屋敷の火の見櫓には通常通り板木があるのだけど、これを鳴らすと太鼓の音がするというパターンもあって、こっちだとちょっと不思議ですね。

ふしぎ草紙1 ふしぎ草紙2ふしぎ草紙3

 NHKの金曜時代劇枠で、2001年から2003年にかけて「茂七の事件簿 ふしぎ草紙」というテレビドラマが放映されました。主演の茂七役は高橋英樹で、「初ものがたり」のほか、「本所深川ふしぎ草紙」「かまいたち」「幻色江戸ごよみ」「堪忍箱」を原作としており、本来茂七の登場しないエピソードも原作にしていました。

記憶に残る一言(その73):偽キャプテン・テニールのセリフ(ジョジョの奇妙な冒険)

秋らしくなった日

 今日はクーラーいらずの涼しい一日。こういう日が来るのを待っていました。これでこそ9月だというものです。ていうか、もう真夏日はいらんですたい。

スターダストクルセイダース 

 本日は記憶に残る一言。久々に脇役らしい脇役のセリフを紹介しましょう。「ジョジョの奇妙な冒険」は名言の宝庫ですが、今回は「ジョジョの奇妙な冒険 Part3 スターダストクルセイダース」から、偽キャプテン・テニールのセリフです。

ファントムブラッド 

 「Part1 ファントムブラッド」でジョナサン・ジョースター(初代ジョジョ)と壮絶に戦った吸血鬼ディオ・ブランドーは、首だけの姿になっても生存し、ジョナサンの身体を奪おうとしましたが、結果的に相打ちとなって共に海に沈みました。しかし、ディオはそれでも死なず、海底でジョナサンの首から下を乗っ取り、鋼鉄の箱に入って眠っていました。そして引き上げられたことで復活したディオにより、精神エネルギーが具現化した「スタンド」能力が発現していきます。

肉体(ボディ)…来たか 

 スタンド能力者の配下を増やし、世界を支配する野望を巡らせるディオを倒すため、ディオの潜むエジプトを目指す空条承太郎(三代目ジョジョ)、その祖父ジョセフ・ジョースター(二代目ジョジョ)と仲間達は、それを阻止せんとする刺客のスタンド使い戦いながら旅を続けていきます。

老成したスピードワゴン 

 初代ジョジョの親友だったスピードワゴンはロンドンの貧民街のチンピラでしたが、後に渡米して石油を掘り当てたことで億万長者となり、「スピードワゴン財団」(SPW財団)を設立し、ジョースター家との友誼は終生続きました。その死後も、SPW財団は存続し、ジョースター家を強力にバックアップしています。

グレーフライ 

 安直にエジプト行き直行便の飛行機に乗った一行は、機内で無関係の旅客を装ったグレーフライに襲撃され、そのスタンドタワーオブグレーに攻撃されます。撃退には成功したものの、事前に機長らを殺害して自動航行装置も破壊していたため、飛行機を不時着させて一行を足止めするという最低限の役割は果たしていました。グレーフライが自分以外にもスタンド使いが襲来することを明かしたことで、他の人間を巻き添えにする危険を考え、香港からSPW財団がチャーターした船に乗ることになります。

タワーオブグレイ 

 船長はキャプテン・テニール。しかし本物のキャプテンは香港で殺害されており、スタンド使いが入れ替わっていました。なので偽キャプテン・テニールな訳ですが、本名は不明です。10年以上同船していた船員達やSPW財団のチェックをどうやって欺いたんでしょうか。後に登場するラバーソールのイエローテンパランスなら他人そっくりに変装することもできるんですが。

偽キャプテン・テニール 

 しかしいざ出港すると、船には少女の密航者が紛れ込んでおり、彼女を助けようとした承太郎が海底からスタンドに襲われるという事態に遭遇します。正体不明のスタンドの出現に、密航者と船員たちにスタンド使いの嫌疑がかかりますが、そんな中、承太郎が突如船長を指して「スタンド使いはこいつだ」と断言します。 

とぼける船長 
スタンド使いに共通する見分け方を発見した 

 仲間達は誰も信じませんでしたが、承太郎は突如「スタンド使いに共通する見分け方を発見した」と言い放ちます。スタンド使いはタバコの煙を少しでも吸うとだな…鼻の頭に血管が浮き出る」のだそうです。直前まで承太郎はタバコを吸っていたんですね。 

うそだろ承太朗血管が浮き出る
 
 ポルナレフは叫びますが、そのとおり嘘でした。しかしこの発言で、スタンド使い達は皆自分の鼻に指を当てていたのです。そう、「スタンド?なにそれおいしいの?」的態度だったキャプテン・テニールまで。

船長も反応 

 そして承太郎のトリックで正体がばれたところで言ったセリフが今回紹介したいこれです。彼のスタンドはダークブルームーン(暗青の月)。身体中が鱗で覆われ、背中にヒレがあるなど、半漁人をモチーフにした外見をしており、眼が四つあります。

シブイねェ 

 パラメーターは、破壊力:C スピード:C 射程距離:C 持続力:B 精密動作性:C 成長性:Dとパットしないステータスで、承太郎のスタープラチナ(破壊力:A スピード:A 射程距離:C 持続力:A 精密動作性:A 成長性:A)はもとより、アヴドゥルのマジシャンズレッド(破壊力:B スピード:B 射程距離:C 持続力:A 精密動作性:C 成長性:D)、花京院典明の法皇の緑(破壊力:C スピード:B 射程距離:A 持続力:B 精密動作性:C 成長性:D)やポルナレフの銀の戦車(破壊力:C スピード:A 射程距離:C 持続力:B 精密動作性:B 成長性:C)にも見劣りしてしまいます。

暗青の月 

 しかーし、本領を発揮するのは水中戦で、ひとたび相手を水中に引きずり込んでしまえばパラメータを大きく上回る実力を発揮する事ができます。「水中なら5対1(すなわち承太郎一行全員)でも勝てる」と自負していますが、それががハッタリではない戦闘力を発揮します。鮫を真っ二つにする水かき手刀、腕を振り回し海中に巨大な渦を作り、身体中のカッターのような鱗を渦に乗せてばらまき、身体を切り刻み、さらには相手のパワーを奪うフジツボを散布したりもできます。

カッケエ偽船長 キモイフジツボ

 なにより水中では窒息の危険があるのですが、偽キャプテン・テニールの肺活量は常人の3倍もあり(シャア専用か)、潜水力は6分以上もあります。このため水中では終始承太郎を圧倒しますが、調子こいて承太郎の事前の挑発に乗ってしまい、接近して直接トドメを刺そうとしたところで、一発逆転を狙っていたスタープラチナの「流星指刺(スターフィンガー)」を喰らって顔面を切り裂かれ敗北しました。

スターフィンガー 
敗北する船長 

 こういう言葉のトリックプレーは二代目ジョジョであるジョセフが得意としていましたが、まさか寡黙で沈着冷静な承太郎がやるとは思いませんでした。さすがジョセフの孫、と言うべきか。今回のセリフは言いたいというよりは現実の場面で言われたいセリフなんですが、機転が利かないタイプなもので、なかなか難しいですね。 

ダークブルームーン 

ぼんくら:二度読んでしまった宮部みゆきの時代小説

実りの秋来る

 なかなか暑さがひきませんが、そうこうしているうちに9月も中旬に突入していくわけです。田んぼをみれば稲穂が金色になって、さあ刈れ今刈れすぐ刈れとアピールしています。やたら来た台風は収穫に影響を与えているでしょうか。

 ところで、9月8日に60万アクセスを突破しました。50万アクセスが3月9日でしたので、およそ半年で10万アクセスということですね。

2012年
 0 ( 8/31)→ 1万(11/ 3) 64日間(平均156アクセス)
 1万(11/ 3)→ 2万(12/15) 43日間(平均233アクセス)
2013年
 2万(12/15)→ 3万( 1/13) 30日間(平均333アクセス)
 3万( 1/13)→ 4万( 2/19) 37日間(平均270アクセス)
 4万( 2/19)→ 5万( 4/10) 50日間(平均200アクセス)
 5万( 4/10)→ 6万( 5/26) 46日間(平均217アクセス)
 6万( 5/26)→ 7万( 7/ 1) 36日間(平均278アクセス)
 7万( 7/ 1)→ 8万( 8/ 5) 36日間(平均278アクセス)
 8万( 8/ 5)→ 9万( 9/ 3) 30日間(平均333アクセス) 
 9万( 9/ 3)→10万(10/ 8) 36日間(平均278アクセス)
10万(10/ 8)→11万(11/14) 38日間(平均263アクセス)
11万(11/14)→12万(12/23) 40日間(平均250アクセス)
2014年
12万(12/23)→13万( 1/22) 31日間(平均323アクセス)
13万( 1/22)→14万( 2/20) 30日間(平均333アクセス)
14万( 2/20)→15万( 3/22) 31日間(平均323アクセス)
15万( 3/22)→20万( 7/12)113日間(平均442アクセス)
20万( 7/12)→25万(10/19)100日間(平均500アクセス)
2015年
25万(10/19)→30万( 2/23)128日間(平均400アクセス)
30万( 2/23)→35万( 6/20)118日間(平均424アクセス)
35万( 6/20)→40万( 9/15) 88日間(平均568アクセス)
40万( 9/15)→45万(12/12) 89日間(平均562アクセス)
2016年
45万(12/12)→50万( 3/10) 90日間(平均556アクセス)
50万( 3/10)→60万( 9/ 8)182日間(平均549アクセス)

計画通り 

 9月に達成出来ればと思っていましたが、予定通りとなりました。いや、そんなに悪そうな顔をする必要はないんですが。少しずつ平均アクセス数は減少傾向ですが、昔に比べればそれはそれは多いです。最近は更新も減っているから更新回数あたりのアクセス数はむしろ増えているかも知れません。来年3月あたりに70万アクセス突破を期待したいですね。 

単行本ぼんくら 

 話は変わって本日の本題です。今日は宮部みゆきの時代小説「ぼんくら」を紹介しましょう。「ぼんくら」は講談社の「小説現代」1996年3月号から2000年1月号まで掲載されたものを加筆・訂正したうえで、単行本が2000年4月20日に刊行され、文庫版が2004年4月15日に上下巻で刊行されました。

ん まちがったかな 

 実は以前読んでいるのですが、今回全く気づかずに図書館から借りてきて、だいぶ読み進んでから「ん!?前に読んだかな…」とアミバの「ん?間違ったかな…」的に気づいたのですが、展開はほぼ忘れていたので再読とはとても思えませんでした。例によって文庫版裏表紙の内容紹介です。

ぼんくら上 

 (上巻)「殺し屋が来て、兄さんを殺してしまったんです」―江戸・深川の鉄瓶長屋で八百屋の太助が殺された。その後、評判の良かった差配人が姿を消し、三つの家族も次々と失踪してしまった。いったい、この長屋には何が起きているのか。ぼんくらな同心・平四郎が動き始めた。著者渾身の長編時代ミステリー。 

 (下巻)「俺、ここでいったい何をやっているんだろう」。江戸・深川の鉄瓶長屋を舞台に店子が次々と姿を消すと、差配人の佐吉は蒼白な顔をした。親思いの娘・お露、煮売屋の未亡人・お徳ら個性的な住人たちを脅えさせる怪事件。同心の平四郎と甥の美少年・弓之助が、事件の裏に潜む陰謀に迫る「宮部ワールド」の傑作。

ぼんくら下 

 主人公は井筒平四郎。南町奉行所の同心で、役職は本所深川を担当する「本所見廻」です。本所・深川は拡大する大都市江戸の新興居住区域で、江戸前期は江戸の外という扱いでした。何しろ江戸町奉行の他に本所奉行というのが設置されていた位ですから。

奉行所のお白砂 

 その後、18世紀初頭に江戸町奉行所の管轄に移管され、江戸の一部と認められましたが、一般行政や住民に請負わせていた事業の管理は「本所見廻」が行うことになったのです。作中、平四郎は自分の役目は「臨時廻」だと言っていますが、これは犯罪捜査と犯人逮捕を担った「三廻」(定廻、臨時廻、隠密廻)の一つで、定廻が犯罪捜査、犯人の逮捕の中心で、臨時廻が定廻同心の補佐、隠密廻が文字通り身分を隠して隠密活動を行っていました。要するに平四郎は本所深川地区で臨時廻をやっているという認識のようです。

ぼんくらシリーズ虎の巻 

 時代小説によっては、三廻を熱望しながらなかなかやらせて貰えず忸怩たる思いを抱いている同心の姿などが描かれていますが、平四郎は同心の家の四男坊だったので、最初から別の暮らしを思い描いていたのに諸事情で家を継ぐことになったという人で、そもそもやる気があまりありません。でも上司の与力に言わせれば、ぎちぎちにやる気の同心よりそういう人物の方がいいとか言われてやらされています。

 そんな訳で仕方なく見廻りはしていますが、岡っ引きは大嫌いで誰も雇わず、奉行所から押しつけられた中間一人だけを連れて歩いています(流石に“八丁堀の旦那”が一人で歩くのはダメらしいです)。そんな平四郎が、いつも昼食場所としている煮売り屋がある鉄瓶長屋で、奇妙な事件が連発します。

手下を従える同心 

 「殺し屋」が来たという殺人事件、博打のカタに娘を売り飛ばしたド外道な親、どこからともなく突然やってきた子供、壺信心という妙な信仰。一つ一つの事件はそれぞれ真相などが解って解決らしきものに辿り着くのですが、その度に鉄瓶長屋の店子は減っていきます。まず最初の事件で差配(大家。といっても現代のように所有者(家主)ではなく、家賃を集めたり、管理を任されている者)が姿を消し、変わって家主の親戚という佐吉という若者が新差配になるのですが、差配というのは老練な親父がなるのが通例なので、異例な措置です。

 そのせいか、事件が起きる度に去って行く店子。櫛の歯が欠けるように空き部屋が出来てきて、佐吉のしくじりぶりが明白になっていきます。平四郎から見れば佐吉はよくやっているのですが、なぜ店子がどんどんいなくなるのか。これはもしや家主である湊屋総右衛門が、何らかの理由で自然な態を取りながら長屋を取り壊そうとしているのではないか。ではその理由とは何か。平四郎がそういう疑念を持つに至り、短編続きの本作は長編「長い影」に突入します。何しろ上下二巻の本作の1.5巻分は「長い影」ですから。

コミック版井筒平四郎 

 そしてここから平四郎の推理と捜索を助けるサブキャラクター達がどんどん登場してきます。まずは平四郎の妻(びっくりするほどの美貌の女性)の甥っ子である、やはり超美少年の弓之助。平四郎夫妻には子供がおらず、奥さんはこの子を養子にと思っています。平四郎側の甥っ子にも候補者はいるのですが、ろくな人材ではないとか。弓之助は12歳にもなっておねしょが治らないという困った癖をもっていますが、何でもかんでも計測する(できる)という不思議な特技を持っています。

初ものがたり 

 そして好きじゃないといいながら捜査の都合上やむなく力を借りる岡っ引きの政五郞。この人は、「初ものがたり」という別の作品に登場する、本所深川一帯をあずかる、清廉潔白で知られる「回向院の旦那」こと茂七の子分です。「初ものがたり」では50代でバリバリ現役だった茂七も、「ぼんくら」では米寿を越えていて、もはや一線には出てきませんが、その心意気は政五郞がしっかり継いでいる模様です。政五郞の手下には「おでこ」と呼ばれる三太郎という子がいて、なんでもかんでも暗記するという特技を持っています。弓之助とおでこで強力子供タッグ完成です。

深川の長屋の再現 

 そして、鉄瓶長屋が出来る以前に何があったか、大店の旦那となっている湊屋総右衛門のそれまでの経歴など、過去の探索の中から浮かび上がるのが、タイトルどおりの「長い影」です。これはアガサ・クリスティーがポワロによく言わせている「遠い過去の犯罪は長い影を引く」というセリフそのままで、過去に起きた事件が確かに現在の変事を引き起こしているのです。ではその過去の事件とは何か?

長屋の中 

 実は事件の真相は明らかになるのですが、あまりすっきりしません。これは平四郎がなんでもかんでも断罪するというタイプではなく、むしろ「今さら騒ぎ立てても誰も幸せにならない」と穏便に済ませることを指向するタイプであることから来ており、本人とその周辺は真相を知りますが、それを知ることで幸せにならない人には告げないままにしています。

 そういう訳で、「ぼんくら」での目立った成果は、湊屋総右衛門との過去のいきさつから、彼を失脚させることを目論んでいる執念深い岡っ引き・仁平(政五郞も毛嫌いしている極道)を獄に沈めたことくらいなんですが、まあこいつがいなくなるだけでも江戸の庶民は大助かりでしょう。

コミック版ぼんくら 

 若干もやもやするんですが、クリスティとかクイーンの作品でも、真相の解明に地道をあげた探偵が、真相を知った後も告発などせずに黙っているというパターンはよくあるので、そういうのもありかなとは思います。ただし、そういう場合は、止むにやまれぬ事情とかがあるので読む側も「そりゃ仕方ない」と思える場合が大半なんですが、「ぼんくら」の場合、湊屋総右衛門は決して善人とは言えず、それなりの処罰があってもいいのになと思えるので、もやもやが残るんですよね。ま、現実だとこんなもんなんでしょうかね。

 湊屋総右衛門とその一党はいがみ合っていますが、基本的に全員好きになれないタイプですが、最後の最後に煮売り屋のお徳が、図らずも当事者の一人にやらかしてくれるのでちょっとだけスカッとします。その内容はまあ伏せて起きますが、湊屋総右衛門も肥だめに落っこちるとかあれば良かったのに。

ぼんくらシリーズ 

 平四郎を主人公とした作品がその後も「日暮らし」「おまえさん」と続いており、ぼんくらシリーズと呼ばれています。図書館にあったら是非読むことにしましょう。

ドラマ版ぼんくら 

 また、2014年にNHK木曜時代劇で連続テレビドラマ化されており、平四郎を岸谷五朗が演じました。それはいいのですが、決して美人ではない設定の煮売り屋のお徳が松坂慶子ってどういうことだ。むしろ美貌で知られる平四郎の妻にこそ相応しいんじゃないでしょうか。

コミック版ぼんくら表紙 

 また菊池昭夫・画でコミック化もされています。こちらは2010年8月19日刊行。井上雄彦っぽい絵柄な気がしますが関係あるのかどうかは不明です。
 

卒業:加賀恭一郎シリーズの原点

君の名は大ヒット

 進撃の新海監督とでも言うべきか。「君の名は。」は公開10日間で累計動員数290万人となり、累計興行収入は38億円を突破しているそうです。なんだこれは…たまげたなあ。「新海誠」は完全にメジャーブランドとして確立されることでしょう。「秒速病」患者としては、売れない頃から応援していたアイドルが一気にブレイクしたかのような思いを持ったりしますが…これを機にまた「秒速5センチメートル」が脚光を浴びるかも知れないですね。

東野圭吾の卒業 文庫版 

 本日は私の好きな作家・東野圭吾の「卒業」を紹介しましょう。この前紹介した「新参者」と同じく加賀恭一郎シリーズに属する作品ですが、第一作に当たります。つまり加賀恭一郎初登場の作品です。

東野圭吾の放課後 

 「卒業」は1986年5月20日に単行本が刊行されました。東野圭吾の作家デビューは1985年の第31回江戸川乱歩賞受賞作「放課後」ですが、1986年には仕事を辞めて上京しているので、専業作家としての第一作ということになるかと思われます。

 文庫版は1989年5月15日に刊行されています。初期の東野圭吾は、面白い作品を描きながらもなかなかヒットに恵まれず、不遇な時代を長く過ごしていましたが、私の読んだ文庫版「卒業」は2011年で81刷となっています。20年以上経過しているとはいえもの凄い重版出来です。2013年11月18日付のオリコン“本”ランキング文庫部門で累積売上100.1万部を記録しており、東野作品では6作目の文庫100万部突破となっています。加賀恭一郎シリーズはすっかり人気シリーズとなっているので、その原点といえる本作はファン的に見逃すことができないというものでしょう。

東野圭吾 旧版 卒業

 現在の文庫版は2009年以後の新装版ですが、それ以前は「卒業―雪月花殺人ゲーム」というタイトルでした。例によって文庫版裏表紙の内容紹介です。

 卒業を控えた大学四年の秋、一人の女子大生が死んだ。親友・相原沙都子は仲間とともに残された日記帳から真相を探っていく。鍵のかかった下宿先での死は自殺か、他殺か。彼女が抱えていた誰にも打ち明けられない秘密とは何だったのか。そして、第二の事件が起こる。刑事になる前の加賀恭一郎、初登場作。

男女七人夏物語 

 登場人物は、高校時代から一緒という男3人女4人の7人グループ。というと「男女7人夏物語」を思い出すのですが、そういえばこのテレビドラマも1986年作品だ。もっとも「卒業」の刊行の方が早いのでパクリではありませんよ。それに季節は秋から冬にかけてだから秋物語だし…って、そういえば続編に「男女七人秋物語」というのもありましたっけ。いかん、加賀恭一郎が明石家さんまになってしまう(笑)。

男女七人秋物語 

 良くシリーズものには、途中で若き日の主人公を描くエピソードが入ったりしますが、「卒業」はシリーズ第一作にして加賀恭一郎の大学生時代を描いています。そしてこの時は就職先を教師か警官かと悩んだ末に、教師を選択しています。

 社会学部の4年生ですが、むしろ剣道で名が知られており、国立T大学(地方の大学なのでモデルは東大ではない)剣道部の部長を務め、学生剣道個人選手権で連続優勝するほどの腕前です。刑事になってからは剣道6段ということですが、剣道は13歳にならないと初段を取得できず、その後も各段に最低修行年数があるので、加賀恭一郎にどんなに才能があっても学生時代は4段が関の山だったと思われます。その後の精進したんですね、きっと。

剣道の試合 

 そんな加賀には結婚したいと願うほど好きな女性が。それが本作でダブル主人公状態の相原沙都子です。文学部の4年生で高校時代から剣道をやっていて、加賀とも旧知の仲でした。ただ、剣道はさほど強くなかったようで、加賀はもちろん、剣道仲間の金井波香にも水を開けられています。

 男女七人グループは、剣道部員だったり、集中力を養うために掛け持ちした茶道部員だったり、高校時代の同級生だったりという形で形作られており、カップルも二組出来ています。加賀と沙都子がくっつけば三組目ということになるのですが…

茶道

 しかし7人組の一人、牧村祥子が女子専用アパート「白鷺荘」の自室で左手首を切り、洗面器につけた状態で亡くなっているのが自身の部屋で発見されます。状況から自殺と思われましたが、死亡前後の状況で矛盾する供述が出てきたことから、他殺の疑いが出てきます。他殺だとすれば誰が何のために?自殺だとするとその理由は?加賀と沙都子を含め残された6人は、様々な思いを錯綜させながら、祥子が残した日記を元に死の謎を解こうとしますが、難航します。
 
 そんな中、高校時代の茶道部の顧問で恩師である南沢雅子の家に事件の報告を兼ねて集まり、毎年恒例の「雪月花之式」で茶をたてている最中、今度は金井波香が亡くなってしまいます。死因は青酸カリでしたが、これも他殺か自殺かわからないという状況が。

女性剣士 

 元々あった「雪月化殺人ゲーム」というサブタイトルは、この第二の事件を指しています。茶道には七事式というものがあり、多人数が稽古する際に退屈せずに緊張感を持って行えるようにと制定されたもののようです。その一つに「花月」があり、通常五人で行い、花月札を用いて「花」に当たった人が茶を点て、「月」に当たった人が茶を喫するというくじ引きゲームのような稽古ですが、更に人数が増えた場合に「雪月花」となります。これは6人以上で行い、「花」と「月」はそのままで、「雪」に当たった人がお菓子を食べることになります。そうして雪月花全てが当たった人が出たところで終了します。

 第二の時代では沙都子が立てたお茶を飲んだ波香が死んだので、当然沙都子にも容疑が掛かってくるのですが、加賀は無条件で沙都子の無罪を信じ、それを前提に波香の死亡事件を追及していきます。

雪月花

 加賀もまだ若造なので、血気にはやって殴り合いをしてしまったりと未熟な面を見せます。また、中学生時代に母が失踪しており、加賀はこれを父の多忙が原因だと思っているので仲は良くなく、教師を選択したのも、沙都子と結婚した場合に彼女を不幸にしないためだそうですが、父への当てつけという側面もあったようです。しかし南沢先生は加賀は教師より警官(というか刑事)が向いていると看破しており、実際教師時代は短く終わり、改めて警察官になっていますが、それはまた別のお話です。

 第一の事件は他殺であれば密室殺人の様相も呈しており、そのトリックも解かねばなりませんが、この当たりは「ガリレオ」シリーズに近いテイストがあり、理系作家東野圭吾の面目躍如ですが、今となってはもはや陳腐なトリックかも知れません。トリックよりは動機の解明の方がキモですね。

折据

 第一の事件と第二の事件の関連性とか、次第に明らかになっていく状況は、仲良し7人組の実相のようなものを浮き彫りにしていき、もはや生き残った者達も昔同様の仲間付き合いは不可能ではないかというようになっていきます。それがタイトルでもある「卒業」ということなんでしょうか。

 なお、サブタイトルの「雪月花殺人ゲーム」ですが、これはゲームというより、確率二分の一、つまり起きるか起きないか五分五分だったものが不幸にして凶と出たことで殺人が発生してしまったことを指しており、遊び心で犯行に及んだというものではありません。

花月之式 

 なお、加賀は沙都子にプロポーズしたものの、沙都子は東京の出版社に務めるために単身上京していき、結局のところ結ばれることはなかったようです。ちょっと「秒速5センチメートル」風。でもその後別の女性に恋しているようなので、ま、いいか。

 加賀恭一郎シリーズはテレビや映画で映像化されていますが、「卒業」はまだ映像化されていません。加賀恭一郎=阿部寛のイメージが定着してしまったので、大学生の恭一郎をやらせられる人を見つけられないのか(阿部寛がやるにはもはや無理がありそうですし)。ぜひ若手俳優・女優で映像化して欲しいのですが、いっそアニメ化でもいいぞ!

大学の卒業式 

のんのんびより:田舎の少女達のゆるい日常を超美麗背景とともに描く


 久しぶりにリアル明里ちゃんパパンから明里ちゃん画像が届きました。子供の成長は早いですね。悪質なロリコンから守るためにもそろそろ目線を入れないといけないかも知れません。ペドフィリアってのもいるし。まあリアル明里パパンは空手の使い手(「ある意味空手を終わらせた男」「ある意味空手界の最終兵器」などと呼ばれる)なのでしっかり守ることでしょうが。

のんのんびより 

 本日は2013年秋季アニメながら最近まとめて見た「のんのんびより」を紹介しましょう。YouTubeにアップされていた「杉田智和のアニゲラディドゥーン」のある声優登場回を聞いていたら、メンバーがお勧めしていたのでそれに乗ってみました。

原作ののんのんびより 
もうすぐ10巻発売

 原作は「月刊コミックアライブ」(KADOKAWAメディアファクトリー)に連載中のあっと作の同名の漫画です。2009年11月号から連載中で既刊9巻。最新刊10巻は今月23日に発売予定です。

かまくらで豚汁 
 
 バスが2時間に1本(原作だとなんと5時間に1本)しかこないというとてつもない田舎の学校「旭丘分校」に通う小中学生の日常生活をゆるーくのんびりと描いた作品です。吉幾三の「俺ら東京さ行ぐだ」を彷彿とさせますが、あっちはバスは一日一本だからまだしもでしょうか。

4人でジャンプ 

 ニコニコ動画では、アニメの生放送終了後にアンケートが行われていますが、「のんのんびより」は全話で最高評価である「1」が90%を超えた初の作品になったそうです。

4人で登下校 

 ゆるいテーマにあわせたコミカルなキャラクターが描かれた、いわゆる日常系または空気系と呼ばれる作品で、同趣旨の作品には「ご注文はうさぎですか?」がありますが、その内容のゆるさとは対照的に、キャラクター達を取り巻く背景が超美麗で、まるで風景画レベルになっています。このアンバランスさが見所の一つと言えましょう。それでは「のんのんびより」背景小特集です。

のんのんびより背景その1 のんのんびより背景その2のんのんびより背景その3のんのんびより背景その4のんのんびより背景その5

 なにしろ「あ、田舎暮らしもいいかな」って思ってしまうレベルですから。なんか子供の頃の記憶が甦ってくるような、ちょっぷり泣きたくなるような、そんな風景です。日本の原風景なんでしょうかね。

一条螢 

 アニメの物語は、4月に始まって翌年3月までを12話で描いています。その4月に東京から転校してきたのが一条螢で、最初期は東京との落差に愕然としていましたが、思いの外早くなじんでいました。

土萠ほたる 

 螢、という名前からは、大方の人は「北の国から」を思い出すかも知れませんが、私のようなマイノリティーは「美少女戦士セーラームーン」のセーラーサターンこと土萠ほたるを思い出します。そう、皆口裕子さんが演じ、今日本を席巻している「萌え」の語源ではないかという説もあるあの儚げな少女ですよ。もちろん90年代の作品のほうですよ。「Crystal」?知らない子ですね。

螢とこのみ 

 その螢、小学5年生にしては身長164センチでルックスも大人っぽく、非常に発育のいい美少女です。高校3年生のこのみ(右)と並んでも大人っぽく見えるくらい。私ロリコンの気はない(はず)ですが、彼女の見ていると、ちょっくら妙な扉が開きそうな危険を感じます。なにしろ2話で眼鏡を掛けて大人びた服を着たところ、中学2年生の小鞠に最後まで螢と気づいて貰えませんでしから。

螢役の村川梨衣 

 螢については私のお気に入りなので、別途「好きなアニメキャラ」で取り上げようと思います。でもなー、声優が「りえしょん」こと村川梨衣なんですよね。いや、彼女が演じた「ごちうさ」のメグこと奈津恵も既に取り上げ済みなんで今さらためらう必要はないのですが、素でのハイテンションぶりには…。それを感じさせない高い演技力・実力があるということなんでしょうけどね。

宮内れんげ 

 じゃあ他のメンバーも紹介しましょう。まずは主人公格の小学一年生、宮内れんげ。思えばこの子もこの年初めて旭丘分校に通うことになった訳ですが。語尾に「のん」「なん」「ん」をつけるのが口癖で、「のんのんびより」というタイトルもここから来ているではないでしょうか。

にゃんぱすー 

 非常にユニークな感性を持っており、あいさつの「にゃんぱすー」など、言動を周囲の人間に理解されないことも多いですが、成績は優秀でテストは常に100点で、オール5の成績をとっています。また絵も小学生離れした上手さで、作詞もリコーダー演奏もできるというスーパー1年生ですが、やはり感性が妙で。

石川ほのか れんげとほのか

 いつもは年上の子供としか遊べませんが、夏休みに帰省していた同学年の石川ほのかと仲良くなった4話は神回といっていいでしょう。初めての同い年の子との触れ合いが嬉しくて仕方なかったほれんげですが、ほのかがパパンの都合でさよならも言えずに帰ってしまったことを知ったれんげの涙を見て、一気にれんげが好きになりました。

レンゲの涙 

 事実を知らされて、理解して泣くまでの長い間が実に良かったですね。来年の夏は「約束の滝」に一緒に行けるといいですね。

越谷小鞠 

 そして中学生の越谷姉妹。まずは姉の小鞠。中学2年生ですが身長140センチ未満という非常に小柄な子で、姿にそのままに子供っぽい面が多いです。妹の夏海のイタズラの被害を被ることが多く、また貧乏くじを引くことも多々あるという不憫な子です。

螢だと気づかない小鞠 

 その分小動物のような可愛さがあり、螢からは非常に好かれていますが、3歳も年下の螢が性格も雰囲気も大人びている事に関しては複雑な感情を抱いていたりして。仇名の「こまちゃん」も、小鞠という名前からというよりは「コマい」ことから由来しているようで、本人はこの仇名を嫌がっています。

越谷夏海 

 次に妹の夏海。こいつがまた悪いヤツなんだ(「テレビ三面記事 ウィークエンダー」風)。中学1年生で身長は普通なんですが、とにかくイタズラ好きで、もの凄くよく言えばムードメーカーですが、普通に言えばとんでもないトラブルメーカーです。

こいつがまた悪いヤツなんだ 
越谷ママン 

 幼少の頃からイタズラばかりしており、どれほど注意されても全く反省しないため、いつもママンから叱られています。アニメ版の磯野カツオに近いキャラとも言えましょうが、カツオがそれなりに企むのに対し、夏海はほぼ脊髄反射的にイタズラをするので、ひょっとすると発達障害の可能性が。

越谷卓 

 そして一言もしゃべらないので声優もついていない越谷姉妹の兄である卓。中学3年生で、分校唯一の男子生徒ですが、全く存在感がなく、夏海たちに無視されたり粗末な扱いを受けたりと散々な境遇ですが、本人はあまり気にしていない様子です。

宮内一穂 

 そして担任は鬼畜先生こと宮内一穂。名字で解るとおりれんげの姉です。24歳ということですが、れんげとの年の差は磯野家のサザエとワカメ以上に離れています。頑張るなあ、パパンとママン。声優は美人キャラを演じると定評ある名塚佳織なんですが、とにかく外道な先生です。

いきなり寝る一穂 

 授業は基本的に問題集を使った自習なので、授業中はほぼ教卓で寝ており、寝坊の常習犯のため、遅刻もしばしば。そのせいか起きていてもいつも目を閉じているように描かれています。さらに非常にマイペースな性格で頼りなく、海水浴に行って小鞠が行方不明になった際には「自分は先生としてではなく友達としてついてきただけ」と責任逃れ発言をして夏海たちを呆れさせたほか、田植えシーズンには遠足と称して子供達に実家の田んぼの田植えを手伝わせたこともあります。

寝袋に入れられる一穂 

 大雪で学校に泊まり込むことになった際には、布団が足りないという状況を把握していながらまっさきに布団に潜り込んで寝るという鬼畜ぶり。流石に生徒達全員から顰蹙を買って寝袋に入れられていました(しかも逆さに)が、このシーンには大笑いしてしまいました。

駄菓子屋 

 その他、たまに登場するキャラとして、加賀山楓。旭丘分校の卒業生で、一穂の後輩の20歳ですが、実家が駄菓子屋のせいで、幼少時よりあだ名は「駄菓子屋」。なんとれんげまで「駄菓子屋」と呼ぶ始末。本業の駄菓子屋の他にも民宿やスキー用具・布団などのレンタル、通販の取り寄せなどを経営の多角化を行っていますが、経営状況はあまり良好ではない様子です。

駄菓子屋の制裁 

 赤ん坊時代のれんげの面倒を見ていた過去があり、れんげには姉達以上に懐かれています。反面夏海には厳しく、彼女が余計なことをすると制裁を加えることがお約束となっていますが、その度に視聴者をスカッてくれるという、まさに歩く清涼飲料水です。

宮内ひかげ 

 お次は宮内ひかげ。れんげの姉で一穂の妹である高校1年生。旭丘分校出身ですが、「俺らこんな村いやだ」と思ったせいか、東京都内の高校に進学しており、上京して一人暮らし(寮?)をしており、登場は基本的に帰省時のみです。都会風を吹かせることが多いものの、しょせん付け焼き刃なので螢にも負けてしまう程度です。

富士宮このみ 

 そして越谷家の隣に住んでいる富士宮このみ。旭丘分校の卒業生で地元の高校に通う高校3年生です。たびたび越谷家に遊びに来ており、越谷家事情をよく知っており、小鞠や夏海の面倒も見ています。明るく気さくな性格だが、強引で押しが強いところもあり、夏海が思いつきで始めた文化祭のためだけにひかげを東京から呼び寄せたりしています。また思ったことを容赦なく直球で表現したり。高校卒業後の進路はどうするんだろうこの人。

のんのんびより りぴーと 

 第二期「のんのんびより りぴーと」も2015年夏季アニメとして放映されており、今後はこれを見ることを楽しみにしようと思っています。全員一学年進級するのかと思いきや、同じ一年をもう一度繰り返すらしいです。サザエさん時空か。

お別れの挨拶 

濁流資金:警視庁公安部 青山望シリーズ第5弾

種ちゃん…

 昨日、すなわち9月1日、私のご贔屓声優である種田梨沙さんが、病気療養の為にしばらく休業するという悲報が飛び込んで来ました。詳しい病状などは不明ですが、所属事務所(大沢事務所)の公式サイトによると、「以前から治療を続けておりましたが、回復の兆しが見えないため治療に専念する事と致しました」とのことです。このニュースを聞いて思い出したのは、昨年の松来未祐さんの訃報。縁起でもないですが。

頑張れ種ちゃん艦隊 

 若手声優の中では、ブリドカットセーラ恵美と並んで声質がとっても好きなので、ぜひ元気に復帰して貰いたいものです。なんのたしにもなりませんが、「艦これ」で種田さんが演じている手持ちの艦娘達を並べて「頑張れ種田梨沙艦隊」を作ってみました。戦艦がないのが惜しいですが、軽空母、重巡、駆逐艦とわりとバランスがいいですね。そのわりに育ってないやんと突っ込まれそうですが…スイマセン、空母や戦艦の育成で手一杯で。

濁流資金 

 さて本日は濱嘉之の人気シリーズ「警視庁公安部 青山望」シリーズ第5弾の「濁流資金」を紹介しましょう。第3弾の「報復連鎖」を紹介したのが2014年3月19日(http://nocturnetsukubane.blog.fc2.com/blog-entry-677.html)で、第4弾「機密漏洩」も読んだと思ったのですが、もしや飛ばしたか?今度図書館でチェックしておきます。未読だったら是非読みましょう。

 「濁流資金」は2014年9月2日に文春文庫から書き下ろしで刊行されています。まずは例によって文庫版裏表紙の内容紹介です。

ピンドン 

 仮想通貨取引所の社長が銃殺された。人事異動で警視庁公安部に復帰した青山望は、同期カルテットと共に事件を追うが、同時に政財界のホープが次々と不審死する事件が発生する。やがて青山は二つの事件の背後に、日本の表と裏の権力者たちによる壮大な陰謀の存在を察知する。公安捜査のリアルを描く大人気のシリーズ最新作! 

 相変わらず現実に起きた事件との関連が生々しいですね。作中「ビジネスコイン」として登場する仮想通貨は、かの有名な「ビ○トコイン」ですよね。それに登場する宗教団体、暴力団、過激派(警察風に言うと極左暴力集団らしいですが)など、実在のモデルを想起しやすいネーミングになっています。さらには政党とか政治家の名前も…。まあ「これはアイツだな」と思って読むのもよし、そんなややこしいことを考えずにフィクションだと割り切って読むもよし、です。

高級キャバクラ 

 実は第3弾「報復連鎖」から登場する半グレ集団「東京狂騒会」(モデルは明らかに市○海○蔵が絡んでたあの集団ですよ)メンバーや日本最大の暴力団岡広組(岡山、広島と来たら次は…)が今回も絡んでいますが、それに留まらず、中国人の殺し屋、高級キャバクラという名の売春組織、癒着する与野党首脳とそれを斡旋する政財界の大物と役者は豊富です。

ヘネシーリシャール 

 デスノートを使ったのかと思えるように心不全で次々と死亡する政財官界の幹部達。伊豆の高級旅館に呼び出された後に死んだ心臓外科の名医。京都で謀殺された仮想通貨企業社長。一見ばらばらな事件を組み合わせて見えてくる壮大な謀略図。これを包括的に扱えるのは公安部だけということで、例によって青山望を筆頭とするカルテットが活躍します。

高級宿のイメージ 

 そうそう、警部カルテットと呼ばれていた彼らも警視に昇任し、一層権限も責務も重くなっていますが、彼らは活躍しすぎたということで永田町に睨まれたらしく、それぞれ栄転という形で現場を去っています。青山が警視庁公安部に戻って公安総務課管理官、龍が刑事部捜査第二課管理官となったのはいいとして、大和田は警務部人事第一課の表彰担当管理官、藤中に至っては東京を追われて柏の科学警察研究所総務部総括補佐となっています。

 特に大和田と藤中の処遇については、栄転という形を取りながら閑職に回したという雰囲気がありましたが、実は永田町の圧力を逆手にとった警察首脳部の会心の人事だったのでした。というか、優秀なカルテットだから逆手に取れているという感じもありますが、例によって四人が緊密に連絡を取りながら余りにも大きな謀略の構図を暴いていきます。

ハイツ・セラー マーサズ・ヴィニヤード カベルネ・ソーヴィニヨン 

 主人公の青山望があまりにも神がかった直感の持ち主なので、魔法科高校の劣等生の司馬達也並みにチートキャラ化している感もありますが、上司は彼が連絡を取ればすぐさま会ってくれ、警視総監すらも一目も二目も置くという青山は、能力の高さだけでなく、仕事に対する極めて真摯な姿勢が誰からも敬意を持って見られているからでしょう。まさに公安のさすおに、司馬達也。

 本シリーズ、初期の頃は登場する警察官が皆優秀で真摯に職務に当たっている感じでしたが、今巻に入って遂に他の警察小説作家が取り上げまくる「警察内部の腐敗」に脚光を宛てています。やはりあるんでしょうかねえ、情報漏洩ってやつは。元警視庁公安部警部だった濱嘉之が書くとシャレにならないリアリティを感じます。

高級ホテルのスイートルーム 

 今回、数々の事件を結ぶ謎の解明過程が大半を占め、この手の作品で一番カタルシスを感じるところの犯人逮捕、真相究明の部分が最終章で駆け足で一気にやって来ます。タイトル自身が「一気呵成」になっているのが笑えますが、本当はこの部分をもっと書いて貰って、悪い連中の逮捕される様を見せて欲しかったです。

高級キャバ嬢イメージ 

 しかし私のような貧乏人には、いくら超一級の美人揃いのキャバクラとはいえ、お持ち帰り一泊百万円(+飲食代数十万円、プレゼント代数十万円)という大金をはたくことはちょっと考えられませんね。カネと権力を持つと平然とやってのけることが出来るようになるのでしょうか。そこにシビれる!あこがれるゥ!(笑)それにしても皆女には目がないのね。英雄色を好むというヤツか(連中はとても英雄のタマではないですが)。 

シャンパンタワー 
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